JP2012214751A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、ポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、ポリスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ポリスチレン系樹脂粒子中に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に炭素数7以上の有機化合物が均一に含有されてなり、前記有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5)の関係を満たす発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
従来、溶融押出法に関して、発泡成形体の平均気泡径が適度な大きさとなるような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供するための製造方法として、例えば、特許文献1に開示された技術が提案されている。
この特許文献1の製造方法によれば、加熱発泡させた後の発泡粒子の平均気泡径が80〜200μm程度となる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られることが記載されている。しかし、この特許文献1の製造方法は、溶融押出法によって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残留応力を緩和するために大型の圧力容器が必要となり、大掛かりな設備が必要なことから、設備コストが嵩み、設置面積が多大に必要になるという問題がある。
特許文献2には、発泡剤を含有するスチレン系樹脂からなり、嵩発泡倍数60倍に発泡させたときの発泡粒子表層部の平均気泡径Dが、40μm≦D≦150μmの関係を満たす発泡性スチレン系樹脂粒子本体100質量部に対して、25℃での屈折率が1.45以上であるメチルフェニルシリコーンオイル0.01〜0.2質量部と、高級脂肪酸の金属塩0.05〜0.2質量部とが粒子表面に被覆され、かつ、分子中に水酸基を有しない高級脂肪酸トリグリセライドの被覆量が0.05質量部未満であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子が開示されている。
しかし、特許文献2の実施例に記載された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、溶融押出法ではなく、従来周知の懸濁重合法又はシード重合法によってポリスチレン系樹脂粒子を製造し、その後発泡剤を含浸させる所謂重合含浸法によって製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を対象としており、溶融押出法で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に前記被覆を施した場合に同様の効果が得られることについては実証されていない。本発明者らが実証した結果、溶融押出法で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に前記被覆を施した場合には、発泡粒子の気泡の微細化や均一化の効果が得られないという結果が得られた。
特許文献4には、スチレン系単量体を懸濁重合して得られる平均粒子径が0.05〜2.0mmであって、易揮発性発泡剤を3〜10重量%含有してなる発泡性スチレン系樹脂粒子において、その内部にポリエーテル変性シリコーン化合物が含浸された発泡性スチレン系樹脂粒子組成物が開示されている。
しかし、この特許文献4においては、懸濁重合により樹脂粒子を製造し、これに発泡剤を含浸させる重合含浸法により得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、すなわち熟成が生じる樹脂粒子に対し、その熟成の完了を促進させることを意図しており、別異の製造方法である溶融押出法で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子については全く記載が無く、示唆すらされていない。また特許文献4の段落[0024]には、懸濁重合法にって樹脂粒子を製造後に、シクロヘキサンに溶解したポリエーテル変性シリコーンと発泡剤(ブタン)とを添加して樹脂粒子に含浸させて発泡性樹脂粒子を製造することが記載されており、添加したポリエーテル変性シリコーンは発泡性樹脂粒子の表面に含浸されるのみであって、発泡性樹脂粒子の内部全体に均一に含有されているものとは認められない。
溶融押出法によって製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について気泡の微細化、均一化を図るには、前述した特許文献1に開示されているように押出した溶融樹脂の切断及び冷却を加圧下で行う方法が提案されているが、該方法では大型の圧力容器が必要となり、大掛かりな設備が必要なことから、設備コストが嵩み、設置面積が多大に必要になるという問題がある。そして当該技術分野では、大掛かりな設備を必要とせず、簡易な方法によって発泡粒子の気泡を微細化、均一化が求められていたが、現在までその実現には至っていない。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
(B)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(b)
の関係を満たすものであることが好ましい。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たす]を添加し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に前記有機化合物が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
(B)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(b)
の関係を満たすものであることが好ましい。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものである構成としたことで、溶融押出法によって該樹脂粒子を製造した場合に、製造後に該樹脂粒子を貯蔵しておくことで、該樹脂粒子を加熱発泡して得られる発泡粒子は、製造直後に発泡させた発泡粒子と比べ気泡が微細化する熟成現象が生じるものとなる。従って、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、大型設備を用いることなく、溶融押出法によって製造した場合でも、気泡が微細且つ均一であり、機械的強度に優れたポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造し得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供することができる。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たす]を添加し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に前記有機化合物が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る構成としたことによって、製造後に該樹脂粒子を貯蔵しておくことで、該樹脂粒子を加熱発泡して得られる発泡粒子は、製造直後に発泡させた発泡粒子と比べ気泡が微細化する熟成現象が生じるものが得られる。従って、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、大型設備を用いることなく、製造後に熟成させることによって、気泡が微細且つ均一であり、機械的強度に優れたポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造し得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を容易に製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子中に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く。以下「樹脂粒子全体」の語句については同様とする。)に炭素数7以上の有機化合物が均一に含有されてなり、前記有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることを特徴とする。
溶解度パラメータ(SP値)=dΣG/M ・・・(c)
(式中、Mは分子量、dは比重を表し、またGは分子中の原子又は置換基の引力恒数であり、この引力恒数は、Small[P.A.Small,J.Appl.Chem. 3,71(1953)]によって求められた値を示す。)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることが好ましい。この溶融押出法によれば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体に前記有機化合物が均一に含有された本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を簡単に得ることができる。
前記条件を満たす有機化合物としては、例えば、ポリメチルフェニルシロキサン(SP値:7.6)、ポリジメチルシロキサン(SP値:7.1)、ポリエーテル変性シリコーン(SP値:7.9)、ポリエチレンワックス(SP値:8.1)、デカメチルシクロペンタシロキサン(SP値:7.1)、スクワラン(SP値:7.7)、オリーブ油(SP値:8.2)、ホホバ油(SP値:8.3)などが挙げられる。
また、発泡剤としてSP値が6.6のイソペンタンを用いた場合、前記式(a)の関係を満たす有機化合物としては、SP値が6.1〜8.1の範囲である炭素数7以上の有機化合物が用いられる。
前記条件を満たす有機化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(SP値:6.2)、ポリメチルフェニルシロキサン(SP値:7.6)、ポリジメチルシロキサン(SP値:7.1)、ポリエーテル変性シリコーン(SP値:7.9)、ポリエチレンワックス(SP値:8.1)、デカメチルシクロペンタシロキサン(SP値:7.1)、スクワラン(SP値:7.7)等が挙げられる。
また、発泡剤としてSP値が6.8のノルマルブタンを用いた場合、前記式(a)の関係を満たす有機化合物としては、SP値が6.3〜8.3の範囲である炭素数7以上の有機化合物が用いられる。
前記条件を満たす有機化合物としては、例えば、ポリメチルフェニルシロキサン(SP値:7.6)、ポリジメチルシロキサン(SP値:7.1)、ポリエーテル変性シリコーン(SP値:7.9)、ポリエチレンワックス(SP値:8.1)、デカメチルシクロペンタシロキサン(SP値:7.1)、スクワラン(SP値:7.7)、オリーブ油(SP値:8.2)、ホホバ油(SP値:8.3)等が挙げられる。
また、発泡剤としてSP値が6.6のイソブタンを用いた場合、前記式(a)の関係を満たす有機化合物としては、SP値が6.1〜8.1の範囲である炭素数7以上の有機化合物が用いられる。
前記条件を満たす有機化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(SP値:6.2)、ポリメチルフェニルシロキサン(SP値:7.6)、ポリジメチルシロキサン(SP値:7.1)、ポリエーテル変性シリコーン(SP値:7.9)、ポリエチレンワックス(SP値:8.1)、デカメチルシクロペンタシロキサン(SP値:7.1)、スクワラン(SP値:7.7)等が挙げられる。
(B)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(b)
の関係を満たすものであることが好ましい。
この発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲が好ましく、3〜8質量部の範囲がより好ましく、4〜7質量部の範囲が特に好ましい。
ポリスチレン系樹脂に、気泡核剤として高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、無機気泡核剤から選択される1種または2種以上を、前記有機化合物と併用した場合、加熱発泡して得られる発泡粒子の平均気泡径は前記有機化合物単独使用時と比べより微細な気泡を得ることができる。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものである構成としたことで、溶融押出法によって該樹脂粒子を製造した場合に、製造後に該樹脂粒子を貯蔵しておくことで、該樹脂粒子を加熱発泡して得られる発泡粒子は、製造直後に発泡させた発泡粒子と比べ気泡が微細化する熟成現象が生じるものとなる。従って、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、大型設備を用いることなく、溶融押出法によって製造した場合でも、気泡が微細且つ均一であり、機械的強度に優れたポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造し得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供することができる。
次に、図面を参照して本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法の実施形態を説明する。
本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン樹脂に炭素数7以上の有機化合物[ここで、該有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たす]を添加し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体に前記有機化合物が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする。
本例の製造装置は、樹脂供給装置としての押出機1と、押出機1の先端に取り付けられた多数の小孔を有するダイ2と、押出機1内に樹脂原料等を投入する原料供給ホッパー3と、押出機1内の溶融樹脂に発泡剤供給口5を通して発泡剤を圧入する高圧ポンプ4と、ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面に冷却水を接触させるように設けられ、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7と、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッティング室7内に回転可能に設けられたカッター6と、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して運ばれる発泡性樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥して発泡性樹脂粒子を得る固液分離機能付き脱水乾燥機10と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて分離された冷却水を溜める水槽8と、この水槽8内の冷却水をカッティング室7に送る高圧ポンプ9と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて脱水乾燥された発泡性樹脂粒子を貯留する貯留容器11とを備えて構成されている。
図1に示す製造装置を用い、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するには、まず、原料のポリスチレン系樹脂、前記有機化合物、必要に応じて添加される気泡核剤などの所望の添加剤を秤量し、原料供給ホッパー3から押出機1内に投入する。原料のポリスチレン系樹脂は、ペレット状や顆粒状にして事前に良く混合してから1つの原料供給ホッパーから投入してもよいし、あるいは例えば複数のロットを用いる場合は各ロットごとに供給量を調整した複数の原料供給ホッパーから投入し、押出機内でそれらを混合してもよい。また、複数のロットのリサイクル原料を組み合わせて使用する場合には、複数のロットの原料を事前に良く混合し、磁気選別や篩分け、比重選別、送風選別などの適当な選別手段により異物を除去しておくことが好ましい。さらに、前記有機化合物等の添加成分は、予めポリスチレン樹脂に高濃度で添加したマスターバッチを加えることが好ましい。
前記造粒工程で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、熟成工程を行うことによって、発泡粒子の微細化、均一化が可能となる。
熟成とは、樹脂に発泡剤を含ませて発泡性樹脂粒子としたあとで、数日ないし数拾日間低温下に貯蔵し、経日を置くことによって、表面部から気泡が微細化していき、熟成を完了させることによって微細な気泡を均一に良く発泡する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを指す。この熟成は、重合含浸法で製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子では一般的なことである。しかし、溶融押出法にて製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子については、この現象を観測することができなかった。本発明では溶融押出法にて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する際に、有機化合物を樹脂中に均一に含有させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることによって、重合含浸法で製造した場合と同様に熟成現象を生じさせることができる。
この熟成工程における貯蔵時間は、1時間以上が好ましく、6時間以上がより好ましく、12時間〜60日間程度がさらに好ましく、12時間〜7日間程度が最も好ましい。
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たす]を添加し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体に前記有機化合物が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る構成としたことによって、製造後に該樹脂粒子を貯蔵しておくことで、該樹脂粒子を加熱発泡して得られる発泡粒子は、製造直後に発泡させた発泡粒子と比べ気泡が微細化する熟成現象が生じるものが得られる。従って、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、大型設備を用いることなく、製造後に熟成させることによって、気泡が微細且つ均一であり、機械的強度に優れたポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造し得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を容易に製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべきポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度及び嵩発泡倍数は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内(嵩発泡倍数として10〜100倍の範囲内)とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cm3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上貯蔵したものである。
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
(マスターバッチの製造)
基材樹脂としてポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名「G9305」)使用し、有機化合物としてポリメチルフェニルシロキサン(GE東芝シリコーン社製、商品名「TSF4300」、SP値:7.6)の含有量が5質量%となるよう添加してマスターバッチを作製した。
基材樹脂としてポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名「G9305」)に対して、上記マスターバッチを樹脂分中ポリメチルフェニルシロキサンが0.5質量%となるよう予め混合したものを時間当たり160kg/hrの割合で口径90mmの単軸押出機内へ供給し、樹脂を加熱溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して7質量部のノルマルペンタン(SP値:7.0)を押出機途中より圧入した。そして、押出機内で樹脂と発泡剤を混練しつつ、押出機先端部での樹脂温度が170℃となるように冷却しながら、押出機に連接しヒーターにより290℃に保持した、直径0.6mm、ランド長さ3.0mmのノズルを200個有する造粒用ダイスを通して、温度50℃、水圧1.5MPaの冷却水が循環する水中カット室内に押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターをダイスに密着させて、毎分3000回転で切断し、脱水乾燥して球形の発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は変形、ヒゲ等の発生もなく、平均粒径1.1mmであった。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、直ちに15℃の雰囲気下に置き熟成を行った。
前記の通り得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.05質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
続いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(以下、ビーズと記す場合がある)を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm3(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ25mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、成形スチーム圧0.08MPa(ゲージ圧力)、金型加熱3秒、一方加熱10秒、逆一方加熱3秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で成形を行った。
また、前記ビーズ、予備発泡粒子及び発泡成形体について、以下の測定法に従って、平均気泡径、表層部平均気泡径/中心部平均気泡径、熟成期間、曲げ強度、圧縮強度及び強度評価の各試験項目について測定した。その結果を表1に記す。
予備発泡粒子の平均気泡径は、ASTM D3576−77の試験方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、予備発泡粒子の中心近傍を通る平面で剃刀歯で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いて30倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、予備発泡粒子の表層に内接する第1の円(内接円)を描く。この第1の円の内側の任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。又、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
そして、算出された平均弦長tに基づいて次式により平均気泡径を算出することができる。
平均気泡径(mm)D=t/0.616
更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均気泡径を算出し、これらの平均気泡径の相加平均値を予備発泡粒子の平均気泡径とする。
発泡成形体中の融着し合った発泡粒子の平均気泡径は、前記予備発泡粒子の平均気泡径の測定方法に準拠して測定されたものをいう。
但し、前記予備発泡粒子の測定では、予備発泡粒子の表層に内接する第1の円(内接円)を描くこととしたが、発泡成形体中の融着し合った発泡粒子の測定では、融着層に内接する第1の円(内接円)を描くこととした。
熟成中の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた発泡粒子は表層部から気泡が微細化し、熟成が進むと共に気泡の微細化が中心部に達し、発泡粒子全体が微細な均一気泡になる。表層部の平均気泡径と中心部の平均気泡径の比(表層部平均気泡径/中心部平均気泡径)が0.80以上となったときに熟成完了とし、その際に要した期間を熟成期間とした。また、熟成開始から60日を経過しても表層部からの気泡の微細化が開始しないものは熟成しないものとした。
また、表層部平均気泡径、内部平均気泡径とは、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、予備発泡粒子の表層に内接する第1の円(内接円)を描き、この第1の円の直径の1/4の半径を有する第2の同心円を描き、表層から第2の円の間を表層部、第2の円の内部を中心部とし、前記予備発泡粒子の平均気泡径の測定方法に準拠して測定されたものをいう。
本実施例では、製造直後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子(図2(a))は、平均気泡径が550μmと大きな気泡径を有していた。熟成3時間後の発泡性粒子を予備発泡した予備発泡粒子(図2(c))は、表層部は気泡が微細化していたが中心部は微細化しておらず、表層部平均気泡径/中心部平均気泡径が0.66であり、熟成中の状態であった。熟成1日後の発泡性粒子を予備発泡した予備発泡粒子(図2(b))は、中心部まで気泡が微細化しており平均気泡径が150μm、表層部平均気泡径/中心部平均気泡径が1.06であり、熟成が完了していた。熟成期間は1日であった。
発泡成形体から、縦300mm×横75mm×厚さ25mmの試験片を切り出し、この試験片の曲げ試験をJIS−A9511に準拠して行い、曲げ強度[MPa]を算出した。
発泡成形体から、縦50mm×横50mm×厚さ25mmの試験片を切り出し、この試験片の圧縮試験をJIS−A9511に準拠して行い、圧縮強度[MPa]を算出した。
前記曲げ強度及び圧縮強度の結果から、以下の基準により強度評価した。
極めて良好(◎):曲げ強度0.31MPa以上、かつ圧縮強度0.12MPa以上を満たすもの。
良好(○):曲げ強度0.28MPa以上、0.31MPa未満、かつ圧縮強度0.11MPa以上、0.12MPa未満を満たすもの。
不良(×):曲げ強度と圧縮強度の少なくとも一方が前記基準を下回るもの。
実施例1に記載のマスターバッチを、樹脂分中ポリメチルフェニルシロキサンが0.2質量%となるように使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は1日であった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンの代わりにポリエーテル変性シリコーン(信越化学社製、商品名「KF945A」)(SP値:7.8)を使用し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時に該マスターバッチを樹脂分中ポリエーテル変性シリコーンが0.2質量%となるよう使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は30日であった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンの代わりにポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポンフルオロケミカル社製)「MP−1100」(SP値:6.2)を使用し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時に該マスターバッチを樹脂分中ポリテトラフルオロエチレンが0.2質量%となるよう使用し、発泡剤としてノルマルペンタンの代わりにイソペンタン(SP値:6.6)を使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は1日であった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンに代えてポリエチレンワックス(三洋化成社製、商品名「サンワックス131−P」)(SP値:8.1)を含むものとし、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時に該マスターバッチを樹脂分中ポリエチレンワックスが0.2質量%となるよう使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は3日であった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンとステアリン酸マグネシウムのマスターバッチをそれぞれ作製し、樹脂分中ポリメチルフェニルシロキサン含有量が0.2質量%、ステアリン酸マグネシウムが0.05質量%となるように使用した以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は1日であった。また、熟成3時間後(熟成中)の気泡状態を図4(c)に示す。
発泡剤として樹脂100質量部に対して6質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))(SP値:6.7)を使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は1日であった。
(マスターバッチの製造)
基材樹脂としてポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名「G9305」)を使用し、可塑剤としてアジピン酸ジイソブチル(沸点:293℃、田岡化学工業製、商品名「DI4A」)が10質量%となるようマスターバッチを作製した。
発泡剤として樹脂100質量部に対して6質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))(SP値:6.7)を添加し、マスターバッチを、樹脂100質量部に対しアジピン酸ジイソブチルが2.5質量部となるように使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本実施例の熟成期間は1日であった。
実施例1でポリメチルフェニルシロキサン及びそのマスターバッチを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本比較例は熟成しなかった。
実施例1のマスターバッチの製造および発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時にポリメチルフェニルシロキサン及びそのマスターバッチを使用せず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の被覆時に、ポリメチルフェニルシロキサンを樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部被覆させたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本比較例は熟成しなかった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンの代わりジイソブチルアジペート(SP値:8.7)を使用し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時に該マスターバッチを、樹脂分中ジイソブチルアジペートが0.5質量%となるよう使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本比較例は熟成しなかった。
実施例1のマスターバッチの製造時にポリメチルフェニルシロキサンに代えてキシレン(SP値:8.8)を使用し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造時に該マスターバッチを、樹脂分中キシレンが0.5質量%となるよう使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本比較例は熟成しなかった。
実施例1でポリメチルフェニルシロキサン及びそのマスターバッチの代わりに、ステアリン酸マグネシウムマスターバッチを使用し、樹脂分中ステアリン酸マグネシウム0.05質量%となるよう使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。本比較例は熟成しなかった。
また、実施例1〜8で得られた発泡成形体の曲げ強度及び圧縮強度は良好であり、その中でも実施例1、3、4、5、6、7及び8については極めて良好であった。
一方、本発明における有機化合物を添加しなかった比較例1、5では、熟成の前と後で作製した予備発泡粒子の平均気泡径が全く変化せず、熟成による気泡の微細化効果が得られなかった。
また、有機化合物を造粒時に添加せず、溶融押出法で造粒した後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に有機化合物を被覆した比較例2についても、熟成の前と後で作製した予備発泡粒子の平均気泡径が全く変化せず、熟成による気泡の微細化効果が得られなかった。
さらに、本発明の有機化合物に代えて、SP値が本発明の範囲から外れた有機化合物を添加した比較例3、4についても、熟成の前と後で作製した予備発泡粒子の平均気泡径が全く変化せず、熟成による気泡の微細化効果が得られなかった。
図3は、実施例2で作製した予備発泡粒子の断面の拡大画像であり、(a)は押出直後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子、(b)は熟成後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子である。
図4は、実施例6で作製した予備発泡粒子の断面の拡大画像であり、(a)は押出直後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子、(b)は熟成後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子、(c)は熟成中の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡した予備発泡粒子である。
これらの図2〜図4から、本発明に係る実施例1〜8で製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、溶融押出法で製造した場合でも、熟成処理することによって発泡粒子の気泡を微細化できることがわかる。
Claims (16)
- ポリスチレン系樹脂粒子中に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に炭素数7以上の有機化合物が均一に含有されてなり、前記有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る溶融押出法により得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に炭素数7以上の有機化合物が均一に含有されてなり、前記有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たすものであることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 前記有機化合物はその溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(b)
(B)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(b)
の関係を満たすものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 前記発泡剤がプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記有機化合物が樹脂分中に0.01〜3質量%の範囲で含有されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 熟成完了後に加熱して嵩発泡倍数X倍に発泡させたときの発泡粒子の平均気泡径D1’を、次式(1)
- 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、無機気泡核剤から選択される1種又は2種以上が均一に含有されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に炭素数6以下の炭化水素からなる発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン樹脂に炭素数7以上の有機化合物[ここで、該有機化合物の溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(a)
((B)−0.5)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(a)
の関係を満たす]を添加し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に前記有機化合物が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記有機化合物はその溶解度パラメータ(A)が前記発泡剤の溶解度パラメータ(B)に対して、次式(b)
(B)≦(A)≦((B)+1.5) ・・・(b)
の関係を満たすものであることを特徴とする請求項8に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記発泡剤がプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項8又は9に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記有機化合物を樹脂分中に0.01〜3質量部の範囲で添加することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 溶融押出法によって得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、40℃以下の雰囲気下で貯蔵する熟成工程を行って発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂に、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、無機気泡核剤から選択される1種又は2種以上を添加し、樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に均一に含有させることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を熟成後、加熱し予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項14に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、成形型を蒸気加熱し、型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 発泡倍数X倍に発泡成形させたときの状態で、この発泡成形体中の融着し合った発泡粒子の平均気泡径D2’を、次式(2)
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