JP2012109369A - R−Fe−B系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた耐食性を有するとともに、優れた密着性をもって金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を表面に形成することができる、RLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法を提供すること。
【解決手段】 処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する工程Aを行った後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1000Pa未満であり、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)が1〜20000の雰囲気下、200℃〜500℃で熱処理を行う工程Bを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軽希土類元素の一部が重希土類元素によって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法に関する。
Fe14B型化合物相を主相として有し、希土類元素Rとして軽希土類元素(RL:NdおよびPrから選択される少なくとも1種)を含むR−Fe−B系焼結磁石は、いわゆる永久磁石と呼ばれる磁石の中でも最も高性能な磁石であることは周知の通りである。そのため、R−Fe−B系焼結磁石は、今日、ボイスコイルモータ(VCM)や自動車用モータをはじめとする各種モータや家電製品などの様々な用途において使用されているが、R−Fe−B系焼結磁石は高温で保磁力が低下するという特性を有する。従って、R−Fe−B系焼結磁石が使用される環境において高温に晒される場合には、その保磁力の低下に対する対策が必要とされる。
上記の対策の一つとして、RFe14B型化合物相を構成するRLの一部を、重希土類元素(RH:DyおよびTbから選択される少なくとも1種)に置換することで保磁力を向上させる方法が知られている。しかしながら、RHは希少資源であるので使用量の削減が求められる他、RLのRHによる置換割合が大きくなると残留磁束密度が低下するという問題がある。そこで、より少ないRHの使用量で残留磁束密度の低下を抑制しつつ保磁力を向上させる方法として、R−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する方法が提案されている。本発明者らの研究グループも、この方法についてこれまで研究を重ね、例えば特許文献1において、処理室内にR−Fe−B系焼結磁石とRHを外部から拡散導入するためのRHバルク体を離間的に配置し、例えば10−5Pa〜500Paの真空乃至不活性ガス(窒素ガスやアルゴンガスなど)雰囲気下、700℃〜1000℃で熱処理を行う方法を提案している。この方法によれば、RHバルク体から供給されたRHを磁石の表面から内部に効率的に拡散導入することができる。しかしながら、本発明者らの研究グループによるその後の検討により、こうしてRHが拡散導入された磁石の表面には、RLやRHの酸化物や水酸化物を主体とするR含有層が少なからず形成されていることが判明した。このR含有層は、当初より磁石の表面付近に存在したRL、RHを外部から拡散導入したことで磁石の内部から表面方向に移動したRL、外部から拡散導入された磁石の表面付近に存在するRHなどが、熱処理の際に処理室内に残存していた酸素や水分、熱処理後に磁石を処理室内から取り出した際に磁石が晒された大気中に含まれる酸素や水分などと反応することで形成されるものと推察されるが、このR含有層は、安定性に劣ることで酸化腐食の進行による磁石の重量変化を招くという問題や、その表面に優れた密着性をもって金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を形成することが困難であるという問題を有する。そのため、特許文献1に記載の方法によって製造された磁石は、これらの点において改善の余地があることから、その表面を数十〜100μm程度研削してR含有層を除去し、改めてその表面に耐食性被膜を形成して使用することが望ましい。
国際公開第2007/102391号
そこで本発明は、優れた耐食性を有するとともに、優れた密着性をもって金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を表面に形成することができる、RLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対して特許文献1に記載の方法によってRHを外部から拡散導入する工程を行った後、水蒸気分圧が10hPa(1000Pa)未満の所定の酸化性雰囲気下で熱処理を行うと、磁石の表面が改質されて耐食性に優れた安定なものとなり、RHを拡散導入する工程を行った際に磁石の表面に形成されたR含有層を除去しなくても、優れた密着性をもって耐食性被膜を形成することができるようになることを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明のRLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法は、請求項1記載の通り、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する工程Aを行った後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1000Pa未満であり、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)が1〜20000の雰囲気下、200℃〜500℃で熱処理を行う工程Bを行うことを特徴とする。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、処理室内に、R−Fe−B系焼結磁石とRHを外部から拡散導入するためのRH拡散導入材を相対的に移動可能かつ近接または接触可能に収容し、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させながら500℃〜1000℃で熱処理を行うことで工程Aを行うことを特徴とする。
また、請求項3記載の製造方法は、請求項2記載の製造方法において、FeをRHの他に含む合金からなるRH拡散導入材を使用することを特徴とする。
また、請求項4記載の製造方法は、請求項3記載の製造方法において、合金のFe含有量が30mass%〜80mass%であることを特徴とする。
また、請求項5記載の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法において、工程Bの水蒸気分圧を45Pa以下とし、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率を450〜20000とすることを特徴とする。
また、請求項6記載の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法において、工程Aを行った後のR−Fe−B系焼結磁石に対し、ブラスト加工および/または表面研削加工を行った後、工程Bを行うことを特徴とする。
また、本発明のRLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石は、請求項7記載の通り、請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とする。
本発明によれば、優れた耐食性を有するとともに、優れた密着性をもって金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を表面に形成することができる、RLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。
本発明における工程Aを行うための好適な熱処理装置の一例の模式図である。 同、工程Bを行うための好適な連続処理炉の一例の模式図である。
本発明のRLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法は、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する工程Aを行った後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1000Pa未満であり、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)が1〜20000の雰囲気下、200℃〜500℃で熱処理を行う工程Bを行うことを特徴とするものである。以下、工程Aと工程Bについてそれぞれ説明する。
1:工程Aについて
工程Aは、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する工程である。この工程は、R−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入することができる方法であればどのような方法を採用してもよく、公知の方法としては、特許文献1に記載の方法の他、蒸着やスパッタリングなどの物理的手法によってR−Fe−B系焼結磁石の表面にRH被膜を形成した後に500℃〜1000℃で熱処理を行う方法(例えば特開2005−11973号公報を参照のこと)や、R−Fe−B系焼結磁石の表面にRHフッ化物などからなる粉末を存在させた状態で真空中や不活性ガス中で磁石の焼結温度以下の温度で熱処理を行う方法(例えば国際公開第2006/043348号を参照のこと)などを採用することができる。
また、工程Aとして、処理室内に、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石とRHを外部から拡散導入するためのRH拡散導入材を相対的に移動可能かつ近接または接触可能に収容し、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させながら500℃〜1000℃で熱処理を行う方法を採用してもよい。この方法によれば、特許文献1に記載の方法と同様に、R−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から効率的に拡散導入することができることに加え、後に行う工程Bにより、工程Aとして特許文献1に記載の方法を行った後に工程Bを行う場合よりも、磁石の表面改質をより効果的に行うことができる。以下、この方法を具体的に説明する。
この方法は、例えば、筒形容器を処理室として使用してその内部に処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材を収容し、容器をその中心軸線を中心に回転させるとともに、容器の外部から容器を加熱することで行うことができる。この態様は、処理室内においてR−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材が相対的に移動可能かつ近接または接触可能になって連続的または断続的に移動することで、RH拡散導入材からのRHの気化(昇華)による磁石への供給と、供給されたRHの磁石への拡散を迅速に行うことができることに加え、両者が接触している場合でも長時間その状態が維持されないことによって両者の溶着を防止することができる点において好適である。図1は、この方法を行うための好適な熱処理装置の一例の模式図である。図1に示す例では、R−Fe−B系焼結磁石1とRH拡散導入材2を、例えばステンレス製の円筒形容器3の内部に収容し、円筒形容器3を、モータ7でその中心軸線を中心に回転させるとともに、その外周部に配置されたヒータ4で加熱して処理を行う。円筒形容器3の回転は0.01m/秒以上の周速度で行うことが望ましい。回転速度が遅すぎると、R−Fe−B系焼結磁石1とRH拡散導入材2が接触している時間が長くなることで両者が溶着してしまう恐れがあるからである。一方、円筒形容器3の回転は0.5m/秒以下の周速度で行うことが望ましい。回転速度が速すぎると、R−Fe−B系焼結磁石1とRH拡散導入材2が激しく接触することで、磁石に割れや欠けを生じさせてしまう恐れがあるからである。円筒形容器3に対するR−Fe−B系焼結磁石1とRH拡散導入材2の出し入れは、開閉または取り外しが可能な蓋5を介して行う。R−Fe−B系焼結磁石1とRH拡散導入材2を円筒形容器3に収容した後は、排気装置6によって室内を真空排気し、場合によれば図略の配管によって室内に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを供給した雰囲気下で処理を行うことが望ましい。室内に酸素や水分が残存すると、処理中にR−Fe−B系焼結磁石1やRH拡散導入材2が表面酸化してしまう恐れがあるからである。室内の圧力は1×10−3Pa〜1×10Paが望ましい。
処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入するためのRH拡散導入材は、DyやTbなどのRHからなるものであってもよいし、RH以外に他の金属元素を含む合金からなるものであってもよい。とりわけFeをRHの他に含む合金は、RH拡散導入材として用いた場合、後に行う工程Bにより、磁石に対する優れた表面改質効果をもたらす点において好適である。このような合金の具体例としては、30mass%〜80mass%のFeをRHの他に含む合金が挙げられる。RH拡散導入材は、球状、ワイヤ状、板状、ブロック状、粉状など任意の形状であってよい。球状や粉状である場合には直径や粒径が0.05mm〜5mmのものを例示することができ、ワイヤ状や板状やブロック状である場合には長さが1mm〜5cmのものを例示することができる。RH拡散導入材の処理室内への収容量は、R−Fe−B系焼結磁石に対するRHの効率的な拡散導入を行うための観点やコストの面から、R−Fe−B系焼結磁石に対して0.1〜100倍が望ましい(重量比)。
処理室内には、R−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材の他に、球状や楕円状や円柱状などの形状の攪拌補助材を収容してもよい。攪拌補助材は、RH拡散導入材からR−Fe−B系焼結磁石へのRHの引渡しを補助するために介在し、また、両者が激しく接触した場合に起こる磁石の割れや欠けの発生を防止する役割を果たす。その大きさは、例えば直径や長さが1mm〜3cmである。その材質は、R−Fe−B系焼結磁石に対するRHの拡散導入に対して悪影響を与えるような作用を有さないものであれば特段の制限はないが、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、これらの混合物などからなるセラミックスが好適に例示される。攪拌補助材の処理室内への収容量は、攪拌補助材を使用することによる効果を効果的に得るための観点やコストの面から、R−Fe−B系焼結磁石に対して0.1〜100倍が望ましい(重量比)。
熱処理の温度を500℃〜1000℃と規定するのは、500℃よりも低いと、R−Fe−B系焼結磁石にRHを効率的に拡散導入することができない恐れがある一方、1000℃よりも高いと、R−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材が溶着してしまうという問題を生じる恐れがあるからである。R−Fe−B系焼結磁石に対するRHの拡散導入を効率的に行い、残留磁束密度の低下を招くことなく保磁力を向上させるためには、熱処理の温度は700℃〜980℃が望ましい。熱処理の時間はR−Fe−B系焼結磁石の処理量などによって適宜設定されるものであるが、例えば10分間〜72時間である。
なお、上記の具体例では、処理室内に、R−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材を相対的に移動可能かつ近接または接触可能に収容し、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させる方法として、筒型容器をその中心軸線を中心に回転させる方法を採用しているが、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させる方法はこの方法に限定されるものではなく、処理室内に連続的乃至断続的な動きを与えることで両者を処理室内にて受動させることができる方法であればどのような方法であってもよい。
また、工程Aを行った後、RHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石に対して付加的にさらなる熱処理を行ってもよい。好適な態様としては、700℃〜1000℃での第1熱処理と400℃〜700℃での第2熱処理の組み合わせが挙げられる。このような態様によれば、第1熱処理は工程Aによって磁石に拡散導入されたRHを磁石の内部に向かって全体的により均質に拡散させる役割を果たし、第2熱処理は時効処理としての役割を果たす。この場合、いずれの熱処理も室内を工程Aで採用した雰囲気と同じ雰囲気(例えば圧力:1×10−3Pa〜1×10Pa)に制御し、第1熱処理は例えば1時間〜12時間、第2熱処理は例えば2時間〜5時間行えばよい。工程AによってRHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石に対するこのような付加的な熱処理は、工程Aを行った処理室内で引き続いて行ってもよいし、必要に応じて工程Aを行った処理室内からRHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材を取り出し、RHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石をRH拡散導入材から分離した後、再び処理室内に収容したり、別の熱処理炉の処理室内に収容したりすることで行ってもよい。
2:工程Bについて
工程Bは、工程AによってRHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石の表面改質を行う工程である。工程Bによれば、RHが拡散導入されたR−Fe−B系焼結磁石の表面を改質して耐食性に優れた安定なものとし、優れた密着性をもって耐食性被膜を形成することができるようになる。従って、工程Aによって磁石の表面に安定性に劣るR含有層が形成された場合でも、工程BによってこうしたR含有層は改質されて安定化することで、磁石に優れた耐食性が付与されるとともに、その表面に優れた密着性をもって耐食性被膜を形成することができる。
工程Bは、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1000Pa未満であり、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)が1〜20000の雰囲気下、200℃〜500℃で熱処理を行う工程である。酸素分圧を1×10Pa〜1×10Paと規定するのは、酸素分圧が1×10Paよりも小さいと、雰囲気中の酸素量が少なすぎることで、磁石の表面改質に時間がかかりすぎたり、磁石のその保持部材と接する部分の表面改質が十分に行われないことにより、当該部分に十分な耐食性や安定性が付与されなかったり当該部分に保持部材との接点跡が残ってしまったりする恐れがあるからである。一方、酸素分圧を1×10Paより大きくしても、酸素分圧を大きくすることによる磁石の表面改質効果はさほど認められず、コストアップを招来するだけになってしまう恐れがあるからである。磁石の表面に対して所望する改質をより効果的かつ低コストに行うためには、酸素分圧は1×10Pa〜5×10Paが望ましく、1×10Pa〜3×10Paがより望ましい。水蒸気分圧を1000Pa未満と規定するのは、水蒸気分圧が1000Pa以上であると、雰囲気中の水蒸気量が多すぎることで、磁石の表面を優れた耐食性を発揮する安定なものに改質することができない恐れがあるからである。磁石の表面に対して所望する改質をより効果的かつ低コストに行うためには、水蒸気分圧は700Pa以下が望ましく、45Pa以下がより望ましい。なお、水蒸気分圧の下限は特段制限されるものではないが、通常、1Paが望ましい。酸素分圧と水蒸気分圧の比率を1〜20000と規定するのは、当該比率が1よりも小さいと、雰囲気中の酸素量に対する水蒸気量が多すぎることで、磁石の表面を優れた耐食性を発揮する安定なものに改質することができない恐れがあるからである。一方、当該比率が20000よりも大きい雰囲気は特殊環境といえ、実用的でないからである。磁石の表面に対して所望する改質をより効果的かつ低コストに行うためには、当該比率は10〜10000が望ましく、300〜5000がより望ましく、450〜4000がさらに望ましい。処理室内の雰囲気は、例えば、これらの酸化性ガスを所定の分圧となるように個別に導入することによって形成してもよいし、これらの酸化性ガスが所定の分圧で含まれる露点を有する大気を導入することによって形成してもよい。また、処理室内には、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを共存させてもよい。雰囲気の全圧を大気圧やその近傍の圧力(具体的には例えば9×10Pa〜1.2×10Pa)とすれば、特別な圧力調整手段を必要とすることなく所定の雰囲気を容易に形成して磁石の表面改質を行うことができる。
工程Bにおける熱処理の温度を200℃〜500℃と規定するのは、200℃よりも低いと、磁石の表面に対して所望する改質を行い難くなる恐れがある一方、熱処理温度が500℃よりも高いと、磁石の磁気特性に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。熱処理の温度は240℃〜450℃が望ましく、300℃〜420℃がより望ましい。熱処理の時間は1分間〜3時間が望ましく、15分間〜2.5時間がより望ましい。時間が短すぎると、磁石の表面に対して所望する改質を行い難くなる恐れがある一方、時間が長すぎると、磁石の磁気特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
なお、磁石を常温から熱処理を行う温度まで昇温する工程は、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1Pa〜100Paの雰囲気下で行うことが望ましい。このような雰囲気下で昇温することにより、磁石の表面に少なからず自然吸着している水分を早期に脱離させることで、磁石の表面に存在する水分が昇温の際に磁石に対して悪影響を与えることを極力回避することができる。昇温速度は、例えば100℃/時間〜2000℃/時間とすればよい。なお、本発明において「常温」とは、表面改質が行われるR−Fe−B系焼結磁石が昇温を開始する時点で置かれている環境の温度(例えば室温)を指し、例示的には、日本工業規格のJIS Z 8703において5℃〜35℃と規定されている温度を意味する。
また、熱処理を行った後の磁石を降温する工程も、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1Pa〜100Paの雰囲気下で行うことが望ましい。このような雰囲気下で降温することにより、工程中に磁石の表面が結露することで磁石が腐食して磁気特性が低下するといった現象を防ぐことができる。
磁石を常温から熱処理を行う温度まで昇温する工程、磁石に対して熱処理を行う工程、熱処理を行った後の磁石を降温する工程は、磁石が収容された処理室内の環境を順次それぞれの工程を行うための環境に変化させることで行ってもよいし、処理室内をそれぞれの工程を行うための環境に制御した領域に分割し、各領域に磁石を順次移動させることで行ってもよい。
図2は、以上の3つの工程を、内部がそれぞれの工程を行うための環境に制御された領域に分割され、各領域に磁石を順次移動させることで行うことができる連続処理炉の一例の模式図である。図2に示す連続処理炉においては、ベルトコンベアなどの移動手段によって磁石を図の左から右に移動させながら各処理を施す。矢印は図略の給気手段と排気手段によって形成される各領域における雰囲気ガスの流れである。昇温領域の入口および降温領域の出口は、例えばエアカーテンで区画され、昇温領域と熱処理領域の境界および熱処理領域と降温領域の境界は、例えば矢印の雰囲気ガスの流れにより区画される(これらの区画は機械的にシャッターで行われてもよい)。このような連続処理炉を用いれば、大量の磁石に対して安定した品質の表面改質を連続的に行うことができる。
なお、工程Bは、工程Aを行った後に引き続いて行ってもよいが、工程Aを行ったR−Fe−B系焼結磁石に対してブラスト加工や表面研削加工を行った後に行ってもよい。前述の通り、工程Aによって磁石の表面に安定性に劣るR含有層が形成された場合でも、工程BによってこうしたR含有層は改質されて安定化するが、工程Aを行ったR−Fe−B系焼結磁石に対してブラスト加工や表面研削加工を行うことによってこのようなR含有層の一部または全部を除去した後に工程Bを行うことで、磁石の表面改質効果がより発揮されてより優れた耐食性が磁石に付与される。とりわけ、その効果は、工程Aとして、処理室内に処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石とRH拡散導入材を収容し、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させながら500℃〜1000℃で熱処理を行う方法を採用した場合に発揮される。ブラスト加工や表面研削加工の条件は特段制限されるものではないが、ブラスト加工は、例えば、ガラスビーズなどの非金属系投射材を、0.1MPa〜0.5MPaの投射圧で1秒間〜1時間投射することで行えばよい。表面研削加工は、例えば、番手が♯60〜♯400の粒度を有する砥石を装着した平面研削盤や両頭研削盤を用い、砥石の回転数を600rpm〜2000rpm、研削盤への磁石の送り込み速度を0.01m/分〜5m/分として行えばよい。
本発明において処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石としては、例えば、下記の製造方法によって製造したものが挙げられる。
25〜40mass%の希土類元素Rと、0.6〜1.6mass%のB(硼素)と、残部Feおよび不可避不純物とを包含する合金を用意する。ここで、RはRHを含んでいてもよい。また、Bの一部はC(炭素)によって置換されていてもよいし、Feの一部は(50mass%以下)は、他の遷移金属元素(例えば、CoまたはNi)によって置換されていてもよい。この合金は、種々の目的により、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiからなる群から選択された少なくとも1種の添加元素Mを0.01〜1.0mass%程度含有していてもよい。
上記の合金は、原料合金の溶湯を例えばストリップキャスト法によって急冷して好適に作製され得る。以下、ストリップキャスト法による急冷凝固合金の作製を説明する。
まず、上記組成を有する原料合金をアルゴンガス雰囲気下において高周波溶解によって溶解し、原料合金の溶湯を形成する。次に、この溶湯を1350℃程度に保持した後、単ロール法によって急冷し、例えば厚さ約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得る。こうして作製した合金鋳片を、次の水素粉砕処理前に例えば1〜10mmのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャスト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許第5、383、978号明細書に開示されている。
[粗粉砕工程]
上記のフレーク状に粗く粉砕された合金鋳片を水素炉の内部へ収容する。次に、水素炉の内部で水素脆化処理(以下、「水素粉砕処理」や単に「水素処理」と称する場合がある)工程を行う。水素粉砕処理後の粗粉砕粉合金粉末を水素炉から取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止され、磁石の磁気特性の低下が抑制できるからである。
水素粉砕処理によって、希土類合金は0.1mm〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は500μm以下となる。水素粉砕処理後、脆化した原料合金をより細かく解砕するとともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、冷却処理の時間を相対的に長くすればよい。
[微粉砕工程]
次に、粗粉砕粉に対してジェットミル粉砕装置を用いて微粉砕を実行する。本実施形態で使用するジェットミル粉砕装置にはサイクロン分級機が接続されている。ジェットミル粉砕装置は、粗粉砕工程で粗く粉砕された希土類合金(粗粉砕粉)の供給を受け、粉砕機内で粉砕する。粉砕機内で粉砕された粉末はサイクロン分級機を経て回収タンクに集められる。こうして、0.1〜20μm程度(典型的には平均粒径3〜5μm)の微粉末を得ることができる。このような微粉砕に用いる粉砕装置は、ジェットミルに限定されず、アトライタやボールミルであってもよい。粉砕に際して、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を粉砕助剤として用いてもよい。
[プレス成形]
本実施形態では、上記方法で作製された磁性粉末に対し、例えばロッキングミキサー内で潤滑剤を例えば0.3質量%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆する。次に、上述の方法で作製した磁性粉末を公知のプレス装置を用いて配向磁界中で成形する。印加する磁界の強度は、例えば0.8〜1.4MA/mである。また、成形圧力は、成形体のグリーン密度が例えば4〜4.5g/cm程度になるように設定される。
[焼結工程]
上記の粉末成形体に対して、例えば、1000〜1200℃の範囲内の温度で10〜240分間行う。650〜1000℃の範囲内の温度で10〜240分間保持する工程と、その後、上記の保持温度よりも高い温度(例えば、1000〜1200℃)で焼結を更に進める工程とを順次行ってもよい。焼結工程の後、寸法調整のための研削を行ってもよい。
本発明の製造方法によって製造されてなるRLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石は、優れた耐食性を有するので、そのまま各種モータや家電製品に組み込んで用いてもよいし、その表面にAl被膜に例示される金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を形成することでさらなる耐食性を付与して用いてもよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
実施例1:
(使用したR−Fe−B系焼結磁石)
Nd:20.7、Pr:5.7、Dy:5.0、B:1.00、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(単位:mass%)の組成を有する厚さ0.2〜0.3mmの合金薄片をストリップキャスト法により作製した。
次に、この合金薄片を容器に充填し、水素処理装置内に収容した。そして、水素処理装置内を圧力500kPaの水素ガスで満たすことにより、室温で合金薄片に水素吸蔵させた後、放出させた。このような水素処理を行うことにより、合金薄片を脆化し、大きさ約0.15〜0.2mmの不定形粉末を作製した。
上記の水素処理により作製した不定形粉末に対し粉砕助剤として0.04mass%のステアリン酸亜鉛を添加し混合した後、ジェットミル装置による粉砕工程を行うことにより、平均粒径が約3μmの微粉末を作製した。
こうして作製した微粉末をプレス装置により成形し、粉末成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1050℃で4時間の焼結工程を行って焼結体ブロックを得、得られた焼結体ブロックを表面研削加工して寸法調整することで、厚さ2mm×縦15mm×横18mmのR−Fe−B系焼結磁石を得た。こうして得たR−Fe−B系焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した(以下「焼結磁石」と称する)。
図1に示す熱処理装置(円筒形容器は直径50mm×長さ70mmのSUS製で内容積は137375mm)を用いて工程Aを行った。具体的には、容器内に、焼結磁石50g、RH拡散導入材(60mass%のDyと40mass%のFeの合金からなる直径3mm以下の球状体)50g、攪拌補助材(ジルコニアからなる直径5mmの球状体)50gを順次収容し、容器内を圧力が100Paのアルゴンガス雰囲気とし、容器内の温度を900℃とし、容器を0.02m/秒の周速度で中心軸線を中心に回転させることによって容器内にて内容物を受動させ、内容物を相対的に移動可能かつ近接または接触可能として連続的または断続的に移動させながら6時間熱処理を行い、焼結磁石に対してDyを拡散導入するための工程Aを行った(この工程Aの方法を「接触拡散法」と略称する)。なお、熱処理の環境は、容器内に内容物を収容した後、容器内を真空排気し、真空中で10℃/分で600℃まで昇温し、その後、容器内の圧力が100Paになるようにアルゴンガスを導入してから容器の回転を開始し、容器内の温度が900℃になるまで10℃/分で昇温することで形成した。熱処理終了後は、容器内を室温まで自然放冷した後、内容物を取り出して焼結磁石をRH拡散導入材と攪拌補助材から分離した。その後、焼結磁石を別の熱処理炉に収容し、炉内の圧力を100Paとして、900℃での第1熱処理を6時間行い、続いて、500℃での第2熱処理を3時間行った。
工程A、第1熱処理、第2熱処理を行った焼結磁石に対し、図2に示す連続処理炉を用いて工程Bを行った。具体的には、露点−35℃の大気(酸素分圧20000Pa、水蒸気分圧32Pa、酸素分圧/水蒸気分圧=625)の雰囲気下、400℃で30分間の熱処理を行って、表面改質された焼結磁石を得た。なお、常温(25℃)から熱処理の温度(400℃)までの昇温は、露点−35℃の大気の雰囲気下、500℃/時間の昇温速度で行った。熱処理終了後は、露点−35℃の大気の雰囲気下、常温まで自然放冷した。
実施例2:
実施例1の第2熱処理と工程Bの間で、焼結磁石に対してブラスト加工を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。なお、焼結磁石に対するブラスト加工は、不二製作所社製のブラスト装置(SGF−4B)を用い、共栄研磨材社製のガラスビーズ(GB♯100)を投射材として、0.3MPaの投射圧で各面に対してそれぞれ15秒間投射することによって行った。ブラスト加工された焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した。
実施例3:
実施例1の第2熱処理と工程Bの間で、焼結磁石に対して表面研削加工を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。なお、焼結磁石に対する表面研削加工は、大昌精機社製の平面研削盤を用い、各面に対してそれぞれ0.2mm研削することで行った(砥石の番手:♯100、砥石の回転数:1500rpm、研削盤への磁石の送り込み速度:0.6m/分)。表面研削加工された焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した。
実施例4:
実施例1の工程Bにおいて用いた露点−35℃の大気のかわりに、露点0℃の大気(酸素分圧20000Pa、水蒸気分圧600Pa、酸素分圧/水蒸気分圧=33.3)を用いて熱処理を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例5:
実施例4の第2熱処理と工程Bの間で、焼結磁石に対してブラスト加工を行うこと以外は実施例4と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。なお、焼結磁石に対するブラスト加工は、不二製作所社製のブラスト装置(SGF−4B)を用い、共栄研磨材社製のガラスビーズ(GB♯100)を投射材として、0.3MPaの投射圧で各面に対してそれぞれ15秒間投射することによって行った。ブラスト加工された焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した。
実施例6:
実施例4の第2熱処理と工程Bの間で、焼結磁石に対して表面研削加工を行うこと以外は実施例4と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。なお、焼結磁石に対する表面研削加工は、大昌精機社製の平面研削盤を用い、各面に対してそれぞれ0.2mm研削することで行った(砥石の番手:♯100、砥石の回転数:1500rpm、研削盤への磁石の送り込み速度:0.6m/分)。表面研削加工された焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した。
実施例7:
実施例1の工程Aにおいて用いたRH拡散導入材のかわりに、55mass%のDyと45mass%のFeの合金からなる直径3mm以下の球状体をRH拡散導入材として用い、容器内の圧力を0.5Paとし、容器内の温度を870℃とし、熱処理を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例8:
実施例1の工程Aにおいて用いたRH拡散導入材のかわりに、40mass%のDyと60mass%のFeの合金からなる直径3mm以下の球状体をRH拡散導入材として用い、攪拌補助材を用いず、容器内の圧力を2Paとし、容器内の温度を950℃とし、3時間熱処理を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例9:
実施例1の工程Aにおいて用いたRH拡散導入材のかわりに、99.9mass%のDyからなる直径3mm以下の球状体をRH拡散導入材として用い、容器内の圧力を500Paとし、容器内の温度を800℃とし、6時間熱処理を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例10:
実施例2の工程Aにおいて用いたRH拡散導入材のかわりに、99.9mass%のDyからなる直径3mm以下の球状体をRH拡散導入材として用い、容器内の圧力を0.05Paとし、容器内の温度を800℃とし、6時間熱処理を行うこと以外は実施例2と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例11:
(使用したR−Fe−B系焼結磁石)
Nd:20.7、Pr:5.7、Dy:5.0、B:1.00、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(単位:mass%)の組成を有する厚さ0.2〜0.3mmの合金薄片をストリップキャスト法により作製した。
次に、この合金薄片を容器に充填し、水素処理装置内に収容した。そして、水素処理装置内を圧力500kPaの水素ガスで満たすことにより、室温で合金薄片に水素吸蔵させた後、放出させた。このような水素処理を行うことにより、合金薄片を脆化し、大きさ約0.15〜0.2mmの不定形粉末を作製した。
上記の水素処理により作製した不定形粉末に対し粉砕助剤として0.04mass%のステアリン酸亜鉛を添加し混合した後、ジェットミル装置による粉砕工程を行うことにより、平均粒径が約3μmの微粉末を作製した。
こうして作製した微粉末をプレス装置により成形し、粉末成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1050℃で4時間の焼結工程を行い、厚さ2mm×縦15mm×横18mmの焼結体を得、こうして得た焼結体を寸法調整のための表面研削加工を行うことなくそのままR−Fe−B系焼結磁石として実験に供した(以下「焼結磁石」と称する)。
実施例1と同様の処理を行い、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例12:
特許文献1に記載の方法に従って工程Aを行った。具体的には、Mo製の処理容器内で、焼結磁石(実施例1で使用した焼結磁石と同じもの)の表面と裏面のそれぞれに対し、RHバルク体として99.9mass%のDyからなる厚さ5mm×縦30mm×横30mmの板状ブロックを5mm〜9mmの間隔を空けて対向配置し、容器内の圧力を0.01Paとし、容器内の温度を900℃とし、6時間熱処理を行うことで、焼結磁石に対してDyを拡散導入するための工程Aを行った(この工程Aの方法を「離間拡散法」と略称する)。熱処理終了後は、容器内を室温まで自然放冷した後、容器内からRHバルク体を取り外してから、実施例1と同様にして第1熱処理と第2熱処理を行った。
工程A、第1熱処理、第2熱処理を行った焼結磁石に対し、実施例1と同様の工程Bを行い、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例13:
実施例12の第2熱処理と工程Bの間で、焼結磁石に対してブラスト加工を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。なお、焼結磁石に対するブラスト加工は、不二製作所社製のブラスト装置(SGF−4B)を用い、共栄研磨材社製のガラスビーズ(GB♯100)を投射材として、0.3MPaの投射圧で各面に対してそれぞれ15秒間投射することによって行った。ブラスト加工された焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した。
実施例14:
工程Aとして、電子線加熱蒸着法により、99.9mass%のDyからなるターゲットを用いて焼結磁石(実施例1で使用した焼結磁石と同じもの)の表面に厚さ約5μmのDy被膜を形成した後、真空熱処理炉内において900℃で2時間熱処理を行い、焼結磁石に対してDyを拡散導入した。熱処理終了後、引き続き、実施例1の第2熱処理と同様の条件での追加熱処理を行った。
工程Aと追加熱処理を行った焼結磁石に対し、実施例1と同様の工程Bを行い、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例15:
実施例1の工程Bにおいて用いた露点−35℃の大気のかわりに、露点−10℃の大気(酸素分圧20000Pa、水蒸気分圧290Pa、酸素分圧/水蒸気分圧=69.0)を用い、300℃で2時間の熱処理を行うこと以外は実施例1と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例16:
実施例2の工程Bにおいて用いた露点−35℃の大気のかわりに、露点−51℃の大気(酸素分圧20000Pa、水蒸気分圧5.8Pa、酸素分圧/水蒸気分圧=3448.3)を用い、340℃で1.5時間の熱処理を行うこと以外は実施例2と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例17:
実施例3の工程Bにおいて用いた露点−35℃の大気のかわりに、露点−28℃の大気(酸素分圧20000Pa、水蒸気分圧60Pa、酸素分圧/水蒸気分圧=333.3)を用い、420℃で20分間の熱処理を行うこと以外は実施例3と同様にして、表面改質された焼結磁石を得た。
実施例18:
実施例1で得た表面改質された焼結磁石を、特開2001−335921に記載の蒸着被膜形成装置のそれぞれの円筒形バレルに1.5kgずつ収容し、真空槽内を1×10−1Paになるまで真空排気した後、アルゴンガスを真空槽内の全圧が1.0Paになるように供給した。その後、バレルの回転軸を6.0rpmで回転させながら、バイアス電圧0.5kVの条件下、15分間グロー放電を行って磁石体試験片の表面を清浄化した。続いて、アルゴンガス圧1.0Pa、バイアス電圧1.0kVの条件下、蒸着材料として水素含有量が5ppmのAlワイヤ(JIS A1070に準拠するもの)をワイヤ送り速度3.3g/分で連続供給しながら、これを加熱して蒸発させ(ハース温度:1400℃)、30分間蒸着を行い、焼結磁石の表面にAl被膜を蒸着形成した。以上のようにして得たAl被膜を表面に有する焼結磁石をブラスト加工装置に投入し、窒素ガスからなる加圧気体とともに、投射材として平均粒径が120μmでモース硬度が6の球状ガラスビーズ粉末を、噴射圧0.2MPaにて10分間噴射して、Al被膜に対してショットピーニングを行い、表面に膜厚が約6μmのAl被膜を有する焼結磁石を得た。
比較例1:
実施例1の工程Bを行わないこと以外は実施例1と同様にして得た焼結磁石。
比較例2:
実施例2の工程Bを行わないこと以外は実施例2と同様にして得た焼結磁石。
比較例3:
実施例3の工程Bを行わないこと以外は実施例3と同様にして得た焼結磁石。
比較例4:
実施例12の工程Bを行わないこと以外は実施例12と同様にして得た焼結磁石。
比較例5:
実施例13の工程Bを行わないこと以外は実施例13と同様にして得た焼結磁石。
比較例6:
実施例3の工程Bのかわりに化成処理を行うこと以外は実施例3と同様にして得た表面に化成処理被膜を有する焼結磁石。なお、化成処理は、85mass%のリン酸水溶液を純水に添加して調製したリン酸濃度が0.07mol/Lの処理液(pH3.0)に、焼結磁石を浴温60℃で5分間浸漬した後、処理液から引き上げ、水洗し、160℃で35分間乾燥することで行った。
比較例7:
(使用したR−Fe−B系焼結磁石)
Nd:20.7、Pr:5.7、Dy:5.0、B:1.00、Co:0.9、Cu:0.1、Al:0.2、残部:Fe(単位:mass%)の組成を有する厚さ0.2〜0.3mmの合金薄片をストリップキャスト法により作製した。
次に、この合金薄片を容器に充填し、水素処理装置内に収容した。そして、水素処理装置内を圧力500kPaの水素ガスで満たすことにより、室温で合金薄片に水素吸蔵させた後、放出させた。このような水素処理を行うことにより、合金薄片を脆化し、大きさ約0.15〜0.2mmの不定形粉末を作製した。
上記の水素処理により作製した不定形粉末に対し粉砕助剤として0.04mass%のステアリン酸亜鉛を添加し混合した後、ジェットミル装置による粉砕工程を行うことにより、平均粒径が約3μmの微粉末を作製した。
こうして作製した微粉末をプレス装置により成形し、粉末成形体を作製した。具体的には、印加磁界中で粉末粒子を磁界配向した状態で圧縮し、プレス成形を行った。その後、成形体をプレス装置から抜き出し、真空炉により1050℃で4時間の焼結工程を行って焼結体ブロックを得、得られた焼結体ブロックに対し、100Paの圧力下、500℃で3時間の時効処理を行った後、表面研削加工して寸法調整することで、厚さ2mm×縦15mm×横18mmのR−Fe−B希土類系焼結磁石を得た。こうして得たR−Fe−B系焼結磁石は、超音波水洗を行った後、乾燥させて実験に供した(以下「焼結磁石」と称する)。
焼結磁石に対し、実施例1の工程Bと同様の処理を行い、表面改質された焼結磁石を得た。
比較例8:
焼結磁石(実施例1で使用した焼結磁石と同じもの)に対し、実施例3の第2熱処理と表面研削加工と同様の処理を行った後、化成処理を行うことで得た表面に化成処理被膜を有する焼結磁石。なお、化成処理は、比較例6と同様にして行った。
比較例9:
焼結磁石(実施例1で使用した焼結磁石と同じもの)に対し、実施例3の表面研削加工と同様の処理のみを行った焼結磁石。
比較例10:
実施例1の工程Bを行うことなくAl被膜を形成すること以外は実施例18と同様にして得た表面にAl被膜を有する焼結磁石。
(耐食性評価試験)
実施例1〜実施例17で得た表面改質された焼結磁石に対して80℃×90%RHの恒温恒湿試験を100時間行い、試験前からの磁石の重量変動を測定し、磁石の表面の酸化腐食による重量増加の程度でもって磁石の耐食性を評価した。結果を表1に示す。また、比較例1〜比較例9で得た各種の焼結磁石に対しても同様の恒温恒湿試験を行い、磁石の耐食性を評価した。結果を表2に示す。
表1と表2から次のことが明らかになった。実施例1〜3の磁石は、工程Aを行った後に工程Bを行っていることにより、工程Bを行っていない比較例1〜3の磁石に比較して、恒温恒湿試験後の磁石の重量増加の程度が極めて僅かであり、このまま使用しても実用上問題のない耐食性を有する磁石であることがわかった。この結果は、工程Bを行うことによって磁石の表面が改質され、工程Aを行うことに伴って磁石の表面に形成される安定性に劣るR含有層の酸化腐食の進行が抑制されたことによるものと考えられた。実施例12、13の磁石と比較例4、5の磁石の対比においても同様の結果であったことから、工程Bによる磁石の表面改質効果は、工程Aの種類を問わず得られることがわかった。実施例1の磁石と実施例2の磁石と実施例3の磁石の対比から、工程Bによる磁石の表面改質効果は、工程Bを行う前にブラスト加工や表面研削加工を行うことで高まることがわかった。工程Aを行った後に表面研削加工と化成処理を行った比較例6の磁石、工程Aを行わずに表面研削加工と工程Bを行った比較例7の磁石、工程Aを行わずに表面研削加工と化成処理を行った比較例8の磁石、工程Aも工程Bも行わずに表面研削加工だけを行った比較例9の磁石は、恒温恒湿試験後の磁石の重量増加の程度が比較的僅かであったが、工程Aを行った後に表面研削加工と工程Bを行った実施例3、6、17の磁石における恒温恒湿試験後の磁石の重量増加の程度と比較するとその程度は大きいものであった。実施例1の磁石と実施例12の磁石と実施例14の磁石の対比から、工程Bによる磁石の表面改質効果は、工程Aとして、特許文献1に記載の離間拡散法を採用した場合や、公知のEB蒸着によって磁石の表面にRH被膜を形成した後に熱処理することでRHを拡散導入する方法を採用した場合でも得られるが、その程度は工程Aとして接触拡散法を採用した場合の方が優れることがわかった。実施例1、4、7、8の磁石と実施例9の磁石の対比から、工程Aとして接触拡散法を採用する場合、RH拡散導入材はRHの他にFeを含むものの方が含まないものに比較して工程Bによる表面改質効果が優れることがわかった。実施例1〜実施例3の磁石と実施例4〜実施例6の磁石の対比から、工程Bを行う雰囲気を形成する水蒸気分圧は低い方がよいことがわかった。
(密着性評価試験)
実施例18と比較例10で得た表面にAl被膜を有する焼結磁石それぞれに対し、JIS−K5600−5−6に準拠したクロスカット試験を行い、Al被膜の密着性を評価した。その結果、実施例18のAl被膜については膜剥がれが全く認められなかったが、比較例10のAl被膜については36マス中31マスに膜剥がれが認められた。以上の結果から、実施例1の工程Bによる磁石の表面改質効果により、磁石の表面に優れた密着性をもってAl被膜を形成できるようになることがわかった。
(R−Fe−B系焼結磁石に対するDyの拡散導入効果)
実施例1〜実施例17で得た表面改質された焼結磁石は、処理を行う前の焼結磁石に比較して、250kA/m〜350kA/m程度の保磁力の向上が認められた。しかしながら、実用上問題となる残留磁束密度の低下は認められなかった。
本発明は、優れた耐食性を有するとともに、優れた密着性をもって金属被膜や樹脂被膜などの耐食性被膜を表面に形成することができる、RLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
1 R−Fe−B系焼結磁石
2 RH拡散導入材
3 円筒形容器
4 ヒータ
5 蓋
6 排気装置
7 モータ

Claims (7)

  1. 軽希土類元素(RL)の一部が重希土類元素(RH)によって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石の製造方法であって、処理対象とするR−Fe−B系焼結磁石に対してRHを外部から拡散導入する工程Aを行った後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1000Pa未満であり、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)が1〜20000の雰囲気下、200℃〜500℃で熱処理を行う工程Bを行うことを特徴とする製造方法。
  2. 処理室内に、R−Fe−B系焼結磁石とRHを外部から拡散導入するためのRH拡散導入材を相対的に移動可能かつ近接または接触可能に収容し、両者を処理室内にて連続的または断続的に移動させながら500℃〜1000℃で熱処理を行うことで工程Aを行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. FeをRHの他に含む合金からなるRH拡散導入材を使用することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 合金のFe含有量が30mass%〜80mass%であることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 工程Bの水蒸気分圧を45Pa以下とし、かつ、酸素分圧と水蒸気分圧の比率を450〜20000とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程Aを行った後のR−Fe−B系焼結磁石に対し、ブラスト加工および/または表面研削加工を行った後、工程Bを行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とするRLの一部がRHによって置換されてなるR−Fe−B系焼結磁石。
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