JP2012130301A - 固形味噌およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】味噌本来持つ色や風味を保持しつつ、取り扱いが簡便で熱湯で溶解可能な、固形味噌およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明による固形味噌は、味噌50〜99.4重量%、即溶性増粘多糖類0.6〜6.0重量%、および水0〜49.4重量%(但し0重量%の場合水は加えない)とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、固形味噌およびその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、味噌本来持つ色や風味を保持しつつ、取り扱いが簡便で熱湯で溶解可能な、固形化した味噌およびその製造方法に関する。
従来、固形状の味噌としては、凍結乾燥法による固形化した味噌が存在した(例えば、特開平8−103240号公報(特許文献1)、特開2007−097579号公報(特許文献2))。しかしながら、凍結乾燥法による固形化味噌は、乾燥タイプのものであり、味噌体積が大きくなることや、凍結乾燥特有の風味が付くこと等の問題があった。
味噌は塩分を多く含む食品であり、加熱により著しく褐変し、風味が劣化する性質がある。味噌は粘りのあるペースト状の物性を持つため計量が難しく、携行する際には小さな袋に入れなければならないなど、扱いにくい特性を持つ。
一方、味噌は、そのままの状態では増粘性多糖類で固形化が難しい。寒天のような固形化剤と使用して味噌を固形化しようとすることが考えられるが、本発明者らの知る限り、寒天等を用いて味噌を固形化した例は知られていない。例えば、通常の寒天で固形化しようとする場合、通常の寒天を加えた味噌を、少なくとも100℃で2分程度加熱する必要が出てくるが、このような条件では味噌の風味自体が損なわれてしまう。
低温で固形化できる寒天としては、熱水易分散溶解性粒状寒天(特開2003−310181号公報(特許文献3))が知られている。しかしながら、ここで開示されているのは、デザートなどの食品製造を目的として、液状の原料を加工し、そのまま食品として前記寒天を利用するものであった。
味噌は前記したように、塩分を多く含みかつ水分を含むペースト状のものであり、またしばしば味噌は「生きもの」などと表現されることからもわかるように、味噌をただ単に固形状にするだけでなく、その本来持つ色や風味を損なうことなく固形化する必要がある。
特開平8−103240号公報 特開2007−097579号公報 特開2003−310181号公報
本発明者らは今般、即容性寒天を用いて味噌を固形化したところ、その本来の色と風味を損なうことなく、固形味噌を調製することに成功した。このとき即容性寒天の量を特定の範囲とし、また固形化する際の水含有の組成物における味噌濃度を特定の範囲とすることで、色と風味が損なわれていない固形味噌であって、使用時の溶解性にも優れた、使用勝手に優れた固形味噌とすることに成功した。本発明はこれら知見に基づくものである。
よって本発明は、味噌本来持つ色や風味を保持しつつ、取り扱いが簡便で熱湯で溶解可能な、固形味噌およびその製造方法を提供することをその目的とする。
本発明による固形味噌は、
味噌 50〜99.4 重量%、
即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られるものである。
本発明の好ましい態様によれば、前記固形味噌において、即容性増粘多糖類は即容性寒天である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による固形味噌は、一回の使用量に小分けされてなる。より好ましくは、この一回の使用量は、味噌汁一食分に相当する量である。
また、本発明による固形味噌の製造方法は、
味噌 50〜99.4 重量%、
即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させること含んでなる。
本発明の好ましい態様によれば、前記製造方法において、即容性増粘多糖類は即容性寒天である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、前記製造方法において、加熱条件は、83〜87℃で5〜15分間である。
本発明のさらに好ましい態様によれば、前記製造方法は、該組成物を加熱した後、一回の使用量に小分け可能な容器に流し込み、冷却することを含む。
味噌は粘りのあるペースト状の物性を持つため計量が難しく、携行する際には小さな袋に入れなければならないなど、扱いにくい特性を持つ。また、従来凍結乾燥法による即席味噌汁等の固形味噌も存在したが、体積が大きく、凍結乾燥特有の風味の劣化がおこる難点があった。本発明は、この課題を解消するためになされたものである。
したがって、本発明の固形味噌によれば、味噌を固形状とすることで、少量の持ち運びや計量が容易となる。本発明による固形味噌は、容器や包装からの取出しの際、付着する味噌が少なく容易に取り出せるものであるため、味噌を使い切ることが可能となる。本発明による固形味噌は、味噌を凍結乾燥させた場合と異なり酸化による影響を受け難いため、湯に溶解した状態での風味が通常の生味噌に近いものとすることができる。本発明の固形味噌を湯に溶解させた後は、増粘性多糖類の濃度低下により再度凝固しないため、扱いは通常の味噌と変わらないものとなる。また、増粘性多糖類のうち特に寒天は、食物繊維であり、整腸作用を持つことが知られている。したがって、例えば寒天を使用した場合には、本発明による固形味噌を摂取することで、整腸作用としての効果も期待できる。すなわち、本発明の固形味噌は、整腸作用のような機能性も保持することができる。
本発明による固形味噌の一例を拡大した概念図である。 本発明による固形味噌の一例の外観図である。
発明の具体的説明
固形味噌および製造方法
本発明による固形味噌は、前記したように、
味噌 50〜99.4 重量%、
即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られるものである。また、本発明による固形味噌の製造方法は、
味噌 50〜99.4 重量%、
即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させること含んでなる。
ここで固形味噌とは、液体、流動状、ペースト状のものではなく、一定の形態を保持した味噌を意味する。本発明おいては特に、所謂、凍結乾燥により得られた乾燥型の固形味噌ではなく、増粘多糖類の作用により味噌を固形化した、非乾燥タイプの固形化した味噌をいう。
すなわち、本発明において、固形味噌を調製する際に用意する(原料)組成物は、味噌と、即容性増粘多糖類と、必要に応じて水とを含むものである。
ここで味噌は、固形分と、水分とから構成され、一般的な味噌製品であれば、味噌中に水分を、40〜55重量%程度含んでなる。例えば、文部科学省による「日本食品標準成分表2010」によれば、典型的な例として、米みそ(甘みそ)の水分含量は42.6重量%、米みそ(淡色辛みそ)の水分含量は45.4重量%、米みそ(赤色辛みそ)の水分含量は45.7重量%、麦みその水分含量は44.0重量%、さらに豆みその水分含量は44.9重量%であることが記載されており、一般的にいう味噌には、多くの水分が含まれていることが理解できよう。本発明においては、味噌に通常水分が含まれていることを利用して、味噌にそのまま、即容性増粘多糖類を加え、水をさらに追加することなく、混合して組成物を調製して、これを加熱、冷却して凝固させ、固形味噌を調製することができる。すなわち、この場合、味噌と、即容性増粘多糖類とを使用し、さらなる水の使用は不要とすることができる。またこのとき、必要であれば、味噌と、即容性増粘多糖類に加えてさらに水を加え、これを混合して得られた組成物を、加熱、冷却して凝固させ、固形味噌を調製することができる。
ここで、味噌は組成物全体に対して50〜99.4重量%、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは65〜75重量%、さらに好ましくは68〜72重量%、さらにより好ましくは約70重量%である。
水を加える場合には、その使用量は、味噌、即溶性増粘多糖類および水を含む(原料)組成物全体に対して、0〜49.4重量%である。ここで、0重量%とあるのは、水を加えない場合を意味する。これは、上記したように、味噌自体に水分が必要量含まれていると判断された場合には、水を加えず、味噌と即溶性増粘多糖類とから該組成物を形成させることができるからである。水の使用量は、味噌における水分含量や、所望する固形味噌の形態によって、適宜変化し得るが、水の使用が望まれる場合には、水の使用量は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。
前記範囲を逸脱すると、固形味噌を使用する際に溶解させた場合、溶解性が不十分で残渣が残り易くなる傾向にあり、また味噌としての粘性が高すぎる場合もあり、この場合には成型時の方への流し込みが行い難くなることがある。すなわち、前記範囲内であると、成分の溶解性が向上し、固形味噌製品を湯に入れたときの分散性も向上させ、より速やかに溶解させることができる。
また前記組成物において、即容性増粘多糖類は、味噌重量に対して0.6〜6.0、好ましくは0.6〜3.0重量%、より好ましくは0.8〜1.5重量%、さらに好ましくは0.8〜1.2重量%、さらにより好ましくは約1重量%含まれる。前記範囲を逸脱すると、凝固させた場合の硬さ、強度が不十分となり、また使用時の溶解性も不十分となって溶解残渣が多く残ってしまうことがある。
本発明による固形味噌は前記組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られる。ここで加熱する条件は、好ましくは70〜90℃の温度であり、より好ましくは80〜88℃の温度、さらに好ましくは83〜87℃である。また加熱時間は、前述の温度で、好ましくは5〜15分間である。好ましい加熱条件としては、
例えば、83〜87℃で5〜15分間であり、より好ましくは約85℃で約10分間である。
本発明の固形味噌では、前記のように組成物を加熱した後、冷却し凝固させ得られる。ここで冷却としては、味噌と即容性増粘多糖類を含む組成物が凝固する温度であれば特に制限はないが、例えば、室温(例えば、25℃)またはそれ以下の温度条件下に放置して放冷してもよく、また冷蔵条件下(例えば、1〜5℃)に置くとしてもよい。
本発明の固形味噌の主成分となる味噌としては、一般的な生味噌であればいずれであっても良いが、例えば、大豆、米、塩を原料とし、塩分約12.0%からなる辛口米味噌のようなものであってもよく、あるいは、例えば、米味噌(甘みそ、甘口みそ)、麦みそ、豆みそなどが挙げられる。本発明においては、好ましくは、大豆、米、塩を原料とし、塩分約12.0%からなる辛口米味噌である。
本発明において、即容性増粘多糖類とは、100℃といった高温にすることなく、例えば90℃以下(好ましくは60〜90℃程度、より好ましくは80〜90℃程度)の温度で容易に溶解し、冷却することで凝固し得る増粘多糖類であれば、いずれであってもよい。このような増粘多糖類としては、寒天、グアーガム、ゼラチン、キサンタンガム等が挙げれる。本発明においては、好ましくは、即容性増粘多糖類は即容性寒天である。
本発明で使用可能な即容性寒天は、即容性寒天として市販されているものを適宜使用することができる。即容性寒天としては、例えば、特開2003−310181号公報に記載の熱水易分散溶解性粒状寒天も使用してもよい
本発明による固形味噌は、一回の使用量に小分けされてなることができる。好ましくは、この一回の使用量は、味噌汁一食分に相当する量である。すなわち、固形味噌を製造する過程で、組成物を加熱して増粘多糖類成分を溶解させた状態で、(例えば一回の使用量の分量毎に)小分け可能な容器に入れ、これを冷却し凝固させることで、所望の使用量に小分けされた固形味噌を造ることができる。このようにして得られた小分けされた固形味噌は、例えば、一回使用量毎に分けられているため、使用者にとっては、一回の使用量分だけ簡単に使用できるようになるため、使用者の利便性が格段に向上する。
したがって、本発明のさらに好ましい態様によれば、本発明による固形味噌の製造方法は、該組成物を加熱した後、一回の使用量に小分け可能な容器に流し込み、冷却することを含む。
本発明による固形味噌は、味噌、即容性増粘多糖類、水を主成分とするものであるが、更に必要に応じて他の成分を含んでいても良い。他の成分としては、例えば、酒精、調味料(アミノ酸、核酸系調味料、有機酸系調味料)、かつおぶし、こんぶ、かつおエキス、酵母エキス、ビタミン類等が挙げられる。
ここで、酒精としては、例えば、味噌酵母の再発酵防止を目的としたエタノールなどが挙げられる。
本発明による固形味噌の構造を、さらに図1の概念図および図2の固形味噌の一例の外観図により説明すれば以下の通りである。
味噌は固体の味噌不溶部(1)と味噌水分+可溶部(2)のペースト状の混合物であるといえる。凝固した固形味噌は、寒天を含有することにより、味噌水分+可溶部(2)に寒天中のアガロース(3)によるスポンジ状のネットワーク構造が形成され、形状を維持することが可能となる。固形味噌は、凝固前に、小分け状または小分け可能な形状に流し込み成型することができる(例えば、図2の形状)。
さらに固形味噌、好ましくは小分け状または小分け可能な形状とした固形味噌は、取り分けて使用し易いように、区切りの付いた形状のものとすることができる。型に流し込んで得られた固形味噌は、型から取り出し、容器に入れ、例えば、酸素透過性の低い袋に脱酸素剤と共に入れ、封緘することで、製品化した形態とすることができる。
このようにして製造された固形味噌として、図2のものが挙げられるが、この固形味噌(4)は携帯性がよく、区切り(5)で割ることにより1食分の計量も容易となる。味噌を水で薄めることにより、型に流しやすくなり、味噌のメイラード反応による着色が遅くなる。なお、寒天を含むことで食物繊維が多くなり、整腸作用として健康維持にも繋げることが期待できる。
本発明による固形味噌は、使用の際は湯に入れ、再溶解させることで味噌汁等の調理に利用することができる。再溶解後は、増粘多糖類の濃度が低下することとなるため、通常、再度凝固せず、通常の味噌と同様に使用することができる。
なお、本明細書において、「約」や「程度」を用いた値の表現は、その値を設定することによる目的を達成する上で、当業者であれば許容することができる値の変動を含む意味である。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
製造例1:
本発明の固形味噌の一例として以下の通りに調製をした。
主成分となる辛口米味噌(塩分12.0%)700g、水274g、酒精16g、即容性寒天(伊那食品工業株式会社製、手づくりぱぱ寒天)10g(味噌、即溶性寒天および水を含む組成物基準で約1重量%に相当)をよく練り混ぜ合わせた。混合物を熱交換器により85℃10分加熱し、型に流した後、冷蔵庫(1〜5℃)で冷やし凝固させた。
使用した型は、味噌汁1食分に使用する固形味噌25g(180mlあたり)に取り分け易い様、区切りの付いた形状のものを使用した。型から取り出した固形味噌を容器に入れ、酸素透過性の低い袋に脱酸素剤と共に入れ、封緘し、固形味噌の包装製品を得た。
次に、得られた固形味噌を使用して、以下のように、豆腐の味噌汁を調理した。
水180mlを鍋で沸騰させ、調味料として「ほんだし」(商品名)(味の素株式会社製)を0.6gを溶解させ、ここに、固形味噌25gを鍋に入れ、溶解させた。予めさいの目に切った豆腐30gを入れ、ひと煮立ちさせた後、火を止め、豆腐の味噌汁を得た。
試験1: キューブ状の固形味噌の風味と嗜好に関する官能評価
以下の通りの生味噌、固形味噌、凍結乾燥味噌を用意し、その風味等について官能試験を行った。
対照: 6.5割麹赤系みそ(生味噌)(ハナマルキ株式会社製、田舎みそなど)
サンプルA: 本発明の固形味噌(6.5割麹赤系味噌)
サンプルB: 凍結乾燥味噌(6.5割麹赤系味噌)
ここでサンプルAは、以下のようにして調製した。
6.5割麹赤系みそ(生味噌)(ハナマルキ株式会社製、田舎みそ)70g、水30g、即容性寒天(伊那食品工業株式会社製、手づくりぱぱ寒天)1g(味噌、即溶性寒天および水を含む組成物基準で約1重量%に相当)をよく練り混ぜ合わせ、混合物を熱交換器により85℃10分加熱し、型に流した後、冷蔵庫(5℃)で冷やし凝固させた。使用した型は、味噌汁1食分に使用する固形味噌
25g(180mlあたり)に取り分け易い様、区切りの付いた形状のものを使用した。冷却後、型から取り出し、サンプルAとしての固形味噌を得た。得られた固形味噌25gを湯に溶解し、180mlとした。
ここでサンプルBは、以下のようにして調製した。
6.5割麹赤系みそ(生味噌)(ハナマルキ株式会社製、田舎みそ)を凍結乾燥させたハナマルキ株式会社製FD−Gを用意し、味噌濃度がサンプルAと等しくなるよう、FD−G0.9gを湯に溶解し、180mlとした。
評価試験は、独立したパネル10名による官能試験により行った。具体的には、順位法(Kramer検定n=10,k=2)により、(i)どちらのサンプルが対照の風味と近いか、(ii)どちらのサンプルが好ましいか、について評価した。評価方法はサンプルの内容を隠し、色のついたシールで印を付けたブラインドテストとした。
結果は下記表の通りであった。
Figure 2012130301
官能評価の結果、パネル10名全員が、本発明による固形味噌の風味について生味噌に近い評価とした。また、嗜好についてもパネル全員が、本発明による固形味噌を好んだ。2つの官能評価はいずれもKramer検定危険率1%で有意な差が見られた。
さらに官能評価におけるパネルのコメントでは、寒天固形みそと生味噌の品質差はほとんどなく、凍結乾燥みそは特徴的な風味があるとの意見が多かった。
試験2: 増粘多糖類(寒天)の濃度
増粘多糖類、特に寒天を0.5〜2.0重量%の濃度範囲において固形味噌をそれぞれ作成し、固形化時の状態及び溶解性について検討した。
具体的には、使用した寒天濃度を下記表2の通りとした以外は、前記「試験1」のサンプルAと同様にして、固形味噌をそれぞれ調製した。
得られた固形味噌それぞれについて、溶解試験を行った。
溶解試験は、固形味噌5gを約85℃の熱湯(200ml)に入れ、スターラーで緩やかに攪拌し、5分後に残った固まり(残渣)を回収し、その重量を測定した。
結果は下記表の通りであった。
Figure 2012130301
結果から、寒天濃度は強度の寒天では1重量%以上であることが望ましく、溶解性の寒天からは1重量%程度が望ましいと考えられた。
試験3: 味噌濃度と溶解性に関する試験
6.5割麹赤系みそ(生味噌)(ハナマルキ株式会社製、田舎みそ)に、水を全体に対して0〜50重量%となるよう混合し、味噌濃度を下記表のように調整した以外は、前記「試験1」のサンプルAと同様にして、固形味噌をそれぞれ調製した。
得られた固形味噌それぞれについて、溶解試験を行った。
溶解試験は、固形味噌5gを約85℃の熱湯(200ml)に入れ、スターラーで緩やかに攪拌し、5分後に残った固まり(残渣)を回収し、その重量を測定した。
結果は下記表の通りであった。
Figure 2012130301
結果から、味噌濃度70重量%以下では溶解性が大きく向上していた。また、この場合、味噌の粘性が下がるため、成型時の型への流し込みが容易となることがわかった。味噌としての力価も考慮すると、70重量%程度が望ましいと考えられた。
1 味噌不溶部
2 味噌水分+可溶部
3 アガロース
4 固形味噌
5 区切り

Claims (8)

  1. 味噌 50〜99.4 重量%、
    即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
    水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
    とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られる、固形味噌。
  2. 即容性増粘多糖類が即容性寒天である、請求項1に記載の固形味噌。
  3. 一回の使用量に小分けされてなる、請求項1または2に記載の固形味噌。
  4. 一回の使用量が、味噌汁一食分に相当する量である、請求項3に記載の固形味噌。
  5. 味噌 50〜99.4 重量%、
    即溶性増粘多糖類 0.6〜6.0 重量%、および
    水 0〜49.4 重量%(但し0重量%の場合、水は加えない)
    とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させること含んでなる、固形味噌の製造方法。
  6. 即容性増粘多糖類が即容性寒天である、請求項5に記載の方法。
  7. 加熱条件が、83〜87℃で5〜15分間である、請求項5または6に記載の方法。
  8. 該組成物を加熱した後、一回の使用量に小分け可能な容器に流し込み、冷却することを含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
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