JP5710465B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、及び、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、及び、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、及び、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関し、より詳しくは、水中カット式造粒機を用いた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
従来、ペンタンなどの炭化水素を発泡剤として含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を使って発泡成形したビーズ発泡成形体は、“発泡スチロール”などと呼ばれて断熱容器や緩衝材として広く利用されている。
この種の用途に利用される発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製する方法としては、懸濁重合によって発泡剤を含有していないポリスチレン系樹脂粒子を水中において形成させた後に、このポリスチレン系樹脂粒子が水中に分散されているスラリーをペンタンなどの発泡剤とともにオートクレーブ容器に収容させて圧力を加える方法が知られている。
また、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、下記特許文献1に示されているように、水中ホットカット法と呼ばれる製造方法によって作製されたりもしている。
この水中ホットカット法においては、ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともに押出機で溶融混練して前記発泡剤を含有する溶融ポリスチレン系樹脂を作製し、該溶融ポリスチレン系樹脂を前記押出機の先端部に装着したダイスから水などの冷却液体中に押出しながら前記ダイスの前方に取り付けられた回転刃で前記溶融ポリスチレン系樹脂を粒状に切断するような方法が採用されている。
即ち、水中ホットカット法は、オートクレーブを用いてポリスチレン系樹脂粒子に後から発泡剤を含浸させるようなバッチ式の方法と違って連続生産が可能であり、このことから発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において広く採用されている。
ところで、ビーズ発泡成形体の形成に用いられるような用途においては、従来、優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させることができる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が求められている。
例えば、この種の用途においては発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を蒸気で加熱して予備発泡粒子を形成させた後に、該予備発泡粒子を型内に充填して蒸気加熱によって前記予備発泡粒子どうしを熱融着させる型内成形が行われてビーズ発泡成形体を作製する方法が通常採用されているが、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、前記予備発泡粒子の形成に利用されるまでの保管期間中に発泡剤を散逸させてその発泡性が損なわれないことが求められているとともに成形サイクルの短縮化といった観点からは素早く所定の発泡倍率まで発泡することが求められている。
また、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、強度等の特性に優れたビーズ発泡成形体を形成させるのに有利となることから、蒸気加熱によって均質な発泡状態となることが求められている。
しかし、従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、このような要望を十分に満足させ得るものとはなっておらず、このような要望を満足させ得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製するための製造方法も見出されてはいない。
即ち、従来、優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子や、このような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる製造方法が確立されていないという問題を有している。
再表2005/028173号公報
本発明は、上記のような問題を解決することを課題としており、優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、及び、このような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる製造方法の提供を課題としている。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討を行ったところ、従来、ビーズ発泡成形体の形成に用いられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、発泡剤として専らペンタンが用いられていたがペンタンに加えてブタンを発泡剤として用い、且つ、内部に複数の気泡を形成させて、該気泡を予備発泡における気泡核として機能させることで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に対する前記のような要望を満足させうることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に係る本発明は、ビーズ発泡成形体の形成に用いられ、ポリスチレン系樹脂と発泡剤とを含有し、該発泡剤としてペンタンが含有されている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、前記発泡剤としてさらにブタンが含有されており、該発泡剤が前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して2質量部以上10質量部以下となる割合で含有され、前記ペンタンと前記ブタンとが20:80〜80:20の質量割合で含有されており、前記ペンタンとしてイソペンタンが含まれているとともに前記ブタンとしてイソブタンとノルマルブタンとが含まれ、且つ、発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下となるように内部に複数の気泡が形成されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するための発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に係る本発明は、ポリスチレン系樹脂と、少なくともペンタンを含有する発泡剤とを押出機に供給して該押出機内で前記ポリスチレン系樹脂を前記発泡剤と溶融混練して溶融ポリスチレン系樹脂を作製し、該溶融ポリスチレン系樹脂を冷却液体中に押出しつつ粒状に切断する水中ホットカット法によってビーズ発泡成形体の形成に用いられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、前記発泡剤としてさらにブタンを前記押出機に供給して前記溶融ポリスチレン系樹脂を作製させることにより前記発泡剤が前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して2質量部以上10質量部以下となる割合で含有され、前記ペンタンと前記ブタンとが20:80〜80:20の質量割合で含有されており、前記ペンタンとしてイソペンタンが含まれているとともに前記ブタンとしてイソブタンとノルマルブタンとが含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、且つ、前記冷却液体の温度、及び、圧力の少なくとも一方を調整することによって前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の内部に複数の気泡を形成させて発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製することを特徴としている。
本発明においては、ペンタンとブタンとを所定の割合で用いるとともに発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が所定の発泡倍率となるように該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中に複数の気泡を形成させていることから予備発泡粒子の形成までに実用上問題となるようなレベルにまで発泡性が散逸されてしまうことを抑制しうるとともに予備発泡粒子の形成時に素早く均質な発泡性を発揮させ得る。
即ち、本発明によれば優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、及び、このような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる製造方法が提供され得る。
一実施形態に用いる水中カット式造粒機の概略構成図。 図1に示した水中カット式造粒機の造粒用ダイス部分の内部構造を拡大して示した概略断面図。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法について、図を参照しつつ説明する。
まず、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するための水中カット式造粒機について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態における水中カット式造粒装置T(以下、単に「造粒装置」ともいう)は、いわゆる水中ホットカット法によって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を造粒するための造粒装置である。
前記造粒装置Tは、2台の押出機2,3が直列的に接続されてなるタンデム型押出機と、該タンデム型押出機を構成している押出機2,3の内の下流側の押出機3の先端部に装着された造粒用ダイス1と、造粒用ダイス1のダイス孔15から吐出される溶融ポリスチレン系樹脂20(発泡剤を含有した溶融状態のポリスチレン系樹脂)を切断する回転刃4が収容されるとともに造粒用ダイス1の前面となる樹脂吐出面10fに冷却水(冷却液体)を接触させるためのチャンバー5とを備えている。
前記チャンバー5には、循環する冷却水を流すための管路6が接続され、この管路6の一端(チャンバー5より上流側)が、送水ポンプ7を介して水槽8に接続されている。
また、管路6の他端(チャンバー5より下流側)には、循環水から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を分離し、脱水・乾燥する脱水処理部9が設けられている。
この脱水処理部8で分離され、脱水・乾燥した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、容器Aに送られるようになっており、水は前記水槽8に返送されるようになっている。
そして、符号21は上流側の押出機2に原材料を供給するためのホッパー、22は発泡剤供給口、23は高圧ポンプである。
なお、造粒装置Tおよび造粒用ダイス1において、樹脂が吐出される側を「先方」、「先端」とし、その反対側を「後方」、「後端」として以下の説明では統一して用いる。
造粒用ダイス1は、図2(側面視における概略断面図)からもわかるようにダイス本体10(ダイプレートとも呼称される)と、押出機3の先端側に固定されたダイホルダ11とからなり、前記ダイス本体10が、ダイホルダ11の先端側に複数のボルトによって固定されており、該ダイス本体10が固定されている前記ダイホルダ11の先端側の一部が可動式となってダイバータバルブ13として機能するようになっている。
前記ダイス本体10は、後端面中央部において、後方側に突出してなる円錐状凸部10aが形成され、ダイス本体10とダイホルダ11とが接続した状態で、ダイホルダ11の先端側流路11b内に、所定隙間をもって円錐状凸部10aが挿入されている。
すなわち、前記ダイス本体10は、ダイホルダ11の後端側流路11aを通過した溶融ポリスチレン系樹脂20が、先端側流路11bにおいて円錐状凸部10aの周面に沿って流れ、複数の樹脂流路14を通ってダイス本体10の先端面に開口する複数のダイス孔15から吐出されるように構成されている。
前記ダイス本体10は、その先端面で水流に接触する樹脂吐出面10fと、押出機3から押出された溶融ポリスチレン系樹脂20を樹脂吐出面10fに向けて移送するための複数の樹脂流路14と、複数の樹脂流路14の先端に設けられると共に樹脂吐出面10fに開口する複数のダイス孔15と、樹脂吐出面10fの中心位置に設けられた断熱材16と、樹脂吐出面10fよりも押出機側の位置で樹脂吐出面10fや樹脂流路14を温めるためのカートリッジヒーター17、ダイス本体10を温めるための短ヒーター18とを備えている。
ダイス本体10の樹脂吐出面10fは、中心部に円形断面の断熱材16を配置し、その断熱材16の径方向外側に複数のダイス孔15がその開口を周方向に沿って並べた状態で設けられている。
そして、断熱材16が配置され、複数のダイス孔15が開口されている樹脂吐出面10fの中央部分は、チャンバー内において冷却水と接触するようになっている。
前記樹脂流路14は、円形断面をなし、樹脂吐出面10fに対して直交する方向に延在されるとともに、ダイス本体10の中心軸線(図2の仮想線C)を中心とした円周(樹脂吐出面10f上に描かれた円周)に沿って一定の間隔をもって配置されている。本実施の形態では、樹脂流路14は、8箇所設けられており、前記円周の周方向に隣り合う樹脂流路14どうしの中心角が45°になっている。
そして、前述したように各樹脂流路14は、ダイホルダ11の先端側流路11bに連通しており、前記ダイバータバルブ13の第一流路11cを通じて溶融ポリスチレン系樹脂20をダイス孔15まで流通させ得るように設けられている。
前記ダイス孔15は、中心軸線を中心とした円周を樹脂吐出面10f上に描いたとした場合に、この円周に沿って所定間隔を保った状態となるようにして配置されており、前記回転刃4は、この複数個所のダイス孔15から吐出される溶融ポリスチレン系樹脂を粒状に切断すべく設けられている。
本実施形態においては、前記回転刃4は、前記ダイス本体10の中心軸線の軸周りに回転可能で、前記樹脂吐出面10fよりも前方側に該樹脂吐出面10fに対向するように設けられた回転板4aと、前記樹脂吐出面10fと対面している前記回転板4aの板面から前記ダイス孔15に向けて突出するように立設された複数の切断刃4bとを備え、図示していないモーター等に接続された回転軸4xによって前記回転が可能となるようにチャンバー内に備えられている。
複数の前記切断刃4bは、前記ダイス孔15の円周状の配置に対応するように回転板4aの回転中心から放射状となるように配置されており、前記回転板4aが回転された際に、前記ダイス孔15の僅かに前方を刃先が横切るように配置されている。
なお、本実施形態においては、この回転刃4が備えられたチャンバー内における冷却水の水圧と水温とを調整するための水圧調整機構と水温調整機構とが備えられている。
該水圧調整機構は、例えば、前記送水ポンプ7の回転数(送水量)を調整してチャンバー5を通過する冷却水の動圧によってチャンバー内の水圧を調整するような機構とすることができる。
或いは、前記水圧調整機構は、前記チャンバー5から冷却水が排出される排水口5eにおいてその内径を拡縮させるための絞り機構を設け前記送水ポンプ7の回転数を一定としながらもこの絞り機構によって排水口5eの内径を変化させてチャンバー内の水圧を調整するような機構とすることもできる。
また、これらを組み合わせて水圧調整機構を構成させてもよい。
前記水温調整機構は、冷却水の循環経路のいずれかにおいて該冷却水と熱交換を行わせるような機構とすることができ、例えば、水槽8に熱交換器を取り付けて該水槽中において熱交換を行わせるようにしてもよく、管路6を構成している配管にジャケット式の冷却装置を取り付けて該配管内を流れる冷却水の温度調節を行わせるようにしてもよい。
この水圧調整機構及び水温調整機構は、後述するように、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の内部に所定の状態で気泡を形成させるためのものであるが、チャンバー内の水温を過度に低くするとダイス孔15の目詰まりを発生させるおそれを有することから、冷却水の水温はある程度成り行きとし、水圧側を調整して内部に所定の気泡を有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させるようにすることが好ましい。
なお、ここではこれ以上の詳述は割愛するが、本実施形態の造粒装置Tには、上記に例示している以外の構成部材を採用させることが可能であり、造粒装置について従来公知の構成を採用させることが可能なものである。
次いで、このような造粒装置Tを用いて製造する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の原材料について説明する。
本実施形態において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させるための材料は特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられる。
なお、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、本実施形態においては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させるためのポリスチレン系樹脂として、スチレン単独重合体(汎用ポリスチレン(GPPS))にポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体がブレンドされたハイインパクトポリスチレン(HIPS)を用いることも可能である。
本実施形態に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(以下、バージンポリスチレンと記す。)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。
このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料を用いることができる。
また、使用することができるリサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットしたものを用いることができる。
本実施形態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に発泡性を付与するための前記発泡剤については、少なくともペンタンとブタンとを用いることが重要である。
なお、前記発泡剤は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子における含有量が過少な場合には、当然ながら発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性が損なわれるおそれを有し、一方で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を過度に含有させても一定以上には発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性を向上させることが難しく、ビーズ発泡成形体の形成後に、型内の圧力を十分に低下させるために冷却を十分に行わなければならなくなりビーズ発泡成形体の製造サイクルを長期化させるおそれを有する。
したがって、優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る点において前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が2質量部以上10質量部以下となるように前記発泡剤を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが重要であり、このような効果をより確実に発揮させる上においては、前記発泡剤の含有量を、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して3質量部以上9質量部以下とすることが好ましく4質量部以上8質量部以下とすることが特に好ましい。
なお、前記発泡剤の内、ペンタンは、ビーズ発泡成形体の形成時における型内成形後の冷却を十分に行う必要性を生じさせる傾向にある一方で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に優れた発泡性を付与することができる。
このことからペンタンとともに含有させるブタンを過度な割合で含有させようとするとペンタンの含有量を減少させる結果となって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性が損なわれるおそれを有する。
したがって、優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る点において、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には前記ペンタンと前記ブタンとが20:80〜80:20の質量割合となるように含有させることが重要であり、上記効果をより確実に発揮させる上においては、この割合(ペンタン:ブタン)が30:70〜70:30となるようにペンタンとブタンとを発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが好ましい。
前記ペンタンとしては、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンの何れを用いることも可能ではあるが、ノルマルペンタン、イソペンタンの何れか一方、又は、両方を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが好ましい。
より好ましくは、少なくともイソペンタンを含有させることが好ましく、イソペンタンとノルマルペンタンとを質量割合(イソペンタン:ノルマルペンタン)で20:80〜100:0となるように発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが好ましい。
また、前記ブタンとしては、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタンの何れを用いることも可能ではあるが、ノルマルブタン、イソブタンの何れか一方、又は、両方を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが好ましい。
より好ましくは、少なくともイソブタンを含有させることが好ましく、イソブタンとノルマルブタンとを質量割合(イソブタン:ノルマルブタン)で20:80〜100:0となるように発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることが好ましい。
なお、本実施形態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、前記ポリスチレン系樹脂や前記発泡剤以外に気泡核剤を含有させることができ、該気泡核剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、シリカ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの微細粒子を採用することができる。
この気泡核剤は、通常、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が0.3質量部以上2.0質量部以下となるように発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることができる。
また、本実施形態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル樹脂といったその他の樹脂や、水、アルコール、二酸化炭素、窒素といったその他の発泡剤を本発明の効果が著しく損なわれない範囲において含有させてもよい。
さらに、本実施形態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、耐候剤、消臭剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、帯電防止剤、着色剤といった各種添加剤を含有させることもできる。
次いで、本実施形態に係る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法について説明する。
造粒装置Tを用いて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製するには、まず、押出機2にホッパー21からポリスチレン系樹脂、気泡核剤を供給するとともに発泡剤供給口22から高圧ポンプ23によって発泡剤を所定の圧力で押出機2に圧入してこれらの溶融混練を実施する。
なお、前記気泡核剤は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる割合よりも大過剰にポリスチレン系樹脂に含有させたマスターペレットの状態で押出機に供給することが好ましい。
また、本実施形態の造粒装置Tには、押出機2の樹脂流れ方向において離れた位置にそれぞれ発泡剤供給口22と高圧ポンプ23とが備えられていることから、この2箇所の発泡剤供給口22の内の一方をブタン圧入用とし、他方をペンタン圧入用とすることが好ましい。
例えば、押出機2の上流側において常温常圧において液体となるペンタンを圧入した後で、下流側において常温常圧で気体のブタンを圧入することで先に圧入したペンタンでポリスチレン系樹脂を可塑化させて後から圧入されるブタンの溶解性向上を図ることができる。
そして、押出機2,3での前記溶融混練によって作製された溶融ポリスチレン系樹脂20を前記樹脂流路14の側に供給し、前記ダイス孔15から冷却水を導入させた前記チャンバー内に押出させ、前記回転刃4を回転させて押出された溶融ポリスチレン系樹脂を粒状に切断させて前記冷却水で十分に冷却して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させ、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を前記冷却水とともに前記排水口5eを通じてチャンバーから排出させる。
なお、水中ホットカット法による従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法においては、発泡剤としてブタンを利用しようとすると前記ダイス孔15からの吐出と略同時にブタンによって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が過度に発泡してしまい、予備発泡粒子の作製に適さない状態になることから前記発泡剤としては専らペンタンが用いられている。
一方で、本実施形態においては、ブタンを含有させることで敢えて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の内部に複数の気泡を形成させ、しかも、前記水圧調整機構と前記水温調整機構とによってこの気泡の形成を制御して発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下、好ましくは、1.06倍以上1.20倍以下となるように発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させる。
なお、発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下となっているかどうかについては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成しているポリスチレン系樹脂の密度と発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の見かけ密度から計算して確認することができる。
このとき、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の見かけ密度は、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から、無作為に数gから数十gの測定用試料を採取してこの試料の全体質量(M)を精秤し、この質量を試料体積(V)で除して求めることができる。
なお、試料体積については、所謂水投法によって求めることができ、例えば、ビーカー等に一定体積(V0)のエタノールや水を入れ、これに前記試料を入れて該試料が水面下に没するようにさせた時に示す全体の体積(V1)を測定し、この全体の体積(V1)から水やエタノールの体積(V0)を引いた値(V1−V0)を試料体積(V)として求めることができる。
一般的なポリスチレン系樹脂では、密度が1.03g/cm3〜1.06g/cm3程度となっているが、例えば、密度が1.05g/cm3のポリスチレン系樹脂で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を形成させた際にその見かけ密度が、0.84(1.05/1.25)g/cm3〜1.0(1.05/1.05)g/cm3となっていれば、当該発泡ポリスチレン系樹脂粒子の発泡倍率が1.05倍から1.25倍の間であると判断することができる。
発泡倍率が1.05倍〜1.25倍となっているということは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、その内部に5体積%〜20体積%程度の気泡を存在させており、本実施形態においては、この気泡を予備発泡粒子の形成に際して気泡形成の核として利用するものである。
したがって、該気泡は、細かく均一に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子内に分散していることが好ましい。
より具体的には、ビーズ発泡成形体の形成に用いられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、通常、平均径(直径)が0.3mm〜2.0mm程度の大きさとされるが、略中心部を通るように剃刀等でこの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を切断し、断面を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して画像を撮影し、実物の100倍に引き伸ばした画像において観察される気泡の半分以上が50μm以下となっていることが好ましい。
なお、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をこのような状態にさせるためには、形成させる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の大きさや、前記ダイス本体10を通過して前記ダイス孔15から吐出される溶融ポリスチレン系樹脂の樹脂温度などにもよるが、通常、前記冷却水の温度を、30℃〜70℃に設定し前記チャンバー内の水圧を0.2MPa〜1.5MPaとすればよい。
また、本実施形態における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、上記のように内部に複数の気泡を形成させて所定の発泡倍率となるように形成されることが優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る点において重要なものではあるが、さらに、このような効果を顕著に発揮させうる上において、その集合体としての嵩密度が0.58g/cm3以上0.63g/cm3以下であることが好ましい。
この嵩密度は、JIS K6911に準拠して測定することができ、所定質量の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をメスシリンダーに入れて見かけ上の体積を測定し、前記質量をこの見かけ上の体積で除して求めることができる。
このような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、使用時までに発泡剤の散逸が少なく利用可能期間を長く確保させることができ、例えば、50倍以上もの発泡倍率でありながら、2.9MPa以上の曲げ強度を示し、且つ、1.1MPa以上の圧縮強度を示すような優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得る。
しかも、本実施形態の製造方法によれば、このような発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を簡便に得ることができる。
なお、本実施形態においては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を前記のような好適な状態に形成させることが容易である点において上記のような水中ホットカット法を例示しているが、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、上記例示の水中ホットカット法以外の製造方法によっても製造可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価)
実施例において得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子や予備発泡粒子、あるいは、ビーズ発泡成形体については、以下のような評価を行った。
(嵩密度)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。
即ち、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子からWa(g)の測定試料を採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させて測定試料の体積Va(cm3)をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器で測定し、次式に基づいて嵩密度を求めた。

嵩密度(g/cm3)=Wa/Va
(嵩発泡倍率)
予備発泡粒子の嵩密度を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子と同様にして求め、次式に基づいて嵩発泡倍率を求めた。

嵩発泡倍率=1/嵩密度
(ビーズ発泡成形体の発泡倍率)
ビーズ発泡成形体の発泡倍率は、ポリスチレン系樹脂の密度(≒1)をビーズ発泡成形体の密度(ρ)で除して求めた。

ビーズ発泡成形体の発泡倍率=1/ρ

なお、ビーズ発泡成形体の密度(ρ)は、50cm3以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を元のセル構造を変化させないように切り出し、切り出した試験片の体積(Vb)と質量(Mb)を測定して次式にて求めることができる。

ビーズ発泡成形体の密度(ρ)=Mb/Vb

なお、ビーズ発泡成形体の密度測定用試料は、成形後72時間以上経過した成形体から切り出し、23±2℃の温度、50±5%の相対湿度、又は、27±2℃の温度、65±5%の相対湿度に16時間以上放置したものを用いて測定を行った。
(平均気泡径)
ビーズ発泡成形体の気泡径(平均気泡径)は、ASTM D−2842−69に準拠し、以下の条件で測定した。
まず、ビーズ発泡成形体を剃刀で切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、型名「S−3000N」)で写真撮影した。
撮影した写真をA4用紙に印刷し、任意の方向に直線(長さ60mm)を引いた際にこの直線が通る気泡数から下記のようにして平均弦長(t)、及び、気泡径(直径:d)を算出した。

平均弦長(t)=60/(気泡数×写真の倍率)
平均気泡径(d)=t/0.616

なお、前記直線を引くのに際しては、直線と気泡とが点接触するような状態にならないようにし、仮に、点接触するような状態になった場合は、この気泡も気泡数にカウントした。
また、同様の測定を10箇所において実施し、10個の平均気泡径(d)のデータを算術平均したものを、そのビーズ発泡成形体における平均気泡径とした。
(実施例1)
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名「HRM−10N」)100質量部に対して、微粉末タルク0.5質量部を加えた原料を50kg/hのペースで、口径50mmの単軸押出機と口径65mmの単軸押出機とが連結されたタンデム型押出機に連続的に供給した。
該押出機内における最高到達温度が220℃となるようにしてポリスチレン樹脂を溶融混練しつつ、前記ポリスチレン樹脂100質量部に対する割合が2質量部となる割合でペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))と4質量部となるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とを押出機途中より圧入し、これらの発泡剤とともに前記ポリスチレン樹脂をさらに溶融混練した。
この溶融ポリスチレン樹脂を下流側の押出機(口径65mmの押出機)を通過させつつ該押出機先端部における樹脂温度が150℃となるように冷却した。
この溶融ポリスチレン樹脂を押出機の先端部に装着したダイス(温度:300℃、入り口側樹脂圧:13MPa)のダイス孔(直径0.6mm、ランド長さ3.0mmのノズルが80個配置)から約40℃の冷却水を収容したチャンバー内に押出させ8枚の切断刃を有する回転刃で粒状に切断し前記冷却水で冷却させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
脱水、乾燥後に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の形状を測定したところ、平均粒径が約1mmの略球状となっており、変形やひげ等の形状異常は見られなかった。
得られた、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対する割合が0.04質量部となるポリエチレングリコールと、0.05質量部となるステアリン酸亜鉛と、0.05質量部となるステアリン酸モノグリセライドと、0.05質量部となるヒドロキシステアリン酸トリグリセライドとを表面に略均一に被覆させる表面処理を行った。
(ビーズ発泡成形体の製造)
前記表面処理を行った発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃の保冷庫中に入れ、24時間に亘って放置した後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.02MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm3(嵩発泡倍率50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ30mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.07MPaの圧力で20秒間に亘って加熱した後、成形型のキャビティ内の圧力が0.02MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ30mmの長方形状のビーズ発泡成形体を取り出した。
得られたビーズ発泡成形体は、密度0.02g/cm3(発泡倍率50倍)であった。
(発泡剤含有量の測定)
この実施例1で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃の保冷庫に24時間放置した後、発泡性ポリスチレンを150℃の恒温槽にて1.5時間加熱し、加熱前後の質量変化(加熱減量)から、発泡剤含有量を次式より算出した。

発泡剤含有量(質量%)=(Wd−Wc)/Wc

(ここでWdは加熱前の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の質量(g)を表し、Wcは加熱後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の質量(g)を表している。)
(ビーズライフ(利用可能期間)の評価)
実施例で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃の保冷庫に1ヶ月間保管した後、これを円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み蒸気圧0.02MPaの水蒸気により7分間に亘って加熱し、得られた予備発泡粒子の嵩発泡倍率を下記の通り測定し、次の評価基準に照らし、ビーズライフの評価を行った。

(評価基準)
嵩発泡倍率50倍以上を良好(◎)
嵩発泡倍率40倍以上50倍未満をやや良好(○)
嵩発泡倍率40倍未満を不良(×)、
(成型サイクルの評価)
長さ400mm×幅300mm×高さ30mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.07MPaの圧力で20秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.02MPaになるまで冷却時間を測定し、次の評価基準に基づき、成型サイクルを評価した。

(評価基準)
210秒未満を特に良好(◎)
210秒以上270秒未満を良好(○)
270秒以上を300秒未満をやや不良(△)
300秒以上を不良(×)
(曲げ強度の評価)
実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を型内成形して得られたビーズ発泡成形体をJIS K7221−2:1999「硬質発泡プラスチック−曲げ試験 第2部:曲げ特性の測定 附属書 大形試験片による曲げ試験方法」に記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。

すなわち、オリエンテック社製の型名「テンシロン万能試験機UCT−10T」 を用い、試験体サイズは幅75mm×長さ300mm×厚み30mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。

曲げ強度(MPa)=3FL/2bh2
(ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。)

なお、試験片の数は6個として、その平均値を求め、次の評価基準に照らして曲げ強度を評価した。

(評価基準)
曲げ強度が0.29MPa以上を良好(◎)
曲げ強度が0.27MPa以上0. 29MPa未満をやや良好(○)
曲げ強度が0.27MPa未満を不良(×)
(圧縮強度の評価)
実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を型内成形して得られたビーズ発泡成形体をJIS K7220:1999「発泡プラスチック−硬質材料の圧縮試験」に記載の方法に準じて圧縮強度を測定した。
すなわち、オリエンテック社製の型名「テンシロン万能試験機UCT−10T」 を用い、試験体サイズは幅50mm×長さ50mm×厚み30mmとし、圧縮速度を10mm/minとして5%圧縮時の圧縮応力を圧縮強度とし、試験片の数は6個として、その平均値を求めた。
このようにして圧縮強度の平均値を求め、次の評価基準に照らして圧縮強度を評価した。

(評価基準)
圧縮強度が0.11MPa以上を良好(◎)
圧縮強度が0.10MPa以上0. 11MPa未満をやや良好(○)
圧縮強度が0.10MPa未満を不良(×)
(総合評価)
前記の評価の内、「ビーズライフの評価」、「成形サイクルの評価」、「曲げ強度の評価」、及び、「圧縮強度の評価」において、 不良(×)が無い場合を良好(○)、一つでも不良(×)がある場合を不良(×)として総合評価した。
(実施例2)
用いる発泡剤を、4質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))と2質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(実施例3)
用いる発泡剤を、3質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))と3質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(実施例4)
用いる発泡剤を、4質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))と3質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(比較例1)
用いる発泡剤を、6質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(比較例2)
用いる発泡剤を、6質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(比較例3)
用いる発泡剤を、7質量部のブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
(比較例4)
用いる発泡剤を、7質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=100:0(質量比))とした以外は実施例1と同様にして、前述した各項目の評価を行った。
これらの実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0005710465
上記の結果からも、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は優れた品質のビーズ発泡成形体を効率よく作製させ得ることが分かる。
1:造粒用ダイス、4:回転刃、5:チャンバー、10:ダイス、15:ダイス孔

Claims (4)

  1. ビーズ発泡成形体の形成に用いられ、ポリスチレン系樹脂と発泡剤とを含有し、該発泡剤としてペンタンが含有されている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    前記発泡剤としてさらにブタンが含有されており、該発泡剤が前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して2質量部以上10質量部以下となる割合で含有され、前記ペンタンと前記ブタンとが20:80〜80:20の質量割合で含有されており、前記ペンタンとしてイソペンタンが含まれているとともに前記ブタンとしてイソブタンとノルマルブタンとが含まれ、且つ、発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下となるように内部に複数の気泡が形成されていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 嵩密度が0.58g/cm3以上0.63g/cm3以下である請求項1記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. ポリスチレン系樹脂と、少なくともペンタンを含有する発泡剤とを押出機に供給して該押出機内で前記ポリスチレン系樹脂を前記発泡剤と溶融混練して溶融ポリスチレン系樹脂を作製し、該溶融ポリスチレン系樹脂を冷却液体中に押出しつつ粒状に切断する水中ホットカット法によってビーズ発泡成形体の形成に用いられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    前記発泡剤としてさらにブタンを前記押出機に供給して前記溶融ポリスチレン系樹脂を作製させることにより前記発泡剤が前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して2質量部以上10質量部以下となる割合で含有され、前記ペンタンと前記ブタンとが20:80〜80:20の質量割合で含有されており、前記ペンタンとしてイソペンタンが含まれているとともに前記ブタンとしてイソブタンとノルマルブタンとが含まれている発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、且つ、前記冷却液体の温度、及び、圧力の少なくとも一方を調整することによって前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の内部に複数の気泡を形成させて発泡倍率が1.05倍以上1.25倍以下の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 嵩密度が0.58g/cm3以上0.63g/cm3以下の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製する請求項記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
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