JP2012220293A - ガスセンサ素子とその製造方法並びにガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子とその製造方法並びにガスセンサ Download PDF

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Abstract


【課題】被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサに用いられるガスセンサ素子であって、該ガスセンサ素子の表面を覆う多孔質保護層の剥離が起こり難く、耐久性に優れたガスセンサ素子の提供を目的とする。
【解決手段】センサ素体3を耐熱粒子スラリー400に浸漬し、引き上げる際に、センサ素体3を、その長手軸方向に沿って上下動に移動させるのに加えて、その長手軸方向に対して直交する方向へも移動させることによって多孔質保護層4の上端面40とセンサ素体3の表面との接触角θが80°以下となるガスセンサ素子5を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジン等の内燃機関から排出される燃焼排気中の特定ガス成分濃度を測定するガスセンサ素子とその製造方法並びにこれを用いたガスセンサに関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼排気流路に、該燃焼排気中に含まれる酸素、窒素酸化物、アンモニア、水素等の特定ガス成分の濃度を検知するガスセンサを配設して、内燃機関の燃焼制御や排ガス浄化装置の制御を行っている。
このようなガスセンサとして、例えば、酸素センサの場合、平板状に形成され、酸素イオンに対して導電性を有する固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に形成されて被測定ガスに接する測定電極層と、該測定電極層側に形成されて上記被測定ガスを透過する多孔質拡散抵抗層と、上記固体電解質層の他方の表面に形成されて基準ガスに接する基準電極層と、該基準電極層側に形成されて上記基準ガスを導入する基準ガス室を有する基準ガス室形成層と、発熱体を内部に有する絶縁性の基体とを積層してなる積層型ガスセンサ素子が用いられている。
一方、被測定流体としての燃焼排気中には、P、Ca、Zn、Si等のオイル含有成分やK、Na、Pb等のガソリン添加成分からなる被毒物質が含まれており、積層型ガスセンサ素子の測定電極層や多孔質拡散層がこれらの被毒物質に汚染されて、ガスセンサの応答性劣化や出力異常等の問題を引き起こす虞がある。
加えて、このような積層型ガスセンサ素子は、固体電解質層を特定のイオンに対して導電性を示すべく、内蔵された発熱体を用いて、例えば700℃以上の高温に加熱され、活性化された状態で使用されている。
燃焼排気中には、水蒸気も含まれており、エンジン停止時には燃焼排気流路が冷却され、水蒸気が凝縮して水滴となり、これが気化することなく飛散し、高温状態となったセンサ素体の表面に付着すると局所的な熱応力が発生し、被水割れを生じる虞もある。
そこで、センサ素体の外周面に所定膜厚の多孔質保護層を形成することによって、該多孔質保護層内に上記被毒物質を捕獲して誤動作を防止したり、水滴が付着したときには、水滴を該多孔質保護層内に分散させて熱衝撃を緩和させ素子にクラックが発生するのを防止したりできることが知られている。
このような多孔質保護層の製造方法として、例えば、センサ素体と直接接する領域には、比較的小さい粒径の耐熱粒子を配置し表面層には比較的大きい粒径の耐熱粒子を配置すべく、所定の粒度分布を有するアルミナ、チタニア、スピネル等の耐熱粒子とシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル等の無機バインダ、さらにはPVB、PVA等の有機バインダを水又は有機溶媒等の分散媒に分散させて耐熱粒子スラリーを作製し、センサ素子を長手軸方向に沿って上下に移動させ、ガスセンサ素子の被測定ガス中に晒される部分を、耐熱粒子スラリーに浸漬した後、引き上げることによって、センサ素体の外周面に耐熱粒子等からなる皮膜を形成し、これを乾燥、加熱処理することにより得られることが知られている(特許文献1、特許文献2等参照)。
ところが、従来のように、センサ素体の長手軸方向に沿って耐熱粒子スラリー内を上下に移動させて多孔質保護層を形成したのでは、センサ素体を移動させている間は、耐熱粒子スラリーとガスセンサ素子との境界にずり応力が発生するが、移動方向を変えるときに、不可避的にセンサ素体が停止し、ずり応力が作用しなくなる瞬間が存在する。
多孔質保護層を形成するための耐熱粒子スラリーは、非ニュートン流体であり、ずり応力に対して擬塑性流動(pseudo plastic flow)を示し、ずり応力が作用している間は耐熱粒子スラリーの粘度が低下するが、ずり応力が作用しなくなると、耐熱粒子スラリーの粘度が急激に上昇する。
このため、従来の方法では、センサ素体を引き上げ始めた瞬間において、ずり応力が0となるので、耐熱粒子スラリーの粘度が一時的に上昇し、引上げが開始されると再度ずり応力が作用して耐熱粒子スラリーの粘度が低下するので、多孔質保護層の膜厚の変化に乱れが生じ、多孔質保護層の上端面とセンサ素体表面との接触角が不可避的に大きくなることが判明した。
さらに、本発明者等の鋭意試験により、多孔質保護層の上端面とセンサ素体との接触角が大きいと、外部からの振動や衝撃を受けたときに、その上端面を起点として多孔質保護層がセンサ素体の表面から剥離し易くなる虞があることが判明した。
また、多孔質保護層を耐熱粒子スラリーへの浸漬によって形成する場合、センサ素体の角部の稜線に沿った位置の膜厚が薄くなる傾向にあり、耐熱粒子スラリーを高濃度に調整し、粘度を高くすることによって、センサ素体を引き上げたときの保形性を高くして、角部において膜厚が薄くなるのを防いでいる。
しかし、耐熱粒子スラリーの粘度を高くすると耐熱粒子スラリーの表面張力が大きくなり、多孔質保護層の上端面とセンサ素体の表面との接触角がさらに大きくなり、得られる多孔質保護層が却って剥離し易くなる虞があることが判明した。
そこで、本願発明は、かかる実情に鑑み、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサに用いられるガスセンサ素子であって、耐熱粒子からなる高濃度の耐熱粒子スラリーへの浸漬によりセンサ素体の表面に形成した多孔質保護層の剥離を起こり難くし、耐久性に優れたガスセンサ素子の提供を目的とするものである。
請求項1の発明では、被測定ガス中に載置され被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサ素子の被測定ガスに晒される部分の表面に耐熱性粒子からなる多孔質保護層を設けたガスセンサ素子であって、上記多孔質保護層の上端面とガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°以下である。
本発明者等の鋭意試験により、多孔質保護層の上端面とガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角を80°以下とすることによってガスセンサ素子に衝撃や振動による上記多孔質保護層の剥離を生じ難くすることができることが判明した。
一方、本発明によらず、多孔質保護層の上端面とガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°より大きいと、外部からの振動や衝撃を受けたときに多孔質保護層の上端面を起点として多孔質保護層が剥離・脱落し易くなることが判明した。
これは多孔質保護層の上端面とガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°より大きいと、切り欠き部が形成され、衝撃や振動による応力が集中するためと思料される。
請求項2の発明のように、上記多孔質保護層の上端面が上に向かって凸となる略円弧状又は略放物線状に滑らかに湾曲しているのが望ましい。
請求項2の発明によれば、外部からガスセンサ素子に振動や衝撃を受けたときの応力が分散され多孔質保護層の剥離が起こり難くなると推察される。
一方、本発明によらず、上記多孔質保護層の上端面に角部が存在すると、外部からガスセンサ素子に振動や衝撃を受けたときに応力集中を起こして多孔質保護層が剥離し易くなる虞がある。
請求項3の発明では、上記多孔質保護層は、平均粒径、粒度分布、又は、材質のいずれかが異なる複数種の耐熱粒子からなり、複数の多孔質保護層が層状に積み重なっている。
請求項3の発明によれば、上記複数の多孔質保護層の内、上記ガスセンサ素子を構成するセンサ素体と接する最下層を構成する耐熱粒子をセンサ素体との密着性の高い比較的粒径の小さい耐熱粒子とし、被測定ガスに直接晒される最上層を構成する耐熱粒子を被水時の熱衝撃に対する耐久性の高い比較的粒径の大きい耐熱粒子とすることが可能となり、さらにガスセンサ素子の信頼性が高くなる。
請求項4の発明では、被測定ガス中の特定ガス成分の量に応じて変化する電気的特性を検出するセンサ部と該センサ部を加熱するヒータ部とからなり略平板状に形成したセンサ素体の被測定ガスに晒される部分を、耐熱粒子を分散させた耐熱粒子スラリーに浸漬し、引き上げることによって多孔質保護層を形成するガスセンサ素子の製造方法であって、
上記センサ素体を上記耐熱粒子スラリーに浸漬し、引き上げる際に、上記センサ素体を、その長手軸方向に沿って上下動に移動させるのに加えて、その長手軸方向に対して直交する方向へも移動させることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、耐熱粒子スラリーに作用するずり応力を高くし、耐熱粒子スラリーの粘度を低くし、上記センサ素体に対する濡れ性を向上させ、かつ、上記センサ素体を引き上げる際に瞬間的にずり応力が0となることなく滑らかに漸減させ、上記多孔質保護層の上端面と上記ガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°以下となるように形成することができる。
請求項5の発明では、上記センサ素体を上記耐熱粒子スラリー内に浸漬する際に、上記センサ素体の一端を回転可能に固定し、上記センサ素体の先端側を回転させるように移動させながら上記耐熱粒子スラリー内に浸漬させ、さらに上記センサ素体がほぼ垂直位置となったら、回転移動ではなく、上記センサ素体の長手軸方向に対して直交する方向への横移動を維持すると共に、その長手軸方向に沿ってゆっくりと引き上げる。
請求項5の発明によれば、上記センサ素体が回転移動しながら上記耐熱粒子スラリー内に浸漬されるので、上下動だけの場合に比べて大きなずり応力が作用し、上記耐熱粒子スラリーの粘度が低くなり、上記センサ素体への濡れ性が向上し、さらに、上記センサ素体を長手軸方向に引き上げ始める際に、上記センサ素体が横方向への移動を維持しているので、ずり応力が0となる瞬間が存在せず、一定以上のずり応力を維持したまま、引上げ速度を緩やかにすることにより、ずり応力を徐々に低下させ、上記多孔質保護層の上端面と上記センサ素体の表面との接触角を小さくし、耐久性に優れた多孔質膜を有するガスセンサ素子を形成することができる。
請求項6の発明では、上記耐熱粒子スラリー内において上記センサ素体の回転移動を複数回行う。
請求項6の発明によれば、上記センサ素体の回転移動により、上記耐熱粒子スラリーの粘度を低下させ、濡れ性を向上させると共に、ずり応力を作用させ続けることにより、形成される多孔質保護層の上端面において緩やかに膜厚を漸減させることができるのに加えて、1回塗布の場合には、上記センサ素体の一方の表面に上記多孔質保護層が十分形成されていない欠損部が形成される虞があるが、本発明のように複数回塗布することにより、このような欠損部を生じることなく、欠陥のない多孔質保護層を有した信頼性の高いガスセンサ素子を形成することができる。
請求項7の発明では、平均粒径、粒度分布、又は、材質のいずれかが異なる複数種の耐熱粒子を所定の無機バインダと共に、所定の分散媒にそれぞれ分散せしめた複数種の耐熱粒子スラリーを用いて、上記センサ素体の表面に複数層の多孔質保護層を形成する。
請求項7の発明によれば、上記複数の多孔質保護層の内、上記センサ素体と接する最下層を構成する耐熱粒子を上記センサ素体との密着性の高い比較的粒径の小さい耐熱粒子とし、被測定ガスに直接晒される最上層を構成する耐熱粒子を被水時の熱衝撃に対する耐久性の高い比較的粒径の大きい耐熱粒子とすることが可能となり、さらに信頼性の高いガスセンサ素子を製造する際にも、上記複数層からなる多孔質保護層の上端面と上記ガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が小さくなり、剥離を生じ難くすることができる。
請求項8の発明では、被測定ガス中に載置され被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサであって、請求項1ないし3のいずれか記載のガスセンサ素子を用いる。
請求項8の発明によれば、ガスセンサに作用する外部からの振動や衝撃などにより、上記センサ素体の表面に形成した上記多孔質保護層の剥離が生じ難く、信頼性に優れたガスセンサが実現できる。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の概要を示し、(a)は、横断面図、(b)は、本発明の要部である多孔質保護層の特徴を示す外観平面図、(c)は、その側面図。 比較例として示す従来のガスセンサ素子の概要を示し、(a)は、横断面図、(b)は、従来の多孔質保護層の特徴を示す外観平面図、(c)は、その側面図、(d)は、従来の問題点を示す説明図。 多孔質保護層を形成するための耐熱粒子スラリーのレオロジー特性を示す特性図。 (a)は、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法の要部を示す説明図、(b)は、比較例として示す従来のガスセンサ素子の製造方法の要部を示す説明図。 時間の経過に伴うレオロジー特性の変化を示し、(a)は、ずり速度についての特性図、(b)は、ずり応力についての特性図、(c)は、粘度についての特性図。 本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法によって得られたガスセンサ素子の図面代用写真。 比較例として示す従来のガスセンサ素子の製造方法によって得られたガスセンサ素子の図面代用写真。 本発明の剥離強度に対する効果の確認のために用いた衝撃試験方法を示す構成図。 比較例と共に本発明の剥離強度に対する効果を示す特性図。 (a)は、本発明の第2の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法の概要を示す模式図、(b)、(c)は、本実施形態の効果を示す模式図。 (a)は、本発明の第3の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法の概要を示す模式図、(b)は、第4の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法の概要を示す模式図。 本発明の第5の実施形態におけるガスセンサ素子を示す要部断面図。 本発明の第5の実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法の要部を示す説明図。
本発明のガスセンサ素子は、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼排気流路に載置され燃焼排気を被測定ガスとし、被測定ガス中に含まれる酸素、窒素酸化物、アンモニア、水素等の特定ガス成分を検出し、内燃機関の燃焼制御や燃焼排気処理制御等に利用するガスセンサに用いられるものである。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子5の概要について説明する。
なお、本発明は、ガスセンサ素子5として、少なくとも、センサ部1と、ヒータ部2とからなるセンサ素体3を具備し、センサ部1とヒータ部2との被測定ガスに晒される部分を後述する製造方法によって形成した多孔質保護層4によって覆ったものであれば、如何なるガスセンサ素子においても、適用し得るものであり、用途に応じてセンサ素体3の構成は適宜変更し得るものである。
したがって、ガスセンサ素子5の検出対象を限定するものではないが、本発明の特徴を理解し易くするため、被測定ガス中の特定ガス成分として酸素濃度を検出する酸素センサや空燃比センサ等に用いられるジルコニア等からなる固体電解質層10を備えたガスセンサ素子5を具体例として説明する。
図1(a)に示すように、ガスセンサ素子5は、センサ部1とヒータ部2とが積層され、焼結されて一体となったセンサ素体3の被測定ガスに晒される部分が本発明の要部である多孔質保護層4によって覆われている。
センサ部1は、酸素イオンに対して導電性を有するジルコニア等の固体電解質材料を用いてドクターブレード法等の公知の成形方法により略平板状に形成した固体電解質層10と、Pt等を用いて無電解メッキ、厚膜印刷、蒸着等の公知の電極形成方法により、固体電解質層10の一方の表面に形成し、基準ガスに対向せしめた基準電極11と、他方の表面に形成し、測定ガスに対向する測定電極12と、アルミナ等の耐熱性絶縁材料を用いて、ドクターブレード法、加圧成形法等の公知の成形方法により、基準電極11側に基準ガスとして大気を導入する基準ガス室13を区画した基準ガス室形成層と、比較的粒径の大きいアルミナ等の耐熱性粒子を用いてスクリーン印刷等の公知の方法により測定電極12を覆うように形成し、所定の拡散抵抗を付与せしめる拡散抵抗層14と、アルミナ等の耐熱性セラミックスからなり拡散抵抗層14の表面を遮蔽し、拡散抵抗層14の側面方向から被測定ガスが導入されるように緻密に形成された遮蔽層15とが一体的に積層されている。
また、被測定ガス中の酸素濃度と基準ガス中の酸素濃度との差によって、両電極間に発生する起電力や、基準電極11と測定電極12との間に電圧を印加したときに流れる電流値の変化等の電気的特性を検出するための図略の一対のリード部が引き出されている。
ヒータ部2は、センサ部1の基準ガス形成層側に積層して形成され、内部にPt等からなる発熱体20が形成され、その上下がアルミナ等の絶縁体層21、22によって覆われ、発熱体20に接続して外部の電源に接続する図略の一対のリード部が引き出されている。
図1(b)に示すように、本発明の要部である多孔質保護層4の上端面40は上に向かって凸となる略円弧状又は略放物線状を描くように滑らかに湾曲している。
また、図1(c)に示すように、多孔質保護層4の上端面40とセンサ部1の表面又はヒータ部2の表面との接触角θは、80°以下であり、多孔質保護層4の膜厚が端縁に向かって滑らかに漸減するように形成されていることを特徴とする。
ここで図2を参照して、比較例として示す従来のガスセンサ素子5zについて説明する。なお、センサ素体3は本発明の実施形態と同様であるので説明を略し、比較例における多孔質保護層4zの特徴のみを説明する。
従来の多孔質保護層4zは、本図(a)に示すように、センサ部1及びヒータ部2の被測定ガスに晒される部分を覆うように形成されているが、本図(b)、に示すように、多孔質保護層4zの上端面40zは、本発明のように上に向かって凸とはなっておらず、略直線状、又は、上に向かって凹となっている。
また、多孔質保護層4zの上端面40zとセンサ部1の表面又はヒータ部2の表面との接触角θは、本図(c)に示すように、80°より大きく、多孔質保護層4zの膜厚が一旦厚くなった後、端縁に向かって急減するように形成されている。
後述の試験により多孔質保護層の上端面40zとガスセンサ素子5zを構成するセンサ素体1の表面との接触角θが80°より大きいと、外部からの振動や衝撃を受けたときに多孔質保護層4zの上端面40zを起点として多孔質保護層4zが剥離・脱落し易くなることが判明した。
これは多孔質保護層の上端面40zとガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°より大きいと、本図(d)に示すように、切り欠き部が形成され、衝撃や振動による応力が集中するためと思料される。
図3を参照して、本発明の要部である多孔質保護層4を形成するための耐熱粒子スラリーのレオロジー特性について説明する。図3は、本発明に用いられる耐熱粒子スラリーのずり速度ν・(1/s)と、ずり応力τ(Pa)と、粘度η(Pa・s)との関係を示す特性図である。
本図に示すように、耐熱粒子スラリーは、非ニュートン流体であり、ずり速度ν・(1/s)が早くなるにしたがって、ずり応力τ(Pa)が高くなり、ずり応力τ(Pa)が高くなる程、粘度η(Pa・s)が低くなり、ずり速度ν・(1/s)が遅くなるにしたがって、ずり応力τ(Pa)が低くなり、ずり応力τ(Pa)が低くなる程、粘度η(Pa・s)が高くなる擬塑性流動(pseudo plastic flow)を呈す。
また、ずり速度ν・(1/s)を上げるときと、ずり速度ν・(1/s)を下げるときとで異なる変化を示し、レオロジー特性がヒステリシス曲線となるチクソトロピー性を呈す。
なお、本実施形態においては、多孔質保護層を形成するための耐熱性粒子としてアルミナを用いた例を示したが、本発明において、耐熱粒子の種類を限定するものではなく、耐熱粒子スラリーのレオロジー特性が擬塑性流動を示すものであれば、効果を発揮し得るものである。
図4(a)を参照して本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子5の製造方法について説明し、本図(b)を参照して比較例として示す従来のガスセンサ素子5zの製造方法について説明する。
なお、本発明においてセンサ部1、ヒータ部2並びにセンサ素体3の製造方法については、特に限定するものではなく、公知の製造方法を適宜採用することができるので、本発明の要部である、多孔質保護層4、4zの形成方法について比較例として示す従来との違いを説明する。
本実施形態においては、多孔質保護層4を形成するための耐熱粒子スラリー400は、耐熱粒子として平均粒径2μm〜40μmのアルミナを用い、アルミナゾル等の無機バインダと共に耐熱粒子固形分濃度30wt%〜60wt%となるように水等の分散媒に分散させたものを用い、得られた耐熱性スラリー400内にセンサ素体3を以下に説明する方法によって浸漬した後、乾燥し、加熱処理して、多孔質保護層4を有するガスセンサ素子5が完成する。
本実施形態においては、公知の方法によって得られたセンサ素体3を耐熱粒子スラリー400に対して、本図(a)に符号丸1〜丸5を付して示すように、センサ素体3の一方の端部を回転可能に固定し、センサ素体3の先端側を回転させるように移動させながら耐熱粒子スラリー400内に浸漬させ、本図(a)に符号丸5を付して示すように、センサ素体3がほぼ垂直位置となったら、回転移動ではなく、本図(a)に符号丸6〜丸8を付して示すように、センサ素体3の長手軸方向に対して直交する方向への横移動を維持すると共に、長手軸方向にゆっくりと引き上げる。
このような浸漬方法をとることによって、センサ素体3が耐熱粒子スラリー400内を移動する際に発生するずり応力を大きくし、耐熱粒子スラリー400の粘度を低くして濡れ性を向上させた状態でセンサ素体3の表面に多孔質保護層4を形成することができる。一方、比較例として示す従来にガスセンサ素子5zの製造方法では、本図(b)に符号丸1、丸4、丸5、丸6を付して示すように、耐熱粒子スラリー400内に、センサ素体3をその長手軸方向に沿って、上下動させることによって多孔質保護層4zを形成している。
図5を参照して、図4に示した本発明の多孔質保護層4の製造方法における耐熱粒子スラリー400のレオロジー特性に対する効果と、従来の多孔質保護層4zの製造方法における耐熱粒子スラリー400のレオロジー特性に対する効果の違いを説明する。
なお、本図において、実施例として本発明の効果を実線で示し、比較例として従来の製造方法の効果を点線で示した。
本発明の実施例では、センサ素体3が回転移動しながら耐熱粒子スラリー400内に浸漬されるので、比較例に比べて大きなずり速度ν・(1/s)が得られる。さらに、センサ素体3を長手軸方向に引き上げ始める際に、センサ素体3が横方向への移動を維持しているので、ずり速度ν・(1/s)が0となる瞬間が存在せず、一定以上のずり速度ν・(1/s)を維持したまま、引上げ速度を緩やかにすることにより、ずり速度ν・(1/s)を徐々に低下させることができる。
本発明によれば、本図(a)に実線で示すようにずり速度ν・(1/s)を変化させることができるので、耐熱粒子スラリー400に作用するずり応力τ(Pa)は、本図(b)に実線で示すように変化させることができる。
さらに、センサ素体3を耐熱粒子スラリー400内で回転移動させることにより、強いずり応力τ(Pa)を作用させることによって、高濃度であっても、粘度η(Pa・s)を大きく下げることが可能となり、センサ素体3への濡れ性を向上させることができ、しかも、センサ素体3を引き上げたときに、粘度η(Pa・s)の急激な変化を起こすことなく、本図(c)に示すように、一定以下の低い粘度η(Pa・s)を保ちながら徐々に上昇させることができる。
したがって、多孔質保護層4の上端面40とセンサ素体3の表面との接触角θが、図1(c)に示したように、80°以下となり、しかも上端面40の膜厚が基端側に向かって滑らかに漸減するガスセンサ素子5を形成することができるのである。
一方、本図(a)に点線で示す比較例では、ずり速度ν・(1/s)は、センサ素体3の長手軸方向の上下動によってのみ発生するため、耐熱粒子スラリー400に作用するずり速度は小さい。
加えて比較例においては、センサ素体3を耐熱粒子スラリー400内に浸漬し、移動方向を逆転させ、センサ素体3の引上げを始める瞬間にずり速度ν・(1/s)が0となる瞬間が存在し、引上げが始まると再びずり速度が上がる。
このような方法でガスセンサ素体3を耐熱性スラリー400内で上下動させると、本図(b)に点線で示すように、瞬間的にずり応力τ(Pa)が0となり、ずり応力τ(Pa)が低下後に再び上昇することになる。
このようなずり応力τ(Pa)の乱れは、本図(c)に点線で示すような、粘度η(Pa・s)の乱れとなって表れ、センサ素体3の表面に形成される多孔質保護層4zの膜厚が不可避的に乱れ、図2(c)に示したように、多孔質保護層4zの上端面40zとセンサ素体3の表面との接触角θが80°より大きな従来のガスセンサ素子5zが形成される。
図6は、実際の本実施形態におけるガスセンサ素子5とその多孔質保護層4の外観を示す写真であり、図7は、比較例におけるガスセンサ素子5zとその多孔質保護層4zの外観を示す写真である。
本発明によれば、図6に示すように、ガスセンサ素子5では、多孔質保護層4の上端面40とセンサ素体3との接触角θが小さく、上端面40において、膜厚が滑らかに変化していることが分かる。また、上端面40は、上に向かって凸となるような滑らかな略円弧状又は略放物線状をしている。
一方、図7に示すように、比較例のガスセンサ素子5zでは、多孔質保護層4zの上端面40zとセンサ素体3との接触角θが大きく、一旦僅かに薄くなった膜厚が再び厚くなりその後急激に減少する山形に変化していることが分かる。
図8を参照して、本発明の耐久性向上に対する効果を確認するために行った試験方法について説明する。
本発明の多孔質保護層4を形成したガスセンサ素子5と、従来の多孔質保護層4zを形成したガスセンサ素子5zとを、本図に示すような衝撃剥離角度試験器に固定し、アーム部の引上げ角度を10°から170°まで変化させて、振り子のようにガスセンサ素子5、5zを落下させ、ガスセンサ素子5、5zの基端部を固定したアーム部の中腹部分を衝撃ブロックに衝突させたときに、多孔質保護層5、5zの剥離を招く角度を衝撃剥離強度として測定し、その試験結果を図9に示す。
なお、図9は、多孔質保護層の上端面におけるガスセンサ素子の表面との接触角θを横軸とし、衝撃剥離強度として剥離を招いたときのアーム部の引き上げ角度を縦軸とするプロットしたものである。
図9に示すように、多孔質保護層4zの上端面40zとセンサ素体3の表面との接触角θが80°を超える比較例におけるガスセンサ素子5zよりも、多孔質保護層4の上端面40とセンサ素体3の表面との接触角θが80°以下となる本発明の実施例におけるガスセンサ素子5の方が、高い剥離強度を示すことが判明した。
図10を参照して、本発明の第2の実施形態におけるガスセンサ素子5aの製造方法の要部である多孔質保護層4aの製造方法について説明する。
上記実施形態においては、耐熱粒子スラリー400内を一方通行で回転移動させた例を示したが、本実施形態においては、本図(a)に1〜20の符号を付して示したように、耐熱粒子スラリー400内を往復させるようにして、2回塗布により多孔質保護層4aを形成している。
本実施形態においても、上記実施形態と同様、センサ素体3の回転移動により、耐熱粒子スラリー400の粘度を低下させ、濡れ性を向上させると共に、ずり応力τ(Pa)を作用させ続けることにより、上端面40aにおける緩やかな膜厚変化を実現している。
加えて、本図(b)に示すように、1回塗布の場合には、センサ素体3の一方の表面に多孔質保護層4aが十分形成されていない欠損部が形成される虞があるが、本図(c)に示すように、2回塗布により上端面40aに欠損部を生じることなく、均一な多孔質膜4aを有するガスセンサ素子5a形成することができる。
なお、本実施形態のように、耐熱粒子スラリー400内を往復移動させることにより、1回目の塗布でセンサ素体3の表面に形成された多孔質保護層が比較的粘度の低い半スラリー状の状態で、2回目の塗布が行われるので、1回目に形成された多孔質保護層と2回目に形成された多孔質保護層とが混じり合い、その間に界面が形成されることなく均一な多孔質保護層4aを形成ことができる。
図11を参照して、他の実施形態における多孔質保護層4の形成方法について説明する。
上記実施形態においては、ガスセンサ素子5を耐熱粒子スラリー400内に浸漬する際に、センサ素体3の一端を回転可能に固定して、回転移動させた例を示したが、本実施形態においては、センサ素体3を回転させるのではなく、本図(a)に示すように、横移動と上下移動とを組み合わせて、多孔質保護層4を形成しても良い。本実施形態においても、強いずり応力τ(Pa)を作用させて、耐熱粒子スラリー400の粘度η(Pa・s)を低く維持して、濡れ性を向上させ、膜厚の均一化を図りつつ、上端面40とセンサ素体3との接触角θを小さくし、上端面40における膜厚が緩やかに変化したガスセンサ素子5を製造することができる。
また、本図(b)に示すように、センサ素体3の長手軸を中心として回転させながら耐熱粒子スラリー400内を上下に移動させても良い。このような方法によっても、同様の効果が期待できる。
図12、図13を参照して、本発明の第3の実施形態におけるガスセンサ素子5c並びにガスセンサ素子5cの製造方法について説明する。
上記実施形態においては、多孔質保護層4を1種類の耐熱粒子によって形成した例を示したが、本実施形態においては、図13に示すように複数種の耐熱粒子を用いて作製した複数種の耐熱粒子スラリーへの浸漬を複数回行うことにより、図12(a)に示すように複数層4b、4cを層状に積み重ね、多孔質保護層4dを形成した点が相違する。
本実施形態においては、先ず、図13の上図に示すように、例えば、第1層目の多孔質保護層4bとして、比較的平均粒径の小さい耐熱粒子を用いて、上記実施形態と同様の手順に従って耐熱粒子スラリー400bを作製し、上記実施形態と同様、センサ素体3を長手軸方向に沿った上下動のみならず、センサ素体3の長手軸方向に直交する方向の移動成分を含むように移動させる。
このような工程を経ることによって、図12(b)に示すように、第1層目の多孔質保護層4bの上端面40bが上に凸となるように形成され、図12(c)、図13の上図に示すように、多孔質保護層4bの上端面40bとセンサ素体3の表面との接触角θが80°以下となるガスセンサ素子5bが形成される。
その後、さらに、第2層目の多孔質保護層4cとして、比較的平均粒径の大きい耐熱粒子を用いて、上記実施形態と同様の手順に従って耐熱粒子スラリー400cを作製し、図13の下図に示すように、第1層目の多孔質保護層4bに重ねて、上記実施形態と同様の方法により、ガスセンサ素子5bを長手軸方向に沿った上下動のみならず、ガスセンサ素子5bの長手軸方向に直交する方向の移動成分を含むように移動させる。
このような工程を経ることによって、図12(b)に示すように、第2層目の多孔質保護層4cの上端面40cも上に凸となり、図12(c)、図13の下図に示すように、第2層目の多孔質保護層4cの上端面40cとガスセンサ素子5bの表面との接触角θも80°以下となったガスセンサ素子5cを形成することができる。
本実施形態においても上記実施形態と同様に、外部からの振動や衝撃に対して剥離し難く、高い密着強度の多孔質保護層4dを備えたガスセンサ素子5cを実現できる。
加えて、平均粒径、粒度分布、又は、材質のいずれかが異なる耐熱粒子からなる複数層の多孔質保護層を形成することにより、より一層密着強度を高くしたり、熱衝撃に対する抵抗力を強化したりすることもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多孔質保護層を形成する際に、センサ素体の長手軸方向に沿って上下動に移動させるのに加えて、センサ素体の長手軸方向に対して直交する方向へも移動させることによって、耐熱粒子スラリーに作用するずり応力を高くし、耐熱粒子スラリーの粘度を低くし、センサ素体に対する濡れ性を向上させ、かつ、センサ素体を引き上げる際に瞬間的にずり応力が0となることなく滑らかに漸減させ、多孔質保護層4の上端面40とセンサ素体3の表面との接触角θを小さくする本発明の趣旨に反しない限り適宜変更可能である。
上記実施形態においては、酸素、窒素酸化物、アンモニア、水素等の特定ガス成分の濃度を検知するガスセンサについて説明したが、本発明はこのような酸素由来ガス成分の検出を行うガスセンサに限らず、その他の任意のガスセンサに適用可能である。
一方、多孔質保護層を形成する耐熱粒子としてアルミナ以外を用いた場合でも、従来と同様に耐熱粒子スラリー内を上下に移動させてセンサ素体の表面に多孔質保護層を形成したときには、上述の如く、多孔質保護層の上端面に膜厚の乱れが発生し、不可避的に多孔質保護層の上端面とセンサ素体の表面との接触角が大きくなり、多孔質保護層が剥離しやすくなると推察される。
多孔質保護層を形成する耐熱粒子としてアルミナ以外を用いた場合でも、耐熱粒子を分散させた耐熱粒子スラリーのレオロジー特性が、ずり速度が高い程粘度が低く、ずり速度が低い程粘度が高くなる擬塑性流動を呈するものであれば、本発明に記載の方法により、多孔質保護層形成時に、耐熱粒子スラリーの粘度を低くし、しかも、ずり応力が0となる瞬間が存在しないので、形成される多孔質保護層の上端面が緩やかに漸減し、かつ、多孔質保護層の上端面とセンサ素体との表面との接触角が小さくなり、上記実施形態と同様の効果を発揮するものと期待される。
また、本発明は、センサ素体を略平板状に形成したいわゆる積層型のガスセンサ素子の耐久性向上に優れた効果を発揮するものであるが、センサ素体を有底筒状に形成したいわゆるコップ型のガスセンサ素子の表面に多孔質保護層を形成する場合に対しても同様の効果を発揮し得るものである。
5 ガスセンサ素子
1 センサ部
10 固体電解質層
11 基準電極
12 測定電極
13 基準ガス室
14 拡散抵抗層
15 遮蔽層
2 ヒータ部
20 発熱体
21、22 ヒータ絶縁体
3 センサ素体
4 多孔質保護層
40 多孔質保護層上端面
400 耐熱性粒子スラリー
θ 多孔質保護層上端面接触角
特開2006−250537号公報 特開2007−121323号公報

Claims (8)

  1. 被測定ガス中に載置され被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサ素子の被測定ガスに晒される部分の表面に耐熱性粒子からなる多孔質保護層を設けたガスセンサ素子であって、
    上記多孔質保護層の上端面とガスセンサ素子を構成するセンサ素体の表面との接触角が80°以下であることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 上記多孔質保護層の上端面が上に向かって凸となる略円弧状又は略放物線状に滑らかに湾曲している請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 上記多孔質保護層は、平均粒径、粒度分布、又は、材質のいずれかが異なる複数種の耐熱粒子からなり、複数の多孔質保護層が層状に積み重なっている請求項1、又は、2に記載のガスセンサ素子。
  4. 被測定ガス中の特定ガス成分の量に応じて変化する電気的特性を検出するセンサ部と該センサ部を加熱するヒータ部とからなり略平板状に形成したセンサ素体の被測定ガスに晒される部分を、耐熱粒子を分散させた耐熱粒子スラリーに浸漬し、引き上げることによって多孔質保護層を形成するガスセンサ素子の製造方法であって、
    上記センサ素体を上記耐熱粒子スラリーに浸漬し、引き上げる際に、上記センサ素体を、その長手軸方向に沿って上下動に移動させるのに加えて、その長手軸方向に対して直交する方向へも移動させることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  5. 上記センサ素体を上記耐熱粒子スラリー内に浸漬する際に、上記センサ素体の一端を回転可能に固定し、上記センサ素体の先端側を回転させるように移動させながら上記耐熱粒子スラリー内に浸漬させ、さらに上記センサ素体がほぼ垂直位置となったら、回転移動ではなく、上記センサ素体の長手軸方向に対して直交する方向への横移動を維持すると共に、その長手軸方向に沿ってゆっくりと引き上げる請求項4に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  6. 上記耐熱粒子スラリー内において上記センサ素体の回転移動を複数回行う請求項4、又は、5に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  7. 平均粒径、粒度分布、又は、材質のいずれかが異なる複数種の耐熱粒子を所定の無機バインダと共に、所定の分散媒にそれぞれ分散せしめた複数種の耐熱粒子スラリーを用いて、上記センサ素体の表面に複数層の多孔質保護層を形成する請求項4ないし6のいずれかに記載のガスセンサ素子の製造方法。
  8. 被測定ガス中に載置され被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサであって、請求項1ないし3のいずれか記載のガスセンサ素子を用いたことを特徴とするガスセンサ。
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