JP2012199344A - 受光素子および光受信モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収効率を向上させること、特に導波路部と光検出部の間に光閉じ込め作用の弱いスラブ領域が形成された場合でも、光吸収効率を向上させる。
【解決手段】導波路コア層を含む導波路711と、前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路コアからの出射光が入射される多モード干渉導波路731と、少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層702と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層703を含む光検出部701とを有し、前記導波路711からの出射光が入射される前記多モード干渉導波路731の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部701の端部までの長さが、前記多モード導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さである。
【選択図】図7

Description

本発明の実施例の一側面において開示する技術は、受光素子、光受信器及び光受信モジュールに関する。
図1は受光素子の一例である受光素子100の要部を示す斜視図である。図2は、図1のA1−A2の破線で示した断面における受光素子100の断面図である。
図1及び図2に示した受光素子100は、基板114の上に設けられた光検出部101と、同一の基板114の上に設けられた導波路部111を含む。
導波路部111は、導波路コア層112及び上部クラッド層113が基板114側から積層された構造を有する。導波路部111は、上部クラッド層113及び導波路コア層112を含むメサ構造を有する。信号光は導波路コア層112を伝播し、光検出部101に入射する。
光検出部101は、導波路コア層112、n型半導体層102、i型吸収層103、p型上部クラッド層104及びp型コンタクト層105が基板114側から積層された構造を有する。光検出部101は、p型コンタクト層105、上部クラッド層104、吸収層103及びn型半導体層102の一部を含むメサ構造を有する。光検出部101のメサ構造の幅は、導波路部111のメサ構造の幅よりも広い。ここで、本明細書において、幅とは、対応する導波路コア層の延在方向に、すなわち、信号光の進行方向に直交する方向であって、基板に対して平行な方向の長さをいうものとする。光検出部101では、メサ構造の外側に、導波路コア層112及びn型半導体層102を含む積層構造が残されている。導波路コア層112は光検出部101と導波路部111により共有されている。
図2に示したように、受光素子100では、信号光は導波路部111において導波路コア層112を伝播し、光検出部101において、そのまま導波路コア層112に入射する。入射した信号光はn型半導体層102を介して吸収層103に染み出していき、吸収層103において吸収される。
n型半導体層102、吸収層103及び上部クラッド層104はPIN型のフォトダイオード(Photo Diode、以下PDと称する。)を構成する。p型コンタクト層105及びn型半導体層102には、不図示のp側電極及びn側電極がそれぞれ接続されている。p側電極とn側電極の間に、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧を印加することにより、吸収層103における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が上部クラッド層104及びn型半導体層102を介して検出される。それによって、光検出部101は信号光を電気信号(フォトキャリア電流)として検出し、信号光の強度に対応する検出信号(フォトキャリア電流)を出力する。
図3は受光素子の他の例である受光素子300の要部を示す斜視図である。図4は、図3のA3−A4の破線で示した断面における受光素子300の断面図である。図3及び図4に示した受光素子300は、図1及び図2に示した受光素子100と、導波路部と光検出部の間にスラブ領域が存在する点で異なるが、その他の部分については同様である。
受光素子300は、基板314の上に設けられた光検出部301と、同一の基板314の上に設けられた導波路部311を含む。さらに、受光素子300は、導波路部311と光検出部301の間の基板314の上にスラブ領域321を含む。
導波路部311は、導波路コア層312及び上部クラッド層313が基板314側から積層された構造を有する。導波路部311は、上部クラッド層313及び導波路コア層312を含むメサ構造を有する。信号光は導波路コア層312を伝播し、スラブ領域321に入射する。
光検出部301は、導波路コア層312、n型半導体層302、i型吸収層303、p型上部クラッド層304及びp型コンタクト層305が基板314側から積層された構造を有する。光検出部301は、p型コンタクト層305、上部クラッド層304、吸収層303及びn型半導体層302の一部を含むメサ構造を有する。光検出部301のメサ構造の幅は、導波路部311のメサ構造の幅よりも広い。光検出部301では、メサ構造の外側に、導波路コア層312及びn型半導体層302を含む積層構造が残されている。
スラブ領域321は、導波路コア層312及び上部クラッド層313を含む。スラブ領域321における上部クラッド層313の一部は、光検出部301のメサ構造と同様の形状を有するメサ構造を構成する。スラブ領域321のメサ構造の幅は光検出部301のメサ構造の幅と同程度である。スラブ領域321に入射した信号光は導波路コア層312を伝播し、光検出部301に入射する。スラブ領域321は、光検出部301の製造工程において、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を解消するために対策を講じた結果として生じるものである。
図4に示したように、受光素子300では、信号光は導波路部311及びスラブ領域321において導波路コア層312を伝播し、光検出部301において、そのまま導波路コア層312に入射する。入射した信号光はn型半導体層302を介して吸収層303に染み出していき、吸収層303において吸収される。
n型半導体層302、吸収層303及び上部クラッド層304はPIN型のフォトダイオード(PD)を構成する。p型コンタクト層305及びn型半導体層302には、不図示のp側電極及びn側電極がそれぞれ接続されている。p側電極とn側電極の間に、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧を印加することにより、吸収層303における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が上部クラッド層304及びn型半導体層302を介して検出される。それによって、光検出部301は信号光を電気信号(フォトキャリア電流)として検出し、信号光の強度に対応する検出信号(フォトキャリア電流)を出力する。
尚、図1ないし図4に示した2つの受光素子の一例が、以下の特許文献及び非特許文献に開示されている。
特開平07−183484号公報
Lucas B. Soldano et al. J.Lightwave Tech.,VOL.13,NO.4,April,1995 pp615−617
図5は、図1及び図2に示した受光素子100における信号光の光強度分布を示す図である。図5において、実線は基板114の上方から見たときの導波路コア層112の形状を示す。一点鎖線は基板114の上方から見たときの吸収層103の形状を示す。破線は信号光の光強度分布の一例を示すものである。矢印は信号光の放射方向を示すものである。
上述のように、受光素子100では、n型半導体層102にn側電極(不図示)が接続されるため、n型半導体層102の幅は吸収層103の幅よりも、少なくともn側電極との接続領域の分だけ広くなる。これに伴い、導波路コア層112の幅も吸収層103の幅よりも広くなる。これに対し、導波路部111の導波路コア層112の幅は吸収層103の幅よりも狭い。その結果、信号光は、幅が狭い導波路部111から、突然、幅が十分に広い光検出部101に入射することになる。
一方、導波路部111は幅が狭いメサ構造を有するため、信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める、光閉じ込め作用は強い。これに対し、光検出部101では、入射した信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める作用は、メサ構造の一部である吸収層103と、吸収層103の下側にあるn型半導体層102の小さな凸部を含む部分によって奏されるものだけである。よって、その光閉じ込め作用は弱いものとなる。
従って、信号光は、幅が狭く光閉じ込め作用の強い導波路部111から、幅が広く光閉じ込め作用の弱い光検出部101に入射することになる。この場合、信号光が光検出部101に入射した後、その光強度分布はその進行方向に直交する方向に広がっていくが、光検出部101がその広がりを抑制する能力は小さい。
このため、図5に示したように、受光素子100においては、光検出部101に入射した信号光が光検出部101の内部を伝播するにつれて、その光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がってしまう。図5の矢印で示したように、信号光の放射方向は、信号光をその進行方向に直交する方向に拡散させるような方向となる。すなわち、信号光は拡散方向の伝播状態を有する。
その結果、入射した信号光の一部が導波路コア層112において、吸収層103の下側の領域ではなく、その外側の領域に放射してしまう。吸収層103の外側の領域に放射した信号光は吸収層103において吸収されない。このため、受光素子100においては、入射した信号光に対する光吸収効率を十分に高くすることができないという問題があった。
図6は、図3及び図4に示した受光素子300における信号光の光強度分布を示す図である。図6において、実線は基板314の上方から見たときの導波路コア層312の形状を示す。一点鎖線は基板314の上方から見たときの吸収層303の形状を示す。破線は信号光の光強度分布の一例を示すものである。矢印は信号光の放射方向を示すものである。
上述のように、受光素子300においては、受光素子100の構造に加えて、導波路部311と光検出部301の間にスラブ領域321が存在する。スラブ領域321の導波路コア層312の幅は、光検出部301の導波路コア層312の幅と同様に広いので、受光素子100の場合と同様に、信号光は、幅が狭い導波路部311から、突然、幅が十分に広いスラブ領域321に入射することになる。
一方、導波路部311は、導波路部111の場合と同様に、信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める、光閉じ込め作用は強い。これに対し、光検出部301では、光検出部101の場合と同様に、その光閉じ込め作用は弱い。
さらに、スラブ領域321では、導波路コア層312の上には上部クラッド層313が存在するのみである。このため、スラブ領域321には、導波路部311から入射した信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める作用を奏するものはほとんどない。よって、スラブ領域321における光閉じ込め作用は、光検出部301よりもさらに弱いものとなる。
従って、受光素子300においては、信号光は、幅が狭く光閉じ込め作用の強い導波路部311から、突然、幅が十分に広く、光閉じ込め作用が光検出部301よりもさらに弱いスラブ領域321に入射することになる。この場合も、信号光がスラブ領域321に入射した後、その光強度分布はその進行方向に直交する方向に広がっていくが、スラブ領域321がその広がりを抑制する能力は光検出部301よりも、さらに小さい。
このため、図6に示したように、受光素子300においては、スラブ領域321に入射した信号光がスラブ領域321及び光検出部301の内部を伝播するにつれて、その光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がってしまう。信号光の放射方向は、受光素子100の場合(図5の光強度分布)と比べて、信号光をその進行方向に直交する方向にさらに強く拡散させるような方向となる。すなわち、信号光はさらに強い拡散方向の伝播状態を有し、伝播した距離が同じ場合、信号光の光強度分布は、さらに大きな広がりを持つようになる。
その結果、受光素子300では、受光素子100と比べて、入射した信号光のより多くの部分が導波路コア層312において、吸収層303の下側の領域ではなく、その外側の領域に放射してしまう。吸収層303の外側の領域に放射した信号光は吸収層303において吸収されない。このため、受光素子300においては、受光素子100よりもさらに、入射した信号光に対する光吸収効率を高くすることが困難であるという問題があった。
従って、本実施例の一側面における受光素子は、光吸収効率を向上させることを目的とし、特に導波路部と光検出部の間に光閉じ込め作用の弱いスラブ領域が形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることを目的とする。
本実施例の一側面において開示する受光素子は、導波路コア層を含む導波路と、前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路コアからの出射光が入射される多モード干渉導波路と、少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層を含む光検出部とを有し、前記導波路からの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さである。
本実施例の一側面において開示する受光素子においては、光吸収効率を向上させることができ、特に導波路部と光検出部の間に光閉じ込め作用の弱いスラブ領域が形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることができる。
受光素子の一例である受光素子100の要部を示す斜視図である。 図1のA1−A2の破線で示した断面における受光素子100の断面図である。 受光素子の他の例である受光素子300の要部を示す斜視図である。 図3のA3−A4の破線で示した断面における受光素子300の断面図である。 図1及び図2に示した受光素子100における信号光の光強度分布を示す図である。 図3及び図4に示した受光素子300における信号光の光強度分布を示す図である。 本発明の第1実施例に係る受光素子700の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子700の要部のみを示した図である。 図7のB1−B2の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。 (A)は、図7のB3−B4の破線で示した断面における受光素子700の断面図であり、(B)は、図7のB5−B6の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。 (A)は、図7のB7−B8の破線で示した断面における受光素子700の断面図であり、(B)は、図7のB9−B10の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。 MMI導波路1100において自己結像が起こった場合の光強度分布を例示的に示した図である。 図7及び図8に示した受光素子700における信号光の光強度分布を示す図である。 MMI導波路732の長さLmmiと光検出部701における光吸収効率の関係をシミュレーションにより計算した結果を示す図である。 スラブ領域の長さと、光検出部における光吸収効率の関係をシミュレーションにより計算した結果を示す図である。 受光素子1500の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子1500の要部のみを示した図である。 図15のC1−C2の破線で示した断面における受光素子1500の断面図である。 (A)は、図15のC3−C4の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、(B)は、図15のC5−C6の破線で示した断面における受光素子1500の断面図である。 (A)は、図15のC7−C8の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、(B)は、図15のC9−C10の破線で示した断面における受光素子1500の断面図である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その1)である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その2)である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その3)である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その4)である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その5)である。 図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図(その6)である。 本発明の第2実施例に係る受光素子2500の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子2500の要部のみを示した図である。 図25のD1−D2の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。 (A)は、図25のD3−D4の破線で示した断面における受光素子2500の断面図であり、(B)は、図25のD5−D6の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。 図25のD7−D8の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。 図25及び図26に示した受光素子2500における信号光の光強度分布を示す図である。 本発明の第3実施例に係る受光素子3000の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子3000の要部のみを示した図である。 図30のE1−E2の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。 (A)は、図30のE3−E4の破線で示した断面における受光素子3000の断面図であり、(B)は、図30のE5−E6の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。 (A)は、図30のE7−E8の破線で示した断面における受光素子3000の断面図であり、(B)は、図30のE9−E10の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。 本発明の第4実施例に係る受光素子3400の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子3400の要部のみを示した図である。 図35は、図34のF1−F2の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。 (A)は、図34のF3−F4の破線で示した断面における受光素子3400の断面図であり、(B)は、図34のF5−F6の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。 (A)は、図34のF7−F8の破線で示した断面における受光素子3400の断面図であり、(B)は、図34のF9−F10の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。 図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図(その1)である。 図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図(その2)である。 図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図(その3)である。 図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図(その4)である。 図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図(その5)である。 本発明の第5実施例に係る光受信器4300の構成の一例を示す図である。 本発明の第6実施例に係る光受信モジュール4400の構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
[1.第1実施例]
[1−1.受光素子700の構造]
図7は、本発明の第1実施例に係る受光素子700の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子700の要部のみを示した図である。図8は、図7のB1−B2の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。図9(A)は、図7のB3−B4の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。図9(B)は、図7のB5−B6の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。図10(A)は、図7のB7−B8の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。図10(B)は、図7のB9−B10の破線で示した断面における受光素子700の断面図である。
尚、本明細書においては、受光素子の構造が形成される側の基板表面に関して、基板表面から離れる方向を「上」と称し、基板の表面に近づく方向を「下」と称するものとする。
図7及び図8に示したように、受光素子700は、基板714の上に設けられた光検出部701と、同一の基板714の上に設けられた導波路部711と、同一の基板714の上に設けられたスラブ領域721と、同一の基板714の上に設けられた多モード干渉(Multi Mode Interference、以下MMIと称する。)部731を含む。
図9(A)に示したように、導波路部711は、導波路コア層712及び上部クラッド層713が基板714側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。導波路部711は、上部クラッド層713及び導波路コア層712を含むメサ構造を有する。信号光は導波路コア層712を伝播し、MMI部731に入射する。
図10(B)に示したように、光検出部701は、導波路コア層712、n型半導体層702、i型吸収層703、p型上部クラッド層704及びp型コンタクト層705が基板714側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。光検出部701は、p型コンタクト層705、上部クラッド層704、吸収層703及びn型半導体層702の一部を含むメサ構造を有する。光検出部701のメサ構造の幅は、導波路部711のメサ構造の幅よりも広い。光検出部701では、メサ構造の外側に、導波路コア層712及びn型半導体層702を含む積層構造が残されている。n型半導体層702、吸収層703、及び上部クラッド層704はPIN型のフォトダイオードを構成する。
ここで、n型半導体層702は、その屈折率が導波路コア層712の屈折率よりも高く、吸収層703の屈折率よりも低くなるように形成される。すなわち、n型半導体層702は、そのバンドギャップ波長が導波路コア層712のバンドギャップ波長より長く、吸収層703よりのバンドギャップ波長より短くなるように形成される。n型半導体層702は信号光に対する吸収率が十分小さくなるような組成を有するように形成される。
図10(A)に示したように、スラブ領域721は、導波路コア層712及び上部クラッド層713を含む。スラブ領域721における上部クラッド層713の一部は、光検出部701のメサ構造と同様の形状を有するメサ構造を構成する。スラブ領域721は、光検出部701とは異なり、導波路コア層712がスラブ状(平板状)に存在するが、吸収層及びn型半導体層を含むメサ構造が存在しない領域である。スラブ領域721のメサ構造の幅は、光検出部701のメサ構造の幅と同程度である。スラブ領域721に入射した信号光は導波路コア層712を伝播し、光検出部701に入射する。
スラブ領域721は、例えば、光検出部701の製造工程において、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を解消するために、光検出部701のメサ構造を形成するためのハードマスクを形成する際に、マージン領域を設けたことに起因して生じるものである。詳細については後述する。
図9(B)に示したように、MMI部731は、導波路コア層712及び上部クラッド層713が基板714側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。MMI部731は、上部クラッド層713及び導波路コア層712を含むメサ構造を有する。MMI部731に入射した信号光は導波路コア層712を伝播し、スラブ領域721に入射する。導波路コア層712は光検出部701、導波路部711、スラブ領域721及びMMI部731により共有されている。
MMI部731は、1つの入力と1つの出力を有する1×1多モード干渉導波路(MMI導波路)732を含む。MMI部731の導波路コア層712の少なくとも一部は、その幅が導波路部711の導波路コア層712の幅よりも広くなっている。幅が広くなっている部分の導波路コア層712が、MMI導波路732として機能する。MMI導波路732の幅は、導波路部711及び光検出部701の双方のメサ構造の幅よりも広くなっている。
MMI導波路では、その幅や長さ、屈折率等のパラメータを適切に設定することによって、入力部における光強度分布が出力部において再現される自己結像という現象が起こることが知られている。MMI導波路732の長さLmmiは、MMI導波路732の自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部701内に、とりわけ導波路コア層712内の、吸収層703の下側の領域に位置するような長さに設定される。さらに詳細には、MMI導波路732の長さLmmiは、信号光が入射される側のMMI導波路732の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部701の端部(入射端部)までの長さが、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiの70%から100%となるように設定される。尚、上述のMMI導波路の自己結像、及びMMI導波路732の長さLmmiの設定については、後で説明する。
図8に示したように、受光素子700では、信号光は導波路部711において導波路コア層712を伝播し、MMI部731においてMMI導波路732に入射する。後述するように、MMI導波路732は、その出力部において、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する。これにより、集光された信号光が、スラブ領域721の導波路コア層712を介して、光検出部701の導波路コア層712に入射する。入射した信号光は、導波路コア層712からn型半導体層702を介して吸収層703に染み出し、吸収層703において吸収される。
p型コンタクト層705及びn型半導体層702には、不図示のp側電極及びn側電極がそれぞれ接続されている。p側電極とn側電極の間に、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧を印加することにより、吸収層703における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が上部クラッド層704及びn型半導体層702を介して検出される。それによって、光検出部701は信号光を電気信号(フォトキャリア電流)として検出し、後段の電気回路に信号光の強度に対応する検出信号(フォトキャリア電流)を出力する。
[1−2.MMI導波路732の長さLmmiの設定]
[1−2−1.MMI導波路の自己結像]
図11は、MMI導波路1100において自己結像が起こった場合の光強度分布を例示的に示した図である。破線は信号光の光強度分布を表す。矢印は信号光の放射方向を示すものである。
図11に示したMMI導波路1100は、その幅や長さ、屈折率等のパラメータを自己結像が起こる値に設定したものである。自己結像が起こる長さLsiは、MMI導波路の幅と、導波路コア層及びその周辺の層の屈折率により一意に決定される。自己結像が起こる長さLsiは、導波路コア層の有効屈折率をnr、MMI導波路の幅と導波路コア層及び周辺の層の屈折率分布などから決定される有効導波路幅をWeff、信号光の波長をλとすると、以下のような式で表されることが知られている(以下、式1と称する。)。
Lmmi=N・nr・Weff/λ
ここで、Nは自然数である。(例えば、上記非特許文献参照。)
また、MMI導波路の小型化や低損失化の観点から、一般的にはN=1の長さが用いられるので、自己結像が起こる長さLsiを表す式1は、以下のようになる(以下、式2を称する。)。
Lmmi=nr・Weff/λ
図11に示したように、信号光がMMI導波路1100の入力部1101から内部に入射した直後から、信号光がMMI導波路1100内を伝播するにつれて、その光強度分布は徐々に広がっていく。そして、信号光がMMI導波路1100の全体の長さ(信号光の進行方向若しくは導波路の延在方向に沿った長さ)の半分(50%)の位置まで伝播したとき、その光強度分布の広がりが最も大きくなる。
信号光がMMI導波路1100の全体の長さの半分(50%)の位置を過ぎると、逆に、信号光がMMI導波路1100内を伝播するにつれて、その光強度分布は徐々に狭くなっていく。そして、信号光がMMI導波路1100の出力部1102に到達したときには、その光強度分布は入力部1101における光強度分布と同一のものとなる。出力部1102における光強度分布は入力部1101における光強度分布を再現したものになる。すなわち、MMI導波路1100では、自己結像が起こる点(自己結像点)は出力部1102に位置している。
ここで、図11から分かるように、MMI導波路1100の全体の領域のうち、前半の領域(入力部1101に近い側の領域)と後半の領域(出力部1102に近い側の領域)とで、信号光の伝播状態が異なっている。
MMI導波路1100の前半領域においては、図11の矢印で示したように、信号光の放射方向は、信号光をその進行方向に直交する方向に拡散させるような方向となる。すなわち、信号光は拡散方向の伝播状態を有している。
これに対し、MMI導波路1100の後半領域においては、図11の矢印で示したように、信号光の放射方向は、信号光をその進行方向に直交する方向に集光するような方向となる。すなわち、信号光は集光方向の伝播状態を有している。特に、出力部1102の近傍においては、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する作用が強く働き、信号光が集光される特性が顕著となる。
第1実施例に係る受光素子700では、MMI導波路1100の出力部1102の近傍において、信号光がその進行方向に直交する方向に集光されるという特性が顕著となる点を利用する。受光素子700では、光検出部701において、入射した信号光のより多くの部分を、導波路コア層712内の吸収層703の下側の領域に集めるために、この顕著な特性を利用している。詳細については後述する。
[1−2−2.受光素子700における信号光の光強度分布]
図12は、図7及び図8に示した受光素子700における信号光の光強度分布を示す図である。実線は基板714の上方から見たときの導波路コア層712の形状を示す。一点鎖線は基板714の上方から見たときの吸収層703の形状を示す。破線は信号光の光強度分布の一例を示すものである。矢印は信号光の放射方向を示すものである。
図12において、MMI部731のMMI導波路732においては、自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部701の導波路コア層712内の、吸収層703の下側の領域に位置している。MMI部731のMMI導波路732の長さLmmiは、例えば、信号光が入射される側のMMI導波路732の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部701の端部(入射端部)までの長さが、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiの85%の長さとなるように設定される。
図12に示したように、信号光は導波路コア層712を伝播し、導波路部711からMMI部731に入射する。その後、図11で説明したように、信号光はMMI導波路732の出力部において、その進行方向に直交する方向に集光される。矢印で示したように、MMI導波路732の出力部においては、信号光の放射方向は、信号光をその進行方向に直交する方向に集光するような方向となる。これにより、信号光は集光方向の伝播状態を維持したまま、スラブ領域721に入射する。
ここで、上述のように、受光素子700では、n型半導体層702にn側電極(不図示)が接続される。このため、n型半導体層702では、光検出部701のメサ構造の外側の領域においても、n側電極との接続領域を残しておく必要がある。そのため、n型半導体層702は吸収層703のように完全なメサ構造をとることができず、n型半導体層702の幅は吸収層703の幅よりも、少なくともn側電極との接続領域の分だけ広くなる。光検出部701では、導波路コア層712はn型半導体層702の下地層となっていることから、導波路コア層712の幅も、吸収層703の幅よりも、少なくともn側電極との接続領域の分だけ広くなってしまう。また、スラブ領域721の導波路コア層712の幅も、光検出部701の導波路コア層712の幅と同様に広い。
これに対し、導波路部711の導波路コア層712の幅は吸収層703の幅よりも狭い。また、MMI部731の導波路コア層712の幅は、導波路部711の導波路コア層712の幅よりは広いものの、スラブ領域721及び光検出部701の導波路コア層712の幅に比べて十分に狭い。その結果、信号光は、幅が狭い導波路部711及びMMI部731から、突然、幅が十分に広いスラブ領域721及び光検出部701に入射することになる。
一方、導波路部711は幅が狭いメサ構造を有するため、信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める、光閉じ込め作用は強い。また、MMI部731においても、MMI導波路732が同様にメサ構造を有することから、光閉じ込め作用は強い。
これに対し、光検出部701では、入射した信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める作用は、メサ構造の一部である吸収層703と、吸収層703の下側にあるn型半導体層702の小さな凸部を含む部分によって奏されるものだけである。よって、その光閉じ込め作用は弱い。
さらに、スラブ領域721では、導波路コア層712の上には上部クラッド層713が存在するのみである。このため、スラブ領域721には、MMI部731から入射した信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める作用を奏するものはほとんどない。よって、スラブ領域721における光閉じ込め作用は、光検出部701よりもさらに弱いものとなる。
従って、受光素子700においては、図3及び図4に示した受光素子300と同様に、信号光は、幅が狭く光閉じ込め作用の強い導波路部711及びMMI部731から、突然、幅が十分に広く光閉じ込め作用がスラブ領域721及び光検出部701に入射することになる。この場合、受光素子300の場合と同様に、スラブ領域721及び光検出部701が、信号光の光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がるのを抑制する能力は小さい。
しかしながら、受光素子700では、上述のように、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、スラブ領域721に入射する。そして、MMI導波路732の自己結像点が、光検出部701の導波路コア層712内、吸収層703の下側の領域に位置することから、スラブ領域721においても、信号光を集光方向の伝播状態に維持することができ、信号光は拡散方向の伝播状態に転じることはない。これにより、信号光は集光方向の伝播状態を維持したまま、光検出部701に入射する。
光検出部701に入射した信号光は吸収層703において吸収される。このとき、MMI導波路732の自己結像点が、光検出部701の導波路コア層712内の、吸収層703の下側の領域に位置しており、信号光は集光方向の伝播状態を有する。これにより、受光素子100及び300の場合と比べて、入射した信号光のより多くの部分を、導波路コア層712の吸収層703の下側の領域に集めることができる。それによって、信号光のうち、光吸収に寄与しない、吸収層703の外側の領域に放射する部分を減らすことができる。
これにより、受光素子700においては、受光素子100及び300と比べて光吸収効率を向上させることができる。特に、受光素子700においては、受光素子300のように、光閉じ込め作用が光検出部よりもさらに弱いスラブ領域が、導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、受光素子100と比べて光吸収効率を向上させることが可能となる。
以上のことから、MMI導波路732の自己結像が起こる点(自己結像点)が光検出部701内、とりわけ導波路コア層712内の、吸収層703の下側の領域に位置している場合には、受光素子700において、受光素子300を比べて光吸収効率を向上させることができることが分かる。MMI導波路732の自己結像点が光検出部701内に位置する場合には、MMI導波路732の出力部の近傍において信号光がその進行方向に直交する方向に集光されるという特性を、導波路コア層712内の吸収層703の下側の領域において利用することができるからである。
従って、MMI部731のMMI導波路732の長さLmmiは、自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部701内に、とりわけ導波路コア層712内の吸収層703の下側の領域に位置するような長さに設定される。
[1−2−3.光検出部701における光吸収効率の向上]
次に、MMI部731のMMI導波路732の長さLmmiの設定について、さらに考察するために、シミュレーションの結果を示す。
図13は、MMI導波路732の長さLmmiと光検出部701における光吸収効率の関係をシミュレーションにより計算した結果を示す図である。横軸はMMI導波路の長さLmmiを表し、縦軸は吸収層703における量子効率を表す。
図13のシミュレーションにおいては、MMI導波路の幅を5μm、信号光の波長を1.55μmとし、導波路コア層をi型のInGaAsPによって形成したものを仮定している。光検出部701の吸収層703の幅は3μmとしている。また、図13のシミュレーションでは、理解を容易にするために、スラブ領域721の長さは0μmとし、スラブ領域721は存在しないものとしている。
上述のシミュレーション条件の場合、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiの値は、上述の式2によって求められ、約59μmである(Lsi≒59μm)。また、図13において、MMI導波路732の長さLmmiが0μmの場合は、MMI導波路が形成されていない場合に対応するので、図1に示した受光素子100の構造に対応する。
図13から分かるように、MMI導波路732の長さLmmiが、自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)の100%(約59μm)である場合には、量子効率の値は、MMI導波路732がないとき(Lmmi=0μm)、すなわち、図1に示した受光素子100の構造のときの値と同程度の値となる。自己結像により、MMI導波路732の出力部において、その入力部における光強度分布が再現されることから、信号光が入射される側の光検出部701の端部(入射端部)において、MMI導波路732がないときの光強度分布が再現されるためである。
次に、MMI導波路732の長さLmmiを自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)よりも小さくすると、量子効率の値は、MMI導波路732がないとき(Lmmi=0μm)、すなわち、図1に示した受光素子100の構造のときの値よりも大きくなる。この場合、MMI導波路732の自己結像が起こる点(自己結像点)が光検出部701内、とりわけ導波路コア層712内の吸収層703の下側の領域に位置するようになる。このため、光検出部701において入射した信号光のより多くの部分を、導波路コア層712の吸収層703の下側の領域に集めることができるためである。尚、ここでは、図11に示したように、自己結像が起こる長さLsiを有するMMI導波路1100の出力部1102の近傍においては、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する作用が強く、信号光が集光されるという特性が顕著となる点が利用されている。
次に、MMI導波路732の長さLmmiを自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)の70%(約41μm)程度にすると、量子効率の値は再び、MMI導波路732がないとき(Lmmi=0μm)、すなわち、図1に示した受光素子100の構造のときの値と同程度の値となる。この場合も、MMI導波路732の自己結像点は光検出部701の吸収層703の下側の領域に位置するが、MMI導波路1100の出力部1102から離れるにつれて、横方向の光閉じ込め構造がない状態で信号光をその進行方向に直交する方向に集光する作用が弱くなる、このため、光検出部701において入射した信号光を十分に導波路コア層712内の吸収層703の下側の領域に集めることができなくなるためである。
次に、MMI導波路732の長さLmmiを自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)の70%(約41μm)よりも小さくすると、量子効率の値は、MMI導波路732がないとき(Lmmi=0μm)、すなわち、図1に示した受光素子100の構造のときの値よりも小さくなる。MMI導波路1100の出力部1102から離れるにつれて、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する作用がさらに弱くなるためである。また、MMI導波路732の長さLmmiが自己結像が起こる長さLsiの50%より小さい場合には、信号光は拡散方向の伝播状態を有するようになるためである。
尚、MMI導波路の長さを自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)よりも長くした場合には、量子効率の値は、MMI導波路732がないとき(Lmmi=0μm)、すなわち、図1に示した受光素子100の構造のときの値よりも小さくなる。MMI導波路の長さを自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)よりも長くすると、MMI導波路1100の前半領域の場合と同様に、信号光は再度、拡散方向の伝播状態を有するようになるためである。
以上の結果から、MMI導波路732の長さLmmiと量子効率(光吸収効率)との相関関係は以下のとおりであると考えられる。すなわち、MMI導波路732の長さLmmiを自己結像が起こる長さLsiの100%とした場合には、量子効率は、MMI導波路732がない場合と同程度である。そして、MMI導波路732の長さLmmiを、自己結像が起こる長さLsiの100%よりも小さくしていくと、量子効率の値はMMI導波路732がない場合の値と比べて大きくなる。しかしながら、MMI導波路732の長さLmmiをある程度小さくしていった段階で、量子効率の値は再びMMI導波路732がない場合の値と同程度となる。そして、MMI導波路732の長さLmmiをさらに小さくしていくと、量子効率はMMI導波路732がない場合の値より小さくなる。
従って、MMI導波路732の長さLmmiが、自己結像が起こる長さLsiの100%よりも小さく、かつMMI導波路732がない場合の光吸収効率と同じ光吸収効率が得られる長さよりも大きい場合に、受光素子700において、受光素子100と比べて、光吸収効率を向上させることができることが分かる。
そして、上述のシミュレーション結果によれば、受光素子700では、MMI導波路732がない場合の光吸収効率と同程度の光吸収効率が得られる長さは、自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)の70%(約41μm)である。従って、MMI導波路732の長さLmmiを、自己結像が起こる長さLsiの70%より大きく、かつ100%よりも小さくした場合に、受光素子100と比べて、光吸収効率を向上させることができるが分かる。
ここで、上述のシミュレーションでは、スラブ領域721の長さを0μmとし、スラブ領域721が存在しないものと仮定していたが、上述のシミュレーション結果は、MMI導波路の長さを、信号光が入射される側のMMI導波路732の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部731の端部(入射端部)までの長さと読み替えることで、有限の長さのスラブ領域721が存在する場合にも適用することができる。スラブ領域721が有限の長さを有する場合には、MMI導波路732の入力部から光検出部731の入射端部までの長さが、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiと一致するときに、光検出部701の入射端部において、MMI導波路732がないときの光強度分布(受光素子100における光強度分布)が再現されるためである。
従って、受光素子700においては、信号光が入射される側のMMI導波路732の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部731の端部(入射端部)までの長さを、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiの70%より大きく、かつ100%よりも小さくした場合には、受光素子100と比べて、光吸収効率を向上させることができることが分かる。さらに、受光素子300における光吸収効率は、スラブ領域321の影響により、受光素子100における光吸収効率よりもさらに低いので、受光素子300と比べても、光吸収効率を向上させることができることが分かる。
尚、図11に示したMMI導波路内部の光強度分布は、MMI導波路のサイズを変更したとしても同様の分布が得られるものである。よって、MMI導波路732の長さLmmiを、自己結像が起こる長さLsiの100%よりも小さく、70%よりも大きくすることにより、光吸収効率を向上させることができるのは、上述のシミュレーションにおけるMMI導波路732の特定の構造の場合に限定されるものではない。
[1−2−4.光吸収効率とスラブ領域の長さの相関関係]
図14は、スラブ領域の長さと、光検出部における光吸収効率の関係をシミュレーションにより計算した結果を示す図である。縦軸は吸収層における量子効率、横軸はスラブ領域の長さを表す。ここで、本明細書において、長さとは、対応する導波路の延在方向、すなわち、信号光の進行方向に沿った長さのことである。
図14において、曲線(a)は図7から図10に示した受光素子700の場合、すなわち、MMI導波路732を用いた場合の結果を示す。曲線(b)は図1から図4に示した受光素子100及び300の場合、すなわちMMI導波路がない場合の結果を示す。
図14のシミュレーションにおいて用いた条件は、スラブ領域721の長さを有限の値とした点を除いては、図13のシミュレーションにおいて用いた条件と同一である。また、曲線(a)において、MMI導波路732の長さは、自己結像が起こる長さLsi(≒59μm)の93%(約55μm)としている。
図14の曲線(a)で示したように、受光素子700においては、スラブ領域721の長さによらず、量子効率の値はおおよそ一定の値となっている。より詳細には、スラブ領域の長さが18μm程度までは、量子効率の値は、おおよそ、スラブ領域がない場合(スラブ領域の長さが0μmである場合)の量子効率の値以上の値を維持している。従って、受光素子700では、MMI導波路732を形成したことによって、スラブ領域721の長さが大きくなっても、スラブ領域がない場合(スラブ領域の長さが0μmである場合)と、同程度もしくはそれ以上の量子効率の値を維持することができることが分かる。
これに対し、図14の曲線(b)で示したように、MMI導波路がない場合には、スラブ領域がない場合(スラブ領域の長さが0μmである場合)、すなわち、受光素子100において、量子効率の値が最大となる。一方、有限の長さのスラブ領域321が存在する場合、すなわち、受光素子300においては、スラブ領域321の長さが大きくなるにつれて、量子効率の値は単調に減少していく。
また、スラブ領域がない場合(スラブ領域の長さが0μmである場合)において、受光素子700(曲線(a))の量子効率の値は受光素子100(曲線(b))の量子効率の値よりも大きくなっている。その上、スラブ領域の長さが大きくなるにつれて、受光素子700(曲線(a))と受光素子300(曲線(b))の間の量子効率の値の開きは、大きくなっていく。
以上の結果から、受光素子700においては、導波路部711と光検出部701の間に光検出部701よりもさらに光閉じ込め作用の弱いスラブ領域721が形成された場合であっても、MMI導波路732を形成したことによって、スラブ領域がない場合と同様に、光吸収効率を向上させることができることが分かる。さらに、受光素子700においては、スラブ領域721の長さが大きくなった場合でも、スラブ領域721による影響を低減することができ、スラブ領域がない場合と同程度の量子効率を得ることができることが分かる。
[1−3.受光素子700の構造の具体例]
図15は、受光素子1500の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子1500の要部のみを示した図である。図15に示した受光素子1500の構造は、図7に示した受光素子700の構造の1つの具体例として、受光素子700において各層の構成例を具体的に示したものである。図16は、図15のC1−C2の破線で示した断面における受光素子1500の断面図である。図17(A)は、図10のC3−C4の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、メサ構造の近傍を示したものである。図17(B)は、図15のC5−C6の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、メサ構造の近傍を示したものである。図18(A)は、図15のC7−C8の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、メサ構造の近傍を示したものである。図18(B)は、図15のC9−C10の破線で示した断面における受光素子1500の断面図であり、メサ構造の近傍を示したものである。
図15から図18に示したように、受光素子1500は、例えば、半絶縁性(Semi−insulating、以下SIと称する。)のInPからなる基板1514の上に設けられた光検出部1501と、同一の基板1514の上に設けられた導波路部1511と、同一の基板1514の上に設けられたスラブ領域1521と、同一の基板1514の上に設けられMMI部1531を含む。SI−InP基板1514は、Fe等の深い不純物準位を形成する元素がドープされた基板である。
導波路部1511は、1.05μmのバンドギャップ波長を有するi型のInGaAsPからなる導波路コア層1512、及びi型のInPからなる上部クラッド層1513がSI−InP基板1514側から積層された構造を有する。導波路部1511は、i−InPクラッド層1513、i−InGaAsPコア層1512及びSI−InP基板1514の一部を含むメサ構造を有し、その側面が半導体材料によって埋め込まれていないハイメサ導波路構造を有する。導波路コア層1512は1.55μmの信号光に対してバンドギャップ波長が1.05μmであるため、信号光に対する吸収は少ない。
MMI部1531は、1.05μmのバンドギャップ波長を有するi型のInGaAsPからなる導波路コア層1512、及びi型のInPからなる上部クラッド層1513がSI−InP基板1514側から積層された構造を有する。MMI部1531は、i−InPクラッド層1513、i−InGaAsPコア層1512及びSI−InP基板1514の一部を含むメサ構造を有する。MMI部1531は、導波路部1511と同一の積層構造を有するものであるが、MMI部1531の導波路コア層1512の幅は、導波路部1511の導波路コア層1512の幅よりも広くなっている。それによって、MMI部1531の導波路コア層1512は、1つの入力と1つの出力を有する1×1MMI導波路1532を構成している。
光検出部1501は、導波路部およびMMI部と共通の導波路コア層1512、1.3μmのハンドギャップ波長を有するn型のInGaAsPからなる半導体層1502、InPと格子整合したi型のInGaAsからなる吸収層1503、p型のInPからなる上部クラッド層1504、及びp型のInGaAsとInGaAsPの2層構造からなるp型コンタクト層1505がSI−InP基板1514側から積層された構造を有する。n型のInGaAsPからなる半導体層1502は1.55μmの信号光に対してバンドギャップ波長が1.3μmであるため、信号光に対する吸収は少ない。
光検出部1501は、p型コンタクト層1505、p−InPクラッド層1504及びi−InGaAs吸収層1503及びn−InGaAsP半導体層1502の一部を含むメサ構造を有し、その側面が半導体材料によって埋め込まれていないハイメサ導波路構造を有する。n−InGaAsP半導体層1502、i−InGaAs吸収層1503及びp−InPクラッド層1504は、PIN型のフォトダイオードを構成する。
p型コンタクト層1505の上にはp側金属電極1515が形成され、n−InGaAsP半導体層1502の上にはn側金属電極1516が形成されている。受光素子1500のp側金属電極1515及びn側金属電極1516が形成されていない部分は、シリコン窒化膜等の誘電体からなるパッシベーション膜1517によって覆われている。尚、図15では、構造の理解を容易にするために、パッシベーション膜1517の図示は省略されている。
p側金属電極1515とn側金属電極1516の間には、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧が印加されている。それによって、p−InPクラッド層1504及びn−InGaAsP半導体層1502を介して、i−InGaAs吸収層1503における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が検出される。
スラブ領域1521は、1.05μmのバンドギャップ波長を有するi型のInGaAsPからなる導波路コア層1512、及びi型のInPからなる上部クラッド層1513がSI−InP基板1514側から積層された構造を有する。スラブ領域1521におけるi−InPクラッド層1513の一部は、光検出部1501のメサ構造と同様の形状を有するメサ構造を構成する。
導波路部1511では、例えば、i−InGaAsPコア層1512の厚さを0.5μm、i−InPクラッド層1513の厚さを1.0μmとする。MMI部1531では、導波路部1511と同様に、例えば、i−InGaAsPコア層1512の厚さを0.5μm、i−InPクラッド層1513の厚さを1.0μmとする。
光検出部1501では、例えば、i−InGaAsPコア層1512の厚さを0.5μm、n−InGaAsP半導体層1502の厚さを0.5μm、i−InGaAs吸収層1503の厚さを0.5μm、p−InPクラッド層1504及びp型コンタクト層1505の厚さの合計を1.0μmとする。スラブ領域1521では、光検出部1501と同様に、例えば、i−InGaAsPコア層1512の厚さは0.5μmである。i−InPクラッド層1513の厚さは光検出部1501のメサ構造に対応する部分において2.0μmであり、それ以外の部分では光検出部1501のn−InGaAsP半導体層1502の厚さと同程度である。
導波路部1511において、例えば、i−InGaAsPコア層1512及びi−InPクラッド層1513を含むメサ構造の幅は2.5μmである。MMI部1531において、例えば、i−InGaAsPコア層1512及びi−InPクラッド層1513を含むメサ構造の幅は5μmであり、その長さは50μmである。
光検出部1501において、i−InGaAs吸収層1503、p−InPクラッド層1504及びコンタクト層1505を含むメサ構造の幅は、3μmであり、その長さは10μmである。スラブ領域1521において、i−InPクラッド層1513を含むメサ構造の幅は3μmである。スラブ領域1521の長さは、例えば、5μmである。
受光素子1500では、MMI部1531を上述のような構造とした場合、MMI導波路1532において自己結像が生じる長さは約59μmとなる(Lsi≒59μm)。MMI導波路732の入力部から光検出部731の入射端部までの長さ、すなわちMMI導波路732とスラブ領域721の合計の長さ(55μm)は、自己結像が生じる長さ(Lsi≒59μm)の約93%の長さになる。図13に示したシミュレーション結果から分かるように、この場合には、光検出部1501のi−InGaAs吸収層1503において光吸収効率(量子効率)は、MMI導波路がない場合に比べて向上する。
以上説明した構造を有する受光素子1500では、図1から図4に示した受光素子100及び300と比べて、光吸収効率を向上させることができる。特に、受光素子1500においては、光閉じ込め作用が弱いスラブ領域が導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることが可能となる。
尚、上述の実施例では、波長が1.55μmの信号光に対する受光素子の例として吸収層をInGaAsで構成し、導波路コア層などの層をInGaAsP系の材料で構成したフォトダイオードの例を述べたが、これには限定されない。上述の実施例の受光素子において、吸収層を入射される信号光の波長帯域の光を吸収する他の材料によって構成し、その他の層をその光を吸収しないような他の材料によって構成してもよい。
また、吸収層などの層をi型の半導体によって構成した例を示したが、例えば吸収層の一部又は全てをp型又はn型の半導体で構成してもよい。
また、本実施例では、光検出部の吸収層の下に、導波路部および多モード干渉導波路と共通の導波路コア層が存在する構造について記載をしているが、これに限定されず、多モード干渉導波路の導波路コア層からの信号光が光検出部の吸収層の下に位置する層に入射され、吸収層には直接入射されない構造であれば、どのような層構造であってもよい。例えば、信号光がMMI部1531のi−InGaAsPコア層1512から、スラブ領域1521を介して、光検出部1501のn−InGaAsP半導体層1502に入射されるような構造にしてもよい。
[1−4.受光素子1500の製造方法]
図19ないし図24は、図15から図18に示した受光素子1500の製造工程の一例を示す図である。各図において、上側の図は、基板の上方から見たときの平面図であり、受光素子1500の要部を示した図である。下側の図は、各平面図の破線で示した断面で見たときの断面図である。以下、図19から図24を用いて受光素子1500の製造方法の一例を説明する。
図19に示したように、SI−InP基板1901の上に、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法により、i−InGaAsP膜1902、n−InGaAsP膜1903、i−InGaAs膜1904、p−InP膜1905、及びp−InGaAsとp−InGaAsPの2層からなる積層膜1906を、堆積させる。ここで、i−InGaAsP膜1902の厚さが0.5μm、n−InGaAsP膜1903の厚さが0.5μm、i−InGaAs膜1904の厚さが0.5μmとなるように堆積を行う。また。p−InP膜1905とp−InGaAs/InGaAsP積層膜1906の厚さの合計が1.0μmとなるように堆積を行う。
次に、p−InGaAs/InGaAsP積層膜1906の上に、図15から図18に示した光検出部1501となる領域を覆うマスク2001を形成し、導波路部1511及びMMI部1531となる領域を選択的に露出させる。マスク2001としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。マスク2001を用いた周知のエッチングにより、図20に示したように、光検出部1501にのみn−InGaAsP膜1903、i−InGaAs膜1904、p−InP膜1905、及びp−InGaAs/InGaAsP積層膜1906を残し、導波路部1501及びMMI部1531からはこれらの膜を除去する。この処理により、導波路部1511及びMMI部1531では、i−InGaAsP膜1902が露出する。
次に、図21に示したように、導波路部1511及びMMI部1531の露出したi−InGaAsP膜1902の上に、MOCVD法により、i−InP膜2101を堆積させる。ここで、i−InP膜2101の厚さが1.0μmとなるように堆積を行う。上述のエッチングに用いたマスク2001により光検出部1501が覆われているので、光検出部1501にi−InP膜2101が成長するのを防止することができる。なお、この際、n−InGaAsP膜1903、i−InGaAs膜1904、p−InP膜1905、及びp−InGaAs/InGaAsP積層膜1906の側面部分には、i−InP膜が這い上がって堆積し、i−InP膜2101は図21に示したような形状になる。i−InP膜2101の堆積後、マスク2001を除去する。
次に、光検出部のp−InGaAs/InGaAsP積層膜1906及び導波路部、MMI導波路部のi−InP膜2101の上に、図22に示したような、光検出部1501においてメサ構造となる領域を覆うマスク2201を形成する。マスク2201は、導波路部1511及びMMI部1531については、メサ構造となる領域以外の領域も含めて、その大部分を覆うように形成される。マスク2201としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。
このとき、図22に示したように、マスク2201は、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を考慮して、マスクによって覆われない領域が、p−InGaAs/InGaAsP積層膜1906だけでなく、i−InP膜2101の一部にまで及ぶように形成される。すなわち、マスク2201では、エッチングの対象となる領域を、光検出部1501においてメサ構造を形成するために除去される領域よりも広くとることにより、マスク位置合わせ誤差を吸収するためのマージン領域を設けている。フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の影響により、マスク2201の形成位置がずれた結果、光検出部1501の端部において、p−InGaAs/InGaAsP積層膜1906、p−InP膜1905、i−InGaAs膜1904及びn−InGaAsP膜1903を含む積層膜が除去されないまま残存し、その結果として幅方向にInGaAs吸収層が広く残ってしまうことを防止するためである。
マスク2201を用いた周知のエッチングにより、図22に示したように、光検出部1501においてメサ構造を形成する。光検出部1501では、マスク2201を用いて、p−InGaAs/InGaAsP積層膜1906、p−InP膜1905及びi−InGaAs膜1904を除去するとともに、n−InGaAsP膜1903については途中の深さまで除去し、一部を残すようにする。この処理により、n−InGaAsP膜1903の一部が露出する。これにより、図15から図18に示した、n−InGaAsP半導体層1502、i−InGaAs吸収層1503、p−InPクラッド層1504及びコンタクト層1505が形成される。その結果、図18(B)に示したようなメサ構造が形成される。
また、図22に示したように、i−InP膜2101のうち、マスク2201によって露出された部分も同時に除去される。この処理により、光検出部1501のメサ構造に隣接して、i−InP膜2101によるメサ構造も同時に形成される。その結果、図18(A)に示したようなメサ構造が形成される。エッチングの後、マスク2201を除去する。
次に、i−InP膜2101の残りの部分、エッチングにより形成されたメサ構造、及びエッチングにより露出したn−InGaAsP半導体層1502の上に、図23に示したような、導波路部1511及びMMI部1531においてメサ構造となる領域を覆うマスク2301を形成する。マスク2301は、エッチングにより形成されたメサ構造及びエッチングにより露出したn−InGaAsP半導体層1502については、その大部分を覆うように形成される。マスク2301としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。
マスク2301を用いた周知のエッチングにより、図23に示したように、導波路部1511及びMMI部1531においてメサ構造を形成する。導波路部1511及びMMI部1531では、マスク2301を用いて、i−InP膜2101及びi−InGaAsP膜1902を除去するとともに、i−InGaAsP膜1902の下に位置するSI−InP基板1901の一部も除去する。この処理により、SI−InP基板1901の一部が露出する。これにより、図15から図18に示した、i−InGaAsPコア層1512及びi−InPクラッド層1513が形成される。その結果、図17(A)、(B)に示したようなメサ構造が形成される。エッチングの後、マスク2301を除去する。
このとき、図23に示したように、i−InP膜2101を含むメサ構造のうち、マスク2301によって覆われた部分は、エッチングされずに残存する。この残存したi−InP膜2101を含むメサ構造に対応する領域が、スラブ領域1521となる。
次に、光検出部1501、スラブ領域1521、MMI部1531及び導波路1511において、金属電極が形成される領域を除いて、シリコン窒化膜等の誘電体からなるパッシベーション膜1517を形成する。その後、図24に示したように、光検出部1501において、メサ構造上部のp型コンタクト層1505の露出した領域に、金属蒸着、メッキなどの周知の形成方法によって、p側金属電極1515を形成する。また、n−InGaAsP半導体層1502の露出した領域に、金属蒸着、メッキなどの周知の形成方法によって、n側金属電極1516を形成する。尚、図24(A)の平面図では、構造の理解を容易にするために、パッシベーション膜1517の図示は省略している。
ここで、図24では、p側金属電極1515としてエアブリッジ構造の金属電極が用いられている。図24(B)の断面図から明らかなように、この構造により、p側金属電極1515と、n側金属電極1516が接続されるn−InGaAsP半導体層1502とが空気によって電気的に絶縁される。
これにより、p側金属電極1515とn側金属電極1516の間に生じる寄生容量を低減することができる。よって、光検出部1501に生じる静電容量を小さくすることができるので、受光素子1500と後段の電気回路の間の伝送路において、CR時定数から求められる遮断周波数が高くなる。これにより、受光素子1500は、高周波数帯域においても後段の電気回路に十分な信号レベルを有する検出信号を供給することができ、後段の電気回路は高周波数帯域においても入力信号の処理をすることができる。
但し、p側金属電極については、エアブリッジ構造に限定されない。p側金属電極の形成位置に予め絶縁体を形成しておき、その上にp側金属電極を形成するようにしてもよい。また、図24では、PDについて導波路部1511及びMMI部1531と反対側の部分にn−InGaAsP半導体層1502が一部残っており、その上にパシベーション膜1517を介してp側電極1515を形成しているが、この反対側の部分のn−InGaAsP半導体層1502を除去することも可能である。これによって、p側電極の容量を低減し、高周波帯域の特性をより高めることも可能である。
[2.第2実施例]
[2−1.受光素子2500の構造]
図25は、本発明の第2実施例に係る受光素子2500の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子2500の要部のみを示した図である。図26は、図25のD1−D2の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。図27(A)は、図25のD3−D4の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。図27(B)は、図25のD5−D6の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。図28は、図25のD7−D8の破線で示した断面における受光素子2500の断面図である。
図25に示した受光素子2500は、図7に示した受光素子700と、光検出部とMMI部の間にスラブ領域が存在しない点で異なっているが、その他の部分については同様である。
上述のように、受光素子700のスラブ領域721は、例えば、光検出部701の製造工程において、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を解消するために、光検出部701のメサ構造を形成するためのハードマスクを形成する際に、マージン領域を設けたことに起因して生じるものである。しかしながら、受光素子2500の製造工程において、フォトレジスト露光時のマスク位置合わせ精度が十分に確保されている場合には、上述のハードマスクに対してマージン領域を設ける必要がない。よって、この場合には、スラブ領域は形成されなくなる。図25に示した受光素子2500は、スラブ領域が形成されない場合の構造を示すものである。
図25及び図26に示したように、受光素子2500は、基板2514の上に設けられた光検出部2501と、同一の基板2514の上に設けられた導波路部2511と、同一の基板2514の上に設けられたMMI部2531を含む。
図27(A)に示したように、導波路部2511は、導波路コア層2512及び上部クラッド層2513が基板2514側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。導波路部2511は、上部クラッド層2513及び導波路コア層2512を含むメサ構造を有する。信号光は導波路コア層2512を伝播し、MMI部2531に入射する。
図28に示したように、光検出部2501は、導波路コア層2512、n型半導体層2502、i型吸収層2503、p型上部クラッド層2504及びp型コンタクト層2505が基板2514側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。光検出部2501は、p型コンタクト層2505、上部クラッド層2504、吸収層2503及びn型半導体層2502の一部を含むメサ構造を有する。光検出部2501のメサ構造の幅は、導波路部2511のメサ構造の幅よりも広い。光検出部2501では、メサ構造の外側に、導波路コア層2512及びn型半導体層2502を含む積層構造が残されている。n型半導体層2502、吸収層2503、及び上部クラッド層2504はPIN型のフォトダイオードを構成する。
ここで、n型半導体層2502は、その屈折率が導波路コア層2512の屈折率よりも高く、吸収層2503の屈折率よりも低くなるように形成される。すなわち、n型半導体層2502は、そのバンドギャップ波長が導波路コア層2512のバンドギャップ波長より長く、吸収層2503よりのバンドギャップ波長より短くなるように形成される。n型半導体層2502は信号光に対する吸収率が十分小さくなるような組成を有するように形成される。
図27(B)に示したように、MMI部2531は、導波路コア層2512及び上部クラッド層2513が基板2514側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。MMI部2531は、上部クラッド層2513及び導波路コア層2512を含むメサ構造を有する。MMI部2531に入射した信号光は導波路コア層2512を伝播し、光検出部2501にスラブ領域を介することなく直接入射する。導波路コア層2512は光検出部2501、導波路部2511、及びMMI部2531により共有されている。
MMI部2531は、1つの入力と1つの出力を有する1×1MMI導波路2532を含む。MMI部2531の導波路コア層2512の少なくとも一部は、その幅が導波路部2511の導波路コア層2512の幅よりも広くなっている。幅が広くなっている部分の導波路コア層2512が、MMI導波路2532として機能する。MMI導波路2532の幅は、導波路部2511及び光検出部2501の双方のメサ構造の幅よりも広くなっている。
MMI導波路2532の長さLmmiは、自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部2501内、とりわけ導波路コア層2512内の吸収層2503の下側の領域に位置するような長さに設定される。さらに詳しくは、MMI導波路2532の長さLmmiは、自己結像が起こる長さLsiの100%よりも小さく、かつ70%よりも大きくなるように設定される。尚、MMI導波路2532の長さLmmiの設定については、第1実施例に係る受光素子700について説明したとおりである。
図26に示したように、受光素子2500では、信号光は導波路部2511において導波路コア層2512を伝播し、MMI部2531においてMMI導波路2532に入射する。MMI導波路732と同様に、MMI導波路2532は、その出力部において、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する。これにより、集光された信号光が、光検出部2501の導波路コア層2512に入射する。入射した信号光は、導波路コア層2512からn型半導体層2502を介して吸収層2503に染み出し、吸収層2503において吸収される。
p型コンタクト層2505及びn型半導体層2502には、不図示のp側電極及びn側電極がそれぞれ接続されている。p側電極とn側電極の間に、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧を印加することにより、吸収層2503における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が上部クラッド層2504及びn型半導体層2502を介して検出される。それによって、光検出部2501は信号光を電気信号(フォトキャリア電流)として検出し、後段の電気回路に信号光の強度に対応する検出信号(フォトキャリア電流)を出力する。
尚、第2実施例に係る受光素子2500の構造の具体例としては、第1実施例に係る受光素子700の構造の具体例として説明した構成を用いることができる。但し、上述のように、スラブ領域は形成されない。
また、受光素子2500の製造方法についても、受光素子700の製造方法として説明した方法を用いることができる。但し、光検出部2501のメサ構造を形成するためのハードマスクにおいては、マージン領域は設けないものとする。
[2−2.受光素子2500における信号光の光強度分布]
図29は、図25及び図26に示した受光素子2500における信号光の光強度分布を示す図である。実線は基板2514の上方から見たときの導波路コア層2512の形状を示す。一点鎖線は基板2514の上方から見たときの吸収層2503の形状を示す。破線は信号光の光強度分布の一例を示すものである。矢印は信号光の放射方向を示すものである。
図29において、MMI部2531のMMI導波路2532においては、自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部2501の導波路コア層2512内の、吸収層2503の下側の領域に位置している。MMI導波路2532の長さLmmiは、例えば、自己結像が起こる長さLsiの85%の長さとされる。
図29に示したように、信号光は導波路コア層2512を伝播し、導波路部2511からMMI部2531に入射する。その後、図11で説明したように、信号光はMMI導波路2532の出力部において、その進行方向に直交する方向に集光される。矢印で示したように、MMI導波路2532の出力部においては、信号光の放射方向は、信号光をその進行方向に直交する方向に集光するような方向となる。これにより、信号光は集光方向の伝播状態を維持したまま、光検出部2501に入射する。
ここで、受光素子700の光検出部701の場合と同様に、光検出部2501では、導波路コア層2512の幅が吸収層2503の幅よりも、少なくともn側電極との接続領域の分だけ広くなってしまう。
これに対し、導波路部2511の導波路コア層2512の幅は吸収層2503の幅よりも狭い。また、MMI部2531の導波路コア層2512の幅は、導波路部2511の導波路コア層2512の幅よりは広いものの、光検出部2501の導波路コア層2512の幅に比べて十分に狭い。その結果、信号光は、幅が狭い導波路部2511及びMMI部2531から、突然、幅が十分に広い光検出部2501に入射することになる。
一方、導波路部2511は幅が狭いメサ構造を有するため、信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める、光閉じ込め作用は強い。また、MMI部2531においても、MMI導波路2532が同様にメサ構造を有することから、光閉じ込め作用は強い。これに対し、光検出部2501では、光検出部701と同様に、入射した信号光をその進行方向に直交する方向に閉じ込める作用は弱い。
従って、受光素子2500においては、図1及び図2に示した受光素子100(スラブ領域が形成されない場合)と同様に、信号光は、幅が狭く光閉じ込め作用の強い導波路部2511及びMMI部2531から、突然、幅が十分に広く光閉じ込め作用が光検出部2501に入射することになる。この場合も、受光素子100の場合と同様に、光検出部2501が、信号光の光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がるのを抑制する能力は小さい。
しかしながら、受光素子2500では、上述のように、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、光検出部2501に入射する。光検出部2501に入射した信号光は吸収層2503において吸収される。このとき、MMI導波路2532の自己結像点が光検出部2501の導波路コア層2512内の、吸収層2503の下側の領域に位置しており、信号光は集光方向の伝播状態を有する。これにより、受光素子100の場合と比べて、入射した信号光のより多くの部分を、導波路コア層2512の吸収層2503の下側の領域に集めることができる。それによって、信号光のうち、光吸収に寄与しない、吸収層2503の外側の領域に放射する部分を減らすことができる。
これにより、受光素子2500においては、受光素子100(MMI導波路がない場合)と比べて、光吸収効率を向上させることができる。
さらに詳細には、図13に示したシミュレーション結果から明らかなように、受光素子2500においては、MMI導波路2532の長さLmmiを、自己結像が起こる長さの70%から100%の長さに設定することにより、受光素子100(MMI導波路がない場合)と比べて、光吸収効率を向上させることができる。
[3.第3実施例]
図30は、本発明の第3実施例に係る受光素子3000の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子3000の要部のみを示した図である。図31は、図30のE1−E2の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。図32(A)は、図30のE3−E4の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。図32(B)は、図30のE5−E6の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。図33(A)は、図30のE7−E8の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。図33(B)は、図30のE9−E10の破線で示した断面における受光素子3000の断面図である。
図30及び図31に示した受光素子3000は、埋め込み型受光素子と呼ばれるものである。受光素子3000は、図7に示した受光素子700と、導波路部、MMI部、スラブ領域及び光検出部の各々のメサ構造の側面部に埋め込み層が形成されている点で異なっているが、その他の部分については同様である。
図32に示したように、導波路部3011及びMMI部3031のメサ構造の側面部には、埋め込み層3041が形成されている。また、図33に示したように、スラブ領域3021及び光検出部3001のメサ構造の側面部には、n型半導体層3002上のn側電極が形成される領域を除いて、埋め込み層3042が形成されている。埋め込み層3041、3042の材料は、上部クラッド層3004及び3013の少なくとも一方と同一又は近似する半導体材料であるのが好ましい。埋め込み層3041、3042は、例えばSI−InP層である。
受光素子3000において、その他の構造は、図7から図10に示した受光素子700の構造と同一であるので、説明は省略する。受光素子300と受光素子700の間において、付された参照番号の下二桁が同じのものは、同一のものであることを示している。
従って、受光素子3000では、受光素子700と同様に、MMI導波路3032を設けたことによって、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、スラブ領域3021及び光検出部3001に入射する。これにより、受光素子3000では、図1から図4に示した受光素子100及び300と比べて、光吸収効率を向上させることができる。特に、受光素子3000においては、光閉じ込め作用が弱いスラブ領域が導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることが可能となる。
また、信号光が入射される側のMMI導波路3032の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部3031の端部(入射端部)までの長さを、MMI導波路732において自己結像が起こる長さLsiの70%より大きく、かつ100%よりも小さくした場合に、受光素子100及び300と比べて、光吸収効率を向上させることができる。
加えて、受光素子3000では、図33(A)に示したように、埋め込み層3042の材料がスラブ領域3021の上部クラッド層3013と同一又は近似する半導体材料である場合は、スラブ領域3021の構造は光学的に、より完全なスラブ構造となる。
すなわち、図10(A)に示したスラブ領域721では、メサ構造の側面部は空気で満たされているので、メサ構造の側面部の空気とメサ構造を構成する上部クラッド層713を構成する半導体材料との間の屈折率の差が生じる。スラブ領域721では、この屈折率の差に起因して、微弱ではあるが、一定の光閉じ込め作用が生じる。
これに対し、スラブ領域3021では、メサ構造を構成する上部クラッド層3013を構成する半導体材料と埋め込み層3042を構成する半導体材料が同一又は近似する場合、両者の間に屈折率の差が生じない。このことから、スラブ領域3021では、光閉じ込め作用がほとんど生じない。このため、スラブ領域3021における光閉じ込め作用は、受光素子700のスラブ領域721における光閉じ込め作用よりも、さらに弱くなる。
よって、受光素子3000では、上述の場合、スラブ領域3021が、信号光の光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がるのを抑制する能力は、スラブ領域721よりもさらに小さいものとなる。このことから、受光素子3000では、受光素子700よりも、スラブ領域に起因する光吸収効率の劣化が起こりやすい。
しかしながら、受光素子3000では、受光素子700と同様に、MMI導波路部3021の作用により、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、スラブ領域3021に入射する。これにより、スラブ領域3021においても、信号光を集光方向の伝播状態に維持することができ、信号光は集光方向の伝播状態を維持したまま、スラブ領域3021から光検出部3001に入射する。これにより、入射した信号光の多くの部分を、導波路コア層3012の吸収層3003の下側の領域に集めることができる。
従って、受光素子3000においては、光吸収効率の劣化がより起こりやすい埋め込み型受光素子の場合であっても、スラブ領域に起因する光吸収効率の劣化を抑制することができ、光吸収効率を向上させることができる。
尚、第2実施例に係る受光素子3000の構造の具体例としては、第1実施例に係る受光素子700の構造の具体例として説明した構成を用いることができる。但し、導波路部3011、MMI部3031、スラブ領域3021及び光検出部3001のメサ構造の側面部にはそれぞれ、SI−InP埋め込み層が形成される。
また、受光素子2500の製造方法についても、受光素子700の製造方法として説明した方法を用いることができる。但し、光検出部2501、スラブ領域2521、MMI部2531及び導波路2511にパッシベーション膜を形成する前に、SI−InP埋め込み層をする工程が追加される。
[4.第4実施例]
[4−1.受光素子3400の構造]
図34は、本発明の第4実施例に係る受光素子3400の構造の一例を示す斜視図であり、受光素子3400の要部のみを示した図である。図35は、図34のF1−F2の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。図36(A)は、図34のF3−F4の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。図36(B)は、図34のF5−F6の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。図37(A)は、図34のF7−F8の破線で示した断面における受光素子3400の断面図であり、図37(B)は、図34のF9−F10の破線で示した断面における受光素子3400の断面図である。
図34に示した受光素子3400は、図7に示した受光素子700と、導波路部、MMI部及びスラブ領域の構造が異なっているが、その他の部分については同様である。
図34及び図35に示したように、受光素子3400は、基板3414の上に設けられた光検出部3401と、同一の基板3414の上に設けられた導波路部3411と、同一の基板3414の上に設けられたスラブ領域3421と、同一の基板3414の上に設けられたMMI部3431を含む。
図36(A)に示したように、導波路部3411は、基板3414の上に形成された、リブ型の導波路層3412を含む。導波路層3412の材料は、例えば半導体である。導波路部3411では、導波路層の上に上部クラッド層が形成されない。信号光は導波路層3412の凸部(コア層)3413を伝播し、MMI部3431に入射する。
図37(B)に示したように、光検出部3401は、導波路層(コア層)3412、n型半導体層3402、i型吸収層3403、p型上部クラッド層3404及びp型コンタクト層3405が基板3414側から積層された構造を有する。この積層構造の各々の層の材料は、例えば半導体である。光検出部3401は、p型コンタクト層3405、上部クラッド層3404、吸収層3403及びn型半導体層3402の一部を含むメサ構造を有する。光検出部3401のメサ構造の幅は、導波路部3411のメサ構造の幅よりも広い。光検出部3401では、メサ構造の外側に、導波路層(コア層)3412及びn型半導体層3402を含む積層構造が残されている。n型半導体層3402、吸収層3403、及び上部クラッド層3404はPIN型のフォトダイオードを構成する。
ここで、n型半導体層3402は、その屈折率が導波路層3412の屈折率よりも高く、吸収層3403の屈折率よりも低くなるように形成される。すなわち、n型半導体層3402は、そのバンドギャップ波長が導波路層3412のバンドギャップ波長より長く、吸収層3403よりのバンドギャップ波長より短くなるように形成される。n型半導体層3402は信号光に対する吸収率が十分小さくなるような組成を有するように形成される。
図37(A)に示したように、スラブ領域3421は、基板3414の上に形成された、スラブ状(平板状)の導波路層(コア層)3412を含む。スラブ領域3421では、導波路層(コア層)3412の上に上部クラッド層は形成されない。スラブ領域3421は、光検出部3401とは異なり、導波路層(コア層)3412がスラブ状(平板状)に存在するが、吸収層及びn型半導体層を含むメサ構造が存在しない領域である。スラブ領域3421に入射した信号光は導波路層3412を伝播し、光検出部3401に入射する。
スラブ領域3421は、例えば、光検出部3401の製造工程において、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を解消するために、光検出部3401のメサ構造を形成するためのハードマスクを形成する際に、マージン領域を設けたことに起因して生じるものである。詳細については、後述する。
図36(B)に示したように、MMI部3431は、基板3414の上に形成された、リブ型の導波路層3412を含む。導波路層3412の材料は、例えば半導体である。MMI部3431では、導波路コア層3412の上に上部クラッド層が形成されない。MMI部3431に入射した信号光は導波路層3412の凸部(コア層)3413を伝播し、光検出部3401に入射する。導波路層3412は光検出部3401、導波路部3411、スラブ領域3421及びMMI部3431により共有されている。
MMI部3431は、1つの入力と1つの出力を有する1×1MMI導波路3432を含む。MMI部3431の導波路層3412の凸部(コア層)3413の少なくとも一部は、その幅が導波路部3411の導波路層3412の凸部(コア層)3413の幅よりも広くなっている。幅が広くなっている部分の導波路層3412の凸部(コア層)3413が、MMI導波路3432として機能する。MMI導波路3432の幅は、導波路部3411の導波路層3412の凸部(コア層)3413及び光検出部3401のメサ構造の双方の幅よりも広くなっている。
MMI導波路3432の長さLmmiは、MMI導波路3432の自己結像が起こる点(自己結像点)が、光検出部3401内、とりわけ光検出部3401の導波路層3412内の、吸収層3403の下側の領域に位置するような長さに設定される。さらに詳細には、MMI導波路3432の長さLmmiは、信号光が入射される側のMMI導波路3432の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部3431の端部(入射端部)までの長さが、MMI導波路3432において自己結像が起こる長さLsiの70%から100%となるように設定される。尚、MMI導波路3432の長さLmmiの設定については、第1実施例に係る受光素子700について説明したとおりである。
図35に示したように、受光素子3400では、信号光は導波路部3411において導波路層3412の凸部(コア層)3413を伝播し、MMI部3431においてMMI導波路3432に入射する。MMI導波路732と同様に、MMI導波路3432は、その出力部において、信号光をその進行方向に直交する方向に集光する。これにより、集光された信号光が、光検出部3401の導波路層(コア層)3412に入射する。入射した信号光は、導波路層3412からn型半導体層3402を介して吸収層3403に染み出し、吸収層3403において吸収される。
p型コンタクト層3405及びn型半導体層3402には、不図示のp側電極及びn側電極がそれぞれ接続されている。p側電極とn側電極の間に、p側電極を負電位、n側電極を正電位とする一定の電圧を印加することにより、吸収層3403における光吸収により発生したフォトキャリア(正孔及び電子)が上部クラッド層3404及びn型半導体層3402を介して検出される。それによって、光検出部3401は信号光を電気信号(フォトキャリア電流)として検出し、後段の電気回路に信号光の強度に対応する検出信号(フォトキャリア電流)を出力する。
以上説明した受光素子3400では、受光素子700と同様に、MMI導波路3432を設けたことによって、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、スラブ領域3421及び光検出部3401に入射する。これにより、受光素子3000では、光吸収効率を向上させることができる。特に、受光素子3400においては、光閉じ込め作用が弱いスラブ領域が導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることが可能となる。
また、信号光が入射される側のMMI導波路3432の端部(入力部)から、信号光が入射される側の光検出部3431の端部(入射端部)までの長さを、MMI導波路3432において自己結像が起こる長さLsiの70%より大きく、かつ100%よりも小さくした場合に、受光素子100及び300と比べて、光吸収効率を向上させることができる。
加えて、受光素子3400では、図37(A)に示したように、スラブ領域3421において導波路層3412の上部は何も形成されておらず、空気で満たされている。このため、スラブ領域3421の構造は光学的に完全なスラブ構造となる。
すなわち、スラブ領域3421では、光閉じ込め作用は全く生じない。このため、スラブ領域3421における光閉じ込め作用は、受光素子700のスラブ領域721における光閉じ込め作用よりも、さらに弱くなる。よって、受光素子3400では、スラブ領域3421が、信号光の光強度分布がその進行方向に直交する方向に広がるのを抑制する能力は、スラブ領域721よりもさらに小さいものとなる。このことから、受光素子3400では、受光素子700よりも、スラブ領域に起因する光吸収効率の劣化が起こりやすい。
しかしながら、受光素子3400では、受光素子700と同様に、MMI導波路部3421の作用により、信号光が集光方向の伝播状態を有した状態で、スラブ領域3421に入射する。これにより、スラブ領域3421においても、信号光を集光方向の伝播状態に維持することができ、信号光は集光方向の伝播状態を維持したまま、スラブ領域3421から光検出部3401に入射する。これにより、入射した信号光の多くの部分を、導波路層3412の吸収層3403の下側の領域に集めることができる。
従って、受光素子3400においては、光吸収効率の劣化が起こりやすい、リブ型導波路を有する受光素子の場合であっても、スラブ領域に起因する光吸収効率の劣化を抑制することができ、光吸収効率を向上させることができる。
尚、第4実施例に係る受光素子3400の構造の具体例としては、第1実施例に係る受光素子700の構造の具体例として説明した構成と同様の構成を用いることができる。但し、上述のように、導波路部3411の導波路層3412の上には、上部クラッド層は形成されない。また、導波路部3411において、例えば、導波路層3412の凸部(コア層)3413の幅は2.5μmとする。MMI部1531において、例えば、導波路層の凸部(コア層)3413の幅は5μmとし、その長さは50μmとする。
[4−2.受光素子3400の製造方法]
図38ないし図42は、図34から図37に示した受光素子3400の製造工程の一例を示す図である。各図において、上側の図は、基板の上方から見たときの平面図であり、受光素子3400の要部を示した図である。下側の図は、各平面図の破線で示した断面で見たときの断面図である。以下、図38から図42を用いて受光素子3400の製造方法の一例を説明する。
図38に示したように、SI−InP基板3801の上に、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法により、i−InGaAsP膜3802、n−InGaAsP膜3803、i−InGaAs膜3804、p−InP膜3805、及びp−InGaAsとp−InGaAsPの2層からなる積層膜3806を、堆積させる。ここで、i−InGaAsP膜3802の厚さが0.5μm、n−InGaAsP膜3803の厚さが0.5μm、i−InGaAs膜3804の厚さが0.5μmとなるように堆積を行う。また。p−InP膜3805とp−InGaAs/InGaAsP積層膜3806の厚さの合計が1.0μmとなるように堆積を行う。
次に、p−InGaAs/InGaAsP積層膜3806の上に、図34から図37に示した光検出部3401となる領域を覆うマスク3901を形成し、導波路部3411及びMMI部3431となる領域を選択的に露出させる。マスク3901としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。マスク3901を用いた周知のエッチングにより、図39に示したように、光検出部3401にのみn−InGaAsP膜3803、i−InGaAs膜3804、p−InP膜3805、及びp−InGaAs/InGaAsP積層膜3806を残し、導波路部3401及びMMI部3431からはこれらの膜を除去する。この処理により、導波路部3411及びMMI部3431では、i−InGaAsP膜3802が露出する。エッチングの後、マスク3901を除去する。
次に、p−InGaAs/InGaAsP積層膜3806及び露出したi−InGaAsP膜3802の上に、図40に示したような、光検出部3401においてメサ構造となる領域を覆うマスク4001を形成する。マスク4001は、導波路部3411及びMMI部3431については、凸部となる領域以外の領域も含めて、その大部分を覆うように形成される。マスク4001としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。
このとき、図40に示したように、マスク4001は、フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の問題を考慮して、マスクによって覆われない領域が、p−InGaAs/InGaAsP積層膜3806だけでなく、露出したi−InGaAsP膜3802の一部にまで及ぶように形成される。すなわち、マスク4001では、エッチングの対象となる領域を、光検出部3401においてメサ構造を形成するために除去される領域よりも広くとることにより、マスク位置合わせ誤差を吸収するためのマージン領域を設けている。フォトレジスト露光時のマスクの位置合わせ誤差の影響によりマスク4001の形成位置がずれた結果、光検出部3401の端部において、p−InGaAs/InGaAsP積層膜3806、p−InP膜3805、i−InGaAs膜3804及びn−InGaAsP膜3803を含む積層膜が除去されないまま残存し、その結果として吸収層が幅方向に広く残るのを防止するためである。
マスク4001を用いた周知のエッチングにより、図40に示したように、光検出部3401においてメサ構造を形成する。光検出部3401では、マスク4001を用いて、p−InGaAs/InGaAsP積層膜3806、p−InP膜3805及びi−InGaAs膜3804を除去するとともに、n−InGaAsP膜3803については途中の深さまで除去し、一部を残すようにする。この処理により、n−InGaAsP膜3803の一部が露出する。これにより、図34から図37に示した、n−InGaAsP半導体層3402、i−InGaAs吸収層3403、p−InPクラッド層3404及びコンタクト層3405が形成される。その結果、図37(B)に示したようなメサ構造が形成される。エッチングの後、マスク4001を除去する。
次に、露出したi−InGaAsP膜3802、エッチングにより形成されたメサ構造、及びエッチングにより露出したn−InGaAsP半導体層3402の上に、図41に示したような、導波路部3411及びMMI部3431においてメサ構造となる領域を覆うマスク4101を形成する。マスク4101は、エッチングにより形成されたメサ構造及びエッチングにより露出したn−InGaAsP半導体層3402については、その全体を覆うように形成される。マスク4101としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。
マスク4101を用いた周知のエッチングにより、図41に示したように、導波路部3411及びMMI部3431において導波路層の凸部(コア層)を形成する。導波路部3411及びMMI部3431では、マスク4101を用いて、i−InGaAsP膜3802の一部を除去する。これにより、図34から図37に示した、i−InGaAsP層3412及びその凸部(コア層)3413が形成される。その結果、図36(A)、(B)に示したような凸型の構造が形成される。エッチングの後、マスク4101を除去する。
このとき、図41に示したように、露出したi−InGaAsP膜3802のうち、マスク4101によって覆われた部分は、エッチングされずに残存する。この残存したi−InGaAsP膜3802からなるi−InGaAsPコア層3412に対応する領域が、スラブ領域3421となる。
次に、光検出部3401、スラブ領域3421、MMI部3431及び導波路3411において、金属電極が形成される領域を除いて、シリコン窒化膜等の誘電体からなるパッシベーション膜4201を形成する。その後、図42に示したように、光検出部3401において、メサ構造上部のp型コンタクト層3405の露出した領域に、金属蒸着、メッキなどの周知の形成方法によって、p側金属電極4202を形成する。また、n−InGaAsP半導体層3402の露出した領域に、金属蒸着、メッキなどの周知の形成方法によって、n側金属電極4203を形成する。尚、図42(A)の平面図では、構造の理解を容易にするために、パッシベーション膜1517の図示は省略している。
ここで、図42では、p側金属電極4202としてエアブリッジ構造の金属電極が用いられている。図42(B)の断面図から明らかように、この構造により、p側金属電極4202と、n側金属電極42036が接続されるn−InGaAsP半導体層3402とが空気によって電気的に絶縁される。
これにより、p側金属電極4202とn側金属電極4203の間に生じる寄生容量を低減することができる。よって、光検出部3401に生じる静電容量を小さくすることができるので、受光素子3400と後段の電気回路の間の伝送路において、CR時定数から求められる遮断周波数が高くなる。これにより、受光素子3400は、高周波数帯域においても後段の電気回路に十分な信号レベルを有する検出信号を供給することができ、後段の電気回路は高周波数帯域においても入力信号の処理をすることができる。
但し、p側金属電極については、エアブリッジ構造に限定されない。p側金属電極の形成位置に予め絶縁体を形成しておき、その上にp側金属電極を形成するようにしてもよい。また、図42では、PDについて導波路部3411及びMMI部3431と反対側の部分にn−InGaAsP半導体層3402が一部残っており、その上にパシベーション膜3417を介してp側電極4202を形成しているが、この反対側の部分のn−InGaAsP半導体層3402を除去することも可能である。これによって、p側電極の容量を低減し、高周波帯域の特性をより高めることも可能である。
上述の受光素子3400の製造方法では、導波路部3411及びMMI部3431において導波路層3412の上に上部クラッド層を堆積させる必要がない。そのため、製造工程を少なくすることができるとともに、受光素子の製造が容易になるという効果を奏する。
[5.第5実施例]
図43は、本発明の第5実施例に係る光受信器4300の構成の一例を示す図である。
図43に示した光受信器4300は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調の信号を復調するための光コヒーレントレシーバの一例を示すものである。光受信器4300は、位相変調の信号光を強度変調の信号光に変換する光ハイブリッド導波路と、フォトダイオード(PD)を同一の基板上に集積した導波路集積型の光受信器として、小型化や組立コストの削減の観点から有望である。
図43に示したように、光受信器4300は、光検出部4301、接続導波路部4302、光ハイブリッド導波路部4303及び入力導波路部4304を含む。光検出部4301は、4つのフォトダイオード(PD)素子4305〜4308を含む。接続導波路部4305は4つの接続導波路4309〜4312を含む。光ハイブリッド導波路部4303は、2つの入力と4つの出力を有する90度光ハイブリッドMMI導波路4313を含む。入力導波路部4303は2つの入力導波路4314、4315を含む。
入力導波路部4303の2つの入力導波路4314、4315は、90度光ハイブリッド導波路4313の2つの入力に接続される。接続導波路部4305の4つの接続導波路4309〜4312は、90度光ハイブリッド導波路4313の4つの出力に接続される。また、4つの接続導波路4309〜4312は、光検出部4301の対応するPD素子4305〜4308にそれぞれ接続される。
光受信器4300において、PD素子4305及び接続導波路4309の部分には、図7、図25、図30及び図34に示した第1ないし第4実施例の受光素子700、2500、3000及び3400のいずれかの光検出部、MMI部、スラブ領域及び導波路部を用いることができる。残りのPD素子4306及び接続導波路4312、PD素子4307及び接続導波路4310、及びPD素子4308及び接続導波路4311の部分についても同様である。また、光ハイブリッド導波路部4303及び入力導波路部4304は、接続導波路部4302と同様の層構造を有するものとして、光検出部4301及び接続導波路部4302と同一の基板上に形成される。
ここで、光受信器4300の動作について説明する。入力導波路4314にはQPSK変調の信号光が入射され、入力導波路4315には参照光として、ローカルオシレータ(Local Oscillator、以下LOと称する。)光が入射される。90度光ハイブリッド導波路4313は、入力導波路4314及び4315を介して信号光及びLO光を受けとる。90度光ハイブリッド導波路4313は、LO光と信号光とを干渉させることによりQPSK変調の信号光を復調し、互いに位相が180°ずれた相補のIチャネル信号光を生成するとともに、互いに位相が180°ずれた相補のQチャネル信号光を生成する。90度光ハイブリッド導波路4313は、接続導波路4309及び4310に相補のIチャネル信号光を出力するとともに、接続導波路4311及び4312に相補のQチャネル信号光を出力する。
PD素子4305及び4306はそれぞれ、接続導波路4309及び4310を介して90度光ハイブリッド導波路4313から相補のIチャネル信号光を受けとる。PD素子4305及び4306はそれぞれ、受けとったIチャネル信号光を電気信号として検出して、Iチャネル信号(電気信号)を生成する。PD素子4307及び4308はそれぞれ、接続導波路4311及び4312を介して90度光ハイブリッド導波路4313から相補のQチャネル信号光を受けとる。PD素子4307及び4308はそれぞれ、受けとったQチャネル信号光を電気信号として検出して、Qチャネル信号(電気信号)を生成する。
尚、上述の光ハイブリッド導波路4313には、一例として、4つの入力と4つの出力を有する4×4MMI導波路を用いることができる。この場合、入力導波路4314、4315が4×4MMI導波路の2つの入力に接続される。接続導波路4309〜4312は4×4MMI導波路の4つの出力に接続される。
第5実施例に係る光受信器4300においては、第1から第4実施例に係る受光素子700、2500、3000及び3400の場合と同様に、光吸収効率を向上させることができる。特に、光受信器4300においては、光閉じ込め作用が弱いスラブ領域が導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることが可能となる。
また、光検出部4301に含まれる4つのPD素子4305〜4308においては、それぞれ対応するスペーサ層が独立して形成される。これにより、各PD素子間において、p側電極だけでなくn側電極も電気的に分離させて形成することができ、各PD間の電気的な分離を十分にとることができる。従って、各PD素子間において不要なクロストークが発生するのを防止することができるので、光受信器4300では、エラーの少ない信号光の受信が可能となる。
尚、上記の第5実施例では、導波路集積型の光受信器として光コヒーレントレシーバの例を示したが、これには限定されない。PDと導波路が集積されている素子であればよく、そのような素子には第1〜第4実施例の受光素子を適用することができる。
[6.第6実施例]
図44は、本発明の第6実施例に係る光受信モジュール4400の構成の一例を示す図である。
図44に示した光受信モジュール4400は、DP−QPSK(Dual Polarization−Quadrature Phase Shift Keying)変調の信号を復調するための光コヒーレントレシーバモジュールの一例を示すものである。
図44に示したように、光受信モジュール4400は、光コヒーレントレシーバ4401、4402、トランスインピーダンス増幅器(Transimpedance amplifie、以下TIAと称する。)4403〜4406、偏光分離素子(Polarizing Beam Splitter、以下PBSを称する。)4407、4408、レンズ4409〜4414、及びミラー4415、4416を含む。また、光受信モジュール4400には、光ファイバケーブル4417、4418が接続される。
光受信モジュール4400は、光ファイバケーブル4417を介してDP−QPSK変調の信号光を受けとるとともに、光ファイバケーブル4418を介してLO光を参照光として受けとる。DP−QPSK変調の信号光は互いに直交した異なる偏光方向を有する2つの信号光を含み、2つの信号光はそれぞれ異なる信号を伝送している。
DP−QPSK変調の信号光はレンズ4409を介してPBS4407に入射し、PBS4407によって異なる偏光方向を有する2つの信号光に分離される。分離された2つの信号光の一方はレンズ4411を介して光コヒーレントレシーバ4401に入射し、他方はミラー4415及びレンズ4413を介して光コヒーレントレシーバ4402に入射する。LO光も同様にして、光コヒーレントレシーバ4401及び4402の各々に供給される。
光コヒーレントレシーバ4401及び4402にはそれぞれ、図43に示した第5実施例の光受信器4300を用いることができる。光コヒーレントレシーバ4401及び4402はそれぞれ、QPSK変調の信号光とLO光を受けとり、LO光と信号光とを干渉させることにより、QPSK変調の信号光を復調する。
光コヒーレントレシーバ4401は復調によって得られた相補のIチャネル信号光を相補の電気信号(Iチャネル信号)として検出する。光コヒーレントレシーバ4401は復調によって得られた相補のQチャネル信号光を相補の電気信号(Qチャネル信号)として検出する。光コヒーレントレシーバ4401は、検出によって得られた相補のIチャネル信号(電気信号)をTIA4403に供給するとともに、検出によって得られた相補のQチャネル信号(電気信号)をTIA4404に供給する。同様に、光コヒーントレシーバ4402は相補のIチャネル信号をTIA4405に供給し、相補のQチャネル信号をTIA4406に供給する。
TIA4403〜4406はそれぞれ、相補のIチャネル信号又は相補のQチャネル信号を受けとり、その信号レベルを差動増幅する。
第6実施例に係る光受信モジュール4400においては、第5実施例に係る光受信器4300の場合と同様に、光コヒーレントレシーバにおいて、光吸収効率を向上させることができる。特に、光受信器4300においては、光閉じ込め作用が弱いスラブ領域が導波路部と光検出部の間に形成された場合であっても、光吸収効率を向上させることが可能となる。
また、光コヒーレントレシーバに含まれる複数のPD素子においては、それぞれ対応するスペーサ層が独立して形成される。これにより、各PD素子間において、p側電極だけでなくn側電極を電気的に分離させて形成することができ、各PD素子間の電気的な分離を十分にとることができる。従って、各PD素子間において不要なクロストークが発生するのを防止することができるので、光受信モジュール4400では、エラーの少ない信号光の受信が可能となる。
以上、本発明の例示的な実施形態の受光素子、光受信器及び光受信モジュールについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の第1ないし第6実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
導波路コアを含む導波路と、
前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路コアからの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、
前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層を含む光検出部と、
を有し、
前記導波路からの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さであることを特徴とする受光素子。
(付記2)
前記導波路からの前記出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路から出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さをL、前記導波路コアからの出射光の波長をλ、前記多モード干渉導波路の有効導波路幅をWeff、前記多モード干渉導波路の有効屈折率をnr、Nを自然数とすると、
(N−0.3)・nr・Weff/λ ≦ L ≦ N・nr・Weff/λ
の関係を満たすことを特徴とする付記2記載の受光素子。
(付記3)
前記光検出部の第1半導体層の底面の幅は前記多モード導波路の幅及び前記吸収層の幅よりも広いことを特徴とする付記1又は2記載の受光素子。
(付記4)
前記光検出部の吸収層の幅は、前記多モード干渉導波路の幅よりも狭いことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の受光素子。
(付記5)
前記第1半導体層は、前記導波路および多モード干渉導波路と共通の導波路コア層と前記導波路コア層の上に堆積された、前記導波路コア層よりも屈折率が高い半導体層を含むことを特徴とする付記1ないし4のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記6)
前記第1半導体層は、前記導波路コアより屈折率の高い単一の半導体層であることを特徴とする付記1ないし5のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記7)
前記多モード干渉導波路と前記光検出部の間に設けられ、前記吸収層に覆われない導波路コアが幅方向に延在しているスラブ領域をさらに有し、
前記多モード干渉導波路からの出射光は前記スラブ領域を介して前記光検出部に入射されることを特徴とする付記1ないし6のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記8)
前記導波路、前記多モード干渉導波路および前記スラブ領域の導波路コアの上にクラッド層をさらに有することを特徴とする付記7記載の受光素子。
(付記9)
前記多モード干渉導波路は、前記光検出部に隣接して配置されており、
前記多モード干渉導波路からの出射光は前記光検出部の第1半導体層に直接入射されることを特徴とする付記1ないし6のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記10)
前記多モード干渉導波路の長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さであることを特徴とする付記9記載の受光素子。
(付記11)
前記導波路及び前記多モード干渉導波路の側面を覆うように形成された第1半導体埋め込み層と、
前記吸収層の側面を覆うように形成された第2半導体埋め込み層と
をさらに有することを特徴とする付記1ないし10のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記12)
前記吸収層の側面を覆い、前記スラブ領域を覆うように形成された半導体埋め込み層と
をさらに有し、
前記半導体埋め込み層の屈折率は、前記クラッド層の屈折率と同一であることを特徴とする付記8記載の受光素子。
(付記13)
前記第1半導体層のうち、少なくとも一部の層は第1導電型の半導体層であり、
前記吸収層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型を有する導電性クラッド層をさらに有することを特徴とする付記1ないし12のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記14)
前記導波路及び前記多モード干渉導波路はそれぞれ、その側面が半導体によって覆われていないハイメサ構造を有することを特徴とする付記1ないし10のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記15)
前記第1導電型の半導体層、前記吸収層及び前記導電性クラッド層はPIN型のフォトダイオードを構成することを特徴とする付記1ないし14のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記16)
前記導波路、前記多モード干渉導波路及び前記光検出部は、同一基板上に設けられていることを特徴とする付記1ないし15のいずれか一つ記載の受光素子。
(付記17)
導波路コアを含む導波路と、
前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路からの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層とを含む光検出部と
を有し、
前記多モード干渉導波路の長さは、前記多モード干渉導波路の自己結像が起こる点が前記光検出部の第1半導体層内の前記吸収層の下側の領域に位置するように設定された長さであることを特徴とする受光素子。
(付記18)
導波路コアを含む導波路と、
前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路コアからの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層とを含む光検出部と
を有し、
前記導波路からの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さよりも小さく、かつ、前記多モード干渉導波路がない場合の光吸収効率と同じ光吸収効率が得られる長さよりも大きいことを特徴とする受光素子。
(付記19)
前記第1半導体層のうち、少なくとも一部の層は第1導電型の半導体層であり、
前記吸収層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型を有する導電性クラッド層
をさらに有することを特徴とする付記17又は18記載の受光素子。
(付記20)
基板の第1領域に設けられ、複数の入射光を伝播させる第1導波路部と、
前記基板の第2領域に設けられ、前記複数の入射光が入射され、前記複数の入射光に基づいて複数の出射光を生成する第2導波路部と、
前記基板の第3領域に設けられ、前記複数の出射光を伝搬させる複数の導波路を含む第3導波路部と、
前記基板の第4領域に設けられ、それぞれ、前記複数の導波路より前記複数の出射光が入射される複数の光検出素子を含む光検出部と
を有する光受信器であって、
前記複数の導波路の各々は、
対応する前記出射光が入射され、導波路コアを含む導波路と、
前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路コアからの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
を有し、
前記複数の光検出素子の各々は、
少なくとも1つの層からなり、対応する前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、
前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層と、
を有し、
前記導波路コアからの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さであることを特徴とする光受信器。
(付記21)
前記複数の入射光は信号光と参照光を含み、
前記第2導波路部は、前記信号光と前記参照光を干渉させることにより、前記複数の出射光を生成する多モード干渉導波路を含むことを特徴とする付記20記載の光受信器。
(付記22)
前記第1半導体層のうち、少なくとも一部の層は第1導電型の半導体層であり、
前記吸収層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型を有する導電性クラッド層をさらに有することを特徴とする付記20又は21記載の光受信器。
(付記23)
複数の入射光が入射され、前記複数の入射光を検出して前記複数の入射光に応じた複数の電気信号を出力する複数の光受信器と、
前記複数の電気信号が入力され、前記複数の電気信号を増幅する複数の増幅器と
を有する光受信モジュールであって、
前記複数の光受信器の各々は、
基板の第1領域に形成され、前記複数の入射光を伝播させる第1導波路部と、
前記基板の第2領域に形成され、前記複数の入射光が入射され、前記複数の入射光に基づいて複数の出射光を生成する第2導波路部と、
前記基板の第3領域に形成され、前記複数の出射光を伝搬させる複数の導波路を含む第3導波路部と、
前記基板の第4領域に形成され、前記複数の導波路より前記複数の出射光が入射される複数の光検出素子を含む光検出部と
を有し、
前記複数の導波路の各々は、
対応する前記出射光が入射され、導波路コアを含む導波路と、
前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路からの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
を有し、
前記複数の光検出素子の各々は、
少なくとも1つの層からなり、対応する前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、
前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層と、
を有し、
前記導波路コアからの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さであることを特徴とする光受信モジュール。
(付記24)
前記第1半導体層のうち、少なくとも一部の層は第1導電型の半導体層であり、
前記吸収層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型を有する導電性クラッド層をさらに有することを特徴とする付記23記載の光受信モジュール。
100 光受信器、
101 光検出部、
102 n型半導体層、
103 i型吸収層、
104 p型上部クラッド層
105 p型コンタクト層、
111 導波路部111
112 導波路コア層
113 上部クラッド層、
114 基板114、
300 光受信器、
301 光検出部、
302 n型半導体層、
303 i型吸収層、
304 p型上部クラッド層、
305 p型コンタクト層
311 導波路部、
312 導波路コア層、
313 上部クラッド層、
314 基板、
321 スラブ領域、
700 光受信器、
714 基板、
701 光検出部、
702 n型半導体層、
703 i型吸収層、
704 p型上部クラッド層、
705 p型コンタクト層、
711 導波路部、
712 導波路コア層
713 上部クラッド層
714 基板、
721 スラブ領域、
731 MMI部、
732 MMI導波路、
1100 MMI導波路、
1101 入力部
1102 出力部
1500 光受信器、
1514 SI−InP基板、
1501 光検出部、
1502 n−InGaAsP半導体層、
1503 i−InGaAs吸収層、
1504 p−InPクラッド層、
1505 p型コンタクト層、
1511 導波路部、
1512 i−InGaAsPコア層、
1513 i−InPクラッド層、
1515 p側金属電極、
1516 n側金属電極、
1517 パッシベーション膜、
1521 スラブ領域、
1531 MMI部、
1532 MMI導波路、
1901 SI−InP基板、
1902 i−InGaAsP膜、
1903 n−InGaAsP膜、
1904 i−InGaAs膜、
1905 p−InP膜、
1906 p−InGaAs/InGaAsP積層膜、
2001 マスク、
2101 i−InP膜、
2201 マスク、
2301 マスク、
2500 光受信器、
2514 基板、
2501 光検出部、
2502 n型半導体層、
2503 i型吸収層、
2504 p型上部クラッド層、
2505 p型コンタクト層、
2511 導波路部、
2512 導波路コア層
2513 上部クラッド層
2514 基板、
2531 MMI部、
2532 MMI導波路、
3000 光受信器、
3014 基板、
3001 光検出部、
3002 n型半導体層、
3003 i型吸収層、
3004 p型上部クラッド層、
3005 p型コンタクト層、
3011 導波路部、
3012 導波路コア層
3013 上部クラッド層
3014 基板、
3021 スラブ領域、
3031 MMI部、
3032 MMI導波路、
3041 埋め込み層、
3042 埋め込み層、
3400 光受信器、
3414 基板、
3401 光検出部、
3402 n型半導体層、
3403 i型吸収層、
3404 p型上部クラッド層、
3405 p型コンタクト層、
3411 導波路部、
3412 導波路層
3413 凸部
3414 基板、
3421 スラブ領域、
3431 MMI部、
3432 MMI導波路、
3801 SI−InP基板、
3802 i−InGaAsP膜、
3803 n−InGaAsP膜、
3804 i−InGaAs膜、
3805 p−InP膜、
3806 p−InGaAs/InGaAsP積層膜、
3901 マスク、
4001 マスク、
4101 マスク、
4201 パッシベーション膜、
4202 p側金属電極、
4203 n側金属電極、
4300 光受信器、
4301 光検出部、
4302 接続導波路部、
4303 MMI導波路部、
4304 入力導波路部、
4305〜4508 フォトダイオード(PD)素子、
4309〜4312 接続導波路、
4313 MMI導波路、
4314、4315 入力導波路、
4400 光受信モジュール、
4401、4402 光コヒーレントレシーバ、
4403〜4406 トランスインピーダンス増幅器(TIA)、
4407、4408 偏光分離素子(PBS)、
4409〜4414 レンズ、
4415、4416 ミラー、
4417、4418 光ファイバケーブル

Claims (10)

  1. 導波路コアを含む導波路と、
    前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路からの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
    少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された光を吸収する吸収層とを含む光検出部と、
    を有し、
    前記導波路からの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される光検出部の端部までの長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さであることを特徴とする受光素子。
  2. 前記第1半導体層は、前記導波路および多モード干渉導波路と共通の導波路コア層と前記導波路コア層の上に堆積された、前記導波路コア層よりも屈折率が高い半導体層からなることを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  3. 前記第1半導体層は、前記導波路コアより屈折率の高い単一の半導体層であることを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  4. 前記光検出部の第1半導体層の底面の幅は前記多モード干渉導波路の幅よりも広く、かつ、前記光検出部の吸収層の幅は前記多モード干渉導波路の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の受光素子。
  5. 前記多モード干渉導波路と前記光検出部の間に設けられ、前記吸収層に覆われない導波路コアが幅方向に延在しているスラブ領域をさらに有し、
    前記多モード干渉導波路からの出射光は前記スラブ領域を介して前記光検出部入射されることを特徴とする請求項3記載の受光素子。
  6. 前記導波路、前記多モード干渉導波路および前記スラブ領域の導波路コアの上にクラッド層をさらに有することを特徴とする請求項5記載の受光素子。
  7. 前記吸収層の側面を覆い、前記スラブ領域を覆うように形成された半導体埋め込み層と
    をさらに有し、
    前記半導体埋め込み層の屈折率は、前記クラッド層の屈折率と同一であることを特徴とする請求項4記載の受光素子。
  8. 導波路コアを含む導波路と、
    前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路からの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
    少なくとも1つの層からなり、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層とを含む光検出部と、
    を有し、
    前記多モード干渉導波路の長さは、前記多モード干渉導波路の自己結像が起こる点が前記光検出部の第1半導体層内の前記吸収層の下側の領域に位置するように設定された長さである
    ことを特徴とする受光素子。
  9. 前記第1半導体層のうち、少なくとも一部の層は第1導電型の半導体層であり、
    前記吸収層の上に前記第1導電型と反対の第2導電型を有する導電性クラッド層をさらに有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つ記載の受光素子。
  10. 複数の入射光が入射され、前記複数の入射光を検出して前記複数の入射光に応じた複数の電気信号を出力する複数の光受信器と、
    前記複数の電気信号が入力され、前記複数の電気信号を増幅する複数の増幅器と
    を有する光受信モジュールであって、
    前記複数の光受信器の各々は、
    基板の第1領域に形成され、前記複数の入射光を伝播させる第1導波路部と、
    前記基板の第2領域に形成され、前記複数の入射光が入射され、前記複数の入射光に基づいて複数の出射光を生成する第2導波路部と、
    前記基板の第3領域に形成され、前記複数の出射光を伝搬させる複数の導波路を含む第3導波路部と、
    前記基板の第4領域に形成され、前記複数の導波路より前記複数の出射光が入射される複数の光検出素子を含む光検出部と
    を有し、
    前記複数の導波路の各々は、
    対応する前記出射光が入射され、導波路コアを含む導波路と、
    前記導波路の幅より広い幅を有し、前記導波路からの出射光が入射される多モード干渉導波路と、
    を有し、
    前記複数の光検出素子の各々は、
    少なくとも1つの層からなり、対応する前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される第1半導体層と、
    前記第1半導体層の上に設けられ、前記第1半導体層に入射された出射光を吸収する吸収層と、
    を有し、
    前記導波路コアからの出射光が入射される前記多モード干渉導波路の端部から、前記多モード干渉導波路からの出射光が入射される前記光検出部の端部までの長さが、前記多モード干渉導波路において自己結像が起こる長さの70%から100%までの長さである
    ことを特徴とする光受信モジュール。
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