JP2012176553A - タイヤ加硫装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生タイヤを下金型3及び上金型4に分離可能な金型内に入れて加熱及び加圧することで完成タイヤの形状に仕上げるタイヤ加硫装置1Aであって、上金型4をベース2に固定設置された下金型3に向けて押圧する加硫位置と、下金型4との間で生タイヤ搬入及び完成タイヤ搬出を行うことを可能とする退避位置との間を、下金型3から分離・上昇させた上金型4が移動台車14の動作により往復移動可能なスライドバック機構を備え、上金型4が、昇降シリンダ12の動作により移動台車14に設けられたガイド用穴に沿って昇降移動するタイロッド13と一体となったビーム11の下方に加圧シリンダ機構30を介して取り付けられている。
【選択図】図1
Description
このようなタイヤ加硫装置においては、特に、タイヤ外径が1.5mを超えるような大型タイヤを製造するタイヤ加硫装置においては、加硫前の生タイヤ搬入や加硫後の完成タイヤ搬出を容易にするため、下金型から分離・上昇させた上金型を退避位置に移動させるスライドバック方式の構造を採用したものがある。
この昇降・スライド機構10は、図6に実線で表示した金型全閉状態の加硫位置(下金型3と同心の位置)と、想像線で表示した金型全開後にスライドバックした待避位置との間を、移動台車14によって矢印15で示す水平方向に往復移動が可能となっている。
加圧シリンダ21とタイロッド13との間は、昇降・スライド機構10が金型全閉状態の位置にあるとき、加圧シリンダ21側のクランプガイド22の中にあるクランププレート13aとタイロッド13とが係合するので、加圧シリンダ21によるタイロッド13の引き上げが可能となる。
また、下記の特許文献1には、上部ボルスターとともに上金型を上昇させた状態で、上部ボルスターを残して下部ボルスターのみを加硫位置から略水平に移動可能にした構成が開示されている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、昇降・スライド機構を待避位置までスライドバックさせる方式のタイヤ加硫装置において、加硫時の上金型による加圧力を均一にすることができるタイヤ加硫装置を提供することにある。
本発明に係るタイヤ加硫装置は、生タイヤを下金型及び上金型に分離可能な金型内に入れて加熱及び加圧することで完成タイヤの形状に仕上げるタイヤ加硫装置であって、前記上金型をベース部材に固定設置された前記下金型に向けて押圧する加硫位置と、前記下金型との間で生タイヤ搬入及び完成タイヤ搬出を行う際の退避位置との間を、前記下金型から分離・上昇させた前記上金型が移動台車の動作により往復移動可能なスライドバック機構を備え、前記上金型が、昇降シリンダの動作により前記移動台車に設けられたガイド用穴に沿って昇降移動するタイロッドと一体になった水平ビームの下方に加圧シリンダ機構を介して取り付けられていることを特徴とするものである。
さらに、上金型を吊る専用冶具として吊り部材を設けたので、加硫位置と退避位置との間を往復移動してもフリー状態の加圧シリンダに慣性力が作用することはなく、さらに、水平ビームと加圧受板との熱膨張差が生じた場合でも、水平方向の荷重が加圧シリンダに作用することはないので、これによっても、加圧シリンダの耐久性や信頼性が向上する。
図1〜4に示すタイヤ加硫装置1Aは、生タイヤを下金型3及び上金型4に分離可能な金型内に入れて加熱及び加圧することにより、完成タイヤの形状に仕上げる加硫成形を行う装置である。なお、金型内部には、タイヤの内側形状を形成するため、図示しないブラダが配設されている。
この場合、スライドバック機構による上金型4の往復移動は、昇降・スライド機構10A及び加圧シリンダ機構30とともに行われる。
このタイロッド13は、水平方向に配置されているビーム11の両端部付近を貫通し、ビーム11に固定されている。
すなわち、移動台車14上には左右一対のタイロッド13をガイドする穴があり、このタイロッド13がビーム11の両端部付近を貫通し固定されているので、昇降シリンダ12から押圧力を受けるビーム11は、スライド可能に支持する移動台車14の穴をガイドにして昇降する。
この加圧機構30は、上金型4の上端部に固定された加圧受板31と、この加圧受板31の上面に固定設置された加圧シリンダ32と、加圧受板31とビーム11との間を連結する吊り棒33とを具備して構成される。
ここで、吊り棒33について具体的に説明すると、吊り棒33の上端部側は、ビーム11の下面に固定支持されている。そして、吊り棒33の下端部側には、加圧円板31に穿設した貫通孔31aを通り抜ける細径部33aが設けられ、さらに細径部33aより下方には、加圧受板31の下面と係合する保持面33bが形成されている。すなわち、金型全開時の状態では、上金型4及び加圧シリンダ32と一体に連結された加圧受板31が、3本の吊り棒33に形成した保持面33bで荷重を受けてビーム11の下面に吊り下げられている。
このような隙間Sbが形成されるように細径部33aを設けると、昇降シリンダ12を操作して金型全閉の状態にすると、ピストンロッド32aの上面がビーム11の下面に接して隙間Saは0となる。このとき、細径部33aは加圧受板31の上面及び下面から突出した状態にあり、隙間Sc及び隙間Sdが形成されて遊嵌された状態にある。
また、上述した吊り棒33により上金型4を吊り下げる構造は、ビーム11と上金型4とが加圧シリンダ32で連結されている場合、移動台車14によるスライドバック時の慣性力で加圧シリンダ32に水平方向の荷重が作用することを防止できる。さらに、水平ビーム11と加圧受板31との熱膨張差が生じた場合でも、水平方向の荷重が加圧シリンダ21に作用することを防止できる。すなわち、スライドバック時の加圧シリンダ32はフリーの状態となるため、水平方向の荷重が作用することは一切なく、熱膨張等の影響も受けないので、加圧シリンダ32を金型加圧に特化することができる。
さらに、上金型4を吊る専用冶具として吊り部材33を設けたので、加硫位置と退避位置との間を往復移動してもフリー状態の加圧シリンダ32に慣性力が作用することはなくなり、また、水平ビーム11と加圧受板31との熱膨張差が生じた場合でも、水平方向の荷重が加圧シリンダ32に作用しなくなり、これによっても、加圧シリンダ32の耐久性や信頼性は向上する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 ベース
3 下金型
4 上金型
5 ボルスタープレート
10,10A 昇降・スライド機構
11 ビーム(水平ビーム)
12 昇降シリンダ
13 タイロッド
14 移動台車
20 加圧機構
21 加圧シリンダ
30 加圧シリンダ機構
31 加圧受板
32 加圧シリンダ
33 吊り棒
34 冷却板
Claims (4)
- 生タイヤを下金型及び上金型に分離可能な金型内に入れて加熱及び加圧することで完成タイヤの形状に仕上げるタイヤ加硫装置であって、
前記上金型をベース部材に固定設置された前記下金型に向けて押圧する加硫位置と、前記下金型との間で生タイヤ搬入及び完成タイヤ搬出を行うことを可能とする退避位置との間を、前記下金型から分離・上昇させた前記上金型が移動台車の動作により往復移動可能なスライドバック機構を備え、
前記上金型が、昇降シリンダの動作により前記移動台車に設けられたガイド用の穴に沿って昇降移動するタイロッドと一体となった水平ビームの下方に加圧シリンダ機構を介して取り付けられていることを特徴とするタイヤ加硫装置。 - 前記加圧シリンダ機構が複数配設されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫装置。
- 前記加圧シリンダ機構と前記上金型との間に設けた冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ加硫装置。
- 前記加圧シリンダ機構は、前記水平ビームに取り付けられ、全開の上金型上昇位置にある前記上金型を吊り下げた状態にして支持する吊り部材を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫装置。
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