JP2012145195A - 無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トロイダル型無段変速機の変速比制御の基準となるステップ位置に関する学習中に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できると共に、変速比制御に素早く移行できる構造を実現する。
【解決手段】制御器が有する第四の機能により、学習制御が一度でも完了している事を条件として、実行中の学習制御を中止し、制御器中に記憶されている直前に学習したステップ位置を変速比制御の基準として、変速比制御を開始させる。これにより、変速比無限大の状態を実現できる適正なステップ位置を基準として変速比制御を開始できると共に、実行中の学習制御が完了するのを待って変速比制御に移行する場合に比べて、変速比制御に素早く移行できる。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば車両(自動車)用自動変速装置、建設機械(建機)用自動変速装置、航空機(固定翼機、回転翼機、飛行船等)等で使用されるジェネレータ(発電機)用の自動変速装置等として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関する。具体的には、トロイダル型無段変速機の変速比制御の基準となる調整部材の位置(例えばステッピングモータのステップ位置)に関する学習中に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できると共に、変速比制御に素早く移行できる構造を実現するものである。
自動車用自動変速機として使用されるトロイダル型無段変速機が、特許文献1や非特許文献1等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されていて周知である。この様なトロイダル型無段変速機は、互いに対向する軸方向側面をトロイド曲面とした入力側ディスクと出力側ディスクとの間に複数個のパワーローラを挟持して成る。運転時には、この入力側ディスクの回転が、これら各パワーローラを介して上記出力側ディスクに伝達される。これら各パワーローラは、それぞれトラニオン等の支持部材に回転自在に支持されており、これら各支持部材は、それぞれ上記両ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に支持されている。上記両ディスク同士の間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータにより上記各支持部材を上記枢軸の軸方向に変位させる。この様なアクチュエータへの圧油の給排は、制御弁により制御すると共に、上記支持部材の動きをこの制御弁にフィードバックする様に構成している。
上記アクチュエータへの圧油の給排に基づき上記各支持部材を上記枢軸の軸方向に変位させると、上記各パワーローラの周面と上記入力側、出力側各ディスクの側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(転がり接触部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各支持部材が上記枢軸を中心に揺動(傾斜)し、上記各パワーローラの周面と上記入力側、出力側各ディスクの側面との接触位置が変化する。これら各パワーローラの周面を、上記入力側ディスクの側面の径方向外寄り部分と、上記出力側ディスクの側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク同士の間の変速比が増速側になる。これに対して、上記各パワーローラの周面を、上記入力側ディスクの側面の径方向内寄り部分と、上記出力側ディスクの側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク同士の間の変速比が減速側になる。
又、上述の様なトロイダル型無段変速機を実際の自動車用自動変速機に組み込む場合、遊星歯車機構等の歯車式の差動ユニットと組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。例えば特許文献2には、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態(所謂ギヤードニュートラル状態)を挟んで正転、逆転に切り換えられる無段変速装置が記載されている。この様な無段変速装置の場合、所謂低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比が、無限大に変化する。即ち、トロイダル型無段変速機の変速比を調節する事により、入力軸を一方向に回転させた状態のまま出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。この様な、所謂無限大の変速比を実現できる無段変速装置の場合、トロイダル型無段変速機の変速比に関して、上記出力軸の停止状態を実現できる値(ギヤードニュートラルポイント、GN値)の近傍では、この変速比が僅かに変化しただけでも、この出力軸に伝わる動力の状態が大きく変化する。この為、トロイダル型無段変速機の変速比制御を高精度で行う必要がある。
例えば車両を停止させた状態で、シフトレバーをPレンジ(パーキング位置)やNレンジ(ニュートラル位置)等の非走行状態から、Dレンジ(通常前進位置)、Lレンジ(高駆動前進位置)やRレンジ(後退位置)等の走行状態に切り換える場合、素早く前方或いは後方への適切な駆動力を生じさせつつ、ブレーキペダルの操作に基づく制動力により車両の停止状態を維持する必要がある。この為、シフトレバーが非走行状態に選択されている状態で、トロイダル型無段変速機の変速比を、変速比無限大の状態を実現できる値(範囲)に厳密に制御しておく必要がある。仮に、トロイダル型無段変速機の変速比が、変速比無限大の状態を実現できる値から大きくずれている場合には、シフトレバーが走行状態に選択された場合に、予想以上の駆動力(クリープ力)が伝達され、車両が動き出したり、運転者の意図とは逆方向の駆動力が伝達される可能性がある。
一方、トロイダル型無段変速機に組み込まれる部品数は多く、しかも、そのうちの多くの部品の寸法精度及び組み付け精度が、トロイダル型無段変速機の変速比に影響を及ぼす。この為、設計計算により求められる変速比無限大の状態を実現できるトロイダル型無段変速機の変速比に、個体差が生じる事が考えられる。又、変速比無限大の状態を実現できるトロイダル型無段変速機の変速比は、長期間に亙る使用による構成部品の経時変化(僅かな塑性変形)等により、その特性が変化する事も考えられる。
この様な事情に鑑みて、例えば特許文献3には、シフトレバーが非走行状態に選択されている事を条件に、入力軸を回転させたまま出力軸を停止させられる、ステッピングモータのステップ位置を学習する(制御器に第三の機能を持たせた)発明が記載されている。具体的には、シフトレバーが非走行状態に選択されている事を条件に、トロイダル型無段変速機を構成する入力側ディスクの回転速度と、出力側ディスクの回転速度とを、それぞれ回転センサにより検出する。そして、これら各ディスクの回転速度から求められる実際の変速比(入力側ディスクの回転速度/出力側ディスクの回転速度)と、遊星歯車式変速機の変速比とに基づいて、非走行状態時の出力軸の回転速度を求める。そして、この出力軸の回転速度を0にすべく、ステッピングモータのステップ位置(駆動量)を調整し、トロイダル型無段変速機の変速比を調節する。そして、上記出力軸の回転速度が0になった状態でのステップ位置を学習し、制御器のメモリに記憶する(学習制御を完了する)。そして、調整されたステップ位置(学習値)を基準に、トロイダル型無段変速機の変速比制御を行う。従って、この様な特許文献3に記載された発明によれば、トロイダル型無段変速機の構成部品の個体差や経時変化等に関係なく、変速比制御を高精度に行う事が可能になる。
但し、上述した様な特許文献3に記載された発明を含め、従来から考えられているステップ位置の学習に関する制御方法には、次の面から改良の余地がある。即ち、従来考えられていた機構の場合には、ステッピングモータのステップ位置を、出力軸を停止させられる位置に調整している間(学習制御中)に、シフトレバーが走行状態に切り換えられる(学習許可条件を満たさなくなる)と、学習が完了していなくても、シフトレバーが走行状態に切り換えられた時点でのステップ位置を変速比無限大の状態を実現できる基準として、変速比制御が開始されてしまう。この為、ステッピングモータのステップ位置が、出力軸を停止させるのに適正な位置から外れた状態で、変速比制御が開始される可能性があり、変速フィーリングが損なわれるばかりか、最悪の場合には、シフトレバーの選択位置と逆方向に車両が動き出す可能性もある為、この様な状況の発生を防止する為に、別途フェールセーフ用の機構が必要であった。
この様な事情に鑑みて、ステップ位置に関する学習が完了するまでは、シフトレバーが走行状態に切り換えられた場合にもクラッチ装置の接続を一律に禁止し、変速比制御が行われる事を禁止する様に制御(バックアップ制御)する事も考えられる。但し、この場合には、ステップ位置が適正位置から外れた状態で変速比制御が開始される事は防止できるものの、実行中のステップ位置に関する学習が完了するまでの間は、それ以前に学習値を得られていた(学習が完了していた)としても、車両を発進させる事が一切できなくなる。この様に、学習許可条件が満たされなくなった場合のバックアップ制御として従来から考えられているものは、変速比制御への移行時間が長くなると言った新たな問題を生じる可能性があり、改良の余地がある。
特開2001−317601号公報 特開2003−307266号公報 特開2004−308853号公報
田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、トロイダル型無段変速機の変速比制御の基準となる調整部材の位置に関する学習中に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できると共に、変速比制御に素早く移行できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比を制御する為の制御器とを備える。
上記トロイダル型無段変速機は、入力側ディスクと、出力側ディスクと、複数個のパワーローラと、複数個の支持部材と、アクチュエータと、制御ユニットと、入力側回転センサと、出力側回転センサとを備える。
このうちの入力側ディスクは、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される。
又、上記出力側ディスクは、上記入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続されている。
又、上記各パワーローラは、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各支持部材(例えばトラニオン)は、上記各パワーローラを回転自在に支持している。
又、上記アクチュエータは、例えば油圧式のもので、圧油の給排状態に基づいて、上記各支持部材を変位させ、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるものである。
又、上記制御ユニットは、上記変速比を所望値にする為に、上記アクチュエータの変位方向及び変位量を制御するものであり、後述する調整部材の他、例えばローディング圧制御用の電磁弁、モード切換制御用の電磁弁、及び、これらにより作動状態を切り換えられる制御弁装置等から構成される。
又、上記入力側回転センサは、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為のものであり、上記出力側回転センサは、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為のものである。
又、上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するもので、例えば遊星歯車式変速機が相当する。
又、上記制御器は、次の第一〜第三の機能を有する。
第一の機能は、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで、正転及び逆転に変換する機能である。
第二の機能は、上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する機能である。
第三の機能は、所定の学習許可条件が満たされている事を条件に、上記出力軸の回転速度が0(ゼロ)となる状態に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節し、この状態での上記制御ユニットを構成する調整部材の位置(例えばステッピングモータのステップ位置)を、上記入力軸を回転させたまま上記出力軸を停止させられる位置として学習し記憶する、学習制御を行う機能である。
特に、本発明の無段変速装置の場合には、上記制御器は、上述した第一〜第三の機能に加え、次の第四の機能を有する。
この第四の機能は、上記第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定する。そして、学習制御が一度でも完了しており、現在学習制御の実行中(トロイダル型無段変速機の変速比を出力軸の回転速度が0となる状態に調節中)である場合には、実行中の学習制御を中止(トロイダル型無段変速機の変速比の調節を中止)し、上記制御器中に記憶されている以前(例えば直前)に学習した調整部材の位置を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる。
本発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項2に記載した発明の様に、上記制御器に、次の第五の機能を併せ持たせる。
この第五の機能は、上記学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度も完了していない場合(例えば車両の組立後等の初期状態時)には、前記入力軸の回転が前記出力軸の回転に伝達される事を禁止する。
上述した請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば、前記トロイダル型無段変速機と前記差動ユニットとを、クラッチ装置を介して組み合わせる。そして、上記第五の機能を、このクラッチ装置の接続を断つ事により実現する。
上述の様に構成する本発明によれば、トロイダル型無段変速機の変速比制御の基準となる調整部材の位置に関する学習中に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できると共に、変速比制御に素早く移行できる。
即ち、本発明の場合には、学習制御が一度でも完了している(調整部材の位置に関する学習値が得られている)事を条件として、実行中の学習制御を中止し、制御器中に記憶されている以前に学習した調整部材の位置(学習値)を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる。この為、例えばシフトレバーが走行状態に切り換えられる等、学習許可条件が満たされなくなった時点での調整部材の位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できる。従って、変速比無限大の状態を実現できる位置から外れた不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止でき、変速比制御の信頼性を確保できる。又、制御器中に記憶された以前の学習値を利用する為、実行中の学習制御の完了を待つ場合に比べて、変速比制御に素早く移行できる(変速比制御への移行時間を短くできる)。
更に、請求項2に記載した発明によれば、例えば車両の組立完了後の初期状態時等、学習制御が一度も完了していない(調整部材の位置に関する学習値が得られていない)場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できる。従って、無段変速装置の初期動作時(例えば車両の初期発進時)等に於ける変速比制御の信頼性を確保できる。
本発明の実施の形態の1例を示す、無段変速装置のブロック図。 同じく無段変速装置に組み込むトロイダル型無段変速機の変速比を調節する為の機構を示す油圧回路図。 同じく本例の特徴となる動作を示すフローチャート。 同じく学習制御が正常に完了した場合の学習制御の実施状況を説明する為、各部の状態を経時的に示す線図。 同じく学習許可条件が不成立となる以前に学習制御が一度でも完了しており、実行中の学習制御が正常に完了しなかった場合の学習制御の実施状況を説明する為の、図4と同様の線図。 同じく学習許可条件が不成立となる以前に学習制御が一度も完了しておらず、実行中の学習制御が正常に完了しなかった場合の学習制御の実施状況を説明する為の、図4と同様の線図。
図1〜6は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、制御器11が備える第四の機能により、ステッピングモータ24のステップ位置に関する学習中に、学習許可条件を満たさなくなった場合にも、実行中の学習制御が完了するのを待たずに、直前に学習した適正なステップ位置を基準として変速比制御を開始させる点にある。上記制御器11が備える残りの機能のうち第一〜第三の機能に就いては、前述した特許文献3等に詳しく記載されており、従来から知られているものであるから、ここでは説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の無段変速装置の全体構成及び特徴部分に就いて説明する。
先ず、図1のブロック図により、本例の無段変速装置に就いて説明する。この図1中、太矢印は動力の伝達経路を、実線は油圧回路を、破線は電気回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、トロイダル型無段変速機4を構成する油圧式の押圧装置5から入力側ディスク6に伝達され、更にパワーローラ7を介して出力側ディスク8に伝達される。これら両ディスク6、8のうち、入力側ディスク6の回転速度は入力側回転センサ9により、出力側ディスク8の回転速度は出力側回転センサ10により、それぞれ測定して、制御器11に入力し、上記両ディスク6、8間の(トロイダル型無段変速機4の)変速比を算出する。
又、上記入力軸3に伝達された動力は、直接又は上記トロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車式変速機12に伝達される。そして、この遊星歯車式変速機12の構成部材の差動成分が、クラッチ装置13を介して出力軸14に取り出される。尚、このクラッチ装置13は、後述する図2に示した低速用クラッチ15及び高速用クラッチ16を表すものである。又、本例の場合には、出力軸回転センサ17により、上記出力軸14の回転速度を検出して、上記入力側回転センサ9及び上記出力側回転センサ10の故障の有無を判定する為のフェールセーフを可能としている。
一方、上記ダンパ2部分から取り出した動力によりオイルポンプ18を駆動し、このオイルポンプ18から吐出した圧油を、上記押圧装置5と、上記パワーローラ7を支持した支持部材であるトラニオンを枢軸(図示省略)の軸方向に変位させる為のアクチュエータ19(図2参照)の変位量を制御する為の制御弁装置20とに、送り込み自在としている。この制御弁装置20を構成する制御弁21(図2参照)は、上記アクチュエータ19への油圧の給排を制御するものである。又、このアクチュエータ19に設けた1対の油圧室22a、22b(図2参照)内の油圧を、油圧センサ23(図2に示す1対の油圧センサ23a、23b)により検出して、その検出信号を上記制御器11に入力している。この制御器11は、上記油圧センサ23(油圧センサ23a、23b)からの信号に基づいて、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)を算出する。
又、上記制御弁装置20は、調整部材であるステッピングモータ24と、ローディング圧制御用電磁開閉弁25と、モード切換制御用電磁開閉弁26(図2に示す低速クラッチ用電磁弁27、高速クラッチ用電磁弁28)とにより、その作動状態を切り換えられる。そして、これらステッピングモータ24と、ローディング圧制御用電磁開閉弁25と、モード切換制御用電磁開閉弁26とは、何れも上記制御器11からの制御信号に基づいて切り換えられる。
又、上記制御器11には、上記各回転センサ9、10、17及び上記油圧センサ23からの信号の他、油温センサ29の検出信号と、ポジションスイッチ30の位置信号と、アクセルセンサ31の検出信号と、ブレーキスイッチ32の信号等とを入力している。このうちの油温センサ29は、無段変速装置を納めたケーシング内の潤滑油(トラクションオイル)の温度を検出するものである。又、上記ポジションスイッチ30は、後述する図2に記載した手動油圧切換弁33を切り換える為の、運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置(選択位置)を表す信号を発するものである。又、上記アクセルセンサ31は、アクセルペダルの開度を検出する為のものである。更に、上記ブレーキスイッチ32は、ブレーキペダルが踏まれた事を検出して、その事を表す信号を発するものである。
又、上記制御器11は、上記各スイッチ30、32及び上記各センサ9、10、17、23、31からの信号に基づいて、上記ステッピングモータ24と、上記ローディング圧制御用電磁開閉弁25と、上記モード切換制御用電磁開閉弁26とに、上記制御信号を送る他、前記エンジン1を制御する為の制御信号を送る。そして、前記入力軸3と前記出力軸14との間の変速比を制御したり、或いは、停止時若しくは低速走行時に前記トロイダル型無段変速機4を通過して、上記出力軸14に加えられるトルク(通過トルク)を制御する。
図2は、上述の様な無段変速装置を制御する油圧回路を示している。この油圧回路では、油溜34から吸引されてオイルポンプ18により吐出された圧油を、調圧弁35a、35bで所定圧に調整自在としている。又、これら両調圧弁35a、35bのうち、手動油圧切換弁33側に送る油圧を調整する為の調圧弁35aによる調整圧を、ローディング圧制御用電磁開閉弁25の開閉に基づいて調節自在としている。そして、上記両調圧弁35a、35bにより圧力を調整された圧油を、制御弁21を介してアクチュエータ19に送り込み自在としている。
又、この圧油は、上記手動油圧切換弁33と、低速クラッチ用電磁弁27又は高速クラッチ用電磁弁28とを介して、低速用クラッチ15又は高速用クラッチ16の油圧室内に送り込み自在としている。このうちの低速用クラッチ15は、減速比を大きくする(変速比無限大を含む)低速モードを実現する際に接続されると共に、減速比を小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる。これに対して、上記高速用クラッチ16は、低速モードを実現する際に接続を断たれると共に高速モードを実現する際に接続される。又、上記低速用クラッチ15及び上記高速用クラッチ16への圧油の給排状態は、油圧センサ23c、23dによりそれぞれ検出して、検出信号を上記制御器11に入力している。
特に、本例の場合は、上記制御器11が備える第四の機能により、前記ステッピングモータ24のステップ位置に関する学習中に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、実行中の学習制御の完了を待たずに、直前に学習した適正なステップ位置を基準として変速比制御を開始させる。上記制御器11が備えるこの様な第四の機能(及び第三の機能、第五の機能)に就いて、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
尚、このフローチャートに示した動作は、イグニッションスイッチがONされてからOFFされるまでの間、自動的に繰り返し(開始→各ステップ→終了→開始→・・・)行う。つまり、イグニッションスイッチをONした直後で、学習制御が一度も行われていない場合(学習制御がそれ以前に完了した事があるか否かは問わない)は勿論、学習制御の実行中(ステップ位置を調節している状態)、更には学習制御が完了した後(出力軸14を停止させられるステップ位置を一度学習した後)も、上記フローチャートに示した動作を繰り返し行う。
先ず、上記制御器11は、ステップ1で、車両の走行速度が0であるか否かを判定する。この判定は、前記出力軸回転センサ17、或いは、図示しない速度センサからの信号に基づいて行う。そして、車両の走行速度が0でない限り、次のステップ2には進まずに、後述するステップ9に進む。
これに対して、車両の走行速度が0である場合には、続くステップ2に進み、非走行状態が選択されているか否かを判定する。この判定は、前記ポジションスイッチ30からの信号に基づいて行う。このポジションスイッチ30からの信号に基づき、運転席に設けられたシフトレバーの操作位置が、Pレンジ又はNレンジである場合には、非走行状態が選択されていると判定し、それ以外の場合には非走行状態が選択されていないと判定する。そして、非走行状態が選択されていない限り、次のステップ3には進まずに、後述するステップ9に進む。
これに対して、非走行状態が選択されている場合には、続くステップ3に進み、アクセルペダルが全閉の状態にあるか否かを判定する。この判定は、前記アクセルセンサ31からの信号に基づいて行う。このアクセルセンサ31からの信号に基づき、アクセルペダルの開度が0%である場合には、アクセルペダルが全閉であると判定し、それ以外の場合には全閉でないと判定する。そして、アクセルペダルが全閉でない限り、次のステップ4には進まずに、後述するステップ9に進む。尚、この様にステップ3として、アクセルペダルが全閉であるか否かを判定する理由は、アクセルペダルが踏み込まれている場合(全閉でない場合)には、前記エンジン1の回転数の変動に基づいて、前記入力側ディスク6及び前記出力側ディスク8の回転速度が変動する(安定しにくい)為、回転センサによる検出のタイミングや検出周期等に起因して、適正な学習値を得る事が難しくなる為である。
これに対して、アクセルペダルが全閉である場合には、続くステップ4に進み、上記エンジン1の回転数が所定値(ENG GN)よりも低いか否かを判定する。具体的には、エンジン1の回転数が予め設定された目標アイドル回転数+400min-1よりも低いか否かを判定する。この判定は、前記入力側回転センサ9(エンジン1のクランクシャフトの回転がそのまま入力軸3並びに入力側ディスク6に伝達される場合)、或いは、運転席のタコメータにエンジンの回転速度を表示させる為の信号に基づいて行う。そして、上記エンジン1の回転数が目標アイドル回転数+400min-1よりも低くない限り、次のステップ5には進まずに、後述するステップ9に進む。尚、この様にステップ4として、上記エンジン1の回転数が目標アイドル回転数+400min-1よりも低いか否かを判定する理由は、アクセルペダルが開放された直後等、アクセルペダルが踏み込まれていない場合(ステップ3の条件を満たす場合)にも、上記エンジン1の回転数が変動(低下)し、これに基づいて上記入力側ディスク6及び上記出力側ディスク8の回転速度が変動する(安定しにくい)場合があり、適正な学習値を得る事が難しくなる為である。又、この様なステップ4及びステップ3に代えて、例えば、エンジンの回転数がアイドリング時に通常生じ得る変動量を超えて変動していない事{例えばアイドル回転数に関するカタログ値の変動幅(カタログ値が800〜850min-1の場合には、最高回転数と最低回転数との差である50min-1)を超える、所定周波数(例えば2Hz)以上の変動でない事}等を、学習許可条件に加える事もできる。
そして、上述の様な学習許可条件であるステップ1〜4の総ての条件が満たされていると判定された場合には、続くステップ5に進み、学習制御を開始する。そして、続くステップ6で、学習制御が実行中である事を意味する学習中フラグを立てる(F GN LEARN=0→1)。学習制御は、ステッピングモータ24を駆動する事により、トロイダル型無段変速機4の変速比を、上記出力軸14の回転速度を0にする変速比(ギヤードニュートラル変速比)±α(閾値)の範囲に調節する事により行う。このギヤードニュートラル変速比は、遊星歯車式変速機12を構成する各歯車の変速比により計算によって求められ、例えば1.306前後の値になる。この為、本例の場合には、閾値として±0.01を設定し、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、1.306±0.01の範囲内に調節する。
尚、本例の場合には、上記ステッピングモータ24の出力ロッドのストローク位置を測定する為の位置センサや、回転角度センサ等は設けていない。この為、本例の場合には、上記ステッピングモータ24を特定のステップ位置(決まった学習値)に駆動するのではなく、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が1.306±0.01の範囲に入った状態での、上記ステッピングモータ24のステップ位置を、変速比制御の基準値とする。従って、学習制御が実行されている間は、上記ステッピングモータ24の現在のステップ位置を表すREAL SMPを、基準値を表す0に固定し(REAL SMP=0)、現在のステップ位置(REAL SMP)が変速比無限大の状態を得られる基準値であるとして取り扱う。
上記トロイダル型無段変速機4の変速比を実際に調節する作業は、入力側回転センサ9及び出力側回転センサ10の検出信号(入力側ディスク6の回転速度NID、出力側ディスク8の回転速度NOD)を観察しつつ(制御器11が有する第二の機能に基づき算出されるトロイダル型無段変速機4の変速比を観察しつつ)、上記ステッピングモータ24の出力ロッドを変位させる事で行う。そして、この出力ロッドを変位させるべく、このステッピングモータ24を駆動した方向と関連させつつ、このステッピングモータ24のステップ数をカウントする。例えば、このステッピングモータ24をLow側に1ステップ分だけ駆動した場合には、学習中のステッピングモータ24のステップ位置(ステップ数)を表す値(GN SMP、初期値0)を、1ステップ分だけカウントアップする(GN SMP=GN SMP+1)。これに対して、High側に1ステップ駆動した場合には、学習中のステッピングモータ24のステップ位置を表す値を、1ステップ分だけカウントダウンする(GN SMP=GN SMP−1)。尚、このカウント数(カウント値)は、実行中の学習制御が完了するまでは0(ゼロ)にしない。
そして、続くステップ7で、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が、1.306±0.01の範囲内に調節されているか否かを判定すると共に、この範囲内に所定時間(例えば3秒間)収まっているか否かを判定する。そして、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が、1.306±0.01の範囲内に調節されており、且つ、この範囲内に所定時間収まっていると判定された場合には、続くステップ8に進む。
このステップ8では、学習制御を完了し、その事を表す学習完了フラグを立てる(F
GN FINISH=0→1)。尚、この学習完了フラグは、車両が初期状態でない事を表す確認フラグとしての意味も持つ。この為、本例の場合には、この学習完了フラグを一度立てた後は、この学習完了フラグは常時立てたままとする。従って、この学習完了フラグを不揮発性メモリに記憶する等により、イグニッションスイッチをOFFした場合にも、学習完了フラグが消去されない様にする。但し、イグニッションスイッチをONする毎に学習制御が一度でも完了するまでは発進制御を禁止すると言った制御を行う場合には、学習完了フラグを揮発性メモリに記憶する等して、イグニッションスイッチをOFFする毎に消去しても良い。
又、ステップ8で、学習制御が完了した場合には、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を上記範囲内に調節した時点での、上記ステッピングモータ24のステップ位置(GN SMP)を、変速比無限大の状態を得られる基準位置として学習し、前記制御器11中のメモリに記憶する(GN SMP=REAL SMP=0)。そして、終了に進み、再度開始に戻る。
これに対して、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が、1.306±0.01の範囲内に調節されていないか、この範囲内に所定時間収まっていないと判定された場合には、ステップ8には進まずに、学習制御を実行中のまま(学習中フラグを立てたままで、学習完了フラグを立てないまま)、終了に進み、開始に戻る。
又、本例の場合、前述した様な学習許可条件であるステップ1〜4が、運転者のシフトレバー操作或いはアクセルペダル操作等に基づいて、何れか1つでも条件を満たさなくなった場合(例えばシフトレバーがPレンジからDレンジに切り換えられた場合)には、その時点での学習状況(学習完了フラグの有無、学習中フラグの有無)に応じて、異なるバックアップ制御を行う。以下、制御器11が有する第四の機能に基づくバックアップ制御(ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ12→ステップ13)を行う場合に就いて説明した後、学習制御が少なくとも一度は完了しており、現在学習制御が実行中でない場合のバックアップ制御(ステップ9→ステップ10→ステップ13)、上記制御器11が有する第五の機能に基づくバックアップ制御(ステップ9→ステップ14)を行う場合に就いて説明する。
上述した様に、学習許可条件であるステップ1〜4の何れか1つでも満たなくなった場合には、先ずステップ9に進み、これまでに学習制御が一度でも完了しているか否かを判定する。この判定は、学習完了フラグの有無を確認する事により行う。そして、学習完了フラグが立てられていれば(F GN FINISH=1)、続くステップ10に進む。これに対して、学習完了フラグが立てられていなければ(F GN FINISH=0)、ステップ10には進まずに、後述するステップ14に進む。
このステップ10では、学習制御が実行中(トロイダル型無段変速機4の変速比を出力軸14の回転速度を0にする状態に調節中)であるか否かを判定する。この判定は、学習中フラグの有無を確認する事により行う。そして、学習中フラグが立てられていれば(F
GN LEARN=1)、続くステップ11に進み、現在実行中の学習制御を中止する。即ち、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、1.306±0.01の範囲内に調節する為の、上記ステッピングモータ24の駆動及び判定等の動作を中止する。そして、上記ステッピングモータ24のステップ位置を、学習中にカウントしていたステップ量だけ戻す(直前に学習した学習値に戻す)。例えば、学習制御が中止された時点でのステップ位置がGN SMP=+Xであった場合には、上記ステッピングモータ24を−X分だけ駆動し、ステップ位置を直前の学習値であるGN SMP=0に戻す。そして、ステップ12に進み、学習中フラグを下げ(F GN LEARN=1→0)、続くステップ13で、学習制御が中止される直前に学習したステップ位置(GN SMP=0)を変速比制御の基準として、変速比制御を開始させる。
これに対して、ステップ10で、学習中フラグが立てられていないと判定された場合(F GN LEARN=0)には、ステップ13に直接進む。そして、上記制御器11中に記憶されている学習値であるステップ位置(GN SMP=0)を基準として、変速比制御を実行させる。
一方、ステップ9で、学習制御が一度も完了していないと判定された場合には、ステップ14に進み、学習制御の実行中である場合には実行を中止し、車両の発進制御を禁止する。具体的には、上記制御器11から前記低速クラッチ用電磁弁27及び前記高速クラッチ用電磁弁28に対して、前記低速用クラッチ15及び前記高速用クラッチ16の接続を禁止(接続を断つ)旨の信号を送り、これら低速用、高速用両クラッチ15、16の接続を断つ。これにより、車両の組立完了後の初期状態時等の様に、学習制御が一度も完了していない状態(或いは、イグニッションスイッチがONされてから学習制御が一度も完了していない状態)で、車両が走行制御される(変速比制御が実行される)事を禁止する。そして、終了に進み、開始に戻る。尚、発進制御を禁止する場合には、ステッピングモータ24のステップ位置は調整が中止(学習制御が中止)された時点での位置を保持する。
次に、図4〜6を参照しつつ、学習制御が正常に完了した場合と、正常に完了しなかった場合とに就いて、それぞれの学習制御の実施状況の1例を説明する。先ず、図4を参照しつつ、学習制御が正常に完了した場合に就いて説明する。学習許可条件が全て満たされていると判定され、学習制御が開始されると、トロイダル型無段変速機4の変速比を学習完了範囲(1.306±0.01)に収めるべく、ステッピングモータ24の出力ロッドを変位させる。図示の例では、トロイダル型無段変速機4の変速比を下げるべく、ステッピングモータ24をLow側に1ステップ分ずつ駆動し、学習開始前の状態で0に固定されていたステップ位置を表す値(GN SMP)を、1ステップ分ずつカウントアップしていく。そして、3ステップ分(GN SMP=+3)だけ駆動した後で、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が学習完了範囲(1.306±0.01)内に所定時間(3秒間)収まった事が確認された為、学習制御を完了する。そして、その時点でのステップ位置(GN SMP=+3)を、変速比無限大の状態を得られる新たな基準値として学習し、上記制御器11中のメモリに記憶する(GN SMP=REAL SMP=0)と共に、学習完了フラグを立てる(F GN FINISH=0→1)。従って、この様に学習制御が正常に完了した場合には、変速比無限大の状態を得られる適正なステップ位置を基準として、変速比制御を開始させる事ができる。
次に、図5、6を参照しつつ、学習制御が正常に完了しなかった場合に就いて説明する。先ず、図5を参照しつつ、学習許可条件が満たされなくなる以前に一度でも学習制御が完了していた場合(F GN FINISH=1、学習完了フラグが立てられていた場合)に就いて説明する。この場合にも、上記図4に示した場合と同様に、学習許可条件が全て満たされていると判定され、学習制御が開始されると、トロイダル型無段変速機4の変速比を下げるべく、ステッピングモータ24をLow側に1ステップ分ずつ駆動し、ステップ位置を表す値(GN SMP=0)を、1ステップ分ずつカウントアップしていく。図示の例では、3ステップ分(GN SMP=+3)だけ駆動した後に、シフトレバーが走行状態に切り換えられる等、学習許可条件が満たされなくなっているが、学習完了フラグが立てられている為、実行中の学習制御を中止して、上記ステッピングモータ24のステップ位置を、制御器11に記憶されている直前に学習したステップ位置(学習値)に戻す{学習中にカウントしていたステップ量(+3)だけ戻す(GN SMP←GN SMP−3)}。これにより、直前に学習したステップ位置を変速比制御の基準として、変速比制御を開始させる。次に、図6を参照しつつ、学習許可条件が満たされなくなる以前に一度も学習制御が完了していなかった場合(F GN FINISH=0、学習完了フラグが立てられていない場合)に就いて説明する。この場合にも、上記図4及び図5に示した場合と同様に、ステッピングモータ24をLow側に3ステップ分(GN SMP=+3)だけ駆動した後に、学習許可条件が満たされなくなっているが、学習完了フラグが立てられていない為、上記ステッピングモータ24のステップ位置をそのまま保持した状態で、実行中の学習制御を中止し、車両の発進制御を禁止している。
以上の様な構成を有し、上述の様に動作する本例の無段変速装置によれば、上記トロイダル型無段変速機4の変速比制御の基準となるステッピングモータ24のステップ位置に関する学習中(第三の機能に基づく学習制御の実行中)に学習許可条件を満たさなくなった場合にも、不適正なステップ位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できると共に、変速比制御(車両の発進制御)に素早く移行できる。
即ち、本例の場合には、学習制御が一度でも完了している(ステッピングモータ24のステップ位置に関する学習値が得られている)事を条件として、実行中の学習制御を中止し、前記制御器11中に記憶されている直前に学習したステップ位置(学習値)を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる。この為、例えばシフトレバーが走行状態に切り換えられる等、学習許可条件が満たされなくなった時点でのステップ位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できる。従って、変速比無限大の状態を実現できる位置から外れた不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止でき、変速比制御の信頼性を確保できる。又、学習許可条件が満たされなくなった場合に、上記ステッピングモータ24のステップ位置を直前の学習値(GN SMP=0)に戻すのに要する時間は、実行中の変速比制御の完了までに要する時間(ステッピングモータ24の駆動時間及び変速比の判定時間等)に比べて、極めて短く済む為、変速比制御に素早く移行できる。この為、シフトレバーが走行状態に切り換えられた直後に、車両を発進させる事が可能になる。
更に、本例の場合には、例えば車両の組立完了後の初期状態時等、学習制御が一度も完了していない(ステップ位置に関する学習値が得られていない)場合にも、不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できる。従って、車両の初期発進時等に於ける変速比制御の信頼性を確保する事もできる。
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車式変速機
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18 オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22a、22b 油圧室
23、23a〜23d 油圧センサ
24 ステッピングモータ
25 ローディング圧制御用電磁開閉弁
26 モード切換制御用電磁開閉弁
27 低速用クラッチ用電磁弁
28 高速用クラッチ用電磁弁
29 油温センサ
30 ポジションスイッチ
31 アクセルセンサ
32 ブレーキスイッチ
33 手動油圧切換弁
34 油溜
35a、35b 調整弁

Claims (2)

  1. 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備え、
    このトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を変位させて上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるアクチュエータと、この変速比を所望値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の制御ユニットと、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為の出力側回転センサとを備えたものであり、
    上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものであり、
    上記制御器は、
    上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する第一の機能と、
    上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する第二の機能と、
    所定の学習許可条件が満たされている事を条件に、上記出力軸の回転速度が0となる状態に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節し、この状態での上記制御ユニットを構成する調整部材の位置を、上記入力軸を回転させたまま上記出力軸を停止させられる位置として学習し記憶する、学習制御を行う第三の機能とを有するものである
    無段変速装置に於いて、
    上記制御器は、上記第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度でも完了しており、現在学習制御の実行中である場合には、実行中の学習制御を中止し、上記制御器に記憶された以前に学習した調整部材の位置を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる第四の機能を有する
    事を特徴とする無段変速装置。
  2. 制御器は、第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度も完了していない場合には、入力軸の回転が出力軸の回転に伝達される事を禁止する第五の機能を有する、請求項1に記載した無段変速装置。
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