JP2012136214A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御ユニットの汎用性を確保することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】制御ユニット19は、制御基板25を保持するフレーム24と、フレームに対して着脱自在なカートリッジ形式のセンサ端子保持部29とを備えている。センサ端子保持部29は、センサ端子15c〜15fと制御基板25に設けたスルーホール25a〜25dとを電気的に接続する接続端子28a〜28dと、センサ端子15c〜15fを、制御基板のスルーホール25a〜25dに導くガイド穴30を設けている。
【選択図】図5

Description

本発明は、入力軸及び出力軸の間の捩れにより操舵トルクを検出するトルクセンサと、トルクセンサの検出値を制御情報として電動モータを駆動制御する制御ユニットとを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置として、減速ギヤボックスに制御ユニットを装着し、トルクセンサで検出した操舵トルクの情報に基づいて制御ユニットが電動モータを駆動制御し、電動モータで発生した操舵補助力をステアリング系にウォーム減速機構を介して伝達する機電一体型の電動パワーステアリング装置が知られている。
例えば特許文献1の機電一体型の電動パワーステアリング装置は、減速ギヤボックスの外周にユニット取付け面を形成し、このユニット取付け面に、制御基板を組込んだ制御ユニットを装着し、減速ギヤボックスに内装したトルクセンサに接続されている複数のセンサ端子をユニット取付け面から突出させている。そして、ユニット取付け面から突出した複数のセンサ端子を、ユニット取付け面に装着した制御ユニットの制御基板に設けた複数のスルーホールに挿通し、両者を直接半田付けすることで電気的に接続する構造としている。
特開2007−232602号公報
ところで、トルクセンサのセンサ端子と制御ユニットの制御基板とを直接半田付けで接続する構造にすると、車種変更のために、トルクセンサの共通化を図りながら変速ギヤボックスのギヤ比を変更する場合、トルクセンサのセンサ端子の位置は変化せず、減速ギヤボックスのユニット取付け面の位置及び電動モータの電源端子の位置が変化する。このため、車種が変更する毎に、制御基板の大きさや給電端子の位置が異なった制御ユニット全体の構造を再設計しなくてはならず、制御ユニットの汎用性を確保することができないという未解決の課題がある。
また、トルクセンサのセンサ端子と制御ユニットの制御基板とを直接半田付けで接続する構造は、半田の飛散による制御ユニットの構成部品への熱影響、外観不良の防止として飛散防止カバーを設ける必要があり、制御ユニットの部品点数が増大することで組み込みに多くの手間と時間が必要となる。
また、制御基板は信号、GNDライン等でパターンの太さや長さが異なり、センサ端子と制御基板を接続する半田の熱容量が不均一となりやすく、半田溶着の信頼性を確保するために工程管理が複雑となるおそれがある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、制御ユニットの汎用性を確保することができるとともに、制御ユニットの構成部品への半田の飛散による不具合を防止して制御ユニットを容易に組み込むことができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の電動パワーステアリング装置は、操舵トルクが伝達されるステアリングシャフトと、このステアリングシャフトに減速ギヤボックス内の減速機構を介して操舵補助力を伝達する電動モータと、この電動モータを駆動制御する制御回路を実装した制御基板を含む制御ユニットと、前記減速ギヤボックスの外周に設けられ、前記制御ユニットを装着する制御ユニット装着部と、前記減速ギヤボックスに内装されたトルクセンサに接続され、前記減速ギヤボックスの外周から突出した複数のセンサ端子と、前記制御基板に設けた複数のスルーホールと、前記複数のセンサ端子と複数のスルーホールとを電気的に接続する複数の接続端子と、を備え、前記制御ユニットは、前記制御基板を保持するフレームと、このフレームに対して着脱自在なカートリッジ形式のセンサ端子保持部とを備え、当該センサ端子保持部は、一端部が前記複数のスルーホールに接続した前記複数の接続端子の一部を埋め込み、該複数の接続端子の他端部を前記フレームの外部に突出させているとともに、前記複数のセンサ端子の開放端部に対向する位置にガイド穴を設けた構造とし、前記制御ユニットは、前記ガイド穴に前記複数のセンサ端子の開放端部を挿通しながら前記制御ユニット装着部に装着され、対応する前記複数の接続端子の他端部及び前記複数のセンサ端子の開放端部を夫々半田付けにより接続してなる。
この発明によると、車種変更などのために変速ギヤボックスのギヤ比を変更する場合には、変速ギヤボックスの大きさの変化に対応したカートリッジ形式のセンサ端子保持部をフレームに装着することで、制御ユニットの共通化を図ることができる。
また、フレームの外側で接続端子の他端部とセンサ端子を半田付けで接続すればよく、フレーム内に収容した制御基板等の構成部品に対する半田の飛散による熱影響を与えないので、制御ユニットを容易に組み込むことができる。
本発明に係る請求項2記載の発明は、請求項1記載の電動パワーステアリング装置において、前記センサ端子保持部は、前記制御ユニット装着部に当接して前記フレームに装着されている。
この発明によると、センサ端子保持部は、フレームに対する係合力が減少しても制御ユニット装着部から押し付けられているので、脱落を確実に防止することができる。
本発明に係る請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置において、前記制御ユニットは、前記制御基板と電動モータのモータ端子とを電気的に接続する端子台を備えており、当該端子台は、前記制御ユニットの前記フレームに対して着脱自在なカートリッジ形式とされている。
この発明によると、車種変更などのために電動モータの直径寸法が変更しても、電動モータのモータ端子に対応した端子台端子を備えたカートリッジ形式の端子台をフレームに装着することで、制御ユニットの共通化を図ることができる。
本発明に係る請求項4記載の発明は、請求項3記載の電動パワーステアリング装置において、前記端子台は、前記制御ユニット装着部に当接して前記フレームに装着されている。
この発明によると、端子台は、フレームに対する係合力が減少しても制御ユニット装着部から押し付けられているので、脱落を確実に防止することができる。
本発明に係る請求項5記載の発明は、請求項1〜4記載の電動パワーステアリング装置において、前記接続端子の他端部は、貫通穴を設けた板形状のランドを有する形状とし、前記センサ端子保持部を通過した前記センサ端子の先端側が前記貫通穴を貫通した状態で、前記先端側及び前記ランドが半田付けで接続されている。
この発明によると、接続端子の他端部とセンサ端子の半田付け作業を容易に行なうことができる。
本発明に係る請求項6記載の発明は、請求項1〜5記載の電動パワーステアリング装置において、前記接続端子の他端部は、対向している前記センタ端子保持部との間に一定の隙間を設けた状態で前記接続端子の他端の変形を防止する変形防止部材を備えている。
この発明によると、接続端子の他端部が、変形防止部材により対向しているセンタ端子保持部との間に一定の隙間を設けていることから、センサ端子との半田付けの際に、接続端子の他端部の熱がセンサ端子保持部側に逃げず、効率的に半田付けを行なうことができる。
本発明に係る請求項7記載の発明は、請求項1〜6記載の電動パワーステアリング装置において、前記センタ端子保持部は、接続している各対の前記接続端子の他端及び前記センサ端子の間を仕切る仕切り壁を設けている。
この発明によると、隣接するランド及びセンサ端子の接続部への半田の飛散を防止することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、車種変更などのために変速ギヤボックスのギヤ比を変更する場合には、変速ギヤボックスの大きさの変化に対応したカートリッジ形式のセンサ端子保持部をフレームに装着することで、制御ユニットの共通化を図ることができ、制御ユニットの汎用性を高めることができる。また、フレームの外側で接続端子の他端部とセンサ端子を半田付けで接続すればよく、フレーム内に収容した制御基板等の構成部品に対する半田の飛散による熱影響を与えないので、制御ユニットを容易に組み込むことができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の一実施形態を右ハンドル車に適用した場合の左方向から示した斜視図である。 電動パワーステアリング装置の要部を示す縦断面図である。 減速ギヤボックスに装着される制御ユニットの構造を示す斜視図である。 制御ユニットの構成部材を詳細に説明した図である。 トルクセンサのセンサ端子と制御ユニットの接続状態を模式的に示した図である。 制御ユニットの端子台の構造を模式的に示した図である。 センサ端子保持部の形状を示す図である。 センサ端子と接続端子の他端部の接続状態を示す図である。 減速ギヤボックスの大きさが変更された場合の本実施形態の作用を示す図である。 電動モータの大きさが変更された場合の本実施形態の作用を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態の電動パワーステアリング装置を運転席側から見た斜視図であり、図2は、電動パワーステアリング装置の要部を示す縦断面図である。
図1の符号1はコラム型の電動パワーステアリング装置であり、ステアリングホイール(図示せず)に連結されたステアリングシャフト2を回転自在に内装するステアリングコラム3に、減速ギヤボックス4が連結され、この減速ギヤボックス4に、軸方向がステアリングコラム3の軸方向と直交する方向にブラシモータで構成される電動モータ5と制御ユニット19が配設されている。
ステアリングシャフト2には、ユニバーサルジョイント60を介してロアシャフト61の一端が連結され、このロアシャフト61の他端にはユニバーサルジョイント62を介してピニオンシャフト(不図示)が連結されている。
ステアリングコラム3及び減速ギヤボックス4は、アッパ取付けブラケット6及びロア取付けブラケット7によって車体側に取付けられている。
ロア取付けブラケット7は、取付け板部7aと、この取付け板部7aの下面から左右方向に所定間隔を保って平行に延長する一対の支持板部7bとで形成されている。そして、支持板部7bの下端が、減速ギヤボックス4の車両前方側に一体形成された支持部(不図示)に枢軸7cを介して回動自在に連結されている。また、取付け板部7aにはスリット7dが形成されており、このスリット7dに離脱用カプセル7eが嵌め込まれている。この離脱用カプセル7eにはボルト貫通孔7fが形成されており、離脱用カプセル7eの下方からボルト貫通孔7fに貫通した固定ボルト(図示せず)を車体側部材(図示せず)にねじ込むことで、取付け板部7aが車体側部材に取付けられている。
アッパ取付けブラケット6は、一対の取付け板部6aと、これら一対の取付け板部6aを結合する結合板6a1と、一対の取付け板部6aの下端に固定されて左右(車幅)方向に離間している1対の支持板部6bと、これら一対の支持板部6bに形成されたステアリングコラム3を支持するチルト機構6cとを備えている。そして、チルト機構6cのチルトレバー6gを回動させ、ステアリングコラム3の支持状態を解除することにより、ステアリングコラム3をロア取付けブラケット7の枢軸7cを中心として上下にチルト位置調整可能にしている。また、一対の取付け板部6aにはスリット6dが形成されており、このスリット6dに離脱用カプセル6eが嵌め込まれている。この離脱用カプセル6eにはボルト貫通孔6fが形成されており、離脱用カプセル6eの下方からボルト貫通孔6fに貫通した固定ボルト(図示せず)を車体側部材(図示せず)にねじ込むことで、取付け板部6aが車体側部材に取付けられている。
ステアリングシャフト2は、図2に示すように、上端がステアリングホイール(図示せず)に連結される入力軸2aと、この入力軸2aの下端にトーションバー2bを介して連結されたトーションバー2bを覆う出力軸2cとで構成されている。
減速ギヤボックス4は、高熱伝導性を有する材料例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム及びマグネシウム合金の何れか1つを例えばダイキャスト成型することにより形成されている。
この減速ギヤボックス4は、図2に示すように、電動モータ5の出力軸(不図示)に連接されたウォーム減速機のウォーム11を収納するウォーム収納部12と、このウォーム収納部12の下側にその中心軸と直交する中心軸を有しウォーム11に噛合するウォームホイール13を収納するウォームホイール収納部14と、このウォームホイール収納部14の車両後方側に一体に同軸的に連結されたトルクセンサ15を収納するトルクセンサ収納部16と、図3にも示すように、ウォーム収納部12の開放端面に形成された電動モータ5を取付けるモータ取付け部17と、ウォーム収納部12とウォームホイール収納部14の一部に跨がってウォームホイール収納部14及びトルクセンサ収納部16の中心軸線と直交する平面内に形成された制御ユニット19を装着する制御ユニット装着部20とを備えている。
トルクセンサ15は、図2に示すように、ステアリングシャフト2の入力軸2a及び出力軸2c間の捩じれ状態を磁気的に検出してステアリングシャフトに伝達された操舵トルクを一対の検出コイル15a、15bで検出するように構成され、これら一対の検出コイル15a,15bの巻き始め、及び巻き終わりに、図3に示すように、夫々ステアリングコラム3の中心軸と直交する方向に平行に外部に突出するセンサ端子15c〜15fが接続されている。センサ端子15c〜15fは、長手方向中央部でL字状に折り曲げられ、ステアリングコラム3の中心軸と平行に車両後方に向けて延在している。
減速ギヤボックス4の制御ユニット装着部20に装着される制御ユニット19は、図3及び図4に示すように、放熱プレート21と、パワー基板22と、フレーム24と、制御基板25と、インナーカバー26と、アウターカバー27と、4本の接続端子28a〜28dとを備えている。
放熱プレート21は、制御ユニット装着部20の平坦取付け面20aに放熱グリースを介して直接固定される。
パワー基板22は、電動モータ5を駆動制御する電界効果トランジスタ等のパワースイッチング素子で構成されるHブリッジ回路やこのHブリッジ回路のパワースイッチング素子を駆動するパルス幅変調回路等のディスクリート部品(不図示)が実装されている。
制御基板25には、4本の接続端子28a〜28dの一端部がそれぞれ挿通するスルーホール25a〜25dが穿設されており、接続端子28a〜28dの一端部及びスルーホール25a〜25dは半田付けで接続されている。そして、制御基板25は、トルクセンサ15のセンサ端子15c〜15fと接続端子28a〜28dを介して接続し、トルクセンサ15からのトルク検出値や図示しない車速センサからの車速検出値に基づいて操舵補助電流指令値を算出し、この操舵補助電流指令値と電動モータ5に出力するモータ電流の検出値とに基づいて電流フィードバック制御を行ってパワー基板のパルス幅変調回路への電圧指令値を算出することにより、電動モータ5で発生させる操舵補助力を制御するマイクロコントロールユニット(MCU)やその周辺機器等のディスクリート部品が実装される。
フレーム24は、四角枠形状の金属製部材であり、図3の左端に電動モータ5の接続端子に接続する端子台23が一体に設けられ、図3の上部にセンサ端子保持部29が一体に設けられ、図3の右端に雌型コネクタ45が設けられている。
雌型コネクタ45は、電源コネクタ45aと、車体の各部の制御機器とのデータの授受を行うCANなどのネットワークに接続する信号コネクタ45bとを備えている。
インナーカバー26は、合成樹脂製カバーである。
アウターカバー27は、インナーカバー26を覆い、センサ端子15c〜15fと、後述する接続端子28a〜28dとの接続位置を囲っており、電磁波の遮断、内装部品の保護を行なう金属製カバーである。
センサ端子保持部29は、図5に示すように、センサ端子15c〜15fを挿入する側の入側開口部30aを出側開口部30bより大きな開口部としたテーパ形状の4箇所の挿通穴30が形成されている。
4本の接続端子28a〜28dは、一端部が制御基板25のスルーホール25a〜25dと半田付けされ、他端部が、センサ端子保持部29の出側開口部30b側に向けて延在するように折曲されているとともに、それら接続端子28a〜28dの一部が、合成樹脂材からなるセンサ端子保持部29の内部にインサートモールドされている。
接続端子28a〜28dの他端部は、センサ端子保持部29の4箇所の挿通穴30の出側開口部30bに対向する位置まで延在し、4箇所の挿通穴30から車両後方に向けて突出したセンサ端子15c〜15fの先端は接続端子28a〜28dの他端と半田付けされている。
接続端子28a〜28dの他端は、図7に示すように、センサ端子保持部29の挿通穴30に対向する貫通穴31を中央部に形成した円板形状のランド32a〜32dと、各ランド32a〜32dの外周からセンサ端子保持部29の挿通穴30が開口している壁に向けて延在している脚部33a〜33dとを備えた形状とされている。
図8に示すように、接続端子28cの先端に形成したランド32cは、このランド32cの外周に形成した脚部33cが、挿通穴30が開口している壁29aに当接することで、壁29aとの間に一定の隙間tを設けた状態で配置される。そして、挿通穴30から車両後方に向けて突出したセンサ端子15eがランド32cの貫通穴31を貫通した状態で、センサ端子15eとランド32cとが半田付けされる。なお、図示しないが、他の接続端子28a、28b,28dの先端に形成したランド32a、32b,32dも、外周に形成した脚部33a、33b,33dが、挿通穴30が開口している壁に当接することで、壁との間に一定の隙間tを設けた状態で配置され、挿通穴30から車両後方に向けて突出したセンサ端子15c、15d,15fがランド32a、32b,32dの貫通穴31を貫通した状態とし、それらが半田付けされる。
また、センサ端子保持部29の挿通穴30を形成した壁には、接続端子28a〜28dのランド32a〜32dの間を仕切る仕切り壁34a〜34cが突出して形成されている。
ここで、図4に示すように、本実施形態のセンサ端子保持部29及び端子台23は、フレーム24に着脱自在に一体化されるカートリッジ形式である。
すなわち、図4及び図5に示すように、フレーム24の上部に、センサ端子保持部29が嵌まり込む第1凹部35が形成されており、この第1凹部35の車両後方側の端部に、立上がり当接部35aが形成されている。そして、第1凹部35に対して車幅方向に離間した位置に、パワー基板22に対面する側からインナーカバー26に対面する側に向けて(車両前後方向に)連通する一対の第1係合爪通過穴36が形成されている。
また、図4に示すように、センサ端子保持部29には、フレーム24の一対の係合爪通過穴36を通過する一対の係合杆29bと、これら係合杆29bの先端に設けた係合爪29cとが形成されている。
そして、一対の係合杆29bを一対の第1係合爪通過穴36のパワー基板22に対面する側から挿通しながらセンサ端子保持部29を第1凹部35に嵌め込んでいき、一対の係合杆29bの先端の係合爪29cが一対の第1係合爪通過穴36のインナーカバー26側の開口周縁で係合したときに、立上がり当接部35aに当接したセンサ端子保持部29がフレーム24に装着される。
また、図4及び図6に示すように、フレーム24の左側の側部に、端子台23が嵌まり込む第2凹部37が形成されており、この第1凹部35の車両後方側の端部に、立上がり当接部37aが形成されている。そして、第2凹部37に対して車両上下方向に離間した位置に、パワー基板22に対面する側からインナーカバー26に対面する側に向けて(車両前後方向に)連通する一対の第2係合爪通過穴38が形成されている。
また、端子台23は、制御基板25の給電用スルーホール25eに挿通する一対の給電用接続端子23aの一部をインサートモールドした部材であり、フレーム24の一対の係合爪通過穴36を通過する一対の係合杆23bと、これら係合杆23bの先端に設けた係合爪23cとが形成されている。
そして、一対の係合杆23bを一対の第2係合爪通過穴38のパワー基板22に対面する側から挿通しながら端子台23を第2凹部37に嵌め込んでいき、一対の係合杆23bの先端の係合爪23cが一対の第2係合爪通過穴38のインナーカバー26側の開口周縁で係合したときに、立上がり当接部37aに当接した端子台23がフレーム24に装着される。そして、フレーム24に装着された端子台23の給電用接続端子23aは、図6に示すように、電動モータ5のモータグロメット39から突出するモータ端子40に、連結ボルト41を介して接続される。
ここで、本発明の変形防止部材が脚部33a〜33dに対応し、本発明のガイド穴が挿通穴30に対応している。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
車両の図示しないイグニッションスイッチをオン状態として制御ユニット19のパワー基板22及び制御基板25にバッテリから電力を供給すると、マイクロコントロールユニット(MCU)によって操舵補助制御処理が実行されて、トルクセンサ15及び図示しない車速センサの検出値に基づいて操舵補助電流指令値が算出される。この操舵補助電流指令値とモータ電流検出部で検出したモータ電流とに基づいて電流フィードバック処理を実行して、電圧指令値を算出する。この電圧指令値をパワー基板22のゲート駆動回路に供給してHブリッジ回路を制御することにより、電動モータ5にモータ駆動電流が流れて電動モータ5を正転又は逆転方向に必要とする操舵補助力を発生するように駆動する。
このため、電動モータ5からステアリングホイールの操舵トルクに応じた操舵補助力が発生され、この操舵補助力がウォーム11及びウォームホイール13を介してステアリングシャフト2の出力に伝達されることにより、ステアリングホイールを軽い操舵力で操舵することができる。
ここで、車種変更などのために、変速ギヤボックス4のギヤ比を変更する場合、電動モータ5の出力を変更する場合について説明する。
先ず、変速ギヤボックス4のギヤ比を変更する場合には、図9に示すように、変速ギヤボックス4内の内部部品の大きさが変化することで、変速ギヤボックス4の軸中心と制御ユニット19との間の距離Aが変化する。そして、変速ギヤボックス4内にはトルクセンサ15が内蔵されているが、車種が変更されてもトルクセンサ15の共通化を図るものとすると、トルクセンサ15のセンサ端子15c〜15fと、制御ユニット19のセンサ端子保持部29に設けた接続端子28a〜28dとの距離も変化する。
そこで、本実施形態では、変速ギヤボックス4のギヤ比が変更されて変速ギヤボックス4の軸中心と制御ユニット19との間の距離Aが変化しても、トルクセンサ15のセンサ端子15c〜15fの位置に、挿通穴30、ランド32a〜32dが対応する形状のセンサ端子保持部29をフレーム24に装着する。これにより、変速ギヤボックス4のギヤ比を変更しても、電動パワーステアリング装置1の制御ユニット19の共通化を図っている。
また、電動モータ5の出力を変更する場合には、図10に示すように、電動モータ5の径寸法Bが変化すると、電動モータ5のモータグロメット39に設けたモータ端子40と、制御ユニット19の給電用接続端子23aとが対応しない場合がある。本実施形態では、径寸法Bが変化することで、電動モータ5のモータグロメット39に設けたモータ端子40が変化しても、このモータ端子40に対応する給電用接続端子23aを備えた形状の端子台23をフレーム24に装着する。これにより、電動モータ5の出力を変更しても、電動パワーステアリング装置1の制御ユニット19の共通化を図っている。
次に、本実施形態に係る機電一体型の電動パワーステアリング装置1の作用効果について説明する。
本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、車種変更などのために変速ギヤボックス4のギヤ比を変更する場合には、変速ギヤボックス4の大きさの変化に対応したカートリッジ形式のセンサ端子保持部29をフレーム24に装着することで、制御ユニット19の共通化を図ることができるので、制御ユニット19の汎用性を確保することができる。
また、電動モータ5の出力を変更する場合であっても、電動モータ5の径方向寸法に伴うモータグロメット39に対応したカートリッジ形式の端子台23をフレーム24に装着することで、制御ユニット19の共通化を図ることができ、さらに制御ユニット19の汎用性を確保することができる。
また、放熱プレート21側からフレーム24に装着されているセンサ端子保持部29及び端子台23は、放熱プレート21を介して制御ユニット装着部20により抜け方向を既成しながら制御ユニット装着部20とフレーム24に挟まれて固定されているので、振動、衝撃による係合杆23b,29bの破損によりフレーム24から脱落するのを確実に防止することができる。更に、センサ端子保持部29及び端子台23がアウターカバー27にも覆われていることから、より確実に脱落を防止することができる。
ここで、制御ユニット装着部20とセンサ端子保持部29及び端子台23、又は、センサ端子保持部29及び端子台23とフレーム24の立上がり当接部35a,37aは、当接しているのが良いが、0.1〜0.5mm程度の微小スキマがあっても良い。
また、トルクセンサ15のセンサ端子15c〜15fと制御ユニット19のスルーホール25a〜25dとを接続する際には、フレーム24の外側で接続端子28a〜28dのランド32a〜32dとセンサ端子15c〜15fを半田付けで接続すればよく、フレーム24内に収容した制御基板25、パワー基板等の構成部品に対する半田の飛散による熱影響を与えないので、制御ユニット19を容易に組み込むことができる。
また、接続した各組みランド32a〜32dとセンサ端子15c〜15fの間には、仕切り壁34a〜34cを設けているので、隣接するランド及びセンサ端子の接続部への半田の飛散も防止することができる。
また、制御基板25から離間した接続端子28a〜28dのランド32a〜32dとセンサ端子15c〜15fとの半田付けの接続とすることで、トルクセンサ15から得られるセンサ信号の信頼性を確保することができる。
また、挿通穴30から車両後方に向けて突出したセンサ端子15e〜15fを、センサ端子保持部29の挿通穴30に挿通すると、センサ端子15e〜15fの先端部が、接続端子28a〜28dのランド32a〜32dの貫通穴31を通過するので、ランド32a〜32dとセンサ端子15c〜15fの半田付け作業を容易に行なうことができる。
また、接続端子28a〜28dのランド32a〜32dは、センサ端子保持部29の挿通穴30が開口している壁との間に一定の隙間tを設けているので、センサ端子15c〜15fとの半田付けの際にランド32a〜32dの熱がセンサ端子保持部29側に逃げず、効率的に半田付けを行なうことができる。
また、ランド32a〜32dに一体に設けた脚部33a〜33dがセンサ端子保持部29の壁に当接しているので、ランド32a〜32dの変形を防止することができる。そして、脚部33a〜33dがランド32a〜32dの基準位置を設定しているので、機械による自動化した接続端子28a〜28d及びセンサ端子15c〜15fの接続作業を行なうことができる。
なお、本実施形態では、電動モータ5としてブラシモータを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータケース内にロータが内蔵されているブラシレスモータを適用するようにしてもよく、この場合には、接続端子5c,5dを各相の励磁コイルの給電側に接続すると共に、パワー基板23にブラシレスモータを駆動する例えば電界効果トランジスタ(FET)を有するインバータ回路及びインバータ回路の電界効果トランジスタのゲートをパルス幅変調信号で駆動するゲート駆動回路とを実装すればよい。
また、上記実施形態においては、本発明を右ハンドル車に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、左ハンドル車に適用する場合には、減速ギヤボックス4、電動モータ5及び制御ユニット19の配置をステアリングコラム3の中心軸を通る垂直面を挟んで面対称の右側に配置すればよい。
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングシャフト、2a…入力軸、2b…トーションバー、2c…出力軸、3…ステアリングコラム、4…減速ギヤボックス、5…電動モータ、6…アッパ取付けブラケット、7…ロア取付けブラケット、11…ウォーム、12…ウォーム収納部、13…ウォームホイール、14…ウォームホイール収納部、15…トルクセンサ、15a,15b…検出コイル、15c〜15f…センサ端子、16…トルクセンサ収納部、17…モータ取付け部、19…制御ユニット、20…制御ユニット装着部、21…放熱プレート、22…パワー基板、23…端子台、23a…給電用接続端子、23b…係合杆、23c…係合爪、24…フレーム、25…制御基板、25a〜25d…スルーホール、26…インナーカバー、27…アウターカバー、28a〜28d…接続端子、29…センサ端子保持部、29a…壁、29b…係合杆、29…係合爪、30…挿通穴、30a…入側開口部、30b…出側開口部、31…貫通穴、32a〜32d…ランド、33a〜33d…脚部、34a〜34c…仕切り壁、35…第1凹部、35a…立上がり当接部、36…第1係合爪通過穴、37…第2凹部、37a…立上がり当接部、38…第2係合爪通過穴、39…モータグロメット、40…モータ端子、45…雌型コネクタ、45a…電源コネクタ、45b…信号コネクタ、60…ユニバーサルジョイント、61…ロアシャフト、62…ユニバーサルジョイント、t…隙間

Claims (7)

  1. 操舵トルクが伝達されるステアリングシャフトと、このステアリングシャフトに減速ギヤボックス内の減速機構を介して操舵補助力を伝達する電動モータと、この電動モータを駆動制御する制御回路を実装した制御基板を含む制御ユニットと、前記減速ギヤボックスの外周に設けられ、前記制御ユニットを装着する制御ユニット装着部と、前記減速ギヤボックスに内装されたトルクセンサに接続され、前記減速ギヤボックスの外周から突出した複数のセンサ端子と、前記制御基板に設けた複数のスルーホールと、前記複数のセンサ端子と複数のスルーホールとを電気的に接続する複数の接続端子と、を備え、
    前記制御ユニットは、前記制御基板を保持するフレームと、このフレームに対して着脱自在なカートリッジ形式のセンサ端子保持部とを備え、
    当該センサ端子保持部は、一端部が前記複数のスルーホールに接続した前記複数の接続端子の一部を埋め込み、該複数の接続端子の他端部を前記フレームの外部に突出させているとともに、前記複数のセンサ端子の開放端部に対向する位置にガイド穴を設けた構造とし、
    前記制御ユニットは、前記ガイド穴に前記複数のセンサ端子の開放端部を挿通しながら前記制御ユニット装着部に装着され、対応する前記複数の接続端子の他端部及び前記複数のセンサ端子の開放端部を夫々半田付けにより接続してなることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記センサ端子保持部は、前記制御ユニット装着部に当接して前記フレームに装着されていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記制御ユニットは、前記制御基板と電動モータのモータ端子とを電気的に接続する端子台を備えており、当該端子台は、前記制御ユニットの前記フレームに対して着脱自在なカートリッジ形式とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記端子台は、前記制御ユニット装着部に当接して前記フレームに装着されていることを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記接続端子の他端部は、貫通穴を設けた板形状のランドを有する形状とし、前記センサ端子保持部を通過した前記センサ端子の先端側が前記貫通穴を貫通した状態で、前記先端側及び前記ランドが半田付けで接続されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記接続端子の他端部は、対向している前記センタ端子保持部との間に一定の隙間を設けた状態で前記接続端子の他端の変形を防止する変形防止部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記センタ端子保持部は、接続している各対の前記接続端子の他端及び前記センサ端子の間を仕切る仕切り壁を設けていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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