JP2013072003A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】高発泡倍数で機械強度に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体の提供。
【解決手段】発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関し、高発泡倍数で機械強度に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
押出機内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を押出機先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、所謂、溶融押出法により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法に関して、例えば、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、分子量Mwが170000g/モルを超える発泡スチレンポリマーを製造する方法であって、少なくとも120℃の温度を有する発泡剤含有スチレンポリマー溶融物を、ダイ出口の孔径が1.5mm以下の孔を有するダイプレートを介して搬送し、次いで押出物を顆粒化することを特徴とする方法が開示されている。
特許文献2には、押出機内で溶融された熱可塑性樹脂に発泡剤を圧入し、発泡剤含有の溶融樹脂を押出機先端に付設されたダイの多数の小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性粒子を得る熱可塑性樹脂発泡性粒子の製造方法であって、前記ダイの小孔ランド部を通過する際の発泡剤含有溶融樹脂の剪断速度が12000〜35000sec−1、且つ樹脂の見かけ溶融粘度が100〜700ポイズとなるように押し出すことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂発泡性粒子の製造方法が開示されている。
特表2005−534733号公報 国際公開第2005/028173号
特許文献1には、発泡剤としてn−ペンタンを使用した実施例が記載されているが、発泡剤としてn−ペンタンのみを使用した場合には、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から発泡剤が抜け出し易くなり、保存可能期間(ビーズライフ)が短くなって長期の保管ができない問題がある。また、経日により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡倍数の低下が生じる問題がある。
特許文献2には、発泡剤としてイソペンタンのみを使用した実施例が記載されているが、発泡剤としてイソペンタンのみを使用した場合には、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、型内を蒸気加熱して発泡成形体を製造する際の冷却時間が長くかかり、成形サイクルが短縮できず、発泡成形体の生産性が悪いという問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供を課題としている。
前記課題を達成するため、本発明は、発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ブタンの組成が、質量比でイソブタン:ノルマルブタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ペンタンの組成が、質量比でイソペンタン:ノルマルペンタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜27万の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜21.5万の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法によって得られたものであることが好ましい。
また本発明は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、
前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ブタンの組成が、質量比でイソブタン:ノルマルブタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ペンタンの組成が、質量比でイソペンタン:ノルマルペンタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜27万の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜21.5万の範囲内であることが好ましい。
また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を提供する。
前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子は、嵩発泡倍数50倍に予備発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましい。
また本発明は、前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
前記ポリスチレン系樹脂発泡成形体において、発泡倍数50倍に発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内である構成としたものなので、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内としたので、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造装置の一例を示す構成図である。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)
本発明は、発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴としている。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、再生品ではないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られた再生ポリスチレン系樹脂を使用することができる。
この再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂は、重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、Mwが14万〜27万の範囲内であることが好ましく、Mwが14万〜21.5万の範囲内であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂のMwが12万〜32万の範囲内であれば、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体が製造可能となる。
ポリスチレン系樹脂のMwが12万未満である場合には、十分な機械的強度を有する発泡成形体が得られないおそれがある。ポリスチレン系樹脂のMwが32万を超えると、高発泡倍数の発泡成形体を得ることが難しくなる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であるものを使用する。
なお、前記発泡剤としては、必須成分であるペンタン及びブタン以外の発泡剤、例えば、プロパン、ネオペンタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)等のクロロフルオロカーボン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン(HFC−32)等のフルオロカーボン、各種アルコール、二酸化炭素、水、及び窒素などを加えてもよい。
前記発泡剤において、ペンタン及びブタンの含有量がポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内であり、3〜9質量部の範囲が好ましく、4〜8質量部の範囲がより好ましい。ペンタン及びブタンの含有量が2〜10質量部の範囲内であれば、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体が製造可能となる。
発泡剤の量が2質量部未満であると、発泡性能が悪くなり、高発泡倍数の発泡成形体を得ることが難しくなる。発泡剤の量が10質量部を超えると、発泡性能の向上効果が頭打ちとなるとともに、発泡性スチレン系樹脂粒子を用いたスチレン系樹脂発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなって生産性が低下するおそれがある)。
前記発泡剤において、ペンタンとブタンの組成は、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であり、30:70〜70:30の範囲内であることがより好ましい。
ペンタンとブタンの前記組成範囲よりもペンタンが多い場合には、成形サイクルの短縮が困難となり、また十分な機械的強度の発泡成形体が製造し難くなる。一方、前記組成範囲よりもブタンが多い場合には、発泡性能が悪くなって高発泡倍数の発泡成形体を得ることが難しくなる。
また、前記発泡剤において、ブタンとしては、ノルマルブタンとイソブタンとの混合物又はイソブタン単独であることが好ましく、このブタンの組成が、質量比でイソブタン:ノルマルブタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
また、前記発泡剤において、ペンタンとしては、ノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物又はイソペンタン単独であることが好ましく、このペンタンの組成が、質量比でイソペンタン:ノルマルペンタン=20:80〜100:0の範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、前記発泡剤の他、無機発泡核剤が均一に含有されていることが好ましい。無機発泡核剤としては、タルク、シリカ、その他の無機粉体が挙げられ、これらの中でもタルクが好ましい。
無機発泡核剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜2質量部の範囲がより好ましい。
使用する無機発泡核剤の平均粒径は、0.1〜30μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にタルクなどの無機発泡核剤を含有させることで、予備発泡粒子の嵩発泡倍数を高める効果や発泡成形体の機械強度向上効果を高めることができる。
無機発泡核剤は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体にわたり均一に含有している必要がある。樹脂粒子の局部、例えば、樹脂粒子の表層部分にタルクが偏在していると、得られる発泡成形体の機械強度が低下するおそれがある。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、架橋剤、可塑剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよく、又、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に塗布しておけば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡工程においてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒径は、特に限定されないが、通常は0.5〜3.0mmの範囲が好ましく、0.7〜2.0mmの範囲がより好ましい。また、粒子の形状は、特に限定されないが、球状乃至略球状であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内である構成としたものなので、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体を得ることができる。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴としている。
図1は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図であり、本例の製造装置は、樹脂供給装置としての押出機1と、押出機1の先端に取り付けられた多数の小孔を有するダイ2と、押出機1内に樹脂原料等を投入する原料供給ホッパー3と、押出機1内の溶融樹脂に発泡剤供給口5を通して発泡剤を圧入する高圧ポンプ4と、ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面に冷却水を接触させるように設けられ、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7と、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッティング室7内に回転可能に設けられたカッター6と、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して運ばれる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る固液分離機能付き脱水乾燥機10と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて分離された冷却水を溜める水槽8と、この水槽8内の冷却水をカッティング室7に送る高圧ポンプ9と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて脱水乾燥された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を貯留する貯留容器11とを備えて構成されている。
なお、押出機1としては、スクリュを用いる押出機またはスクリュを用いない押出機のいずれも用いることができる。スクリュを用いる押出機としては、例えば、単軸式押出機、多軸式押出機、ベント式押出機、タンデム式押出機などが挙げられる。スクリュを用いない押出機としては、例えば、プランジャ式押出機、ギアポンプ式押出機などが挙げられる。また、いずれの押出機もスタティックミキサーを用いることができる。これらの押出機のうち、生産性の面からスクリュを用いた押出機が好ましい。また、カッター6を収容したカッティング室7も、樹脂の溶融押出による造粒方法において用いられている従来周知のものを用いることができる。
図1に示す製造装置を用い、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するには、まず、原料の前記ポリスチレン系樹脂、無機発泡核剤や必要に応じて添加される発泡核剤などの所望の添加剤を秤量し、原料供給ホッパー3から押出機1内に投入する。原料のポリスチレン系樹脂は、ペレット状や顆粒状にして事前に良く混合してから1つの原料供給ホッパーから投入してもよいし、あるいは例えば複数のロットを用いる場合は各ロットごとに供給量を調整した複数の原料供給ホッパーから投入し、押出機内でそれらを混合してもよい。また、複数のロットのリサイクル原料を組み合わせて使用する場合には、複数のロットの原料を事前に良く混合し、磁気選別や篩分け、比重選別、送風選別などの適当な選別手段により異物を除去しておくことが好ましい。
押出機1内にポリスチレン系樹脂、無機発泡核剤やその他の添加剤を供給後、樹脂を加熱溶融し、その溶融樹脂をダイ2側に移送しながら、発泡剤供給口5から高圧ポンプ4によって発泡剤を圧入して溶融樹脂に発泡剤を混合し、押出機1内に必要に応じて設けられる異物除去用のスクリーンを通して、溶融物をさらに混練しながら先端側に移動させ、発泡剤を添加した溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出す。
ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面は、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7内に配置され、且つカッティング室7内には、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッター6が回転可能に設けられている。発泡剤添加済みの溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出すと、溶融物は粒状に切断され、同時に冷却水と接触して急冷され、発泡が抑えられたまま固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子となる。
形成された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して固液分離機能付き脱水乾燥機10に運ばれ、ここで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥する。乾燥された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、貯留容器11に貯留される。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内としたので、発泡性能に優れ成形サイクルを短縮でき、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
(ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積VcmをJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)を製造する。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm
本発明の予備発泡粒子において、嵩発泡倍数50倍に予備発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましく、80〜250μmの範囲がより好ましい。
また本発明の発泡成形体については、発泡倍数50倍に発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましく、80〜250μmの範囲がより好ましい。
本発明の予備発泡粒子及び発泡成形体において、前記発泡倍数の条件下での平均気泡径が50μm未満であると、型内発泡成形時に、得られる発泡成形体の粒子間隙が多くなり外観が損なわれるおそれがある。平均気泡径が300μmを超えると、得られる発泡成形体の機械強度が低下するおそれがある。
本発明の発泡成形体は、前述した本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱発泡させ、得られた予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたものなので、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができる。
また、リサイクルされたポリスチレン系樹脂を用いて製造した場合でも、曲げ強度などの機械強度に優れた発泡成形体を得ることができる。
[実施例1]
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
重量平均分子量(Mw)20万のポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名「HRM10N」)100質量部に対し、微粉末タルク0.3質量部を加え、これらを口径90mmの単軸押出機に、時間当たり130kgで連続供給した。押出機内温度としては、最高温度210℃に設定し、樹脂を溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して4質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))と2質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))を押出機の途中から圧入した。押出機内で樹脂と発泡剤を混練するとともに冷却し、押出機先端部での樹脂温度を170℃、ダイの樹脂導入部の圧力を12MPaに保持して、直径0.6mmでランド長さが3.0mmの小孔が200個配置されたダイより、このダイの吐出側に連結され30℃の水が循環するカッティング室内に、発泡剤含有溶融樹脂を押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターにて押出物を切断した。切断した粒子を循環水で冷却しながら、粒子分離器に搬送し、粒子を循環水と分離した。さらに、捕集した粒子を脱水・乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、変形、ヒゲ等の発生もなく、ほぼ完全な球体であり、平均粒径は約1.1mmであった。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.15質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
(発泡成形体の製造)
前記の通り製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、15℃の保冷庫中に入れ、72時間に亘って放置した後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.02g/cm(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、密度0.02g/cm(発泡倍数50倍)であった。
前述した通りの方法で製造した実施例1のポリスチレン系樹脂、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体について、以下の評価試験を行った。
<重量平均分子量の測定>
押出機に投入する原料となるポリスチレン系樹脂、及び溶融押出法によって作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂について、それぞれの樹脂約50mgをTHF(テトラヒドロフラン)10mLに浸漬して24時間室温に保管した。これを非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、Waters社製HPLC(Detecter484,Pump510)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。その測定条件は、カラムが昭和電工社製ShodexGPCK−806L(直径0.8mm×長さ300mm)2本を用い、カラム温度:40℃、移動相:THF、移動相流速:1.2mL/min、注入・ポンプ温度:室温、検出:UV254nm、注入量:50μしとし、また検量線用標準ポリスチレンとして、昭和電工社製Shodex(分子量103万)と東ソー社製の分子量548万、384万、34.5万、10.2万、37900、9100、2630及び495を用いた。
なお、上記測定においては、THFに代え、クロロホルムを用いることもできる。
<発泡剤含有量と発泡剤組成の測定>
実施例(及び比較例)で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃の保冷庫に72時間に亘って放置した後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の発泡剤量(イソペンタンとノルマルペンタン、イソブタンとノルマルブタンの合計の含有量、単位:質量%)と発泡剤組成(イソペンタンとノルマルペンタン、イソブタンとノルマルブタンの質量比)をガスクロマトグラフィーを用い、下記の条件で測定した。発泡性ポリスチレン系樹脂中の発泡剤量(質量%)を算出し、さらに樹脂100質量部に対する発泡剤含有量(質量部)に換算した。
ガスクロマトグラフィー(GC):島津製作所社製GC−14B
・検出器:FID・加熱炉:島津製作所社製PYR−1A
・カラム:信和化工社製(直径3mm×長さ3m)液相1スクワラン25%、
担体lShimalite60〜80NAW
・加熱炉温度:180℃
・カラム温度:70℃
<嵩発泡倍数の評価>
上記で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を箱型発泡槽にて吹込み蒸気圧0.02MPaの水蒸気により2分間に亘って加熱し、得られた予備発泡粒子の嵩発泡倍数を前記の通り測定し、次の評価基準:
嵩発泡倍数60倍以上を特に良好(◎)、
嵩発泡倍数50倍以上60倍未満を良好(○)、
嵩発泡倍数50倍未満を不良(×)、に照らし、発泡倍率の評価を行った。その結果を表1に記す。
<成形サイクルの評価>
長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまでの冷却時間を測定し、次の評価基準:
210秒未満を特に良好(◎)、
210秒以上270秒未満を良好(○)、
270秒以上300秒未満をやや不良(△)、
300秒以上を不良(×)、
に基づき、成形サイクルを評価した。
<平均気泡径の測定>
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体を剃刀刃で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)で30倍に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙上に印刷し、任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出した。但し任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は10ヶ所とし、その平均弦長を求めた後、気泡径を算出し、平均気泡径D(μm)とした。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
気泡径D=t/0.616×1000
<強度の評価>
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体について、JISA9511:2006「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75mm×300mm×50mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。試験片の数は3個とし、その平均値を求めた。
曲げ強度(MPa)=3FL/2bh(ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。)
このようにして曲げ強度の平均値を求め、次の評価基準:
曲げ強度が0.28MPa以上を特に良好(◎)、
曲げ強度が0.25MPa以上0.28MPa未満を良好(○)、
曲げ強度が0.25MPa未満を不良(×)、
に基づき、強度を評価した。
実施例1について、前述した重量平均分子量の測定、発泡剤含有量(質量部)の測定、成形サイクルの評価、平均気泡径の測定及び強度の評価を行い、その結果を表1に記す。
<判定>
前記<嵩発泡倍数の評価>での評価結果及び前記<成形サイクルの評価>での評価結果と前記<強度の評価>での評価結果について、以下の判定基準により評価した。その結果を表1に記す。
特に良好(◎):前記<嵩発泡倍数の評価>での評価結果及び前記<成形サイクルの評価>での評価結果と前記<強度の評価>での評価結果の結果がいずれも◎である場合。
良好(○):前記<嵩発泡倍数の評価>での評価結果及び前記<成形サイクルの評価>での評価結果と前記<強度の評価>での評価結果のいずれか2つが○以上、1つが○又は△である場合。
不良(×):前記<嵩発泡倍数の評価>での評価結果及び前記<成形サイクルの評価>での評価結果と前記<強度の評価>での評価結果のいずれか1つ以上が×である場合。
[実施例2]
発泡剤として3質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))と3質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[実施例3]
発泡剤として2質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))と5質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[実施例4]
重量平均分子量31万のポリスチレン樹脂(PSジャパン社製 商品名「G9305」)を用いた以外は実施例3と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[実施例5]
発泡剤として4質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))と2質量部のイソブタン100とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[実施例6]
発泡剤として2質量部のイソペンタン100と5質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[実施例7]
ポリスチレン系樹脂に気泡調整剤として、粒径が5〜15μmのタルク及び分散剤が添加されてなるマスターバッチ(東洋スチレン社製 商品名「DSM1401A」、タルク:約40重量%)2質量部を添加した以外は、実施例3と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[比較例1]
発泡剤としてペンタンのみ(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
[比較例2]
発泡剤としてブタンのみ(イソブタン:ノルマルブタン=30:70)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、前述した各項目の評価試験を行った。その結果を表1に記す。
Figure 2013072003
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜7で製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、高い発泡倍数で発泡させることができ、成形サイクルの短縮が可能であり、また機械強度に優れた発泡成形体を得ることができた。
一方、発泡剤としてペンタンのみ(ペンタン:ブタン=100:0)とした比較例1で製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、成形サイクルの短縮が難しく、また得られた発泡成形体の機械強度が劣っていた。
また発泡剤としてブタンのみ(ペンタン:ブタン=0:100)とした比較例2で製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、高い発泡倍数で発泡させることが難しかった。
本発明は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関し、高発泡倍数で機械強度に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
1…押出機(樹脂供給装置)、2…ダイ、3…原料供給ホッパー、4…高圧ポンプ、5…発泡剤供給口、6…カッター、7…カッティング室、8…水槽、9…高圧ポンプ、10…固液分離機能付き脱水乾燥機、11…貯留容器。

Claims (15)

  1. 発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 前記ブタンの組成が、質量比でイソブタン:ノルマルブタン=20:80〜100:0の範囲内である請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 前記ペンタンの組成が、質量比でイソペンタン:ノルマルペンタン=20:80〜100:0の範囲内である請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜27万の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜21.5万の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  6. 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法によって得られた請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  7. 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、
    前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが12万〜32万の範囲内であり、前記発泡剤は、必須成分としてポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ペンタン及びブタンを2〜10質量部含有し、かつ前記発泡剤の組成が、質量比でペンタン:ブタン=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  8. 前記ブタンの組成が、質量比でイソブタン:ノルマルブタン=20:80〜100:0の範囲内である請求項7に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  9. 前記ペンタンの組成が、質量比でイソペンタン:ノルマルペンタン=20:80〜100:0の範囲内である請求項7又は8に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  10. 前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜27万の範囲内である請求項7〜9のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  11. 前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwが14万〜21.5万の範囲内である請求項7〜10のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
  13. 嵩発泡倍数50倍に予備発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内である請求項12に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
  14. 請求項12又は13に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
  15. 発泡倍数50倍に発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内である請求項14に記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体。
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