JP2001221335A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP2001221335A
JP2001221335A JP2000028284A JP2000028284A JP2001221335A JP 2001221335 A JP2001221335 A JP 2001221335A JP 2000028284 A JP2000028284 A JP 2000028284A JP 2000028284 A JP2000028284 A JP 2000028284A JP 2001221335 A JP2001221335 A JP 2001221335A
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shift
ratio
manual
transmission
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Atsushi Tabata
淳 田端
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動変速モードで、運転者の意図をより良好
に反映した走行を可能にする変速制御装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 自動変速モードと手動変速モードとを選
択でき、かつ手動変速モードにおいて変速操作機構を手
動操作することによって変速比の下限値を変更して変速
比幅を任意に設定可能な無段変速機の変速制御装置であ
って、前記変速比幅内での変速比の変化速度を、前記変
速比の下限値が大きい場合には小さい場合に対して相対
的に速くする変速速度設定手段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両などで使用
される無段変速機の変速制御装置に関し、特に自動変速
モードと手動変速モードとを選択でき、かつ手動変速モ
ードでの変速速度を制御可能な変速制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、入力部材と出力部材との
間に設けられている伝動機構の状態を変化させることに
より、これら入力部材と出力部材との回転数の比率を連
続的に、すなわち無段階に変更できるように構成された
動力伝達装置であり、ベルト式無段変速機やトロイダル
式無段変速機などが従来知られている。この種の無段変
速機を搭載した車両では、走行中に変速比を適宜に変更
することにより、無段変速機の入力側の回転数すなわち
エンジン回転数を燃費が最小となる回転数に設定できる
ので、車両の燃費を向上させることができる。
【0003】燃費を重視した無段変速機の制御は、要求
駆動力や車速などの車両の運転状態に基づいて自動的に
実行することになるが、その制御は飽くまでも燃費を重
視した制御となるので、必ずしも運転者の意図した加速
力や制動力を得ることができない。そこで、変速比の制
御の自由度を高めて意図した加速力や制動力を得るため
に、手動操作に基づいて無段変速機の変速比を変更する
ように構成した制御装置が、従来、開発されている。そ
の一例が特開昭61−115733号公報に記載されて
いる。この公報に記載された装置は、シフトレバーの操
作ストロークをポテンショメータで検出し、そのシフト
レバーのハイポジション側からローポジション側へのス
トローク量が多いほど、無段変速機による最小トルク比
を大きく設定するように構成されている。ここで、トル
ク比は、無段変速機の変速比に相当する比率もしくは変
速比に応じて増減する比率である。したがって上記の公
報に記載された装置では、変速比を走行状態に基づいて
自動的に設定するDレンジと変速比を手動操作によって
設定するMレンジとを選択できることに加えて、Mレン
ジでは変速比の下限値を任意に設定でき、またそれに伴
って変速を生じさせるように構成されている。
【0004】また、特開平9−53712号公報には、
手動操作に基づいて設定される変速比を、ステップ的あ
るいは段階的に区分しておき、手動による変速操作をお
こなった場合には、変速比をそれらのいずれかにステッ
プ的に変更するように構成した無段変速機が記載されて
いる。またその無段変速機では、手動での変速の応答性
を重視し、手動操作に基づく変速の変速速度を、いわゆ
る自動変速モードでの変速速度より速くするように構成
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように自動変
速モードでの変速制御は、通常、燃費を重視した制御で
あり、これに対して手動変速モードは、加減速性能もし
くは変速応答性などの車両の走行に対する運転者の意図
あるいは期待を、より多く反映させるための制御モード
である。しかしながら、上記の特開昭61−11573
3号公報に記載された装置では、変速比の下限値を手動
操作によって選択できる構成にとどまり、手動変速モー
ドでの運転者の走行に対する意図もしくは期待を必ずし
も充分に反映させることができず、その結果、運転性が
低下する可能性がある。
【0006】また、上記の特開平9−53712号公報
に記載された装置では、手動変速モードにおける変速速
度を、自動変速モードでの変速速度より速くするように
構成されているが、手動変速モードを選択する意図ある
いは手動変速モードが選択される走行状況は多様である
から、単に変速速度を速くしたので、運転者の走行に対
する意図もしくは期待を必ずしも充分には反映すること
ができず、運転性が低下する可能性がある。
【0007】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、手動変速モードでの変速制御に運
転者の意図をより多く反映させて運転性を向上させるこ
とのできる変速制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、無段変速機の手動変
速モードでの変速制御の際に、変速速度の設定を多様化
するとともに、その多様な変速速度の選択の条件を適正
化したことを特徴とするものである。より具体的には、
請求項1の発明は、自動変速モードと手動変速モードと
を選択でき、かつ手動変速モードにおいて変速操作機構
を手動操作することによって変速比の下限値を変更して
変速比幅を任意に設定可能な無段変速機の変速制御装置
において、前記変速比幅内での変速比の変化速度を、前
記変速比の下限値が大きい場合には小さい場合に対して
相対的に速くする変速速度設定手段を備えていることを
特徴とする変速制御装置である。
【0009】したがって請求項1の発明では、変速比の
下限値が大きい値に設定されている場合には、運転者が
機敏な走行もしくはスポーティな走行を意図していると
判断されることから、変速速度が相対的に速くされる。
そのため、走行状態の変化に伴って変速比が迅速に変化
するので、運転者の意図に即した走行が可能になり、運
転性が向上する。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
における前記変速速度設定手段が、前記変速比の下限値
が大きくなるに従って前記変速速度を速くするように構
成されていることを特徴とする変速制御装置である。
【0011】したがって請求項2の発明では、変速比の
下限値が大きくなるに従って、すなわち手動操作で設定
された変速比幅が低速側に狭められるに従って、機敏も
しくはスポーティな走行に対する運転者の意図が強いと
判断され、それに応じて変速速度が高速化される。その
結果、運転者の意図を、より細かく反映させた変速制御
が可能になり、運転性が向上する。
【0012】さらに、請求項3の発明は、請求項1また
は2の発明における前記変速速度設定手段が、前記変速
比が大きいほど前記変速速度を遅くするように構成され
ていることを特徴とする変速制御装置である。
【0013】したがって請求項3の発明では、変速比が
大きい状態すなわち低速側の変速比が設定されている状
態で、変速速度が相対的に遅くされる。そのため、変速
比が急激に増大して動力源ブレーキが急に効くなどの事
態を防止することができる。
【0014】そして、請求項4の発明は、請求項1ない
し3のいずれかの発明において、走行路面の滑り易さを
検出する路面状態検出手段を更に備え、前記変速速度設
定手段が、前記路面状態検出手段によって走行路面の滑
りやすいことが検出された場合に前記変速速度を遅くす
るように構成されていることを特徴とする変速制御装置
である。
【0015】したがって請求項4の発明では、走行路面
の摩擦係数が小さいなど滑りやすいことが検出された場
合、変速速度が相対的に低下させられる。そのため、駆
動トルクの変化が緩やかになるので、車輪のスリップが
防止もしくは抑制され、操縦安定性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ずこの発明が対象とする車両の動力伝達
系統の一例を説明すると、図6において、動力源1が変
速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がディ
ファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結されて
いる。ここで、動力源1は、ガソリンエンジンやディー
ゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動
機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた
装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下
の説明では、動力源1として、スロットル開度を電気的
に制御する電子スロットルバルブを備え、かつ燃料をシ
リンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミン
グを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ない
わゆる直噴ガソリンエンジンを採用した例を説明する。
【0017】このエンジン1は電気的に制御できるよう
に構成されており、その制御のためのマイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設け
られている。この電子制御装置6は、少なくともエンジ
ン1の出力を制御するように構成されており、その制御
のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)
NE とアクセル開度θなどの要求駆動量とが入力されて
いる。
【0018】この要求駆動量は、要は、エンジン1の出
力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作する
アクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量信号や
その操作量を電気的に処理して得た信号を採用すること
ができ、またそれ以外に、電子スロットルバルブの開度
制御信号や、車速を設定車速に維持するためのクルーズ
コントロールシステム(図示せず)などからの要求駆動
量信号を含む。
【0019】また、変速機構2は、流体伝動機構8と、
歯車変速機構9と、無段変速機(CVT)10とから構
成されている。その流体伝動機構8は、要は、オイルな
どの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間で
トルクを伝達するように構成された装置であって、一例
として、一般の車両に採用されているトルクコンバータ
を挙げることができる。また、この流体伝動機構8は、
直結クラッチ11を備えている。すなわち直結クラッチ
11は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの
機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチで
あって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングなどの
弾性体からなるダンパー12を備えている。
【0020】その流体伝動機構8の入力部材がエンジン
1の出力部材に連結され、また流体伝動機構8の出力部
材が歯車変速機構9の入力部材に連結されている。この
歯車変速機構9は、複数の歯車を有し、それらの歯車に
よって形成されるトルクの伝達経路を変更することによ
り、入力部材と出力部材との回転数の比率すなわち変速
比を適宜に変更し、また出力部材を入力部材に対して反
対方向に回転させるように構成されている。この歯車変
速機構9として、例えば、シングルピニオン型遊星歯車
機構やダブルピニオン型遊星歯車機構もしくはラビニョ
型遊星歯車機構を用いた機構、あるいは常時噛み合って
いる複数対のギヤ対を同期連結機構(シンクロナイザ
ー)によって選択的に出力部材や入力部材に連結するよ
うに構成された機構などを採用することができる。
【0021】なお、この歯車変速機構9は、次ぎに説明
する無段変速機10で設定できる変速比の幅が小さいこ
と、および無段変速機10ではその出力部材を入力部材
に対して反対方向に回転させるいわゆる後進機能がない
ことを補うために設けられている。したがって無段変速
機10で設定可能な変速比が、車両に対する要求を満た
す場合には、歯車変速機構9として後進機能のみを備え
た機構を採用してもよい。
【0022】図6に示してある無段変速機10は、その
入力部材の回転数と出力部材の回転数との比率すなわち
変速比を無段階に(連続的に)変化させることのできる
機構であり、前述したベルト式無段変速機やトロイダル
式無段変速機などを採用することができる。
【0023】上記の変速機構2における直結クラッチ1
1の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制
御および歯車変速機構9での変速比の制御ならびに無段
変速機10での変速比の制御は、基本的には、車両の走
行状態に基づいて制御されるようになっている。その制
御のためにマイクロコンピュータを主体として構成され
た電子制御装置(T−ECU)13が設けられている。
【0024】この電子制御装置13は、前述したエンジ
ン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一
方、制御のためにデータとして車速Vや変速機構2の出
力回転数No などのデータが入力されている。また、変
速機構2を停止状態(パーキング:P)、後進状態(リ
バース:R)、中立状態(ニュートラル:N)、車両の
走行状態に応じて変速比を自動的に設定する自動前進状
態(ドライブ:D)すなわち自動変速モード、変速状態
を手動操作で設定可能な手動状態(マニュアル:M)す
なわち手動変速モードの各状態を選択するシフト装置1
4が設けられており、このシフト装置14が電子制御装
置13に電気的に連結されている。また、シフト装置1
4によって手動変速モードを選択した場合には、変速比
幅(変速レンジ)を適宜に設定することができるように
構成されており、その変速レンジを選択するレンジ選択
機構15が設けられている。
【0025】シフト装置14は、運転席の近傍のフロア
ーやインストルメントパネルあるいはステアリングコラ
ムに設けられたシフトレバーもしくはシフトアームもし
くはダイヤルさらにはスティックなどの手動操作部材
(それぞれ図示せず)によって上述した各変速状態を選
択し、かつその選択された各変速状態に応じた信号を出
力するように構成されている。その一例を挙げると、シ
フトレバーによって上記の各変速状態を選択するように
構成された装置が一般的であり、そのシフト装置におけ
るシフトポジションの配列の一例を図7に示してある。
【0026】図7におけるP,R,N,Dの各符号は、
パーキングポジジョン、リバースポジション、ニュート
ラルポジション、ドライブポジションのそれぞれを示し
ており、これらの各ポジションが直線的に配列され、図
示しないシフトレバーを直線的に移動させることによ
り、これらの各シフトポジションを選択できるようにな
っている。これらの各ポジションの配列方向に対して直
交する方向に、ドライブポジションから屈曲した位置に
マニュアル(M)ポジションが設けられている。このマ
ニュアルポジションにはスイッチSM が設けられてお
り、シフトレバーをこのマニュアルポジションに移動さ
せることによりそのスイッチSM がオン動作させられ、
手動変速モードが選択されたことを示す信号(M信号)
を出力するようになっている。
【0027】このマニュアルポジションを挟んで、前記
パーキングないしドライブの各ポジションの配列方向と
平行な方向に、アップポジション(+)とダウンポジシ
ョン(−)とが設けられている。これらのアップポジシ
ョンとダウンポジションとのそれぞれには、シフトレバ
ーによってオン動作させられるスイッチSU ,SD が設
けられており、そのアップスイッチSU は、オン動作さ
せられることにより、設定可能な変速比の下限値すなわ
ち高速側の変速比の限界値を低下させて変速比幅を増大
させる信号(アップ信号)を出力し、またダウンスイッ
チSD は、これとは反対に、オン動作させられることに
より、設定可能な変速比の下限値すなわち高速側の変速
比の限界値を増大させて変速比幅を減少させる信号(ダ
ウン信号)を出力するように構成されている。したがっ
てこれらのアップスイッチSU およびダウンスイッチS
D が、レンジ選択機構15を構成している。
【0028】そのアップスイッチSU と同等の機能を備
えた第2のアップスイッチSU2と、ダウンスイッチSD
と同等の機能を備えた第2のダウンスイッチSD2とが、
図8に示すように、ステアリングホイール16に設けら
れ、前記レンジ選択機構15を構成している。より具体
的には、ステアリングホイール16の左右のハブに相当
する部分の表面側に第2のダウンスイッチSD2が配置さ
れ、その反対側すなわち裏面側に第2のアップスイッチ
SU2が配置され、これらのスイッチSU2,SD2を運転者
が指によってオン動作させ得るように構成されている。
これらのアップスイッチSU ,SU2およびダウンスイッ
チSD ,SD2は、オン動作させられている間、信号を出
力し続け、そのオン動作の期間の長さに応じて変速比の
下限値の変化量を決めるようになっている。なお、これ
らのスイッチSU ,SU2,SD ,SD2が信号を出力する
のは、手動変速モードが選択されている状態に限られ、
したがって前記マニュアルポジションに配置されている
スイッチSM が、アップスイッチSU ,SU2およびダウ
ンスイッチSD ,SD2を有効化するスイッチとなってい
る。
【0029】また、上記の無段変速機10および電子制
御装置13は、MポジションのスイッチSM がオン操作
されている手動変速モードでの変速比の変化速度を所定
の範囲で任意に設定できるように構成されており、その
ための変速比変化速度調整機構17が前記電子制御装置
13に電気的に接続して設けられている。この変速比変
化速度調整機構17は、例えば図9に示すように、スラ
イドノブ18の移動位置に応じた信号を出力するポテン
ショメータに類似する機構によって構成されている。し
たがって変速比の変化速度を速くした場合には、手動変
速モードでの変速比幅の中で変速比が車両の走行状態あ
るいは運転状態に基づいて変化する場合、その変速比が
迅速に変化し、それに伴って駆動トルクが迅速に変化す
るので、走行感触がいわゆるスポーティな感触が強くな
る。これに対して変速比の変化速度を遅くした場合に
は、手動変速モードであっても車両の走行状態あるいは
運転状態に基づく変速比の変化がゆっくり進行し、駆動
トルクの変化が抑制される。
【0030】ここで、上記の無段変速機10で設定され
る変速比幅(変速レンジ)について簡単に説明する。ベ
ルト式無段変速機においては、ベルトを巻き掛けてある
入力側および出力側のプーリの溝幅を機構上定まる範囲
で増減でき、したがってその範囲で変速比を変化させる
ことができる。またトロイダル式の無段変速機において
は、入力側のディスクと出力側のディスクとの間に挟ま
れたパワーローラの傾動角度が機構上、所定の範囲に制
限され、それに伴って各ディスクのパワーローラとの接
触位置の半径が、機構上、所定の範囲に制限され、した
がってその範囲で変速比を変化させることができる。こ
れを車速Vと無段変速機10の入力回転数NINとの関係
で示せば図10のとおりである。
【0031】図10において、γmax で示す線が、最も
低速側の変速比すなわち機構上定まる変速比の上限値お
よびそれに伴う入力回転数NINの上限値を示し、またγ
minで示す線が、最も高速側の変速比すなわち機構上定
まる変速比の下限値およびそれに伴う入力回転数NINの
下限値を示している。また、図10における下側の水平
な線は、エンジン1のアイドリング状態での入力回転数
NINを示し、また上側の水平な線は、エンジン1の上限
回転数で規定される入力回転数NINを示している。した
がって、無段変速機10での変速比は、機構上定まる上
記の上限変速比γmax と下限変速比γmin との間で変化
させることができる。そしてその制御は、各車速ごと
に、最適燃費線などに基づいて決定される入力回転数
(エンジン回転数)となるように、プーリの溝幅やパワ
ーローラの傾斜角度を調整することによりおこなわれ
る。
【0032】手動変速モードでは、機構上定まる変速比
幅すなわち上記のγmax とγmin とを限界値とした変速
比の幅のうちで、高速側の変速比である下限値が、手動
操作に基づいて選択される。すなわち例えば図10に破
線で示すように変速比の下限値が変更される。したがっ
てその場合には、無段変速機10の入力回転数NINが図
10の破線で示す回転数以下とならないように、プーリ
の溝幅やパワーローラの傾斜角度すなわち変速比が制御
される。言い換えれば、手動操作で設定された変速比幅
の中での変速比の変更すなわち変速は、車両の走行状態
もしくは運転状態に基づいて自動的に実行される。
【0033】したがってこの発明に係る上記の無段変速
機の変速制御装置では、手動変速モードで上記のアップ
スイッチSU ,SU2あるいはダウンスイッチSD ,SD2
を操作することにより、変速比の下限値が大小に変化す
る。これは、高速側の変速比を制限し、低速側の変速比
を機構上定まる値に維持することによる変速比幅の変更
となる。そのため、例えばダウンスイッチSD ,SD2を
操作して変速比の下限値を増大させた場合には、車速が
増大したりアクセル開度などの要求駆動量が低下しても
変速比の低下が制限されて相対的に大きい変速比に設定
されるので、加速時には大きい駆動力を得ることがで
き、また減速時にはエンジンブレーキ力(動力源ブレー
キ力)が大きくなって制動性能が向上する。
【0034】このように手動変速モードでは、スイッチ
操作(手動操作)によって変速比幅が変更され、その変
速比幅の中で車両の走行状態もしくは運転状態で決まる
変速比が設定されるので、変速比幅を変更すれば、それ
に伴って車両の走行性能が変化する。したがってそのよ
うにして変更された無段変速機10の制御状態を運転者
に告知するために、表示装置19が設けられている。こ
の表示装置19は前述した電子制御装置13によって制
御されるように構成され、したがってその電子制御装置
13に接続されている。
【0035】図11はその表示装置19の一例を模式的
に示しており、手動変速モードで設定される変速比の下
限値を第1の表示部20に数値によってデジタル表示
し、また前記変速比変化速度調整機構17で設定された
変速比変化速度を第2の表示部21に矢印の長さによっ
て表示するようになっている。なお、図11において符
号22は、シフトレバーを模した形状のアイコンであ
る。これらの各表示部20,21,22は、手動変速モ
ードが選択されている場合にのみ点灯するように構成さ
れている。さらにこれらの表示部20,21,22は、
走行中における運転者の視線の移動が可及的に少なくな
る位置、例えばインストルメントパネルやメータパネル
などに設けられている。
【0036】この発明に係る変速制御装置ECUは、前
述した各電子制御装置6,13を統合した構成として表
すことができ、そしてその制御のための入力信号と出力
信号とをまとめて示せば、図12のとおりである。先
ず、入力信号の例を挙げれば、車両加速度センサからの
信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッシ
ョンスイッチからの信号、クランク位置信号、デフォッ
ガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速
信号、無段変速機(CVT)油温、シフトポジション、
サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキスイ
ッチアッパスイッチからの信号、フットブレーキスイッ
チロアスイッチからの信号、触媒(排気浄化触媒)温
度、アクセル開度、オートクルーズスイッチからの信
号、Mポジションスイッチからの信号、ダウン(−)ス
イッチからの信号、アップ(+)スイッチからの信号、
レーダクルーズスイッチからの信号、フューエルリッド
信号、入力回転数センサからの信号、スノーモードスイ
ッチからの信号などである。
【0037】また、出力信号の例を挙げると、点火信
号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、減速
装置に対する信号、CVTソレノイドへの信号、CVT
ライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアク
チュエータへの信号、レンジインジケータへの信号、警
報音信号、電子スロットル弁への信号、スノーモードイ
ンジケータへの信号、可変バルブタイミング装置(VV
T)への信号、ステアシフトマチックインジケータへの
信号、変速比変化速度インジケータへの信号などであ
る。ここでスノーモードとは、発進時のタイヤスリップ
を防止するために駆動トルクを低下させるべく変速比を
ある程度小さい値に制限する変速モードである。
【0038】上記の自動変速モードと手動変速モードと
の基本的な相違は、前者の自動変速モードでは前記の限
界値γmax ,γmin の間のいわゆるフルレンジの変速比
を使用した変速制御が実行されるのに対して、後者の手
動変速モードでは下限値を機構上定まる限界値γmin よ
り大きい値にスイッチ操作で制限して低速側に相対的に
狭くなった変速比幅での変速比を使用した変速制御が実
行される点にあり、それぞれの変速比幅の中での変速制
御は、車両の走行状態もしくは運転状態に基づいて実行
される点では共通している。この発明に係る変速制御装
置では、これに加えて、変速速度を自動変速モードと手
動変速モードとで異ならせるようになっている。これ
は、手動変速モードでは運転者の意図を、より反映した
変速制御を実行するためである。
【0039】その制御例を図1にフローチャートで示し
てあり、先ず、入力信号の処理(ステップS1)がおこ
なわれ、ついでシフト装置14でDポジションからMポ
ジションへの切り換えすなわち自動変速モードから手動
変速モードへの切り換えがおこなわれたか否かが判断さ
れる(ステップS2)。その切り換えが検出されないこ
とによりステップS2で否定的に判断された場合には、
Mポジション(手動変速モード)が選択されているか否
かが判断される(ステップS3)。既にMポジションが
選択されていることによりこのステップS3で肯定的に
判断された場合には、手動変速モード用(M用)変速比
変化速度が設定される(ステップS4)。その手動変速
モード用変速比変化速度とは、手動変速モードにおいて
アクセル開度や車速などの車両の走行状態もしくは運転
状態に基づいて変速を実行する際の変速比の変化速度で
ある。
【0040】その一例を図2に示してあり、乾燥路面な
どを走行している通常の手動変速モード(Mノーマル)
での変速比変化速度が、乾燥路面などを走行している通
常のDポジション(自動変速モード:Dノーマル)での
変速の際の変速比変化速度より速い(大きい)変速速度
に設定される。これは、手動変速モードは、より機敏も
しくはスポーティな走行を期待して選択されることを考
慮したものである。
【0041】また、そのMノーマルでの変速速度、すな
わち通常の走行時の手動変速モードでの変速速度は、目
標変速比(変速後の変速比)が大きいほど、あるいは現
変速比(現時点の変速比)が大きいほど、変速比変化速
度が遅く(小さく)される。その変化傾向は、目標変速
比もしくは現変速比の増大に応じて直線的(もしくは一
次関数的)減少する変化傾向となっている。言い換えれ
ば、手動変速モードであることにより変速比変化速度が
大きくされるものの、その変速速度は、低速側の変速比
ほど、抑制される。これは、例えば減速走行時に、大き
い変速比に変更されて急激にエンジンブレーキ(動力源
ブレーキ)が効いたり、それに伴ってドライバビリティ
が低下したりすることを防止するためである。
【0042】また、Mポジションでの変速比変化速度の
一例を図3に示してある。ここに示す例は、手動による
スイッチ操作で高速側の変速比をカットすることにより
相対的に増大させられた変速比下限値に応じて変速比変
化速度を設定する例である。具体的には、乾燥路面など
を走行している通常の手動変速モード(Mノーマル)で
の変速比変化速度が、乾燥路面などを走行している通常
のDポジション(自動変速モード:Dノーマル)での変
速の際の変速比変化速度より速い(大きい)変速速度に
設定される。すなわち自動的に設定される変速比の幅が
広い場合には、変速速度が速く設定される。これは、手
動変速モードはよりスポーティな走行を期待して選択さ
れることを考慮したものである。
【0043】また、このように設定される手動変速モー
ドでの変速速度は、変速比下限値が大きいほど、すなわ
ち高速側の変速比がカットされて変速比幅が狭くなって
いるほど、速い変速速度とされる。変速比下限値が大き
くなっているのは、手動操作により運転者がより大きい
変速比を選択しているからであり、したがって変速比下
限値が大きい場合(すなわち変速比幅が狭い場合)に
は、変速比変化速度が速い速度に設定される。その結
果、変速応答性が向上して運転者の意図した駆動力を迅
速に得ることができるので、運転性が向上する。
【0044】図1に示すステップS4では、上記の図2
および図3に示す特性となるように変速速度が設定さ
れ、その後、Mポジション制御が実施される(ステップ
S5)。具体的には、前述したスイッチSU 、SU2,S
D ,SD2をオン操作することにより変速比下限値が変更
され、その結果設定される変速比幅の中で、走行状態あ
るいは運転状態に基づいて変速比が徐々に(連続的かつ
無段階に)変更される。
【0045】また、Mポジションが選択されていないこ
とによりステップS3で否定的に判断された場合には、
Dポジションが選択されているか否かが判断される(ス
テップS6)。このステップS6で否定的に判断された
場合には、前進走行状態ではないので、特に制御をおこ
なうことなくリータンし、また肯定的に判断された場合
には、D用(自動変速モード用)変速比変化速度が設定
される(ステップS7)。この自動変速モード用の変速
比変化速度は、図2および図3に「Dノーマル」として
示してあるように、通常の走行時における手動変速モー
ドで設定される変速比変化速度より遅い速度である。よ
り具体的には、変速比の変化に伴う駆動力の変化がショ
ックや過剰な加減速感などとして体感されない反面、変
速の遅れ感が生じない程度の変速速度となるように変速
比変化速度が設定される。
【0046】そして、Dポジション制御が実行される
(ステップS8)。すなわち、アクセル開度や車速など
の車両の走行状態に基づいて変速比が制御され、あるい
は目標とするエンジン回転数が求められるとともにその
実際のエンジン回転数がその目標エンジン回転数となる
ように変速比が制御される。なお、その場合の変速比幅
は、機構上定まる最大値γmax と最小値γmin とを限界
値とした変速比幅である。
【0047】そしてまた、前述したステップS2で肯定
的に判断された場合、すなわちDポジションからMポジ
ションへの切り換えが検出された場合には、手動変速モ
ードでの変速比の下限初期値の設定制御が実行される
(ステップS9)。手動変速モードへの切り換え初期の
変速比の下限値を設定する場合、変速操作性や車両の動
力性能などを考慮して設定することが好ましく、その例
を挙げると、図4とおりである。
【0048】すなわち図4の(A)は、自動変速モード
での変速比幅を示しており、機構上定まる上限値γmax
と下限値γmin との間で、変速比が走行状態もしくは運
転状態に基づいて設定される。これに対して(B)に示
す例は、手動変速モードへの切り換え初期の変速比の下
限値を、その変速モードの切り換え直前の変速比γdmに
設定する例である。また(C)に示す例は、手動変速モ
ードへの切り換え初期の変速比の下限値を、その変速モ
ードの切り換え直前の変速比γdmより所定値Δγ1 、大
きい変速比に設定する例である。さらに(D)に示す例
は、手動変速モードへの切り換え初期の変速比の下限値
を、機構上定まる下限値γmin に設定し、変速比幅を自
動変速モードでの変速比幅と同じに設定する例である。
そして(E)に示す例は、手動変速モードへの切り換え
初期の変速比の下限値を、機構上定まる下限値γmin よ
り所定値Δγ2 、大きい変速比に設定する例である。ス
テップS9の制御では、図4の(B)ないし(E)に示
すいずれかの変速比の下限初期値が設定される。
【0049】前述したように変速比変化速度を速くする
と、変速およびそれに伴う駆動トルクの変化が迅速に生
じ、手動変速モードでは運転者の意図に即した走行が可
能になる。これに対して、駆動トルクが急激に変化する
と、車輪がスリップしやすくなる。そのような状況は、
走行路面の摩擦係数μが小さいほど顕著になる。そこで
この発明の変速制御装置では、走行路面の摩擦係数μす
なわち走行路面の滑り易さに基づいて変速速度を制御す
る。その具体例を図5に示してある。
【0050】図5に示す例は、Mポジションが選択され
ている場合、すなわち手動変速モードが選択されている
場合の例であって、先ず、Mポジションが選択されてい
るか否かが判断される(ステップS21)。Mポジショ
ンが選択されていないことによりステップS21で否定
的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなく
リターンし、またMポジションが選択されていることに
よりステップS21で肯定的に判断された場合には、走
行路面の摩擦係数μが所定値以下か否か、すなわち低μ
判定がおこなわれる(ステップS22)。これは、例え
ば複数の車輪の回転数に基づいて車速を算出し、いずれ
かの車輪の回転数がその車速に対応する回転数から大き
く相違していることによって判断でき、またナビゲーシ
ョンシステムを利用して自車両の位置とその周囲の道路
情報から判断することができ、さらにはサインポストな
どの車外から情報を入手することにより判断することが
できる。
【0051】このステップS22で肯定的に判断されれ
ば、滑り易い路面を走行していることになるので、変速
速度が最も遅い値に設定される(ステップS23)。そ
の例を図2および図3に「M低μ時」として示してあ
る。したがってその変速比変化速度は、上述した自動変
速モードでの通常走行時(Dノーマル)での変速比変化
速度より低速度に設定される。なお、この変速比変化速
度は、Dポジションが選択されている自動変速モードで
あっても、走行路面の摩擦係数の低いことが検出された
場合に設定される。
【0052】したがって、走行路面が滑り易い場合に
は、アクセル開度や車速などの走行状態もしくは運転状
態が変更され、あるいは変速比幅が変更され、それに伴
って変速比が変化する場合、その変速速度が最も低速に
維持される。そのため、駆動トルクの変化が緩やかにな
るので、車輪のスリップが防止もしくは抑制される。
【0053】一方、低μ判定がおこなわれないことによ
りステップS22で否定的に判断された場合には、スノ
ーモードスイッチ(図示せず)がオンか否かが判断され
る(ステップS24)。このスノーモードスイッチは、
発進時の変速比を最大変速比(最も低速側の変速比)よ
り小さい変速比に設定し、発進時の駆動トルクを抑制す
るためのスイッチであり、圧雪路や泥濘路などの路面摩
擦係数が小さいと思われる場合に運転者によってオン操
作されるスイッチである。したがってこのスノーモード
スイッチがオン状態であれば、走行路面の摩擦係数μが
低い場合と同様の状況であるから、上記のステップS2
2で肯定的に判断された場合と同様に、ステップS23
に進んで変速比変化速度が最も遅い値に設定される。
【0054】これとは反対にスノーモードスイッチがオ
ン操作されていないことによりステップS24で否定的
に判断された場合には、ABSもしくはVSC(商標)
が作動したか否か、もしくはその直後か否かが判断され
る(ステップS25)。ここで、ABSとは、タイヤが
ロックしそうなときにその車輪についての制動力を一時
的に低下させてタイヤのロックを回避するアンチ・ロッ
ク・ブレーキシステムである。また、VSCとは、車両
のステア傾向を検出し、その検出結果に基づいてエンジ
ン出力を下げ、また前後輪のいずれかに制動力をかけて
車両の走行安定性を確保するためのビークル・スタビリ
ティ・コントロールシステムである。これらABSとV
SCとのいずれかが作動したのであれば、その時点の車
両の走行状態に対して路面が相対的に滑り易い状態であ
ると判断されるので、上記のステップS22で肯定的に
判断された場合と同様に、ステップS23に進んで変速
比変化速度が最も遅い値に設定される。
【0055】なお、ステップS25で否定的に判断され
た場合には、車両の挙動が不安定になる要因が特にはな
い通常の走行状態であるから、変速比変化速度が前述し
た変速比変化速度調整機構17で手動選択された速度に
設定される(ステップS26)。その変速比変化速度
は、一例として図2および図3に「Mノーマル」として
記載してある変速比変化速度である。
【0056】したがって図5に示す制御によれば、走行
路面の摩擦係数μが低いことを含む走行路面の滑り易い
ことが判断された場合には、変速比変化速度が抑制され
る。その結果、車輪がスリップし易い状態での駆動トル
クの急な変化が抑制されるので、車輪のスリップを未然
に防止して車両の挙動安定性を確保し、ドライバビリテ
ィを向上させることができる。
【0057】ここで上述した各具体例とこの発明との関
係を説明すると、前述したシフト装置14およびレンジ
選択機構15ならびにアップおよびダウンの各スイッチ
SU,SU2,SD ,SD2がこの発明の変速操作機構に相
当し、また図1に示すステップS4の機能的手段が、請
求項1ないし3の発明における変速速度設定手段に相当
し、特に図3に基づく変速比変化速度の設定をおこなう
ステップS4の機能的手段が、請求項1および2の発明
の変速速度設定手段に相当し、図2に基づく変速比変化
速度の設定をおこなうステップS4の機能的手段が、請
求項3の発明の変速速度設定手段に相当する。さらに、
図5に示すステップS22,S24,S25の機能的手
段が、請求項4の発明の路面状態検出手段に相当し、ま
たステップS23の機能的手段が、請求項4の発明にお
ける変速速度設定手段に相当する。
【0058】なお、上記の具体例では、変速比を無段階
にかつ連続的に変更できる無段変速機における変速比も
しくはその下限値を連続的に変更するように構成した例
を示したが、この発明ではその連続する変速比を細かく
区分してステップ的に変速比やその下限値を変更できる
ように構成した無段変速機の変速制御装置にも適用する
ことができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、手動変速モードにおいて変速比の下限値が大き
い値に設定されている場合には、運転者が機敏な走行も
しくはスポーティな走行を意図していると判断されるこ
とから、変速速度が相対的に速くされるので、走行状態
の変化に伴って変速比が迅速に変化し、その結果、運転
者の意図に即した走行が可能になり、運転性を向上させ
ることができる。
【0060】また、請求項2の発明によれば、手動変速
モードで設定されている変速比の下限値が大きくなるに
従って、すなわち手動操作で設定された変速比幅が低速
側に狭められるに従って、機敏もしくはスポーティな走
行に対する運転者の意図が強いと判断され、それに応じ
て変速速度が高速化されるので、運転者の意図を、より
細かく反映させた変速制御が可能になり、運転性が向上
する。
【0061】さらに、請求項3の発明によれば、手動変
速モードにおいて変速比が大きい状態すなわち低速側の
変速比が設定されている状態では変速速度が相対的に遅
くされるので、変速比が急激に増大して動力源ブレーキ
が急に効くなどの事態を防止することができ、その結
果、運転性を向上させることができる。
【0062】そして、請求項4の発明によれば、走行路
面の摩擦係数が小さいなど滑りやすいことが検出された
場合には、変速速度が相対的に低下させられるので、変
速に伴う駆動トルクの変化が緩やかになり、その結果、
車輪のスリップを防止もしくは抑制して操縦安定性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る変速制御装置による変速比変
化速度の設定制御の一例を示すフローチャートである。
【図2】 自動変速モードおよび手動変速モードのそれ
ぞれで自動的に実行される変速の変速速度の例を示す図
である。
【図3】 自動変速モードおよび手動変速モードのそれ
ぞれで自動的に実行される変速の変速速度の例を示す図
である。
【図4】 手動変速モードへの切換時点に設定される変
速比幅の数例を自動変速モードでの変速比幅と対比して
示す説明図である。
【図5】 走行路面が滑り易い場合の制御例を示すフロ
ーチャートである。
【図6】 この発明で対象とする無段変速機を有する車
両の駆動系統および制御系統の一例を模式的に示すブロ
ック図である。
【図7】 そのシフト装置におけるシフトポジションの
一例を示す図である。
【図8】 ステアリングホイールに設けたアップスイッ
チおよびダウンスイッチの例を示す模式図である。
【図9】 変速比変化速度調整機構の一例を模式的に示
す図である。
【図10】 無段変速機で設定される変速比と車速に対
する入力回転数との関係を示す図である。
【図11】 手動変速モードでの変速比下限値および変
速比変化速度の表示例を模式的に示す図である。
【図12】 この発明に係る変速制御装置に対する入出
力信号を例示するブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…変速機構、 6…電子制御装置、
7…加減速操作装置、 10…無段変速機、 13…
電子制御装置、 14…シフト装置、 15…レンジ選
択機構、 17…変速比変化速度調整機構、 SU ,S
U2…アップスイッチ、 SD ,SD2…ダウンスイッチ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速モードと手動変速モードとを選
    択でき、かつ手動変速モードにおいて変速操作機構を手
    動操作することによって変速比の下限値を変更して変速
    比幅を任意に設定可能な無段変速機の変速制御装置にお
    いて、 前記変速比幅内での変速比の変化速度を、前記変速比の
    下限値が大きい場合には小さい場合に対して相対的に速
    くする変速速度設定手段を備えていることを特徴とする
    無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速速度設定手段が、前記変速比の
    下限値が大きくなるに従って前記変速速度を速くするよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速速度設定手段が、前記変速比が
    大きいほど前記変速速度を遅くするように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速
    機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 走行路面の滑り易さを検出する路面状態
    検出手段を更に備え、前記変速速度設定手段が、前記路
    面状態検出手段によって走行路面の滑りやすいことが検
    出された場合に前記変速速度を遅くするように構成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の無段変速機の変速制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101956817A (zh) * 2009-07-17 2011-01-26 加特可株式会社 无级变速器及其控制方法
US8433489B2 (en) 2008-10-06 2013-04-30 Yamaha Hatsusoki Kabushiki Kaisha Transmission control system with adjustable clutch disconnection and vehicle including same
JP2013519043A (ja) * 2010-02-01 2013-05-23 スカニア シーブイ アクチボラグ ギヤボックスの制御方法およびシステム
WO2014045802A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 日産自動車株式会社 車両用制御装置及び車両の制御方法
JP2015090155A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 日本精工株式会社 無段変速装置

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