JP6063792B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
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Description
ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)は、軽量で強度に優れ、耐衝撃性や断熱性にも優れていることから、例えば、ヘルメット芯材や自動車内装材などの緩衝材、各種容器、建設用資材などの各種用途に使用されている。従来、発泡成形体の着色や性能向上に関して、例えば、特許文献1〜3に開示された技術が提案されている。
また、均一に着色された外観良好な発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、物理発泡剤と着色剤とポリスチレン系樹脂とを含み、着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部含まれ、密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体中の平均気泡径が50〜300μmの範囲内であり、該発泡成形体の衝撃加速度G値が300G以下であり、或いは明度が20〜95の範囲内であることを特徴としている。
本発明において、メルトフローレイトは、JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の方法に準拠して測定した値である。
具体的には、例えば、東洋精機製作所社から商品名「セミオートメルトインデクサー」で市販されている測定装置を用い、この測定装置のシリンダー内に試料を3〜8g充填して充填棒を用いて試料を圧縮し、試験温度200℃、荷重49.03N、予熱時間4分の測定条件下にてポリスチレン系樹脂のメルトフローレイトを測定する。そして、試験数を3個以上として、各測定にて得られたポリスチレン系樹脂のメルトフローレイトの相加平均値をポリスチレン系樹脂のメルトフローレイトとする。
本発明において、溶融張力は、キャピラリーレオメーターを用いて測定した値である。例えば、ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。具体的には、まず、試験温度200℃に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱する。次いで、上記測定装置のピストン押出式プラストメーターのオリフィス(口径2.095mm、長さ8mm、流入角度90度(コニカル))からピストン降下速度(0.07730mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、得られた紐状物を上記オリフィスの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させる。その後、前記紐状物を、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速3.94388mm/s、加速度12mm/s2で徐々に増加させつつ巻き取る。そして、当紐状物が切断した点の直前の極大値・極小値の平均張力を試料樹脂の溶融張力(MT)とした。
本発明において、メタノール可溶分は以下の方法で測定した値である。
ポリスチレン系樹脂3.5gをトルエン溶媒100mLに溶解させる。次に、それをメタノール600mLに攪拌しながら徐々に入れ、メタノール不溶分を沈殿させる。メタノール不溶分を濾過分別した後、メタノール不溶分を乾燥し、メタノールを除去する。得られた乾燥サンプルの質量を測定し、次の式にてメタノール可溶分量を求める。
メタノール可溶分量={3.5−(a)}/3.5×100(質量%)
ここで、aは乾燥サンプルの質量(g)を表す。
この再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
前記無機発泡核剤としては、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト、炭酸カルシウム等が挙げられ、それらの中でも特に、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末から選択される1種又は2種以上が好ましい。
前記無機発泡核剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜2.0質量部の範囲内がより好ましい。
前記化学発泡剤の量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の範囲内が好ましく、0.1〜3.0質量部の範囲内がより好ましい。
このG値は、280G以下であることが好ましく、270G以下であることがさらに好ましい。G値が300Gを超えると、発泡成形体の耐衝撃性が悪くなり、ヘルメット芯材や自動車内装材などの緩衝材の用途に適用し難くなる。
この明度が20未満であると、発泡成形体の耐衝撃性が悪くなり、ヘルメット芯材や自動車内装材などの緩衝材の用途に適用し難くなる。一方、明度が95を超えると、発泡成形体の着色度合が不十分であり、外観良好な発泡成形体が得られない。
また、均一に着色された外観良好な発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法では、樹脂供給装置内で溶融されたポリスチレン系樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から冷却用液体中に直接押し出し、冷却用液体中に押し出した押出物を冷却用液体中にて回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法のことを、溶融押出法ということがある。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法では、着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部添加され、密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体中の平均気泡径が50〜300μmの範囲内であり、該発泡成形体の衝撃加速度G値が300G以下である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴としている。
着色剤を押出機1内に投入する場合、ポリスチレン系樹脂と着色剤とを予め溶融混合して作製された着色剤含有マスターバッチを用いることが望ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、予備発泡粒子とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.15g/cm3の範囲内とし、ヘルメット芯材や自動車内装材などの緩衝材の用途に適用させる場合には0.055〜0.125g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.15g/cm3の範囲内とし、ヘルメット芯材や自動車内装材などの緩衝材の用途に適用させる場合には0.055〜0.125g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
質量平均分子量20万のバージンポリスチレン(東洋スチレン社製、商品名「HRM−10N」)100質量部に対し、無機発泡核剤として微粉末タルク0.3質量部、着色剤としてカーボンブラック(RCF#45、三菱化学社製)1質量部を加え、これらを口径90mmの単軸押出機に、時間当たり150kgで連続供給した。押出機内温度としては、最高温度210℃に設定し、樹脂を溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して4質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))を押出機の途中から圧入した。押出機内で樹脂と発泡剤を混練するとともに冷却し、押出機先端部での樹脂温度を170℃、ダイの樹脂導入部の圧力を15MPaに保持して、直径0.6mmでランド長さが3.0mmの小孔が200個配置されたダイより、このダイの吐出側に連結され30℃の水が循環するカッティング室内に、発泡剤含有溶融樹脂を押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターにて押出物を切断した。切断した粒子を循環水で冷却しながら、粒子分離器に搬送し、粒子を循環水と分離した。さらに、捕集した粒子を脱水・乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、変形、ヒゲ等の発生もなく、ほぼ完全な球体であり、平均粒径は約1.1mmであった。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.15質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のポリスチレン系樹脂について、145℃の雰囲気中に2時間放置して発泡剤を揮発させた後、MFR、MT及びメタノール可溶分を測定した。その結果を表2に記す。
前記の通り製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、15℃の保冷庫中に入れ、72時間に亘って放置した後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.083g/cm3(嵩発泡倍数12倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ25mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ25mmの長方形状の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、密度0.083g/cm3(発泡倍数12倍)であった。
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体を剃刀刃で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)で30倍に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙上に印刷し、任意の一直線上(長さ60mm)にある気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出した。但し任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにした(接してしまう場合は気泡数に含める)。計測は10ヶ所とし、その平均弦長を求めた後、気泡径を算出し、平均気泡径D(μm)とした。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
気泡径D=t/0.616×1000
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体について、JISA9511:2006「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。
すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75mm×300mm×25mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。試験片の数は3個とし、その平均値を求めた。
曲げ強度(MPa)=3FL/2bh2
(ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。)
このようにして曲げ強度の平均値を求め、次の評価基準に照らし、強度を評価した。
12倍成形品の評価基準
曲げ強度が1.40MPa以上:特に良(◎)
曲げ強度が1.30MPa以上1.40MPa未満:良(○)
曲げ強度が1.30MPa未満:不良(×)
50倍成形品の評価基準:
曲げ強度が0.28MPa以上:特に良(◎)
曲げ強度が0.25a以上0.28MPa未満:良(○)
曲げ強度が0.25MPa未満:不良(×)
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体から、長さ150mm×幅150mm×高さ25mmの正方形状の発泡成形体サンプルを3個切り出した。
次に、温度23℃湿度50%雰囲気で、吉田精機社製の落下試験機(ADST−200)の架台(質量:5.8kg)に、発泡成形体サンプルの長さ150mm×幅150mm面を市販の両面テープ(ニチバン社製、製品名:NW−50)で取り付け、発泡成形体の下面からの高さ18cmから自然落下させた。落下時に架台にかかる衝撃加速度を測定し、3回実施した平均値をG値とした。
なお、ヘルメットライナー等の発泡成形体の衝撃加速度G値を測定する場合、例えば、ヘルメットライナーから50mm×50mm×5mmの発泡成形体を45個切出して、上記サンプルサイズ(長さ150mm×幅150mm×高さ25mm)に合うように正方形状に貼り合わせて測定してもよい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡体の明度(L値)は、JIS Z8729に準拠した方法で測定した結果から求めた。測定器は、コニカミノルタ社製 色彩色差計 CR−410を使用した。
カーボンブラック添加量を4質量部としたこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラック添加量を7質量部としたこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラック添加量を2質量部とし、微粉末タルクの替わりに化学発泡剤(炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物、永和化成工業社製、商品名「ポリスレンES405」)を0.5部添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラック添加量を2質量部とし、化学発泡剤0.5部を追加して添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラックに代えて、緑色系の有機顔料であるC.I.ピグメントグリーン7(シアニングリーン2GN、大日精化工業社製)3質量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラックに代えて、黄色系の有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー161(ダイプロキサイドイエロー#9123、大日精化工業社製)5質量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラックに代えて、赤色系の有機顔料であるC.I.ピグメントレッド48:1(8040レッド、大日精化工業社製)3質量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラックに代えて、青色系の有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3(シアニンブルー4937、大日精化工業社製)3質量部を添加したこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示す質量平均分子量28万のバージンポリスチレン(東洋スチレン社製、商品名「HRM−13N」)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示すリサイクル原料(1)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示すリサイクル原料(2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示すリサイクル原料(3)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示すリサイクル原料(4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
バージンポリスチレンを、表3に示す質量平均分子量43万のバージンポリスチレン(東洋スチレン社製、商品名「HRM−30」)に変更した以外は、実施例1と同様にして、発泡成形体を製造した。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1,2に記す。
カーボンブラックを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
カーボンブラック添加量を10質量部としたこと以外は、実施例1と同様に行い、発泡成形体を製造した。得られた発泡成形体について実施例1と同様の測定・評価を行った。
その結果を表1に記す。
また、着色剤としてカーボンブラックを用いた実施例1〜5で得られた発泡成形体は、明度が低く、均一な黒色に着色されており、外観良好なものであった。
着色剤として有機顔料を用いた実施例6〜9で得られた発泡成形体は、明度が比較的高く、緑色(実施例6)、黄色(実施例7)、桃色(実施例8)及び青色(実施例9)の各色に鮮やか且つ均一に着色され、外観良好なものであった。
また、比較例2は、カーボンブラック添加量を10質量部としたことによって、内部融着が不良となり、発泡成形品の外観が不良となり、また強度が低下し不良となった。
Claims (16)
- 物理発泡剤と着色剤とポリスチレン系樹脂と、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の無機発泡核剤及び前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の化学発泡剤から選択される1種以上とを含有し、着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部含まれる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト及び炭酸カルシウムから選択される1種以上であり、
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種以上であり、
前記着色剤と、前記無機発泡核剤と前記化学発泡剤との一方又は両方が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に均一に含有されており、
密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体中の平均気泡径が50〜300μmの範囲内であり、該発泡成形体の衝撃加速度G値が300G以下であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 物理発泡剤と着色剤とポリスチレン系樹脂と、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の無機発泡核剤及び前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の化学発泡剤から選択される1種以上とを含有し、着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部含まれる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト及び炭酸カルシウムから選択される1種以上であり、
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種以上であり、
前記着色剤と、前記無機発泡核剤と前記化学発泡剤との一方又は両方が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に均一に含有されており、
密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体の明度が20〜95の範囲内であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 着色剤が、無機顔料と有機顔料からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記ポリスチレン系樹脂は、200℃で測定したメルトフローレイト(MFR)が1.0〜10.0g/10分の範囲内であり、200℃で測定した溶融張力(MT)が5cN以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記ポリスチレン系樹脂のメタノール可溶分が0.1〜5.0質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 樹脂供給装置内に、着色剤と、ポリスチレン系樹脂と、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の無機発泡核剤及びポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の化学発泡剤から選択される1種以上とを供給した後、前記ポリスチレン系樹脂を加熱溶融する工程と、溶融されたポリスチレン系樹脂に物理発泡剤を圧入した後混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から冷却用液体中に直接押し出す工程と、冷却用液体中に押し出した押出物を冷却用液体中にて回転刃で切断するとともに、押出物を前記液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程とを含む、溶融押出法によって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法であって、
前記着色剤と、前記無機発泡核剤と前記化学発泡剤との一方又は両方が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に均一に含有されており、
着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部添加され、
前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト及び炭酸カルシウムから選択される1種以上であり、
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種以上であり、
密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体中の平均気泡径が50〜300μmの範囲内であり、該発泡成形体の衝撃加速度G値が300G以下である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 密度0.055〜0.125g/cm3の範囲内に発泡成形して得られた発泡成形体の明度が20〜95の範囲内である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする請求項6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 着色剤が、無機顔料と有機顔料からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂は、200℃で測定したメルトフローレイト(MFR)が1.0〜10.0g/10分の範囲内であり、200℃で測定した溶融張力(MT)が5cN以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂のメタノール可溶分が0.1〜5.0質量%の範囲であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られた予備発泡粒子。
- 請求項11に記載の予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られた発泡成形体。
- 物理発泡剤と着色剤とポリスチレン系樹脂と前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の無機発泡核剤及び前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.05〜5.0質量部の化学発泡剤から選択される1種以上とを含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られ、着色剤がポリスチレン系樹脂100質量部に対し0.3〜9.0質量部含まれ、
前記無機発泡核剤が、タルク、シリカ、ケイ酸塩鉱物粉末、マイカ、クレー、ゼオライト及び炭酸カルシウムから選択される1種以上であり、
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物から選択される1種以上であり、
前記着色剤と、前記無機発泡核剤と前記化学発泡剤との一方又は両方が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子全体(但し、内部気泡は除く)に均一に含有されており、
密度0.055〜0.125g/cm3の範囲における平均気泡径が50〜300μmの範囲内であり、衝撃加速度G値が300G以下であることを特徴とする発泡成形体。 - 着色剤が、無機顔料と有機顔料からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項13に記載の発泡成形体。
- ヘルメット芯材用である請求項12〜14のいずれか1項に記載の発泡成形体。
- 自動車内装材用である請求項12〜14のいずれか1項に記載の発泡成形体。
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