JP2012229359A - シクロデキストリンポリマーの製造方法ならびにこれを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シクロデキストリンを有機溶媒中に分散させ、次いで有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して、50〜100℃の温度で反応液を撹拌し、次いで反応液に、アルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を滴下して、0〜10℃の温度でエステル化反応させることを含む、多孔質シクロデキストリンポリマーの製造方法。該多孔質シクロデキストリンポリマーを含有する、有機媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤。
【選択図】図1
Description
現在、ハロゲン化芳香族化合物処理技術は、ハロゲン化芳香族化合物を微量に含有する媒体のみならず、ハロゲン化芳香族化合物自体を処理する技術も確立されており、ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化芳香族化合物を高濃度(1%以上)に含有する高濃度含有媒体を直接処理するプロセス(以下「高濃度処理」と記載することとする)が稼働し始めている(特許文献3)。
1.シクロデキストリンを有機溶媒中に分散させ、次いで
有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して、50〜100℃の温度で反応液を撹拌し、次いで
反応液に、アルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を滴下して、0〜10℃の温度でエステル化反応させる
ことを含む、多孔質シクロデキストリンポリマーの製造方法。
2.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記1に記載の方法。
3.アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコールから選択され、フェノール類がフェノールまたは置換フェノール類から選択される、上記1または2に記載の方法。
4.シクロデキストリンを分散させる有機溶媒が、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1−メチルイミダゾールから選択され、有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物を溶解させる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミドおよびトルエンから選択される、上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.上記1〜4のいずれかに記載の方法で製造された、多孔質シクロデキストリンポリマー。
6.シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを、50〜100℃の温度で縮合させたポリマーの末端に、アルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を、0〜10℃の温度で反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーを含有する、有機媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤。
7.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記6に記載の選択固着剤。
8.アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、上記6または7に記載の選択固着剤。
9.ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されている、上記6〜8のいずれかに記載の選択固着剤。
10.ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、上記6〜9のいずれかに記載の選択固着剤。
11.有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記6〜10のいずれかに記載の選択固着剤。
12.シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを、50〜100℃の温度で縮合したポリマーの末端に、アルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を、0〜10℃の温度で反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーを含有する、ハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤と、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体とを接触させ、該有機媒体に含有されたハロゲン化芳香族化合物を該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーに固着させて、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得ることを特徴とする、方法。
13.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記12に記載の方法。
14.アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、上記12または13に記載の方法。
15.ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されていることを特徴とする選択固着剤を使用する、上記12〜14のいずれかに記載の方法。
16.ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、上記12〜15のいずれかに記載の方法。
17.有機媒体が、有機液体、絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記12〜16のいずれかに記載の方法。
本発明は、シクロデキストリンを有機溶媒中に分散させ、次いで有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して、50〜100℃の温度で反応液を撹拌し、次いで反応液に、アルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を滴下して、0〜10℃の温度でエステル化反応させることを含む、多孔質シクロデキストリンポリマーの製造方法にかかる。ここでシクロデキストリンとは、6個、7個または8個のグルコースが環状に結合した環状オリゴ糖のことであり、それぞれα−、β−またはγ−シクロデキストリンと称される。
γ−シクロデキストリン(以下、「γ−CD」と称する。)を有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等。好ましくは乾燥ピリジン)に分散させる。一方、二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン等。好ましくは乾燥テトラヒドロフラン)に溶解させ、これを先に用意したγ−CD分散液に滴下する。この際、縮合反応による熱が発生するので、γ−CD分散液を氷浴などで冷却しながら滴下することが望ましい。その後50〜100℃の湯浴に反応器をつけて、反応液を激しく撹拌する。反応終了後、湯浴をはずし、さらに必要に応じて冷却して反応容器内温を0〜10℃に下げ、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素数1〜10のアルコール類)、アリールアルコール類(ベンジルアルコールまたはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール)またはフェノール類(フェノール、アルキル、アリールまたはアシル基で置換されたフェノール類)を加え、さらに撹拌を続ける。得られた固体をアルコール類、水、アセトンなどの洗浄液体で洗浄し、乾燥すると、本発明の多孔質シクロデキストリンポリマーを得ることができる。この際、溶媒として用いたピリジン等や、原料である二塩化フタロイルがメチル化したフタル酸ジメチル等の副生物がポリマー内に残存することを防止する観点から、得られた多孔質シクロデキストリンポリマーを、吸引濾過用漏斗上に溜め、ここにアルコール類/水混合溶媒を添加して吸引し、該漏斗上にアセトンを添加して吸引し、これらの工程を少なくとも2回以上繰り返す洗浄方法を採用することが望ましい。
まずγ−CDを有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1−メチルイミダゾール等)に分散させる。γ−CDの有機溶媒中の濃度は5〜10重量%であることが好ましい。一方、用意したγ−CDの8〜14倍量(mol)の二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミド、トルエン等)に、濃度20〜35重量%で溶解させ、これを先に用意したγ−CD分散液に滴下し、激しく撹拌する。撹拌は、磁気撹拌子や撹拌棒などを用いて行うが、特に撹拌羽根を備えた撹拌棒を用い、反応液の上部と下部とで撹拌速度に差が出ないよう、満遍なく撹拌することができる撹拌装置を用いて行うと好都合である。撹拌効率を高めることができる撹拌羽根であれば、種々の形状の撹拌羽根を使用することができる。γ−CDと二塩化テレフタロイルとの縮合反応が進行するにつれ、熱が発生するので、γ−CD分散液を氷浴などで冷却しながら滴下を行うのが好ましい。好ましくは反応容器内の温度は約50〜100℃の範囲、さらに好ましくは約60〜90℃を維持するようにする。次に、氷浴をはずして、必要に応じて冷却手段を用いて反応容器内温度を下げて約0〜10℃、好ましくは約3〜5℃にし、次いでここにγ−CDに対して30〜80重量%の量の、アルコール類(好ましくは炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類)、アリールアルコール類(好ましくはベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコール)、またはフェノール類(好ましくはフェノールまたは置換フェノール類)を、添加する。例えば、アルコール類としてメタノールを加えた場合は、約1〜24時間撹拌を続けることができる。こうして、本発明の多孔質シクロデキストリンポリマーの固体が析出するので、析出した結晶を濾取し、メタノールおよびアセトンで洗浄して、本発明の多孔質シクロデキストリンポリマー(テレフタル酸−γ−CD−メチル高分子)を得ることができる。得られるポリマーの同定は赤外吸収により行うことができ、形態の観察は電子顕微鏡で行うことができる。
滴下ロート、風船付き三方コック、活栓及び攪拌棒の付いた1Lの4つ口セパラブルフラスコに、乾燥γ-CD(50 g, 0.039mol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(660ml、和光純薬工業)とを入れて室温で1時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(220mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(78.3g, 0.39mol、東京化成工業)を2時間かけて滴下した。滴下後、氷浴を外し、オイルバス (70℃)により内温70℃で2.5時間攪拌した。反応終了後、反応器を水浴につけて内温を3-5℃まで下げて、1級メタノール(100ml 、純正化学工業)を0.5時間かけて滴下した。滴下後、引き続き内温3-5℃で0.5時間攪拌した。懸濁液を吸引濾過した後、メタノール(100mL)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した(5回)。その後、アセトン(100ml)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した(5回)。得られた濾物を室温で8時間、40℃で1時間、80℃で1時間乾燥させた後に、120℃で13時間乾燥した。97gの本発明のTPGCDM高分子が得られた。
滴下ロート、風船付き三方コック、活栓および撹拌棒の付いた1Lの4つ口フラスコに、乾燥γ−CD(50 g、 0.039mol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(660ml、和光純薬工業)を入れて室温で1時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(220mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(78.3g、 0.39mol、東京化成工業)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応器を氷浴から外し、湯浴(70℃)につけて3時間攪拌した。反応終了後、湯浴を外し、内温を65℃まで下げ、1級メタノール(100mL、純正化学工業)を加え、2時間攪拌した。懸濁液を吸引濾過した後、濾物を反応釜に移し、1級メタノール(400mL)を入れ、60℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した後、水(40mL)を添加し、30分間攪拌した。懸濁液を吸引濾過した後、メタノールと水の混合溶媒(MeOH/H2O=9/1、 100mL)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、再度、吸引濾過した。その後、アセトン(50mL)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した。これらの吸引濾過操作を連続して合計5回繰り返した。最後に、アセトン(100mL×2)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した。得られた濾物を135℃で24時間真空乾燥した。96gの旧合成法によるTPGCDM高分子が得られた。
IR (KBr) 3448,1719,1277,1105,1018,732 cm-1
本発明のTPGCDM高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:800mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、80℃で注出したところ584mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPは含まれていなかった。結果を表1に記載する。
本発明のTPGCDM高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:26.5ppm、総重量:800mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、80℃で注出したところ448mgの絶縁油が得られた。その絶縁油のPCB濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、PCBは含まれていなかった。結果を表1に記載する。
旧合成法によるTPGCDM高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:500mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ425mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPが0.48ppm含まれていた。結果を表1に記載する。
本発明により、環境に安易に放出できないダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類などの有毒物質たるハロゲン化芳香族化合物を含みうる絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ等に代表される有機媒体を保管せざるを得ない産業、及びこれら化合物を含みうる紙、木材、焼却灰、岩石、土壌等に代表される固体物質を保管せざるを得ない産業において、これら化合物の安全で効率的な吸着・分離処理により、分解処理の大幅な負担軽減と、かかる媒体の保管スペースの節約を同時に実現することができる。
Claims (17)
- シクロデキストリンを有機溶媒中に分散させ、次いで
有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して、50〜100℃の温度で反応液を撹拌し、次いで
反応液に、アルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を滴下して、0〜10℃の温度でエステル化反応させる
ことを含む、多孔質シクロデキストリンポリマーの製造方法。 - 有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、請求項1に記載の方法。
- アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコールから選択され、フェノール類がフェノールまたは置換フェノール類から選択される、請求項1または2に記載の方法。
- シクロデキストリンを分散させる有機溶媒が、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1−メチルイミダゾールから選択され、有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物を溶解させる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミドおよびトルエンから選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製造された、多孔質シクロデキストリンポリマー。
- シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを、50〜100℃の温度で縮合させたポリマーの末端に、アルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を、0〜10℃の温度で反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーを含有する、有機媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤。
- 有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、請求項6に記載の選択固着剤。
- アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、請求項6または7に記載の選択固着剤。
- ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されている、請求項6〜8のいずれかに記載の選択固着剤。
- ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、請求項6〜9のいずれかに記載の選択固着剤。
- 有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6〜10のいずれかに記載の選択固着剤。
- シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを、50〜100℃の温度で縮合したポリマーの末端に、アルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を、0〜10℃の温度で反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーを含有する、ハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤と、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体とを接触させ、該有機媒体に含有されたハロゲン化芳香族化合物を該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーに固着させて、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得ることを特徴とする、方法。
- 有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、請求項12に記載の方法。
- アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、請求項12または13に記載の方法。
- ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する多孔質シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されていることを特徴とする選択固着剤を使用する、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
- ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
- 有機媒体が、有機液体、絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
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