JP2012252128A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置の耐久状態に依らず、弊害なく記録材のしわの発生と画像不良の発生を抑制できるようにする。
【解決手段】
記録材上に画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置であって、筒状の定着回転部材20と、前記定着回転部材の内面と接触して定着回転部材を加熱する加熱体16と、前記定着回転部材を介して前記加熱体とともにニップ部Ntを形成する加圧回転部材22と、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着する定着装置において、前記ニップ部を通過した記録材の積算枚数に応じて、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、前記加熱体の少なくとも2つの通電発熱抵抗層101,102への通電比率を設定することにより、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向における単位長さあたりの発熱量を変更可能であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)に関する。
電子写真式の複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載される定着装置(定着器)として、フィルム加熱方式の定着装置が知られている。この定着装置は、セラミックス製の基板上に通電発熱抵抗層を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する筒状の定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。未定着トナー画像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に加熱定着される。
この定着装置は、定着フィルムとして熱容量の小さい部材を用いているため、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットがある。従って、この定着装置を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Print Out Time)を短くできる。また、この定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
ところで、定着フィルムを用いた定着装置は、上記したように出来うる限り熱容量を抑えた構成となっているため、定着フィルムの記録材搬送方向と直交する長手方向への熱伝導効率が低下し易い。そのため、記録材を連続プリントすると、定着フィルムの長手方向において記録材の搬送領域内ではヒータの熱は記録材上のトナー画像の定着に消費されるが、記録材の非搬送領域ではヒータの熱が消費されない。そのため、定着フィルムの長手方向端部では異常に昇温する、いわゆる非通紙部昇温が発生するという課題があった。
また、定着装置が十分冷えた状態から定着動作を開始した場合に、ヒータの熱は定着ニップ部を加熱するものの、同時に定着フィルムの長手方向端部へ放熱してしまう。このような場合、定着フィルムの長手方向端部では記録材が定着装置に突入する際に長手方向端部の温度が低いため、定着フィルムの長手方向中央部に比べ定着性能が劣るという課題もあった。
このような課題を解決するために、特許文献1では、ヒータ上に独立に通電可能な2本の通電発熱抵抗層を形成し、一方の通電発熱抵抗層の長手端部の発熱量を他方の通電発熱抵抗層の端部の発熱量よりも大きくしている。そしてこれら2本の通電発熱抵抗層に対する通電比率を変化させ、記録材通紙中のヒータ長手方向の温度分布を調整する方式が開示されている。
即ち、複数枚の記録材を連続して定着装置に通紙(導入)する際には、通紙する記録材の長手方向の幅に応じて、初期の通電発熱抵抗層の通電比を決定する。そして幅の広い記録材を通紙する場合ほど、上記長手端部の発熱量の小さい通電発熱抵抗層に対する長手端部の発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比を大きくする。そして通紙枚数に応じて段階的に上記の長手端部の発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比を減じていく。そうすることで、記録材通紙初期数枚における、長手端部の熱量不足や、連続通紙時の非通紙部の過度の昇温を抑制する構成となっている。
特開2002−341682号公報
上記のようなフィルム加熱方式の定着装置における加圧ローラとして、加圧ローラの長手方向において、中央部から端部にむけてその外径が大きくなる、いわゆる逆クラウン形状に形成したものを用いることが良く知られている。これは、記録材を定着ニップ部で挟持搬送する際に、定着ニップ部の長手中央部に比べて長手端部にいくほど記録材を相対的に速く搬送することによって、定着ニップ部中での記録材のゆがみやたわみをなくし、紙しわの発生を抑制するためである。
しかしながら、加圧ローラを逆クラウン形状に形成したとしても、特に吸湿した記録材を定着装置に通紙した場合、その中でも特に、坪量の小さい薄紙を通紙した場合には紙しわが発生しやすくなる傾向があった。
図16に従来の定着装置に用いられる、新品の加圧ローラの初期状態での長手外径形状と、定着装置に組み込んで記録材を20万枚通紙した後の加圧ローラの長手外径形状を示す。加圧ローラの長手外径形状の測定は加圧ローラが室温状態で十分冷えている状態で行った。加圧ローラは、加圧ローラの長手中心に対して左右で対称な形状をしていることから、図16には長手中心から片側の長手端部での外径形状の様子を示した。さらに、長手中心での外径を基準にして、長手中心での外径差を縦軸にとり、長手中心位置から片側の端部までの長手位置を横軸にとってある。
図16に示したように、新品の加圧ローラは初期の長手外径はきれいな逆クラウン形状になっており、長手中央に対する長手端部付近の外径も十分大きい。これに対し、20万枚通紙後の加圧ローラの長手外径は特に長手端部にいくほど長手中心との外径差が新品の加圧ローラに比べて小さくなっていることが分かる。
これは、近年のLBPの高速化、大量印刷化により、記録材の定着動作には大きな熱が与えられ、また高温状態で連続して多くの記録材が通紙されるため、物理的、熱的に加圧ローラの長手外径形状が変化しまうことが原因である。また、記録材の記録材搬送方向と直交する幅方向の端部のコバ部付近において、非通紙部昇温によって温度が高い状態で記録材の通紙が行われたことの影響である。
このように、特に長手端部で初期よりも外径が小さくなった加圧ローラが組み込まれた定着装置に吸湿した記録材を通紙した場合には、加圧ローラの長手中央部と長手端部の記録材搬送速度差が小さいために、紙しわが発生する場合があった。ここで、加圧ローラの長手中央部とは長手位置の0〜90mmの位置を示し、長手端部とは90〜110mmの位置を示す。
そこで、定着装置として想定以上の多くの記録材が通紙されても紙しわが発生しないように、加圧ローラの初期の逆クラウン形状を大きくすることが考えられる。
しかしながら、その場合、逆に定着装置の使用初期の場合に、加圧ローラの長手中央部に比べて長手端部の記録材搬送速度が大きくなりすぎ、記録材の幅方向端部で定着フィルムとの擦れ画像等の画像不良が発生してしまう。また、定着装置の使用初期の状態から加圧ローラの長手中央部と長手端部の記録材搬送速度に大きな差をつけすぎると、その速度差によって、定着フィルムに捩れを発生させやすくなってしまうという課題があった。
さらに、紙しわの発生しやすい場合として、定着装置が室温状態(25℃)まで十分冷えた状態から記録材を通紙する場合が挙げられる。このような場合、定着装置全体が冷えた状態にあるために、ヒータの通電発熱抵抗層に通電することによって発熱した熱は、定着フィルムを介して定着ニップ部を加熱するものの、ヒータの長手端部では放熱によって熱が逃げてしまう。
そのため、記録材が定着装置に突入する直前の加圧ローラの長手方向の温度分布は長手中央部では温度が高く、長手端部で温度が低い状態となる。この場合、加圧ローラの熱膨張による外径変化は、長手中央部の方が大きく、長手端部の方が小さくなる。すなわち、逆クラウン形状(中央部よりも端部の方が外径が大きい)を打ち消すように加圧ローラが膨張してしまう。そのため、より、紙しわが発生しやすくなってしまう。
特許文献1のような構成で、記録材の連続通紙初期のヒータの長手方向の発熱分布を長手端部で極端に発熱量が多いようにすれば、加圧ローラが室温状態ですでに逆クラウン形状が小さくなっている場合に熱膨張によって逆クラウン形状を復活させることはできる。そのため紙しわの発生防止に効果がある。
しかしながら、逆に定着装置としてまだあまり記録材の通紙が行われておらず、加圧ローラが室温状態で逆クラウン形状を保った状態の場合には、ヒータの長手端部の発熱量が多くなりすぎ、加圧ローラの長手端部が過剰に膨張してしまう。この場合には、上記したように、加圧ローラの長手中央部に対して長手端部での記録材搬送速度が速くなりすぎ、定着フィルムとの擦れ画像等の問題が生じてしまう場合があった。
これまで説明してきたように、画像形成装置に搭載したフィルム加熱方式の定着装置を用いる場合には、以下の2つの課題を両立させることが求められる。
1つは、定着装置としての使用状態が進んだ状況(言い換えれば、耐久後)の加圧ローラの逆クラウン形状が小さくなった定着装置において、吸湿した記録材を定着装置が十分冷えた状態から通紙した場合でも紙しわの発生を抑制することである。
他の1つは、定着装置としての使用状態は初期の状態(言い換えれば、耐久初期)の加圧ローラの逆クラウン形状がまだ大きい場合の定着装置における記録材通紙時の擦れ画像等の画像不良の発生を抑制することである。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、定着装置の耐久状態に依らず、弊害なく記録材のしわの発生と画像不良の発生を抑制できるようにした定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る定着装置の構成は、記録材上に画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置であって、筒状の定着回転部材と、前記定着回転部材の内面と接触して定着回転部材を加熱する加熱体と、前記定着回転部材を介して前記加熱体とともにニップ部を形成する加圧回転部材と、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着する定着装置において、前記加熱体は、記録材搬送方向と直交する長手方向で記録材搬送方向に並列に配設された少なくとも2つの通電発熱抵抗層を有し、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの通電発熱抵抗層は記録材搬送方向と直交する長手方向の単位長さあたりの発熱量が長手中央部に比べて長手端部の方が大きくなっており、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電をそれぞれ独立に制御する通電制御手段を有し、前記通電制御手段は、前記ニップ部を通過した記録材の積算枚数に応じて、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を設定することにより、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向における単位長さあたりの発熱量を変更可能であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係る定着装置の構成は、記録材上に画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置であって、筒状の定着回転部材と、前記定着回転部材の内面と接触して定着回転部材を加熱する加熱体と、前記定着回転部材を介して前記加熱体とともにニップ部を形成する加圧回転部材と、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着する定着装置において、前記加熱体は、記録材搬送方向と直交する長手方向で記録材搬送方向に並列に配設された少なくとも2つの通電発熱抵抗層を有し、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの通電発熱抵抗層は記録材搬送方向と直交する長手方向の単位長さあたりの発熱量が長手中央部に比べて長手端部の方が大きくなっており、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電をそれぞれ独立に制御する通電制御手段を有し、前記通電制御手段は、前記加圧回転部材に与えられた熱履歴の積算値に応じて、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を設定することにより、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向における単位長さあたりの発熱量を変更可能であることを特徴とする。
本発明によれば、定着装置の耐久状態に依らず、弊害なく記録材のしわの発生と画像不良の発生を抑制できるようにした定着装置を提供することができる。
実施例1に係る画像形成装置の4つの画像形成部と定着装置を表す概略構成模式図 (a)は定着装置の横断側面概略構成図、(b)は定着装置の概略構成を表す外観斜視図 ヒータの表面側からの概略構成を表す上面図、及びヒータの通電制御系のブロック図 加圧ローラの長手方向外径形状の説明図 加圧ローラの外径の熱膨張の説明図 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の温度分布図(その1) 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状図(その1) 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の温度分布図(その2) 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状図(その2) 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の温度分布図(その3) 記録材の定着ニップ部突入直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状図(その3) 記録材の通紙に伴う、加圧ローラA及び加圧ローラBの逆クラウン量の減少を表す図 実施例1に係る定着装置の通電制御部によるヒータ通電比率変更制御のフローチャート 実施例2に係る定着装置の通電制御部によるヒータ通電比率変更制御のフローチャート ヒータの変形例を示す図であって、ヒータの表面側からの概略構成を表す上面図 従来の定着装置の加圧ローラの長手方向の外径形状を表す図
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本実施例1に係る画像形成装置の4つの画像形成部と定着装置の概略構成図である。この画像形成装置は電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。この画像形成装置の記録材の搬送基準は、記録材の搬送方向と直交する長手方向において、記録材搬送通路の長手方向中央と記録材の長手方向中央を一致させて記録材の搬送を行なう中央搬送基準である。
本実施例に示す画像形成装置は、4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。4つの画像形成部として、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkと、を備えている。
各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkは、それぞれ、感光ドラム2a,2b,2c,2dを有している。各感光ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、帯電ローラ3a,3b,3c,3dと、現像装置4a,4b,4c,4dと、転写ローラ5a,5b,5c,5dと、クリーニング装置6a,6b,6c,6dが設置されている。
帯電ローラ3a,3b,3c,3dと現像装置4a,4b,4c,4d間の上方には、露光装置7a,7b,7c,7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a,4b,4c,4dには、それぞれ、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
画像形成部1Y,1M,1C,1Bkの各感光ドラム2a,2b,2c,2dの外周面(表面)と中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト40の外周面(表面)とを当接させて1次転写部Nを形成している。
中間転写ベルト40は、駆動ローラ41と、支持ローラ42と、2次転写対向ローラ43に張架され、駆動ローラ41の回転によって矢印方向に回転(移動)される。1次転写用の各転写ローラ5a,5b,5c,5dは、各1次転写ニップ部Nにおいて中間転写ベルト40を介して各感光ドラム2a,2b,2c,2dと対向するように配置されている。2次転写ローラ44は、中間転写ベルト40を介して二次転写対向ローラ43と対向するように配置され、2次転写ローラ44の外周面と中間転写ベルト40表面とが当接して2次転写部Mを形成している。
中間転写ベルト40の駆動ローラ41近傍の外側には、中間転写ベルト40表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置45が設けられている。2次転写部Mの記録材Pの搬送方向下流側には定着装置12が設けられている。
本実施例の画像形成装置は、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から出力される画像形成開始信号を受信すると、モータ(不図示)が回転駆動して各感光ドラム2a,2b,2c,2dを矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転させる。そしてこの各感光ドラム2a,2b,2c,2dの外周面(表面)を帯電ローラ3a,3b,3c,3dで所定の極性・電位に一様に帯電する。本実施例では感光ドラム2a,2b,2c,2d表面は負極性に帯電される。
各露光装置7a,7b,7c,7dは、外部装置から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号にそれぞれ変換する。そしてこの変換された光信号であるレーザ光を帯電された各感光ドラム2a,2b,2c,2d表面にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
静電潜像が形成された感光ドラム2a表面上に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを感光ドラム2a表面の帯電電位に応じて静電吸着させる。この静電吸着により静電潜像をイエロートナーにより顕像化し、イエロートナー画像とする。このイエロートナー画像は、1次転写部Nにて1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、回転している中間転写ベルト40表面上に1次転写される。
イエロートナー画像が転写された中間転写ベルト40は画像形成部1M側に回転される。そして画像形成部1Mにおいても同様にして感光ドラム2b表面にマゼンタトナー像が形成され、このマゼンタトナー像が1次転写部Nにて中間転写ベルト40表面上のイエロートナー画像上に重ね合わせて転写される。
以下同様にして中間転写ベルト40上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像上に、画像形成部1C,1Bkの感光ドラム2c、2d表面に形成されたシアン、ブラックのトナー画像を各1次転写部Nにて順次重ね合わせる。これによりフルカラーのトナー画像が中間転写ベルト40表面上に形成される。
そして、中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー画像先端が2次転写部Mに移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ46により記録材Pを2次転写部Mに搬送する。この記録材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ44によりフルカラーのトナー画像が一括して2次転写される。
フルカラーのトナー画像を担持する記録材Pは定着装置(定着器)12に搬送される。そしてこの定着装置12の定着スリーブ20と加圧ローラ22とで形成される定着ニップ部(ニップ部)Ntで挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材P上のフルカラーの未定着トナー画像は記録材Pに加熱定着される。定着ニップ部Ntを出た記録材Pは排出ローラ(不図示)によって排出トレイ(不図示)に排出される。
上記の1次転写時において、感光ドラム2a,2b,2c,2d上に残留している1次転写残トナーはドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dにより除去されて回収される。また、2次転写後に中間転写ベルト40表面上に残った2次転写残トナーはベルトクリーニング装置45により除去されて回収される。
(2)定着装置12
以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材搬送方向と平行な方向をいう。長さとは長手方向の寸法である。幅とは短手方向の寸法である。記録材に関し、幅方向とは記録材搬送方向と直交する方向をいう。幅とは幅方向の寸法である。
図2において、(a)は定着装置の横断側面概略構成図、(b)は定着装置の概略構成を表す外観斜視図である。図3はヒータの表面側からの概略構成を表す上面図、及びヒータの通電制御系のブロック図である。本例の定着装置12は、定着フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)の定着装置である。
定着装置12は、筒状の定着回転部材としての定着スリーブ20と、定着スリーブ20の内面と接触して定着スリーブを加熱する加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)16を有している。また定着装置12は、定着スリーブ20の内側でヒータ16を支持する支持部材としてのヒータホルダ17と、定着スリーブ20を介してヒータ16とともに定着ニップ部(ニップ部)Nを形成する加圧回転部材としての加圧ローラ22などを有している。定着スリーブ20とヒータ16とヒータホルダ17と加圧ローラ22は何れも長手方向に長い部材である。
本実施例のヒータ16は裏面発熱型のヒータである。図2(a)、図4において、100はアルミナ、窒化アルミ等のセラミック材料により形成される高熱伝導性の細長い基板である。この基板100は定着ニップ部Ntの幅よりも幅が広く形成してある。
基板100の定着スリーブ20側の面(裏面)には、基板100の長手方向に沿って、例えば銀パラジウム(Ag/Pd)等の導電材料からなる第1の通電発熱抵抗層101と、第2の通電発熱抵抗層102がスクリーン印刷等により形成してある。
また基板100裏面の長手方向一端部には、第1の通電発熱抵抗層101に通電するための電極部104と、第2の通電発熱抵抗層102に通電するための電極部105がスクリーン印刷等により形成してある。
また基板100裏面の長手方向他端部には、第1の通電発熱抵抗層101及び第2の通電発熱抵抗層102に通電するための共通電極部103がスクリーン印刷等により形成してある。また基板100の裏面には、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102を覆うようにガラス等からなる絶縁保護層106が形成してある。
第1の通電発熱抵抗層101には、第1の電力供給手段としての第1のトライアック31が共通電極部103と電極部104を介して電気的に接続されている。第2の通電発熱抵抗層102には、第2の電力供給手段としての第2のトライアック32が共通電極部103と電極部105を介して電気的に接続されている。そしてこの第1のトライアック31と第2のトライアック32には、通電制御手段としての通電制御部30が電気的に接続されている。通電制御部30はCPUとROMやRAMなどのメモリとからなっている。
図3において、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102はともに長さ223mmで形成されている。第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102のうち、第1の通電発熱抵抗層101は商用電源(電源)Gから第1のトライアック31を通じて共通電極部103と電極部104との間に給電されることにより発熱する。通電発熱抵抗層102は商用電源Gから第2のトライアック32を通じて共通電極部103と電極部105との間に給電されることにより発熱する。
第2の通電発熱抵抗層102は、第2の通電発熱抵抗層102の長手方向で不均一な抵抗値分布を有するように形成してある。即ち、第2の通電発熱抵抗層102は、第2の通電発熱抵抗層102の長手方向両側の端部(以下、長手端部と記す)102eの単位長さあたりの抵抗値を長手端部間の長手方向中央部(以下、長手中央部と記す)102cに比べて高くなるように形成してある。
本実施例では、図3に示されるように、第2の通電発熱抵抗層102の長さ223mmのうち長手端部102eの長さ20mmの領域において、同一ペーストの通電発熱抵抗層102の幅を長手中央部102cの幅よりも絞って狭くしている。これにより長手端部102eの長さ20mmの領域だけ長手中央部102cに比べて単位長さあたりの抵抗値を高く設定している。本実施例では長手中央部102cの単位長さあたりの抵抗値を100%とすると、長手端部102eの単位長さあたりの抵抗値は120%となっている。
つまり、第2の通電発熱抵抗層102は、第2の通電発熱抵抗層102の長手方向の単位長さあたりの発熱量が長手中央部102cに比べて長手端部102eが大きくなるように構成してある。第2の通電発熱抵抗層102に対し、第1の通電発熱抵抗層101の単位長さあたりの抵抗値分布は長手方向にわたり均一である。つまり、第1の通電発熱抵抗層101は、第1の通電発熱抵抗層101の長手方向の単位長さあたりの発熱量が等しくなるように構成してある。
また本実施例では、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の長手方向全体での抵抗値はほぼ同様となるように形成してある。即ち、第1の通電発熱抵抗層101の共通電極部103と電極部104との間の抵抗値と、第2の通電発熱抵抗層102の共通電極部103と電極部105との間の抵抗値は同じである。この結果、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102に同等のデューティー比で通電を行った場合には、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の長手全体での発熱量は同等となる。
定着スリーブ20は、エンドレスベルト状の基層(不図示)の外周面上に弾性層(不図示)を設けた構成としてある。ヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で横断面略半円弧状樋型に形成してある。ヒータホルダ17の定着スリーブ20の内周面(内面)と接触する外周半円弧面の短手方向中央には長手方向に沿って溝が設けられており、ヒータ16はそのヒータホルダ17の溝に嵌合されて支持されている。そしてヒータ16を支持させたヒータホルダ17の外周に定着スリーブ20をルーズに外嵌させている。
ヒータホルダ17の外周半円弧面は定着スリーブ20の回転動作状態において定着スリーブ20内面をガイドする役割を果たす。
加圧ローラ22は、ステンレス製の金属製芯金22aの外周面上に、射出成型によりシリコーンゴム層からなる弾性層22bを形成し、その弾性層22bの外周面上に離型層22cとしてPFA樹脂チューブを被覆して構成したものである。弾性層22bの厚みは約3.5mmである。離型層22cの厚みは70μmである。加圧ローラ22の弾性層22b及び離型層22cの長さは231mmである。つまり、弾性層22b及び離型層22cは、弾性層22b及び離型層22cの長手方向の中心から左右の端部へそれぞれ115.5mmの長さとなっている。
この加圧ローラ22は、定着スリーブ20の下方で定着スリーブ20と並列に配置されている。そして芯金22aの長手方向両端部を定着装置12の装置フレーム24の奥側と手前側の側板(不図示)に軸受(不図示)を介して回転可能に支持させている。また装置フレーム24の奥側と手前側の側板には、定着スリーブ20の長手方向両端から外側に突出しているヒータホルダ17の両端部を支持させている。
そしてこの定着スリーブ20の両端部を加圧機構(不図示)により片側122.5N(12.5kgf)、総圧245N(25kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向と直交する径方向に附勢している。この附勢力によりヒータ16を定着スリーブ20を介して加圧ローラ22の外周面(表面)に加圧することにより弾性層22bを径方向に所定量弾性変形させている。
これにより定着スリーブ20の外周面(表面)と加圧ローラ22表面とでトナー画像の加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Ntを形成している。つまり、加圧ローラ22は定着スリーブ20を介してヒータ16とともに定着ニップ部Ntを形成している。
図2(b)において、18は温度検知部材としてのメインサーミスタであり、19a,19bは温度検知部材としての2つのサブサーミスタである。図2(a)では、2つのサブサーミスタ19a,19bは同じ視線上にあるため、1つのサブサーミスタ19aしか図示していない。
メインサーミスタ18は、定着スリーブ20内面に弾性的に接触するように配設されて定着スリーブ20内面の温度を検知する。このメインサーミスタ18は、ヒータホルダ17に固定支持させたステンレス製のアーム25の先端にサーミスタ素子を取り付けたものである。
このように構成されたメインサーミスタ18は、アーム25が弾性揺動することにより、定着スリーブ20内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタ素子が定着スリーブ20内面に常に接する状態に保たれる。サブサーミスタ19a,19bは、ヒータ16の基板100においてヒータホルダ17側の面(表面)に接触するように配設されてヒータ16表面の温度を検知する。
メインサーミスタ18は定着スリーブ20の長手中央付近に配設されている。サブサーミスタ19a,19bはヒータ16の長手中心から等距離の端部位置(長手中心から99mmの両端部)に配設されている。即ち、サブサーミスタ19a,19bは、ヒータ16の第1の通電発熱抵抗層100と第2の通電発熱抵抗層102の長手方向の中心から等距離離れた位置に配設されている。
図2(a)において、23と26は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、二次転写ニップMを抜けた記録材Pを定着ニップ部Ntに導くためのものである。この入り口ガイド23は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂により形成されている。定着排紙ローラ26は、定着ニップ部Nを出た記録材Pを排出ローラに搬送するためのものである。
(3)定着装置12の加熱定着動作
本実施例の定着装置12は、上述のモータの回転駆動により加圧ローラ22が矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。この加圧ローラ22の回転は、定着ニップ部Ntにおいて、加圧ローラ22表面と定着スリーブ20表面との摩擦力により定着スリーブ20表面に伝わる。これにより定着スリーブ20は定着スリーブ20内面がヒータ16の絶縁保護層106の表面と接触しながら加圧ローラ22の回転に追従して矢印方向へ回転する。定着スリーブ20内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ17の外周半円弧面及び絶縁保護層106表面と定着スリーブ20内面との摺動性を確保している。
通電制御部30は、画像形成開始信号を受信すると、第1のトライアック31と第2のトライアック32をそれぞれオンする。そして第1のトライアック31と第2のトライアック32はそれぞれ対応する通電発熱抵抗層101,102に対して同じデューティー比(100%)で通電(給電)を開始する。これにより第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102が発熱してヒータ16は急速に昇温する。そしてこのヒータ16の熱により定着スリーブ20は基層、弾性層の順に加熱される。
また通電制御部30はメインサーミスタ18からの検知温度(温度情報)を取り込む。そしてこの検知温度に基づいて、第1のトライアック31と第2のトライアック32から対応する通電発熱抵抗層101,102に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御し、定着スリーブ20の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持する。
加圧ローラ22が回転され、かつヒータ16が所定の定着温度に維持された温調状態において、未定着トナー画像tを担持した記録材Pはトナー画像担持面を上向きにして入り口ガイド23により案内され定着ニップ部Ntに通紙(導入)される。
この記録材Pは、定着ニップ部Ntで記録材Pのトナー画像担持面側が定着スリーブ20表面に密接し、定着スリーブ20と共に定着ニップ部Ntを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ16の熱が定着スリーブ20を介して記録材Pに付与される。これにより記録材P上の未定着トナー画像tは加熱・加圧され溶融して記録材上に加熱定着される。定着ニップ部Ntを出た記録材Pは、定着スリーブ20表面から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
(4)ヒータ16の第2の通電発熱抵抗層102の発熱分布の説明
上述のようにヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102に同等のデューティー比で通電を行った場合には、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の長手全体での発熱量は同等となる。
しかしながら、第2の通電発熱抵抗層102は長手端部の発熱量が大きいため、ヒータ16の長手方向の単位長さあたりの発熱分布としては、長手中央部102cの発熱量よりも長手端部102eの発熱量が大きくなる。
この結果、第1の通電発熱抵抗層101へのデューティー比と第2の通電発熱抵抗層102へのデューティー比を変動させることにより、ヒータ16の長手端部の発熱分布を変化させることが可能である。即ち、第1の通電発熱抵抗層101へのデューティー比に対して、第2の通電発熱抵抗層102へのデューティー比を大きくするほど、ヒータ16としては長手端部の発熱量が大きくなる。
(5)加圧ローラ22の逆クラウン形状の説明
ここで、本実施例における加圧ローラ22の逆クラウン量について説明する。図4に本実施例における典型的な加圧ローラ22の所定の室温状態(25℃)での長手方向の外径形状を示す。図4では、加圧ローラ22の長手方向の中心(以下、長手中心と記す)の外径約25mmに対しての差を縦軸にとってある。横軸には加圧ローラ22の長手中心からの長手位置をとっている。加圧ローラ22は長手中心に対して左右に対称な形状に形成されていることから、図4に長手中心から片側の長手端部までの外径の様子を示した。
図4より、長手中央から長手端部に向かって外径が大きくなっており、加圧ローラ22は逆クラウン形状をしていることが分かる。本実施例では、例えば、長手中央から長手端部へ105mm離れた長手位置での外径は、長手中央の外径に対し、約105μm大きい。
(6)加圧ローラ22の熱膨張による外径変化の説明
図5に加圧ローラ22を加熱した場合の加圧ローラ22の外径を測定した結果を示す。
図5では、加圧ローラ22の熱膨張による外径の変化を縦軸にとり、加圧ローラ22の加熱温度を横軸にとっている。加圧ローラ22の外径測定は、加圧ローラ22において、長手中心、長手中心から長手端部へ105mm離れた長手位置即ちLTRサイズ紙(幅216mm)の端から3mm内側の長手位置で行った。図5より、破線にて示す長手中心、実線にて示す長手端部からともに加圧ローラ22の温度が高くなるほど、加圧ローラ22の弾性層22bの熱膨張により線形的に外径が大きくなっていることが分かる。
室温状態での外径に長手中央と長手端部で差があるのは、加圧ローラ22はもともと逆クラウン形状であり、長手中央近傍の長手中央部が相対的に長手端部よりも外径が小さいためである。図5の結果から、長手中央部、長手端部ともに加圧ローラ22の温度が上昇するにつれて、6μm/℃で熱膨張することが分かる。
(7)加圧ローラ22の長手方向における温度分布と外径形状の説明
本実施例では、従来例と同じように、記録材Pを定着ニップ部Ntに連続して通紙した連続通紙枚数に応じて、表1のように第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電比を変化させている。
表1中では、ヒータ16の長手方向に渡って単位長さあたりの抵抗値が均一な第1の通電発熱抵抗層101への通電に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を示している。そのため、表1中で、通電比が100%となっている場合、第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102に100%のデューティー比で通電しているということではない。第1の通電発熱抵抗層101へ所定のデューティー比で通電がなされている場合に、第2の通電発熱抵抗層102へも同様のデューティー比で通電がなされているということである。
さらに、表1中で、通電比が80%となっている場合には、第1の通電発熱抵抗層101へのデューティ比の0.8倍のデューティー比で第2の通電発熱抵抗層102への通電が行われるということである。つまり、通電比とは、第1の通電発熱抵抗層101への通電に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比である。
表1は本実施例における定着装置12を搭載している画像形成装置で通紙可能な最大幅の記録材であるLTRサイズ(幅216mm)を定着ニップ部Ntに通紙する場合の例である。
また、本実施例では、記録材Pが定着装置12中を搬送されるスピードは240mm/secであり、記録材Pを連続通紙した場合には定着ニップ部Ntへの記録材Pの通紙枚数は1分間に40枚である。
上記のような条件で、新品状態の加圧ローラ(以下、加圧ローラAと記す)と、約20万枚を通紙した後の加圧ローラ(以下、加圧ローラBと記す)を用いて比較を行った。
定着ニップ部Ntに通紙される記録材Pとして、記録材Pにしわが発生し易い条件である、高温多湿の環境下で48時間以上放置して十分吸湿した記録材を用いている。記録材Pの種類は坪量75g/mの普通紙である。以下の説明において、記録材Pとしての上記普通紙に発生したしわを紙しわと記す。
以下、まず従来方式において、3つの場合における比較実験について説明を行い、次に、その3つの比較実験の結果を踏まえて構成される本実施例の定着装置12の説明を行う。
(比較実験1)
加圧ローラAを組み込んだ定着装置を搭載した画像形成装置と、加圧ローラBを組み込んだ定着装置を搭載した画像形成装置を用いて、表1に示す通電比で通電制御を行い記録材をそれぞれの定着装置の定着ニップ部に通紙した。上記二つの画像形成装置は定着装置を除いて同じ構成、仕様のものである。記録材の定着ニップ部への通紙は定着装置のヒータが室温状態(25℃)まで十分冷えた状態から行った。
その結果、加圧ローラAを使用した場合には紙しわは発生しなかった。一方、加圧ローラBを使用した場合には、1枚目の記録材で紙しわが発生し、2枚目以降は発生しなかった。
本結果について考察する。図6に今回の記録材通紙時において、1枚目の記録材が定着ニップ部へ突入する直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手温度分布を示す。ここで、加圧ローラA及び加圧ローラBの温度分布は長手方向で左右対称であるため、図6には長手中心から片側の長手端部までの長手温度分布の様子のみを示している。図6において、縦軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの温度を示し、横軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの長手中央から片側の長手端部までの長手位置を示している。
加圧ローラA及び加圧ローラBの長手温度分布は、加圧ローラの外径形状には影響されないため、加圧ローラA、加圧ローラBの場合とも同様であった。図6より、加圧ローラの長手中央部(長手位置の0〜90mmの領域)に対し、長手端部(長手位置の90〜110mmの領域)は温度が低くなっていることが分かる。
これは、定着装置のヒータを冷えた状態(室温状態)から立ち上げた場合には、ヒータの熱が長手端部方向へ放熱され、長手端部の温度が上昇しにくいためである。この場合の加圧ローラの長手方向の外径形状は、長手中央部に比べ、長手端部において加圧ローラの弾性層の熱膨張が小さいため、室温状態の場合よりも長手中央部と長手端部との外径差が小さくなる。
図5の結果と図6の温度分布からこのときの加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状を求めることができる。その結果を図7に示す。図7には、加圧ローラA及び加圧ローラBについて、記録材が定着ニップ部に突入する直前の長手方向の外径形状を示す。
また、図7に、あわせて室温状態での長手方向の外径形状も示してある。また、図7では、これまでと同様、加圧ローラA及び加圧ローラBの長手中心から片側の長手端部までの外径形状の様子を示し、長手中心での外径を基準にして、長手中心での外径差を縦軸にとり、横軸には長手中央から片側の長手端部までの長手位置をとっている。
図7において、長手中央部(長手位置の0〜90mmの領域)は、温度分布が同様であるため、室温状態でも加熱状態でも加圧ローラA及び加圧ローラBの外径形状は同様である。長手端部(長手位置の90〜110mmの領域)に関しては、以下の通りである。加圧ローラAの場合には、記録材の定着ニップ部突入直前の長手方向の温度分布が長手端部で下がっていたとしても、長手端部で室温状態でのもともとの外径が大きいため、逆クラウン形状は保たれている。
これに対し、加圧ローラBの場合には、室温状態でのもともとの外径が長手中央部に比べて長手端部で十分大きくなっていない。これに加え、室温状態では、長手方向の温度分布が長手端部で低いため、長手端部ではその少し内側の領域よりも加圧ローラの熱膨張量が小さく、外径は記録材の定着ニップ部突入直前の長手方向における少し内側の領域よりも小さくなってしまっている。
具体的には、加圧ローラBにおいて、室温状態では、長手中央から長手位置90mm付近での外径が最も大きく長手中央に対し40μm程度大きい。しかしながら、記録材の定着ニップ部突入直前では、長手中央から長手位置105mm付近の外径は小さくなり、長手中央に対し約20μm大きい程度である。長手中央から長手位置105mmの位置は、LTRサイズの記録材を定着ニップ部に通紙した場合の記録材端付近である。
図7に示す記録材の定着ニップ部突入直前の状態から記録材が定着ニップ部に突入すると、加圧ローラBの場合には、長手方向における記録材の搬送速度が長手端部で遅くなる領域ができ、紙しわが発生する。この紙しわの発生は最初の1枚目だけであり、2枚目以降は発生しない。一方、加圧ローラAの場合には、長手方向における記録材の搬送速度が長手端部で遅くなる領域はできず、紙しわは発生しない。
ここで、加圧ローラBを用いた場合でも、2枚目以降の記録材で紙しわが発生しない理由を説明しておく。記録材の定着ニップ部突入直前までは、言うまでも無く、定着ニップ部中に記録材がない。
しかしながら、記録材が定着ニップ部に突入した後は、加圧ローラBの熱が記録材に奪われるため、加圧ローラBの長手方向において、記録材の搬送領域内の温度は下がる。1枚目の記録材によって熱を奪われた後、2枚目の記録材が定着ニップ部に突入する直前には、加圧ローラBの長手方向の温度分布は長手端部の方が高くなる。
そのため、熱膨張による長手方向の外径形状は長手端部ほど逆クラウン量が大きくなるようになる。このため、記録材が連続通紙される場合には、1枚目で紙しわが発生しやすく2枚目以降は紙しわが発生しにくい。即ち、紙しわを抑制するには、記録材の定着ニップ部突入直前までに加圧ローラの外径形状を長手端部ほど大きな形状にできていれば良い。
(比較実験2)
次に、比較実験1の二つの画像形成装置を用いて、下記のような実験を行った。表1の記録材の定着ニップ部突入までにおける、第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を130%に変更した状態でそれぞれの定着装置の定着ニップ部に記録材の通紙を行った。その他の条件は比較実験1と同様である。この場合、加圧ローラAを用いた場合も加圧ローラBを用いた場合も紙しわは発生しなかった。
本結果について考察する。図8に記録材が定着ニップ部に突入する直前における加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の温度分布を示す。図8において、縦軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの温度を示し、横軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの長手中央から片側の長手端部までの長手位置を示している。加圧ローラA及び加圧ローラBの長手温度分布は、図6と同様に、加圧ローラAと加圧ローラBで差はなく同様である。
しかしながら、加圧ローラA及び加圧ローラBの長手端部における温度が高くなっているのが分かる。これは第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102の通電比を高くしたため、ヒータ16の発熱量が長手端部において大きくなったためである。
比較実験1の場合と同様に、図5の結果と図8の温度分布からこのときの加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状を求めると図9のようになる。図9では、図7と同様に、加圧ローラA及び加圧ローラBの長手中心から片側の長手端部までの外径形状の様子を示し、長手中心での外径を基準にして、長手中心での外径を縦軸にとり、横軸には長手中央から片側の長手端部までの長手位置をとっている。
図8に示すように、長手端部において加圧ローラA及び加圧ローラBの温度が高くなっているため、長手端部における加圧ローラA及び加圧ローラBの熱膨張は長手中央部よりも大きい。そのため、図9に示すように、加圧ローラBに関しても、記録材の定着ニップ部突入直前では、長手端部の外側へいくほど逆クラウン量が大きくなっている。よって、記録材の定着ニップ部突入直前の状態から記録材が定着ニップ部に突入した場合には、長手方向における記録材の搬送速度は長手端部へ行くほど速くなる。そのため紙しわは発生しない。
加圧ローラAの場合には、加圧ローラBに比べて長手端部の逆クラウン量が大きくなっているため、紙しわが発生しないことは言うまでもない。
(比較実験3)
次に、比較実験1の二つの画像形成装置を用いて、比較実験2と同様の通電比で通電制御を行い、定着装置が十分温まった状態から定着ニップ部に記録材の通紙を行った。ここで、定着装置が十分温まった状態とは、LTRサイズの記録材を連続で100枚通紙した直後の状態を示す。この場合、加圧ローラAを用いた場合に、記録材通紙の初期数枚で記録材の搬送速度が長手端部で速すぎることに起因する、定着スリーブとの擦れ画像が発生してしまった。加圧ローラBを用いた場合には、前記の擦れ画像は発生しなかった。
本結果について考察する。図10に比較実験1、比較実験2の場合と同様に、加圧ローラA及び加圧ローラBの記録材の定着ニップ部突入直前における長手方向の温度分布を示す。図10において、縦軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの温度を示し、横軸は加圧ローラA及び加圧ローラBの長手中央から片側の長手端部までの長手位置を示している。加圧ローラA及び加圧ローラBの長手温度分布は、図8と同様に、加圧ローラAと加圧ローラBで差はなく同様である。
また、図11に図5の結果と図10の温度分布から求まる、加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の外径形状を示す。図10から分かるように、もともと加圧ローラA及び加圧ローラBが温まっていて、長手端部からの熱の逃げもおさまっている。この状態から定着装置のヒータを立ち上げるため、記録材が定着ニップ部に突入する直前の加圧ローラA及び加圧ローラBの長手方向の温度分布は長手端部の方が高くなっている(図11参照)。
この場合、加圧ローラAの場合にはもともとの逆クラウン形状が大きいことに加え、長手端部で温度が高いため、長手端部の熱膨張が非常に大きくなる。結果として長手端部における外径は長手中心に比べて非常に大きくなってしまう。
図11に示すように、具体的には、加圧ローラAの場合、記録材の定着ニップ部突入直前では、長手中心から長手位置105mmの位置での外径は長手中心と比べて160μm以上大きくなる。即ち、加圧ローラAの長手中心と長手位置105mmの位置との外径差は160μm以上となる。この状態から記録材が定着ニップ部に突入すると、加圧ローラAの長手中央部(長手位置の0〜90mmの領域)に対する長手端部(長手位置の90〜110mmの領域)の記録材搬送速度が速すぎる状態となり、上記の擦れ画像が発生してしまう場合があった。
加圧ローラBの場合には、長手端部(長手位置の90〜110mmの領域)におけるもともとの逆クラウン形状が小さいため、記録材の定着ニップ部突入直前に、加圧ローラBが熱膨張したとしても、極端に長手端部の外径が大きくなることはない。加圧ローラBの場合、記録材の定着ニップ部突入直前では、長手中心から長手位置105mmの位置での外径は長手中心に対して約105μm大きい。よって上記の擦れ画像は発生しない。
(8)通電比(通電比率)変更制御の説明
以上の結果から、本実施例では、定着装置12の定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの積算枚数に基づいて加圧ローラ22の室温状態での逆クラウン量の減少を予測する。そして加圧ローラ22の室温状態での逆クラウン量が小さくなっていると判断される場合には、表1における、記録材の定着ニップ部突入直前までの第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電比(通電比率)を変更することとした。
また、上記通電比は、定着装置12が十分温まった状態から記録材の通紙を行った場合でも、上記擦れ画像が発生しないように設定してある。ここで、積算枚数とは、定着装置12の定着ニップ部Ntに初めて記録材Pが通紙されてから、その後定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの枚数を足し合わせてカウントした値である。これから、新たな記録材Pの定着動作を行う場合に、その定着動作を行うジョブの1枚目の記録材Pがこれまで定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの1万枚目だった場合、そのときの記録材Pの積算枚数としては、9999枚である。
ここで、定着装置12の定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの積算枚数とそのときの加圧ローラ22の室温状態での逆クラウン量の関係を図12に示す。図12において、加圧ローラ22の逆クラウン量(μm)を縦軸にとり、横軸に定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの積算枚数をとっている。図12に示す逆クラウン量は、加圧ローラ22の長手中央から長手位置105mmの位置における逆クラウン量である。
図12に示すように、加圧ローラ22の逆クラウン量は、定着ニップ部Ntに通紙された記録材Pの積算枚数が増えるに従い、リニアに減少していることがわかる。加圧ローラ22の逆クラウン量の測定は、使用初期状態で長手端部105mmの位置での外径が長手中心に比べて105μm大きい加圧ローラを用い、同一種の記録材を連続通紙した場合の結果である。即ち、加圧ローラとして、外径の長手中心と長手端部との外径差が105μmのものを用いた。そして記録材として、坪量75g/mのLTRサイズ普通紙を用いた。
図12の結果に従い、定着ニップ部Ntに通紙された記録材P即ち定着ニップ部を通過した記録材の積算枚数に応じて、ヒータ16の第1の通電発熱抵抗層(他の通電発熱抵抗層)101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を表2のように決定した。表2において、0〜50000枚、50001〜100000枚、100001〜150000枚、150001〜200000枚、200001枚〜は、それぞれ、通電比変更用積算枚数である。通電比変更用積算枚数とは、加圧ローラ22の長手方向の記録材搬送領域における外径差を、紙しわの発生と擦れ画像の発生を抑制できるように所定の一定範囲に維持可能な設定積算枚数をいう。
ここで、具体例を挙げて、本実施例の定着装置12における通電比変更制御を説明する。以下に説明する通電比変更制御は通電制御部30により行われる。図13は通電制御部30による通電比変更制御のフローチャートである。
図13において、S1では、定着装置12の定着ニップ部Ntの記録材搬送方向排出口に配設された記録材通過センサ33からの出力信号を取り込む。
S2では、その記録材通過センサ33からの出力信号をカウントして定着ニップ部Ntを通過した記録材Pの枚数を積算する。
S3では、記録材Pの積算枚数が所定の通電比変更用積算枚数以上か否かを判断する。積算枚数が所定の通電比変更用積算枚数以上であればS4に進む。
S4では、所定の通電比変更用積算枚数と対応する第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の通電比を求める。そしてその通電比に応じた通電量で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102にそれぞれ独立に通電するように第1のトライアック31と第2のトライアック32を制御する。
これにより第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電がそれぞれ独立に制御され、ヒータ16の長手方向における単位長さあたりの発熱量が変更可能となる。
ここで、S3とS4の処理を詳述する。室温状態から定着装置12を動作させる場合、画像形成開始信号受信から記録材Pの定着ニップ部突入直前までのほとんどの期間は、ヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102には投入可能な全電力が通電される。本実施例では約1000Wである。
ここで、表2の積算枚数が0〜50000枚の場合は、第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を100%としている。このとき、第1の通電発熱抵抗層101及び第2の通電発熱抵抗層102には同様の電力が通電されているという意味である。具体的にはそれぞれの通電発熱抵抗層101,102に約500Wずつ、合計で1000Wが投入されていることになる。
また、表2の積算枚数が200001枚よりも多い場合には、第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比は140%としている。この場合、第1の通電発熱抵抗層101へ投入される電力は約420Wである。第2の通電発熱抵抗層102へ投入される電力は約580Wである。即ち、第1の通電発熱抵抗層101に対して第2の通電発熱抵抗層102には、通電比(デューティー比)140%で両方の通電発熱抵抗層101,102の合計で約1000Wが投入されることになる。
以降、通紙時においても、表2中の通電比は、第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比である。そしてその2本の通電発熱抵抗層101,102の合計で1000Wを超えない範囲で表2中の通電比となるようにそれぞれの通電発熱抵抗層101,102への通電量を決定する。
そしてその決定した通電量に応じた通電量変更指令信号を第1のトライアック31と第2のトライアック32に出力する。これにより、第1のトライアック31は通電量変更指令信号に応じたデューティー比で第1の通電発熱抵抗層101に通電を行い、第2のトライアック32は通電量変更指令信号に応じたデューティー比で第2の通電発熱抵抗層102に通電を行う。
表2のような通電比でヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を制御する。これにより、定着装置12が室温状態まで十分冷えた状態から記録材Pの通紙を行っても、定着装置12としての記録材通紙の積算枚数が多い場合、紙しわの発生を抑制することができる。即ち、加圧ローラの室温状態での長手端部の逆クラウン量が小さくなっている場合でも、記録材の定着ニップ部への突入直前における加圧ローラの逆クラウン形状を加圧ローラの熱膨張によって確保することができるため、紙しわの発生を抑制することができる。
本実施例では、記録材Pの積算枚数に応じて第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を変更するのは、画像形成開始信号受信から記録材Pの定着ニップ部突入直前までの期間のみとした。これは、記録材Pが定着ニップ部Ntに突入するまでに加圧ローラ22の長手外径形状を逆クラウン形状に保っておけば、以降、記録材Pを連続通紙しても紙しわは発生しないためである。
記録材Pが連続通紙される場合には、前述したように非通紙部昇温が懸念される。そのため、本実施例では、記録材Pの連続通紙時には、記録材Pの定着ニップ部突入直前までの期間以外は、上記の表2の、積算枚数に応じた第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比の変更は行わないこととした。
本実施例では、LTRサイズの記録材を通紙する場合で説明したが、予め通紙される記録材の幅が分かっている場合には、記録材の幅にあわせて、上記表2中の、第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を設定すればよい。また、記録材センサ33の出力信号を用いて定着ニップ部Ntを通過した記録材の積算枚数を求めているが、ユーザーが入力した画像形成枚数を記録材の積算枚数として用いてもよい。或いは加圧ローラ22や定着スリーブ20の回転数と記録材の記録材搬送方向の長さとの関係を用いて記録材の積算枚数を求めてもよい。
LTRサイズよりも幅の狭い記録材、例えばA4サイズやB5サイズ等の記録材が通紙される場合には、記録材の定着ニップ部突入直前までの第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を記録材の通紙中よりも高く設定する。このように通電比自体を記録材の幅に合わせて設定することにより、上記LTRサイズの記録材を通紙する場合と同様の紙しわ抑制効果を得ることができる。
本実施例によれば、記録材の定着ニップ突入直前までのヒータの長手方向の発熱分布を最適化でき、加圧ローラの熱膨張によって逆クラウン形状を正常化できるので、定着装置の耐久状況によらず、紙しわの発生を弊害なく抑制することが可能となる。
[実施例2]
定着装置12の他の例を説明する。本実施例の定着装置12では、ヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101に対する、第2の通電発熱抵抗層102への通電比を、記録材通紙の積算枚数ではなく、熱履歴に基づいて設定する。
実施例1では、記録材Pの通紙の積算枚数に応じて、加圧ローラ22の逆クラウン形状が小さくなることを説明したが、より正確には、加圧ローラ22の逆クラウン形状は、加圧ローラ22の温度が高い状態で使用された場合に、より悪化することが知られている。
ここで、加圧ローラ22の温度が高い状態で記録材Pの通紙が行われる場合としては、例えば、幅の狭い記録材Pを通紙した場合が挙げられる。すなわち、本実施例のように、通紙可能な記録材Pの最大幅がLTRサイズ(216mm)の場合には、それよりも幅の狭い記録材である、A4サイズ、B5サイズ、A5サイズ等の記録材Pの通紙が行われる場合である。
このような幅の狭い記録材Pが通紙される場合には、記録材Pの幅に対して、ヒータ16上の通電発熱抵抗層101,102の方が長いため、非通紙部昇温が大きい。また、加圧ローラ22の長さに対しても記録材Pの幅が小さいため、ヒータの熱が定着スリーブ20を通して、記録材Pに奪われずに加圧ローラ22に直接伝わることとなる。そのため、加圧ローラ22の特に長手端部は高温の状態で使用されることとなる。結果、LTRサイズの記録材Pを通紙する場合よりも加圧ローラ22の逆クラウン量は小さくなりやすい。
また、同じ幅の記録材Pを通紙する場合でも、通紙される記録材Pの厚みや坪量によっても、加圧ローラ22の温度、特に長手端部の温度は異なってくる。
本実施例では、実施例1のように定着ニップ部に通紙された記録材の積算枚数を単純に足しあわせていくのではなく、加圧ローラに与えられた熱量を予測し、それをもとにヒータ上の第1の通電発熱抵抗層と第2の通電発熱抵抗層への通電比を設定する。
本実施例において、画像形成装置の構成は実施例1の画像形成装置と同じであり、定着装置12の構成も実施例1の定着装置12と同じであるため、再度の説明を省略する。
本実施例の定着装置12は、ヒータ16の基板100の裏面において長手中心から左右99mmの位置にサブサーミスタ19a,19bが配設されており、このサブサーミスタ19a,19bでヒータ16の温度を検知する構成としてある。即ち、サブサーミスタ19a,19bでヒータ16の温度を検知する点を除いて、実施例1の定着装置12と同じ構成となっている。
表3に本実施例の定着装置12を用いて、LTRサイズの記録材を連続500枚通紙した場合と、A4サイズの記録材を500枚連続通紙した場合と、B5サイズの記録材を500枚連続通紙した場合のサブサーミスタ19a,19bの検知温度を示す。
LTRサイズの記録材の幅は216mmである。A4サイズの記録材の幅は210mmである。B5サイズの記録材の幅は182mmである。通紙した記録材Pは、サイズのみ異なるものであり、坪量は75g/mの普通紙である。また、記録材の通紙はLTRサイズ、A4サイズの場合には搬送速度240mm/secで40枚/分の速度で行った。B5サイズの場合には、40ppmでの通紙では非通紙部昇温が厳しいため、搬送速度は同様で、紙間のみ延長して20枚/分の速度で通紙した。
表3中には、500枚の連続通紙のうち、1枚目が定着装置に通紙されているときのサブサーミスタ19a,19bの検知温度の最大値と500枚目の記録材Pが定着装置に通紙されているときのサブサーミスタ19a,19bの検知温度の最大値を示してある。また、サブサーミスタ19a,19bはヒータ16上に長手中心に対して左右対称に配設されているため、その検知温度はほぼ同様である。そのため、表3中ではサブサーミスタ19a,19bの検知温度の平均値を示す。
表3:記録材サイズとサブサーミスタ温度
表3の結果のように、定着装置12に通紙される記録材の幅が狭いほど、サブサーミスタ19a,19bの検知温度は高くなる。また、記録材を連続通紙した場合には、記録材の幅が狭いほど、通紙初期に対する通紙後期のサブサーミスタ19a,19bの最大検知温度の上昇が大きい。
LTRサイズの場合には、500枚の連続通紙中は何枚目の記録材通紙中においても、サブサーミスタ19a,19bの検知温度の最大値はほぼ一定で221℃であった。サブサーミスタ19a,19bの検知温度が上記のように記録材のサイズによって異なるということは、加圧ローラ22へ与えられる熱量も記録材のサイズによって異なるということである。加圧ローラ22自体の温度を測定してはいないものの、加圧ローラ22へ与えられる熱量の予測としてはサブサーミスタ19a,19bの検知温度は有効である。
本結果は、以下のことを示している。即ち、LTRサイズの記録材のみが通紙される場合には、加圧ローラ22(特に長手端部における)の熱履歴は通紙された記録材の積算枚数に比例する。しかしながら、幅の狭い記録材の通紙が混在した場合には、記録材の積算枚数のみでは加圧ローラ22への熱履歴の予測は難しいことを示している。
また、積算枚数に応じた通電制御を行った場合に、それ以前までの記録材の通紙において、幅の狭い記録材が多く通紙されていた場合には、想定よりも加圧ローラ22の逆クラウン量が小さくなってしまっていて、紙しわの発生を抑制しきれない場合もあった。
以上の結果から、本実施例では、加圧ローラ22の熱履歴として、
Th=記録材1枚通紙中のサブサーミスタの検知温度の最大値/100とし、記録材が1枚定着ニップ部に通紙されるごとにThを足し合わせていくこととした。本積算値を以下では熱履歴積算カウントと記す。
即ち、LTRサイズの記録材が100枚連続通紙された場合には、Th=220/100=2.2であるため、熱履歴積算カウントとして2.2×100=220が追加されることとなる。
上記の熱履歴積算カウントに応じて、以下の表4のように本実施例の定着装置12におけるヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電比を設定した。表4中の通電比は、実施例1と同様に第1の通電発熱抵抗層101の通電比に対する、第2の通電発熱抵抗層102の通電比である。また、表4は、表中の熱履歴積算カウントの状態から、新規にLTRサイズの記録材Pを通紙する場合の例である。
表4において、0〜110000、110001〜220000、220001〜330000、330001〜440000、440001〜は、それぞれ、後述の通電比変更用積算カウントである。通電比変更用積算カウントとは、加圧ローラ22の長手方向の記録材搬送領域における外径差を、紙しわの発生と擦れ画像の発生を抑制できるように所定の一定範囲に維持可能な熱履歴変更積算値をいう。
本実施例の定着装置12における通電比変更制御を説明する。以下に説明する通電比変更制御は通電制御部30により行われる。図14は通電制御部30による通電比変更制御のフローチャートである。
図14において、S11では、サブサーミスタ19a,19bからの出力信号を取り込む。
S12では、そのサブサーミスタ19a,19bからの出力信号に基づいて熱履歴積算カウントを求める。
S13では、S12で求めた熱履歴積算カウントが所定の通電比変更用積算カウント以上か否かを判断する。熱履歴積算カウントが所定の通電比変更用積算カウント以上であればS14に進む。
S4では、所定の通電比変更用積算カウントと対応する第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の通電比を求める。そしてその通電比に応じた通電量で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102にそれぞれ独立に通電するように第1のトライアック31と第2のトライアック32を制御する。
これにより第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電がそれぞれ独立に制御され、ヒータ16の長手方向における単位長さあたりの発熱量が変更可能となる。
ここで、S13とS14の処理を詳述する。表4中の熱履歴積算カウントはLTRサイズの記録材のみ通紙されてきた場合には、Th=2.2であるため、実施例1の表2中の積算枚数と同様となる。それに対し、同じ枚数の記録材が通紙されてきたとしても、幅の狭い記録材の通紙が混在していた場合にはThの値はLTRサイズの記録材通紙時よりも大きくなるため、熱履歴積算カウントの進みは早くなる。
LTRサイズの記録材のみではなく、幅の狭い記録材が通紙されてきた場合には、LTRサイズの記録材のみが通紙されてきた場合よりも、加圧ローラ22の長手端部の外径は小さくなっているものの、熱履歴積算カウントはより大きな値になっている。そのため、通電比の変更も積算枚数に応じて変更する場合よりも早い段階で次のレベルに進む。よって、幅の狭い記録材が多く通紙されてきた場合においても、紙しわの発生を正確に抑制することができる。
ここで、表4中では、熱履歴積算カウントの状態からLTRサイズの記録材を新たに通紙する場合の例である。実施例1の場合と同様、例えばA4サイズやB5サイズ等の記録材Pが通紙されることが分かっている場合には、記録材の定着ニップ部突入直前までの第1の通電発熱抵抗層に対する、第2の通電発熱抵抗層への通電比を記録材の通紙中よりも高く設定する。このように通電比自体を記録材の幅に合わせて設定することにより、上記LTRサイズの記録材を通紙する場合と同様の紙しわ抑制効果を得ることができる。
[実施例3]
定着装置12の他の例を説明する。本実施例においても、画像形成装置の構成は実施例1の画像形成装置と同じであり、定着装置12の構成も実施例1の定着装置12と同じであるため、再度の説明を省略する。
本実施例では、幅の狭い記録材Pの通紙後に、定着ニップ部Ntに通紙された幅の狭い記録材Pよりも幅の広い記録材Pを通紙する場合の例を説明する。
実施例2でも説明したように、幅の狭い記録材を通紙した場合には、非通紙部の昇温の影響で、サブサーミスタ19a,19bの検知温度、加圧ローラ22の長手端部の温度ともに幅の広い記録材を通紙した場合よりも高くなる。
このように、幅の狭い記録材の通紙直後に幅の広い記録材を通紙する場合に、記録材の定着ニップ部突入直前までの第1の通電発熱抵抗層に対する、第2の通電発熱抵抗層への通電比を変更すると、以下の画像不良が発生する場合があった。即ち、紙しわは発生しないものの、記録材通紙の初期数枚で記録材の搬送速度が長手端部で速すぎることに起因する、定着スリーブ20表面との擦れ画像が発生してしまう場合があった。
通紙された記録材の積算枚数が多い、或いは、熱履歴積算カウントが大きい場合には、加圧ローラ22の長手中央部と長手端部との外径差は小さくなっている。しかしながら、幅の狭い記録材の通紙後には、非通紙部昇温の影響で加圧ローラ22の長手端部の温度は高くなっている。このため、加圧ローラ22の長手端部における外径も新品状態、或いはその新品状態の加圧ローラ22の長手端部における外径以上の大きさになっている。
この状態から、幅の広い記録材Pを実施例1及び実施例2で示したような通電制御を行って通紙すると、加圧ローラ22の長手中央部と長手端部との外径差が大きくなりすぎる。そのため、定着スリーブ20表面との擦れ画像等の弊害が発生してしまう場合があった。
本実施例では、幅の狭い記録材の通紙後に、所定時間内に直前に通紙された記録材よりも幅の広い記録材を通紙する場合には、その時点での積算枚数によらず、初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行う。或いは、幅の狭い記録材の通紙後に、所定時間内に直前に通紙された記録材よりも幅の広い記録材を通紙する場合には、その時点での熱履歴積算カウントによらず、初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行う。所定時間内とは、加圧ローラ22の長手方向の記録材搬送領域にける外径差を、紙しわの発生と擦れ画像の発生を抑制できるように所定の一定範囲に維持可能な設定時間内をいう。
即ち、幅の狭い記録材の通紙後、所定時間内である1分以内に幅の広い記録材の通紙が行われる場合には、初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行う。ここで、初期の通電比設定とは、表2の積算枚数、或いは表4の熱履歴積算カウントが最小の場合の通電比設定をいう。
このような場合には、実施例1及び実施例2のような通電制御を行わなくても、直前の幅の狭い記録材の通紙によって加圧ローラ22の逆クラウン形状は一定以上になっているため、紙しわは発生しない。さらに、幅の広い記録材の定着ニップ部突入直前までの通電制御は初期設定であるため、加圧ローラ22の長手端部の発熱量が大きくなりすぎることはない。その結果、加圧ローラ22の長手中央部と長手端部との外径差が大きくなりすぎることによる画像不良の発生も抑制できる。
本実施例の定着装置12において、例えば、幅の広い記録材を通紙する際に、通電制御部30は、定着装置12の動作直前のサブサーミスタ19a,19bの検知温度をモニタする。そしてその温度が所定の定着温度よりも大きい場合、直前に幅の狭い記録材が通紙されたとみなし、同様の初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行なう。
このようにサブサーミスタ19a,19bの検知温度に基づいて、同様の初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行っても、同様の作用効果が得られる。
また、実施例1のように、サブサーミスタ19a,19bとメインサーミスタ18とでヒータ16の温度を検知する構成の定着装置の場合には、同様の初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行ってもよい。即ち、サブサーミスタ19a,19bの検知温度とメインサーミスタ18の検知温度との差から、加圧ローラの長手端部の温度が有意に高いと判断される場合に、同様の初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層と第2の通電発熱抵抗層への通電を行う。
このようにサブサーミスタ19a,19bの検知温度とメインサーミスタ18の検知温度とに基づいて、同様の初期の通電比設定で第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102への通電を行っても、同様の作用効果が得られる。
[他の実施例]
実施例1〜3では、ヒータ16の例として、図3に示すように、記録材搬送方向と直交する長手方向で記録材搬送方向に並列に配設された少なくとも2つの通電発熱抵抗層101,102を有する構成のヒータを説明した。
しかしながら、ヒータ16は図3に示す構成のものに限定されるものではない。例えば、第1の通電発熱抵抗層101は、必ずしも長手方向の単位長さあたりの抵抗値が略均一でなくとも良い。また、第2の通電発熱抵抗層102は、図15(a)に示すように、長手端部102eのみが発熱するような構成であって、長手中央部102cは導電層とした構成のものを用いても良い。
また、図15(b)に示すように、ヒータ16の第1の通電発熱抵抗層101と第2の通電発熱抵抗層102の幅が長手方向で漸近的に変化するテーパー形状であってもよい。第1の通電発熱抵抗層101は長手端部に向かって連続的に幅が広くなっていき、単位長さあたりの抵抗値が小さくなっていくため、長手中央部の発熱量が大きい。第2の通電発熱抵抗層102は長手端部に向かって連続的に幅が狭くなっていき、単位長さあたりの抵抗値大きくなるため、長手端部の発熱量が大きい。
実施例1〜3では、サブサーミスタ19a,19bでヒータ16の温度を検知する例を説明したが、サブサーミスタ19a,19bで定着スリーブ20内面の温度を検知するように構成してもよい。この場合、メインサーミスタ18のようにアーム25の先端にサブサーミスタ19a,19bを取り付けて定着スリーブ20内面に接触させる。
12 定着装置、16 ヒータ、18 メインサーミスタ、19a,19b サブサーミスタ、20 定着スリーブ、22 加圧ローラ、33 通電制御部、101 第1の通電発熱抵抗層、102 第2の通電発熱抵抗層、Nt 定着ニップ部、P 記録材

Claims (7)

  1. 記録材上に画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置であって、筒状の定着回転部材と、前記定着回転部材の内面と接触して定着回転部材を加熱する加熱体と、前記定着回転部材を介して前記加熱体とともにニップ部を形成する加圧回転部材と、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着する定着装置において、
    前記加熱体は、記録材搬送方向と直交する長手方向で記録材搬送方向に並列に配設された少なくとも2つの通電発熱抵抗層を有し、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの通電発熱抵抗層は記録材搬送方向と直交する長手方向の単位長さあたりの発熱量が長手中央部に比べて長手端部の方が大きくなっており、
    少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電をそれぞれ独立に制御する通電制御手段を有し、
    前記通電制御手段は、前記ニップ部を通過した記録材の積算枚数に応じて、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を設定することにより、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向における単位長さあたりの発熱量を変更可能であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記通電制御手段は、前記ニップ部を通過した記録材の積算枚数が、前記加圧回転部材の記録材搬送方向と直交する長手方向の記録材搬送領域における外径差を所定の一定範囲に維持可能な設定積算枚数よりも大きい場合に、前記画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップへの突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を他の通電発熱抵抗層への通電比率よりも大きくすることにより、前記加熱体の長手中央部よりも長手端部の発熱量を多くすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記通電制御手段は、前記ニップ部の記録材搬送方向と直交する長手方向において、幅の狭い記録材が担持するトナー画像の加熱定着を行なった後、前記加圧回転部材の記録材搬送方向と直交する長手方向の記録材搬送領域における外径差を所定の一定範囲に維持可能な設定時間内に、幅の広い記録材が担持するトナー画像の加熱定着を行う場合には、前記ニップ部を通過した記録材の積算枚数に応じて設定される、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率よりも1つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 記録材上に画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置であって、筒状の定着回転部材と、前記定着回転部材の内面と接触して定着回転部材を加熱する加熱体と、前記定着回転部材を介して前記加熱体とともにニップ部を形成する加圧回転部材と、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着する定着装置において、
    前記加熱体は、記録材搬送方向と直交する長手方向で記録材搬送方向に並列に配設された少なくとも2つの通電発熱抵抗層を有し、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの通電発熱抵抗層は記録材搬送方向と直交する長手方向の単位長さあたりの発熱量が長手中央部に比べて長手端部の方が大きくなっており、
    少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電をそれぞれ独立に制御する通電制御手段を有し、
    前記通電制御手段は、前記加圧回転部材に与えられた熱履歴の積算値に応じて、画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を設定することにより、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向における単位長さあたりの発熱量を変更可能であることを特徴とする定着装置。
  5. 前記通電制御手段は、前記加圧回転部材に与えられた熱履歴の積算値が、前記加圧回転部材の記録材搬送方向と直交する長手方向の記録材搬送領域における外径差を所定の一定範囲に維持可能な熱履歴変更積算値よりも大きい場合に、前記画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層のうち1つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を他の通電発熱抵抗層への通電比率よりも大きくすることにより、前記加熱体の長手中央部よりも長手端部の発熱量を多くすることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記通電制御手段は、前記加熱体の記録材搬送方向と直交する長手方向において、幅の狭い記録材が担持するトナー画像の加熱定着を行なった後、前記加圧回転部材の記録材搬送方向と直交する長手方向の記録材搬送領域における外径差を所定の一定範囲に維持可能な設定時間内に、幅の広い記録材が担持するトナー画像の加熱定着動作を行う場合には、前記加圧回転部材に与えられた熱履歴の積算値に応じて設定される、前記画像形成開始信号受信から記録材の前記ニップ部への突入直前までにおける、少なくとも2つの前記通電発熱抵抗層への通電比率よりも1つの前記通電発熱抵抗層への通電比率を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記ニップ部の記録材搬送方向と直交する長手方向において、幅の狭い記録材が通過する搬送領域の外側に配設され、筒状の前記定着回転部材あるいは前記加熱体の温度を検知する少なくとも1つの温度検知部材を有し、前記温度検知部材が検知した温度の積算値を基に前記加圧回転部材に与えられた熱履歴の積算値を求めることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
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