JP2013203821A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性に優れた発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供。
【解決手段】物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【選択図】図1
【解決手段】物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られる予備発泡粒子及び発泡成形体に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡成形体は、物理発泡剤を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を水蒸気などの加熱媒体によって加熱・発泡させて予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填した上で、成形型内に水蒸気などの加熱媒体を圧入して予備発泡粒子を加熱、発泡させて発泡粒子間の隙間を埋めながら発泡圧によって互いに融着一体化させた後、得られた発泡成形体を型内にて冷却する冷却工程を経て製造されている。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の機械強度向上などを目的とし、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の原料として用いるポリスチレン系樹脂の平均分子量等に着目した技術としては、例えば、特許文献1〜4に開示された技術が提案されている。
従来、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の機械強度向上などを目的とし、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の原料として用いるポリスチレン系樹脂の平均分子量等に着目した技術としては、例えば、特許文献1〜4に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、片面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルムを積層して容器の成形に用いられるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、基材樹脂が、質量平均分子量が25〜45万である線状ポリスチレンと、質量平均分子量が100万〜1000万である多分岐状ポリスチレンとを含有し、線状ポリスチレン:多分岐状ポリスチレンの質量比が70:30〜30:70である質量平均分子量が25万〜75万であるスチレン系樹脂組成物を押出発泡してなり、目付量が200g/m2以上、残存発泡剤量が2.1〜3.0重量%、前記非発泡フィルムを積層しない面の表面から厚み150μmの表層部の密度が0.25〜0.40g/cm3であるポリスチレン系樹脂発泡シートが開示されている。
特許文献2には、物理型発泡剤1.7〜5.0重量%及び発泡助剤0.5〜2.0重量%を含有し且つポリスチレン系樹脂からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記ポリスチレン系樹脂は、Z平均分子量Mzが100万〜150万で且つZ平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が2.5〜3.5であると共に、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレイト測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜3.0であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が提案されている。
特許文献3には、ポリスチレン系樹脂に揮発性発泡剤を含有させた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂は、温度200℃、荷重49N条件下でのメルトフローレート測定時における樹脂ストランドの外径Aとオリフィスの内径Bとの膨張割合SR(A/B)が1.5〜2.5の範囲内であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体のZ平均分子量Mztが70万〜100万の範囲であり、且つ前記Z平均分子量Mztと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表層部のZ平均分子量Mzsとの比率(Mzs/Mzt)が1.02〜1.5の範囲であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が開示されている。
特許文献4には、メルトフローレイトが0.5〜2.0g/10分で且つZ平均分子量が75万以上であるポリスチレン系樹脂を押出機内に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練して押出発泡させて目付量が100〜135g/m2で且つ密度が0.040〜0.065g/cm3であるポリスチレン系樹脂発泡シートを製造することを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法が開示されている。
しかしながら、前述した従来技術によって得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体は、十分な機械強度は得られるものの、耐衝撃性に関しては不十分であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該樹脂粒子から得られる予備発泡粒子及び耐衝撃性に優れた発泡成形体の提供を課題とする。
前記課題を達成するため、本発明は、物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法によって製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上であり、該無機発泡核剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれていることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種又は2種以上であり、該化学発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれていることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記物理発泡剤が、炭素数4又は5の炭化水素系物理発泡剤であり、該炭化水素系物理発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内で含まれていることが好ましい。
また本発明は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上であり、該無機発泡核剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種又は2種以上であり、該化学発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記物理発泡剤が、炭素数4又は5の炭化水素系物理発泡剤であり、該炭化水素系物理発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることが好ましい。
また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を提供する。
また本発明は、前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなり、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された構成としたことによって、該樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を型内発泡成形して、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得るものなので、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることができる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂としては、Z平均分子量が70万以上であれば、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、再生品ではないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られた再生ポリスチレン系樹脂を使用することができる。
この再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
この再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
本発明では、原料となるポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であることを必要とする。原料となるポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万未満であると、得られる発泡成形体の強度が低下し、耐衝撃性も悪くなってしまう。ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量は、高くても効果は変わらないので、75万〜100万の範囲内が好ましく、80万〜100万の範囲内がより好ましい。
原料となるポリスチレン系樹脂のZ平均分子量と重量平均分子量との比(Z平均分子量/重量平均分子量)は、低いと、得られる発泡成形体の機械的強度が低下することがある一方、高いと、得られる発泡成形体の外観が低下することがあるので、1.8〜3.5が好ましく、1.9〜2.7がより好ましく、2.0〜2.3が特に好ましい。
Z平均分子量が70万以上のポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2005−179389号公報に開示された線状ポリスチレン系樹脂と多分岐状ポリスチレン系樹脂との混合物が例示される。なお、線状ポリスチレン系樹脂と多分岐状ポリスチレン系樹脂とを含有してなるポリスチレン系樹脂は、大日本インキ化学工業社から商品名「HP−500M」「ディックスチレン EXP−0711」にて市販されている。
多分岐状ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は、低いと、得られる発泡成形体の機械的強度が低下することがある一方、高いと、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の成形性が低下することがあるので、100万〜1000万が好ましく、200万〜500万がより好ましい。
そして、ポリスチレン系樹脂中における多分岐状ポリスチレン系樹脂の含有量は、30〜70質量%の範囲が好ましく、40〜60質量%の範囲がより好ましい。なお、同様の理由でポリスチレン系樹脂中における線状ポリスチレン系樹脂の含有量は、30〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる物理発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)等のクロロフルオロカーボン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン(HFC−32)等のフルオロカーボン、各種アルコール、二酸化炭素、水、及び窒素などが挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を併用して使用することができる。これらのうち、好ましい発泡剤としては、炭素数4又は5の炭化水素系物理発泡剤が挙げられ、特に、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンが挙げられる。
物理発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内が好ましく、3〜8質量部の範囲内がより好ましい。
物理発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内が好ましく、3〜8質量部の範囲内がより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されている。
前記無機発泡核剤としては、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト、炭酸カルシウム等が挙げられ、それらの中でも特に、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上が好ましい。
前記無機発泡核剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲内がより好ましい。
前記無機発泡核剤としては、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト、炭酸カルシウム等が挙げられ、それらの中でも特に、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上が好ましい。
前記無機発泡核剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲内がより好ましい。
前記化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物等が挙げられ、それらの中でも特に、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種又は2種以上が好ましい。
前記化学発泡剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜3.0質量部の範囲内がより好ましい。
前記化学発泡剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜3.0質量部の範囲内がより好ましい。
前記無機発泡核剤、化学発泡剤の量が前記範囲未満であると、Z平均分子量が70万以上のポリスチレン系樹脂を用いた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて型内発泡成形法により発泡成形体を製造する際に、得られる発泡成形体の耐衝撃性が悪くなってしまう。前記無機発泡核剤、化学発泡剤の量が前記範囲を超える場合、コストが上昇し、さらに発泡成形体の強度低下を招く恐れがある。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、架橋剤、可塑剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよく、又、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記発泡性スチレン樹脂粒子の表面に塗布しておけば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡工程においてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒径は、特に限定されないが、通常は0.5〜3.0mmの範囲が好ましく、0.7〜2.0mmの範囲がより好ましい。また、粒子の形状は、特に限定されないが、球状乃至略球状であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなり、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された構成としたことによって、該樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を型内発泡成形して、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることができる。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴としている。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴としている。
図1は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図であり、本例の製造装置は、樹脂供給装置としての押出機1と、押出機1の先端に取り付けられた多数の小孔を有するダイ2と、押出機1内に樹脂原料等を投入する原料供給ホッパー3と、押出機1内の溶融樹脂に発泡剤供給口5を通して発泡剤を圧入する高圧ポンプ4と、ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面に冷却水を接触させるように設けられ、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7と、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッティング室7内に回転可能に設けられたカッター6と、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して運ばれる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る固液分離機能付き脱水乾燥機10と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて分離された冷却水を溜める水槽8と、この水槽8内の冷却水をカッティング室7に送る高圧ポンプ9と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて脱水乾燥された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を貯留する貯留容器11とを備えて構成されている。
なお、押出機1としては、スクリュを用いる押出機またはスクリュを用いない押出機のいずれも用いることができる。スクリュを用いる押出機としては、例えば、単軸式押出機、多軸式押出機、ベント式押出機、タンデム式押出機などが挙げられる。スクリュを用いない押出機としては、例えば、プランジャ式押出機、ギアポンプ式押出機などが挙げられる。また、いずれの押出機もスタティックミキサーを用いることができる。これらの押出機のうち、生産性の面からスクリュを用いた押出機が好ましい。また、カッター6を収容したカッティング室7も、樹脂の溶融押出による造粒方法において用いられている従来周知のものを用いることができる。
図1に示す製造装置を用い、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するには、まず、原料の前記ポリスチレン系樹脂、無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方、必要に応じて添加される所望の添加剤を秤量し、原料供給ホッパー3から押出機1内に投入する。原料のポリスチレン系樹脂は、ペレット状や顆粒状にして事前に良く混合してから1つの原料供給ホッパーから投入してもよいし、あるいは例えば複数のロットを用いる場合は各ロットごとに供給量を調整した複数の原料供給ホッパーから投入し、押出機内でそれらを混合してもよい。また、複数のロットのリサイクル原料を組み合わせて使用する場合には、複数のロットの原料を事前に良く混合し、磁気選別や篩分け、比重選別、送風選別などの適当な選別手段により異物を除去しておくことが好ましい。
押出機1内にポリスチレン系樹脂、無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方、必要に応じて添加される所望の添加剤を供給後、樹脂を加熱溶融し、その溶融樹脂をダイ2側に移送しながら、発泡剤供給口5から高圧ポンプ4によって発泡剤を圧入して溶融樹脂に発泡剤を混合し、押出機1内に必要に応じて設けられる異物除去用のスクリーンを通して、溶融物をさらに混練しながら先端側に移動させ、発泡剤を添加した溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出す。
ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面は、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7内に配置され、且つカッティング室7内には、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッター6が回転可能に設けられている。発泡剤添加済みの溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出すと、溶融物は粒状に切断され、同時に冷却水と接触して急冷され、発泡が抑えられたまま固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子となる。
形成された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して固液分離機能付き脱水乾燥機10に運ばれ、ここで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥する。乾燥された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、貯留容器11に貯留される。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得るものなので、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることができる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
(予備発泡粒子及び発泡成形体)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、予備発泡粒子とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、予備発泡粒子とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、発泡成形体を製造する。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
本発明の発泡成形体は、前述した本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱発泡させ、得られた予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたものなので、耐衝撃性に優れている。
[実施例1]
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
バージンポリスチレン(大日本インキ化学工業社製、商品名「ディックスチレン EXP−0711」、Z平均分子量80.0万)100質量部に対し、無機発泡核剤として微粉末タルク0.3質量部を加え、これらを口径90mmの単軸押出機に、時間当たり130kgで連続供給した。押出機内温度としては、最高温度220℃に設定し、樹脂を溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して7質量部のイソペンタン(イソペンタン=100(質量比))を押出機の途中から圧入した。押出機内で樹脂と発泡剤を混練するとともに冷却し、押出機先端部での樹脂温度を180℃、ダイの樹脂導入部の圧力を15MPaに保持して、直径0.6mmでランド長さが3.0mmの小孔が200個配置されたダイより、このダイの吐出側に連結され50℃の水が循環するカッティング室内に、発泡剤含有溶融樹脂を押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターにて押出物を切断した。切断した粒子を循環水で冷却しながら、粒子分離器に搬送し、粒子を循環水と分離した。さらに、捕集した粒子を脱水・乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、変形、ヒゲ等の発生もなく、ほぼ完全な球体であり、平均粒径は約1.1mmであった。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.15質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
バージンポリスチレン(大日本インキ化学工業社製、商品名「ディックスチレン EXP−0711」、Z平均分子量80.0万)100質量部に対し、無機発泡核剤として微粉末タルク0.3質量部を加え、これらを口径90mmの単軸押出機に、時間当たり130kgで連続供給した。押出機内温度としては、最高温度220℃に設定し、樹脂を溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して7質量部のイソペンタン(イソペンタン=100(質量比))を押出機の途中から圧入した。押出機内で樹脂と発泡剤を混練するとともに冷却し、押出機先端部での樹脂温度を180℃、ダイの樹脂導入部の圧力を15MPaに保持して、直径0.6mmでランド長さが3.0mmの小孔が200個配置されたダイより、このダイの吐出側に連結され50℃の水が循環するカッティング室内に、発泡剤含有溶融樹脂を押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターにて押出物を切断した。切断した粒子を循環水で冷却しながら、粒子分離器に搬送し、粒子を循環水と分離した。さらに、捕集した粒子を脱水・乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、変形、ヒゲ等の発生もなく、ほぼ完全な球体であり、平均粒径は約1.1mmであった。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.15質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
(発泡成形体の製造)
前記の通り製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、15℃の保冷庫中に入れ、72時間に亘って放置した後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm3(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、密度0.020g/cm3(発泡倍数50倍)であった。
前述した通りの方法で製造した実施例1のポリスチレン系樹脂、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について、以下の各測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
前記の通り製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、15℃の保冷庫中に入れ、72時間に亘って放置した後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm3(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、密度0.020g/cm3(発泡倍数50倍)であった。
前述した通りの方法で製造した実施例1のポリスチレン系樹脂、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について、以下の各測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
<Z平均分子量の測定>
押出機に投入する原料となるポリスチレン系樹脂、及び溶融押出法によって作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂について、それぞれの樹脂約4mgをTHF(テトラヒドロフラン)4mLに溶解し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、東ソー社製 HLC−8320GPC(RI検出器内臓)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。その測定条件はカラムが東ソー社製TOSOH TSKgel SuperMultiporeHZ-H(φ4.6×150mm)2本、ガードカラムが東ソー社製TOSOH TSKguardSuperMP(HZ)-H(φ4.6×20mm)1本を用い、カラム温度(40℃)、移動相(THF)、移動相流量(0.2ml/min)、ポンプ温度・検出器(40℃)、検出(RI)、注入量(20μL)、検量線用標準PS(昭和電工社製(Shodex)分子量Mwが5,620,000と3,120,000と1,250,000と442,000と131,000と54,000と20,000と7,590と3,450と1,320)とした。)
なお、上記測定においては、THFに代え、クロロホルムを用いることもできる。
押出機に投入する原料となるポリスチレン系樹脂、及び溶融押出法によって作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂について、それぞれの樹脂約4mgをTHF(テトラヒドロフラン)4mLに溶解し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、東ソー社製 HLC−8320GPC(RI検出器内臓)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。その測定条件はカラムが東ソー社製TOSOH TSKgel SuperMultiporeHZ-H(φ4.6×150mm)2本、ガードカラムが東ソー社製TOSOH TSKguardSuperMP(HZ)-H(φ4.6×20mm)1本を用い、カラム温度(40℃)、移動相(THF)、移動相流量(0.2ml/min)、ポンプ温度・検出器(40℃)、検出(RI)、注入量(20μL)、検量線用標準PS(昭和電工社製(Shodex)分子量Mwが5,620,000と3,120,000と1,250,000と442,000と131,000と54,000と20,000と7,590と3,450と1,320)とした。)
なお、上記測定においては、THFに代え、クロロホルムを用いることもできる。
<強度の評価>
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体について、JIS A9511:2006「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。
すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75mm×300mm×50mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。試験片の数は3個とし、その平均値を求めた。
曲げ強度(MPa)=3FL/2bh2
[ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。]
このようにして曲げ強度の平均値を求め、次の評価基準:
最良(◎):曲げ強度が0.28MPa以上
良(○):曲げ強度が0.25MPa以上0.28MPa未満
不良(×):曲げ強度が0.25MPa未満
に照らし、強度を評価した。
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体について、JIS A9511:2006「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。
すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75mm×300mm×50mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。試験片の数は3個とし、その平均値を求めた。
曲げ強度(MPa)=3FL/2bh2
[ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。]
このようにして曲げ強度の平均値を求め、次の評価基準:
最良(◎):曲げ強度が0.28MPa以上
良(○):曲げ強度が0.25MPa以上0.28MPa未満
不良(×):曲げ強度が0.25MPa未満
に照らし、強度を評価した。
<耐衝撃性の評価>
図2は、耐衝撃性の試験方法を説明するための図である。
前記のようにして得た発泡成形体から、長さ(i)300mm×幅(g)100mm×高さ(e)50mmの長方形状の発泡成形体サンプル30を3個切り出した。
次に、長さ150mm×幅100mm×高さ50mmの治具を落下試験の架台に取り付けた(落下治具の合計質量:5.5kg)。この治具を高さ65cmから上記サンプル30上に自然落下させ、4箇所に発生する亀裂31の高さ(f)を元の高さ50mmに対する割合で計算し、4箇所の平均値を割れ量(%)として
割れ量が15%未満を◎、
割れ量が15%以上20%未満を○、
割れ量が20%以上を×、に照らし、耐衝撃性を評価した。
図2は、耐衝撃性の試験方法を説明するための図である。
前記のようにして得た発泡成形体から、長さ(i)300mm×幅(g)100mm×高さ(e)50mmの長方形状の発泡成形体サンプル30を3個切り出した。
次に、長さ150mm×幅100mm×高さ50mmの治具を落下試験の架台に取り付けた(落下治具の合計質量:5.5kg)。この治具を高さ65cmから上記サンプル30上に自然落下させ、4箇所に発生する亀裂31の高さ(f)を元の高さ50mmに対する割合で計算し、4箇所の平均値を割れ量(%)として
割れ量が15%未満を◎、
割れ量が15%以上20%未満を○、
割れ量が20%以上を×、に照らし、耐衝撃性を評価した。
[実施例2]
無機発泡剤の替わりに化学発泡剤(炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物、永和化成工業社製、商品名「ポリスレンES405」)0.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
無機発泡剤の替わりに化学発泡剤(炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物、永和化成工業社製、商品名「ポリスレンES405」)0.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例3]
無機発泡核剤と化学発泡剤0.5部とを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
無機発泡核剤と化学発泡剤0.5部とを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例1]
バージンポリスチレンとして、HRM52(東洋スチレン社製、Z平均分子量62.7万)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
バージンポリスチレンとして、HRM52(東洋スチレン社製、Z平均分子量62.7万)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例2]
バージンポリスチレンとして、HRM52(東洋スチレン社製、Z平均分子量62.7万)を使用し、無機発泡核剤を使用しなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
バージンポリスチレンとして、HRM52(東洋スチレン社製、Z平均分子量62.7万)を使用し、無機発泡核剤を使用しなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
表1の結果から、Z平均分子量が70万以上のポリスチレン系樹脂を用い、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された実施例1〜3で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、強度と耐衝撃性に優れた発泡成形体を製造することができた。
一方、Z平均分子量が70万未満のポリスチレン系樹脂を用いた比較例1で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、得られる発泡成形体の耐衝撃性が不良であった。
またZ平均分子量が70万未満のポリスチレン系樹脂を用い、無機発泡核剤と化学発泡剤を使用しなかった比較例2で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、得られる発泡成形体の強度と耐衝撃性が不良であった。
一方、Z平均分子量が70万未満のポリスチレン系樹脂を用いた比較例1で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、得られる発泡成形体の耐衝撃性が不良であった。
またZ平均分子量が70万未満のポリスチレン系樹脂を用い、無機発泡核剤と化学発泡剤を使用しなかった比較例2で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、得られる発泡成形体の強度と耐衝撃性が不良であった。
本発明は、耐衝撃性に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られる予備発泡粒子及び発泡成形体に関する。
1…押出機(樹脂供給装置)、2…ダイ、3…原料供給ホッパー、4…高圧ポンプ、5…発泡剤供給口、6…カッター、7…カッティング室、8…水槽、9…高圧ポンプ、10…固液分離機能付き脱水乾燥機、11…貯留容器、30…サンプル、31…亀裂。
Claims (11)
- 物理発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂を粒子状としてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有されたことを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法によって製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上であり、該無機発泡核剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種又は2種以上であり、該化学発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記物理発泡剤が、炭素数4又は5の炭化水素系物理発泡剤であり、該炭化水素系物理発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内で含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から直接冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を高速回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、
前記ポリスチレン系樹脂のZ平均分子量が70万以上であり、発泡性ポリスチレン系樹脂に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方を添加して、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に無機発泡核剤と化学発泡剤との一方又は両方が均一に含有された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上であり、該無機発泡核剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする請求項6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種又は2種以上であり、該化学発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする請求項6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記物理発泡剤が、炭素数4又は5の炭化水素系物理発泡剤であり、該炭化水素系物理発泡剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜10質量部の範囲内で含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項10に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
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JP2012072729A JP2013203821A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 |
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JP2012072729A JP2013203821A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 |
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2012
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