JP2012145195A - 無段変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御器が有する第四の機能により、学習制御が一度でも完了している事を条件として、実行中の学習制御を中止し、制御器中に記憶されている直前に学習したステップ位置を変速比制御の基準として、変速比制御を開始させる。これにより、変速比無限大の状態を実現できる適正なステップ位置を基準として変速比制御を開始できると共に、実行中の学習制御が完了するのを待って変速比制御に移行する場合に比べて、変速比制御に素早く移行できる。
【選択図】図3
Description
上記トロイダル型無段変速機は、入力側ディスクと、出力側ディスクと、複数個のパワーローラと、複数個の支持部材と、アクチュエータと、制御ユニットと、入力側回転センサと、出力側回転センサとを備える。
このうちの入力側ディスクは、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される。
又、上記出力側ディスクは、上記入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続されている。
又、上記各パワーローラは、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各支持部材(例えばトラニオン)は、上記各パワーローラを回転自在に支持している。
又、上記アクチュエータは、例えば油圧式のもので、圧油の給排状態に基づいて、上記各支持部材を変位させ、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるものである。
又、上記制御ユニットは、上記変速比を所望値にする為に、上記アクチュエータの変位方向及び変位量を制御するものであり、後述する調整部材の他、例えばローディング圧制御用の電磁弁、モード切換制御用の電磁弁、及び、これらにより作動状態を切り換えられる制御弁装置等から構成される。
又、上記入力側回転センサは、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為のものであり、上記出力側回転センサは、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為のものである。
又、上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するもので、例えば遊星歯車式変速機が相当する。
又、上記制御器は、次の第一〜第三の機能を有する。
第一の機能は、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで、正転及び逆転に変換する機能である。
第二の機能は、上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する機能である。
第三の機能は、所定の学習許可条件が満たされている事を条件に、上記出力軸の回転速度が0(ゼロ)となる状態に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節し、この状態での上記制御ユニットを構成する調整部材の位置(例えばステッピングモータのステップ位置)を、上記入力軸を回転させたまま上記出力軸を停止させられる位置として学習し記憶する、学習制御を行う機能である。
この第四の機能は、上記第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定する。そして、学習制御が一度でも完了しており、現在学習制御の実行中(トロイダル型無段変速機の変速比を出力軸の回転速度が0となる状態に調節中)である場合には、実行中の学習制御を中止(トロイダル型無段変速機の変速比の調節を中止)し、上記制御器中に記憶されている以前(例えば直前)に学習した調整部材の位置を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる。
この第五の機能は、上記学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度も完了していない場合(例えば車両の組立後等の初期状態時)には、前記入力軸の回転が前記出力軸の回転に伝達される事を禁止する。
上述した請求項2に記載した発明を実施する場合には、例えば、前記トロイダル型無段変速機と前記差動ユニットとを、クラッチ装置を介して組み合わせる。そして、上記第五の機能を、このクラッチ装置の接続を断つ事により実現する。
即ち、本発明の場合には、学習制御が一度でも完了している(調整部材の位置に関する学習値が得られている)事を条件として、実行中の学習制御を中止し、制御器中に記憶されている以前に学習した調整部材の位置(学習値)を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる。この為、例えばシフトレバーが走行状態に切り換えられる等、学習許可条件が満たされなくなった時点での調整部材の位置を基準として変速比制御が行われる事を防止できる。従って、変速比無限大の状態を実現できる位置から外れた不適正な位置を基準として変速比制御が行われる事を防止でき、変速比制御の信頼性を確保できる。又、制御器中に記憶された以前の学習値を利用する為、実行中の学習制御の完了を待つ場合に比べて、変速比制御に素早く移行できる(変速比制御への移行時間を短くできる)。
尚、このフローチャートに示した動作は、イグニッションスイッチがONされてからOFFされるまでの間、自動的に繰り返し(開始→各ステップ→終了→開始→・・・)行う。つまり、イグニッションスイッチをONした直後で、学習制御が一度も行われていない場合(学習制御がそれ以前に完了した事があるか否かは問わない)は勿論、学習制御の実行中(ステップ位置を調節している状態)、更には学習制御が完了した後(出力軸14を停止させられるステップ位置を一度学習した後)も、上記フローチャートに示した動作を繰り返し行う。
GN FINISH=0→1)。尚、この学習完了フラグは、車両が初期状態でない事を表す確認フラグとしての意味も持つ。この為、本例の場合には、この学習完了フラグを一度立てた後は、この学習完了フラグは常時立てたままとする。従って、この学習完了フラグを不揮発性メモリに記憶する等により、イグニッションスイッチをOFFした場合にも、学習完了フラグが消去されない様にする。但し、イグニッションスイッチをONする毎に学習制御が一度でも完了するまでは発進制御を禁止すると言った制御を行う場合には、学習完了フラグを揮発性メモリに記憶する等して、イグニッションスイッチをOFFする毎に消去しても良い。
GN LEARN=1)、続くステップ11に進み、現在実行中の学習制御を中止する。即ち、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、1.306±0.01の範囲内に調節する為の、上記ステッピングモータ24の駆動及び判定等の動作を中止する。そして、上記ステッピングモータ24のステップ位置を、学習中にカウントしていたステップ量だけ戻す(直前に学習した学習値に戻す)。例えば、学習制御が中止された時点でのステップ位置がGN SMP=+Xであった場合には、上記ステッピングモータ24を−X分だけ駆動し、ステップ位置を直前の学習値であるGN SMP=0に戻す。そして、ステップ12に進み、学習中フラグを下げ(F GN LEARN=1→0)、続くステップ13で、学習制御が中止される直前に学習したステップ位置(GN SMP=0)を変速比制御の基準として、変速比制御を開始させる。
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車式変速機
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18 オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22a、22b 油圧室
23、23a〜23d 油圧センサ
24 ステッピングモータ
25 ローディング圧制御用電磁開閉弁
26 モード切換制御用電磁開閉弁
27 低速用クラッチ用電磁弁
28 高速用クラッチ用電磁弁
29 油温センサ
30 ポジションスイッチ
31 アクセルセンサ
32 ブレーキスイッチ
33 手動油圧切換弁
34 油溜
35a、35b 調整弁
Claims (2)
- 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備え、
このトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を変位させて上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間の変速比を変えるアクチュエータと、この変速比を所望値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の制御ユニットと、上記入力側ディスクの回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスクの回転速度を検出する為の出力側回転センサとを備えたものであり、
上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものであり、
上記制御器は、
上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する第一の機能と、
上記入力側回転センサにより求められる上記入力側ディスクの回転速度と、上記出力側回転センサにより求められる上記出力側ディスクの回転速度とに基づいて、上記トロイダル型無段変速機の変速比を算出する第二の機能と、
所定の学習許可条件が満たされている事を条件に、上記出力軸の回転速度が0となる状態に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節し、この状態での上記制御ユニットを構成する調整部材の位置を、上記入力軸を回転させたまま上記出力軸を停止させられる位置として学習し記憶する、学習制御を行う第三の機能とを有するものである
無段変速装置に於いて、
上記制御器は、上記第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度でも完了しており、現在学習制御の実行中である場合には、実行中の学習制御を中止し、上記制御器に記憶された以前に学習した調整部材の位置を変速比制御の基準として変速比制御を開始させる第四の機能を有する
事を特徴とする無段変速装置。 - 制御器は、第三の機能に基づく学習制御の実行を許可する為の学習許可条件が満たされていない場合に、それ以前に一度でも学習制御が実行され完了しているか否かを判定し、学習制御が一度も完了していない場合には、入力軸の回転が出力軸の回転に伝達される事を禁止する第五の機能を有する、請求項1に記載した無段変速装置。
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