JP5734611B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、ポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
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従来、溶融押出法により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法に関して、例えば、特許文献1〜3に開示された技術が提案されている。
特許文献1の製造方法は、ダイヘッド部から押し出した樹脂を切断して顆粒にする際に、発泡性重合体のTg値以上の高温に保持した加熱加圧液中で前記押し出し、切断を行っているので、切断して得られた粒子同士が融着し易くなり、多数個の粒子同士が結合して塊状になった不良品の発生率が高いという問題がある。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して嵩発泡倍数50倍に発泡させた発泡粒子の状態で、内部平均気泡径が35〜140μmの範囲内であり、表層部平均気泡径/内部平均気泡径の値が0.80〜1.20の範囲内であり、かつ連続気泡率が10%以下である気泡構造を有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg−5)℃以上の温度で加熱処理を行って、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程、とを有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
発泡倍数X倍に発泡成形させたときの状態で、この発泡成形体中の融着し合った発泡粒子の内部平均気泡径D2’を、次式(2)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であり、加熱して嵩発泡倍数50倍に発泡させた発泡粒子の状態で、内部平均気泡径が35〜140μmの範囲内であり、表層部平均気泡径/内部平均気泡径の値が0.80〜1.20の範囲内であり、かつ連続気泡率が10%以下である気泡構造を有することを特徴とする。なお、前記発泡粒子の嵩発泡倍数とは、後述するポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩発泡倍数の測定方法によって測定された嵩発泡倍数のことを言う。
この発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し2〜15質量部の範囲が好ましく、3〜8質量部の範囲がより好ましく、4〜7質量部の範囲が特に好ましい。
次に、図面を参照して本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法の実施形態を説明する。
本発明に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、樹脂供給装置内でポリスチレン系樹脂に発泡剤を添加、混練し、発泡剤含有溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg未満の温度の冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る造粒工程と、
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg−5)℃以上の温度で加熱処理を行って、本発明に係る前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る再加熱工程、とを有することを特徴とする。
図1は、前記造粒工程で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するために用いられる製造装置の一例を示す構成図である。
本例の製造装置は、樹脂供給装置としての押出機1と、押出機1の先端に取り付けられた多数の小孔を有するダイ2と、押出機1内に樹脂原料等を投入する原料供給ホッパー3と、押出機1内の溶融樹脂に発泡剤供給口5を通して発泡剤を圧入する高圧ポンプ4と、ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面に冷却水を接触させるように設けられ、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7と、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッティング室7内に回転可能に設けられたカッター6と、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して運ばれる発泡性樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥して発泡性樹脂粒子を得る固液分離機能付き脱水乾燥機10と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて分離された冷却水を溜める水槽8と、この水槽8内の冷却水をカッティング室7に送る高圧ポンプ9と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて脱水乾燥された発泡性樹脂粒子を貯留する貯留容器11とを備えて構成されている。
冷却水の温度が20℃未満であると、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が球状化せず、また割れが生じる場合がある。
前記造粒工程で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、次に、(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg−5)℃以上の温度で加熱処理を行って、本発明に係る前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とする。
この再加熱工程は、前記造粒工程で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造した直後に、連続して実施してもよいし、前記造粒工程で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造後、貯蔵しておき、任意の貯蔵期間経過後に取り出して再加熱工程を実施してもよい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、溶融押出法によって得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg−5)℃以上の温度で加熱処理を行って発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることによって、加熱発泡させた際に発泡粒子全体にわたって比較的小さく均一で独立した気泡が形成され、これを型内発泡成形することによって曲げ強度、圧縮強度、耐衝撃性などの機械強度及び断熱性に優れた発泡成形体が得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべきポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度及び嵩発泡倍数は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内(嵩発泡倍数として10〜100倍の範囲内)とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cm3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
基材樹脂としてポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名「HRM−10N」)に対して、タルクマスターバッチ(ポリスチレン樹脂 40質量%、タルク 60質量%)0.5質量部を予め混合したものを時間当たり160kg/hrの割合で口径90mmの単軸押出機内へ供給し、樹脂を加熱溶融させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して6質量部のイソペンタンを押出機途中より圧入した。そして、押出機内で樹脂と発泡剤を混練しつつ、押出機先端部での樹脂温度が170℃となるように冷却しながら、押出機に連接しヒーターにより290℃に保持した、直径0.6mm、ランド長さ3.0mmのノズルを200個有する造粒用ダイスを通して、温度50℃、水圧1.5MPaの冷却水が循環する水中カット室内に押し出すと同時に、円周方向に10枚の刃を有する高速回転カッターをダイスに密着させて、毎分3000回転で切断し、脱水乾燥して球形の発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は変形、ヒゲ等の発生もなく、平均粒径1.1mmであった。
次いで、再加熱処理を行うために内容積5.7リットルの攪拌機付オートクレーブに前記の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2000g、蒸留水2500g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを入れ、撹拌し分散させた。この分散液を窒素により0.2MPaに加圧し、80℃に昇温、3分間保持した後に冷却を行い、取り出し、洗浄、脱水、乾燥を行った。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.05質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
前記の通り得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(以下、ビーズと記す場合がある)を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm3(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ25mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、成形スチーム圧0.08MPa(ゲージ圧力)、金型加熱3秒、一方加熱10秒、逆一方加熱3秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で成形を行った。
前記ビーズについて、加熱温度145℃、2時間で加熱減量を測定し、含有ガス量を算出した。
Tgの測定は、JIS K7121の試験方法に準拠して測定した。具体的には、示差走査熱量計装置DSC6220型(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用い、測定容器に試料ビーズを6.5mg充填し、窒素ガス流量25ml/minのもと20℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温し、中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とした。
予備発泡粒子の内部平均気泡径は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、予備発泡粒子の中心近傍を通る平面で剃刀歯で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いて15倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、予備発泡粒子の表層に内接する第1の円(内接円)を描く。この第1の円の直径に対して、1/2の直径(1/4の半径)を有する第2の同心円を描きその第2の円の内側の任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。又、一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。
そして、算出された平均弦長tに基づいて次式により平均気泡径を算出することができる。
平均気泡径(mm)D=t/0.616
更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均気泡径を算出し、これらの平均気泡径の相加平均値を予備発泡粒子の内部平均気泡径とする。
予備発泡粒子の中心近傍を通る平面で剃刀歯で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いて15倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、予備発泡粒子の表層に内接する第1の円(内接円)を描く。この第1の円の直径に対して、1/2の直径(1/4の半径)を有する第2の同心円を描き、表層からその第2の円の間で任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を内部平均気泡径と同様にして算出し表層部平均気泡径とする。
発泡成形体を剃刀歯で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いて15倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、切断面に存在する融着し合った発泡粒子の粒界部に内接する第1の円(内接円)を描く。この第1の円の直径に対して、1/2の直径(1/4の半径)を有する第2の同心円を描き、その第2の円の内側の任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を予備発泡粒子の内部平均気泡径と同様にして算出し、発泡成形品の内部平均気泡径を求めた。
発泡成形体を剃刀歯で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(JOEL社製 商品名「JSM−6360LV」)を用いて15倍に拡大して撮影する。
次に、撮影した画像をA4用紙上に印刷し、切断面に存在する融着し合った発泡粒子の粒界部に内接する第1の円(内接円)を描く。この第1の円の直径に対して、1/2の直径(1/4の半径)を有する第2の同心円を描き、粒界部からその第2の円の間で任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を予備発泡粒子の内部平均気泡径と同様にして算出し、発泡成形品の表層部平均気泡径を求めた。
下記(1)〜(3)の各試験を行って、予備発泡粒子の連続気泡率(%)を求めた。
(1)予備発泡粒子の質量および体積測定
空気比較式比重計(東京サイエンス社製 1000型)の試料カップに約80%程度入る予備発泡粒子の質量をあらかじめ測定した〔予備発泡粒子質量A(g)〕。
つぎに予備発泡粒子をカップに入れ、そのカップを上記の比重計にセットし、1−1/2−1気圧法によって体積を測定した〔予備発泡粒子の体積B(cm3)〕。
(2)予備発泡粒子の見かけ体積測定
電子天秤(大和製衡社製 HB3000)の計量皿を取り外して、その取り付け金具に金網製の容器を吊した状態で、上記容器を水中に浸漬して、水中での容器の質量を測定した〔水中での容器質量C(g)〕。
つぎに同容器に上記(1)で測定した予備発泡粒子の全量を入れ、同様にして水中に浸漬した状態で、容器と予備発泡粒子の合計の質量を測定した〔水中での合計質量D(g)〕。
そして次式により、予備発泡粒子の見かけ体積E(cm3)を求めた。なお水1gは体積1cm3として換算した。
E=A+(C−D)
(3)連続気泡率
上記(1)(2)の結果から、次式により連続気泡率〔%〕を求めた。
連続気泡率(%)=(E−B)/E×100
発泡成形体について、ASTM D2856−87記載の測定方法に準じて連続気泡率の測定を行った。すなわち6面共成形面等の表皮を有しない切断面で構成された試験体(25mmの立方体)を試料5個切り出し、ノギスを用いて見掛けの体積を測定し、次に空気比較式比重系(東京サイエンス社製 1000型)を用いて1−1/2−1気圧法により体積を測定した。
連続気泡率(%)=(見かけの体積−空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
発泡成形体から、縦300mm×横75mm×厚さ25mmの試験片を切り出し、この試験片の曲げ試験をJIS−A9511に準拠して行い、曲げ強度を算出した。
発泡成形体から、縦50mm×横50mm×厚さ25mmの試験片を切り出し、この試験片の曲げ試験をJIS−A9511に準拠して行い、曲げ強度とした。
再加熱処理時の加熱温度を150℃、圧力を0.5MPaとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理時の加熱温度を60℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理時の加熱温度を57℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
発泡剤としてブタンを同量使用し、再加熱処理時の圧力を0.5MPaとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理時の加熱温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
水中カット室の冷却水温度を70℃、再加熱処理時の圧力を1.5MPa、再加熱処理時間を昇温後5分間加熱としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理時の加熱温度を40℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
再加熱処理時の昇温後の加熱時間を1分間としたこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に記す。
また比較例2の発泡成形体は、内部平均気泡径が本発明の範囲を超えているものなので、発泡成形体の曲げ強度及び圧縮強度が低かった。
また比較例3は、再加熱処理を行わなかった結果、内部平均気泡径が本発明の範囲を超えているものなので、発泡成形体の曲げ強度及び圧縮強度が低かった。
また比較例4は、再加熱処理を低温で行った結果、内部平均気泡径が本発明の範囲を超えているものなので、発泡成形体の曲げ強度及び圧縮強度が低かった。
また比較例5は、表層部平均気泡径/内部平均気泡径の値が本発明の範囲外となった結果、発泡成形体の曲げ強度及び圧縮強度が低かった。
Claims (14)
- ポリスチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して嵩発泡倍数50倍に発泡させた発泡粒子の状態で、内部平均気泡径が35〜140μmの範囲内であり、表層部平均気泡径/内部平均気泡径の値が0.80〜1.20の範囲内であり、かつ連続気泡率が10%以下である気泡構造を有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 前記の嵩発泡倍数50倍に発泡させた発泡粒子の状態における内部平均気泡径が40〜120μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記連続気泡率が8%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記の嵩発泡倍数50倍に発泡させた発泡粒子の状態における[表層部平均気泡径/内部平均気泡径]の値が0.90〜1.10の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- ポリスチレン系樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の無機気泡核剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記無機気泡核剤がタルクであることを特徴とする請求項6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 樹脂供給装置内でポリスチレン系樹脂に発泡剤を添加、混練し、発泡剤含有溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg未満の温度の冷却用液体中に押し出し、押し出すと同時に押出物を切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程、
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のガラス転移温度Tg−5)℃以上の温度で加熱処理を行って、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程、とを有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記押出物を切断する際の冷却用液体の温度が20〜60℃の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- ポリスチレン系樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の無機気泡核剤を添加することを特徴とする請求項8又は9に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記無機気泡核剤がタルクであることを特徴とする請求項10に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項12に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、成形型を蒸気加熱し、型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 請求項12に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、成形型を蒸気加熱し、型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体であって、
発泡倍数X倍に発泡成形させたときの状態で、この発泡成形体中の融着し合った発泡粒子の内部平均気泡径D2’を、次式(2)
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