JP5725502B2 - シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 - Google Patents
シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5725502B2 JP5725502B2 JP2011099613A JP2011099613A JP5725502B2 JP 5725502 B2 JP5725502 B2 JP 5725502B2 JP 2011099613 A JP2011099613 A JP 2011099613A JP 2011099613 A JP2011099613 A JP 2011099613A JP 5725502 B2 JP5725502 B2 JP 5725502B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica
- halogenated aromatic
- aromatic compound
- organic
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
現在、ハロゲン化芳香族化合物処理技術は、ハロゲン化芳香族化合物を微量に含有する媒体のみならず、ハロゲン化芳香族化合物自体を処理する技術も確立されており、ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化芳香族化合物を高濃度(1%以上)に含有する高濃度含有媒体を直接処理するプロセス(以下「高濃度処理」と記載することとする)が稼働し始めている(特許文献3)。
1.有機溶媒中に分散したシクロデキストリンにシリカを添加し、次いで
有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して反応液を撹拌し、次いで
アルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を添加してエステル化反応させる
ことを含む、シリカ含有シクロデキストリンポリマーの製造方法。
2.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記1に記載の方法。
3.アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコールから選択され、フェノール類がフェノールまたは置換フェノール類から選択される、上記1または2に記載の方法。
4.シクロデキストリンを分散させる有機溶媒が、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1−メチルイミダゾールから選択され、有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物を溶解させる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミドおよびトルエンから選択される、上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6.上記1〜5のいずれかに記載の方法で製造された、シリカ含有シクロデキストリンポリマー。
7.シリカの存在下で、シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを縮合させたポリマーの末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーを含有する、有機媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤。
8.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記7に記載の選択固着剤。
9.アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、上記7または8に記載の選択固着剤。
10.シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、上記7〜9のいずれかに記載の選択固着剤。
11.ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されている、上記7〜10のいずれかに記載の選択固着剤。
12.ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、上記7〜11のいずれかに記載の選択固着剤。
13.有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記7〜12のいずれかに記載の選択固着剤。
14.シリカの存在下で、シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを縮合したポリマーの末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーを含有する、ハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤と、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体とを接触させ、該有機媒体に含有されたハロゲン化芳香族化合物を該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーに固着させて、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得ることを特徴とする、方法。
15.有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、上記14に記載の方法。
16.アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、上記14または15に記載の方法。
17.シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、上記14〜16のいずれかに記載の方法。
18.ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されていることを特徴とする選択固着剤を使用する、上記14〜17のいずれかに記載の方法。
19.ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、上記14〜18のいずれかに記載の方法。
20.有機媒体が、有機液体、絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記14〜19のいずれかに記載の方法。
本発明は、有機溶媒中に分散したシクロデキストリンにシリカを添加し、次いで有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して反応液を撹拌し、次いでアルコール類、アリールアルコール類、またはフェノール類を添加してエステル化反応させることを含む、シリカ含有シクロデキストリンポリマーの製造方法にかかる。ここでシクロデキストリンとは、6個、7個または8個のグルコースが環状に結合した環状オリゴ糖のことであり、それぞれα−、β−またはγ−シクロデキストリンと称される。
ここで、シリカの存在下で、複数のシクロデキストリンと有機二塩基酸類とが逐次縮合し、この末端をアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類で処理したものであれば、例えばシクロデキストリンと有機二塩基酸類とが合計で数個〜10個程度縮合した、いわゆる一般的には「オリゴマー」と呼ばれるような化合物であっても、本明細書では全て「ポリマー」と総称するものとする。本発明のシリカ含有シクロデキストリンポリマーは、分子量の異なる重合体が混合した組成物であってもよい。
γ−シクロデキストリン(以下、「γ−CD」と称する。)ならびにシリカを有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等。好ましくは乾燥ピリジン)に分散させる。一方、二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン等。好ましくは乾燥テトラヒドロフラン)に溶解させ、これを先に用意したγ−CD分散液に滴下する。この際、縮合反応による熱が発生するので、γ−CD・シリカ分散液を氷浴などで冷却しながら滴下することが望ましい。その後50〜100℃の湯浴に反応器をつけて、反応液を激しく撹拌する。反応終了後、反応容器内温を湯浴をはずして温度を下げ、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素数1〜10のアルコール類)、アリールアルコール類(ベンジルアルコールまたはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール)またはフェノール類(フェノール、アルキル、アリールまたはアシル基で置換されたフェノール類)を加え、さらに撹拌を続ける。得られた固体をアルコール類、水、アセトンなどの洗浄液体で洗浄し、乾燥すると、本発明のシリカ含有シクロデキストリンポリマーを得ることができる。γ−CDの他、α−及びβ−シクロデキストリンでも同様の縮合ポリマーを形成することができる。本明細書では、このように得たポリマーを「シリカ含有テレフタル酸−γ−CD−メチル高分子」(末端をメタノールで処理した場合)、「シリカ含有テレフタル酸−γ−CD−エチル高分子」(末端をエタノールで処理した場合)、「シリカ含有テレフタル酸−γ−CD−ベンジル高分子」(末端をベンジルアルコールで処理した場合)、「シリカ含有テレフタル酸−γ−CD−フェニル高分子」(末端をフェノールで処理した場合)等と略称することがあるが、いずれも本願発明で使用する、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用する化合物である、シリカ含有シクロデキストリンポリマーのことである。
まずγ−CDを有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1−メチルイミダゾール等)に分散させ、ここに多孔質シリカを添加する。γ−CDの有機溶媒中の濃度は10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%である。またγ−CD分散液中に添加する多孔質シリカの量は、有機溶媒に対して0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%である。一方、用意したγ−CDの10〜30倍量(mol)の二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミド、トルエン等)に、濃度5.0〜10.0重量%、好ましくは9.0〜9.5重量%で溶解させ、これを先に用意したγ−CD分散液に滴下し、激しく撹拌する。撹拌は、磁気撹拌子や撹拌棒などを用いて行うが、特に撹拌羽根を備えた撹拌棒を用い、反応液の上部と下部とで撹拌速度に差が出ないよう、満遍なく撹拌することができる撹拌装置を用いて行うと好都合である。撹拌効率を高めることができる撹拌羽根であれば、種々の形状の撹拌羽根を使用することができる。γ−CDと二塩化テレフタロイルとの縮合反応が進行するにつれ、熱が発生するので、γ−CD分散液を氷浴などで冷却しながら滴下を行うのが好ましい。好ましくは反応容器内の温度は約0〜5℃の範囲を維持するようにする。滴下後、反応容器内の温度を約95〜105℃の範囲まで上げて、攪拌する。次に、氷浴をはずして反応容器内温度を下げて約15〜25℃にし、次いでここにγ−CDに対して30〜80重量%の量の、アルコール類(好ましくは炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類)、アリールアルコール類(好ましくはベンジルアルコールまたは置換ベンジルアルコール)、またはフェノール類(好ましくはフェノールまたは置換フェノール類)を、添加する。例えば、アルコール類としてメタノールを加えた場合は、約1〜24時間撹拌を続けることができる。こうして、本発明のシリカ含有シクロデキストリンポリマーの固体が析出するので、析出した結晶を濾取し、水およびアセトンで洗浄して、本発明のシリカ含有シクロデキストリンポリマー(テレフタル酸−γ−CD−メチル高分子)を得ることができる。得られるポリマーの同定は赤外吸収により行うことができ、形態の観察は電子顕微鏡で行うことができる。
滴下ロート、風船付き三方コック、および活栓の付いた300mLの3つ口フラスコに、乾燥γ−CD(2.0 g, 1.76mmol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(100ml、和光純薬工業)と多孔質シリカ(0.1g、粒径2.0〜2.5μm、鈴木油脂工業)とを入れて室温で0.5時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(40mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(3.6g, 17.6mmol、東京化成工業)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応器を氷浴から外し、湯浴(100℃)につけて3時間攪拌した。反応終了後、湯浴を外し、1級メタノール(1.13g、35.2mmol 、純正化学工業)を加え、2時間攪拌した。結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を1級メタノール(50mL×3、純正化学工業)、1級アセトン(50ml×3、純正化学工業)の順で洗浄し、得られた固体を120℃で終夜真空乾燥した。5.62gの多孔質シリカ含有テレフタル酸-γ-CD-メチル高分子(以下、MBMCD-B20高分子と略す)が得られた。
滴下ロート、風船付き三方コック、および活栓の付いた300mLの3つ口フラスコに、乾燥γ−CD(2.0 g, 1.76mmol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(100ml、和光純薬工業)と多孔質シリカ(0.2g、粒径3.0〜5.0μm、鈴木油脂工業)とを入れて室温で0.5時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(40mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(3.6g, 17.6mmol、東京化成工業)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応器を氷浴から外し、湯浴(100℃)につけて3時間攪拌した。反応終了後、湯浴を外し、1級メタノール(1.13g、35.2mmol 、純正化学工業)を加え、2時間攪拌した。結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を1級メタノール(50mL×3、純正化学工業)、1級アセトン(50ml×3、純正化学工業)の順で洗浄し、得られた固体を120℃で終夜真空乾燥した。5.37gの無孔質シリカ含有テレフタル酸-γ-CD-メチル高分子(以下、NBMCD-C10高分子と略す)が得られた。
滴下ロート、風船付き三方コック、および活栓の付いた300mLの3つ口フラスコに、乾燥γ−CD(2.0 g, 1.76mmol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(100ml、和光純薬工業)と無孔質シリカ(0.1g、粒径3.0〜5.0μm、鈴木油脂工業)とを入れて室温で0.5時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(40mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(3.6g, 17.6mmol、東京化成工業)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応器を氷浴から外し、湯浴(100℃)につけて3時間攪拌した。反応終了後、湯浴を外し、1級メタノール(1.13g、35.2mmol 、純正化学工業)を加え、2時間攪拌した。結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を1級メタノール(50mL×3、純正化学工業)、1級アセトン(50ml×3、純正化学工業)の順で洗浄し、得られた固体を120℃で終夜真空乾燥した。5.89gの無孔質シリカ含有テレフタル酸-γ-CD-メチル高分子(以下、NBMCD-C20高分子と略す)が得られた。
滴下ロート、風船付き三方コック、および活栓の付いた300mLの3つ口フラスコに、乾燥γ−CD(2.0 g, 1.76mmol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(100ml、和光純薬工業)を入れて室温で0.5時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(40mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(3.6g, 17.6mmol、東京化成工業)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応器を氷浴から外し、湯浴(100℃)につけて3時間攪拌した。反応終了後、湯浴を外し、1級メタノール(1.13g、35.2mmol 、純正化学工業)を加え、2時間攪拌した。結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を1級メタノール(50mL×3、純正化学工業)、1級アセトン(50ml×3、純正化学工業)の順で洗浄し、得られた固体を120℃で終夜真空乾燥した。5.99gのテレフタル酸-γ-CD-メチル高分子(以下、TPGCDM高分子と略す)が得られた。
IR (KBr) 3448,1719,1277,1105,1018,732 cm-1
MBMCD-B20高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ348.3mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPは含まれていなかった。結果を表1に記載する。
NBMCD-C10高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ351.7mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPは含まれていなかった。結果を表1に記載する。
NBMCD-C20高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ344.6mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPは含まれていなかった。結果を表1に記載する。
TPGCDM高分子(200mg)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ361.1mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPが30.44ppm含まれていた。結果を表1に記載する。
多孔質シリカ(200mg、粒径2.0〜2.5μm、以下、「M−B」と称する。)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ397.7mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPが95.19ppm含まれていた。結果を表1に記載する。
無孔質シリカ(200mg、粒径3.0〜5.0μm、以下、「N−C」と称する。)を充填したステンレスカラム(内径4.6mm×長さ10mm)を温度制御付オーブン内に取り付け、そのカラム内に2,2’,3,3’,5,5’-HECBP含有絶縁油(濃度:100ppm、総重量:400mg、絶縁油は谷口石油精製株式会社の高圧絶縁油)を窒素ガスで流し込み、130℃で注出したところ389.8mgの絶縁油が得られた。その絶縁油の2,2’,3,3’,5,5’-HECBP濃度を、QCMS-QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法による内部標準法(内部標準物質:2,2’,4,4’,5,5’-ヘキサクロロビフェニル)で測定を行ったところ、2,2’,3,3’,5,5’-HECBPが95.58ppm含まれていた。結果を表1に記載する。
本発明により、環境に安易に放出できないダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類などの有毒物質たるハロゲン化芳香族化合物を含みうる絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ等に代表される有機媒体を保管せざるを得ない産業、及びこれら化合物を含みうる紙、木材、焼却灰、岩石、土壌等に代表される固体物質を保管せざるを得ない産業において、これら化合物の安全で効率的な吸着・分離処理により、分解処理の大幅な負担軽減と、かかる媒体の保管スペースの節約を同時に実現することができる。
Claims (16)
- 有機溶媒中に分散したシクロデキストリンにシリカを添加し、次いで
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選ばれる有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物含有有機溶媒を滴下して反応液を撹拌し、次いで
アルコール類を添加してエステル化反応させる
ことを含む、シリカ含有シクロデキストリンポリマーの製造方法。 - アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコール類から選択される、請求項1に記載の方法。
- シクロデキストリンを分散させる有機溶媒が、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、および1−メチルイミダゾールから選択され、有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物を溶解させる有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、キシレン、ジメチルホルムアミドおよびトルエンから選択される、請求項1または2に記載の方法。
- シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- シクロデキストリンと、シクロデキストリンのモル量に対して10倍の、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選ばれる有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを、シクロデキストリンの重量に対して5.0%〜10%のシリカの存在下で縮合させたポリマーの末端に、シクロデキストリンのモル量に対して20倍のアルコール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーを含有する、有機媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤。
- アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコールから選択される、請求項5に記載の選択固着剤。
- シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、請求項5または6に記載の選択固着剤。
- ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されている、請求項5〜7のいずれかに記載の選択固着剤。
- ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、請求項5〜8のいずれかに記載の選択固着剤。
- 有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項5〜9のいずれかに記載の選択固着剤。
- シリカの存在下で、シクロデキストリンとテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選ばれる有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物とを縮合したポリマーの末端にアルコール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーを含有する、ハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤と、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体とを接触させ、該有機媒体に含有されたハロゲン化芳香族化合物を該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーに固着させて、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得ることを特徴とする、方法。
- アルコール類が、炭素数1〜10を有する脂肪族アルコールから選択される、請求項11に記載の方法。
- シリカが、多孔質シリカまたは無孔質シリカから選択される、請求項11または12に記載の方法。
- ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するシリカ含有シクロデキストリンポリマーが、固体担体に固定化されていることを特徴とする選択固着剤を使用する、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
- ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
- 有機媒体が、有機液体、絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011099613A JP5725502B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011099613A JP5725502B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012229360A JP2012229360A (ja) | 2012-11-22 |
JP5725502B2 true JP5725502B2 (ja) | 2015-05-27 |
Family
ID=47431186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011099613A Expired - Fee Related JP5725502B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5725502B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013140028A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-18 | Neos Co Ltd | 放射性物質吸着除去材料 |
JP2013178152A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Neos Co Ltd | 放射性物質吸着除去材料 |
WO2016127777A1 (zh) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 樊硕 | 氮气蓄能液压缸 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3010602B2 (ja) * | 1991-08-26 | 2000-02-21 | 凸版印刷株式会社 | サイクロデキストリンポリマーの製造方法 |
JP2005081204A (ja) * | 2003-09-05 | 2005-03-31 | Nippon Shokubai Co Ltd | 吸水性樹脂組成物の製造方法 |
JP4836087B2 (ja) * | 2007-10-18 | 2011-12-14 | 株式会社ネオス | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 |
KR101631724B1 (ko) * | 2008-09-01 | 2016-06-17 | 아도반스토 소후토 마테리아루즈 가부시키가이샤 | 용매 무함유의 가교 폴리로탁산을 갖는 재료, 및 그의 제조 방법 |
JP2010247083A (ja) * | 2009-04-16 | 2010-11-04 | Neos Co Ltd | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 |
JP5391454B2 (ja) * | 2009-09-10 | 2014-01-15 | 日揮触媒化成株式会社 | 改質シクロデキストリン粒子分散液及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-04-27 JP JP2011099613A patent/JP5725502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013140028A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-18 | Neos Co Ltd | 放射性物質吸着除去材料 |
JP2013178152A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Neos Co Ltd | 放射性物質吸着除去材料 |
WO2016127777A1 (zh) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 樊硕 | 氮气蓄能液压缸 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012229360A (ja) | 2012-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5532359B2 (ja) | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 | |
JP5747379B2 (ja) | シクロデキストリンポリマーの製造方法ならびにこれを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 | |
JP4836087B2 (ja) | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 | |
Liu et al. | Construction of magnetic bifunctional β-cyclodextrin nanocomposites for adsorption and degradation of persistent organic pollutants | |
US20050154198A1 (en) | Cross-linked polymers based on cyclodextrins for removing polluting agents | |
JP2019210478A (ja) | シクロデキストリンポリマー及びその製造方法 | |
WO2014087838A1 (ja) | シクロデキストリン担持ポリマーからなる有機フッ素系化合物吸着剤 | |
Jain et al. | Supercritical fluid immobilization of horseradish peroxidase on high surface area mesoporous activated carbon | |
JP5725502B2 (ja) | シリカ含有シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 | |
JP5130454B2 (ja) | ヨウ素の吸着および回収方法 | |
WO2014017280A1 (ja) | 固定相 | |
JP2007046041A (ja) | 光架橋基を含有するシクロデキストリン化合物、その製造方法及びそれが含まれた吸着剤 | |
JP2013233473A (ja) | シクロデキストリンポリマーを利用して媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物を選択的に吸着除去する方法 | |
JP2006083379A (ja) | 球状シクロデキストリンポリマー、その製造方法及びそれが含まれた吸着剤 | |
Crini et al. | Sorption of 4-n-nonylphenol, 4-n-octylphenol, and 4-tert-octyphenol on cyclodextrin polymers | |
JP2003226737A (ja) | シクロデキストリン架橋体及びこれを用いた環境ホルモン除去材 | |
CN113122938B (zh) | 含MOFs的壳聚糖/聚乙烯醇纳米纤维膜的制备方法及应用 | |
JP5569914B2 (ja) | シクロデキストリンポリマーを用いた残留性有機汚染物質の選択固着方法 | |
JP2010247083A (ja) | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 | |
WO1996036621A1 (en) | Method for recovering or recirculating stable nitroxide radicals | |
WO2015146769A1 (ja) | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の低温選択固着方法 | |
JP2017006865A (ja) | シクロデキストリンポリマーの製造方法 | |
JP5806460B2 (ja) | シクロデキストリン縮合ポリマーの洗浄方法 | |
JP2016068014A (ja) | 連続的、若しくは逐次的な加圧方法によるハロゲン化芳香族化合物の吸着処理方法 | |
JP2013208549A (ja) | 遠心分離法を用いたハロゲン化芳香族化合物の選択固着方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20130328 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20130329 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140328 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140328 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140908 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140916 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141114 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150218 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150317 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5725502 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |