JP2001328462A - 無段変速機を備えた車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機を備えた車両の制御装置

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JP2001328462A
JP2001328462A JP2000149082A JP2000149082A JP2001328462A JP 2001328462 A JP2001328462 A JP 2001328462A JP 2000149082 A JP2000149082 A JP 2000149082A JP 2000149082 A JP2000149082 A JP 2000149082A JP 2001328462 A JP2001328462 A JP 2001328462A
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Koji Taniguchi
浩司 谷口
Katsumi Kono
克己 河野
Kenji Matsuo
賢治 松尾
Hideki Yasue
秀樹 安江
Tadashi Tamura
忠司 田村
Daisuke Inoue
大輔 井上
Yoshiaki Yamamoto
良明 山本
Hiroki Kondo
宏紀 近藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の目標入力回転数すなわち動力源
の目標出力回転数を高めに補正した場合であっても大き
い出力トルクを確保して運転性を良好にする。 【解決手段】 運転状態に基づき動力源の目標出力を求
め、その目標出力に基づいて目標出力回転数を求め、動
力源の実際の出力回転数が目標出力回転数となるように
無段変速機の変速比を制御し、目標駆動力に基づいて動
力源の目標出力トルクを求め、その目標出力トルクとな
るように動力源を出力トルクを制御する制御装置であっ
て、車両の走行負荷が大きいときには、目標出力回転数
を高めに補正する目標出力回転数補正手段(ステップS
11,S13)と、目標出力回転数が高めに補正された
ときには、補正前の目標出力回転数を前記目標出力トル
クを算出するための算出用回転数に設定する算出用回転
数設定手段(ステップS12)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無段変速機を搭
載している車両の制御装置に関し、特に目標駆動力に基
づいて無段変速機の変速比を制御するとともに動力源の
出力トルクを制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、無段変速機は変速比を連
続的に変化させることができるので、その入力側に連結
されているエンジンなどの動力源の回転数が、その時点
の走行状態に適した回転数になるように変速比を設定す
ることができる。そのため、内燃機関(エンジン)を動
力源とした車両に搭載されている無段変速機では、内燃
機関の回転数が、燃費が最良となる最適運転点の回転数
に一致するように変速比を制御することがおこなわれて
いる。
【0003】その一例が特開平11−78619号公報
に記載されている。この公報に記載された装置は、要求
駆動力に基づいて無段変速機の変速比と動力源の出力ト
ルクとを個別に制御するように構成された装置であり、
スロットル開度や車速などの運転状態あるいは走行条件
に基づいて要求駆動力を求めるとともに、その要求駆動
力を得るための要求出力を求める。そして、その要求出
力を最低燃費で発生させる目標エンジン回転数すなわち
無段変速機の目標入力回転数を求めてその回転数を設定
するように無段変速機の変速比を制御する一方、要求出
力と目標エンジン回転数とからその目標出力を得るため
の目標エンジントルクを求めてエンジンの制御をおこな
うように構成されている。
【0004】したがってこの公報に記載された制御装置
によれば、燃費が最小となる回転数を常時設定できるの
で、車両の燃費を向上させることができる。しかしなが
ら、エンジンの出力トルクは、燃費が最小となるエンジ
ン回転数すなわち目標エンジン回転数に基づいて決定す
るので、必ずしも要求に即した出力トルクを得ることが
できない。このような不都合を解消するために、従来、
走行負荷を検出するとともに、登坂路走行時のように走
行負荷が大きい場合には、エンジンの目標出力回転数を
高回転数側に補正し、これにより登坂路走行時などにお
ける運転性を向上させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】無段変速機を搭載した
車両における前述した変速比とエンジン出力との制御で
は、エンジンの目標出力を運転状態や走行条件に基づい
て求めているから、高負荷時にその目標エンジン出力に
対して目標エンジン回転数を高回転数側に補正すれば、
その目標エンジン出力および目標エンジン回転数の下で
のエンジントルクは、目標エンジン回転数を補正する前
のトルクに対して低下することになる。そのため、上述
した従来の制御をおこなう装置では、登坂路を走行する
場合のように走行負荷が大きい場合には、燃費が良好で
あっても、出力トルクが低下してしまい、運転性が悪化
する可能性があった。
【0006】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、高負荷時の出力回転数の補正をお
こなった場合であっても運転性の悪化することのない制
御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、要求出力もしくは目
標出力に基づいて求めた目標出力回転数を高回転数側に
補正した場合に、その補正した目標出力回転数によらず
に他の算出用回転数に基づいて目標出力トルクを求める
ように構成したことを特徴とするものである。より具体
的には、この発明は、運転状態に基づき目標駆動力を求
める目標駆動力算出手段と、その目標駆動力を達成する
ための動力源の目標出力を求める目標出力算出手段と、
その目標出力に基づいて目標出力回転数を求める目標出
力回転数算出手段と、動力源の実際の出力回転数が目標
出力回転数となるように動力源の出力側に連結された無
段変速機の変速比を制御する変速比制御手段と、前記目
標駆動力に基づいて動力源の目標出力トルクを求める目
標出力トルク算出手段と、その目標出力トルクとなるよ
うに動力源の出力トルクを制御する出力トルク制御手段
とを有する無段変速機を備えた車両の制御装置におい
て、車両の走行負荷が大きいときには、目標出力回転数
を高めに補正する目標出力回転数補正手段と、この目標
出力回転数補正手段により目標出力回転数が高めに補正
されたときには、補正前の目標出力回転数を前記目標出
力トルクを算出するための算出用回転数に設定する算出
用回転数設定手段とを備えていることを特徴とする制御
装置である。
【0008】したがってこの発明によれば、目標駆動力
が車両の運転状態に基づいて求められ、その目標駆動力
に応じた目標出力が求められる。その目標出力に基づい
て目標出力回転数が求められ、動力源の出力側に連結さ
れた無段変速機の変速比が、その目標出力回転数を設定
するように制御される。また一方、目標駆動力に基づい
て目標出力トルクが求められ、動力源がその目標出力ト
ルクを出力するように制御される。その場合、車両の走
行負荷が大きい場合には、上記の目標出力回転数が高回
転数側に補正されるが、目標出力トルクを算出するため
の回転数としてはその補正された回転数に替えて、補正
される前の回転数が採用される。したがって、算出され
る目標出力トルクは、目標出力回転数が増大補正されて
も、小さい値にならず、その結果、高負荷時には、目標
出力回転数が高くなるうえに、目標出力トルクが低減さ
れないので、要求に応じた駆動力が確保され、運転性が
良好になる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ず、この発明が対象とする車両の動力伝
達系統の一例を説明すると、図6において、動力源1が
変速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がデ
ィファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結され
ている。ここで、動力源1は、ガソリンエンジンやディ
ーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電
動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせ
た装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以
下の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部
に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御する
ことにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガ
ソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自
由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリン
エンジンを採用した例を説明する。
【0010】このエンジン1は電気的に制御できるよう
に構成されており、その制御のためのマイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設け
られている。この電子制御装置6は、少なくともエンジ
ン1の出力を制御するように構成されており、その制御
のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)
NE とアクセル開度PAなどの要求駆動量とが入力され
ている。
【0011】この要求駆動量は、要は、エンジン1の出
力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作する
アクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量信号や
その操作量を電気的に処理して得た信号を採用すること
ができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するた
めのクルーズコントロールシステム(図示せず)などか
らの要求駆動量信号を含む。
【0012】また、変速機構2は、流体伝動機構8と、
前後進切換機構9と、無段変速機(CVT)10とから
構成されている。その流体伝動機構8は、要は、オイル
などの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間
でトルクを伝達するように構成された装置であって、一
例として、一般の車両に採用されているトルクコンバー
タを挙げることができる。また、この流体伝動機構8
は、直結クラッチ11を備えている。すなわち直結クラ
ッチ11は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板な
どの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッ
チであって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングな
どの弾性体からなるダンパー12を備えている。なお、
車両が停止している状態であってもエンジン1を駆動さ
せ続けるために流体伝動機構8を設けている場合には、
車両の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチ
を、上記の流体伝動機構8に置換して使用することがで
きる。
【0013】その流体伝動機構8の入力部材がエンジン
1の出力部材に連結され、また流体伝動機構8の出力部
材が前後進切換機構9の入力部材に連結されている。こ
の前後進切換機構9は、一例としてダブルピニオン型遊
星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サ
ンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、か
つ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的
に固定するブレーキ手段と、サンギヤおよびキャリヤな
らびにリンクギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転
要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化す
るクラッチ手段とを備えている。すなわちそのクラッチ
手段を係合させることに前進状態を設定し、また前記ブ
レーキ手段を係合させることにより後進状態を設定する
ように構成されている。
【0014】図6に示してある無段変速機10は、その
入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率
すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させること
のできる機構であり、ベルト式無段変速機やトロイダル
式無段変速機などを採用することができる。そのベルト
式無段変速機10の一例を図7を参照して簡単に説明す
ると、駆動側プーリー(プライマリープーリー)20
と、従動側プーリー(セカンダリープーリー)21と、
これらのプーリー20,21に巻き掛けられたベルト2
2とを備えている。これらのプーリー20,21のそれ
ぞれは、固定シーブ23,24と、その固定シーブ2
3,24に対して接近・離隔する可動シーブ25,26
とからなり、可動シーブ25,26を固定シーブ23,
24に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエー
タ27,28が設けられている。
【0015】上記の駆動側プーリー20が入力軸29に
取り付けられ、その入力軸29と平行に配置された出力
軸30に従動側プーリー21が取り付けられている。そ
して、従動側プーリー21における油圧アクチュエータ
28には、アクセル開度PAに代表される駆動要求量に
応じた油圧が供給され、トルクを伝達するのに必要な張
力をベルト22に付与するようになっている。また、駆
動側プーリー20の油圧アクチュエータ27には、入力
軸29の回転数を目標入力回転数に一致させるための変
速比となるように、油圧が給排されている。すなわち、
各プーリー20,21における溝幅(固定シーブ23,
24と可動シーブ25,26との間隔)を変化させるこ
とにより、各プーリー20,21に対するベルト22の
巻き掛け半径が大小に変化して変速が実行されるように
なっている。
【0016】したがって図7に示す無段変速機10で
は、駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け
半径が最小でかつ従動側プーリー21に対するベルト2
2の巻き掛け半径が最大の状態で、最低速側の変速比
(最大変速比)γmax が設定され、また、これとは反対
に駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半
径が最大でかつ従動側プーリー21に対するベルト22
の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最
小変速比)γmin が設定される。
【0017】上記の変速機構2における直結クラッチ1
1の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制
御および前後進切換機構9での前後進の切り換えならび
に無段変速機10での変速比の制御は、基本的には、車
両の走行状態に基づいて制御されるようになっている。
その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構
成された電子制御装置(T−ECU)13が設けられて
いる。
【0018】この電子制御装置13は、前述したエンジ
ン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一
方、制御のためのデータとして車速SPDや変速機構2
の出力回転数No 、入力回転数NINなどのデータが入
力されている。また、変速機構2を停止状態(パーキン
グポジション:P)、後進状態(リバースポジション:
R)、中立状態(ニュートラルポジション:N)、車両
の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走
行をおこなう自動前進状態(ドライブポジション:
D)、エンジン1のポンピングロスを制動力とする状態
(ブレーキポジション:B)ならびに所定値以上の高速
側の変速比の設定を禁止する状態(SDポジション)の
各状態(ポジション)を選択するシフト装置14が設け
られており、このシフト装置14が電子制御装置13に
電気的に連結されている。
【0019】上記の無段変速機10の変速比は、基本的
には、エンジン1の出力回転数(無段変速機10の入力
回転数)が最も燃費の良い運転状態になる回転数となる
ように制御される。しかしながら、登坂路を走行してい
る場合のような走行負荷が大きい場合には、駆動力を確
保するために、エンジン1の回転数をある程度高く維持
するべく、目標入力回転数を所定の下限回転数以上に制
限する。この発明に係る変速制御装置は、上記の無段変
速機10用の電子制御装置13を主体とする装置であっ
て、その下限回転数の設定および目標入力回転数を下限
回転数に制限するための以下に説明する制御を、実行す
るように構成されている。
【0020】図1は、この発明に係る制御装置で実行さ
れる制御例を機能別に示すブロック図であり、目標駆動
力算出部B1では、車両の運転状態、すなわち、アクセ
ル開度PAなどの要求駆動量と車速SPDもしくは車速
SPDに相当する検出値(車速相当量)とに基づいて目
標駆動力Fが求められる。そして、目標出力算出部B2
では、その目標駆動量Fと車速SPDとに基づいてエン
ジン1の目標出力Pが求められる。ここで、目標駆動力
Fは、例えば、アクセル開度PAおよび車速SPDなど
の車両の運転状態をパラメータとしたマップに基づいて
求めることができ、また目標出力Pは、その目標駆動力
Fと車速SPDとに基づいて、すなわちこれらの積とし
て求めることができる。
【0021】無段変速機10の変速比を制御するため
に、目標出力回転数算出部B3では、上記の目標出力P
に基づいてエンジン1の目標エンジン回転数もしくは無
段変速機10の目標入力回転数NINTBSEが求めら
れる。ガソリンエンジンなどの内燃機関では、各出力毎
の燃費が最小となるエンジン回転数が決まるので、各出
力に応じた最適燃費となるエンジン回転数をマップとし
て求めておき、上記の目標出力Pに応じたエンジン回転
数をそのマップから求める。
【0022】そのマップは、出力からエンジン回転数を
求めるように設定することができるが、エンジン1と無
段変速機10の入力軸回転数との間に機構上定まる関係
があるので、出力と無段変速機10の入力軸回転数との
関係、すなわち目標出力Pと目標入力回転数NINTB
SEとの関係を定めるマップとして設定することもでき
る。したがって目標出力Pに基づいて、エンジン1の目
標エンジン回転数と無段変速機10の目標入力回転数N
INTBSEとのいずれをも求めることができる。
【0023】このようにして算出された目標入力回転数
NINTBSEは、目標出力を最も燃費の良い状態で出
力できる回転数であり、したがって車速SPDが高車速
になれば、目標入力回転数NINTBSEが相対的に低
下するように無段変速機10の変速比が制御される。こ
のように入力回転数の低下すなわち変速比の高車速側へ
の変更が生じると、車両の駆動力が低下し、登坂路を走
行している場合のように走行負荷が大きい場合には、運
転性が悪化する。これを回避するために、上記の目標出
力回転数算出部3で算出された目標入力回転数NINT
BSEが、目標出力回転数補正部B4において補正され
る。具体的には、走行負荷に応じて下限回転数が設定さ
れ、所定の条件が成立することにより、最終目標入力回
転数NINTがその下限回転数より低回転数にならない
ように制限される。そして目標出力回転数補正部B4で
は、目標入力回転数NINTBSEが下限回転数以上で
あれば、その目標入力回転数NINTBSEを最終目標
入力回転数NINTとし、また目標入力回転数NINT
BSEが下限回転数より低回転数であれば、その下限回
転数を最終目標入力回転数NINTとして採用し、その
最終目標入力回転数NINTと無段変速機10の入力回
転数とに基づいて、実際の入力回転数が目標入力回転数
NINTとなるよう無段変速機10で設定すべき変速比
を制御するための無段変速機10の制御量が求められ
る。具体的には、ベルト式の無段変速機の場合、可動プ
ーリに対して供給する油圧が求められる。そして、その
制御量に基づく制御指令信号が無段変速機10に出力さ
れる。
【0024】これに対してエンジン1を制御するため
に、目標出力トルク算出部B5では、上記の目標出力P
に基づいてエンジン1で出力するべき目標出力トルクT
ETが求められ、またその目標出力トルクTETを出力
するためのエンジン制御量が求められる。エンジン1の
出力は、トルクと回転数との積で表されるから、目標出
力トルクTETは、上記の目標出力Pを、目標出力トル
ク算出用の回転数NINPCTで割り算することにより
求められる。なお、図1においてKは係数であって、無
段変速機10の最終目標入力回転数NINTを用いて目
標出力トルクTETを演算することに伴う値をエンジン
トルクに置き換えるためのものである。
【0025】エンジン1が出力するトルクは、吸入空気
量および燃料の量に基づいて定まるから、目標出力トル
クTETに基づいて、エンジン1の制御量として、吸入
空気量および/または燃料量が求められる。そして、そ
の制御量に基づく制御指令信号が、エンジン1に出力さ
れる。
【0026】その目標出力トルク算出用の回転数(以
下、算出用回転数と記す)NINPCTは、基本的に
は、エンジン1を最適燃費となるように運転して前記の
目標出力Pを発生させる回転数であるから、無段変速機
10の最終目標入力回転数NINTが採用される。しか
しながら、その最終目標入力回転数NINTが、目標出
力Pに基づいて求められた値NINTBSEを下限回転
数で制限した回転数の場合があり、その場合は算出用回
転数設定部B6において、最終目標入力回転数NINT
が算出用回転数NINPCTとされずに、目標出力回転
数算出部B3で算出された目標入力回転数NINTBS
Eが算出用回転数NINPCTとして採用される。言い
換えれば、目標出力トルクTETを算出するための算出
用回転数NINPCTは、最終目標入力回転数NINT
が補正された値であるか否かに拘わらず、目標出力Pに
基づいて算出された目標入力回転数NINTBSEとさ
れる。
【0027】上記の最終目標入力回転数NINTの補正
および目標出力トルクTETの演算について、更に説明
する。図2はその制御例を示しており、ここに示すルー
チンは、予め定めた短い時間間隔で繰り返し実行され
る。図2において、先ず、車速SPD、エンジントルク
TE、入力回転数NIN、アクセル開度PAおよびシフ
トポジションが読み込まれる(ステップS1)。その車
速SPDは図示しない車速センサによって検出すること
ができ、またエンジントルクTEは図示しないエアフロ
ーメータで得られる吸入空気量およびマップに基づいて
得ることができる。さらに入力回転数NINは無段変速
機10への入力回転数であって図示しない入力回転数セ
ンサによって検出することができる。さらにまたアクセ
ル開度PAは前述した加減速操作装置7の一例であるア
クセルペダルの踏み込み角度を検出することにより得る
ことができ、シフトポジションは前記シフト装置14に
設けた図示しないセンサによって検出することができ
る。
【0028】ついで、これらの読み込んだデータに基づ
いて目標入力回転数(NINTBSE)が計算される
(ステップS2)。この計算は、前述した目標出力回転
数算出部B3での計算であり、従来知られている手法で
おこなうことができる。すなわち前述したように、目標
出力Pを最も燃費の良い状態で出力できる回転数をマッ
プに基づいて目標入力回転数として求める。
【0029】さらに、車両の走行負荷としての走行路面
の勾配を検出するために、車両の実加速度と基準加速度
とが計算される(ステップS3)。前者の実加速度は、
車速SPDの単位時間あたりの変化量として計算するこ
とができる。また、後者の基準加速度は、平坦路を走行
している際に得られる加速度であり、アクセル開度PA
と車速SPDとに応じた値として予めマップの形で記憶
されており、したがって検出されたアクセル開度PAと
車速SPDに相当する値が、マップに基づいて基準加速
度として求められる。
【0030】このようにして得られた実加速度と基準加
速度とから路面勾配が計算される(ステップS4)。す
なわち走行路面が傾斜していれば、その勾配に応じて加
速度もしくは減速度が車両に作用するので、アクセル開
度PAと車速SPDに基づいて求まる基準加速度と実加
速度とに差が生じ、その加速度の差が路面の勾配に応じ
た値となる。そこで、その加速度と路面勾配との関係を
予め求めておき、計算された加速度の差に基づいて路面
勾配が演算される。
【0031】またさらに、選択されているシフトポジシ
ョンが、Dポジションであるか否かが判断される(ステ
ップS5)。これは、前述したようにシフト装置14か
ら出力される信号に基づいて判断することができる。D
ポジションが選択されていることによりステップS5で
肯定的に判断された場合には、上記のステップS4で計
算された路面勾配が第1基準値より小さいか否かが判断
される(ステップS6)。この判断ステップは、要は、
路面が平坦路か否かを判断するためのステップであり、
したがってその第1基準値は平坦路と登坂路との区別が
できる程度の小さい値に設定されている。
【0032】走行路面が登坂路であれば、このステップ
S6で否定的に判断され、その場合には、ステップS4
で計算された路面勾配が第2基準値より小さいか否かが
判断される(ステップS7)。この判断ステップは、登
坂路を緩い登坂路と急な登坂路とに分け、それぞれに応
じて異なった制御をおこなうために勾配を判断するステ
ップであり、したがってその第2基準値は、前記の第1
基準値より大きい値であり、かつ予め適宜に設定した値
である。
【0033】このステップS7で肯定的に判断されれ
ば、走行路面が登坂路であり、かつ緩い勾配の登坂路で
あることになり、その場合は、最終目標実入力回転数N
INTが第1の下限回転数NINGD1より小さいか否
かが判断される(ステップS8)。この第1の下限回転
数NINGD1は、エンジン1のアイドリングに基づく
回転数や無段変速機10の機構上定まる最高速側の変速
比γmin に応じた回転数よりも幾分大きい値であり、そ
の一例を図3に示してある。なお、図3に示す例では、
第1の下限回転数NINGD1は低車速域でアイドリン
グに基づく回転数に一致し、また高車速域では第1の下
限回転数NINGD1は、無段変速機10の機構上定ま
る最高速側の変速比に応じた回転数に一致している。
【0034】このステップS8で肯定的に判断された場
合、すなわち最終目標実入力回転数NINTが第1の下
限回転数NINGD1より低回転数の場合には、最終目
標入力回転数NINTとして、ステップS2で演算され
た目標入力回転数NINTBSEが設定される(ステッ
プS9)。すなわち入力回転数が、目標入力回転数NI
NTBSEに一致するように、無段変速機10の変速比
が制御される。言い換えれば、目標入力回転数が車両の
走行状態に基づいて制御され、その下限回転数が人為的
に設定した下限回転数に制限されることがなく、そのた
め、アクセル操作などの加減速操作をおこなうことなく
路面勾配の判断結果のみによって実入力回転数NINが
強制的に引き上げられることがない。
【0035】この場合、目標出力Pに基づいて計算され
た目標入力回転数NINTBSEが補正されることなく
そのまま最終目標入力回転数NINTとされるので、エ
ンジントルク算出用回転数NINPCTとしてその最終
目標入力回転数NINTすなわち目標出力Pに基づいて
計算された目標入力回転数NINTBSEが採用され
(ステップS10)、その後、このルーチンが終了す
る。
【0036】これに対して、ステップS8で否定的に判
断された場合、すなわち最終目標入力回転数NINT
が、第1の下限回転数NINGD1以上の場合には、最
終目標入力回転数NINTとして、ステップS2で演算
された目標入力回転数NINTBSEと第1の下限回転
数NINGD1とのうちの大きい値(max(NINT
BSE,NINGD1))が設定される(ステップS1
1)。すなわち目標出力Pに基づいて計算される目標入
力回転数NINTBSEが第1の下限回転数NINGD
1より小さい場合には、最終目標入力回転数NINTが
その第1の下限回転数NINGD1に制限され、これと
は反対に目標出力Pに基づいて計算される目標入力回転
数NINTBSEが第1の下限回転数NINGD1より
大きい場合には、最終目標入力回転数NINTとしてそ
の目標入力回転数NINTBSEが採用される。
【0037】このように、走行している登坂路の勾配が
緩い場合、言い換えれば、走行負荷が相対的に小さい場
合には、走行負荷が平坦路を走行する場合より大きいこ
とにより、入力回転数の下限回転数が設定されるが、最
終目標入力回転数がその下限回転数より低回転数の場合
には、その下限回転数による目標入力回転数の制限が実
行されず、最終目標入力回転数が下限回転数以上になっ
た後に、その下限回転数に基づく目標入力回転数の制限
がおこなわれる。そのため、アクセル操作を伴わずに路
面の勾配の判断(走行負荷の判断)がおこなわれて入力
回転数が増大すること、すなわち変速が生じることが回
避される。また、最終目標入力回転数が人為的に設定し
た下限回転数以上になった場合には、その後の走行負荷
が所定値以上に大きい状態では、目標入力回転数が下限
回転数より低回転数になることが制限される。
【0038】そして、この場合、エンジントルク算出用
回転数NINPCTとして、ステップS2で計算された
目標入力回転数NINTBSEすなわち目標出力Pに基
づいて求められた目標入力回転数NINTBSEが採用
され(ステップS12)、その後、このルーチンが終了
する。したがって目標出力Pに基づいて求められた目標
入力回転数NINTBSEが第1の下限回転数NING
D1より低回転数の場合には、その目標入力回転数NI
NTBSEを高回転数側に補正した回転数である第1の
下限回転数NINTGD1が最終目標入力回転数NIN
Tとされるが、その際の目標出力トルクTETの算出に
は、その補正の前の値である前記目標入力回転数NIN
TBSEが使用される。そのため、算出される目標出力
トルクTETは最終目標入力回転数NINTに基づいて
計算されたトルクより大きいトルクとなる。
【0039】一方、路面勾配が大きいことによりステッ
プS7で否定的に判断された場合には、最終目標入力回
転数NINTとして、ステップS2で演算された目標入
力回転数NINTBSEと第2の下限回転数NINGD
2とのうちの大きい値(max(NINTBSE,NI
NGD2))が設定される(ステップS13)。この第
2の下限回転数NINGD2の一例を図3に示してあ
り、この第2の下限回転数NINGD2は前述した第1
の下限回転数NINGD1より高回転数に設定されてい
る。また、図3には、前記第2基準値の路面勾配の登坂
路を定常走行した場合の入力回転数(ロードロード回転
数)を示す線を併せて記載してあり、第2の下限回転数
NINGD2を示す線とロードロード回転数を示す線と
が所定の車速SPD1で交差している。すなわちその車
速SPD1より低速域では、第2の下限回転数NING
D2がロードロード回転数より高回転数に設定されてい
る。
【0040】したがってステップS13による制御で
は、目標出力Pに基づいて計算される目標入力回転数N
INTBSEがその第2の下限回転数NINGD2より
低回転数の場合には、その第2の下限回転数NINGD
2を目標入力回転数として、実入力回転数が目標入力回
転数に一致するように変速比が制御され、実入力回転数
が引き上げられる。また車両の走行状態に基づいて計算
された目標入力回転数NINTBSEが第2の下限回転
数NINGD2より高回転数の場合には、その目標入力
回転数NINTBSEに実入力回転数が一致するように
変速比が制御される。したがって実入力回転数は第2の
下限回転数NINGD2以上に維持され、またそれに応
じて変速比が大きい値に維持される。
【0041】このように、路面勾配が大きい状態すなわ
ち走行負荷が大きい状態では、減速操作することにより
車両が短時間のうちに停止することになるが、設定され
ている変速比が大きいので、発進時に要求される最低速
側の最大変速比γmax に短時間のうちに変化させること
ができる。特に、上述した図2に示す制御をおこなう構
成では、低車速域での第2の下限回転数NINGD2が
大きい値に設定され、それに伴って無段変速機10の変
速比が大きくなっているので、低車速からの停車までの
時間が短いとしても、変速比が最大変速比γmax に戻る
までの時間が短くてよく、最大変速比γmax への戻り性
が良好になる。
【0042】そして、ステップS13で第2の下限回転
数NINGD2を設定し、かつ車両の走行状態に基づい
て求まる目標入力回転数NINTBSEがその第2の下
限回転数NINGD2より低回転数であることにより最
終目標入力回転数NINTをその第2の下限回転数NI
NGD2に制限した場合には、エンジントルク算出用回
転数NINPCTとして、目標出力Pに基づいて算出さ
れた目標入力回転数NINTBSEが採用される(ステ
ップS12)。その後、このルーチンが終了する。すな
わち走行負荷が大きいことにより目標入力回転数NIN
TBSEの高回転数側への補正が行われた場合であって
も、目標出力トルクTETの算出には、その補正の前の
値である前記目標入力回転数NINTBSEが使用され
る。そのため、算出される目標出力トルクTETは最終
目標入力回転数NINTに基づいて計算されたトルクよ
り大きいトルクとなる。
【0043】ところで、前述した図2におけるステップ
S5で否定的に判断された場合、すなわちDポジション
が選択されていない場合には、直ちにステップS9に進
んで、目標出力Pに基づいて計算された目標入力回転数
NINTBSEが最終目標入力回転数NINTとして設
定される。また、平坦路を走行していることによりステ
ップS6で肯定的に判断された場合には、走行負荷が小
さいことにより、目標入力回転数についての下限回転数
の制限をおこなわないので、直ちにステップS9に進
む。
【0044】したがって上述した制御を実行するこの発
明に係る制御装置によれば、走行負荷が大きいことに伴
って無段変速機10の目標入力回転数すなわちエンジン
1の目標出力回転数を高回転数側に補正したとしても、
目標出力トルクの算出には、その補正前の回転数を使用
するので、算出される目標出力トルクが大きいトルクと
なる。そのため、走行負荷が大きい場合には、目標出力
回転数が高回転数に維持されることと相まって、車両の
駆動力を走行負荷に合わせて大きい駆動力に維持するこ
とができ、その結果、駆動力の不足を解消して運転性を
良好なものとすることができる。
【0045】上述した制御をおこなった場合のエンジン
トルクの変化を図を参照して説明すると以下のとおりで
ある。図4は、走行負荷が相対的に小さい登坂路の判定
が成立し、かつその時点における最終目標入力回転数N
INTが、前述した第1の下限回転数NINGD1より
高回転数の場合の例を示している。すなわち、図4にお
いて、登坂判定が成立した時点をt0 時点として示して
あり、このt0 時点では、最終目標入力回転数NINT
およびそれに基づく実入力回転数が第1の下限回転数N
INGD1より高回転数になっており、その後のt1 時
点に減速操作されてアクセル開度PAが低下する。それ
に伴って目標出力P、最終目標入力回転数NINTおよ
びエンジントルクTEが低下する。この時点の最終目標
入力回転数NINTは、目標出力Pに基づいて計算され
る目標入力回転数NINTBSEである。そして、アク
セル開度PAの低下に伴ってその目標入力回転数NIN
TBSEが第1の下限回転数NINTGD1まで低下す
ると、最終目標入力回転数NINTとして第1の下限回
転数NINTGD1が採用され、目標とする入力回転数
が高めに補正される(t2 時点)。その結果、無段変速
機10の入力回転数すなわちエンジン1の出力回転数が
相対的に高い回転数に維持される。
【0046】最終目標入力回転数NINTが第1の下限
回転数NINTGD1に維持されるのに対して、アクセ
ル開度PAが低下することにより、目標入力回転数NI
NTBSEが低下し、その目標入力回転数NINTBS
Eを使用して目標出力トルクTETが算出されるので、
その目標出力トルクTETに基づいて制御されるエンジ
ントルクTEは、図4に破線で示してあるようにある程
度の高いトルクに維持される。これに対して、最終目標
入力回転数NINTを使用して目標出力トルクTETを
算出した場合には、その値に基づいて制御されるエンジ
ントルクTEは、図4に実線で示すように、アクセル開
度PAの減少に合わせて低下してしまう。すなわち上記
の制御によれば、高負荷の一例である登坂路の判定が成
立し、それに伴って目標入力回転数が高めに補正された
場合であっても、目標出力トルクTETすなわちエンジ
ントルクTEの低下が抑制もしくは防止されるので、駆
動力を確保して運転性を向上させることができる。
【0047】また、図5に示す例は、走行負荷が相対的
に大きい登坂路の判定が成立し、かつその時点における
最終目標入力回転数NINTが、前述した第2の下限回
転数NINGD2より低回転数の場合の例を示してい
る。すなわち、図5において、登坂判定が成立した時点
をt10時点として示してあり、このt10時点では、最終
目標入力回転数NINTおよびそれに基づく実入力回転
数が第2の下限回転数NINGD2より低回転数になっ
ている。走行負荷が高負荷であるから、アクセル開度P
Aが一定であり、またそれに伴って目標出力Pが一定で
あっても、その登坂判定の成立によって、直ちに第2の
下限回転数NINGD2による目標入力回転数の制限が
実行される。すなわち、最終目標入力回転数NINT
が、目標出力Pに基づいて求められる目標入力回転数N
INTBSEから第2の下限回転数NINGD2に引き
上げられ、t11時点以降は、その第2の下限回転数NI
NGD2が最終目標入力回転数NINTとされる。
【0048】最終目標入力回転数NINTをこのように
高めに補正する制御が実行されても、アクセル開度PA
が一定であるために、目標入力回転数NINTBSEは
図5に破線で示すように、一定に維持される。目標出力
トルクTETはこの目標入力回転数NINTBSEを使
用して計算されるから、エンジントルクTETは最終目
標入力回転数NINTの補正に拘わらず、図5に破線で
示すようにほぼ一定に維持される。これに対して最終目
標入力回転数NINTを使用して目標出力トルクTET
を計算して求めた場合には、エンジントルクTEは図5
に実線で示すように低下してしまう。すなわち上記の制
御によれば、高負荷の一例である登坂路の判定が成立
し、それに伴って目標入力回転数が高めに補正された場
合であっても、目標出力トルクTETすなわちエンジン
トルクTEの低下が抑制もしくは防止されるので、駆動
力を確保して運転性を向上させることができる。
【0049】ここで上記の具体例とこの発明の関係を説
明すると、図1に示す目標駆動力算出部B1の機能的手
段がこの発明の目標駆動力算出手段に相当し、目標出力
算出部B2の機能的手段がこの発明の目標出力算出手段
に相当し、また目標出力回転数算出部B3の機能的手段
および図2に示すステップS2の機能的手段がこの発明
の目標出力回転数算出手段に相当する。また一方、図6
に示す無段変速機10用の電子制御装置13がこの発明
の変速比制御手段に相当し、図1に示す目標出力トルク
算出部B5の機能的手段がこの発明の目標出力トルク算
出手段に相当し、そして図6に示すエンジン1用の電子
制御装置6がこの発明の出力トルク制御手段に相当す
る。さらにまた、図1に示す目標出力回転数補正部B4
の機能的手段および図2に示すステップS11およびス
テップS13の機能的手段がこの発明の目標出力回転数
補正手段に相当し、また図1に示す算出用回転数設定部
B6の機能的手段および図2に示すステップS12の機
能的手段がこの発明の算出用回転数設定手段に相当す
る。
【0050】なお、上記の具体例では、走行負荷の検出
として実加速度と基準加速度とを採用した例を説明した
が、この発明は上記の具体例に限定されないのであっ
て、走行負荷の検出は必要に応じて適宜の手段でおこな
えばよい。また、上記の具体例では、下限回転数を設定
することにより動力源であるエンジンの目標出力回転数
を高めに補正する例を示したが、この発明における目標
出力回転数の補正は、下限回転数を設定しておこなう以
外に適宜の手段でおこなってよく、要は、走行負荷が大
きい場合に目標出力回転数を高めに補正すればよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
車両の走行負荷が大きい場合には、動力源の目標出力回
転数(無段変速機の目標入力回転数)が高回転数側に補
正されるが、目標出力トルクを算出するための回転数と
してはその補正された回転数に替えて、補正される前の
回転数が採用されるので、算出される目標出力トルク
は、目標出力回転数が増大補正されても、小さい値にな
らず、その結果、高負荷時には、目標出力回転数が高く
なるうえに、目標出力トルクが低減されないので、要求
に応じた駆動力が確保され、運転性を良好なものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る制御装置で実行される制御例
を示すブロック図である。
【図2】 この発明の制御装置で実行される目標入力回
転数についての下限回転数の設定および制限ならびに目
標出力トルク算出用回転数の設定のための制御例を示す
フローチャートである。
【図3】 目標入力回転数についての下限回転数および
第2基準値に一致する勾配の登坂路を定常走行した場合
の入力回転数(ロードロード回転数)を示す線図であ
る。
【図4】 この発明の制御装置で変速制御をおこなった
場合のエンジントルクの変化の一例を模式的に示すタイ
ムチャートである。
【図5】 この発明の制御装置で変速制御をおこなった
場合のエンジントルクの変化の他の例を模式的に示すタ
イムチャートである。
【図6】 この発明で対象とする車両の駆動系統および
その制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図7】 その無段変速機の一例を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…変速機構、 6…電子制御装置、
7…加減速操作装置、 10…無段変速機、 13…
電子制御装置、 14…シフト装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:42 F16H 59:42 63:06 63:06 (72)発明者 松尾 賢治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安江 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田村 忠司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井上 大輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山本 良明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近藤 宏紀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA26 AA31 AB01 AC01 AC15 AC19 AC20 AD02 AD05 AD10 AD22 AD23 AD37 AD51 AE03 AE31 AF01 AF09 3G084 BA02 BA03 BA32 CA04 CA08 DA02 DA03 DA15 EB08 EB12 EC03 FA05 FA06 FA10 FA33 3G093 AA05 AA06 BA15 BA19 CA07 CB00 DA01 DA06 DA09 DB03 DB04 DB05 DB11 EA02 EA03 EB03 EB07 EC04 FA04 FA07 FA10 FA12 FB01 3J552 MA07 MA12 MA26 NA01 NB01 NB02 NB04 NB05 NB08 PA35 RB22 RC14 SA34 TA01 UA08 UA09 VA32Y VB01Z VC01W VC02W VD02Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転状態に基づき目標駆動力を求める目
    標駆動力算出手段と、その目標駆動力を達成するための
    動力源の目標出力を求める目標出力算出手段と、その目
    標出力に基づいて目標出力回転数を求める目標出力回転
    数算出手段と、動力源の実際の出力回転数が目標出力回
    転数となるように動力源の出力側に連結された無段変速
    機の変速比を制御する変速比制御手段と、前記目標駆動
    力に基づいて動力源の目標出力トルクを求める目標出力
    トルク算出手段と、その目標出力トルクとなるように動
    力源の出力トルクを制御する出力トルク制御手段とを有
    する無段変速機を備えた車両の制御装置において、 車両の走行負荷が大きいときには、目標出力回転数を高
    めに補正する目標出力回転数補正手段と、 この目標出力回転数補正手段により目標出力回転数が高
    めに補正されたときには、補正前の目標出力回転数を前
    記目標出力トルクを算出するための算出用回転数に設定
    する算出用回転数設定手段とを備えていることを特徴と
    する無段変速機を備えた車両の制御装置。
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