JP4340429B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両加速時の加速フィーリングを向上し得る無段変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に用いられる無段変速機としては、ベルト式やトロイダル式がある。ベルト式無段変速機は、入力軸に設けられる入力側のプライマリプーリと、出力軸に設けられる出力側のセカンダリプーリと、これらのプーリに掛け渡されるベルトやチェーンなどの動力伝達要素とを有し、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き付け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させて入力軸の回転を出力軸に伝達することができる。
【0003】
このような無段変速機にあっては、アクセルペダルの開度と車速あるいはエンジン回転数などの運転状態を示すパラメータに基づいて変速比を自動的に制御している。つまりこれらパラメータに基づいて演算するか、またはパラメータに対応する運転変速特性マップを参照するかのどちらかの方法により目標プライマリプーリ回転数を設定し、この目標プライマリプーリ回転数に実プライマリプーリ回転数が収束するように変速比を設定するようにしている。
【0004】
このようなベルト式無段変速機においては、アクセルペダルが運転者により操作されて車両の加速が要求されたとき、特に、スロットル開度が中間開度程度以上となるまでアクセルペダルが操作されたときには、急加速制御つまりキックダウン制御を行っている。
【0005】
このような急加速制御方法としては、従来、アクセルペダルの踏み込み量に対応するエンジン回転数上昇率で上限回転数までプライマリプーリ回転数を上昇させ、その後は変速比を減少させて車速を連続的に増加させる方法がある。しかしこの方法では、一気にプライマリプーリの回転数を上限回転数まで上昇させるのでエンジンの最大駆動力を加速に利用することができる半面、上限回転数まで上昇した後には車速の増加に比してエンジン回転数が増加しないので、エンジン回転数の増加に伴って車速を増加させたいという運転者の加速フィーリングを満足させることができない。また、プライマリプーリの回転数が上限値に達すると変速速度が急激に変化するため、変速ハンチングが生じやすい。
【0006】
他の急加速制御方法としては、急加速が行われたときの踏み込み後のアクセル開度をパラメータとして変速特性のマップデータを選定し、ダウンシフトを行った後にプライマリプーリの目標回転数を変化させるように制御する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−145133号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この方法にあっては、エンジン回転数の増加に伴って車速を増加させることはできるが、アクセル開度をパラメータとして加速時の変速特性を制御する場合には、高車速までエンジン回転の上昇が得られるように設定すると、低車速ではダウンシフト量が少なくて駆動力が不足し、高車速域ではダウンシフト量が大きすぎる。また、どのような車速でアクセルペダルを踏み込んでも、同じアクセル開度ではいつでも同じ変速比付近であり、走行状態に応じた最適な加速を行うことができない。
【0009】
本発明の目的は、走行状態に応じた最適な駆動力を確保しつつ車両加速時の加速フィーリングを向上することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、エンジンにより駆動される入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変速比を変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の変速制御装置であって、スロットル開度センサに基づき運転者が加速の要求状態にあるか否かを判定する加速意思判定手段と、前記加速意思判定手段により加速意思が判定されたときに、車速を加速意思判定時の車速に維持しつつ加速初期の前記入力側回転体の目標となる加速意思判定時よりも高い初期回転数および加速意思判定時よりもダウンシフト側の初期変速比を設定し、かつ加速終了時の前記入力側回転体の目標となる到達回転数および到達車速をスロットル開度に応じて設定する加速条件設定手段と、前記加速意思判定手段により加速意思が判定された後の加速初期において前記無段変速機を前記初期回転数および前記初期変速比に制御し、その後スロットル開度に応じて前記入力側回転体の回転数が前記初期回転数よりも高い前記到達回転数に収束し、車速が加速判定時よりも高速の前記到達車速に収束するように前記無段変速機の変速比をダウンシフト側に制御した後にゆるやかにアップシフト側に制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記入力側回転体の初期回転数および初期変速比と、前記入力側回転体の到達回転数および到達車速との少なくともいずれか一方を路面勾配に基づいて変化させることを特徴とする。
【0012】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記初期回転数を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする。
【0013】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記到達回転数を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする。
【0014】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記到達車速を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする。
【0015】
本発明の無段変速機の変速制御装置は、前記入力側回転体の回転数を前記到達回転数に収束するとともに前記車速を前記到達車速に収束する際における変速特性を前記入力側回転体の回転数の到達回転数への収束率と車速の到達車速への収束率との少なくともいずれか一方により設定することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、加速意思が判定されて設定される加速モードは加速初期モードと回転収束モードとを有し、加速意思が判定されたとき加速初期モード終了時の入力側回転体の初期回転数および初期変速比が設定されるとともに、加速終了時の入力側回転体の到達回転数および到達車速が設定される。加速初期モード終了後には到達回転数と到達車速となるまで変速特性が回転収束モードに設定される。これにより、加速終了までの車速の増加を入力側回転体の回転数増加に対応させることができ、加速フィーリングが向上し、加速時の駆動力を十分に確保することができる。
【0017】
本発明にあっては、加速開始時における路面勾配の大きさに応じて初期回転数、初期変速比、到達回転数および到達車速を設定することにより、路面勾配に対応した駆動力により車両を加速することができる。初期回転数および到達回転数を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することにより、走行状態に応じた最適な加速を行うことができ、加速時の駆動力を走行状態に応じて設定することができる。回転収束モード時に変速特性を入力側回転体の収束率と車速の収束率とのいずれか一方により設定することによって、走行状態に応じて変速特性により加速制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図であり、この無段変速機1はエンジン2により駆動されるクランク軸3の回転がトルクコンバータなどからなる発進装置4と前後進切換装置5を介して伝達される駆動側のプライマリ軸6と、これと平行となった被駆動側のセカンダリ軸7とを有している。
【0019】
プライマリ軸6には入力側回転体としてのプライマリプーリ8が設けられており、このプライマリプーリ8はプライマリ軸6に一体となった固定プーリ8aと、これに対向してプライマリ軸6にボールスプラインなどにより軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ8bとを有し、プーリのコーン面間隔つまりプーリ溝幅が可変となっている。セカンダリ軸7には出力側回転体としてのセカンダリプーリ9が設けられており、このセカンダリプーリ9はセカンダリ軸7に一体となった固定プーリ9aと、これに対向してセカンダリ軸7に可動プーリ8bと同様にして軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ9bとを有し、プーリ溝幅が可変となっている。
【0020】
プライマリプーリ8とセカンダリプーリ9との間には動力伝達要素としてのベルト10が掛け渡されており、両方のプーリ8,9の溝幅を変化させてそれぞれのプーリに対するベルト10の巻き付け径の比率を変化させることにより、プライマリ軸6の回転がセカンダリ軸7に無段階に変速されて伝達されることになる。ベルト10のプライマリプーリ8に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ9に対する巻き付け径をRsとすると、変速比つまりプーリ比iはi=Rs/Rpとなる。セカンダリ軸7の回転は減速歯車およびディファレンシャル装置12を有する歯車列を介して駆動輪13に伝達されるようになっており、前輪駆動の場合には駆動輪13は前輪となる。
【0021】
プライマリプーリ8の溝幅を変化させるために、プライマリ軸6にはプライマリシリンダ14が設けられ、この中には油圧室15が形成されている。一方、セカンダリプーリ8の溝幅を変化させるために、セカンダリ軸7にはセカンダリシリンダ16が設けられ、この中には油圧室17が形成されている。それぞれの溝幅は、プライマリ側の油圧室15に導入されるプライマリ圧Ppと、セカンダリ側の油圧室17に導入されるセカンダリ圧Psとを調整することにより設定される。
【0022】
図2は無段変速機1を作動制御するための制御システムを示す概略図である。図2に示すように、それぞれの油圧室15,17には、エンジンあるいは電動モータにより駆動されるオイルポンプ18からの作動油が供給されるようになっており、オイルポンプ18の吐出口に接続されたセカンダリ圧路19は、油圧室17に連通されるとともにセカンダリ圧調整弁20のセカンダリ圧ポートに連通されている。このセカンダリ圧調整弁20によって油圧室17に供給されるセカンダリ圧Psは、ベルト10に対してトルク伝達に必要な締結力を付与する圧力に調整される。
【0023】
セカンダリ圧路19はプライマリ圧調整弁22のセカンダリ圧ポートに連通油路23を介して接続され、このプライマリ圧調整弁22のプライマリ圧ポートはプライマリ圧路24を介してプライマリ側の油圧室15に連通されている。このプライマリ圧調整弁22によってプライマリ圧Ppは、目標変速比、車速などに応じた値に調整され、プライマリプーリ8の溝幅が変化して変速比が制御される。セカンダリ圧調整弁20およびプライマリ圧調整弁22は、それぞれ比例ソレノイド弁であり、CVT制御ユニット25からそれぞれのソレノイドコイル20a,22aに供給される電流値を制御することによってセカンダリ圧Psとプライマリ圧Ppが調整される。
【0024】
このCVT制御ユニット25にはプライマリプーリ8の回転数を検出するプライマリプーリ回転数センサ26と、セカンダリプーリ9の回転数を検出するセカンダリプーリ回転数センサ27からの信号が入力される。さらにCVT制御ユニット25には、車速検出手段である車速センサ35とスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ30が接続されている。ただし、セカンダリプーリ回転数センサ27によって検出されたセカンダリプーリ9の回転数から車速を演算するようにしても良い。また、アクセル開度は、スロットル弁の開度を直接検出するようにしても良く、アクセルペダルの開度をセンサで読み取り、このアクセル開度に応じてスロットル開度を演算するようにしても良い。
【0025】
CVT制御ユニット25にはエンジン制御ユニット32が接続されており、この制御ユニット32にはクランク角センサ33からの信号や他の各種センサ34からの信号が送られるようになっている。クランク角センサ33からの信号に基づいて演算されたエンジン回転数データや他の各種センサ34からの信号に基づいて演算される各種演算データは、CVT制御ユニット25に入力され、このCVT制御ユニット25からそれぞれのソレノイドコイル20a,22aに送られる制御信号によってそれぞれの油圧室15,17に供給される油圧が調整される。CVT制御ユニット25およびエンジン制御ユニット32は、それぞれ制御信号を演算処理するマイクロプロセッサCPUと、制御プログラム、演算式、および各種マップデータなどが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMとを有しており、加速意思判定手段、加速条件設定手段、加速初期モード設定手段、および回転収束モード設定手段を構成している。
【0026】
図3は、図1および図2に示す無段変速機におけるプライマリプーリ7の目標回転数Npと車速Vとの関係を示す変速制御特性線図であり、たとえば、アクセルペダルを全開として加速したときには、プライマリプーリ7の目標回転数Npは変速比が最大変速比であるローRLのままA点まで達し、その後は、変速比が最小変速比であるオーバードライブRO側に変速されるとともに若干回転を上昇させながら車速Vを増加させて最高速点Bに達する。この状態からアクセルペダルを戻したり、ブレーキングを行った場合には変速比がオーバードライブ側ROに固定されたままC,Dを経て減速し、さらに最低変速ラインに沿って変速比がオーバードライブからロー側に変速されてE点に達し、ブレーキングによってローのまま車両が停止する。実際の走行では、車両の走行状態に応じて、ロー側の変速比RLとオーバードライブ側の変速比ROとの間であって、符号AからEで示される範囲内で自由に変速比が設定される。
【0027】
図3において、点AE間のローRLと点CD間のオーバードライブROとの間の複数の細い実線は、それぞれ変速比が一定の場合のプライマリプーリ7の目標回転数Npと車速Vとの関係を示す特性線図である。また、点AB間の最高変速ラインと、点DE間の最低変速ラインとの間に破線で示される複数の変速ラインは、通常変速モードに対応する変速特性線図であり、それぞれ所定のスロットル開度に対応した車速Vとプライマリプーリ7の目標回転数Npとの関係を示す。この通常変速モードに対応するマップデータは、CVT制御ユニット25内のROMなどのメモリーに格納されている。したがって、通常変速モードでは、たとえば図3において点TH1で示すスロットル開度となるように運転者によりアクセルペダルが踏み込まれたときには、これを通る変速ラインにより示される変速特性となって変速比が制御される。
【0028】
本発明にあっては、たとえば、図3において符号Fで示す車速Vsとスロットル開度TH1で車両が走行しているときに、運転者がスロットル開度TH2に対応する位置までアクセルペダルを大きく踏み込むことにより、加速要求状態にあると判定されたときには、無段変速機の制御は通常走行モードから加速モードに切り換えられる。運転者が車両の加速要求状態であるか否かは、アクセルペダルが操作されることによるアクセルの開度と開速度に加えて車速と路面勾配の状態によって判定される。
【0029】
加速モードであると判定されると、図3に示すように、加速初期モードM1の制御に切り換えられ、この加速初期モードM1の後に回転収束モードM2の制御が行われる。つまり、加速要求状態にあると判定されると、まず、スロットル開度TH2に基づいて加速初期モードM1終了時である状態点Gのプライマリプーリ7の目標回転数つまり初期回転数Npsおよび初期変速比Rsが設定される。この初期回転数Npsは、図3に示されるように、加速モードであると判定されたときのプライマリプーリの回転数よりも高く、初期変速比Rsは加速モードであると判定されたときの変速比よりもダウンシフト側に設定される。さらに回転収束モードM2が終了して加速終了時である状態点Hのプライマリプーリ7の目標回転数つまり到達回転数Npeおよび到達車速Veが設定される。これらの加速条件が設定されると、まず、メモリー内のマップデータが読み出されて、状態点Gまでの加速初期モードM1の制御が実行される。これにより、プライマリプーリ7の目標回転数がNpsに、そして変速比がRsになるように、図3に示されるように、車速を維持しつつ、エンジン回転数と変速比が制御され、加速初期モードM1ではダウンシフトの制御が実行される。
【0030】
次いで、加速初期モードM1の終了時である状態点Gのプライマリプーリ7の初期回転数Npsおよび初期変速比Rsと、回転収束モードM2の終了時である状態点Hのプライマリプーリ7の到達回転数Npeおよび到達車速Veとに基づいて読み出されたマップデータによって、図3に示すように回転収束モードM2が実行される。このように状態点Gの状態から状態点Hで示す加速終了時までの加速特性は、スロットル開度TH2に応じて加速終了時の到達車速Veとプライマリプーリ7の到達回転数Npeとをパラメータとして設定され、プライマリプーリ7の回転が到達回転数Npeに収束し、車速が到達車速Veに収束するように制御されるので、加速終了までの車速の増加をプライマリプーリ7の回転数の増加に対応させることができる。これにより、回転収束モードM2の初期には変速比はダウンシフト側に制御された後にゆるやかにアップシフト側に制御され、加速時の駆動力を確保しつつ、加速フィーリングを向上させることができる。
【0031】
図4は加速開始時の車速およびアクセル開度と、状態点Fまでのダウンシフト量つまりプライマリプーリ7の初期回転数Npsとの関係を示す変速特性図である。図示するように、アクセル開度が大きい程、初期回転数Npsを高めに設定するとともに、加速開始時の車速が高い程、余裕駆動力を増やすために初期回転数Npsを高めに設定する。さらに、加速開始時の路面勾配によって初期回転数Npsを変化させる。たとえば、登り勾配が大きい程、初期回転数Npsを高めに設定する。ただし、路面勾配のパラメータを使用することなく、車速とアクセル開度により初期回転数Npsを変化させるようにしても良い。
【0032】
図5は加速開始時の車速およびアクセル開度と、加速終了時点Hのプライマリプーリ7の到達回転数Npeとの関係を示す変速特性図である。図示するように、アクセル開度が高い程、到達回転数Npeの回転を高めに設定するとともに、加速開始時の車速が高い程、到達回転数Npeを高めに設定する。さらに、加速開始時の路面勾配によって到達回転数Npeを変化させる。たとえば、登り勾配が大きい程、到達回転数Npeを高めに設定する。ただし、路面勾配のパラメータを使用することなく、車速とアクセル開度により到達回転数Npeを変化させるようにしても良い。
【0033】
図6は加速開始時の車速およびアクセル開度と、加速終了時点Hの到達車速Veとの関係を示す変速特性図である。図示するように、加速開始時のアクセル開度が高い程、到達車速まで早く最大回転にまで上昇させるようにしており、加速開始時の車速が低い程、余裕駆動力が大きいので、車速の伸びを大きく設定している。さらに、加速開始時の路面勾配によって加速終了時の到達車速Veを低い値に設定する。図3において、符号M2aは登り坂を走行しているときに加速判定が行われ、加速終了時の到達車速を低い値としたときの変速特性図である。ただし、路面勾配のパラメータを使用することなく、車速とアクセル開度により変速終了時の到達車速を設定するようにしても良い。
【0034】
図7は加速開始時のアクセル開度とプライマリプーリ7の回転収束率および車速収束率との関係を示す変速特性図であり、加速開始時のアクセル開度が高い程、プライマリプーリ7の目標回転数の回転収束率は高い値に設定されている。
【0035】
図3に示す加速モードは状態点Fで走行しているときにアクセル開度がTH2となるまでアクセルペダルが踏み込まれた場合の加速特性を示しているが、加速開始時の走行状態と加速量に応じて格納されたマップデータに基づいてどのような走行状態であっても、最適な加速モードが設定される。ただし、加速モードの制御はマップデータによらず、演算式によって設定するようにしても良い。また、加速意思が判定されたときにプライマリプーリ7の回転数が加速初期モードM1の初期回転数よりも高いときには、加速初期モードM1の制御を行うことなく、直ちに回転収束モードM2の制御を実行することになる。その際にも加速終了時のプライマリプーリ7の到達回転数と到達車速を設定して変速特性が設定される。
【0036】
図8は前述した無段変速機の加速時の変速制御のアルゴリズムを示すフローチャートであり、ステップS1において運転者が加速要求の状態にあると判定されたときには、ステップS2が実行される。このステップS2では、加速初期モードM1終了時のプライマリプーリ7の初期回転数Npsおよび初期変速比Rsと、加速終了時のプライマリプーリ7の到達回転数Npeおよび到達車速Veとが算出される。
【0037】
これらの算出結果に基づいて、ステップS3では加速初期モードM1の制御が実行される。プライマリプーリ7の回転数がNpsになり、変速比がRsとなったことが判定されると、ステップS6において加速初期モードM1の終了が判定され、ステップS7の回転収束モードM2の制御が実行される。加速初期モードM1および回転収束モードM2が実行されているときに、運転者がアクセルペダルを戻すことにより、加速意思が無くなったとそれぞれステップS4、S8で判定されたら、ステップS5の通常変速制御に戻される。一方、ステップS9で加速終了が判定されると、加速モードの制御が終了してこのルーチンを抜ける。
【0038】
上述した無段変速機の変速制御装置によれば、急加速操作つまりキックダウン操作などのように運転者が加速の要求状態にあると判定されると、プライマリプーリ7の到達回転数と到達車速とをパラメータとして変速特性を制御するので、従来のようにアクセル開度をパラメータとして加速時の変速特性を制御するようにした場合には、加速初期のダウンシフト量が低車速では小さく、高車速では大きくなりやすいが、いずれの車速であっても、エンジン回転の上昇感と車速の伸び感とを一致させることができ、加速フィーリングを向上させることができる。また、上述のように加速時の変速特性を制御するようにした場合には、アクセルを緩めて加速を緩めるときに低車速時は比較的回転低下が小さく、高車速時には回転低下が大きいという問題点があるが、図示する無段変速機の変速制御装置によれば、回転の変化量を常に制御することができ、思い通りの最適な加速を行うことができる。
【0039】
さらに、上述した無段変速機の変速制御装置によれば、従来のように加速時にエンジン回転数の上昇率を規定するようにした場合にはきつい登り勾配などでは車速が伸びる前にエンジン回転数が上昇してしまうが、車速に対するエンジン回転数の上昇率が規定され、エンジン回転の上昇感と車速の伸び感とが一致し、加速フィーリングを向上することができる。また、従来のように加速時にエンジン回転数の上昇率を規定するようにした場合には加速中にアクセルを戻した時に上昇率は下げることができても、エンジン回転を下げることはできないが、上述した無段変速機の変速制御装置によれば、加速中にアクセルを戻したときには、アップシフト変速を行うことができる。
【0040】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図1に示す無段変速機はベルト式であるが、入力側回転体としての入力側ディスクと出力側回転体としての出力側ディスクとの間にパワーローラを動力伝達要素として配置したトロイダル式無段変速機の制御に本発明を適用してもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、加速操作時にはエンジン回転数の上昇感と車速の増加とを一致させることができ、加速フィーリングを向上することができる。どのような走行状況で加速操作が行われても十分な駆動力を確保して安定した変速制御を行うことが可能となる。
【0042】
本発明によれば、路面勾配の大きさに対応して加速初期モード終了時の入力側回転体の初期回転数および初期変速比を設定し、加速終了時の入力側回転体の到達回転数および到達車速を設定して加速制御するので、常に路面勾配の変化に対応して適切に車両を加速することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の一例としてのベルト式無段変速機を備えた車両の駆動系を示す概略図である。
【図2】無段変速機を作動制御するための制御装置を示す概略図である。
【図3】本発明の加速モードにおける車速とプライマリプーリ目標回転数の関係を示す変速特性線図である。
【図4】本発明の変速制御における変速開始時の車速と、プライマリプーリの初期回転数との関係を示す変速特性線図である。
【図5】本発明の変速制御における変速開始時の車速と、変速終了時のプライマリプーリの到達回転数との関係を示す変速特性線図である。
【図6】本発明の変速制御における変速開始時の車速と、加速終了時の到達車速との関係を示す変速特性線図である。
【図7】本発明の変速制御におけるプライマリプーリの回転収束率と車速収束率との関係を示す変速特性線図である。
【図8】本発明の加速制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 無段変速機
8 プライマリプーリ(入力側回転体)
9 セカンダリプーリ(出力側回転体)
10 ベルト(動力伝達要素)
25 CVT制御ユニット
30 スロットル開度センサ
32 エンジン制御ユニット
35 車速センサ(車速検出手段)

Claims (6)

  1. エンジンにより駆動される入力側回転体の回転を動力伝達要素を介して無段階に変速比を変化させて出力側回転体に伝達する無段変速機の変速制御装置であって、
    スロットル開度センサに基づき運転者が加速の要求状態にあるか否かを判定する加速意思判定手段と、
    前記加速意思判定手段により加速意思が判定されたときに、車速を加速意思判定時の車速に維持しつつ加速初期の前記入力側回転体の目標となる加速意思判定時よりも高い初期回転数および加速意思判定時よりもダウンシフト側の初期変速比を設定し、かつ加速終了時の前記入力側回転体の目標となる到達回転数および到達車速をスロットル開度に応じて設定する加速条件設定手段と、
    前記加速意思判定手段により加速意思が判定された後の加速初期において前記無段変速機を前記初期回転数および前記初期変速比に制御し、その後スロットル開度に応じて前記入力側回転体の回転数が前記初期回転数よりも高い前記到達回転数に収束し、車速が加速判定時よりも高速の前記到達車速に収束するように前記無段変速機の変速比をダウンシフト側に制御した後にゆるやかにアップシフト側に制御する制御手段とを有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の変速制御装置において、前記入力側回転体の初期回転数および初期変速比と、前記入力側回転体の到達回転数および到達車速との少なくともいずれか一方を路面勾配に基づいて変化させることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の変速制御装置において、前記初期回転数を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記到達回転数を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記到達車速を加速開始時のアクセル開度および車速に基づいて設定することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無段変速機の変速制御装置において、前記入力側回転体の回転数を前記到達回転数に収束するとともに前記車速を前記到達車速に収束する際における変速特性を前記入力側回転体の回転数の到達回転数への収束率と車速の到達車速への収束率との少なくともいずれか一方により設定することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
JP2002290645A 2002-10-03 2002-10-03 無段変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP4340429B2 (ja)

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