JP2013208549A - 遠心分離法を用いたハロゲン化芳香族化合物の選択固着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物類とを縮合させたポリマーの末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーに、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させることにより、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得る方法であって、該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーにハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させる際に、遠心力を作用させることを特徴とする、前記方法。
【選択図】図1
Description
現在、ハロゲン化芳香族化合物処理技術は、ハロゲン化芳香族化合物を微量に含有する媒体のみならず、ハロゲン化芳香族化合物自体を処理する技術も確立されており、ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化芳香族化合物を高濃度(1%以上)に含有する高濃度含有媒体を直接処理するプロセス(以下「高濃度処理」と記載することとする)が稼働し始めている(特許文献3)。
[1] シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物類とを縮合させたポリマーの末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーに、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させることにより、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得る方法であって、該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーにハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させる際に、遠心力を作用させることを特徴とする、前記方法。
[2] 有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、[1]に記載の方法。
[3] アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、[1]または[2]に記載の方法。
[4] ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
γ−シクロデキストリンを有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等。好ましくは乾燥ピリジン)に溶解させる。一方二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン等。好ましくは乾燥テトラヒドロフラン)に溶解させ、これを先に用意したγ−シクロデキストリン溶液に滴下する。この際、縮合反応による熱が発生するので、γ−シクロデキストリン溶液を氷浴などで冷却しながら滴下することが望ましい。その後50〜70℃の湯浴に反応器をつけて、反応液を激しく撹拌する。反応終了後、反応容器内温を若干(およそ5〜10℃)下げ、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等の炭素数1〜10のアルコール類)、アリールアルコール類(ベンジルアルコールまたはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール)またはフェノール類(フェノール、アルキル、アリールまたはアシル基で置換されたフェノール類)を加え、さらに撹拌を続ける。得られた結晶をアルコール類、水、アセトンなどの洗浄液体で洗浄し、乾燥すると、末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させた、γ−シクロデキストリンとテレフタル酸との縮合ポリマーを得ることができる。γ−シクロデキストリンの他、α−及びβ−シクロデキストリンでも同様の縮合ポリマーを形成することができる。本明細書では、このように得たポリマーを「テレフタル酸γ−CD−メチル高分子」(末端をメタノールで処理した場合)、「テレフタル酸−γ−CD−エチル高分子」(末端をエタノールで処理した場合)、「テレフタル酸γ−CD−ベンジル高分子」(末端をベンジルアルコールで処理した場合)、「テレフタル酸γ−CD−フェニル高分子」(末端をフェノールで処理した場合)等と略称することがあるが、いずれも本願発明で使用する、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーのことである。
滴下ロート、風船付き三方コック、活栓及び攪拌棒(攪拌機によって攪拌)の付いた1Lの4つ口セパラブルフラスコに、乾燥γ−シクロデキストリン(以下、γ−CDと略す、50g,0.039mol、含水量1%以下、純正化学工業)と特級ピリジン(660ml、和光純薬工業)を入れて室温で1時間攪拌した。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(220mL、和光純薬工業)に溶解した二塩化テレフタロイル(78.3g,0.39mol、東京化成工業)を2時間かけて滴下した。滴下後、氷浴を外し、オイルバス(70℃)により内温70℃で2.5時間攪拌した。反応終了後、内温を3−5℃まで下げて1級メタノール(100ml、純正化学工業)を0.5時間かけて滴下した。滴下後、内温を3−5℃で0.5時間攪拌した。懸濁液を吸引濾過した後、メタノール(100mL)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した(×5回)。その後、アセトン(100ml)を桐山ロート上の濾物の上に溜め、吸引濾過した(×5回)。得られた濾物を室温で8時間、40℃で1時間、80℃で1時間乾燥させた後に、120℃で13時間乾燥した。97gのコポリマー(以下、TPGCDM高分子と略す)が得られた。
IR (KBr) 3448,1719,1277,1105,1018,732 cm−1
本発明の方法の効果を以下のモデル実験にて確かめた。モデル実験は、図2に示すとおり、本発明の実施の一形態の一部を再現するものである。
実施例1と同様、本発明の方法の効果を確かめるモデル実験を行った。
エンプティーリザーバー(容量1mL、内径5.7mm×長さ57mm、ジーエルサイエンス製)に、実施例1と同様の厚さ1mmのフィルターを充填し、この上に、合成例1で得たTPGCDM高分子(150mg)を充填後、してさらに同じフィルターを用いて充填剤を挟み込んだ。後、高分子内にPCB非含有絶縁油[高圧絶縁油(谷口石油精製株式会社)]を含ませることで固相を作製した。次いで、リザーバー内の固相上に実液(PCB含有高圧絶縁油、600mg、PCB濃度26.5ppm)を投入後、実施例1と同様の温度制御付遠心分離機内にリザーバーを取り付けた。回転毎分700rpm、温度85℃で注出したところ、PCB汚染油に相当する処理油178mgの絶縁油を2.5時間で得られた。その絶縁油のPCB濃度をガスクロマトグラフィーで測定したところ、PCBは含まれていなかった。
本発明で使用するハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーに、遠心力ではなく、ガスによる圧力を作用させた場合に、本発明の方法の効果が得られるかどうかを確かめた。
比較例1と同様、本発明で使用するハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーに、遠心力ではなく、ガスによる圧力を作用させた場合に、本発明の方法の効果が得られるかどうかを確かめた。
2,2’,3,3’,5,5’−HECBPの測定は、QCMS−QP5050(SHIMADZU)を使用し、M/Z 360を用いてSIM(selective ion monitoring)法で測定を行った。実液は、平成4年厚生省告示第192号別表第3の第1に規定される方法によりガスクロマトグラフィーで測定した。
Claims (5)
- シクロデキストリンと有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物類とを縮合させたポリマーの末端にアルコール類、アリールアルコール類またはフェノール類を反応させて得た、ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーに、ハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させることにより、ハロゲン化芳香族化合物を含有しない有機媒体を得る方法であって、該ハロゲン化芳香族化合物と吸引的に相互作用するポリマーにハロゲン化芳香族化合物を含有する有機媒体を通過接触させる際に、遠心力を作用させることを特徴とする、前記方法。
- 有機二塩基酸または有機二塩基酸ハロゲン化物が、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸またはこれらのハロゲン化物から選択される、請求項1に記載の方法。
- アルコール類が炭素数1〜10のアルキル基から選択され、アリールアルコール類がベンジルアルコール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたベンジルアルコール類から選択され、フェノール類がフェノール、またはアルキル、アリール、またはアシル基で置換されたフェノールから選択される、請求項1または2に記載の方法。
- ハロゲン化芳香族化合物が、ダイオキシン類、ポリクロロビフェニル類、またはポリクロロベンゼン類である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 有機媒体が、有機液体、絶縁油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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JP2008029946A (ja) * | 2006-07-27 | 2008-02-14 | Akira Sato | 洗浄処理システム、洗浄処理方法、遠心濾過装置及び遠心濾過方法 |
JP2008220380A (ja) * | 2003-10-31 | 2008-09-25 | Fujifilm Corp | 核酸の分離精製方法 |
WO2011102346A1 (ja) * | 2010-02-16 | 2011-08-25 | 株式会社ネオス | 媒体に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤及び選択固着方法 |
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