JP5326730B2 - 耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法 - Google Patents

耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法に関する。
Nd−Fe−B系永久磁石に代表されるR−Fe−B系永久磁石やSm−Fe−N系永久磁石に代表されるR−Fe−N系永久磁石などの希土類系永久磁石は、資源的に豊富で安価な材料が用いられ、かつ、高い磁気特性を有していることから、特にR−Fe−B系永久磁石は今日様々な分野で使用されている。しかしながら、希土類系永久磁石は反応性の高い希土類金属:Rを含むため、大気中で酸化腐食されやすく、何の表面処理をも行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招く。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。
上記の点に鑑み、希土類系永久磁石に優れた耐食性を付与することを目的として、その表面にAl被膜を蒸着法などの気相めっき法によって成膜することが行われている。Al被膜は耐食性に優れていることに加え、部品組み込み時に必要とされる接着剤との接着信頼性に優れている(接着剤が本質的に有する破壊強度に達するまでに被膜と接着剤との間で剥離が生じにくい)ので、強い接着強度が要求される希土類系永久磁石に対して広く適用されおり、表面にAl被膜を有する希土類系永久磁石は、各種モータなどに組み込まれて使用されている。
各種モータの中でも、自動車用モータに組み込まれる希土類系永久磁石は、使用環境の温度変化が激しく、かつ、寒冷地域においては道路に散布される凍結防止剤に含まれる塩素イオンに晒されたり、海岸近辺では塩水に晒されたりすることから、最も過酷な使用環境にある磁石と言える。従って、自動車用モータに組み込まれる希土類系永久磁石には、最も過酷な耐食性試験である塩水噴霧試験を行っても優れた耐食性を発揮することが要求されるが、残念ながらAl被膜の耐塩水性は必ずしも十分なものではない。表面にAl被膜を有する希土類系永久磁石の耐塩水性を向上させる方法としては、Al被膜の表面に、化成処理被膜を積層形成したり(特許文献1)、金属酸化物被膜を積層形成したり(特許文献2)する方法が考えられるが、それでもなお耐塩水性が十分でないといった問題がある。このような問題に対処するため、本発明者は、特許文献3において、希土類系永久磁石に耐塩水性を付与する方法として、磁石の表面にMgを質量%〜10質量%含むAl被膜を蒸着形成する方法を提案した。この方法は、希土類系永久磁石に耐塩水性を付与する方法として優れたものであることは自他共に認めるところであるが、昨今、希土類系永久磁石にはさらなる耐塩水性の向上が求められている。
特開2000−150216号公報 特開2000−232011号公報 特開2005−191276号公報
そこで本発明は、耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石を酸化熱処理することで、希土類系永久磁石の耐塩水性が向上することを見出した。
上記の知見に基づいて完成された本発明の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1記載の通り、希土類系永久磁石の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が0.1Pa〜1000Pa(但し1000Paを除く)の雰囲気下で200℃〜500℃で酸化熱処理を行う工程を含んでなることを特徴とする(但し前記酸化熱処理を行った後にその表面にポリイミド樹脂被膜を形成した希土類系永久磁石を除く)。
また、請求項2記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法において、酸化熱処理を、酸素および/または水蒸気を利用して形成される酸化性雰囲気下で行うことを特徴とする。
また、請求項3記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1または2記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法において、酸化熱処理を、大気中で行うことを特徴とする。
また、請求項4記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法において、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)を1〜400とすることを特徴とする。
また、請求項5記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法において、常温から熱処理を行う温度までの昇温を、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1×10−3Pa〜100Paの雰囲気下で行うことを特徴とする。
また、本発明の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石は、請求項6記載の通り、請求項1記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法にて製造されてなることを特徴とする。
また、請求項7記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石は、請求項6記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石において、Mgを含むAl被膜を蒸着形成した磁石の被膜との界面に改質層が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明の希土類系永久磁石の耐塩水性向上方法は、請求項8記載の通り、希土類系永久磁石の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が0.1Pa〜1000Pa(但し1000Paを除く)の雰囲気下で200℃〜500℃で酸化熱処理を行うことを特徴とする(但し前記酸化熱処理を行った後にその表面にポリイミド樹脂被膜を形成した希土類系永久磁石を除く)。
本発明によれば、耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法を提供することができる。
本発明を実施するために用いることができる蒸着装置の一例の模式的正面図である。 本発明を実施するために用いることができる連続処理炉の一例の概略図(側面図)である。 実施例1における酸化熱処理を行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片の電界放出型走査電子顕微鏡を用いた断面観察(蒸着被膜形成部)の結果を示す写真である。
本発明の本発明の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法は、希土類系永久磁石の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した後、200℃〜500℃で酸化熱処理を行う工程を含んでなることを特徴とするものである。表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石を酸化熱処理することで、希土類系永久磁石の耐塩水性を向上させることができる。表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石を酸化熱処理することで耐塩水性が向上する理由は次のように考えられる。まず、希土類系永久磁石は、その製造工程における最終段階で行われる寸法調整などを目的とした機械的加工や、表面清浄化を目的としたブラスト加工などにより、磁石表面に加工劣化層(表面から深さ数μm〜数10μmの微細なクラックや歪みが発生した領域)が発生することが知られているが、磁石表面に発生した加工劣化層は蒸着被膜を形成した後でも磁石の被膜との界面に残存していると考えられる。その結果、蒸着被膜特有の柱状晶組織に由来する僅かな隙間や、蒸着被膜に欠陥があればその欠陥を通じて塩水が磁石表面に到達し、磁石表面に到達した塩水が加工劣化層から磁石の内部に浸入することで腐食の原因となる。本発明において行う酸化熱処理は、この磁石の被膜との界面に残存する加工劣化層の修復に寄与することで、塩水が磁石の内部に浸入することを効果的に阻止する作用を発揮しているものと思われる。また、希土類系永久磁石の表面に蒸着形成されるMgを含むAl被膜は、蒸気圧の異なるAlとMgを同時に蒸発させて形成されたものであり、被膜全体にわたってMgが均一に分布していないので、被膜中に高い応力分布が発生していると考えられるが、熱処理によってAl被膜中のMgの分布が均一化され、これにより被膜中の応力分布も均一化されたと推察され、このことも表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石の耐塩水性の向上に寄与していると考えられる。
本発明における希土類系永久磁石の表面へのMgを含むAl被膜の蒸着形成は、自体公知の方法で行うことができるが、望ましい方法としては、Mgを含むAlワイヤーを蒸着材料として加熱した溶融蒸発部に連続供給しながら蒸発させることで蒸着形成する方法が挙げられる。この方法は、Al被膜に含ませるMg量(例えば3質量%〜10質量%が望ましい。Mg量が少なすぎると耐塩水性が発揮されない恐れがあり、Mg量が多すぎると被膜中に高い応力分布が発生することで磁石と被膜との密着性が阻害される恐れがある)の制御が容易であり、例えば、特開2001−32062号公報に記載されているような表面処理装置を用いて行うことができる。図1はその模式的正面図であり、図略の真空排気系に連なる処理室(真空槽)1内の下部には、Mgを含むAl10を蒸発させる溶融蒸発部であるハース(蒸着材料を溶融させるための容器)2が、支持テーブル3上に立設されたハース支持台4上に複数個配設されている。また、処理室1内の上方には網状部材で形成された籠状の被処理物保持部5が回転軸6を中心に回転自在に2個並設されている。支持テーブル3の下方内部には、Mgを含むAlワイヤー11が繰り出しリール20に巻回保持されている。繰り出しリール20へのMgを含むAlワイヤー11の巻回方向を水平方向としているのは、ワイヤーの送り方向、即ち、鉛直方向と直交させることによって、送り出されるワイヤーがねじれたりぶれたりすることを防止するためである。Mgを含むAlワイヤー11の先端は、ハース2の内面に向かって臨ませた耐熱性の保護チューブ21によってハース2の上方に案内されている。保護チューブ21の一部には切り欠き窓22が設けられており、この切り欠き窓22に対応して設けられた一対の繰り出しギヤー23によって、Mgを含むAlワイヤー11をハース2内に所定の繰り出し速度で送り出し自在としている。この表面処理装置によれば、被処理物保持部5内に希土類系永久磁石30を収容し、矢示したように被処理物保持部5を回転させるとともに、Mgを含むAlワイヤー11を図略の加熱手段によって所定温度に加熱したハース2に連続供給しながらMgを含むAl10を蒸発させることで、被処理物保持部5内の希土類系永久磁石30の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成することができる。
Alワイヤーに含ませるMg濃度は、3質量%〜10質量%が望ましい。3質量%未満であると希土類系永久磁石の表面に蒸着形成されるAl被膜に含まれるMg量が少なくなり、Al被膜の耐塩水性の向上に寄与するMg濃化相が形成されにくくなることで、Al被膜に優れた耐塩水性を付与できなくなる恐れがある一方、10質量%を超えるとワイヤーの硬度が高まることにより、ワイヤーを溶融蒸発部内に繰り出す作業性が悪くなったり、溶融蒸発部内で溶融されていない蒸着材料がスプラッシュを引き起こしたりする恐れがあるからである。なお、処理室内に酸素が存在すると、蒸着材料を溶融させた段階や蒸発させた段階で、蒸着材料や希土類系永久磁石の表面が酸化し、磁石の表面に密着性に優れたMgを含むAl被膜を形成することができない場合や、Mgが酸化することで、Al被膜に含まれるMg量が蒸着材料に含まれるMg量よりも減少する場合があるので、この点には留意すべきである。
以上の点に鑑みれば、Mgを含むAlワイヤーは水素を含むものが望ましい。蒸着材料を蒸発させた際、処理室内に水素を供給することができるので、別途の手段で処理室外部から水素を供給しなくても、処理室内を還元性雰囲気にして、例えば10−3Pa以上といったような酸素分圧下であっても、溶融させた段階や蒸発させた段階の蒸着材料の酸化を防止することができるからである。Mgを含むAlワイヤーの水素含有量は、1ppm〜20ppmが望ましく、2ppm〜10ppmがより望ましい。1ppm未満であると処理室内に水素を十分に供給することができない恐れがある一方、20ppmを超えると溶融蒸発部において水素がボイリングしてスプラッシュを引き起こす恐れがあるからである。
溶融蒸発部の加熱温度は、1300℃〜1500℃が望ましい。1300℃未満であると蒸着材料を効率よく溶融させることができない恐れがあるからである。蒸着材料を効率よく溶融させることができないと、Alの蒸気圧とMgの蒸気圧の違い(Mgの方が蒸気圧が高い)が、蒸着形成されるAl被膜の金属組成に多大な影響を与え、Al被膜に含まれるMg量が、Alワイヤーに含まれるMg量と大きく異なるといった現象が起こり、意図した金属組成のAl被膜を蒸着形成することができない場合がある。一方、1500℃を超えると周辺温度が高くなり過ぎることでワイヤーが軟化して図1における保護チューブ21の内部で詰まるなどするので、これを溶融蒸発部に円滑に連続供給することができなくなる恐れがあるからである。
Mgを含むAlワイヤーの溶融蒸発部への送り出し速度は、1g/分〜10g/分が望ましく、2g/分〜5g/分がより望ましい。1g/分未満であると蒸着材料を効率よく溶融させることができない恐れがある一方、10g/分を超えると溶融蒸発部内で溶融された蒸着材料が多くなり過ぎることでスプラッシュを引き起こす恐れがあるからである。
なお、Mgを含むAl被膜を希土類系永久磁石の表面に蒸着形成する方法は、真空蒸着法のように蒸着材料を単に加熱によって蒸発させて被膜を蒸着形成する方法であってもよいし、イオンプレーティング法のように蒸発したものをイオン化させて被膜を蒸着形成する方法であってもよい。
以上説明したように、希土類系永久磁石の表面へのMgを含むAl被膜の蒸着形成は、Mgを含む水素含有Alワイヤーを、加熱した溶融蒸発部に連続供給しながら蒸発させることで、容易に行うことができる。しかしながら、希土類系永久磁石の表面へのこのようなAl被膜の蒸着形成は、Mgを含むAlインゴットを用いた電子ビーム加熱による蒸着法(EB蒸着法)によっても行うことができる。但し、EB蒸着法による場合、スプラッシュを引き起こす恐れが強く、また、処理室外部から水素を供給するといった手段を講じなければ、Al被膜に含まれるMg量が、蒸着材料に含まれるMg量よりも減少しやすいこと、高い蒸気圧を有するMgは、溶融した蒸着材料から蒸発しやすいので、溶融した蒸着材料の金属組成が経時的に変化しやすいことなどの点には留意すべきである。
Mgを含むAl被膜の膜厚は、0.1μm〜50μmが望ましい。0.1μm未満であると十分な耐塩水性を付与することができない恐れがある一方、50μmを超えると磁石の小型化や有効体積の確保が困難になり、また、コストの面からも望ましくないからである。Al被膜の膜厚は、より望ましくは3μm〜25μmである。
なお、蒸着形成したAl被膜に対してピーニング処理することで耐塩水性の向上を図ることができる。この作用は、投射材をAl被膜の表面に衝突させることにより、Al被膜の緻密性が高まることによるものと考えられる。ピーニング処理は、例えば、投射材としてガラスビーズやスチールボールなどのAl被膜と同等以上の硬度を有する球状硬質粉末を使用し(中でもガラスビーズが好適である)、投射材を0.1MPa〜0.5MPaの投射圧でAl被膜に対して1分〜60分程度投射するようにして行えばよい。投射圧が0.1MPa未満であるとピーニング処理することの効果が十分に得られない恐れがある一方、投射圧が0.5MPaを超えるとAl被膜の面粗度の悪化を招く恐れがある。
次に、表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石に対する酸化熱処理は、例えば酸素および/または水蒸気を利用して形成される酸化性雰囲気下(大気を利用する場合を含む)で行うことができるが、酸化熱処理は、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が0.1Pa〜1000Pa(但し1000Paを除く)の雰囲気下で行う方法を採用することが望ましい。水蒸気分圧が高い(10hPa(1000Pa)以上)雰囲気下で熱処理を行った場合、Mgを含むAl被膜を蒸着形成した磁石の被膜との界面で多量の水素が発生し、磁石が生成した水素を吸蔵して脆化することで磁気特性が低下してしまう恐れがある。
希土類系焼結磁石の表面に対して所望する改質をより効果的かつ低コストに行うためには、酸素分圧は5×10Pa〜5×10Paが望ましく、1×10Pa〜4×10Paがより望ましい。水蒸気分圧は250Pa〜900Paが望ましく、400Pa〜700Paがより望ましい。また、酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)は1〜400が望ましく、5〜100がより望ましい。処理室内の酸化性雰囲気は、例えば、これらの酸化性ガスを所定の分圧となるように個別に導入することによって形成してもよいし、これらの酸化性ガスが所定の分圧で含まれる露点を有する大気を導入することによって形成してもよい。また、処理室内には、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを共存させてもよい。
熱処理温度を200℃〜500℃と規定するのは、200℃未満の温度で処理を行うと熱処理を行うことによる耐塩水性の向上効果が十分に得られない恐れがある一方、500℃を超える温度で処理を行うと磁石の磁気特性に悪影響を及ぼす恐れやMgを含むAl被膜の軟化による損傷が起こりやすくなる恐れがあるからである。熱処理温度は250℃〜450℃が望ましく、300℃〜400℃がより望ましい。なお、処理時間は1分〜3時間が望ましい。
常温(例えば10℃〜30℃)から熱処理温度までの昇温は、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1×10−3Pa〜100Paの雰囲気下で行うことが望ましい。昇温工程を雰囲気制御せずに例えば大気中で行うと、昇温時に大気中に含まれる水分による酸化反応が、Mgを含むAl被膜を蒸着形成した磁石の被膜との界面で起こることで、水素の発生に伴う磁石の磁気特性の低下を招く恐れがある。また、大気中に含まれる水分の量は季節によって変動するので、年間を通して安定した熱処理を磁石に対して行えない恐れがある。常温から熱処理温度までの昇温速度は100℃/時間〜1800℃/時間が望ましく、昇温時間は20分〜2時間が望ましい。磁石を熱処理温度まで昇温させた後は、すぐさま熱処理工程に移ってもよいし、昇温工程の雰囲気中で磁石をしばらく保持してから(例えば1分〜60分)熱処理工程に移ってもよい。
熱処理を行った後の降温も、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1×10−3Pa〜100Paの雰囲気下で行うことが望ましい。このような雰囲気中で降温することにより、工程中にMgを含むAl被膜の表面が結露して腐食の原因となることを防ぐことができる。
昇温工程、熱処理工程、降温工程は、磁石が収容された処理室内の環境を順次変化させることで行ってもよいし、処理室内をそれぞれの環境に制御した領域に分割し、各領域に磁石を順次移動させることで行ってもよい。
図1(a)は、昇温工程、熱処理工程、降温工程を、内部がそれぞれの環境に制御された領域に分割され、各領域に磁石を順次移動させることで行うことができる連続処理炉の一例の概略図(側面図)である。図1(a)に示す連続処理炉においては、ベルトコンベアなどの移動手段によって磁石を図の左から右に移動させながら各処理を施す。矢印は図略の給気手段と排気手段によって形成される各領域における雰囲気ガスの流れである。昇温領域の入口および降温領域の出口は、例えばエアカーテンで区画され、昇温領域と熱処理領域の境界および熱処理領域と降温領域の境界は、例えば矢印の雰囲気ガスの流れにより区画される(これらの区画は機械的にシャッターで行われてもよい)。図1(b)は、図1(a)に示す連続処理炉の内部を移動する磁石の温度変化を示す図である。このような連続処理炉を用いれば、大量の磁石に対して安定した熱処理を連続的に行うことができる。
また、以上の酸化熱処理の前および/または後に、さらに、酸素分圧が1×10−2Pa〜50Paで水蒸気分圧が1×10−7Pa〜1×10−2Paの雰囲気下、200℃〜600℃で熱処理を行ってもよい。かかる熱処理を付加することにより、希土類系焼結磁石の耐塩水性の向上をより確実なものとすることができる。処理時間は1分〜3時間が望ましい。
なお、本発明が適用される希土類系永久磁石としては、例えば、R−Fe−B系焼結磁石が挙げられるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例と比較例は、例えば、米国特許4770723号公報や米国特許4792368号公報に記載されているようにして、公知の鋳造インゴットを粉砕し、微粉砕後に成形、焼結、熱処理、表面加工を行うことによって得られた17Nd−1Pr−75Fe−7B組成(at%)の42mm×20mm×2mm寸法の焼結磁石(以下、磁石体試験片と称する)を用いて行った。また、蒸着装置は、図1に示したような、直径355mm×長さ1200mmのステンレス製メッシュ金網で作製された円筒形バレルを真空槽内に左右平行に2個有し、円筒形バレルを回転させるとともに、ワイヤー状蒸着材料を溶融蒸発部に連続供給しながら蒸着処理が行えるものを使用した。
(実施例1)
磁石体試験片に対し、サンドブラスト加工を行い、前工程の表面加工で生じた試験片の表面の酸化層を除去した。この酸化層が除去された磁石体試験片を各円筒形バレル内に1.5kgずつ収容し、真空槽内を1×10−1Paになるまで真空排気した後、Arガスを真空槽内の全圧が1.0Paになるように供給した。その後、バレルの回転軸を6.0rpmで回転させながら、バイアス電圧0.5kVの条件下、15分間グロー放電を行って磁石体試験片の表面を清浄化した。
続いて、Arガス圧1.0Pa、バイアス電圧1.0kVの条件下、蒸着材料として水素含有量が5ppmのMgを5質量%含むAlワイヤー(JIS A5356に準拠するもの)をワイヤー送り速度3.9g/分で連続供給しながら、これを加熱して蒸発させ(ハース温度:1400℃)、30分間蒸着を行い、磁石体試験片の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した。
以上のようにして得られた、Mgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片をブラスト加工装置に投入し、窒素ガスからなる加圧気体とともに、投射材として平均粒径が120μmでモース硬度が6の球状ガラスビーズ粉末を、投射圧0.15MPaにて5分間投射して、Mgを含むAl被膜に対してショットピーニングを行った。蛍光X線膜厚計(SFT−7000:セイコー電子社製)を使用して測定したショットピーニングを行ったMgを含むAl被膜の膜厚は6.8μmであった。なお、磁石体試験片とともに円筒形バレル内に収容したガラス板(35mm×10mm×1mm)の表面に蒸着形成されたAl被膜の組成を原子発光分析装置(ICPS−7500:島津製作所社製)を用いて測定したところ、Al被膜に含まれるMg量は6.2質量%であった。
次に、ショットピーニングを行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片に対し、露点0℃の大気(酸素分圧20000Pa,水蒸気分圧600Pa,酸素分圧/水蒸気分圧=33.3)の雰囲気下、340℃で2時間の熱処理を行った。なお、磁石体試験片の室温から熱処理温度までの昇温は、露点−40℃の大気(酸素分圧20000Pa,水蒸気分圧12.9Pa)の雰囲気下、約900℃/時間の昇温速度で行った(昇温時間は25分)。また、熱処理後の降温も、同様の雰囲気下で行った。
こうして得られた酸化熱処理を行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片に対し、35℃−5%NaCl−pH7.0条件(JIS Z 2371に準拠)の塩水噴霧試験(以下同じ)を行い、発錆の有無を観察した。その結果、試験開始から600時間経過後も発錆は観察されず、極めて優れた耐塩水性を発揮するとともに、実用上問題となる磁気特性の劣化も認められなかった。
酸化熱処理を行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片を樹脂埋め研磨後、イオンビーム断面加工装置(SM09010:日本電子社製)を用いて試料作製し、電界放出形走査電子顕微鏡(S−4300:日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて断面観察を行った結果を図3に示す。図3から明らかなように、表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石を酸化熱処理することで、蒸着被膜が形成された磁石の被膜との界面に酸化熱処理による改質層が形成されることがわかった。また、図3中に示した3箇所の組成をエネルギー分散型X線分析装置(EDX:NORAN社製)を用いて分析した結果を表1に示す。表1から明らかなように、蒸着被膜が形成された磁石の被膜との界面に形成された改質層は、磁石素材や被膜に比較して酸素濃度が極めて高いという特徴を有していることがわかった。酸化熱処理の作用には、磁石の被膜との界面に形成されるこの改質層の存在も関与していると思われる。磁石表面に蒸着被膜が存在するにもかかわらず、酸化熱処理を行うことによって磁石の被膜との界面が改質されるという現象は、今回、本発明者によって初めて見出されたものであり、このような現象も表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した希土類系永久磁石の耐塩水性を高める要因になっていると考えられることは驚きに値する。


(実施例2)
実施例1と同じ方法で得たショットピーニングを行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片に対し、大気中、340℃で2時間の熱処理を行った。こうして得られた酸化熱処理を行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片に対し塩水噴霧試験を行い、発錆の有無を観察した。その結果、試験開始から600時間経過後も発錆は観察されず、極めて優れた耐塩水性を発揮するとともに、実用上問題となる磁気特性の劣化も認められなかった。
(比較例1)
実施例1と同じ方法で得たショットピーニングを行ったMgを含むAl被膜を表面に有する磁石体試験片に対し塩水噴霧試験を行い、発錆の有無を観察した。その結果、試験開始から300時間経過後も発錆は観察されず、優れた耐塩水性を発揮したが、試験開始から600時間経過後には発錆が観察された。
本発明は、耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
1 処理室
2 ハース(溶融蒸発部)
3 支持テーブル
4 ハース支持台
5 被処理物保持部
6 回転軸
10 Mgを含むAl(溶融した蒸着材料)
11 Mgを含むAlワイヤー
20 繰り出しリール
21 保護チューブ
22 切り欠き窓
23 繰り出しギヤー
30 希土類系永久磁石


Claims (8)

  1. 希土類系永久磁石の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が0.1Pa〜1000Pa(但し1000Paを除く)の雰囲気下で200℃〜500℃で酸化熱処理を行う工程を含んでなることを特徴とする耐塩水性に優れた希土類系永久磁石(但し前記酸化熱処理を行った後にその表面にポリイミド樹脂被膜を形成した希土類系永久磁石を除く)の製造方法。
  2. 酸化熱処理を、酸素および/または水蒸気を利用して形成される酸化性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法。
  3. 酸化熱処理を、大気中で行うことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 酸素分圧と水蒸気分圧の比率(酸素分圧/水蒸気分圧)を1〜400とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法。
  5. 常温から熱処理を行う温度までの昇温を、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が1×10−3Pa〜100Paの雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法。
  6. 請求項1記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石の製造方法にて製造されてなることを特徴とする耐塩水性に優れた希土類系永久磁石。
  7. Mgを含むAl被膜を蒸着形成した磁石の被膜との界面に改質層が形成されてなることを特徴とする請求項6記載の耐塩水性に優れた希土類系永久磁石。
  8. 希土類系永久磁石の表面にMgを含むAl被膜を蒸着形成した後、酸素分圧が1×10Pa〜1×10Paで水蒸気分圧が0.1Pa〜1000Pa(但し1000Paを除く)の雰囲気下で200℃〜500℃で酸化熱処理を行うことを特徴とする希土類系永久磁石(但し前記酸化熱処理を行った後にその表面にポリイミド樹脂被膜を形成した希土類系永久磁石を除く)の耐塩水性向上方法。
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