JP4534726B2 - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 Download PDF

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Description

この発明は、車両(自動車)用自動変速機として利用するトロイダル型無段変速機、及び、このトロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関し、動力を伝達するトラクション部(転がり接触部)で滑りが過大になる事を防止して、伝達効率及び耐久性を確保できる構造を実現するものである。
自動車用自動変速機として使用されるトロイダル型無段変速機が、特許文献1、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されていて周知である。この様なトロイダル型無段変速機は、互いに対向する軸方向側面をトロイド曲面とした入力側ディスク(例えば第一のディスク)と出力側ディスク(例えば第二のディスク)との間に、複数個のパワーローラを挟持して成る。運転時には、上記入力側ディスクの回転が、これら各パワーローラを介して上記出力側ディスクに伝達される。これら各パワーローラは、それぞれトラニオン等の支持部材に回転自在に支持されており、これら各支持部材は、それぞれ上記両ディスクの中心軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に支持されている。上記両ディスク同士の間の変速比を変える場合は、油圧式のアクチュエータにより上記各支持部材を上記枢軸の軸方向に変位させる。この様なアクチュエータへの圧油の給排は、制御弁により制御すると共に、上記支持部材の動きをこの制御弁にフィードバックする様に構成している。
上記アクチュエータへの圧油の給排に基づき上記各支持部材を上記枢軸の軸方向に変位させると、上記各パワーローラの周面と上記入力側、出力側各ディスクの側面との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(転がり接触部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各支持部材が上記枢軸を中心に揺動(傾斜)し、上記各パワーローラの周面と上記入力側、出力側各ディスクの側面との接触位置が変化する。上記各パワーローラの周面を、上記入力側ディスクの側面の径方向外寄り部分と、上記出力側ディスクの側面の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク同士の間の変速比が増速側になる。これに対して、上記各パワーローラの周面を、上記入力側ディスクの側面の径方向内寄り部分と、上記出力側ディスクの側面の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク同士の間の変速比が減速側になる。
又、上述の様なトロイダル型無段変速機を実際の自動車用自動変速機に組み込む場合、特許文献2〜7等に記載されている様に、遊星歯車機構等の歯車式の差動ユニットと組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。このうちの例えば特許文献6〜7には、所謂ギヤードニュートラルと呼ばれ、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる無段変速装置が記載されている。この様な無段変速装置の場合、入力軸を回転させた状態のまま出力軸を停止させたり、或いは極低速で回転させる状態で、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)を適正に規制する必要がある。この様な事情に鑑みて、特許文献8には、入力軸を駆動するエンジンの回転速度を大まかに制御しつつ、この回転速度に合わせてトロイダル型無段変速機の変速比を調節する事により、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクを目標値に規制する制御方法が記載されている。
又、特許文献9には、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)が急変動した際に、油圧式の押圧装置が発生する押圧力が一時的に低下するのを防止する発明が記載されている。即ち、この特許文献9に記載された構造の場合には、上記通過トルクが急増する際に、上記押圧装置の油圧室内に導入する油圧を高める信号を、この油圧室内に導入する圧油を制御する為の制御ユニットに送る。この為、上記トルクが急変動する際にも、上記押圧装置が発生する押圧力を適正値に維持する事ができ、伝達効率及び耐久性の確保を図れる
又、特許文献10には、トラクション部(転がり接触部)の面圧を適正にすべく、油圧式の押圧装置に導入する油圧を運転状況に応じて適正に制御する発明が記載されている。即ち、この特許文献10に記載された構造の場合は、押圧装置の発生する押圧力を、トロイダル型無段変速機を通過する力(通過トルク)、即ち、入力側、出力側各ディスク同士の間で伝達する力(伝達トルク)の大きさの他、これら入力側、出力側各ディスク同士の間の変速比や内部に存在する潤滑油の温度、駆動源であるエンジンの回転速度に応じた最適な値となる様に調整自在としている。より具体的には、上記押圧装置の油圧室に導入する油圧を、上記通過トルク(伝達トルク)の大きさに応じて設定される目標値(通過トルクが大きくなる程大きな値)に調節自在とすると共に、この目標値に調整された油圧を、上記変速比や温度、回転速度に対応して変化する、上記押圧装置が最適な押圧力を発生させる為に必要な必要値に補正(減圧)自在としている。
この為に、上記特許文献10に記載された構造の場合は、上記押圧装置の油圧室に導入する油圧を調整する為の押圧力調整弁を、上記通過トルクの大きさに比例して変化する、パワーローラを支持する支持部材(トラニオン)を変位させる為の油圧式のアクチュエータの油圧室同士の間の油圧の差に基づいて、切り換え自在としている。又、これと共に、上記押圧力調整弁の切り換え状態を切り換える為の電磁弁を制御する制御器に、検出された通過トルク、変速比、温度、回転速度に基づいて上記必要値を算出する機能(演算機能)、並びに、上記目標値に調整された油圧をこの算出された必要値となる様に、上記電磁弁の開閉状態を制御する機能(制御機能)を持たせている。
この様な特許文献10に記載された構造の場合、運転時に上記押圧力調整弁は、上記アクチュエータの油圧室同士の油圧の差と、上記制御器により制御される電磁弁の開閉とに基づき、切り換え状態を切り換えられる。そして、この様な切り換えに基づき、上記押圧装置の油圧室に導入される油圧が、上記通過トルク、変速比、温度、回転速度に対応した適切な押圧力を発生させる為に必要な必要値に調整される。この為、上記押圧装置が発生する押圧力、延いてはこの押圧力に基づいて上記トラクション面に加わる面圧を適正にして、上記トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の確保を図れる。
ところで、この様な特許文献10に記載された従来構造の場合、上記トロイダル型無段変速機の変速比(NID/NOD)を求める為に、入力側ディスクの回転速度(NID)と出力側ディスクの回転速度(NOD)とをそれぞれ回転センサにより検出している。そして、この検出された入力側、出力側両ディスクの回転速度に基づいて、上記変速比を算出している。ところが、この様に回転速度から変速比を算出する場合、例えば一時的な押圧力不足等、何らかの原因でトラクション部で滑りを生じた場合に、算出された変速比の値に基づいて上記押圧力の制御を行なうと、この滑りを増大させる可能性がある。以下、この点に就いて説明する。
即ち、上記トラクション部で滑りが生じると、上記各回転速度から算出される変速比と、実際のパワーローラの傾き(傾転量、揺動量)に対応した変速比である、上記トラクション部で滑りが生じていない場合の変速比とに、ずれを生じる可能性がある。そして、この様に変速比にずれを生じると、上記押圧装置に導入される油圧が、実際のパワーローラの傾きに対応する変速比とは異なる変速比に対応する値に調節される可能性がある。この様な場合、上記各回転速度から算出された変速比の、パワーローラの傾きに対応する変速比に対するずれの方向によっては、上記押圧装置に導入される油圧が、その時点でのパワーローラの傾きに対応する油圧よりも低くなる。そして、この押圧装置が発生する押圧力が、当該傾きに対応する変速比で必要とされる押圧力よりも低くなる(押圧力が不足する)可能性がある。この様に押圧装置の発生する押圧力が不足した場合には、上記トラクション部で滑りが過大になる可能性がある。この様に滑りが過大になると、上記両ディスクの回転速度に基づいて算出した変速比と、上記パワーローラの傾きに対応する変速比との差が増々大きくなり、上記押圧力が、この傾きに応じた適正値よりも更に低くなる、悪循環が生じる。この結果、トロイダル型無段変速機の伝達効率が低下する他、著しい場合には上記トラクション部で過度の摩耗や温度上昇を生じ、耐久性が低下する可能性がある。
特開2001−317601号公報 特開平1−169169号公報 特開平1−312266号公報 特開平10−196759号公報 特開平11−63146号公報 特開2003−307266号公報 特開2000−220719号公報 特開2004−225888号公報 特開2004−169719号公報 特開2004−76940号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三雄社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置は、上述の様な事情に鑑みて、何らかの原因で一時的に押圧力が不足し、動力を伝達するトラクション部(転がり接触部)で滑りが生じても、その時点で必要とする押圧力を確保し、この滑りが更に増大する事を防止して、優れた伝達効率及び耐久性を得られる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、第一、第二のディスクと、複数のパワーローラと、複数個の支持部材と、アクチュエータと、変速比制御ユニットと、押圧装置とを備える。
このうちの第一、第二のディスクは、互いに同心に、且つ、相対回転自在に配置されている。
又、上記各パワーローラは、互いに対向する上記第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されて、これら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する。
又、上記各支持部材は、上記各パワーローラを回転自在に支持するものである。
又、上記アクチュエータは、油圧式のものであり、上記各支持部材を、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、上記第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比を変える。
又、上記変速比制御ユニットは、上記変速比を所望値にする為に、上記アクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為のものである。
又、上記押圧装置は、上記第一のディスクと上記第二のディスクとを互いに近付く方向に押圧する。
又、この押圧装置は、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものである。
そして、この押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間で伝達する力(伝達トルク、通過トルク)の大きさと、これら第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比の値とに対応して変化する、上記押圧装置が適切な押圧力を発生する為に必要とされる油圧の必要値に調節した状態で、上記押圧装置に導入するものである。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記油圧を上記必要値に調節する為に求める上記変速比を、上記第一のディスク側に設けた第一の回転センサの検出信号と上記第二のディスク側に設けた第二の回転センサの検出信号とにより求める事に加えて、上記変速比制御ユニットを構成する駆動部材又はこの駆動部材により変位させられる部材の変位量に基づいても求める。そして、これらにより求めた2通りの変速比の差が規定値以下の場合に、上記両センサの検出信号により求めた変速比に基づいて上記油圧の調節を行ない、上記2通りの変速比同士の間に規定値を超える差が生じた場合に、上記変位量に基づいて求めた変速比により上記油圧の調節を行なう
又、請求項5に記載した無段変速装置は、トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットとを備える。
このうちの差動ユニットは、トロイダル型無段変速機を構成する第一のディスクと共に入力軸により回転駆動される第一の入力部と、同じく第二のディスクに接続される第二の入力部とを有し、これら第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して出力軸に伝達するものとする。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、上記トロイダル型無段変速機を、上述の様なトロイダル型無段変速機とする。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及び無段変速装置によれば、押圧装置に導入する油圧を必要値に調節する為に求める変速比を、第一のディスク側に設けた第一の回転センサの検出信号と第二のディスク側に設けた第二の回転センサの検出信号とにより求める事に加えて、変速比制御ユニットを構成する駆動部材等(以下断りがなければ、駆動部材又はこの駆動部材により変位させられる部材を意味する)の変位量に基づいて求める為、上記必要値の算出を正確に行なえる。即ち、上記変速比制御ユニットを構成する駆動部材等の変位量は、この変速比制御ユニットにより制御されるアクチュエータの動きに基づいて揺動するパワーローラの傾き(傾転量、揺動量)と相関関係を有する。この為、上記駆動部材等の変位量に基づき、上記パワーローラの傾き、延いては、このパワーローラの傾きに対応する変速比を求められる。そして、上述の様にして求めた2通りの変速比の差が規定値以下の場合に、上記両センサの検出信号により求めた変速比に基づいて上記油圧の調節を行ない、上記2通りの変速比同士の間に規定値を超える差が生じた場合に、上記変位量に基づいて求めた変速比により上記油圧の調節を行なえば、トラクション部で滑りが生じた場合でも、この押圧装置の発生する押圧力を、上記パワーローラの傾きに対応した変速比に応じた最適値に規制できる。この為、前述した様な、一時的な押圧力の低下等に基づいてトラクション部に滑りが生じた場合でも、上記押圧装置が発生する押圧力が低下し、この滑りが更に増大する事がなくなり、伝達効率及び耐久性の確保を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、変速比制御ユニットを構成する駆動部材を、アクチュエータの油圧室内に圧油を供給する制御弁を切り換える為のステッピングモータとする。そして、このステッピングモータの駆動量(ステップ数)に基づき、第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比を求める。
この様に構成すれば、上記駆動部材又はこの駆動部材により変位させられる部材の変位量を、(上記第一、第二のディスク側に設けた第一、第二の両回転センサ以外の)回転センサや変位センサ等を設ける事なく検出できる。この為、上記変速比を求める為の構造を簡素に構成でき、装置の小型化、軽量化を図れる。
尚、押圧装置の押圧力を最適にする為の制御(押圧装置に導入する油圧を必要値とする制御)を、パワーローラの傾き(傾転量、揺動量)を直接検出し、この傾き又はこの傾きに対応する変速比に基づいて行なう事も考えられる。但し、この様な場合は、上記パワーローラを支持する支持部材等に回転センサを設ける必要があり、上記傾きを検出する為の構造が複雑になる可能性がある。これに対して、上述の様にステッピングモータの駆動量であるステップ数を検出する場合には、回転センサや変位センサ等のセンサを設ける事なく、このステップ数からこのステップ数に対応する上記変速比又は上記パワーローラの傾きを求められる。従って、上記変位センサや回転センサ等のセンサを省略できる事による利点をより顕著に得られる。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、制御弁による油圧室内への圧油の供給状態の切り換えを、ステッピングモータに加えて差圧シリンダによっても行なうものとし、この差圧シリンダへの圧油の給排を補正用制御弁で制御する事により、第一、第二のディスク同士の間の変速比を調節する。
この様な構成を採用すれば、通常は第一、第二の両回転センサの検出信号により求めた変速比に基づいて上記油圧を規制し、この求めた変速比が、上記ステッピングモータのステップ数に対応する変速比から上記差圧シリンダに基づく調節分を越えてずれた場合に、このステップ数に対応する変速比に基づいて上記油圧を規制する事ができる。
更に、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、第一のディスクと第二のディスクとの間で伝達する力(伝達トルク)及びこれら第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比に加え、押圧装置が発生すべき適切な押圧力に影響を及ぼす、上記力及び変速比以外の状態量、例えば内部に存在する潤滑油の温度や駆動源であるエンジンの回転速度等に応じて、油圧の必要値を求める。
この様に構成すれば、上記伝達トルク及び変速比だけでなく、これら伝達トルク及び変速比以外の状態量(温度や回転速度)に応じても、上記押圧装置の発生する押圧力を最適な値に細かく調節できる。この為、この押圧力、延いてはトラクション部の面圧をより適正にして、更なる伝達効率及び耐久性の確保を図れる。
[参考例]
本発明の実施例を説明する前に、先ず、特許請求の範囲には属しない、本発明の参考例に就いて説明する。
図1〜3は、この参考例を示している。先ず、図1のブロック図により、本参考例の無段変速装置に就いて説明する。この図1中、太矢印は動力の伝達経路を、実線は油圧回路を、破線は電気回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、トロイダル型無段変速機4を構成する押圧装置5から入力側ディスク6に伝達され、更にパワーローラ7を介して出力側ディスク8に伝達される。これら両ディスク6、8のうち、入力側ディスク6の回転速度は入力側回転センサ9により、出力側ディスク8の回転速度は出力側回転センサ10により、それぞれ測定して、制御器11に入力し、上記両ディスク6、8間の(トロイダル型無段変速機4の)変速比(速度比)を算出する。尚、本参考例の場合、後述する様に、この様に算出される変速比を、上記押圧装置5の押圧力を最適な値に調節する為の制御には、そのままは使用しない。又、上記押圧装置5は、後述する図2に示す様に、油圧の送り込みに伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものとしている。
又、上記入力軸3に伝達された動力は、直接又は上記トロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車式変速機12に伝達される。そして、この遊星歯車式変速機12の構成部材の差動成分が、クラッチ装置13を介して出力軸14に取り出される。尚、このクラッチ装置13は、後述する図2に示す低速用クラッチ15及び高速用クラッチ16を表すものである。又、本参考例の場合には、出力軸回転センサ17により上記出力軸14の回転速度を検出自在として、上記入力側回転センサ9及び出力側回転センサ10の故障の有無を判定する為のフェールセーフを可能としている。
一方、前記ダンパ2部分から取り出した動力によりオイルポンプ18(図2の18a、18b)を駆動し、このオイルポンプ18から吐出した圧油を、上記押圧装置5と、上記パワーローラ7を支持した支持部材であるトラニオンを枢軸(図示省略)の軸方向に変位させるアクチュエータ19(図2参照)の変位量を制御する為の制御弁装置20とに、送り込み自在としている。尚、この制御弁装置20とは、後述する図2に示す制御弁21と、差圧シリンダ22と、補正用制御弁23a、23bと、高速用切換弁24及び低速用切換弁25とを合わせたものである。このうちの制御弁21は、上記アクチュエータ19への油圧の給排を制御するものである。又、このアクチュエータ19に設けた1対の油圧室26a、26b(図2参照)内の油圧を油圧センサ27(実際には図2に示す様に1対の油圧センサ27a、27b)により検出して、その検出信号を、上記制御器11に入力している。
この制御器11は、上記油圧センサ27からの信号に基づいて、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)を算出する。そして、この様に算出される通過トルクに応じてトロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、上記制御弁21の構成部材であるスリーブ28(図2参照)を上記差圧シリンダ22により変位させる。この様な差圧シリンダ22への圧油の給排は、上記補正用制御弁23a、23bにより制御される。又、上記制御弁装置20は、駆動部材であるステッピングモータ29と、後述する押圧力調整弁41を切り換える為のライン圧制御用電磁開閉弁30と、上記補正用制御弁23a、23bを切り換える為の電磁弁31と、上記高速用切換弁24及び低速用切換弁25を切り換える為のシフト用電磁弁32とにより、その作動状態を切り換えられる。そして、これらステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とは、何れも上記制御器11からの制御信号に基づいて切り換えられる。尚、本参考例の場合は、この様に制御器11からの制御信号に基づいて切り換えられる上記各部材29、30、31、32と、上記制御弁21を含む上記制御弁装置20と、上記制御器11とにより、特許請求の範囲に記載した変速比制御ユニットを構成している。
又、上記制御器11には、前記各回転センサ9、10、17及び上記油圧センサ27からの信号の他、油温センサ33の検出信号と、ポジションスイッチ34の位置信号と、アクセルセンサ35の検出信号と、ブレーキスイッチ36の信号とを入力している。このうちの油温センサ33は、無段変速装置を納めたケーシング内の潤滑油(トラクションオイル)の温度を検出するものである。又、上記ポジションスイッチ34は、後述する図2に記載した手動油圧切換弁37を切り換える為の、運転席に設けられたシフトレバー(操作レバー)の操作位置(選択位置)を表す信号を発するものである。又、上記アクセルセンサ35は、アクセルペダルの開度を検出する為のものである。更に、上記ブレーキスイッチ36は、ブレーキペダルが踏まれた事、或いはパーキングブレーキが操作された事を検出して、その事を表す信号を発するものである。
又、上記制御器11は、上記各スイッチ34、36及び各センサ9、10、17、27、33、35からの信号に基づいて、上記ステッピングモータ29と、ライン圧制御用電磁開閉弁30と、電磁弁31と、シフト用電磁弁32とに上記制御信号を送る他、前記エンジン1を制御する為のエンジンコントローラ38に制御信号を送る。そして、前述の特許文献8に記載されている様に、前記入力軸1と前記出力軸14との間の速度比を変えたり、或いは停止時若しくは極く低速走行時に前記トロイダル型無段変速機4を通過して上記出力軸14に加えられるトルク(通過トルク)を制御する。
図2は、上述の様な無段変速装置を制御する油圧回路を示している。この油圧回路では、油溜39から吸引されてオイルポンプ18a、18bにより吐出された圧油を、低圧側調整弁40並びに押圧力調整弁41により所定圧に調整自在としている。このうちの押圧装置5側に送る油圧を調整する上記押圧力調整弁41は、リリーフ弁としての機能を備えたもので、第一〜第三のパイロット部42〜44を備える。このうちの第一、第二のパイロット部42、43は、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)、即ち、前記入力側ディスク6と前記出力側ディスク8との間で伝達される力(伝達トルク)の大きさに応じて、上記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。これに対して、第三のパイロット部44は、上記トロイダル型無段変速機4の変速比、このトロイダル型無段変速機4の内部に存在する潤滑油(トラクションオイル)の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等、上記伝達される力以外の運転条件に応じて上記押圧力調整弁41の開弁圧を調節する為のものである。本参考例の場合、上記第一〜第三のパイロット部42〜44に導入する油圧を適切に調節する事で、上記押圧装置5が発生する押圧力を、上記トロイダル型無段変速機4の運転状況に応じ、適正に規制する様に構成している。
この為に、本参考例の場合は、上記第一、第二のパイロット部42、43のうちの何れかのパイロット部に導入する油圧が高くなる程、上記押圧力調整弁41の開弁圧が高くなり、上記押圧装置5を構成する油圧室45内に導入する油圧を高くする様に構成している。又、これと共に、パワーローラ7を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる為のアクチュエータ19にピストン46を挟んで設けた1対の油圧室26a、26b同士の間の差圧を、差圧取り出し弁47を介して、何れかのパイロット部42、43に導入する様にしている。上記差圧取り出し弁47は、上記アクチュエータ19の油圧室26a、26b内の油圧の差、即ち、トロイダル型無段変速機4を通過する力が大きくなる程、上記押圧力調整弁41の何れかのパイロット部42、43に導入される油圧が高くなる様に切り換えられる。従って、上記押圧装置5の油圧室45内に導入される油圧、延てはこの押圧装置5が発生する押圧力は、上記トロイダル型無段変速機4を通過する力が大きくなる程大きくなる。この様にして上記押圧装置5に発生させる押圧力は、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が、最も大きな押し付け力を必要とする値(例えば1.32)である場合に必要となる値とし、その為に必要となる油圧を目標値として設定している。この様な目標値は、後述する必要値よりも大きい値としている。
又、本参考例の場合、前記制御器11からの指令により制御されるライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき、前記第三のパイロット部44に圧油を導入自在としている。即ち、上記制御器11は、上記トロイダル型無段変速機4の変速比、内部に存在する潤滑油の温度、駆動源であるエンジン1の回転速度等を勘案して、上記押圧装置5に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を算出する。そして、この必要値と、上記目標値との差である補正値に対応する油圧を、上記ライン圧制御用電磁開閉弁30の切り換えに基づき上記第三のパイロット部44に導入する。この様にしてこの第三のパイロット部44に導入された油圧は、上記押圧力調整弁41のスプール48を、図2の左方に押し、上記押圧装置5に導入される油圧を低下させる(減圧する)。この結果、上記押圧装置5に導入される油圧が、前記差圧取り出し弁47が設定した目標値から、上記第三のパイロット部44に導入された油圧に基づく補正値を減じた値に比例する必要値に補正(減圧)される。尚、上記第三のパイロット部44に導入する油圧は、上記変速比が所定値(最も大きな油圧を必要とする値で、例えば1.32)からのずれが大きくなる程、上記油温が低い程、高くする。又、本参考例の場合は、上記押圧力調整弁41と、差圧取り出し弁47と、制御器11と、ライン圧制御用電磁開閉弁30とにより、特許請求の範囲に記載した油圧調整手段を構成している。
更に、本参考例の場合は、上述の様に油圧を必要値に調節する為に求める上記変速比を、変速比制御ユニットを構成する前記制御弁21を切り換える為のステッピングモータ29の駆動量に基づいて求める様にしている。この為に、本参考例の場合は、(トラクション部で滑りが生じていない状態での)上記トロイダル型無段変速機4の変速比と、上記ステッピングモータ29の駆動量であるステップ数との相関関係を予め求め、上記制御器11のメモリに記憶させておく。そして、この様に記憶させた相関関係から、現在のステッピングモータ29のステップ数に対応する上記変速比を求め、上記制御器11の指令信号に基づき、上述の様に油圧を必要値に調節する。例えば、トラクション部で滑りが生じていない場合の上記トロイダル型無段変速機4の変速比と、上記ステッピングモータ29のステップ数とが、図3に示す様な関係となる場合を考える。即ち、上記トロイダル型無段変速機4の最大減速比(Low_max )が0.5であり、最大増速比(High_max)が2.2であり、これら最大減速比から最大増速比まで変速比を変化させる為に必要な上記ステッピングモータ29のステップ数(step)が390ステップである場合を考える。
この様な相関関係は、予め計算により、或は実際にトロイダル型無段変速機4を運転する事により求められる。即ち、このトロイダル型無段変速機4を、最小減速状態から最大増速状態まで(トラクション部で滑りが生じない状態で)運転しつつ、上記ステッピングモータ29のステップ数と、前記入力側、出力側各回転センサ9、10により求められる前記入力側、出力側各ディスク6、8の回転速度NID、NODに基づいて算出される上記トロイダル型無段変速機4の変速比NOD/NIDとを、例えば数式或はマップ等に互いに対応させた状態で、前記制御器11のメモリに記憶させておく。この様にして求める上記ステップ数と上記変速比NOD/NIDとの関係は、工場出荷の際に予め初期設定として上記制御器11等に記憶させておく他、イグニッションスイッチをONする都度、上記トロイダル型無段変速機4を最小減速状態から最大増速状態まで運転する事により再設定しても良い。
何れにしても、上述の様な図3に示す様な相関関係を有する場合、上記ステッピングモータの1ステップ当たりの上記トロイダル型無段変速機4の変速比の変化量は、(2.2−0.5)/390=0.00436となる。従って、このトロイダル型無段変速機4の変速比が最大減速状態{最大減速比(0.5)の状態}、或いは、最大増速状態{最大増速比(2.2)の状態}、入力軸3を回転させたまま出力軸14を停止させる状態{変速比無限大の状態=GN位置(1.7)}のうちの何れかの状態を基準とし、この状態から現在の状態までに必要とされた上記ステッピングモータ29のステップ数が分かれば、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を求められる。そして、この様に求めた変速比から、上記押圧装置5に発生させるべき押圧力の最適値に応じた油圧の必要値を算出し、前述の様にこの押圧装置5に導入する油圧を調整する。
この様な本参考例によれば、上記押圧装置5に導入する油圧を、上記トロイダル型無段変速機4の運転状態(通過トルク、変速比、潤滑油の温度、エンジンの回転速度等)に応じて細かく調節できる。この為、トラクション部の面圧を適正にして、上記トロイダル型無段変速機4の伝達効率及び耐久性の確保を図れる。しかも、本参考例の場合には、上述の様に、上記押圧装置5に導入する油圧を運転状態に応じて調節する為に求める、上記トロイダル型無段変速4の変速比を、上記ステッピングモータ29のステップ数に基づいて求める。この為、上記押圧装置5が最適な押圧力を発生させる為に必要とされる油圧の必要値の算出を正確に行なえる。
即ち、上記ステッピングモータ29のステップ数は、前記パワーローラ7の傾き(傾転量、揺動量)、延いては、このパワーローラ7の傾き(傾転量、揺動量)に対応する変速比と相関関係を有する。この為、上記ステッピングモータ29のステップ数に基づき、上記パワーローラ7の傾き、延いては、このパワーローラ7の傾きに対応する変速比を求められる。そして、この様に求めたパワーローラ7の傾き又はこの傾きに対応した変速比に基づき、上記押圧装置5に送り込む油圧を必要値に制御すれば、トラクション部で滑りが生じた場合でも、この押圧装置5の発生する押圧力を最適にできる。この為、前述した様な、トラクション部の滑りに基づき押圧装置が発生する押圧力が低下し、この滑りが更に増大する事がなくなり、伝達効率及び耐久性の確保を図れる。
尚、本参考例の場合は、上述の様に押圧装置5に導入する油圧を必要値にする制御を、ステッピングモータ29のステップ数に基づいて行なう場合を示した。但し、後述する実施例を含む本発明は、この様な場合に限定するものではなく、例えば、上記ステッピングモータ29並びに差圧シリンダ22により変位させられる制御弁21のスリーブ28の変位量に基づき、上記油圧を必要値に制御する事もできる。但し、この場合には、このスリーブ28又はこのスリーブ28と共に変位する部材の変位量を変位センサ等により検出する必要があり、上記パワーローラ7の傾きを直接検出すべく回転センサ等設けた場合と同様に、構造が複雑になる可能性がある。又、上記差圧シリンダ22は、入力軸3を回転させた状態のまま出力軸14を停止させたり、或いは極低速で回転させる状態で、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)を適正に規制すべく、上記スリーブ28を変位させて、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を調節するものである。しかも、この様に差圧シリンダ22により調節される上記変速比の変速比幅(調節幅)は小さい。この為、本参考例の様にステッピングモータ29の駆動量(ステップ数)に対応する変速比に基づき上記押圧装置5に導入する油圧を調節しても、この油圧を必要値に十分調節できる。しかも、この場合には、上述の様なセンサを必要としない事による利益を顕著に得られる。
[実施例]
次に、本発明の実施例に就いて説明する。
以上に述べた参考例では、前記入力側、出力側両回転センサ9、10の検出信号により上記変速比を求めれば、上記差圧シリンダ22による補正分を含めた変速比を求められるが、前述した様に、トラクション部で過大な滑りが生じた場合には、求められる変速比が不正確になり、やはり前述した様に、押圧力不足が顕著になる可能性がある。この様な点を勘案して、本実施例では、上記両回転センサ9、10の検出信号により求めた変速比に基づいて上記油圧を規制し、この求めた変速比が、上記ステップ数に対応する変速比から上記補正分を越えてずれた場合に、このステップ数に対応する変速比に基づいて上記油圧を規制する。その他の構成及び作用は、上述した参考例の場合と同様である。
又、本実施例は、上記入力軸3を一方向に回転させたまま上記出力軸14の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる、ギヤードニュートラル型の無段変速装置に本発明を適用した場合を示した。但し、この様な構造に限定されるものではなく、低速モード時にトロイダル型無段変速機のみで動力を伝達すると共に、高速モード時に差動ユニットである遊星歯車式変速機により主動力を伝達し、上記トロイダル型無段変速機により変速比の調節を行なう、パワースプリット型の無段変速装置に本発明を適用する事もできる。又、トロイダル型無段変速機と差動ユニットである遊星歯車式変速機とをクラッチ装置を介して組み合わせて成る無段変速装置だけでなく、トロイダル型無段変速機単体に本発明を適用する事もできる。
本発明の参考例及び実施例を示す、無段変速装置のブロック図。 この無段変速装置に組み込むトロイダル型無段変速機の変速比並びに押圧装置の発生する押圧力を調節する為の機構を示す油圧回路図。 トロイダル型無段変速機の変速比とステッピングモータのステップ数との関係の1例を示す線図。
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 押圧装置
6 入力側ディスク
7 パワーローラ
8 出力側ディスク
9 入力側回転センサ
10 出力側回転センサ
11 制御器
12 遊星歯車式変速機
13 クラッチ装置
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 出力軸回転センサ
18、18a、18b オイルポンプ
19 アクチュエータ
20 制御弁装置
21 制御弁
22 差圧シリンダ
23a、23b 補正用制御弁
24 高速用切換弁
25 低速用切換弁
26a、26b 油圧室
27、27a、27b 油圧センサ
28 スリーブ
29 ステッピングモータ
30 ライン圧制御用電磁開閉弁
31 電磁弁
32 シフト用電磁弁
33 油温センサ
34 ポジションスイッチ
35 アクセルセンサ
36 ブレーキスイッチ
37 手動油圧切換弁
38 エンジンコントローラ
39 油溜
40 低圧側調整弁
41 押圧力調整弁
42 第一のパイロット部
43 第二のパイロット部
44 第三のパイロット部
45 油圧室
46 ピストン
47 差圧取り出し弁
48 スプール

Claims (5)

  1. 互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された第一、第二のディスクと、互いに対向するこれら第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間の変速比を変える油圧式のアクチュエータと、この変速比を所望値にする為にこのアクチュエータの変位方向及び変位量を制御する為の変速比制御ユニットと、上記第一のディスクと上記第二のディスクとを互いに近付く方向に押圧する押圧装置とを備え、この押圧装置は、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものであり、この押圧装置に導入する油圧を調整する為の油圧調整手段は、この押圧装置に導入する油圧を、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間で伝達する力の大きさと、これら第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比の値とに対応して変化する、上記押圧装置が適切な押圧力を発生する為に必要とされる油圧の必要値に調節した状態で、上記押圧装置に導入するものであるトロイダル型無段変速機に於いて、上記油圧を上記必要値に調節する為に求める上記変速比を、上記第一のディスク側に設けた第一の回転センサの検出信号と上記第二のディスク側に設けた第二の回転センサの検出信号とにより求める事に加えて、上記変速比制御ユニットを構成する駆動部材又はこの駆動部材により変位させられる部材の変位量に基づいても求め、これらにより求めた2通りの変速比の差が規定値以下の場合に、上記両センサの検出信号により求めた変速比に基づいて上記油圧の調節を行ない、上記2通りの変速比同士の間に規定値を超える差が生じた場合に、上記変位量に基づいて求めた変速比により上記油圧の調節を行なう事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 変速比制御ユニットを構成する駆動部材が、アクチュエータの油圧室内に圧油を供給する制御弁を切り換える為のステッピングモータであり、このステッピングモータの駆動量に基づき、第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比を求める、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 制御弁による油圧室内への圧油の供給状態の切り換えを、ステッピングモータに加えて差圧シリンダによっても行なうものとし、この差圧シリンダへの圧油の給排を補正用制御弁で制御する事により、第一、第二のディスク同士の間の変速比を調節する、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 第一のディスクと第二のディスクとの間で伝達する力及びこれら第一のディスクと第二のディスクとの間の変速比に加え、押圧装置が発生すべき適切な押圧力に影響を及ぼす、上記力及び変速比以外の状態量に応じて、油圧の必要値を求める、請求項1〜3の何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. トロイダル型無段変速機と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動ユニットとを備え、このうちの差動ユニットは、トロイダル型無段変速機を構成する第一のディスクと共に入力軸により回転駆動される第一の入力部と、同じく第二のディスクに接続される第二の入力部とを有し、これら第一、第二の入力部同士の間の速度差に応じた回転を取り出して出力軸に伝達するものである無段変速装置に於いて、上記トロイダル型無段変速機が、請求項1〜4の何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機である事を特徴とする無段変速装置。
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