JP5732847B2 - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 Download PDF

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Description

この発明は、自動車用自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機、及び、このトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関する。具体的には、手動による変速比切換スイッチの操作に基づいて変速比を、予め設定した値に調節できる機能を備えた構造で、通常運転時に於ける伝達効率の低下を防止しつつ、前記変速比切換スイッチによる変速比の変更が行われた場合にも、動力を伝達するトラクション部(転がり接触部)での過大な滑り(グロススリップ)の発生を確実に防止できる構造を実現するものである。
自動車用自動変速機として使用されるトロイダル型無段変速機が、特許文献1〜6等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されていて周知である。この様なトロイダル型無段変速機は、互いに対向する軸方向側面をトロイド曲面とした第一のディスク(例えば入力側ディスク)と第二のディスク(例えば出力側ディスク)との間に、複数個のパワーローラを挟持して成る。運転時には、前記入力側ディスクの回転が、これら各パワーローラを介して前記出力側ディスクに伝達される。これら各パワーローラは、それぞれトラニオン等の支持部材に回転自在に支持されており、これら各支持部材は、それぞれ前記両ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に支持されている。前記両ディスク同士の間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータにより前記各支持部材を前記枢軸の軸方向に変位させる。この様なアクチュエータへの圧油の給排は、制御弁により制御すると共に、前記各支持部材の動きをこの制御弁にフィードバックする様に構成している。
前記アクチュエータへの圧油の給排に基づき、前記各支持部材を前記枢軸の軸方向に変位させると、前記各パワーローラの周面と前記入力側、出力側各ディスクの側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(転がり接触部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って前記各支持部材が前記枢軸を中心に揺動(傾斜)し、前記各パワーローラの周面と前記入力側、出力側各ディスクの側面との接触位置が変化する。前記各パワーローラの周面を、前記入力側ディスクの側面の径方向外寄り部分と、前記出力側ディスクの側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、前記両ディスク同士の間の変速比が増速側になる。これに対して、前記各パワーローラの周面を、前記入力側ディスクの側面の径方向内寄り部分と、前記出力側ディスクの側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、前記両ディスク同士の間の変速比が減速側になる。
又、上述の様なトロイダル型無段変速機を実際の自動車用自動変速機に組み込む場合、遊星歯車機構等の歯車式の差動ユニットと組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。図10〜11は、特許文献3に記載された無段変速装置のブロック図(図10)及び油圧に関する制御回路(図11)を示している。先ず、図10のブロック図により、本発明の対象となる、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置に就いて説明する。この図10中、太矢印は動力の伝達経路を、実線は油圧回路を、破線は電気回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、トロイダル型無段変速機4を構成する押圧装置5から入力側ディスク6に伝達され、更に複数個のパワーローラ7を介して出力側ディスク8に伝達される。これら両ディスク6、8のうち、入力側ディスク6の回転速度は入力側回転センサ9により、出力側ディスク8の回転速度は出力側回転センサ10により、それぞれ測定して、制御器11に入力し、前記両ディスク6、8間の(トロイダル型無段変速機4の)変速比を算出する。前記押圧装置5は、後述する図11に示す様に、油圧の送り込みに伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものとしている。
又、前記入力軸3に伝達された動力は、直接又は前記トロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車装置12に伝達される。そして、この遊星歯車装置12の構成部材の差動成分が、クラッチ装置13を介して出力軸14に取り出される。尚、このクラッチ装置13は、後述する図11に示す低速用クラッチ15及び高速用クラッチ16を表すものである。又、図示の例では、出力軸回転センサ17により前記出力軸14の回転速度を検出して、前記入力側回転センサ9及び出力側回転センサ10の故障の有無を判定する為のフェールセーフを可能としている。
一方、前記ダンパ2部分から取り出した動力によりオイルポンプ18(図11の18a、18b)を駆動し、このオイルポンプ18から吐出した圧油を、前記押圧装置5と、前記パワーローラ7を支持した支持部材であるトラニオンを枢軸(図示省略)の軸方向に変位させるアクチュエータ19(図11参照)の変位量を制御する為の制御弁装置20とに、送り込み自在としている。尚、この制御弁装置20とは、後述する図11に示す制御弁21と、差圧シリンダ22と、補正用制御弁23a、23bと、高速用切換弁24及び低速用切換弁25とを合わせたものである。このうちの制御弁21は、前記アクチュエータ19への油圧の給排を制御するものである。又、このアクチュエータ19に設けた1対の油圧室26a、26b(図11参照)内の油圧を油圧センサ27(実際には図11に示す様に1対の油圧センサ27a、27b)により検出して、その検出信号を、前記制御器11に入力している。
前記制御器11は、前記油圧センサ27からの信号(前記両油圧室26a、26b内の油圧の差)に基づいて、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク、トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の、所謂2Ft)を算出する。そして、この様に算出される通過トルクに応じてこのトロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、前記制御弁21の構成部材であるスリーブ28(図11参照)を、前記差圧シリンダ22により変位させる。この様な差圧シリンダ22への圧油の給排は、前記補正用制御弁23a、23bにより制御される。又、前記制御弁装置20は、駆動部材であるステッピングモータ29と、後述する押圧力調整弁41を切り換える為のライン圧制御用電磁開閉弁30と、前記補正用制御弁23a、23bを切り換える為の電磁弁31と、前記高速用切換弁24及び低速用切換弁25を切り換える為のシフト用電磁弁32とにより、その作動状態を切り換えられる。そして、これらステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とは、何れも前記制御器11からの制御信号に基づいて切り換えられる。
又、前記制御器11には、前記各回転センサ9、10、17及び前記油圧センサ27からの信号の他、油温センサ33の検出信号と、ポジションスイッチ34の位置信号と、アクセルセンサ35の検出信号と、ブレーキスイッチ36の信号とを入力している。このうちの油温センサ33は、無段変速装置を納めたケーシング内の潤滑油(トラクションオイル)の温度を検出するものである。又、前記ポジションスイッチ34は、後述する図11に記載した手動油圧切換弁37を切り換える為の、運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置(選択位置)を表す信号を発するものである。又、前記アクセルセンサ35は、アクセルペダルの開度を検出する為のものである。更に、前記ブレーキスイッチ36は、ブレーキペダルが踏まれた事、或いはパーキングブレーキが操作された事を検出して、その事を表す信号を発するものである。
又、前記制御器11は、前記各スイッチ34、36及び各センサ9、10、17、27、33、35からの信号に基づいて、前記ステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とに前記制御信号を送る他、前記エンジン1を制御する為のエンジンコントローラ38に制御信号を送る。そして、前記入力軸3と前記出力軸14との間の速度比を変えたり、或いは停止時若しくは極低速走行時に前記トロイダル型無段変速機4を通過して前記出力軸14に加えられるトルク(通過トルク)を制御する。
図11は、上述の様な無段変速装置を制御する油圧回路を示している。この油圧回路では、油溜39から吸引されてオイルポンプ18a、18bにより吐出された圧油を、低圧側調整弁40並びに押圧力調整弁41により所定圧に調整自在としている。このうちの押圧装置5側に送る油圧を調整する前記押圧力調整弁41は、リリーフ弁としての機能を備えたもので、第一〜第三のパイロット部42〜44を備える。このうちの第一、第二のパイロット部42、43は、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクの大きさに応じて、前記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。これに対して、第三のパイロット部44は、前記トロイダル型無段変速機4の変速比、このトロイダル型無段変速機4の内部に存在する潤滑油(トラクションオイル)の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等、前記伝達トルク以外の運転条件に応じて前記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。図示の例の場合、前記第一〜第三のパイロット部42〜44に導入する油圧を適切に調節する事で、前記押圧装置5が発生する押圧力を、前記トロイダル型無段変速機4の運転状況に応じ、適正に規制する様に構成している。
この為に、図示の例の場合は、前記第一、第二のパイロット部42、43のうちの何れかのパイロット部に導入する油圧が高くなる程、前記押圧力調整弁41の開弁圧が高くなり、前記押圧装置5を構成する油圧室45内に導入する油圧を高くする様に構成している。又、これと共に、パワーローラ7を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる為のアクチュエータ19にピストン46を挟んで設けた1対の油圧室26a、26b同士の間の差圧を、差圧取り出し弁47を介して、何れかのパイロット部42、43に導入する様にしている。この差圧取り出し弁47は、前記アクチュエータ19の油圧室26a、26b内の油圧の差、即ち、トロイダル型無段変速機4を通過する力が大きくなる程、前記押圧力調整弁41の何れかのパイロット部42、43に導入される油圧が高くなる様に切り換えられる。従って、前記押圧装置5の油圧室45内に導入される油圧、延いてはこの押圧装置5が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機4を通過する力が大きくなる程大きくなる。
又、図示の例の場合、前記制御器11からの指令により制御されるライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき、前記第三のパイロット部44に圧油を導入自在としている。即ち、前記制御器11は、前記トロイダル型無段変速機4の変速比、内部に存在する潤滑油の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等を勘案して、前記押圧装置5に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を算出する。そして、この必要値と、前記目標値との差である補正値に対応する油圧を、前記ライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき、前記第三のパイロット部44に導入する。この様にしてこの第三のパイロット部44に導入された油圧は、前記押圧力調整弁41のスプール48を、図11の左方に押し、前記押圧装置5に導入される油圧を低下させる(減圧する)。
この結果、前記押圧装置5に導入される油圧が、前記差圧取り出し弁47が設定した目標値から、前記第三のパイロット部44に導入された油圧に基づく補正値を減じた値に比例する必要値に補正(減圧)される。尚、前記第三のパイロット部44に導入する油圧は、前記変速比が所定値(最も大きな油圧を必要とする値で、例えば1.32)からのずれが大きくなる程、前記油温が低い程、それぞれ高くする。以上に述べた様に、特許文献3に記載された構造を含めて、各トラクション部の面圧を確保する為の押圧装置として油圧式のものを使用するトロイダル型無段変速機4の場合には、この押圧装置が発生すべき押圧力を、このトロイダル型無段変速機4の通過トルクや変速比、油温等から求め、この押圧力に見合う油圧を前記押圧装置5の油圧室45内に導入する様にしている。
この油圧室45内に導入する油圧が、常に前記通過トルクに見合う値以上であり、前記各トラクション部の面圧が必要値以上であれば、これら各トラクション部で有害な(不可避的に生じる、スピン滑りを含む、動力伝達の為に必要な微小な滑り以外の)滑りが発生する事はない。この有害な滑りの発生を防止する為には、前記油圧室45内に導入する油圧に関する安全率を高く(「実際に導入する油圧」−「必要油圧」を大きく)する事が考えられる。但し、前記安全率を高くし過ぎて、前記各トラクション部の面圧が過大になると、これら各トラクション部で発生する、スピンロスを初めとする伝達ロスが大きくなり、前記トロイダル型無段変速機の伝達効率が低下する。この為、前記安全率を余り大きくする事は好ましくない。
但し、前記安全率を低く抑える(「1」を超える値であるが「1」に近い値にする)と、前記トロイダル型無段変速機4の通過トルクが急変動した場合に、前記油圧室45内に導入する油圧の調整が間に合わず、前記押圧装置5が発生する押圧力が不足する可能性がある。遊星歯車装置12と組み合わせて無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機4の場合、クラッチ装置13の切り換え時(低速モードと高速モードとの変換時)に、このトロイダル型無段変速機4の通過トルクが急変動する為、前記クラッチ装置13の切り換えの前後に、前記油圧室45内に導入する油圧を一時的に高める事が、従来から提案されている。
又、マニュアル式に変速比を段階的に変化させる無段変速装置で、この変速比を変化させる前後に必要となる押圧力を確保する事も、特許文献6に記載される等により、従来から提案されている。この特許文献6に記載された従来技術は、無段変速機の変速比を増速側に変更する際に、エンジンの回転速度を低下させると、そのままではこのエンジンの出力低下に伴って前記押圧力も低下し、動力伝達部に過大な滑りが発生する可能性を生じるので、この押圧力を低下させずに、そのままの値に維持するものである。更に、ベルト式の無段変速機を主眼としたものであるが、特許文献7、8にも、変速比変更時に押圧力を高める発明が記載されている。
但し、無段変速機の技術分野で一般的に行われている、当該無段変速機の運転状況に応じて前記押圧装置の押圧力を高める様な制御を行った場合でも、この押圧力が一時的に不足する可能性がある事が、本発明者の研究により分かった。この理由に就いて、以下に説明する。前記制御器11が前記押圧装置5の油圧室45内に導入する油圧を調整しようとした場合でも、次の(1)〜(3)の様な理由により、実際にこの油圧室45内の油圧が上昇し、前記押圧装置5が発生する押圧力が上昇するまでに時間を要する(応答遅れを生じる)可能性がある。
(1) 前記トロイダル型無段変速機4の通過トルクの算出遅れ
この通過トルクは、前述した様に、前記アクチュエータ19に設けた1対の油圧室26a、26b同士の間に存在する差圧に基づいて求める。但し、前記エンジン1の出力トルクが変動(増減)してから、この変動が前記トロイダル型無段変速機4に伝達されて前記両油圧室26a、26b同士の間に差圧が発生し、この差圧を前記両油圧センサ27a、27bの検出信号に基づいて前記制御器11が前記トロイダル型無段変速機4の通過トルクを算出するまでには遅れが生じる。
(2) 前記トロイダル型無段変速機4の変速比の算出遅れ
このトロイダル型無段変速機4の変速比は、前記入力側回転センサ9が検出する前記入力側ディスク6の回転速度と、前記出力側回転センサ10が検出する前記出力側ディスク8の回転速度との比として算出する。但し、これら両回転センサ9、10によりこれら両ディスク6、8の回転速度を、必要な精度で検出する為には、これら両ディスク6、8を所定角度以上回転させる必要がある。この為、これら両ディスク6、8の回転速度を検出し、更に前記トロイダル型無段変速機4の変速比を算出するまでに遅れが生じる。
(3) 前記押圧装置5が目標とする押圧力を発生させるまでの油圧応答遅れ
前記制御器11等が前記押圧装置5に発生させるべき押圧力を算出し、この押圧力を得られる油圧を算出して、前記押圧力調整弁41の開弁圧を調整しようとしても、図11に示した油圧回路中に存在する抵抗により、この開弁圧が所望値になるまでに応答遅れが生じる。更に、前記押圧力調整弁41の開弁圧が所望値に調整されてから、実際に前記押圧装置5の油圧室45内に所定の油圧が導入されるまでの間にも、応答遅れが発生する。
上述した(1)〜(3)の様な理由による応答遅れは、前記トロイダル型無段変速機4を搭載した自動車が定速走行している場合や、このトロイダル型無段変速機4の変速比を変更する場合でもこの変更の程度が緩徐であり、前記トロイダル型無段変速機4の通過トルクの変動が緩徐に行われる場合には、特に問題とはならない。即ち、前記油圧室45内に導入する油圧に関しては、前述した様な安全率を設定している為、前記通過トルクの変動が緩徐であり、その結果、「実際に導入する油圧」−「必要油圧」の値が前記安全率で補償できる範囲内(正の値)であれば、前記各トラクション部で過大な滑りが発生する事はない。
これに対して、トロイダル型無段変速機の変速機を、手動による変速比切換スイッチの操作に基づいて、予め設定した値に調節できる機能を備えさせた場合、この変速比切換スイッチの操作時に、前記通過トルクが急変動する。即ち、トロイダル型無段変速機に変速比切換スイッチを設けて、このトロイダル型無段変速機の変速比を、予め設定した値に調節可能とする手動変速モード(所謂マニュアルモード)を設けた場合、この手動変速モード選択時に於ける変速比の調節は、通常の自動変速モード(所謂オートモード)の場合に比べて、極短時間で行われる。即ち、自動変速モードの場合には、アクセルペダルを大きく踏み込む事によるキックダウン加速時や、ブレーキペダルを強く踏み込む事による急減速時にしか生じない様な、最速での変速動作が、手動変速モードの場合には常に行われる。そして、変速動作が高速で(最速で)行われると、エンジンに関する、フライホイール等の慣性質量を加減速する為に必要なトルクが、前記トロイダル型無段変速機の通過トルクに付加される。この様な事情により、前記手動変速モードでの変速時には、前記トロイダル型無段変速機の通過トルクが急変(急増又は急減)する。この様に通過トルクが急変する状態では、前記エンジンが発生するトルクに応じて設定される押圧力だけでは不足し、前記トラクション部の滑りを誘発し易い。特に、アクセルペダルを踏み込みながら前記変速比切換スイッチを操作して、前記トロイダル型無段変速機の変速比を減速側に変更すると、前記通過トルクが急増する為、前記トラクション部の滑りを誘発し易い程度が著しくなる。
一方、特許文献2には、エンジンの出力トルクが小さい状態での走行中は、前記「実際に導入する油圧」−「必要油圧」である余裕代を大きくしておく発明が記載されている。この様な特許文献2に記載された発明によれば、前記エンジンの出力トルクが小さい状態、即ち、アクセルペダルの急激な踏み込みに伴ってこの出力トルクが大きく急上昇する余地がある状態では前記余裕代が大きい状態となっている為、この状態で、前記手動変速モードに基づく変速比切換を行って、その結果前記通過トルクが急変しても、前記押圧装置の押圧力が不足する状態になりにくく、前記各トラクション部で、有害な滑りが発生しにくくできる。但し、前記特許文献2に記載された発明を適用して、手動変速モードによる変速操作時に有害な滑りの発生を抑える事を意図した場合には、前記エンジンの出力トルクが小さい状態での通常走行中は、常に過押付け状態になる。そして、何時行われるか分からない、前記手動変速モードに基づく変速比切換の為に、前記押圧力を常に高めに保持しておく事は、伝達効率の確保の面からは不利である。
特開2004−169719号公報 特開2005−221018号公報 特開2006−250255号公報 特開2007−46661号公報 特開2009−121530号公報 特開2010−190362号公報 特公平5−31025号公報 特開2005−69345号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、手動による変速比切換スイッチの操作に基づいて変速比を、予め設定した値に調節できる機能を備えた構造で、この変速比切換スイッチの操作に基づいてトロイダル型無段変速機の変速比を急に変化させた場合でも、このトロイダル型無段変速機のトラクション部で有害な滑りが発生しない構造を、このトロイダル型無段変速機の伝達効率の悪化を抑えつつ実現すべく、発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機の発明は、従来から知られている無段変速装置と同様に、第一、第二のディスクと、複数のパワーローラと、複数個の支持部材と、油圧式のアクチュエータと、変速比制御ユニットと、押圧装置とを備え、自動車用の自動変速機として利用される。
このうちの第一、第二のディスクは、それぞれがトロイド曲面である軸方向側面同士を互いに対向させた状態で、相対回転を可能として互いに同心に配置されている。
又、前記各パワーローラは、前記第一、第二のディスクの軸方向側面同士の間に挟持されて、これら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する。
又、前記各支持部材は、前記各パワーローラを回転自在に支持している。
又、前記アクチュエータは、油圧式で、前記各支持部材を、それぞれの端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、前記第一のディスクと前記第二のディスクとの間の変速比を変える。
又、前記変速比制御ユニットは、前記変速比を所望値にする為に、前記アクチュエータの変位方向及び変位量を制御する。
又、前記押圧装置は、前記第一のディスクと前記第二のディスクとを互いに近付く方向に押圧するもので、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものである。
そして、前記押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、前記第一のディスクと前記第二のディスクとの間で伝達する力の大きさに応じて調節する。
更に、手動による変速比切換スイッチの操作に基づいて前記変速比を、予め設定した値に調節できる機能を備える。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として、直ちに、予め設定した所定時間だけ前記押圧装置に導入する油圧を、前記変速比切換スイッチが操作された時点で必要な油圧である必要油圧を基準としてこれよりも高くして、この押圧装置が発生する押圧力を必要ローディング圧(必要油圧が導入された押圧装置が発生する押圧力)よりも大きくする機能を有する。
より具体的には、本発明のトロイダル型無段変速機は、請求項2に記載した様に、前記変速比切換スイッチの操作に関係なく、前記自動車の走行状態に応じて前記変速比を自動的に調節する自動変速モードと、前記変速比切換スイッチの操作に基づいてこの変速比を調節する手動変速モードとを切り換える、変速モード切換スイッチを備える。そして、この変速モード切換スイッチにより前記手動変速モードが選択された状態で、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として、前記押圧装置が発生する押圧力を大きくする制御を行う。
上述の様な本発明を実施する場合、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を、前記変速比切換スイッチが操作された時点で必要な油圧である必要油圧を基準として、次の(a)(b)のうちの何れかにより高くする。
(a)前記必要油圧に安全係数を乗算する事により求めた油圧を、前記押圧装置に導入する油圧とする。
(b)前記必要油圧に、予め設定したマップにより求めた補正分を加算した油圧を、前記押圧装置に導入する油圧とする。
又、上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする程度を、前記変速比切換スイッチの操作方向、及び、この変速比切換スイッチが操作された時点でのアクセルペダルの開度に応じて異ならせる。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする程度を、この変速比切換スイッチの操作に基づいて調節される変速比である目標変速比に応じて異ならせる。
或いは、請求項6に記載した発明の様に、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする、前記所定時間を、前記変速比切換スイッチが操作された時点での油温に応じて調節する。
更に、請求項7に記載した無段変速装置の発明は、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットとを備える。
このうちの差動ユニットは、トロイダル型無段変速機を構成する第一のディスクと共に入力軸により回転駆動される第一の入力部と、同じく第二のディスクに接続される第二の入力部とを有し、これら第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して出力軸に伝達するものである。
特に、前記請求項7に記載した無段変速装置に於いては、前記トロイダル型無段変速機が、上述した様なトロイダル型無段変速機である。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置によれば、変速比切換スイッチが操作されてトロイダル型無段変速機の変速比が急変し、その結果、このトロイダル型無段変速機の通過トルクが急変した場合でも、このトロイダル型無段変速機のトラクション部で有害な滑りが発生する事を防止できる。
即ち、本発明の場合には、運転者が前記変速比切換スイッチを操作した場合に、予め設定した所定時間{前述の(1)〜(3)の理由により生じる応答遅れが解消するまでの短時間(例えば後述する図8に示す様に0.5〜3秒程度)}だけ、アクチュエータ部分の差圧やエンジンの回転速度等から求められる、その時点で必要とされる値を超えて(前述の特許文献5の場合に制御する値を超えて)、直ちに押圧装置の油圧室に導入する油圧を上昇させ、この押圧装置が発生する押圧力を上昇させる。この為、前述の(3)の理由による応答遅れを僅少に抑えられる。運転者が前記変速比切換スイッチを操作した場合であっても、実際にトロイダル型無段変速機の変速比が変更され、このトロイダル型無段変速機の通過トルクが増大するまでには、僅かな時間的遅れが存在するので、本発明の様に、前述の(1)〜(3)の理由により生じる応答遅れの総てを解消乃至は低減できれば、実際にトロイダル型無段変速機の通過トルクが急変する以前に押圧力を増加させる事ができる。そして、押圧力不足(押圧力の上昇遅れ)により、トロイダル型無段変速機のトラクション部に有害な滑りが発生する事を防止して、押圧力不足に伴う過大な滑りに基づく伝達効率の低下や、グロススリップに基づく耐久性の低下を防止できる。
又、前記変速比切換スイッチを操作した直後から、極短時間(例えば0.5〜3秒間程度)のみ、一時的に前記押圧力を増大させる様に構成したので、それ以外の場合には、前記各トラクション部の面圧が過大になる事はない。この為、前記変速比切換スイッチを操作していない状態では、前記押圧装置が発生している押圧力は適正値(必要最低値に、一般的な、1より少しだけ大きい安全率を乗じた値=後述する必要ローディング圧)に調節される。この為、トロイダル型無段変速機を搭載した自動車の運転時間中の大部分では、前記各トラクション部の面圧は適正値に維持される。この結果、この面圧が過大になる事に伴う伝達効率の低下(燃費悪化)や走行フィーリングの悪化を防止できる。即ち、本発明によれば、前記変速比切換スイッチの操作に基づく有害な滑りの発生を防止しつつ、しかも、運転時の大部分で、前記各トラクション部の面圧を適正に維持して、この面圧が過大になる事に伴う伝達効率の低下(燃費悪化)を防止できる。
本発明を適用可能な無段変速装置の1例を示すブロック図。 同じく油圧制御回路の1例を示す図。 本発明の実施の形態の1例を示すフローチャート。 変速比切換スイッチの操作に基づく各部の作動状況を説明する為の線図。 この変速比切換スイッチが操作された瞬間に於けるアクセルペダルの踏み込み量と、必要油圧に乗算する安全係数との関係の1例を示す線図。 遊星歯車装置と組み合わされて無段変速装置を構成したトロイダル型無段変速機の押圧装置の油圧室内に導入すべき油圧と、このトロイダル型無段変速機の変速比との関係を示す線図。 同じく、前記変速比切換スイッチが操作された瞬間に於けるトロイダル型無段変速機の変速比と、必要油圧に乗算する安全係数との関係の1例を示す線図。 前記変速比切換スイッチが操作された瞬間に於ける油温と、必要油圧に乗算する安全係数との関係の1例を示す線図。 本発明による制御の実施状況の1例を示すタイムチャート図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示すブロック図。 同じく油圧制御回路の1例を示す図。
図1〜9により、本発明の実施の形態の1例に就いて説明する。尚、図1は本発明を適用可能な無段変速装置の1例を、図2は同じく油圧制御回路を、それぞれ示しているが、この無段変速装置の構成に関しては、基本的には、前述の図10〜11に示した従来構造の場合と同様である。図1で、変速比を手動により変更する為の、特許請求の範囲に記載した変速比切換スイッチに相当する、パドルシフトの信号を得る為のパドルシフトセンサ49と、パーキングブレーキが操作されているか否かの信号を得る為のパーキングブレーキセンサ50と、車体に加わる加速度を求める為の加速度センサ51と、クラッチ装置13の切り換えに基づく、高速、低速モードの切り換え状態を判定する為のモード検出手段52との信号を制御器11に入力し、この制御器11と演算器53とを繋いでいるが、これらの点に関しては、パドルシフトセンサ49を除き、本発明の本質とは関係しない。
又、図2に示した油圧回路は、差圧シリンダ22や差圧取り出し弁47(図11参照)を省略する等、前述の従来構造に比べて簡略化しているが、これらの点に関しても、本発明の本質とは関係しない。即ち、本発明は、前述の図10〜11に示した構造でも実施できる。但し、前記パドルシフトセンサ49に関しては重要である。このパドルシフトセンサ49が送り出すパドルシフトの信号に基づいて、手動変速モード選択時に於ける、運転者によるパドルシフトレバー(変速比切換スイッチ)の操作状況を把握する。
次に、本発明の特徴である、運転者が前記パドルシフトレバーを操作する事に基づいてトロイダル型無段変速機4の変速比が切り換えられた場合の制御に就いて、図3〜8を参照しつつ説明する。尚、図3に示した制御の為の判定は、イグニッションスイッチをONしてからOFFするまでの間、繰り返し行う。又、以下の説明は、変速機のセレクトレバーが走行モードに切り換えられている(Pレンジ、Nレンジ等の非走行モードではない)事を前提として行う。
先ず、図3のステップ1で、その時点でトロイダル型無段変速機4によるトルク伝達の為に必要とされる押圧力(必要ローディング圧、CAL_PLOAD)を算出する。この必要ローディング圧の算出は、その時点でのトロイダル型無段変速機4の変速比、トラクションオイルの温度(油温)、入力トルクに応じて算出する。
次いで、ステップ2で、セレクトレバーが手動変速モード(Mレンジ)であるか否かを判定する。このステップ2で、その時点でのセレクトレバーの位置が自動変速モード(Dレンジ或いはRレンジ)であると判定された場合には、ステップ3に移り、本発明による制御は行わず、通常の押圧力制御を実施する。即ち、前記ステップ1で算出した必要ローディング圧を目標値として、押圧装置5の油圧室45に導入する油圧を制御する。このステップ3に移った場合には、続くステップ4〜6で、本発明の制御を行う為に使用する以下のパラメータに関して、次の(A)〜(C)の初期値を、制御器11のメモリ中に書き込む。
(A) 一時増圧制御開始フラグ : F_MANU_PLOAD=0(フラグクリア)
(B) 一時増圧制御タイマ : T_MANU=0(タイマクリア)
(C) 一時増圧制御量 : P_SAF/P_SF_ACC/P_SF_TRGT=1.0(安全係数クリア)
前記ステップ2で、前記セレクトレバーが手動変速モード(Mレンジ)を選択していると判定した場合には、ステップ7に移り、前記パドルシフトセンサ49からの信号に基づいて、前記パドルシフトレバーがシフトアップ側(高速走行側)に操作されたか否か(シフトアップ指令の有無)を判定する。この様なステップ7で、シフトアップ指令が無いと判定された場合には、ステップ8に移り、前記パドルシフトレバーがシフトダウン側(低速走行側)に操作されたか否か(シフトダウン指令の有無)を判定する。
前記ステップ7でシフトアップ指令が有ると判定された場合、又は、このステップ7でシフトアップ指令が無いと判定され、更に、前記ステップ8でシフトダウン指令が有ると判定された場合には、ステップ9に移り、本発明の特徴である、一時増圧制御を開始する。この為に、先ず、一時増圧制御開始フラグ「F_MANU_PLOAD」を「1」にする(フラグを立てる)。即ち、図4の最上段又は上から第2段目に示す様に前記パドルシフトレバーが操作される毎に、同図の上から第3段目に示す様に制御タイマのカウントを開始し、この制御タイマの設定時間が経過するまでの間、同図の最下段に示す様に、前記一時増圧制御が行われている旨を表す、前記一時増圧制御開始フラグ「F_MANU_PLOAD」を立てて(「1」にして)おく。
前記ステップ9で前記一時増圧制御開始フラグ「F_MANU_PLOAD」を立てたならば、次いで、ステップ10→ステップ11→ステップ12→ステップ13に移り、前記押圧装置5が発生する押圧力PLoadを一時的に高くすべき大きさ(油圧室45に導入する油圧を増大すべき量)である、一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」、及び、一時増圧制御を継続すべき時間「T_MANU」を求める。このうちの一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」は、その時点でのアクセル開度と、前記パドルシフトレバーがどの方向に操作されたか(シフトアップかシフトダウンか)と、目標変速比(このパドルシフトレバーの操作により得ようとしている変速比)とから求める。又、前記一時増圧制御を継続すべき時間「T_MANU」は、その時点での油温(トロイダル型無段変速機4を収めたケーシング内のトラクションオイルの温度)に基づいて求める。この点に就いて、図5〜7を参照しつつ説明する。
先ず、ステップ10で、前記アクセル開度、及び、前記パドルシフトレバーの操作方向に基づく、前記一時増圧量「P_SF_ACC」を、図5に示したアクセル開度マップより求める。この図5で、横軸は前記アクセル開度[%]を、縦軸は前記一時増圧量「P_SF_ACC」を、それぞれ表している。このうちの一時増圧量「P_SF_ACC」とは、前記ステップ1で求めた必要ローディング圧に乗算すべき係数(安全率)を表している。この係数は、例えば1〜3程度の値を取る。又、実線αはシフトダウン指令が出された場合の、破線βはシフトアップ指令が出された場合の、それぞれ両者の関係を表している。
シフトダウン指令が出された場合の一時増圧量「P_SF_ACC」が、シフトアップ指令が出された場合の一時増圧量「P_SF_ACC」よりも大きい理由は、次の通りである。前提として、本例の場合には、図6に示す様に、クラッチ装置13(図1)により高速モードと低速モードとを切換可能であり、且つ、低速モードの際には前記トロイダル型無段変速機4(バリエータ)の変速比調節に基づいて、入力軸3を回転させたまま出力軸14の回転方向を、停止状態{ギヤードニュートラルポイント(GN点)}を挟んで逆転可能な構造を採用している。更に、前記手動変速モード状態で選択できる変速比は、何れも、前記高速モードで、且つ、前記出力軸14が前進方向に回転し、GN点近傍のトルク変動が著しい部分よりも、高速側に外れた範囲に設定している。
この様に、手動モード状態で選択できる変速比を設定した範囲では、前記トロイダル型無段変速機4の押圧装置5に必要とされる押圧力が、図6の実線aから明らかな通り、このトロイダル型無段変速機4の変速比が高速側(シフトアップ側)になるほど小さくなる。前記パドルシフトレバーの操作方向に基づいてシフトアップ指令を行った場合には、変速比変更後の状態で要求される押圧力は、変更前の変速比で要求されている(現在発生している)押圧力に比べて小さくなる。又、変速比が高速側になると、エンジンの回転速度が低下して、前記トロイダル型無段変速機4に入力されるトルクが低下し、この面からも、前記押圧装置5に必要とされる押圧力が低くなる場合が多い。従って、シフトアップ指令が出された場合の一時増圧量「P_SF_ACC」は、変速の過程で有害な滑りが発生するのを防止する事を意図したとしても、高くする程度を余り大きくする必要はない。言い換えれば、変速中のみ、前記押圧力を少しだけ大きくすれば十分である。
これに対して、前記パドルシフトレバーの操作方向に基づいてシフトダウン指令を行った場合には、変速比変更後の状態で要求される押圧力が、変更前の変速比で要求されている(現在発生している)押圧力に比べて大きくなる。又、変速比が低速側になると、エンジンの回転速度が上昇して、前記トロイダル型無段変速機4に入力されるトルクが大きくなり、この面からも、前記押圧装置5に必要とされる押圧力が大きくなる場合が多い。従って、シフトダウン指令が出された場合の一時増圧量「P_SF_ACC」は、変速の過程で有害な滑りが発生するのを防止する為に、十分に大きくする必要がある。言い換えれば、変速中から、前記押圧力を十分に大きくする事が好ましい状態となる。
尚、余り現実的では無いが、手動変速モードにより選択可能な変速比を、前記低速モードの範囲(但し、前進状態)に設定する事も可能である。この場合には、前記パドルシフトレバーの操作方向に基づいてシフトアップ指令を行うと、前記トロイダル型無段変速機4の変速比が低速側に変化するが、図6の実線aから分かる様に、前記押圧装置5に必要とされる押圧力は小さくなる。従って、制御の傾向自体は、上述の場合と同様に行える。但し、この様な低速モードの範囲は、前記トロイダル型無段変速機4の変速比が少し相違しただけで、前記押圧装置5に必要とされる押圧力が大きく異なるので、使用するマップ等は別途(高速モードでの変速用とは別に)用意する必要がある。
前記ステップ10で、前記アクセル開度、及び、前記パドルシフトレバーの操作方向に基づく、前記一時増圧量「P_SF_ACC」を求めたならば、次のステップ11で、前記目標変速比に関する、前記一時増圧量「P_SF_TRGT」を、図7に示したマップに基づいて求める。この図7で、切換に伴って実現すべき変速段(1速〜6速)に対応する縦軸の値が、前記一時増圧量「P_SF_TRGT」となる。本例の場合、この一時増圧量「P_SF_TRGT」は、前記ステップ1で求めた必要ローディング圧に乗算すべき係数(安全率)として表している。この係数に関しても、例えば1〜3程度の値を採用する。
前記ステップ10→前記ステップ11で、変速指令が出された場合の一時増圧量「P_SF_ACC」及び前記目標変速比に関する一時増圧量「P_SF_TRGT」を求めたならば、次のステップ12で、前記一時増圧を継続すべき時間「T_MANU」を、図8に示したマップにより求める。この図8で、横軸は油温[℃]を、縦軸は前記一時増圧を継続すべき時間[sec]を、それぞれ表している。又、実線αはシフトダウン指令が出された場合の、破線βはシフトアップ指令が出された場合の、それぞれ両者の関係を表している。前記一時増圧を継続すべき時間「T_MANU」に関しても、前記一時増圧量「P_SF_ACC」を、シフトアップ指令が出された場合とシフトダウン指令が出された場合とで異ならせるのとほぼ同様の理由により、シフトアップ指令が出された場合の継続時間よりも、シフトダウン指令が出された場合の継続時間を長くする。
以上に述べたステップ10→ステップ11→ステップ12で、前記2種類の一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」、及び、一時増圧制御継続時間「T_MANU」を求めたならば、次のステップ13で、実際に前記押圧装置5に発生させるべき一時増圧量の合成値「P_SAF」を、前記2種類の一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」の積(「P_SAF」=「P_SF_ACC」×「P_SF_TRGT」)として求める。但し、前記合成値「P_SAF」は、これら2種類の一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」の和(「P_SAF」=「P_SF_ACC」+「P_SF_TRGT」)として求める事もできる。何れにしても、求めた合成値「P_SAF」に見合う油圧を、前記押圧装置5の油圧室45内に導入する。尚、この合成値「P_SAF」に関しては、前記2種類の一時増圧量「P_SF_ACC」、「P_SF_TRGT」の積(「P_SF_ACC」×「P_SF_TRGT」)として求めるにしても、或いは和(「P_SF_ACC」+「P_SF_TRGT」)として求めるにしても、前記トロイダル型無段変速機4により伝達可能なトルクの最大値を超えて大きくならない様に、エンジン1の運転状況に応じた上限値を設ける事が好ましい。
上述したステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ12→ステップ13で、本発明の特徴である一時増圧制御を開始したならば、次のステップ14で、このうちのステップ12で設定したタイマの設定時間の残量(T_MANU)を判定する。そして、このタイマの設定時間が経過した(T_MANU=0となった)時点で、前記一時増圧制御を終了する。具体的には、前記ステップ3に移り、続くステップ4〜6で、一時増圧制御開始フラグ、一時増圧制御タイマ、一時増圧制御量を何れもクリアしてから終了する。
これに対して、前記ステップ14で、前記タイマの設定時間が残っている(T_MANU≠0)場合には、ステップ15でこのタイマの設定時間を低減{タイマをデクリメント(−1)}してからステップ16に移り、前記一時増圧制御を継続する。以下、前記タイマの設定時間が経過する(T_MANU=0となる)まで、ステップ1→ステップ2→ステップ7→(ステップ8)→ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ12→ステップ13→ステップ14を繰り返す。勿論、その途中で再び前記パドルシフトレバーが操作された場合には、前記ステップ9→ステップ10→ステップ11→ステップ12→ステップ13で新たな一時増圧制御を開始し、タイマも、その時点から新たな設定時間をカウントし始める。
尚、以上の説明では、前記タイマとして減算式(デクリメント式)のものを使用しているが、加算式(インクリメント式)のタイマを使用しても良い。要するに、本発明の特徴である一時増圧制御の実施時間を規定、計測できる機器であれば、本発明を実施する為のタイマとして利用できる。
尚、上述の実施の形態の1例では、前述した(1)〜(3)の理由に基づく応答遅れを解消すべく、前記押圧装置5の油圧室45内に導入する油圧を一時的に増大させる為に行う、前記一時増圧制御を、前述のステップ1で算出した必要ローディング圧(CAL_PLOAD)に、前記ステップ13で求めた一時増圧量(合成値「P_SAF」、安全率の加算分)を乗算する様にしている。即ち、前記必要ローディング圧(CAL_PLOAD)と前記合成値「P_SAF」との積を、目標ローディング圧として、前記制御器11から出力する様にしている。これに対して、本発明を実施する場合に、安全率の加算分を乗ずるのではなく、前記油圧室45内に導入する油圧を一時的に増大させるべき値、即ち、一時増加量を絶対値として求め、この値を前記必要ローディング圧に加算した値を目標値としても良い。
図9は、アクセルペダルの操作量を変化させながら、前記パドルシフトレバーの操作に基づいて、前記押圧装置5の油圧室45内に導入する油圧を一時的に増大する一時増圧制御を行う状況の1例を示している。各部の符号及び数値の意味は、前記図3のフローチャートで説明した通りである。この例では、アクセルペダルを踏み込みつつ、アクセル開度が50%に達した瞬間にパドルシフトレバーを操作して、2速から3速にシフトアップしている。そして、図9の最下段に示す様に、目標ローディング圧を実線で表した値(1.2MPa)から破線で表した値(1.8MPa)に高めて、短時間だけ前記押圧装置5が発生する押圧力を増大させ、前記各トラクション部で有害な滑りが発生するのを防止している。それ以外の場合には、前記押圧力を、前記実線で示した必要ローディング圧に止めて、前記各トラクション部に過大な面圧が作用する事を防止している。尚、前記図9では、最上段に記載したアクセル開度を表す曲線と最下段に記載した目標ローディング圧を表す曲線とを、便宜的に一致させて描いているが、実際の場合、これら両曲線は、上昇、下降の傾向は一致するが、完全に一致するものではない。又、図9に示した制御の1例の場合、前記タイマの設定時間の間、前記合成値「P_SAF」に見合う油圧を前記油圧室45内に導入し続けているが、この油圧室45内に導入する油圧の加算分は、次第に小さくする(初めに最大値とし、タイマの設定時間の経過に伴って漸減させる)事もできる。
一方、前記ステップ7、8で、シフトアップ指令、シフトダウン指令の何れもが出されていないと判定された場合には、ステップ17で、現在、本発明の特徴である前記一時増圧制御を実施中であるか否かを判定する。この判定は、前記ステップ9で立てた一時増圧制御開始フラグ「F_MANU_PLOAD」に基づいて(「F_MANU_PLOAD」=1or0)判定する。ステップ7、8で、シフトアップ指令、シフトダウン指令の何れもが出されていないと判定された場合で、且つ、現在、一時増圧制御開始フラグが立っていない(「F_MANU_PLOAD」=0)場合は、前記ステップ3に移り、前記一時増圧制御は行わず、ステップ1で求めた必要ローディング圧を前記押圧装置5の油圧室45内に導入する、通常の制御を実施する。これに対して、前記ステップ17で、前記一時増圧制御開始フラグ立っている(「F_MANU_PLOAD」=1)であると判定された場合には、前記ステップ14に移り、前記タイマの設定時間「T_MANU」が経過するまで、前記一時増圧制御を継続する。
本発明の対象となるトロイダル型無段変速機は、ハーフトロイダル型に限らず、フルトロイダル型も含まれる。ハーフトロイダル型の場合には、各支持部材であるトラニオンの両端部にそれぞれ枢軸を、互いに同心に設けるが、フルトロイダル型の場合には、各支持部材の片端部にのみ枢軸を設ける場合もある。又、各支持部材を枢軸の軸方向に変位させる為のアクチュエータは、一般的にはこれら各支持部材毎に設けるが、各支持部材をリンク機構や歯車伝達機構等の、機械式の同期機構により組み合わせる代わりに、何れかの支持部材にのみアクチュエータを組み付ける事もできる。
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車装置
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18、18a、18b オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22 差圧シリンダ
23a、23b 補正用制御弁
24 高速用切換弁
25 低速用切換弁
26a、26b 油圧室
27、27a、27b 油圧センサ
28 スリーブ
29 ステッピングモータ
30 ライン圧制御用電磁開閉弁
31 電磁弁
32 シフト用電磁弁
33 油温センサ
34 ポジションスイッチ
35 アクセルセンサ
36 ブレーキスイッチ
37 手動油圧切換弁
38 エンジンコントローラ
39 油溜
40 低圧側調整弁
41 押圧力調整弁
42 第一のパイロット部
43 第二のパイロット部
44 第三のパイロット部
45 油圧室
46 ピストン
47 差圧取り出し弁
48 スプール
49 パドルシフトセンサ
50 パーキングブレーキセンサ
51 加速度センサ
52 モード検出手段
53 演算器

Claims (7)

  1. それぞれがトロイド曲面である軸方向側面同士を互いに対向させた状態で、相対回転を可能として互いに同心に配置された第一、第二のディスクと、これら第一、第二のディスクの軸方向側面同士の間に挟持されてこれら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を、それぞれの端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて前記第一のディスクと前記第二のディスクとの間の変速比を変える油圧式のアクチュエータと、この変速比を所望値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の変速比制御ユニットと、前記第一のディスクと前記第二のディスクとを互いに近付く方向に押圧する押圧装置とを備え、
    この押圧装置は、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものであり、この押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、前記第一のディスクと前記第二のディスクとの間で伝達する力の大きさに応じて調節するものであり、
    手動による変速比切換スイッチの操作に基づいて前記変速比を、予め設定した値に調節できる機能を備え、
    自動車用の自動変速機として使用されるトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として、直ちに、予め設定した所定時間だけ前記押圧装置に導入する油圧を、前記変速比切換スイッチが操作された時点で必要な油圧である必要油圧を基準としてこれよりも高くして、前記押圧装置が発生する押圧力を必要ローディング圧よりも大きくする事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記変速比切換スイッチの操作に関係なく、前記自動車の走行状態応じて前記変速比を自動的に調節する自動変速モードと、前記変速比切換スイッチの操作に基づいてこの変速比を調節する手動変速モードとを切り換える、変速モード切換スイッチを備え、この変速モード切換スイッチにより前記手動変速モードが選択された状態で、前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置が発生する押圧力を大きくする制御を行う、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を、前記変速比切換スイッチが操作された時点で必要な油圧である必要油圧を基準として、次の(a)(b)のうちの何れかにより高くする、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
    (a)前記必要油圧に安全係数を乗算する事により求めた油圧を、前記押圧装置に導入する油圧とする。
    (b)前記必要油圧に、予め設定したマップにより求めた補正分を加算した油圧を、前記押圧装置に導入する油圧とする。
  4. 前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする程度を、前記変速比切換スイッチの操作方向、及び、この変速比切換スイッチが操作された時点でのアクセルペダルの開度に応じて異ならせる、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする程度を、前記変速比切換スイッチの操作に基づいて調節される変速比である目標変速比に応じて異ならせる、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. 前記変速比切換スイッチが操作された事を条件として前記押圧装置に導入する油圧を高くする、前記所定時間を、前記変速比切換スイッチが操作された時点での油温に応じて調節する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  7. トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットとを備え、このうちの差動ユニットは、トロイダル型無段変速機を構成する第一のディスクと共に入力軸により回転駆動される第一の入力部と、同じく第二のディスクに接続される第二の入力部とを有し、これら第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して出力軸に伝達するものである無段変速装置に於いて、前記トロイダル型無段変速機が、請求項1〜6の何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機である事を特徴とする無段変速装置。
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