JP2012161240A - 電池駆動車両のパワーフロー制御方法および制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電化区間と非電化区間に跨って運行する駆動用電池搭載車両における二次電池15の充放電制御系において、充電要求時には定電流定電圧充電制御31を行い、放電請求時にはパンタ電流抑制制御32を行い、充放電不要時には電池電流0制御を行うが、これら制御出力が直流電圧制御22の指令値を修正するようにした。
【選択図】 図3
Description
一方、近年、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなど、蓄電装置の性能が向上したため、蓄電装置を搭載して電化区間におけるパワーアシストに利用したり、非電化区間において充電ステーションで適宜充電して車両駆動系に使用したりする電池搭載車両が開発されている。
しかし、開示の架線レス交通システムは、電化区間に設けられる架線を利用する構成を備えず、電化区間と非電化区間を通して運行する電車に適用することは考慮されていない。
駆動用電池を車載することにより非電化区間走行が可能となるが、電化区間を走行している間に次の非電化区間を走りきれるだけの電力量を電池に充電しておかなければならない。また、ラッシュ時間帯においては複数の列車が同時に力行する確率が高くなり架線電圧が下がり気味となる。架線電圧が下がりすぎると所定の加速性能が発揮できずに列車が遅延して、列車運行に障害を来す場合がある。
したがって、電化区間と非電化区間を跨って運行する駆動用蓄電装置を搭載した電車を円滑に運用するためには、システムに適合した電池充放電制御技術が求められる。
パンタグラフが上がっていて、SOCが所定値より高いかブレーキが働いている状態を検知したときに、放電要求時と判定して制御を切り替えればよいが、判定論理はこれに限定されないことはいうまでもない。
なお、列車が回生状態にある場合は、回生失効を防ぎかつ回生電力を有効に蓄えるために電池充電がされることになる。これは、上記のパンタ電流抑制制御が働くからである。
なお、ここで、パンタ電流とは、架線とパンタグラフの間に流れる電流をいう。
図1は本実施例に係るパワーフロー制御を適用する電池駆動車両の充放電制御装置の回路図、図2は本実施例のパワーフロー制御方法において電化区間と非電化区間における運転状態と二次電池の充電状態にしたがって変化する電力のフローを説明する図面、図3は本実施例のパワーフロー制御装置の回路図、図4は本実施例のパワーフロー制御装置において制御モードを切り換えるスイッチを操作するロジックを説明する論理図である。
本実施例のパワーフロー制御回路17により制御される四象限チョッパ回路16の一端側にパンタグラフ12の電力取り込み線を接続し、他端側にニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池15を接続する。
パンタグラフ12は架線11から直流電力を取り込んで直流リンク線を介してインバータ13に供給する。インバータ13は、入力された直流電力を交流に変換してモータ14に供給し回転駆動する。図外の車両はモータ14の回転により軌道上を走行する。
もちろん、電化区間を走行する間に架線11の電圧が不足したりした場合にも、二次電池15から電力を補充することができる。
制御回路17には、本発明のパワーフロー制御機能が組み込まれている。
Vo=γ1Vi
ViIton=(Vo−Vi)Itoff
ここで、T=ton+toff、b=toff/T、出口側レグの通流率γ2=ton/Tとすれば、
γ2+b=1
Vo=ViT/toff=Vi/(1−γ2)
図2は、電化区間を運行する間の運転状態図を(a)〜(i)の9図、非電化区間における運転状態図を(j),(k),(m)の3図に示したものである。
(a)図は二次電池のSOCが高いときの状態で、パンタグラフが架線に接触しているにもかかわらずパンタ電流が0になるようにパンタ電流抑制制御を行い、SOCが適正値に低下するまで二次電池から供給される電力が電動機を作動させる主制御装置と空調機などの補機に供給されるようにする。
(b)図はSOCが適正な範囲にあるときで、二次電池は充放電せず、パンタグラフから取り込んだ電力のみが主制御装置と補機に供給されるようにする。ただし、直流リンク電圧が低下した場合は運転可能な値に保つため二次電池からアシスト放電を行う。
(c)図はSOCが低いときで、パンタグラフから取電した電力の一部を使ってSOCが適正値になるまで二次電池の充電をする。
図2(e)はブレーキを掛けたときで回生電力が補機電力より小さい場合を示し、パンタ電流を0に抑制し直流リンク電圧の変動を抑えることで、電動機からの回生電力では補機動力に不足する分を二次電池から補給する。
図2(f)はブレーキを掛けたときであって、回生電力が補機電力より大きい場合を示す。このような場合には、パンタ電流を0に抑制し直流リンク電圧の変動を抑えることで、補機に使った余りの回生電力を二次電池に補給して蓄積させる。
(h)図はSOCが適正な範囲にあるときで、二次電池は基本的に充放電せず、補機にはパンタグラフから取り込んだ電力のみが供給されるようにする。
(i)図はSOCが低いときで、架線から供給される電力は補機に供給されるほかに、二次電池にも供給される。
図2(k)は非電化区間でブレーキを掛けて電動機で回生電力が発生しているときの状態を表し、二次電池のSOCが所定の高値より低い場合は回生電力が補機に供給される他に二次電池にも供給される。ただし、SOCが所定値より高いときは電池に充電しない。
図2(m)は非電化区間で停車中の状態を示すもので、空調等の補機は停車中でも稼働させる必要があるので、二次電池からの放電電力で直流リンク電圧を一定に制御することで、必要な動力を供給する。
図3のパワーフロー制御回路17は、チョッパ通流率を調整するための半導体スイッチオンオフ操作信号を生成する第2制御系と、第2制御系の設定値信号となる直流リンク電圧指令値に必要な変成を加えるための第1制御系とから構成される。
図4に例示したように、パンタグラフ12が上がって架線に接触していること、二次電池のSOCが低いこと、またSOCが高くないこと、ブレーキが働いていないこと、あるいは運転台における充電指令スイッチがオンであることなどの条件が満たされるときスイッチがオンして定電流定電圧充電制御器31が接続される。
また、二次電池にはSOC検出手段が設けられていて、その出力からSOCを知ることができる。
本実施例においては、SOCの保持されるべき範囲は60〜80%であり、好ましくは70〜78%である。したがって、二次電池のSOCが低いとは、SOCが下限値の60%あるいは70%より低いことをいい、SOCが高くないとは上限値の80%あるいは78%より低いことをいう。
ただし、回生時には、充放電不要スイッチ44が作動しても、別途、パンタ電流抑制制御が働いて電池が充電される。回生電力が吸収あるいは消費されないと回生失効が起こり、車両の運行状悪影響が出ると共に省エネに反することになるので、余剰の回生電力を電池に蓄えている。
このスイッチにより、充電初期においては電流制御して充電に必要な時間の短縮を図り、充電末期においては一定電圧で充電することにより過電圧を防止して電池を保護する。
そこで、電池走行では直流リンク電圧制御器22により、たとえば設定値600Vとして直流リンク電圧制御を行って、直流リンク電圧の変動を抑えることにより、回生電力による電力増加分を二次電池15に充電する。
上下限リミッタ51の上限値は、スイッチング素子の耐圧により決まる。本実施例では、公称電圧600Vの時に使用する素子に対して、750Vに設定したが、700Vや800Vとしてもよい。また、公称電圧が変われば上限値も変化する。
また、上限値としては、インバータを含めたモータからなる駆動系の動作可能な下限電圧を設定する。本実施例では公称電圧600Vに対して500Vとしたが、450Vあるいは550Vであってもよい。また、公称電圧が変われば下限値も変化する。
なお、二次電池としては、アルカリイオン電池やニッケル水素電池など特に充放電特性に優れたものを使用することが好ましいが、鉛蓄電池なども利用できることはいうまでもない。
電池の電流制御は、電池の状態や環境条件によって電池特性が変化するため、電流振動が発生するなど制御性が悪化する場合がある。PI−D制御を適用することで、指令値変化による外乱を与えることなく、微分補償をかけ、電池の内部抵抗低下などの特性変動による振動発生を抑える効果が得られる。
12 パンタグラフ
13 インバータ
14 モータ
15 二次電池
16 パルス幅変調方式可逆チョッパ回路
17 制御回路
21 電池電流制御器
22 直流リンク電圧制御器
23 ダンピング制御器
31 定電流定電圧充電制御器
32 パンタ電流抑制制御器
33 電池電流0制御器
34 SOC制御器
35 電池電圧制御器
36 残距離補正器
37 電池温度補正器
41 充電要求スイッチ
42 放電要求スイッチ
43 定電圧充電スイッチ
44 充放電不要スイッチ
51 上下限リミッタ
Claims (11)
- 電化区間と非電化区間に跨って運行する二次電池を搭載した車両における二次電池の充放電制御系において、充電要求時には電池電流が電池電流目標値になるようにフィードバック制御する定電流定電圧充電制御の制御出力が、放電要求時にはパンタ電流が0になるようにフィードバック制御するパンタ電流抑制制御の制御出力が、充放電不要時には電池電流を0にするようにフィードバック制御する電池電流0制御の制御出力が、直流リンク電圧制御の指令値を修正することを特徴とする二次電池搭載車両のパワーフロー制御方法。
- 前記二次電池のSOCがSOCの目標値になるようフィードバック制御するSOC制御の制御出力が、前記定電流定電圧充電制御における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項1記載のパワーフロー制御方法。
- 電池温度に基づいて定められる充電電流補正値が、前記定電流定電圧充電制御における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項1または2記載のパワーフロー制御方法。
- 車両位置から非電化区間までの残り距離を求め、該残り距離に基づいて定められる補正値が、前記定電流定電圧充電制御における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパワーフロー制御方法。
- 充電要求時であって定電流充電要求時には、電池電圧が電池電圧指令値になるようにフィードバック制御する電池電圧制御の制御出力を、前記定電流定電圧充電制御における目標値とすることを特徴とする請求項1記載のパワーフロー制御方法。
- 直流リンク電圧が直流電圧指令値になるようにフィードバック制御する直流リンク電圧制御に、電池電流制御がカスケード接続されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のパワーフロー制御方法。
- 電化区間と非電化区間に跨って運行する二次電池搭載車両の充放電制御装置に付帯するパワーフロー制御装置において、直流リンク電圧指令値を与える回路に並列に、充電要求時に切り替わる第1切換回路を介して電池電流が電池電流指令値に近づくようにフィードバック制御する定電流定電圧充電制御器が接続され、放電要求時に切り替わる第2切換回路を介してパンタ電流が0になるようにフィードバック制御するパンタ電流抑制制御器が接続され、充放電不要時に切り替わる第3切換回路を介して電池電流を0にするようにフィードバック制御する電池電流0制御器が接続されてなることを特徴とするパワーフロー制御装置。
- 前記二次電池のSOCを入力してSOC目標値に対する偏差について積分要素を含むフィードバック制御演算を行って制御出力を出力するSOC制御器を備えて、該制御出力が前記定電流定電圧充電制御器における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項7記載のパワーフロー制御装置。
- 電池温度を入力して電池温度に基づいて定められる充電電流補正値を出力する充電電流電池温度補正器を備えて、該充電電流補正値を用いて前記定電流定電圧充電制御器における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項7または8記載のパワーフロー制御装置。
- 車両位置により非電化区間までの残り距離を求めて該残り距離に基づいて定められる補正値を出力する充電電流残距離補正器を備えて、該補正値を用いて前記定電流定電圧充電制御器における電池電流指令値を修正して電池電流目標値とすることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のパワーフロー制御装置。
- 直流リンク電圧が直流電圧指令値になるようにフィードバック制御する直流リンク電圧制御器に、電池電流制御器がカスケード接続されることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のパワーフロー制御装置。
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