JP6149694B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば車両(自動車)用の自動変速装置、建設機械(建機)や農業機械(農機)用の自動変速装置、航空機(固定翼機、回転翼機、飛行船等)等で使用されるジェネレータ(発電機)用の自動変速装置、ポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の自動変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関する。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、変速比の変動幅を大きくすべく、トロイダル型無段変速機と差動ユニットである遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献2〜7に記載される等により、従来から広く知られている。図5〜6は、このうちの特許文献6〜7に記載された、入力軸を一方向に回転させたまま出力軸を停止させられる、所謂ギヤードニュートラル状態(動力循環状態)を実現できるモードを備えた無段変速装置を示している。このうちの図5は無段変速装置のブロック図を、図6は、この無段変速装置を制御する油圧回路を、それぞれ示している。先ず、図5のブロック図により、無段変速装置に就いて説明する。この図5中、太矢印は動力の伝達経路を、実線は油圧回路を、破線は電気回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、トロイダル型無段変速機4を構成する押圧装置5から入力側ディスク6に伝達され、更に複数個のパワーローラ7を介して出力側ディスク8に伝達される。これら両ディスク6、8のうち、入力側ディスク6の回転速度は入力側回転センサ9により、出力側ディスク8の回転速度は出力側回転センサ10により、それぞれ測定して、制御器11に入力し、前記両ディスク6、8間の(トロイダル型無段変速機4の)変速比を算出する。前記押圧装置5は、後述する図6に示す様に、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものとしている。
又、前記入力軸3に伝達された動力は、直接又は前記トロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車装置12に伝達される。そして、この遊星歯車装置12の構成部材の差動成分が、クラッチ装置13を介して出力軸14に取り出される。尚、このクラッチ装置13は、後述する図6に示す低速用クラッチ15及び高速用クラッチ16を表すものである。又、図示の例では、出力軸回転センサ17により前記出力軸14の回転速度を検出して、前記入力側回転センサ9及び出力側回転センサ10の故障の有無を判定する為のフェールセーフを可能としている。
一方、前記ダンパ2部分から取り出した動力によりオイルポンプ18(図6の18a、18b)を駆動し、このオイルポンプ18から吐出した圧油を、前記押圧装置5と、前記パワーローラ7を支持した支持部材であるトラニオンを枢軸(図示省略)の軸方向に変位させるアクチュエータ19(図6参照)の変位量を制御する為の制御弁装置20とに、送り込み自在としている。尚、この制御弁装置20とは、後述する図6に示す制御弁21と、差圧シリンダ22と、補正用制御弁23a、23bと、高速用切換弁24及び低速用切換弁25とを合わせたものである。このうちの制御弁21は、前記アクチュエータ19への圧油の給排を制御するものである。又、このアクチュエータ19に設けた1対の油圧室26a、26b(図6参照)内の油圧の差を油圧センサ27(実際には図6に示す様に1対の油圧センサ27a、27b)により検出して、その検出信号を、前記制御器11に入力している。
前記制御器11は、前記油圧センサ27からの信号(前記両油圧室26a、26b内の油圧の差)に基づいて、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク、トロイダル型無段変速機の技術分野で周知の、所謂2Ft)を算出する。そして、この様に算出される通過トルクに応じて前記トロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、前記制御弁21の構成部材であるスリーブ28(図6参照)を、前記差圧シリンダ22により変位させる。この様な差圧シリンダ22への圧油の給排は、前記補正用制御弁23a、23bにより制御される。又、前記制御弁装置20は、駆動部材であるステッピングモータ29と、後述する押圧力調整弁41を切り換える為のライン圧制御用電磁開閉弁30と、前記補正用制御弁23a、23bを切り換える為の電磁弁31と、前記高速用切換弁24及び低速用切換弁25を切り換える為のシフト用電磁弁32とにより、その作動状態を切り換えられる。そして、これらステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とは、何れも前記制御器11からの制御信号に基づいて切り換えられる。
又、前記制御器11には、前記各回転センサ9、10、17及び前記油圧センサ27からの信号の他、油温センサ33の検出信号と、ポジションスイッチ34の位置信号と、アクセルセンサ35の検出信号と、ブレーキスイッチ36の信号とを入力している。このうちの油温センサ33は、無段変速装置を納めたケーシング内の潤滑油(トラクションオイル)の温度を検出するものである。又、前記ポジションスイッチ34は、後述する図6に記載した手動油圧切換弁37を切り換える為の、運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置(選択位置)を表す信号を発するものである。又、前記アクセルセンサ35は、アクセルペダルの開度を検出する為のものである。更に、前記ブレーキスイッチ36は、ブレーキペダルが踏まれた事、或いはパーキングブレーキが操作された事を検出して、その事を表す信号を発するものである。
又、前記制御器11は、前記各スイッチ34、36及び各センサ9、10、17、27、33、35からの信号に基づいて、前記ステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とに前記制御信号を送る他、前記エンジン1を制御する為のエンジンコントローラ38に制御信号を送る。そして、前記入力軸3と前記出力軸14との間の速度比を変えたり、或いは停止時若しくは極低速走行時に前記トロイダル型無段変速機4を通過して前記出力軸14に加えられるトルク(通過トルク)を制御する。
図6は、上述の様な無段変速装置を制御する油圧回路を示している。この油圧回路では、油溜39から吸引されてオイルポンプ18a、18bにより吐出された圧油を、低圧側調整弁40並びに押圧力調整弁41により所定圧に調整自在としている。このうちの押圧装置5側に送る油圧を調整するこの押圧力調整弁41は、リリーフ弁としての機能を備えたもので、第一〜第三のパイロット部42〜44を備える。このうちの第一、第二のパイロット部42、43は、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクの大きさに応じて、前記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。これに対して、第三のパイロット部44は、前記トロイダル型無段変速機4の変速比、このトロイダル型無段変速機4の内部に存在する潤滑油(トラクションオイル)の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等、前記伝達トルク以外の運転条件に応じて前記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。図示の例の場合、前記第一〜第三のパイロット部42〜44に導入する油圧を適切に調節する事で、前記押圧装置5が発生する押圧力を、前記トロイダル型無段変速機4の運転状況に応じ、適正に規制する様に構成している。
この為に、図示の例の場合は、前記第一、第二のパイロット部42、43のうちの何れかのパイロット部に導入する油圧が高くなる程、前記押圧力調整弁41の開弁圧が高くなり、前記押圧装置5を構成する油圧室45内に導入する油圧を高くする様に構成している。又、これと共に、パワーローラ7を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる為のアクチュエータ19にピストン46を挟んで設けた1対の油圧室26a、26b同士の間の差圧を、差圧取り出し弁47を介して、何れかのパイロット部42、43に導入する様にしている。この差圧取り出し弁47は、前記アクチュエータ19の油圧室26a、26b内の油圧の差、即ち、トロイダル型無段変速機4を通過するトルクが大きくなる程、前記押圧力調整弁41の何れかのパイロット部42、43に導入される油圧が高くなる様に切り換えられる。従って、前記押圧装置5の油圧室45内に導入される油圧、延いてはこの押圧装置5が発生する押圧力は、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクが大きくなる程大きくなる。
又、図示の例の場合、前記制御器11からの指令により制御されるライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき、前記第三のパイロット部44に圧油を導入自在としている。即ち、前記制御器11は、前記トロイダル型無段変速機4の変速比、内部に存在する潤滑油の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等を勘案して、前記押圧装置5に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を算出する。そして、この必要値と前記目標値との差である補正値に対応する油圧を、前記ライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき、前記第三のパイロット部44に導入する。この様にしてこの第三のパイロット部44に導入された油圧は、前記押圧力調整弁41のスプール48を、図6の左方に押し、前記押圧装置5に導入される油圧を低下させる(減圧する)。
この結果、前記押圧装置5に導入される油圧が、前記差圧取り出し弁47が設定した目標値から、前記第三のパイロット部44に導入された油圧に基づく補正値を減じた値に比例する必要値に補正(減圧)される。尚、前記第三のパイロット部44に導入する油圧は、前記変速比が所定値(最も大きな油圧を必要とする値で、例えば1.32)からのずれが大きくなる程、前記油温が低い程、それぞれ高くする。以上に述べた様に、特許文献3に記載された構造を含めて、各トラクション部の面圧を確保する為の押圧装置として油圧式のものを使用するトロイダル型無断変速機4の場合には、この押圧装置が発生すべき押圧力を、このトロイダル型無段変速機4の通過トルクや変速比、油温等から求め、この押圧力に見合う油圧を前記押圧装置5の油圧室45内に導入する様にしている。
この押圧装置5が発生する押圧力が、前記通過トルクに見合う値以上であり、前記各トラクション部の面圧が必要値以上であれば、これら各トラクション部で有害な(不可避的に生じる、スピン滑りを含む、動力伝達の為に必要な微小な滑り以外の)滑り(グロススリップ)が発生する事はない。この有害な滑りの発生を防止する為には、前記押圧装置が発生すべき押圧力(目標押圧力)を算出する為に予め設定される、トラクション係数(接線力/法線力)μの値を小さくする事が考えられる。即ち、図7〜8に示す様に、前記各トラクション部を潤滑するトラクションオイルのトラクション係数(実トラクション係数)μは、このトラクションオイルが通常用いられる油温である20度以上では、前記各トラクション部に於ける油温が高くなる程小さくなる(伝達トルクを同じとした場合に、これら各トラクション部でグロススリップを発生させる事無く、トルクの伝達を行う為に必要な押圧力が大きくなる)。又、前記各トラクション部に於ける油温は、前記トロイダル型無段変速機4の変速速度(各パワーローラの傾転角速度)が速いと、これら各トラクション部に於けるサイドスリップに基づく発熱量が増大し、上昇する。そこで、前記従来構造の場合には、前記目標押圧力の算出に用いるトラクション係数μは、前記実トラクション係数μとして考え得る範囲の最小値(前記トラクションオイルの油温が通常用いられる範囲の最高温度である場合の値)よりも小さな値に設定する。但し、前記トラクション係数μを小さくし過ぎて、前記各トラクション部の面圧が過大になると、これら各トラクション部を構成する各面の転がり疲れ寿命確保の面から不利になるだけでなく、これら各トラクション部で発生する、スピンロスを初めとする伝達ロスが大きくなり、前記トロイダル型無段変速機の伝達効率が低下する。この為、前記トラクション係数μを余り(過度に)小さくする事は好ましくない。
この様な点を含み、上述した従来から知られている、ギヤードニュートラル状態を実現できる無段変速装置の場合、小型・軽量化を図る面からは未だ改良の余地がある。この点に就いて、次に説明する。前記無段変速装置の運転時に、ギヤードニュートラル状態近傍では、押圧装置5が発生すべき押圧力(目標押圧力)は、車両を発進させる為に必要な駆動輪のトルク(ドライブシャフトの駆動トルク)に基づき算出したエンジン1の出力トルクに基づいて算出する。この様にして算出された、前記無段変速装置のギヤードニュートラル状態近傍(低速モード状態)での無段変速装置の変速比と、前記目標押圧力との関係は、後述する本発明の実施の形態の1例を示す図4に実線aで示す様になる。この図4から分かる様に、低速用クラッチ15を接続し、高速用クラッチ16を切断した低速モードでは、車両の後退時の目標押圧力の最大値が前進時の目標押圧力の最大値よりも大きくなる。この理由は、前記無段変速装置内を循環する動力が車両の前進時よりも後退時に大きく、トロイダル型無段変速機4を通過する動力(トルク)も車両の前進時よりも後退時に大きくなる為である。前記押圧装置5は、発生すべき押圧力の最大値(最大必要押圧力)に合わせて設計する。従って、車両が前進走行する時間に比べて遥かに短い後退走行時に、前記トロイダル型無段変速機4のトラクション部で有害な滑り(グロススリップ)発生するのを防止する為、前記押圧装置5、延いては前記無段変速装置全体が大型・重量化する可能性がある。
特開2004−169719号公報 特開2005−221018号公報 特開2006−250255号公報 特開2007−46661号公報 特開2009−121530号公報 特開2010−190362号公報 特公平5−31025号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、ギヤードニュートラル状態を実現できる構造で、車両の後退時にも、トロイダル型無段変速機のトラクション部に於ける有害な滑りが発生するのを防止しつつ、小型・軽量化を図れる無段変速装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、従来から知られている無段変速装置と同様に、入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、差動ユニットと、制御器とを備える。
このうちのトロイダル型無段変速機は、少なくとも1対のディスクと、複数個のパワーローラと、複数個の支持部材と、アクチュエータと、押圧装置とを備える。
このうちの、前記両ディスクは、相対回転を自在に互いに同心に支持される。
又、前記各パワーローラは、これら両ディスク同士の間に挟持される。
又、前記各支持部材は、これら各パワーローラを回転自在に支持する。
又、前記アクチュエータは、前記各支持部材を変位させて、前記両ディスク同士の間の変速比を変える。
又、前記押圧装置は、前記両ディスク同士を互いに近付く方向に押圧するものであり、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる、油圧式のものである。
又、前記押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、前記両ディスク同士の間で伝達する力の大きさに応じて調節する。
そして、前記制御器により、前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して前記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる。これによって、駆動源により前記入力軸を一方向に回転させた状態のまま前記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換自在としている。
特に、本発明の無段変速装置の場合、前記押圧装置が発生すべき押圧力(目標押圧力)を算出する為に予め設定される、前記各パワーローラの周面と前記両ディスクの側面との当接部である、トラクション部のトラクション係数(接線力/法線力)を、車両の前進時よりも後退時に大きくする。これと同時に、前記トロイダル型無段変速機の変速速度(変速比変更の際のパワーローラの傾転角速度)を、この車両の前進時よりも後退時に遅くする。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、車両の後退時にも、トロイダル型無段変速機のトラクション部に於ける有害な滑りの発生を防止しつつ、小型・軽量化を図れる構造を実現できる。即ち、押圧装置が発生すべき押圧力(目標押圧力)を算出する為に予め設定されるトラクション係数を、車両の前進時よりも後退時に大きくしているので、後退時の前記目標押圧力の最大値が、前進時よりも過度に大きくなる事を防止できる。この為、押圧装置、延いては、無段変速装置を小型・軽量化できる。又、本発明の場合、後退時の変速速度を、前進時の変速速度よりも遅くしている為、後退時のトラクション係数を小さくしても、変速時に各トラクション部に存在するトラクションオイルの温度上昇を抑えられる。従って、前記トラクション係数の設定値を大きくしても、前記各トラクション部で有害な滑りが発生する事を防止できる。
本発明の対象となる無段変速装置の1例を示すブロック図。 同じく油圧制御回路の1例を示す図。 本発明の実施の形態の1例の動作を説明する為のフローチャート。 無段変速装置の変速比と、この無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機に組み込んだ押圧装置により発生すべき押圧力との関係の1例を示す線図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示すブロック図。 同じく油圧制御回路の1例を示す図。 トロイダル型無段変速機のトラクション部の滑り率と、トラクション係数との関係を、油温毎に示す線図。 トラクション部の滑り率を同じ(4[%])とした場合の、油温とトラクション係数との関係を示す線図。
図1〜4は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、図1は本発明の対象となる無段変速装置の1例を、図2は同じく油圧制御回路を、それぞれ示しているが、この無段変速装置の構成に関しては、基本的には、前述の図5〜6に示した従来構造の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は、省略若しくは簡略にする。図1では、変速比を手動により変更する為のパドルシフトレバーの選択位置を表す信号を得る為のパドルシフトセンサ49と、パーキングブレーキが操作されているか否かの信号を得る為のパーキングブレーキセンサ50と、運転者によるブレーキペダル(サービスブレーキ)の操作状況を表す信号を得る為のブレーキセンサ51と、車体に加わる加速度を求める為の加速度センサ52と、クラッチ装置13の切り換えに基づく、高速、低速モードの切り換え状態を判定する為のモード検出手段53との信号を制御器11に入力し、この制御器11と演算器54とを繋いでいるが、これらの点に関しては、本発明の本質とは関係しない。尚、前記ブレーキセンサ51はアクセルセンサ35と同様に、回転角ストロークセンサでも良いし、ブレーキ配管経路に取り付けられた圧力センサ等でも良い。
又、図2に示した油圧回路は、差圧シリンダ22や差圧取り出し弁47(図6参照)を省略する等、前述の従来構造に比べて簡略化しているが、これらの点に関しても、本発明の本質とは関係しない。即ち、本発明は、前述の図5〜6に示した構造でも実施できる。
次に、本例の特徴である、車両の進行方向(出力軸14の回転方向)に基づき押圧装置5が発生すべき押圧力(目標押圧力)を算出する為に用いるトラクション係数μと、トロイダル型無段変速機4の変速速度Vとを調整する制御に就いて、図3を参照しつつ説明する。尚、この図3に示した制御の為の判定は、イグニッションスイッチをONしてからOFFするまでの間、繰り返し行う。
先ず、ステップ1で、セレクトレバーが走行レンジ(D、Lレンジ又はRレンジ)にあるか否かを判定する。このステップ1で、セレクトレバーが非走行レンジ(P、N)にあると判定された場合には、ステップ2に進み、必要最低限の押圧力(PLOAD_NP)を目標値(TRGT_PLOAD)として、押圧力制御を実施した後、終了する(開始に戻る)。即ち、セレクトレバーが非走行レンジにある場合、クラッチ装置13(低速用クラッチ15及び高速用クラッチ16)は切断され、入力側ディスク6と出力側ディスク8との間で動力伝達が行われない無負荷状態となる。この様な無負荷状態から前記クラッチ装置13(前記低速用クラッチ装置15)を接続した瞬間に於いても、前記トロイダル型無段変速機4の転がり接触部(トラクション部)で過大な滑りを生じる事なく、動力伝達を開始できる様に、これら各トラクション部の面圧を最低限確保する為、押圧装置5の油圧室45内に導入する油圧を制御する。
一方、前記ステップ1で、セレクトレバーが走行レンジ(D、Lレンジ又はRレンジ)にあると判定された場合は、ステップ3に進み、セレクトレバーが後退位置(Rレンジ)にあるか否かを判定する。このステップ3で、セレクトレバーが後退位置にあると判定された場合には、ステップ4に進み、後退時に、前記押圧装置5が発生すべき押圧力(目標押圧力)を算出する為に用いるトラクション係数μとして、予め定められ、後述する前進時のトラクション係数μよりも大きい値(μ>μ、例えばμ=0.07)を、同じく前記トロイダル型無段変速機4の変速速度Vとして、予め定められ、後述する前進時の変速速度Vよりも小さい値(V<V)を、それぞれ設定する。これに対し、前記ステップ3で、セレクトレバーが前進位置(D又はLレンジ)にあると判定された場合、ステップ5に進み、前進時に、目標押圧力を算出する為に用いるトラクション係数μとして、予め定められた、従来と同じ値(例えばμ=0.05)を、同じく前記トロイダル型無段変速機4の変速速度Vとして、予め定められた、従来と同じ値を、それぞれ設定する。
そして、前進時、後退時、何れの場合でも、次にステップ6に進み、前記ステップ4又は前記ステップ5で設定したトラクション係数μ(μ又はμ)を用いて、その時点での前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクを伝達可能な押圧力(目標押圧力、CAL_PLOAD)を算出する。この目標押圧力は、次の様にして求める。即ち、前記押圧装置5の発生する押圧力(ローディング圧)Pは、次の(1)式の様にして求められる。
Figure 0006149694
尚、この(1)式中、Fは前記押圧装置5による軸力を、FCFは遠心油圧による軸力を、FCANは遠心油圧に対するキャンセル機構による軸力を、Sは前記両油圧室26a、26bを仕切るピストン46の有効面積を、それぞれ表わしている。尚、押圧装置5が複数のピストンから構成される場合、FCFは各ピストンの遠心油圧による軸力を、Sは各ピストンの有効面積を、それぞれ合計した値とする。又、前記押圧装置5による軸力Floadは、次の(2)式の様に表わされる。
Figure 0006149694
この(2)式中、φは前記各パワーローラ7の傾転角(前記トロイダル型無段変速機4の変速比に対応する角度)を、Tinは前記入力側ディスク6への入力トルクを、Rは前記各ディスク6、8の各トラクション部の中心点の径方向に関する公転半径を、それぞれ表わしている。尚、Kは、前記トロイダル型無段変速機4のキャビティ径をDとすると、次の(3)式の様に表わされる。
Figure 0006149694
そして、ステップ7に進み、前記ステップ6で求めた目標押圧力を目標値とし、押圧力制御を実施した後、終了する(開始に戻る)。
上述の様に構成する本例の無段変速装置によれば、小型・軽量化を図りつつ、車両の後退時にも、トロイダル型無段変速機4を構成するパワーローラ7の周面と、入力側、出力側各ディスク6、8の側面とのトラクション部に於ける有害な滑り(グロススリップ)が発生するのを防止できる。即ち、後退時に、押圧装置5が発生すべき押圧力を算出する為に用いるトラクション係数μを、前進時のトラクション係数μよりも大きくしている(μ>μ)。この為、図4の鎖線bで示す様に、後退時の目標押圧力の最大値(最大目標押圧力)を、前述した従来構造に係る後退時の目標押圧力(図4の実線aの差半部)の最大値よりも小さく抑えられる。従って、後退時の最大目標押圧力が、前進時の最大目標押圧力よりも過度に大きくなる事を防止でき、前記押圧装置5、延いては、前記無段変速装置の小型・軽量化を図れる。又、前記各トラクション部を構成する各面の転がり疲れ寿命を確保して、無段変速装置の耐久性向上を図り易くなる。
又、本例の場合、後退時の前記トロイダル型無段変速機4の変速速度Vを、前進時の変速速度Vよりも遅くしている為、後退時の、このトロイダル型無段変速機4の各トラクション部に於けるサイドスリップに基づく発熱量を(、後退時の変速速度Vを前進時の変速速度Vと同じとした場合と比較して)抑えられる。この結果、前記各トラクション部に存在するトラクションオイルの油温が上昇するのを抑えられ、これら各トラクション部を潤滑するトラクションオイルのトラクション係数(実トラクション係数)μの低下を抑えられる。従って、前記後退時のトラクション係数μを小さくしても、前記各トラクション部で有害な滑りが発生する事を防止できる。
尚、後退時の変速速度Vを遅くした事で、後退時に於ける車両の加速性能を得る面からは多少不利になるが、後退時に急加速する事は、車両の安全運行上好ましい事ではないし、使用時間の大部分を占める前進時に就いては、変速速度Vとして、従来と同じ値を設定しており、車両の加速性能を従来通り確保できるので、実用上問題となる事はない。
本発明の無段変速装置を実施する場合に、この無段変速装置に組み込むトロイダル型無段変速機は、ハーフトロイダル型に限らず、フルトロイダル型とする事もできる。
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車装置
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18、18a、18b オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22 差圧シリンダ
23a、23b 補正用制御弁
24 高速用切換弁
25 低速用切換弁
26a、26b 油圧室
27、27a、27b 油圧センサ
28 スリーブ
29 ステッピングモータ
30 ライン圧制御用電磁開閉弁
31 電磁弁
32 シフト用電磁弁
33 油温センサ
34 ポジションスイッチ
35 アクセルセンサ
36 ブレーキスイッチ
37 手動油圧切換弁
38 エンジンコントローラ
39 油溜
40 低圧側調整弁
41 押圧力調整弁
42 第一のパイロット部
43 第二のパイロット部
44 第三のパイロット部
45 油圧室
46 ピストン
47 差圧取り出し弁
48 スプール
49 パドルシフトセンサ
50 パーキングブレーキセンサ
51 ブレーキセンサ
52 加速度センサ
53 モード検出手段
54 演算器

Claims (1)

  1. 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備え、
    前記トロイダル型無段変速機は、相対回転を自在として互いに同心に支持された、少なくとも1対のディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を変位させて、前記両ディスク同士の間の変速比を変えるアクチュエータと、これら両ディスク同士を互いに近付く方向に押圧する押圧装置とを備え、この押圧装置は、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものであり、この押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、前記両ディスク同士の間で伝達する力の大きさに応じて調節するものであり、
    前記制御器により、前記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して前記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事で、駆動源により前記入力軸を一方向に回転させた状態のまま前記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換自在とした車両用無段変速装置に於いて、
    前記押圧装置が発生すべき押圧力を算出する為に予め設定される、前記各パワーローラの周面と前記両ディスクの側面とのトラクション部のトラクション係数を、車両の前進時よりも後退時に大きくし、且つ、前記トロイダル型無段変速機の変速速度を、この車両の前進時よりも後退時に遅くする事を特徴とする車両用無段変速装置。
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