JP4534596B2 - 無段変速装置 - Google Patents
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Description
このうちのトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを1個ずつ回転自在に支持した複数個の支持部材とを備えたものである。
又、上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものである。
そして、上記制御器は、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する機能を有するものである。
そして、この機能は、上記トロイダル型無段変速機と上記差動ユニット(遊星歯車式変速機)との間で動力の伝達状態の切り換えを行なうクラッチ装置の接続が断たれる非走行状態が選択され、且つ、車両が停止している場合に、次にこのクラッチ装置が接続される走行状態に切り換えられる事を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、その予測した走行状態で必要とされる値である、次に切り換えられる走行状態で、上記出力軸から所定の駆動力(クリープ力)を出力できる値に、この走行状態への切り換え動作が完了する以前に調節する第二の機能を含むものである。
更に、上記第二の機能は、上記シフトレバーによりパーキング位置(Pレンジ)が選択されている場合に、次に後退位置(Rレンジ)に切り換えられる事を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、この後退位置への切り換え動作が完了する以前に、出力軸から後退方向の所定の駆動力を出力できる値に調節する第三の機能を含むものである。
尚、上記出力軸から出力される所定の駆動力とは、車両を進行方向に発進並びに低速で走行させられる程度のトルクを言う。この場合に、車両に設けた傾斜センサや重量センサ等によりこの車両の状態を検知できる場合には、この様なセンサから得られる車両の傾斜状態や積載重量等から、必要に応じて上記駆動力の大きさを調節しても良い。
又、上記シフトレバーの選択位置を検出する為のシフトレバー位置検出センサが、このシフトレバーの位置に応じて出力信号が変化するものであり、この出力信号の値に応じてこのシフトレバーの位置を検出自在とすると共に、この検出信号の値の変化に応じてこのシフトレバーが操作された事並びにその操作方向を検出自在としている。
そして、このシフトレバーが操作された際に、このシフトレバーの操作方向からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、この切り換え動作が完了する以前に、予測した、次に切り換えられる位置で必要とされる値に調節する。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合、より具体的には、請求項3に記載した発明の様に、上記シフトレバーがニュートラル位置(Nレンジ)から(Rレンジ或はDレンジに)操作された際に、このシフトレバーの操作方向からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置(Rレンジ或はDレンジ)を予測して、トロイダル型無段変速機の変速比を、この切り換え動作が完了する以前に、出力軸から予測した位置で所定の駆動力を出力できる値に調節する。
又、請求項1に記載した発明によれば、一般的な自動車用の自動変速機のシフトパターン(Pレンジ⇔Rレンジ⇔Nレンジ⇔Dレンジ⇔Lレンジ)に於いて、車両を停止した状態から安定して後退させられる。
更に、請求項2、3に記載した発明によれば、パーキング位置から後退位置に切り換える場合だけでなく、ニュートラル位置から前進位置と後退位置との何れかに切り換える場合でも、シフトレバーの操作方向に応じた駆動力を、出力軸から迅速に出力する事ができる。即ち、車両を発進させるべく、例えばパーキング位置から後退位置並びにニュートラル位置を通過して前進位置を選択する場合等、上記シフトレバーをニュートラル位置から切り換えて車両を発進させる場合に、このシフトレバーの切り換え方向に応じた駆動力を、上記出力軸から迅速に出力させる事ができる。この為、車両を停止状態から後退方向と前進方向との何れの方向に発進させる場合でも、この車両の発進動作を安定して行なえる。
先ず、ステップ1で、車両が停止状態にある(車速が0km/hである)か否かを、スピードメータ表示用の車速信号(又は出力軸回転センサ17の信号)に基づいて判定する。停止状態にあると判定した場合には次のステップ2に移る。これに対して、停止状態にない(走行中)と判定した場合には、上記シフトレバーの位置の予測に応じた変速比の調節は行なわずに終了する。一方、ステップ2では、前記ポジションスイッチ34からの信号に基づき、運転者がPレンジを選択しているか否かを判定する。Pレンジが選択されていると判定した場合には、続くステップ3に示す様に、次にRレンジに切り換えられると予測する。そして、続くステップ4で、トロイダル型無段変速機4の変速比を、車両を後退方向に発進並びに低速で走行させられる程度のトルクを出力できる値(1.658+0.1)に調節すべく、前記ステッピングモータ29を駆動する。このステッピングモータ29の駆動は、予め求めた上記トロイダル型無段変速機4の変速比と上記ステッピングモータの(ステップ)位置との相関関係に基づいて行なう。
尚、上記ステップ6でNレンジが選択されていると判定した場合で、このNレンジが選択される直前にRレンジが選択されていたと判定される場合には、次にDレンジ(若しくはLレンジ)に切り換えられると予測して、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、車両を前進方向に発進並びに低速で走行させられる程度のトルクを出力できる値に調節する事も考えられる。但し、この様にRレンジに続いてNレンジに切り換えられる様な場合でも、次に必ずしもDレンジ(若しくはLレンジ)に切り換えられるとは限らない。即ち、シフトレバーがこのNレンジから再度Rレンジに戻される可能性もある。この為、この様なNレンジでの切り換え位置の予測は、次述する実施例2で説明する方法により行なう事が好ましい。
尚、図示並びに説明は省略するが、上記シフトレバー42がPレンジを選択している場合、即ち、前記シフトレバー位置検出センサ41の出力電圧に基づいて上記シフトレバー42がPレンジを選択していると判定した場合には、前述の実施例1と同様にして、このシフトレバー42の切り換え位置の予測に基づくトロイダル型無段変速機4の変速比の調節を行なう。
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車式変速機
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18、18a、18b オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22 差圧シリンダ
23a、23b 補正用制御弁
24 高速用切換弁
25 低速用切換弁
26a、26b 油圧室
27、27a、27b 油圧センサ
28 スリーブ
29 ステッピングモータ
30 ライン圧制御用電磁開閉弁
31 電磁弁
32 シフト用電磁弁
33 油温センサ
34 ポジションスイッチ
35 アクセルセンサ
36 ブレーキスイッチ
37 手動油圧切換弁
38 エンジンコントローラ
39 油溜
40a、40b 調圧弁
41 シフトレバー位置検出センサ
42 シフトレバー
Claims (3)
- 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備え、
このうちのトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを1個ずつ回転自在に支持した複数個の支持部材とを備えたものであり、
上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものであり、
上記制御器は、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する機能を有するものである無段変速装置に於いて、
上記制御器は、シフトレバーの現在の選択位置からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、予測した、次に切り換えられる位置での必要とされる値に、この切り換え動作が完了する以前に調節する機能を備え、
この機能は、上記トロイダル型無段変速機と上記差動ユニットとの間で動力の伝達状態の切り換えを行なうクラッチ装置の接続が断たれる非走行状態が選択され、且つ、車両が停止している場合に、次にこのクラッチ装置が接続される走行状態に切り換えられる事を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、その予測した走行状態で必要とされる値である、次に切り換えられる走行状態で、上記出力軸から所定の駆動力を出力できる値に、この走行状態への切り換え動作が完了する以前に調節する第二の機能を含むものであり、
更にこの第二の機能は、上記シフトレバーによりパーキング位置が選択されている場合に、次に後退位置に切り換えられる事を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、この後退位置への切り換え動作が完了する以前に、出力軸から後退方向の所定の駆動力を出力できる値に調節する第三の機能を含むものである事を特徴とする無段変速装置。 - 入力軸と、出力軸と、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットと、このトロイダル型無段変速機の変速比の変更を制御する為の制御器とを備え、
このうちのトロイダル型無段変速機は、上記差動ユニットの第一の入力部と共に上記入力軸により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在として支持され、上記差動ユニットの第二の入力部に接続された出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラを1個ずつ回転自在に支持した複数個の支持部材とを備えたものであり、
上記差動ユニットは、上記第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して上記出力軸に伝達するものであり、
上記制御器は、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事により、上記入力軸を一方向に回転させた状態のまま上記出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換する機能を有するものである無段変速装置に於いて、
上記制御器は、シフトレバーの現在の選択位置からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、予測した、次に切り換えられる位置での必要とされる値に、この切り換え動作が完了する以前に調節する機能を備えたものであり、
上記シフトレバーの選択位置を検出する為のシフトレバー位置検出センサが、このシフトレバーの位置に応じて出力信号が変化するものであり、この出力信号の値に応じてこのシフトレバーの位置を検出自在とすると共に、この検出信号の値の変化に応じてこのシフトレバーが操作された事並びにその操作方向を検出自在とし、このシフトレバーが操作された際に、このシフトレバーの操作方向からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置を予測して、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、この切り換え動作が完了する以前に、予測した、次に切り換えられる位置で必要とされる値に調節する事を特徴とする無段変速装置。 - シフトレバーがニュートラル位置から操作された際に、このシフトレバーの操作方向からこのシフトレバーが次に切り換えられる位置を予測して、トロイダル型無段変速機の変速比を、この切り換え動作が完了する以前に、出力軸から予測した位置での所定の駆動力を出力できる値に調節する、請求項2に記載した無段変速装置。
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