JP2012135600A - ネイルプリント装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
印刷指U1を固定可能な印刷指固定部20に、印刷指U1を1つ挿入可能であって、爪部Tを露出させる爪部露出窓611と、印刷指U1を挿入した際に爪部Tの生え際近傍を上方から押さえる指押え部612と、印刷指U1を挿入した際に印刷指U1の先端部が突き当たる突き当て部材613とを備え、印刷指U1を挿入した際に印刷指の長さに応じて指挿入方向Aに沿ってスライド移動可能に構成された指挿入部材61を少なくとも1つ備えている。
【選択図】図2
Description
しかし、印刷指を載置台上に載せただけの場合には、手が不安定な状態にあるため、手や腕の動きが印刷指に伝わり、印刷指が動いてしまう虞がある。印刷中に印刷指が動いて位置がずれると絵柄等を正しく爪に印刷することができず、印刷エラーが生じてしまう。
このため、ネイルプリント装置においては、指爪及び印刷ヘッドの双方を保護し、かつ精緻な印刷が可能な位置関係(距離等)となるように、印刷指を適切な位置に位置決め固定する必要がある。
また、仮に個人の各指に合わせた拘束具を準備するとしても、各人の指に合った適切な拘束具を選定することには大きな手間とコストがかかってしまうという問題もある。
印刷しようとする爪部に対応する指である印刷指を固定可能な印刷指固定部と、この印刷指固定部に固定されている印刷指の爪部にそれぞれ印刷を施す印刷手段と、を備えるネイルプリント装置であって、
前記印刷指固定部は、前記印刷指を1つ挿入可能であって前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の長さに応じて指挿入方向に沿ってスライド移動可能に構成された指挿入部材を少なくとも1つ備え、
この指挿入部材は、
前記爪部を露出させる爪部露出窓と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の手前側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記爪部の生え際近傍を上方から押さえる指押え部と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の奥側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の先端部が突き当たる突き当て部材と、
を備えていることを特徴としている。
このため、指挿入部材に印刷指を挿入するという簡易な手法により、印刷指の爪部をできるだけ印刷手段に近い位置に固定しつつ印刷指が上側に反ること等を防止することができ、近距離から正確に印刷を行うことができるとともに、印刷手段と印刷指との接触による印刷手段の破損、印刷指へのインク等の付着を確実に防ぐことができる。また、爪部の生え際近傍が指押え部によって覆われた状態となることから、爪部の生え際近傍に印刷手段からインク等が飛散しても指への付着を防止することができる。
まず、図1から図9を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。このケース本体2及び蓋体4は、ケース本体2の上面後端部に設けたヒンジ3を介して、互いに連結されている。
また、ケース本体2の上面に配置された天板2fには後述する操作部12が設置されており、天板2fのほぼ中央部には表示部13が設けられている。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
図2に示すように、ケース本体2の内部にはネイルプリント装置1における印刷指固定手段を構成している印刷指固定部20、撮影手段を構成している撮影部30、印刷手段を構成している印刷部40及び制御手段を構成している制御部50(図8参照)が設置された制御基板51等が設けられている。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷しようとする爪部Tに対応する指以外の指(図示せず。以下「非印刷指」という。)を挿入するめための挿入部である。
この掴み部(隔壁)20cの指挿入側端部の形状は特に限定されない。例えば、指固定ユニット収容部20aに収容された印刷指固定ユニット60及び非印刷指挿入部20bに印刷指U1及び非印刷指を深く挿入した際に、印刷指U1及び非印刷指の付け根が当接する部分に、指挿入方向の断面形状が円形等に形成された膨出部が設けられていてもよい。掴み部(隔壁)20cの指挿入側端部に膨出部を形成した場合には、印刷指U1を印刷指固定ユニット60内に挿入した状態で、印刷指U1と非印刷指とで掴み部(隔壁)20cを強く挟持することができ、好ましい。なお、膨出部の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形、断面多角形等の非円形であってもよい。
なお、上記非印刷指挿入部20b及び上記掴み部20cを設けなくてもよいが、これらを設けることにより、指固定ユニット収容部20aに収容された印刷指固定ユニット60及びこの印刷指固定ユニット60内に挿入されている印刷指U1をより安定させることができ、印刷指U1を固定するために極めて有効である。
図3は、本実施形態における印刷指固定ユニット60の斜視図であり、図4は、印刷指固定ユニット60を上方(図2における上方)から見た平面図であり、図5は、図4の印刷指固定ユニット60に左手の人差し指から小指までの4指を挿入した状態を示した平面図である。また、図6は、図4のVI-VI線に沿う印刷指固定ユニット60の断面図であり、図7は、図5のVII-VII線に沿う印刷指固定ユニット60の断面図である。
指挿入部材61の開口側に対向する面(図2において上側の面)には爪部露出窓611が形成されており、指挿入部材61に印刷指U1が挿入された際には、この爪部露出窓611から印刷指U1の爪部Tが露出するようになっている。爪部露出窓611はネイルプリント装置1を利用することが想定されるユーザの各種の指や爪部の大きさ、形状に合うように、大きめに形成されていることが望ましい。
なお、爪部露出窓611は印刷指U1の爪部Tを露出させることができるものであればよく、爪部露出窓611の設けられる位置、大きさ、形状等は図示例に限定されない。
なお、突き当て部材613は、各指挿入部材61内に挿入された印刷指U1の先端部が突き当て部材613に突き当てられた際に印刷指U1の爪部が爪部露出窓611から露出する位置に設けられていればよく、突き当て部材613の形状や大きさ、設けられる位置等は、図示例に限定されない。
爪部露出用開口部621の幅方向(図6等において横方向)における長さ寸法Xは、図7に示すように、カバー部材62内に収容される4つの指挿入部材61の爪部露出窓611を全て露出させることができるように、カバー部材62内の最も左端に位置する指挿入部材61の爪部露出窓611の左側辺からカバー部材62内の最も右端に位置する指挿入部材61の爪部露出窓611の右側辺までの長さ以上の長さ寸法となっている。また、爪部露出用開口部621の指挿入方向A(図4及び図5において縦方向)における長さ寸法Yは、図7に示すように、爪部Tの位置が最も指挿入方向Aの手前側に位置する印刷指U1(例えば、小指)の爪部Tが露出している爪部露出窓611の手前側の端部から、爪部Tの位置が最も指挿入方向Aの奥側に位置する印刷指U1(例えば、中指)の爪部Tが露出している爪部露出窓611の奥側の端部までの長さ以上の長さ寸法となっている。
指置き部材624は、例えば樹脂等の弾性部材であり、印刷指U1を安定的に保持することができるようになっている。なお、指置き部材624は、印刷指U1を安定的に保持することができるものであればよく、指置き部材624を形成する材料やその形状等は特に限定されない。
押し上げ機構625は、例えば油圧や空気圧によって下側から指置き部材624を押し上げるものである。押し上げ機構625は、後述する制御部50により、指置き部材624を、その下側半分ほどが凹部623内に収容される位置から、指挿入部材61に挿入された印刷指U1の上側であって爪部Tの生え際近傍が指挿入部材61の上面の指押え部612に突き当てられる位置まで上下させるように制御される。なお、押し上げ機構625は、指置き部材624を上下させることのできるものであればよく、その構成はここに例示したものに限定されない。例えば指置き部材624を下側から支持する板等を設けて、この板等をユーザが手動で押し上げることにより指置き部材624を押し上げる構成としてもよい。この場合には、ユーザが板等の押し上げ状態を手動で解除することにより指置き部材624の位置を元の位置まで下げるようにする。
本実施形態において、位置復帰用バネ63の一端は、突き当て部材613における印刷指U1が突き当てられる側とは反対の面に固定されており、位置復帰用バネ63の他端は、カバー部材62における指挿入方向Aの奥側の面に当接している。なお、位置復帰用バネ63は、カバー部材62と指挿入部材61との間に介在していればよく、その固定される位置はここに例示したものに限定されない。
なお、カバー部材62又は各指挿入部材61の一端には、位置復帰用バネ63によって指挿入方向Aの奥側から手前側に指挿入部材が押し戻された際に指挿入部材がカバー部材62の開口部から飛び出し、抜け落ちることを防止するための図示しないストッパが設けられている。なお、位置復帰用バネ63の他端を、カバー部材62における指挿入方向Aの奥側の面に固定する構成としてもよい。また、例えば指固定ユニット収容部20aの開口部の寸法を印刷指固定ユニット60の指挿入部材61の断面形状の寸法よりも小さくすることにより、指固定ユニット収容部20aの開口部から印刷指固定ユニット60の指挿入部材61が飛び出さないように構成してもよい。
また、指挿入部材61は、印刷指U1の先端が突き当て部材613に突き当てられると、指挿入方向Aに向かってカバー部材62の奥側に押し込まれる。これにより、各指挿入部材61は、それぞれ指挿入部材61に挿入された印刷指U1の長さに応じて、位置復帰用バネ63を押し縮めながら、指挿入方向Aの奥側にスライド移動する。
そして、印刷指U1と非印刷指との付け根が掴み分20cの端部に当接するまで深く印刷指U1を挿入した状態において、最も長い印刷指U1から最も短い印刷指U1までのすべての印刷指U1の爪部Tが爪部露出窓611を通してカバー部材62の爪部露出用開口部621から露出するとともに、押し上げ機構625により指置き部材624が押し上げられることにより、爪部Tの生え際近傍が指押え部612によって押さえられ、爪部Tが上側に浮き上がるのを防止するようになっている。
撮影部30は、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ31と、このカメラ31を囲むように配置された白色LED等の照明灯32とを備えている。撮影部30は、このカメラ31及び照明灯32を備えて構成されている。
この撮影部30は、印刷指固定ユニット60に固定された印刷指U1を照明灯32によって照明し、カメラ31によってその印刷指U1を撮影して、指爪画像を得るものであり、本実施形態では、撮影部30は、印刷指固定ユニット60に挿入されて印刷指固定部20に固定されている印刷指U1を撮影して指爪画像を取得する撮影手段として機能する。
この撮影部30は、後述する制御部50に接続され、該制御部50によって制御されるようになっている。
すなわち、ケース本体2の両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図2に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。なお、ガイドロッド41、44は2本に限定されず、1本でもよいが、主キャリッジ42、副キャリッジ45、及び印刷ヘッド46を安定的に支持し、円滑に移動可能とするために2本以上のガイドロッド41、44が設けられていることが好ましい。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印刷媒体である爪部Tに対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。
本実施形態では、印刷ヘッド46の印刷可能領域は、カバー部材62の爪部露出用開口部621に対応する範囲内(すなわち、図5における横方向X、縦方向Yの範囲内)となっており、この範囲内において爪部露出用開口部621から露出している爪部Tに対して印刷を施すことができるようになっている。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、印刷処理を開始させる印刷開始スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、その他各種の入力を行うための各種の操作釦121が配置されている。
なお、表示部13の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等によるタッチ操作により、表示部13の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成される。
また、本実施形態では、印刷指固定ユニット60に挿入されて印刷指固定部20に固定されている印刷指U1について撮影部30により指爪画像が撮影されると、撮影された指爪画像、印刷指固定ユニット60に印刷指U1が挿入されている状態(例えば、図5に示す状態)を示す画像を表示部13に表示させるようになっており、表示部13は、撮影部30で撮影された指爪画像を表示させる表示手段として機能する。ユーザは、表示部13に表示されたこの画像を確認することによって、自分の印刷指U1が正しい位置に挿入されているか否かを目視にて確認することが可能となる。
制御部50は、例えばケース本体2の上部に配置された制御基板51上に実装されており、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、R
AM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータである。ROM等の記憶手段には
印刷すべきネイル画像パターン等のデータや印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納され、制御部50はこれらのプログラムを実行してネイルプリント装置1の各部を制御するようになっている。
また、制御部50には、ユーザによって操作部12の操作釦121から入力された指示が送られるようになっており、制御部50は、この指示信号に基づいて各種制御を行う。
また、制御部50は、表示部13を制御して、表示部13に各種確認画面等を表示させるようになっている。
具体的には、例えば、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合、図4に示すように、ユーザは印刷指固定ユニット60の左端の指挿入部材61に小指、その右隣の指挿入部材61に薬指、さらにその右隣の指挿入部材61に中指、右端の指挿入部材61に人差し指を挿入するというように、4つの指挿入部材61にそれぞれ1本ずつ印刷指U1を挿入する。また、非印刷指挿入部20bに非印刷指である親指を挿入する。
各指挿入部材61のスライド移動が停止すると、制御部50は押し上げ機構625を制御して、指置き部材624上に保持された印刷指U1を下側から押し上げ、印刷指U1の上面を指挿入部材61の上側の面の裏側(下側)に当接させる(図7及び図9(C)参照)。これにより、各印刷指U1は、それぞれ指挿入部材の爪部露出窓611から爪部Tが露出するとともに、爪部Tの生え際付近が指押え部612により上から押さえられて爪部T等が上側に上がらないように抑制された状態で固定される。
また、このとき、図5に示すように、すべての指挿入部材61の爪部露出窓611はカバー部材62の爪部露出用開口部621に対応する範囲内に位置しており、指挿入部材61に挿入されている印刷指U1の爪部Tが爪部露出用開口部621から露出する。
また、印刷指固定部20の印刷指固定ユニット60に設けられるカバー部材62に、指挿入部材61内に印刷指U1が挿入された際に指挿入部材61を印刷指U1の指挿入方向Aに案内するガイド溝622を備えている。このため、印刷指U1が突き当て部材613に突き当たると、印刷指U1の先端で押しこむことにより指挿入部材61を円滑に指挿入方向Aの奥側にスライド移動させることができる。
また、指挿入部材61の下方には、樹脂等で形成された指置き部材624が配置されているため、指挿入部材61に挿入された印刷指U1を下方から安定的に保持することができ、印刷指U1を挿入するユーザの負担を軽減することができる。
また、指置き部材624を下方から押し上げる押し上げ機構625を備えているため、適度な高さまでユーザが自分で指置き部材624を押し上げる必要がなく、簡易に印刷指U1を適切な位置(すなわち、爪部Tと印刷ヘッド46との位置関係(距離等)において適切な位置)に固定することができる。
また、本実施形態では、印刷指固定部20に固定されている印刷指U1を撮影部30により撮影して指爪画像を取得し、この画像を表示部13に表示させるため、ユーザは表示部13の画面を確認するだけで、自分の指が適切な位置に配置されているか否かを簡易に確認することができる。
次に、図10及び図11を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、印刷指固定ユニットの構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、印刷指固定ユニット70は、それぞれ1本の指を挿入可能に構成された4つの指挿入部材61と、この4つの指挿入部材61を支持する支持部材72とを備えている。指挿入部材61の構成は、第1の実施形態と同様であるため、同一部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
指置き部材724及び押し上げ機構725の構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
具体的には、例えば親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、ユーザは印刷指固定ユニット70の左端の指挿入部材61に小指、その右隣の指挿入部材61に薬指、さらにその右隣の指挿入部材61に中指、右端の指挿入部材61に人差し指を挿入するというように、4つの指挿入部材61にそれぞれ1本ずつ印刷指U1を挿入する。また、非印刷指挿入部20bに非印刷指である親指を挿入する。
各指挿入部材61のスライド移動が停止すると、制御部は押し上げ機構725を制御して、指置き部材724上に保持された印刷指U1を下側から押し上げ、印刷指U1の上面を指挿入部材61の上側の面の裏側(下側)に当接させる。これにより、各印刷指U1は、それぞれ指挿入部材61の爪部露出窓611から爪部Tが露出するとともに、爪部Tの生え際付近が指押え部612により上から押さえられて上側に上がらないように抑制された状態で固定される。
また、印刷指固定ユニット70に設けられる支持部材72に、指挿入部材61内に印刷指U1が挿入された際に指挿入部材61を印刷指U1の指挿入方向Aに案内するガイド溝722を備えている。このため、印刷指U1が突き当て部材613に突き当たると、印刷指U1の先端で押し込むことにより指挿入部材61を円滑に指挿入方向Aの奥側にスライド移動させることができる。
また、指挿入部材61の下方には、樹脂等で形成された指置き部材724が配置されているため、指挿入部材61に挿入された印刷指U1を下方から安定的に保持することができ、印刷指U1を挿入するユーザの負担を軽減することができる。
また、指置き部材624を下方から押し上げる押し上げ機構625を備えているため、適度な高さまでユーザが自分で指置き部材624を押し上げる必要がなく、簡易に印刷指を適切な位置(すなわち、爪部Tと印刷ヘッド46との位置関係(距離等)において適切な位置)に固定することができる。
また、本実施形態では、印刷指固定部20に固定されている印刷指U1を撮影部30により撮影して指爪画像を取得し、この画像を表示部13に表示させるため、ユーザは表示部13の画面を確認するだけで、自分の指が適切な位置に配置されているか否かを簡易に確認することができる。
また、本実施形態では、第1の実施形態のように、指挿入部材61の上側を覆うカバー部材を設けていないため、指挿入部材61の爪部露出窓611から露出する爪部Tに極めて近接した位置に撮影部30及び印刷部40を配置することができる。このため、より鮮明な指爪画像を撮影することができる。また、印刷対象である爪部Tと印刷ヘッド46とを近づけることによりインクの吐出から着弾までの距離を短くすることができ、インク滴を正確に着弾させて一層精緻な印刷が可能になるとともに、インクミストの発生や、インクの周囲への飛散を抑えることが可能となる。
この場合には、例えば、掴み部20cを構成する隔壁に指挿入部材61を案内するガイド溝や、凹部を形成し、この凹部内に指置き部材、押し上げ機構等を配置する構成とする。このように構成した場合には、印刷指固定ユニットを構成する部品点数を減少させることができ、装置の小型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
次に、図12から図14を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、印刷指固定ユニットの構成のみが第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態において、印刷指固定ユニット80は、それぞれ1本の指を挿入可能に構成された4つの指挿入部材81と、この4つの指挿入部材81を収納するカバー部材82とを備えている。
また、指挿入部材81の上側(図12から図14において上側)には指挿入方向Aに沿って、断面ほぼT字状のガイドレール815が設けられている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
また、カバー部材82の底部には幅方向のほぼ全体に亘って凹部823が設けられている。この凹部823内には、指挿入部材81内に挿入される印刷指U1を下側から保持する指置き部材824と、この指置き部材824を下側から押し上げる押し上げ機構825とが設けられている。
指置き部材824は、図13及び図14に示すように、4つの指挿入部材81の全てに亘るように、カバー部材82の幅方向のほぼ全体に延在して設けられている。これにより、4つの指挿入部材81に挿入される4本の印刷指U1全てを1つの指置き部材824によって保持することができる。なお、指置き部材824の構成はここに例示したものに限定されず、複数に分割された指置き部材を備えていてもよい。また、押し上げ機構825は、指置き部材824の幅とほぼ等しい押し上げ機構825を1つ備えてもよいし、指置き部材824の幅よりも小さい押し上げ機構825を複数配置してもよい。
具体的には、例えば親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)が印刷指U1となる場合には、ユーザは印刷指固定ユニット80の左端の指挿入部材81に小指、その右隣の指挿入部材81に薬指、さらにその右隣の指挿入部材81に中指、右端の指挿入部材81に人差し指を挿入するというように、4つの指挿入部材81にそれぞれ1本ずつ印刷指U1を挿入する。また、非印刷指挿入部に非印刷指である親指を挿入する。
各指挿入部材81のスライド移動が停止すると、制御部は押し上げ機構825を制御して、指置き部材824上に保持された印刷指U1を下側から押し上げ、印刷指U1の上面を指挿入部材81の上側の面の裏側(下側)に当接させる。これにより、各印刷指U1は、それぞれ指挿入部材81の爪部露出窓611から爪部Tが露出するとともに、爪部Tの生え際付近が指押え部812により上から押さえられて上側に上がらないように抑制された状態で固定される。
また、指挿入部材81の上側にガイドレール815を設け、カバー部材82の上面にこのガイドレール815を受けて指挿入部材81を指挿入方向Aに案内するガイド溝826を備えている。このため、印刷指U1が突き当て部材813に突き当たると、印刷指U1の先端で押し込むことにより指挿入部材81を円滑に指挿入方向Aの奥側にスライド移動させることができる。
また、このようにガイド部としてのガイドレール815及びガイド溝826を指挿入部材81の上側に設けることにより、カバー部材82の底面に設けられる指置き部材824及び押し上げ機構825を4つの指挿入部材81全てに対応する1つながりのものとすることができる。このため、部品点数の減少による製造工程の簡易化及びコストの低減を実現することができる。
例えば、カバー部材82を底面のない構成として指挿入部材81のガイドレール815を受けるガイド溝826のみを設けるとともに、掴み部20cを構成する隔壁に凹部を形成し、この凹部内に指置き部材、押し上げ機構等を配置する構成としてもよい。このように構成した場合には、カバー部材82を底面の厚み分だけ印刷指固定ユニット80の厚みを薄くすることができ、装置の小型化、軽量化を図ることができる。
次に、図15から図21を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、印刷指固定ユニットの構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図15に示すように、本実施形態において、ネイルプリント装置1の指固定ユニット収容部20aには、第1の実施形態と同様に、印刷指U1を固定する印刷指固定ユニット60が収容されている。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、複数の印刷指に対応して複数の指挿入部材61(図示例では4つの指挿入部材61)を備えている場合を例として説明するが、印刷指固定ユニット60に備えられる指挿入部材61は4つに限定されない。例えば印刷指U1を1本ずつ印刷するネイルプリント装置1であれば、指挿入部材61が1つ設けられていればよい。また、印刷しようとする指の種類や数等に応じて印刷指固定ユニット60に収容される指挿入部材61を入れ替えて、その種類や数を変更できるようにしてもよい。
このように、板スイッチ部652は、印刷指U1の突き当て部材650に対する接離を検出する接離検出手段として機能する。
なお、接離検出手段としての板スイッチ部652は、指挿入部材61が複数設けられている場合には、各指挿入部材61における突き当て部材650にそれぞれ設けられる。
板スイッチ部652は、その自由端側が凹部651内に押し付けられた状態において、突き当て部材650における印刷指U1の先端部が突き当たる側の面とほぼ面一となるようになっている。
なお、板スイッチ部652の設けられる位置や範囲、形状、大きさ等は図示例に限定されず、指挿入部材61に挿入された印刷指U1の突き当て部材650に対する接離を検出することができるように配置されていればよい。
図16(A)、(B)及び図17(A)から(C)に示すように、ストッパ機構653は、突き当て部材650の下端部に固定されたストッパ支持部材654と、このストッパ支持部材654に対して回転軸656により軸支されたストッパ部材655とを備えている。
ストッパ部材655は、回転軸656を支点として、図16(B)の矢印方向に回動可能となっており、所定量以上回動した際は、その回動状態を維持し得るようになっている。すなわち、ストッパ部材655の上端部の少なくとも一部は、例えば凹凸等が施された滑り止め加工部658となっており、この滑り止め加工部658がストッパ支持部材654の内側面と接触すると、摩擦力によりストッパ部材655の自由な回動が規制され、回動状態が維持される。なお、ストッパ部材655が回動状態を維持し得る構成は図示例に限定されない。例えば、ストッパ部材655の上端部とストッパ支持部材654の内側面とにそれぞれ互いに係止し合う凸部と凹部とを設けて、ストッパ部材655が所定量以上回動した際には、この凸部と凹部とが互いに係止されてストッパ部材655の自由な回動を規制する等、各種他の構成を適用してもよい。また、回転軸656に滑りにくい加工を施す等により、一旦大きく押し上げられた際には回動状態が維持されるようにしてもよい。
なお、ストッパ部材655は、指挿入部材61の移動を規制することができるものであればよく、その形状等は特に限定されない。例えば、ストッパ部材655は、板状の部材ではなく、棒状の部材であってもよい。
このため、印刷指U1が指挿入部材61に挿入されて、突き当て部材650が印刷指U1の先端部により指挿入方向Aに押し込まれた際には、ストッパ部材655は、図16(B)における矢印方向に僅かに回動しながら凹凸部661を乗り越えていくため、ストッパ部材655の下端部とカバー部材62側の凹凸部661との間で大きな摩擦力を生じることなく、指挿入部材61を円滑にスライド移動させることができる。他方、突き当て部材650は、位置復帰用バネ63によって指挿入方向Aの奥側から手前側に向かって押圧されている。このため、印刷指U1が突き当て部材650の板スイッチ部652から離れる方向に動いた際には、指挿入方向A(図16及び図17における矢印A)とは反対の方向に押し込まれる。この場合、ストッパ部材655は、図16(B)における矢印方向とは逆の方向に回動しないため、凹凸部661との間で大きな摩擦力を生じ、これにより、指挿入部材61は、指挿入方向Aと反対の方向に移動することを規制され、印刷指U1の動きに追従することなく、その場で停止するか、位置復帰用バネ63によってごくゆっくりと押し戻される。
なお、規制解除部材662の形状や配置する位置等は図示例に限定されない。
本実施形態において、制御部50には、接離検出手段である板スイッチ部652からON信号又はOFF信号が送られるようになっている。
すなわち、前述のように、板スイッチ部652は、指挿入部材61に挿入された印刷指U1の先端部によって押し込まれ、突き当て部材650(本実施形態では突き当て部材650の凹部651)に突き当てられると、板スイッチ部652がON状態となり、印刷指U1が突き当て部材650に接している旨の検出信号(すなわち、ON信号)を制御部50に出力する。また、板スイッチ部652は、一旦印刷指U1が突き当て部材650に接している旨を検出した後に板スイッチ部652が突き当て部材650(本実施形態では突き当て部材650の凹部651)から離れると、板スイッチ部652がOFF状態となり、印刷指U1が突き当て部材650から離間した旨の検出信号(すなわち、OFF信号)を制御部50に出力する。
なお、印刷指U1が突き当て部材650に接していると検出した検出時(ON信号受信時)からどのタイミングで印刷を開始させるかは、例えば10秒経過後等、デフォルトで設定されていてもよいし、ユーザが自由に設定できるようになっていてもよい。
このように、本実施形態において、制御部50は、接離検出手段である板スイッチ部652による検出結果に応じて印刷手段である印刷部40を制御する印刷制御手段として機能する。
複数の指が印刷指U1である場合には、印刷指U1が挿入された全ての指挿入部材61に設けられている板スイッチ部652により印刷指U1が突き当て部材650に接していると検出された場合(すなわち、全ての板スイッチ部652からON信号が出力された場合)に、制御部50は、当該接触検出時(ON信号受信時)又はこの接触検出時から所定の時間経過後に爪部Tへの印刷動作を開始するように、印刷手段である印刷部40を制御する。
また、印刷動作開始後に、複数の板スイッチ部652のうちの少なくとも1つにより印刷指U1の突き当て部材650からの離間が検出された場合(すなわち、いずれかの板スイッチ部652からOFF信号が出力された場合)に、制御部50は、爪部Tへの印刷動作を停止させるように、印刷部40を制御する。
指示に従って、ユーザが印刷指固定部20の印刷指固定ユニット60内に印刷指U1を挿入すると、制御部50は、印刷指固定部20に挿入された印刷指U1が複数本であるか否か、いずれの指挿入部材61に印刷指U1が挿入されたかを判断する(ステップS2)。
具体的には、例えば、ユーザが印刷指固定ユニット60の左端の指挿入部材61に左手の親指を挿入した場合には、制御部50は、4つの指挿入部材61のうち、左端の指挿入部材61のみに印刷指U1が挿入されたと判断する。
また、例えば、ユーザが印刷指固定ユニット60の左端の指挿入部材61に小指、その右隣の指挿入部材61に薬指、さらにその右隣の指挿入部材61に中指、右端の指挿入部材61に人差し指を挿入した場合には、制御部50は、4つの指挿入部材61全てに印刷指U1が挿入されたと判断する。
また、例えば、印刷指固定部20の指挿入部材61やカバー部材62等に印刷指U1の挿入を検知するセンサを設けて、制御部50はこのセンサの検知結果に基づいて印刷指U1の挿入状況を判断してもよい。
また、いずれの指挿入部材61に印刷指U1を挿入するかを事前にユーザが選択・設定しておき、制御部50はこの設定結果に基づいて印刷指U1の挿入状況を判断する構成としてもよい。
本実施形態では、図21(A)に示すように、印刷指U1が突き当て部材650に突き当たり板スイッチ部655を押し込むまでは、板スイッチ部655は、自由端側が突き当て部材650から浮き上がったOFF状態となっている。ユーザが指挿入部材61の突き当て部材650を印刷指U1の先端部で押しながら印刷指U1を指挿入方向Aに挿入していくと、指挿入部材61は位置復帰用バネ63を押し縮めながら指挿入方向Aの奥側に押し込まれ、指挿入方向Aに沿って大きくスライド移動する。このとき、ストッパ部材655の自由端はカバー部材62の底面の凹凸部661を乗り越えながら滑らかに指挿入方向Aに移動する。そして、印刷指U1がその長さに応じた位置まで挿入されると、指挿入部材61のスライド移動が停止し、位置復帰用バネ63によって指挿入方向Aの奥側から手前側に押されている突き当て部材650に印刷指U1が強く突き当てられて、図21(B)に示すように、印刷指U1の先端部により板スイッチ部655が押し込まれる。これにより、板スイッチ部655の自由端側が突き当て部材650(本実施形態では突き当て部材650の凹部651)に接触すると、板スイッチ部655から制御部50に対してON信号が出力される。
他方、板スイッチ部655からのON信号を受信した場合(ステップS3;YES)には、制御部50が印刷部40を制御することにより、爪部T上にネイル画像パターンを印刷する印刷動作が行われる(ステップS4)。
そして、板スイッチ部655からOFF信号を受信した場合(ステップS5;YES)には、制御部50は、印刷部40を制御して、印刷ヘッド46の移動を停止させるとともに、印刷動作(印刷ヘッド46からのインク吐出)を停止させて、印刷を中止する(ステップS6)。また、表示部13には、印刷を中止した旨が表示され(ステップS7)、爪部Tへの印刷処理は終了する。
なお、印刷指U1が指挿入方向Aの奥側から手前側に動いた際に指挿入部材61が位置復帰用バネ63によって指挿入方向Aと反対の方向に押し戻されると、印刷指U1の動きに指挿入部材61が追従して板スイッチ部655が印刷指U1が離間したことを検知できない。この点、本実施形態では、逆移動規制部材としてのストッパ機構653によって指挿入部材61の指挿入方向Aと反対の方向への移動が規制されているため、指挿入部材61が印刷指U1の動きに追従せず、印刷指U1が指挿入方向Aの奥側から手前側に動くと板スイッチ部655が突き当て部材650から離れるため、印刷指U1が離間したことを検知することができる。
なお、板スイッチ部655から制御部50に対してON信号が出力される構成は、1本指のみに印刷する場合と同様であることから、その説明を省略する。
他方、全ての板スイッチ部655からON信号を受信した場合(ステップS9;YES)には、制御部50が印刷部40を制御することにより、全ての印刷指U1の爪部T上に順次ネイル画像パターンを印刷する印刷動作が行われる(ステップS10)。
そして、複数の板スイッチ部655のうちいずれかの板スイッチ部655からOFF信号を受信した場合(ステップS11;YES)には、制御部50は、印刷部40を制御して、印刷ヘッド46の移動を停止させるとともに、印刷動作(印刷ヘッド46からのインク吐出)を停止させて、印刷を中止する(ステップS12)。また、表示部13には、印刷を中止した旨が表示され(ステップS13)、爪部Tへの印刷処理は終了する。
なお、板スイッチ部655から制御部50に対してOFF信号が出力される構成は、1本指のみに印刷する場合と同様であることから、その説明を省略する。
なお、その他は、1本指のみに印刷する場合と同様であることから、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、印刷指U1の突き当て部材650に対する接離を検出する接離検出手段である板スイッチ部652を備え、板スイッチ部652からON信号が出力されると印刷を開始し、OFF信号が出力されると印刷動作を中止するようになっている。
このように、印刷指U1を印刷指固定部20内にセットすることにより、印刷指U1が印刷可能状態にあるか否かを判断するための指の挿入状態の検出を行うことができるため、両手の指に印刷を行う場合のように、操作部12等において印刷開始のスイッチ操作等を行うことができない場合でも、適切に印刷を開始させることができる。
また、印刷開始後に印刷指U1がセットした位置から離れた場合には、即座に印刷を中断することが可能になるため、印刷指U1が動くことによる誤印刷や爪部、指等への汚れの付着等を適切に防止することができる。
また、本実施形態のネイルプリント装置1は、指挿入部材61を複数備えているため、複数の印刷指U1の爪部Tに対して同時に印刷を行うことができる。そして、各指挿入部材61にそれぞれ接離検出手段である板スイッチ部652を設けて、全ての板スイッチ部652からON信号が出力されたときに印刷を開始するようになっているため、複数の印刷指U1に印刷を行う場合でも全ての印刷指U1が適切な位置にセットされてから印刷を開始させることができる。さらに、複数の板スイッチ部652のうち1つでもOFF信号が出力すると印刷が中止されるため、位置ずれを生じた印刷指U1への誤印刷や爪部、指等への汚れの付着等を確実に防止することができる。
また、指挿入部材61の突き当て部材650には、指挿入部材61が指挿入方向Aに沿ってスライド移動した際に、これと反対の方向に指挿入部材61が移動することを規制する逆移動規制部材としてのストッパ機構653を備えているため、一旦印刷が開始された後、印刷指U1が突き当て部材650から離れたときに、位置復帰用バネ63の押圧力によって指挿入部材61が指挿入方向Aと反対の方向に押し戻され、印刷指U1の動きに追従して板スイッチ部652のON状態が維持されてしまうのを防ぐことができる。
また、印刷指固定部20に設けられているカバー部材62の底面には、ストッパ機構653のストッパ部材655を解除する規制解除部材662が設けられているため、例えば、板スイッチ部652がOFFとなった後に、規制解除部材662によりストッパ部材655を解除することにより、指挿入部材61が位置復帰用バネ63の押圧力によって抵抗なく指挿入方向Aと反対方向に移動することができ、元の初期位置まで復帰することができる。
接離検出手段は、ある程度強く押し込まれることによりON状態となってON信号を出力し、押し込まれた状態が維持されている間ON状態が維持され、押し込まれた状態が解除されるとOFF状態となってOFF信号を出力するものが好ましいが、例えば印刷指U1の接触、非接触を検出する接触センサ等を適用することも可能である。この場合には、印刷指U1が突き当て部材650に突き当てられてから、それぞれの指の長さに応じた位置までスライド移動する時間を考慮して、接離検出手段がON状態となってから、所定時間経過後に印刷が開始されるように構成することが好ましい。
また、例えば図23(A)及び図23(B)に示すように、突き当て部材650における印刷指U1が突き当たる側の面に、図22(A)及び図22(B)に示すのと同様に印刷指U1の先端部によって押し込まれることでON状態となるタクトスイッチ673とその表面に設けられ突き当て部材650における印刷指U1が突き当たる面とほぼ平行となるように配置された板状部材674とを備えるスイッチ機構を設けてもよい。この場合、図23(A)に示すように、印刷指U1が突き当て部材650に当接し押し込まれるまではタクトスイッチ673はOFF状態となっている。そして、図23(B)に示すように、印刷指U1の先端部が突き当て部材650に突き当てられ、板状部材674を介してタクトスイッチ673が押し込まれると、タクトスイッチ673がON状態となり、制御部50にON信号が出力される。このような構成とした場合には、タクトスイッチ673をON状態とするために押圧する面積を広くすることができるため、印刷指U1が指挿入部材61に挿入された際に、タクトスイッチ673を確実にON状態とすることができる。
また、タクトスイッチ等の接離検出手段を設ける位置はここに示したものに限定されず、例えば、突き当て部材650の内部に埋め込むように設置したり、突き当て部材650の背後に設置されている構造としてもよい。
このような構成とした場合には、指挿入部材を指挿入方向Aの奥側まで押し込んだ際には、ストッパ部材682の固定端側がストッパ支持部材681によって確実に支持されるとともに、ストッパ部材682の下端部(自由端側)とカバー部材62の凹凸部661との摩擦力によって指挿入部材が指挿入方向Aと反対の方向に押し戻されることを防止して、印刷指U1が突き当て部材650から離間した際に、指挿入部材が印刷指U1の動きに追従して接離検出手段である板スイッチ部652のON状態が維持されることを防ぐことができる。
また、ストッパ機構による規制を解除する際には、ストッパ部材682の下端部(自由端側)が規制解除部材662に突き当てられて図25(B)における矢印方向に押し上げられる。図25(A)及び図25(B)に示す構成では、ストッパ部材682は矢印方向に所定量以上回動すると、ストッパ部材682の固定側の端部が弾性を有する係止用突起685を乗り越えて回動状態が維持されるようになっている。これにより、ストッパ部材682による指挿入部材61の移動規制が解除される。
この場合、複数の印刷指U1を同時にセットする場合には、例えばそのうちの最も長い印刷指U1(一般的には中指)が所定の位置に到達した時点でロックされるようにする。ここで「所定の位置」とは、最も長い印刷指U1(例えば中指)の爪部Tが印刷範囲の奥側に配置されるような位置であり、かつ、他の印刷指U1も全て印刷可能範囲に入るような位置である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷しようとする爪部に対応する指である印刷指を固定可能な印刷指固定部と、この印刷指固定部に固定されている印刷指の爪部にそれぞれ印刷を施す印刷手段と、を備えるネイルプリント装置であって、
前記印刷指固定部は、前記印刷指を1つ挿入可能であって前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の長さに応じて指挿入方向に沿ってスライド移動可能に構成された指挿入部材を少なくとも1つ備え、
この指挿入部材は、
前記爪部を露出させる爪部露出窓と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の手前側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記爪部の生え際近傍を上方から押さえる指押え部と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の奥側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の先端部が突き当たる突き当て部材と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記印刷指固定部は、前記指挿入部材に対応する位置に前記指挿入部材内に前記印刷指が挿入された際に前記指挿入部材を前記印刷指の挿入方向に案内するガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記印刷指固定部は、前記指挿入部材を少なくとも1つ収容し前記爪部露出窓に対応する位置に開口部を有するカバー部材をさらに備え、
前記ガイド部は、前記カバー部材に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記指挿入部材は下側が開口しており、この開口した指挿入部材の下方に配置され、前記指挿入部材に挿入された前記印刷指を下方から保持する指置き部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記指置き部材を下方から押し上げる押し上げ機構をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
前記印刷指固定部に固定されている印刷指を撮影して指爪画像を取得する撮影手段と、
この撮影手段で撮影された指爪画像を表示させる表示手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項7>
前記突き当て部材における前記印刷指の先端部が突き当たる側に設けられ、前記印刷指の前記突き当て部材に対する接離を検出する接離検出手段と、
この接離検出手段により前記印刷指が前記突き当て部材に接していると検出されると、接触検出時又はこの接触検出時から所定の時間経過後に前記爪部への印刷動作を開始し、印刷動作開始後に、この接離検出手段により前記印刷指の前記突き当て部材からの離間が検出されると、前記爪部への印刷動作を停止させるように、前記印刷手段を制御する印刷制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項8>
前記指挿入部材は、複数の印刷指に対応して複数設けられており、
前記接離検出手段は、複数の前記指挿入部材における前記突き当て部材にそれぞれ設けられ、
前記印刷制御手段は、前記指挿入部材のうち印刷指が挿入されたものに設けられている全ての前記接離検出手段により前記印刷指が前記突き当て部材に接していると検出されると、接触検出時又はこの接触検出時から所定の時間経過後に前記爪部への印刷動作を開始し、印刷動作開始後に、これらの接離検出手段のうちの少なくとも1つにより前記印刷指の前記突き当て部材からの離間が検出されると、前記爪部への印刷動作を停止させるように、前記印刷手段を制御するものであることを特徴とする請求項7に記載のネイルプリント装置。
<請求項9>
前記指挿入部材は、前記指挿入部材が指挿入方向に沿ってスライド移動した際に、これと反対の方向に前記指挿入部材が移動することを規制する逆移動規制部材を備えており、
前記印刷指固定部は、逆移動規制部材を解除する規制解除部材を備えていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のネイルプリント装置。
2 ケース本体
4 蓋体
12 操作部
13 表示部
20a 指固定ユニット収容部
20b 非印刷指挿入部
20c 掴み部(隔壁)
20 印刷指固定部
30 撮影部
32 カメラ
33 照明灯(LED)
40 印刷部
46 印刷ヘッド
50 制御部
60 印刷指固定ユニット
61 指挿入部材
62 カバー部材
611 爪部露出窓
612 指押え部
613 突き当て部材
621 爪部露出用開口部
622 ガイド溝
623 凹部
624 指置き部材
625 押し上げ機構
650 突き当て部材
652 板スイッチ部
653 ストッパ機構
655 ストッパ部材
662 規制解除部材
A 指挿入方向
T 爪
U1 印刷指
Claims (9)
- 印刷しようとする爪部に対応する指である印刷指を固定可能な印刷指固定部と、この印刷指固定部に固定されている印刷指の爪部にそれぞれ印刷を施す印刷手段と、を備えるネイルプリント装置であって、
前記印刷指固定部は、前記印刷指を1つ挿入可能であって前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の長さに応じて指挿入方向に沿ってスライド移動可能に構成された指挿入部材を少なくとも1つ備え、
この指挿入部材は、
前記爪部を露出させる爪部露出窓と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の手前側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記爪部の生え際近傍を上方から押さえる指押え部と、
前記爪部露出窓よりも指挿入方向の奥側に配置され、前記印刷指を挿入した際に前記印刷指の先端部が突き当たる突き当て部材と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。 - 前記印刷指固定部は、前記指挿入部材に対応する位置に前記指挿入部材内に前記印刷指が挿入された際に前記指挿入部材を前記印刷指の挿入方向に案内するガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
- 前記印刷指固定部は、前記指挿入部材を少なくとも1つ収容し前記爪部露出窓に対応する位置に開口部を有するカバー部材をさらに備え、
前記ガイド部は、前記カバー部材に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。 - 前記指挿入部材は下側が開口しており、この開口した指挿入部材の下方に配置され、前記指挿入部材に挿入された前記印刷指を下方から保持する指置き部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
- 前記指置き部材を下方から押し上げる押し上げ機構をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
- 前記印刷指固定部に固定されている印刷指を撮影して指爪画像を取得する撮影手段と、
この撮影手段で撮影された指爪画像を表示させる表示手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。 - 前記突き当て部材における前記印刷指の先端部が突き当たる側に設けられ、前記印刷指の前記突き当て部材に対する接離を検出する接離検出手段と、
この接離検出手段により前記印刷指が前記突き当て部材に接していると検出されると、接触検出時又はこの接触検出時から所定の時間経過後に前記爪部への印刷動作を開始し、印刷動作開始後に、この接離検出手段により前記印刷指の前記突き当て部材からの離間が検出されると、前記爪部への印刷動作を停止させるように、前記印刷手段を制御する印刷制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。 - 前記指挿入部材は、複数の印刷指に対応して複数設けられており、
前記接離検出手段は、複数の前記指挿入部材における前記突き当て部材にそれぞれ設けられ、
前記印刷制御手段は、前記指挿入部材のうち印刷指が挿入されたものに設けられている全ての前記接離検出手段により前記印刷指が前記突き当て部材に接していると検出されると、接触検出時又はこの接触検出時から所定の時間経過後に前記爪部への印刷動作を開始し、印刷動作開始後に、これらの接離検出手段のうちの少なくとも1つにより前記印刷指の前記突き当て部材からの離間が検出されると、前記爪部への印刷動作を停止させるように、前記印刷手段を制御するものであることを特徴とする請求項7に記載のネイルプリント装置。 - 前記指挿入部材は、前記指挿入部材が指挿入方向に沿ってスライド移動した際に、これと反対の方向に前記指挿入部材が移動することを規制する逆移動規制部材を備えており、
前記印刷指固定部は、逆移動規制部材を解除する規制解除部材を備えていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のネイルプリント装置。
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