JP2012144030A - 情報通信体の開封手段 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水に濡れたり或いは疑似接着が良好な情報通信体でも容易に剥離開封することができる情報通信体の剥離手段を提供する。
【解決手段】 対向する疑似接着予定葉片の何れかにコーナーカット部Kを形成する。そして例えば前記各葉片の幅を変えて折り畳んだ際に開封側端が一致しないようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は複数の葉片が剥離可能に折り畳まれ或いは切り重ねられた情報通信体に関する。
詳しくは最近盛んに使用されている、見掛けは通常の葉書であるにも関わらず、複数の葉片が剥離可能に積層されているため、多くの情報を隠蔽状態で伝達することができる葉書に代表される情報通信体に関する。
従来、前記複数の葉片が剥離可能に積層された葉書として、例えば特開2004−98644号公報に記載の葉書がある。前記特許文献では各葉片を剥離可能に接着(以下疑似接着という)する手段として、予め剥離可能に積層した疑似接着フィルムを使用するもの、印刷を施した後に疑似接着性の皮膜を形成するもの及び印刷を施す前に疑似接着性の樹脂を塗布しておくもの等の各手段を開示している。
特開2004−98644号公報
前記各種疑似接着媒体を使用した情報通信体は、剥離可能に接着する疑似接着媒体同士の間から剥離するきっかけが得られれば、容易に開封して平面に展開することができる。然るに、例えば個人の郵便受けの中で雨水等により濡れてしまい、各葉片の紙繊維が容易に解れて破断してしまうような状態の場合、指先でしごいて疑似接着媒体同士の間から剥離しようとすると疑似接着している葉片の用紙が解れたり或いは分断してしまい前記疑似接着媒体同士の間から剥離するきっかけを得ることができない。
また、疑似接着媒体の接着性が良好すぎる場合も、前記水濡れの場合と同様に剥離に際して葉片の用紙が解れたり或いは分断してしまい剥離が困難になる。
本発明は、仮に水を吸って濡れた状態や疑似接着が良好で強過ぎる場合でも、疑似接着媒体同士の間から容易にしかも確実に剥離を開始することが可能で、受取人が必ず内部に記載されている内容を確認することができる情報通信体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の情報通信体の開封手段は、複数の葉片を折り畳み或いは切り重ねて、任意の対向する葉片間を疑似接着媒体を介して剥離可能に一体化した情報通信体の開封手段であり、重なり合う上側紙片と下側紙片の開封側縁辺において、前記各紙片同士が重なり合うことがない摘み部を形成したことを特徴としている。
上記重なり合う上側紙片と下側紙片は、各種疑似接着媒体を介して剥離可能に一体化されている。なお疑似接着媒体の種類には制限はなく、前記特許文献1に記載される公知の各種疑似接着媒体を使用することができるが、それ以外の疑似接着媒体として、例えば基材の片面に疑似接着層を形成した疑似接着フィルムシートがある。後述する実施例での疑似接着媒体は前記疑似接着フィルムシートを例に説明する。
前記疑似接着フィルムシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ポリカーボネート等の比較的腰の強い基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートや、前記基材の残るもう一方の面に公知の感熱接着剤層を形成した、サーマルラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートを好適に使用することができる。前記疑似接着フィルムシートとしては、例えばケイディケイ株式会社製の「ハガキフィルムドライ」や「ハガキフィルムサーマル」が販売されている。
前記疑似接着フィルムシートは、例えば印刷物の疑似接着予定面に被覆ラミネートして、その後前記疑似接着予定面同士を折り合わせ疑似接着層同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着するものである。そして疑似接着後に前記対向面同士を引き剥がすと、疑似接着層同士の界面から剥離するか、或いは基材と何れかの疑似接着層との間から剥離するか、さらに前記両者の剥離が複合的に起こり、対向面同士を容易に剥離することができるのである。
本発明の情報通信体を形成する葉片に使用される用紙は、上質紙、マットコート紙、グロスコート紙、合成紙その他の公知の用紙等を好適に使用することができる。好ましくはマートコート紙やグロスコート紙のように表面処理が施されている塗工紙系(特にマットコート紙)が、用紙表面に塗工される成分が紙繊維同士のバインダー役を果たすため、水濡れに対しても解れたり或いは分断し難くなり、そのため本発明の作用をより効果的に発揮することができる。
本発明の情報通信体は、枚葉シートを使用したオフセット印刷により製造しても、或いは長尺状シートを使用したビジネスフォーム印刷や輪転印刷で製造しても構わない。オフセット印刷の場合、例えば印刷された用紙の疑似接着予定面へ疑似接着フィルムシートを被覆する等により疑似接着媒体を形成して、その後断裁、折り及び一体化工程等をオフラインで行えばよい。またビジネスフォーム印刷の場合、例えば印刷後の長尺状シートを情報通信体の製造機に掛ければ前記工程が一貫して行われるため至便である。
本発明において、情報通信体の剥離の端緒となる摘み部の形状に格別な制限はない。
例えば上下各葉片から積極的に突出した摘み部を設けても構わず、逆に上下各葉片の一部を切り欠くことにより結果として突出して摘みやすくなる摘み部が形成される構成でも構わない。何れにしても前記摘み部は、お互いが一致して重ならず、且つお互いに交錯する位置に形成され、前記摘み部を指で摘んで引き剥がせば確実に疑似接着媒体同士の間から剥離が開始される。そして一旦剥離が開始されると、水濡れや良好な疑似接着により葉片の紙繊維が解れたり或いは分断しやすい状態であっても連続的に剥離して展開することが可能になるのである。
なお、疑似接着媒体に関しては、前記折り合わせて対向させた疑似接着層から剥離する疑似接着フィルムシートの他に、例えば既述の基材の一方の面に熱可塑性或いは熱硬化性の樹脂を溶融押出しや塗工により剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に、公知の感熱接着剤層を形成した3層以上の構成からなる疑似接着フィルムシートを使用しても構わない。この疑似接着フィルムシートの場合、前記基材と樹脂との間で剥離が行われる。
また、疑似接着性のUV硬化型ニスを、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「ニス引き方式」と呼ばれて公知である。
さらに、疑似接着性のエマルジョン型糊を、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「後糊方式」と呼ばれて公知である。
さらにまた、高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤を、印刷前の用紙に塗布して疑似接着性の皮膜を予め形成しておく手段も使用できる。前記手段は業界で「先糊方式」と呼ばれて公知である。なおその様な印刷用紙は圧着紙と称されて流通している。
本発明の情報通信体の開封手段によれば、通常では簡単に破断して開封不能になる水濡れや疑似接着が良好すぎて強い剥離力を必要とする状態でも、容易に剥離を開始することができ、しかも途中で葉片が破断することなく確実に開封することができる。
(A)、(B)および(C)は疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGを被覆した状態の二つ折り葉書用紙S1の表面図、裏面図およびX−X線断面図である。 (A)及び(B)は、図1の二つ折り葉書用紙S1により製造される二つ折り葉書J1の表面図及び裏面図である。 (A)及び(B)は図2におけるY−Y断面図及びZ−Z線断面図である。 疑似接着フィルムシートの部分拡大断面図である。 (A)及び(B)は本発明に係る異なる態様の二つ折り葉書用紙S2の表面図及び裏面図である。 (A)及び(B)は図5の二つ折り葉書用紙S2により製造される二つ折り葉書J2の表面図及び裏面図である。 開封手段の変形例を示す二つ折り葉書の平面図である。 開封手段の変形例を示す二つ折り葉書の平面図である。 開封手段の変形例を示す二つ折り葉書の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
本実施例で使用される二つ折り葉書用紙S1は、図1(A)に示すように、左下部分にコーナーカット部Kを設けた第一葉片1と、第一葉片1よりも若干幅が狭い第二葉片2が、折り線3を介して連接されている。そして第一葉片1表面には、例えば郵便切手欄4、郵便番号欄5の他に受取人の住所氏名6等が記載されており、第二葉片2表面には例えば宣伝広告等の一般情報7が記載されている。なお前記宣伝広告等の一般情報を記載する代わりに、二つ折り葉書が完成した後に内部の情報が外部から透けて見えにくいように、地紋や連続パターン或いはベタ印刷等を施しても構わない。
また図1(B)及び同図X−X線断面図である図(C)に示すように、二つ折り葉書用紙S1の裏面は、第一葉片1及び第二葉片2共に例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報8が記載されると共に疑似接着フィルムシートGがその上から全面的に被覆されている。なお、前記情報は必ずしもプライバシーに関わるものである必要はなく、一般情報が混在していても構わず、さらに一般情報のみでも構わない。
前記疑似接着フィルムシートGは、図4に示すように二軸延伸ポリプロピレンからなる基材11の上面に疑似接着層12が形成されており、残る下面には公知の感熱接着剤層13が形成されている。そして図1(B)および(C)に示すように、前記感熱接着剤層13を介して二つ折り葉書用紙S1裏面側とサーマルラミネート方式により全面的に接着し被覆している。なお図面中に記載される疑似接着フィルムシートGは複雑化を避けるため一層で表現している。
また前記疑似接着フィルムシートGに形成されている感熱接着剤層13を予め基材11に形成せずに、二つ折り葉書用紙Sとの貼り合わせの際に接着剤を塗布しながら被覆しても構わない。このような被覆ラミネート方式はドライラミネート方式として公知である。
前記二つ折り葉書用紙Sは折り線3から両葉片を対向させて折り畳み、図2の状態で加圧又は加熱・加圧処理を施すと剥離可能に一体化される。完成した二つ折り葉書J1は図2(A)に示すように、コーナーカット部Kにおいて第一葉片1の下側から第二葉片2の一部が表出すると共に、同図(B)に示すように第二葉片2の開封側端に沿って第一葉片1の側端が表出する。〔図3(A)及び(B)を参照されたし〕
この二つ折り葉書J1の受取人は、例えば図2(A)及び(B)に示すように、第一葉片1に形成されたコーナーカット部Kにより出現する二箇所の突出した摘み部V及びWを両手の指でそれぞれ摘んで剥離することができる。そして剥離後、疑似接着フィルムシートGを透して各葉片の内面に記載されている個人情報8を視認することができる。
本実施例で使用される二つ折り葉書用紙S2は、図5(A)に示すように、右下部分にコーナーカット部Kを設けた第二葉片22と、第二葉片22よりも若干幅が狭い第一葉片21が、折り線23を介して連接されている。そして第一葉片21表面には、例えば郵便切手欄24、郵便番号欄25の他に受取人の住所氏名26等が記載されており、第二葉片22表面には例えば宣伝広告等の一般情報27が記載されている。
また図5(B)に示すように、二つ折り葉書用紙S2の裏面は、第一葉片21及び第二葉片22共に例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報28が記載されているが、前記情報は必ずしもプライバシーに関わるものである必要はなく、一般情報が混在していても構わず、さらに一般情報のみでも構わない。そして両葉片の裏面は共に疑似接着フィルムシートGにより全面的に被覆されている。
前記二つ折り葉書用紙S2は折り線23から両葉片を対向させて折り畳み、図6の状態で加圧又は加熱・加圧処理を施すと剥離可能に一体化される。完成した二つ折り葉書J2は図6(A)に示すように、第一葉片21の開封側端に沿って第二葉片22の側端が表出する。そして同図(B)に示すように、コーナーカット部Kにおいて第二葉片22の下側から第一葉片21の一部が表出する。
この二つ折り葉書J2の受取人は、例えば図6(A)及び(B)に示す第二葉片22に形成されたコーナーカット部Kにより出現する、二箇所の突出した摘み部V及びWを両手の指でそれぞれ摘んで剥離することができる。そして剥離後、疑似接着フィルムシートGを透して各葉片の内面に記載されている個人情報28を視認することができる。
なお、本発明は、上記実施例に限られるものではない。
例えば、実施例1及び2において、図2(A)及び図6(A)で郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載される面を上にした場合に、開封側が左で折り線が右側に来るように各二つ折り葉書用紙S1及びS2はレイアウトされているが、開封側と折り線が逆に配置されるようにレイアウトしても構わない。
また、図7に示すように、両葉片にコーナーカット部を形成しておいて、折り畳んだ際に両葉片の開封側が一致すると共に二箇所の摘み部V及びWが重なり合うことなく形成されるようにしても構わない。
さらに図8に示すように、両葉片を折り合わせた際に、お互いに重なることがない突出する摘み部を形成してもよく、さらに図9に示すように一方の葉片を切り欠いて、それにより他方の葉片に摘み部を現出させると共に前記切り欠きを形成した葉片を他方の葉片から突出させてお互い重なることがない摘み部を形成しても構わない。
さらにまた、前記実施例では、二つ折り葉書を例に記載されているが、三葉片以上を折り畳んだ場合の葉書、封書等の情報通信体にも適用できることは言うまでもない。
J1、J2 二つ折り葉書
S1、S2 二つ折り葉書用用紙
G 疑似接着フィルムシート
V、W 摘み部
1、2、21、22 葉片
3、23 折り線
4、24 郵便切手欄
5、25 郵便番号欄
6、26 受取人の住所氏名
7、27 一般情報
8、28 個人情報
11 基材
12 疑似接着層
13 感熱接着剤層

Claims (7)

  1. 複数の葉片を折り畳み或いは切り重ねて、任意の対向する葉片間を疑似接着媒体を介して剥離可能に一体化した情報通信体の開封手段であり、重なり合う上側紙片と下側紙片の開封側縁辺において、前記各紙片同士が重なり合うことがない摘み部を形成したことを特徴とした情報通信体の開封手段。
  2. 疑似接着媒体が基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
  3. 疑似接着媒体が基材の一方の面に疑似接着層を形成し、残るもう一方の面に感熱接着剤層を形成したサーマルラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
  4. 疑似接着媒体が基材の一方の面に樹脂を剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に感熱接着剤層を形成した少なくとも3層からなる疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
  5. 疑似接着媒体が疑似接着性のUV硬化型ニスであることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
  6. 疑似接着媒体が疑似接着性のエマルジョン型糊であることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
  7. 疑似接着媒体が高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤であることを特徴とした請求項1に記載の情報通信体の開封手段。
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