JP2012105592A - 後熟ホップ様苦味を呈する高芳醇発酵アルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホップを添加した発酵アルコール飲料において、ホップを従来のような後熟化工程を経ることなしに、ホップ苦味成分に「後熟」と類似した変化を発酵アルコール飲料の製造工程内で生じさせ、添加したホップの苦味成分の質を制御して、後熟ホップ様のホップのまろみとコクとを付与すると共に、良質な苦味質を有する高芳醇の発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】ホップを添加した発酵アルコール飲料の苦味成分を、(1)S−フラクション比率が、0.38以上であり、(2)苦味価B.U.値が、19以上33未満であり、かつ、(3)リナロール含量が、6.8ppb以下であるように調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を提供する。該S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整は、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加後の煮沸時間の調整により行うことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホップを添加した発酵アルコール飲料の製造方法において、ホップ添加後の煮沸時間の制御により、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料、及びその製造方法に関する。
ビールや発泡酒のような発酵アルコール飲料や、ビール風飲料のような発酵アルコール飲料においては、酵母及びホップを用いて発酵アルコール飲料の製造が行われている。このような酵母及びホップを用いた発酵アルコール飲料の製造において、ホップは、通常、ホップ毬花を収穫・乾燥後(通常、8〜9%程度に乾燥される)、ペレットに加工して用いられている。すなわち、発酵アルコール飲料の製造に用いられるホップは、収穫後乾燥して、圧縮若しくは粉砕ペレット状に加工して、低温保存され、使用に際しては、その必要量を仕込み工程の麦汁煮沸の際に投入して苦味成分並びにホップ由来の香気成分を麦汁に移行させ、発酵、貯蔵を経て、発酵アルコール飲料にホップ由来の苦味成分並びに香気成分が付与されている。
ホップは通常、ホップ毬花を収穫・乾燥後、できるだけ速やかにペレットに加工して用いられている。乾燥状態の毬花はそのままの状態に保持すると、保管による酸化で熟成が進み、酸化精油成分が増加し、Humulene Epoxide IIのようなハーブ様の香気成分が増加することが知られている(宮地秀夫著「ビール醸造技術」(1999年12月28日発行)p.29〜66)。また、α酸、β酸の苦味成分は、ホップの保管に伴い低分子の成分に、酸化かつ、もしくは分解することが知られている。意図的に、このようにして調製したホップは「後熟化」したと称し、実際にビール等、発泡性飲料の製造で使用すると、味わいがある、口当たりがよい、コクがある、すっきりしている、まろやかである、上質な味であるとの評価が通常ペレットホップよりも高い評価となった(特開2007−89439号公報)。
小若らは、ホップの保存に伴って非イソα酸態苦味物質群が増加し、化学分析上の苦味価は上昇するが、官能上の苦味の強度は低下し、シャープさがなくなることを、更に小野らはこの非イソα酸態苦味物質群は、逆相HPLC法で分析したときに、イソα酸より前に検出される画分に相当し、この画分をS−フラクションと呼んだ(「醸造物の成分」(財団法人日本醸造協会:平成11年12月10日発行)、p.252〜258)。
ホップの後熟には、2週間程度から1ヶ月を要するものであり(特開2008−228634号公報)、保管条件の制御や指標成分に管理に労力を要した。したがって、発酵アルコール飲料の製造に際して、後熟ホップを用いることは、発酵アルコール飲料に口当たりがよく、コクがある苦味を付与する上で重要なものであるが、ホップの後熟には2週間程度から1ヶ月を要するものであり、また、保管条件の制御や指標成分の管理に労力を要するという問題があることから、該方法を代替できる簡便な方法が開発できれば、まろやかでコクがある苦味の香味に優れた発酵アルコール飲料を提供する上で、極めて望ましいことである。
ビールや発泡酒のようなホップを添加して製造した発泡性アルコール飲料において、マイルドな苦味が後まで持続するという特性を付与するために、高温保管したホップを用いる方法が開示されている(特開2008−212048号公報)。この方法では、発泡性アルコール飲料中の低分子苦味成分(上記S−フラクションに相当する。)の総量が、イソα酸の総量と低分子苦味成分の総量の和の20%以上とすることが示されている。
本発明者らの知見によれば、発酵アルコール飲料の製造工程におけるホップ成分の抽出工程において、ホップを比較的低温の麦汁に接触させた場合には、麦汁中のS−フラクション比率が増加することが認められた(別途、特許出願済み)。該成分はホップ添加後の煮沸工程における煮沸時間が長くなるにつれて、減少することが認められる。そこで、麦汁中のS−フラクション比率を増加するために、ホップ添加後の煮沸工程における煮沸時間を短くすることが考えられるが、しかし一般的には、煮沸が短い場合の課題として、苦味質が悪化すると言われ、これはα酸の異性化反応が不十分なため好ましくない苦味を生じる懸念があるためである(特開平6−240288号公報)。
したがって、後熟ホップ様のホップのまろみと、良質な苦味質を有する発酵アルコール飲料を製造するためには、これらの成分の生成を両立できる有効な手段を開発することが課題となるところである。
特開平6−240288号公報 特開2007−89439号公報 特開2008−212048号公報 特開2008−228634号公報
宮地秀夫著「ビール醸造技術」(1999年12月28日発行)p.29〜66 「醸造物の成分」(財団法人日本醸造協会:平成11年12月10日発行)、p.252〜258
本発明の課題は、発酵アルコール飲料の製造方法において、添加したホップの苦味成分の質を制御し、まろみとコクを有する苦味を付与した発酵アルコール飲料の製造方法を提供すること、特に、発酵アルコール飲料の製造工程において、ホップを従来のような後熟化工程を経ることなしに、ホップ苦味成分に「後熟」と類似した変化を発酵アルコール飲料の製造工程内で生じさせ、しかも、ホップの添加工程における処理により、添加したホップの苦味成分の質を制御して、後熟ホップ様のホップのまろみとコクとを付与すると共に、良質な苦味質を有する高芳醇の発酵アルコール飲料、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討する中で、ホップを添加した発酵アルコール飲料において、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有する高芳醇な発酵アルコール飲料とするには、発酵アルコール飲料の苦味成分におけるS−フラクション比率、苦味価B.U.値、及び、リナロール含量の値が重要であり、該S−フラクション比率、苦味価B.U.値、及び、リナロール含量の値を調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、しかも、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。また、本発明においては、S−フラクション比率、苦味価B.U.値、及び、リナロール含量の値が調整された発酵アルコール飲料の製造を、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加後の煮沸時間の調整及び煮沸時間の相違するホップ苦味抽出成分の組合せによって行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ホップを添加して製造する発酵アルコール飲料の製造において、該発酵アルコール飲料の苦味成分を、(1)S−フラクション比率が、0.38以上であり、(2)苦味価B.U.値が、19以上33未満であり、かつ、(3)リナロール含量が、6.8ppb以下であるように調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を製造するホップ香気の調整方法からなる。
ここで、「S−フラクション比率」は、HPLC用カラム:Nucleosil 100−5C18 4.0×250mmを用い、蒸留水27%、メタノール72%、及び、リン酸1%からなる移動相Aとメタノール99.0%、及びリン酸1.0%からなる移動相Bを、1ml/分の一定流速で、運転開始から10分までを移動相Aを100%、10分から40分の間に移動相Aから移動相Bに置換し、40分以降を移動相B100%で送液し、270nmの検出波長のHPLCによる測定をした場合において、イソα酸ピーク以前に検出される全てのピークの面積の総和として定義されるS−フラクションの、S−フラクション+イソα酸に対する比率として定義される。「苦味価B.U.値」は、3N HClで酸性とした10.0ml試料を、イソオクタン20mlで抽出して、イソオクタン層を275nmでイソオクタンを対象として吸光度を測定し、その値に50を乗じて求めた値として定義される。
また、本発明は、ホップ苦味成分抽出工程を含む発酵アルコール飲料の製造方法において、該ホップ苦味成分の煮沸抽出工程におけるホップの添加後の煮沸時間を調整して、ホップ抽出液のS−フラクション比率が0.38以上であり、苦味価B.U.値が19以上33未満であり、かつ、リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を製造する方法からなる。
すなわち、本発明者は、ホップの麦汁への添加後の苦味成分の変化と苦味の質の変化について鋭意検討する中で、これまでの知見から、苦味の質を改善するために、苦味成分のうちS−フラクションの比率に注目してきた。このS−フラクションの増加は、後熟ホップにおいて確認された変化であるが、更には低温の麦汁に接触させた後、徐々に温度を上げて煮沸を行った場合(特願2010−2319号)においても観察され、両者とも官能上の苦味質が、まろやかになる、コクがあると香味が良好になることが確認された。
このS−フラクションの挙動について、鋭意研究を行ったところ、ホップ添加の後、あまり煮沸を行わない場合においても、S−フラクションが上昇することを見出した。しかし、一般的に言われているように、あまり煮沸を行わない場合は、煮沸による苦味質の生成が不足することから、苦味の質が悪化するといった課題がある。したがって、ホップの煮沸が短時間になると、S−フラクション増加による苦味の良質化と苦味の悪化との両方が起こっていることになる。また、ホップの抽出工程において、ホップ添加後の煮沸時間を短時間にすると、ホップ煮沸の短時間化によって生じる青草様のホップ香気が付与される。
そこで、本発明者は、モデル実験系を用いてS−フラクションの挙動及びリナロール(Linalool)の挙動を調査した。具体的には、ホップ水煮沸液を調製し、その後、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLC)にて苦味成分を、質量分析計付きガスクロマトグラフィーで香気成分の解析を行った。その結果、ホップ成分の抽出における煮沸工程のホップ添加時期により、差異が確認され、ホップの煮沸時間が短い場合、S−フラクションの増加が確認できた。同時にホップ香の成分であるリナロールも高濃度残存することを確認した。これらの成分は、煮沸時間が長くなるにつれて、急速に減少した。
そこで、試験醸造品を用い、煮沸によるS−フラクションの減少に対して、あまり煮沸を行わないでS−フラクションを保持させ、しかも、煮沸によりホップ香の成分であるリナロールを効果的に減少させる条件についての検証を行った。その結果、後熟ホップ様のホップのまろみとコクを保持するためには、S−フラクション比率が、0.38以上であることが必要であり、該S−フラクション比率を保持することにより、官能評価上、「苦味が温和になる」といった良質化が確認できた。一方、青草様のホップ香の成分であるリナロールは、該ホップ香の付与を回避するためには、リナロール含量が6.8ppb以下であることが必要であることが確認された。そこで、ホップ成分の抽出における煮沸工程のホップ添加後の煮沸時間において、S−フラクション比率を、0.38以上に保持し、しかも、煮沸によるリナロールの減少によりリナロール含量が6.8ppb以下になるような煮沸時間の検証を行ったところ、例えば、煮沸時間15分以内という比較的短い煮沸時間において、該条件を満足できる条件があることを見い出した。
また、ホップ煮沸の短時間化によって生じる、煮沸による苦味質の生成が不足することから、苦味の質が悪化するといった課題の検証を行った結果、苦味質の生成不足からの苦味質の悪化を回避するためには、苦味価B.U.値が19以上であることが必要であることが確認された。そこで、該条件を満足するためには、上記のようにホップ煮沸時間の短いものに、ホップ煮沸時間の長いものを組合わせることによって、達成できることを見い出した。また、かかる場合の苦味価B.U.値の付与において、超臨界二酸化炭素抽出ホップエキスを通常ホップと併用することでも、効果的な苦味価B.U.値の付与が可能であることを見出した。
上記のとおり、本発明の高芳醇発酵アルコール飲料は、ホップ苦味成分の煮沸抽出工程におけるホップの添加後の煮沸時間を調整して、ホップ抽出液のS−フラクション比率が0.38以上であり、特に望ましくは0.4以上であり、苦味価B.U.値が19以上33未満であり、かつ、リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整される。かかるホップ添加後の煮沸時間の調整には、ホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のものとの混合により調整することができる。かかるホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長煮沸時間のものとの混合による調整は、煮沸時間15分以内のものと煮沸時間15〜60分のものとの混合により調整することができる。
本発明のS−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整において、苦味価B.U.値の調整には、ホップ抽出液を煮沸した成分を追加混合することにより行うことができる。かかるホップ抽出液としては、超臨界二酸化炭素によって抽出されたホップ抽出液を用いることができる。ただし、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液の残渣物は、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整に使用しないようにする。
また、本発明は、ホップ苦味成分抽出工程を含む発酵アルコール飲料の製造方法において、該ホップ苦味成分の煮沸抽出工程におけるホップの添加後の煮沸時間を調整して、ホップ抽出液のS−フラクション比率が0.38以上であり、苦味価B.U.値が19以上33未満であり、かつ、リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整することからなる高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法からなるが、かかる高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法において、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整は、ホップ添加後の短い煮沸時間のもので、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のもので、苦味価B.U.値が19以上を保持するものとの混合により調整することができる。
該ホップ添加後の煮沸時間の調整は、発酵アルコール飲料の製造におけるホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加時期の調整により、ホップ添加後の煮沸時間を調整して行うことができる。例えば、ホップ添加後の煮沸時間が15〜60分のものであり、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するようにしたホップ添加後の長い煮沸時間のものと、ホップ添加後の煮沸時間が15分以内のものであり、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したホップ添加後の短い煮沸時間のものであるように調整することにより、ホップ添加後の煮沸時間を調整することができる。
また、本発明においては、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整を、ホップ抽出液を煮沸した成分を追加混合することにより行うことができる。該ホップ抽出液としては、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液を挙げることができる。かかる場合のホップ抽出液として、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液を挙げることができる。
すなわち、具体的には本発明は、[1]ホップを添加して製造する発酵アルコール飲料において、該発酵アルコール飲料の苦味成分が、(1)HPLC用カラム:C18(オクタデシル)カラム、粒径5μm、カラム長250mm、内径4.0mmを用い、蒸留水27%、メタノール72%、及び、リン酸1%からなる移動相Aとメタノール99.0%、及びリン酸1.0%からなる移動相Bを、1ml/分の一定流速で、運転開始から10分までを移動相Aを100%、10分から40分の間に移動相Aから移動相Bに置換し、40分以降を移動相B100%で送液し、270nmの検出波長のHPLCによる測定をした場合において、イソα酸ピーク以前に検出される全てのピークの面積の総和として定義されるS−フラクションの、S−フラクション+イソα酸に対する比率:S−フラクション比率が、0.38以上であり、(2)3N HClで酸性とした10.0ml試料を、イソオクタン20mlで抽出して、イソオクタン層を275nmでイソオクタンを対象として吸光度を測定し、その値に50を乗じて求めた値として定義される苦味価B.U.値が、19以上33未満であり、かつ、(3)リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整することにより、後熟ホップ工程を経ることなく、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様の香気の無い、ホップ香気を付与することを特徴とする発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法や、[2]S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整が、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加後の煮沸時間の調整によるものであることを特徴とする前記[1]記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法や、[3]ホップ添加後の煮沸時間の調整が、ホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のものとの混合により調整されることを特徴とする前記[2]記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法や、[4]ホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長煮沸時間のものとの混合による調整が、煮沸時間15分以内のものと煮沸時間15〜60分のものとの混合による調整であることを特徴とする前記[3]記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法や、[5]S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整が、ホップ抽出液を煮沸した成分を追加混合することにより調整されたものであることを特徴とする前記[3]又は[4]記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法からなる。
また、本発明は、[6]ホップ抽出液が、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液であることを特徴とする前記[5]記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法や、[7]ホップ苦味成分抽出工程を含む発酵アルコール飲料の製造方法において、前記[1]〜[6]のいずれか記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法を用いることにより、後熟ホップ工程を経ることなく、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様の香気の無い、ホップ香気を発酵アルコール飲料に付与することを特徴とする後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[8]ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整が、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加時期の調整により、ホップ添加後の煮沸時間を調整して、発酵アルコール飲料の苦味成分についてのS−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量を調整することにより行われることを特徴とする前記[7]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[9]ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加時期を調整することにより、ホップ添加後の煮沸時間が15〜60分のものであり、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するようにしたホップ添加後の長い煮沸時間のものと、ホップ添加後の煮沸時間が15分以内のものであり、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したホップ添加後の短い煮沸時間のものであるように調整したことを特徴とする前記[8]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法からなる。
さらに、本発明は、[10]ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ苦味成分抽出工程のホップ香気の調整を、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量について、ホップ添加後の短い煮沸時間のもので、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のもので、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するものとの混合により調整することを特徴とする前記[7]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[11]ホップ添加後の短い煮沸時間のもので、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したものが、ホップ添加後の煮沸時間が15分以内のものであり、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するものが、ホップ添加後の煮沸時間が15〜60分のものであることを特徴とする前記[10]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[12]ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ苦味成分抽出工程のホップ香気の調整を、ホップ抽出液の煮沸時間が短いもの、及び/又はホップ抽出液の煮沸時間が長いものを追加混合することにより、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量を調整することを特徴とする前記[7]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[13]ホップ抽出液が、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液であることを特徴とする前記[12]記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法や、[14]前記[7]〜[13]のいずれか記載の発酵アルコール飲料の製造方法により製造されたことを特徴とする後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料からなる。
本発明は、発酵アルコール飲料の製造工程において、ホップを従来のような後熟化工程を経ることなしに、ホップ苦味成分に「後熟」と類似した変化を発酵アルコール飲料の製造工程内で生じさせ、しかも、ホップの煮沸工程における煮沸時間の調整により、添加したホップの苦味成分の質を制御して、後熟ホップ様のホップのまろみとコクとを付与すると共に、良質な苦味質と、青草様のホップ香気の無い、高芳醇の発酵アルコール飲料を提供する。
本発明のホップ苦味成分の特定値である「S−フラクション」の定義の説明のためのHPLC分析チャートを示す図である。 本発明の実施例におけるモデル実験系ホップ水煮沸試験による化学変化の確認試験において、煮沸時間とS−フラクション比率、及び煮沸時間とリナロール含量の挙動についての結果を示す図である。 本発明の実施例におけるS−フラクションの苦味質への影響を検証する試験結果に基いて、苦味の質とS−フラクション、苦味価の関係を示した図である。
本発明は、ホップを添加して製造する発酵アルコール飲料の製造において、該発酵アルコール飲料の苦味成分を、(1)S−フラクション比率が、0.38以上であり、特に望ましくは0.4以上であり、(2)苦味価B.U.値が、19以上33未満であり、かつ、(3)リナロール含量が、6.8ppb以下であるように調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を製造するホップ香気の調整方法からなる。また、本発明は、ホップ苦味成分抽出工程を含む発酵アルコール飲料の製造方法において、該ホップ苦味成分の煮沸抽出工程におけるホップの添加後の煮沸時間を調整して、ホップ抽出液のS−フラクション比率が0.38以上であり、特に望ましくは0.4以上であり、苦味価B.U.値が19以上33未満であり、かつ、リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整することにより、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇発酵アルコール飲料を製造する方法からなる。
[(1)ホップ水煮沸液の試料調製]
ホップは、チェコ産ザーツ種、ドイツ産ヘルスブルッカー種を用いた。0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.6)1Lに、1〜5gを添加し、60分煮沸を行った。ホップの添加時期は、煮沸開始時、すなわち100℃に達した後、所定時間において、それぞれ添加した。この様にして調整したホップ水煮沸液について、以下の通り苦味価、リナロール含量を測定した。また、ホップ水煮沸液は、HPLC分析にも供した。
[(2)苦味価の測定]
ホップ水煮沸液は2ml、発泡性飲料は10mlを用いた。各試料に、1mlの3N塩酸を加えた後、20mlのイソオクタンを加え、振とう、静置した。この溶液は、試料から成る水溶層とイソクタンから成る有機溶媒層の2層に分離し、イソオクタン有機溶媒層から10mlを採取した。試料は、波長275nmの吸光度で測定し、その値に50を乗じて求めた。
[(3)HPLC分析のための試料の調製]
(2)の手順で得たイソオクタン有機溶媒層10mlを採取した後、窒素がガス噴霧下で完全に乾燥させ固体化させた。これにリン酸メタノール溶液(リン酸:メタノール=30ml:300ml)を1ml加え、溶解したものをHPLC分析用試料とした。
[(4)HPLC分析によるS−フラクションおよびS−フラクション比率の算出]
HPLCの分析条件は、以下の通りである。
<HPLC分析条件>
カラム:Nucleosil 100−5C18 4.0×250mm
サンプル注入量:50μl
移動相A組成:蒸留水27.0%、メタノール72.0%、リン酸1.0%
移動相B組成:メタノール99.0%、リン酸1.0%
移動相流速:1ml/min(流速一定)
検出波長:270nm
グラジエントプログラム
上記条件によるHPLC分析の送液の条件を表1に示す。
HPLC用カラム;Nucleosil 100−5C18 4.0×250mm(C18(オクタデシル)カラム、粒径5μm、カラム長250mm、内径4.0mm)を用いて、蒸留水27%、メタノール72%、および、リン酸1%からなる移動相Aを、1ml/分の一定流速で270nmの検出波長のHPLCによる測定をした場合において、イソα酸ピーク以前に検出される全てのピークの面積を総和し、「S−フラクション」で表した(図1)。またイソα酸のピークの面積の総和も同様にピークの総和として求めた。後述するS−フラクション比率は、次の通り定義した。
[S−フラクション比率]=(S−フラクション面積)/(S−フラクション面積+イソα酸面積)
[(5)質量分析計付きガスクロマトグラフィー(以下、GC/MS)によるホップ香気成分の分析によるリナロール(Linalool)の算出]
発明に用いるGC/MSは市販の装置であれば問題なく使用可能である。香気の成分の抽出方法は、C18固相カラムで抽出し、それをGC/MSに供した。定量は内部標準法を用いた。内部標準物質にはBorneolを用い試料中25ppbになるよう添加した。Borneolの特定イオン110m/z、リナロールの特定イオン93の相対的強度から濃度を決定した。GC/MSにおけるホップ香気成分の分析条件は以下のとおりである。
[(6)試験醸造用サンプル調製方法と官能評価]
評価に用いた貯酒サンプルは1.5Lスケールの装置を用いて作成した。仕込麦汁13.5度に調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率67%,副原料(米・コーングリッツ・コーンスターチ)使用比率33%)をサンプルとして煮沸試験に用いた。電気ヒーターで麦汁を加温煮沸し、煮沸強度は一定で、60分間で蒸発率が10%となるようにコントロールして行い、煮沸終了後、蒸発量と同量の水をサンプルに追加した上で、95℃で60分麦汁静置させた。ろ紙ろ過後、氷水で麦汁を冷却させた麦汁にビール酵母を添加し、1週間主発酵、4日間後発酵を行なったサンプルを試飲用貯酒サンプルとした。使用したホップの品種は、ドイツ産ヘルスブルッカー種と後述する少精油ホップエキスを用いた。試験の詳細は、実施例における表4に記載した。官能評価は、3名の官能評価パネルが試飲を行った。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
[S−フラクション比率、リナロール生成についての検証]
<(1)モデル実験系ホップ水煮沸試験による化学変化の確認>
ドイツ産ヘルスブルッカー種を用い水煮沸試験を行った。煮沸時間は60分、煮沸終了後はそのまま1時間静置した。ホップは、70℃に達した時点で添加し、20分間で100℃に昇温し、そのまま60分煮沸した試験区(1−4)、煮沸開始時(100℃)で添加した試験区(1−3)、煮沸開始から30分後に添加した試験区(1−2)、煮沸終了後に添加した試験区(1−1)で試料を調製した。試料は、S−フラクション及びイソフムロンを分析し、S−フラクション比率を求めた。またリナロールも定量した。結果を表3(水煮沸モデル試験系による検証)に示す。
S−フラクション比率は、70℃添加(1−4)と100℃添加(1−3)では、前者の方(1−4)が高くなることを確認し、先に得られた知見が再現され(特許出願2010−2319)、実験系が妥当であることを検証した。煮沸開始から30分後に添加した試験区(1−2)、煮沸終了後に添加した試験区(1−1)でのS−フラクション比率は、更に、高い値を示し0.5台(1−2)から0.6台(1−1)となった。このことからホップを添加してから煮沸時間が短いほど、S−フラクション比率が高くなり、苦味の質も良好になる可能性が示唆された(図1:煮沸時間とS−フラクション比率とリナロールの挙動)。
リナロールには、大きな差異が得られた。試験区1−1では、約120ppbと極めて高く、強いホップ香を呈した。30分煮沸した1−2では、リナロールは約10ppbとホップ香の存在を明確に感じた。一方、試験区1−3と1−4では、リナロールは2ppb以下の値となり、ホップ香を感じなかった。
(評価)
苦味の質をまろやかにするS−フラクションは、ホップをあまり煮沸しないことで元来ホップ中に含まれる該成分を効率的に抽出し、S−フラクション比率を増加させ、結果、苦味の質を悪化させることなく、良質な苦味をホップから引き出すことが可能であることを確認した。該方法は、言い換えるなら、後熟成分の高効率抽出法であるといえる。
また、煮沸時間と香成分としてのリナロール及びS−フラクション比率との変動を検証した結果、指標として、ホップの添加のタイミング及び量(添加時期の異なるものの組合わせ)を制御することで、S−フラクション比率0.4以上、リナロール含量6.8ppbという高芳醇発酵アルコール飲料調製の条件を達成できることを検証した。また、青草様のホップ香成分をできるだけ少量となるよう、加工工程を制御した炭酸ガス(超臨界二酸化炭素)抽出ホップエキス(以下、少精油ホップエキス)を通常ホップと併用することを検討した結果、ホップ香の顕在化は回避できたが、後熟様の良質な苦味質は得られなかった。すなわち、少精油ホップエキスのみの使用では、ホップ香の強度を弱めることはできたが、苦味の質は好ましくないことが確認した。その理由は、炭酸ガス抽出工程に由来するものであると考えられる。すなわち、炭酸ガスを抽出溶媒として、超臨界条件下で抽出する本加工方法は、一般に、極性の小さな化学成分の抽出には有効であることが知られており、そのため極性が低いホップα酸の抽出に使用されてきた。一方、極性の高い成分の抽出では、抽出効率が低いことが知られている。このことはホップα酸またはβ酸酸化分解物に相当するS−フラクションを構成する成分の抽出には、相応しくなく、その結果、このようなホップ加工品にS−フラクションは少ないため苦味の質が悪化すると考えられた。
[S−フラクション比率、リナロール生成の条件についての検証]
この実施例においては、ホップをあまり煮沸しない場合においてS−フラクション比率を高めた場合の苦味質の改善効果について、及び、リナロールの量を低く抑え、ホップ香を低減する条件と、苦味質の改善とを同時に成立する条件の検証を行った。
<試験醸造品による検証>
ドイツ産ヘルスブルッカー種とホップの香り成分を出来るだけ少量となるよう加工工程を制御したドイツHopfenSteiner社製炭酸ガス抽出ホップエキス(以下、ホップエキス)を用い試験醸造品を作製した。ホップ添加時期を変更し、異なる成分値になるよう試験醸造し、さらに混合品を作り分析および官能評価を行った。表4(試験醸造品の結果)には、試験の詳細を記したが、ホップ又は少精油ホップエキスの添加時期は、煮沸時間の列において、「70℃」は、麦汁の温度が70℃に達した時点で添加し、その後、昇温し100℃、60分煮沸した試験区を意味する。煮沸時間「60分」は、麦汁が100℃に達した時点で添加し、その後、60分煮沸したことを、また煮沸時間「15分」は、煮沸開始から45分後に添加したことを意味する。
(ヘルスブルッカー種を用いた試験区A、B、Cの評価)
(1)60分煮沸、すなわち100℃添加(試験区B)と70℃添加(試験区C)では、S−フラクション比率が、0.38、0.43と後者で増加することを確認した。実施例1同様、70℃ホップ添加でS−フラクション比率の増加を確認した。
(2)官能評価では、試験区Cでは温和な苦味質との評価であったが、試験区Bでは僅かではあるが粗い苦味質となり評価が劣った。また試験区BとCでは、リナロールの値が2ppb以下となり、ホップ香として青草様の香りを感じなかった。
(3)ホップを15分のみ煮沸した試験区Aでは、S−フラクション比率は0.49と高い値を示した。苦味の質は、温和で良好な結果となった。このことは従来言われてきた、あまりホップ煮沸しない場合に懸念された苦味質の悪化を免れた結果となり、後述するホップエキス試験区との比較から、S−フラクション比率に留意すれば、苦味質改善が可能であると考察できた。
(4)一方、試験区Aではリナロールの値が9ppbとなり、青草様、フローラル様と指摘があり、官能上のホップ香強度は高い結果となった。苦味質の改善とホップ香の低減が同時に達成できなかった。
(ホップエキスを用いた試験区DとEの評価)
(1)試験区D(15分煮沸)、E(70℃添加)とも苦味質が好ましくなく粗いもしくはやや粗いとの結果となった。S−フラクション比率は低く、0.27から0.33の値となり、S−フラクション比率が、苦味の質に影響していることを示した。
(2)特に15分しか煮沸していない試験区Dで、ホップ自体を使用した試験区Aとの差異は、興味深い結果である。試験区AとDの違いは、炭酸ガス抽出工程の有無である。この工程の有無の違いが、S−フラクション比率、しいては官能上の苦味の質の違いをもたらしていると考えられた。すなわち炭酸ガスを抽出溶媒として、超臨界条件下で抽出する本加工方法は、一般に、極性の小さな化学成分の抽出には有効であることが知られており、そのため極性が低いホップα酸の抽出に使用されてきた。一方、極性の高い成分の抽出では、抽出効率が低いことが知られている。このことはホップα酸またはβ酸酸化分解物に相当するS−フラクションを構成する成分の抽出には、相応しくなく、その結果、このようなホップ加工品のS−フラクションは少ないため苦味の質が悪化すると考えられた。
(3)以上から、ホップをあまり煮沸してない場合でも、S−フラクション比率に留意すれば、苦味質改善が可能であり、望ましい苦味価を得ることが可能であることを検証できた。
(各試験区のブレンド品の評価)
(1)ヘルスブルッカー種を用いた試験区A、Bを混合させ、ブレンド品1、2を作製した。S−フラクション比率は、いずれも0.4以上となり、リナロールは6.8及び2.5ppbとなった。官能上の苦味質は両者とも良好であり、ホップ香気はブレンド品1でごく僅かな青草様の指摘があったもののかつホップ香気は弱く、問題になる程度ではなかった。このことからホップをあまり煮沸しないホップ使用条件においても、S−フラクション比率とリナロールの値に留意し、ホップの添加時期、添加量を調整すれば、苦味質の改善とホップ香の低減が同時に成立することを検証した。
(2)ホップエキスを用いた試験区D、Eを混合させたブレンド品3、4では、ホップ香の問題はいずれも無かったものの、苦味の質が劣った結果となった。S−フラクション比率も、0.30〜0.31と低く、改めてS−フラクションの苦味の質への影響が確認でき、後熟ホップ様の香味を得るには、S−フラクション比率が重要であることが検証できた。
(3)ヘルスブルッカー種を用いた試験区Aとホップエキスを用いた試験区D、Eを混合させブレンド品5、6を作製し、評価を行った。ブレンド品5では、苦味の質は良好で、S−フラクション比率も0.40と高かったが、一方、リナロールは8.5ppbとなり、ホップ香は強かった。ブレンド品6では、S−フラクション比率は、0.34と低くかつ官能評価でも苦味質がやや粗いとの結果となった。ホップ香気は、ごく弱いとの結果であった。このホップとホップエキスの組み合わせでは、苦味質の改善とホップ香の低減を同時に成立するには至らなかった。
(総括)
以上をまとめると:
(1)ホップをあまり煮沸しない条件において、試験区Aと試験区Dの比較から、S−フラクション比率が苦味質の制御、改善に有効であり、従来言われてきた、あまりホップ煮沸しない場合に懸念された苦味質の悪化は、試験区Dで顕在化したものの、S−フラクション比率が高い試験区Aでは、良質な苦味が確認できた。苦味の質は、S−フラクション比率が、0.4以上となる試験区A、C、ブレンド品1、2および5で、良好な官能評価結果が得られた。
(2)ホップをあまり煮沸しない場合の課題として、ホップ香気の強調があげられたが、S−フラクション比率及びリナロールの値に基づき、ホップの添加時期と添加量を調整し、適正化することが可能であった。結果は、S−フラクション比率が0.4以上となり、かつリナロールの値が6.8ppb以下となった試験区C、ブレンド品1、2で、良好な苦味質と顕在化しない程度のホップ香を得ることができた。一方、ホップ香り成分の少ないホップエキスを使用した場合は、S−フラクションに含まれる成分の性質からS−フラクション比率が低く、苦味の質の改善には、限界があることが示された。
(3)ホップの後熟化を製造工程内で発生させるためには、低温の麦汁に接触させた後、徐々に温度を上げる方法(特許出願2010−2319号)に加え、ホップを添加後、短い煮沸時間でも高いS−フラクション比率が達成可能であることを示した。前者は、所謂、「十分に煮る方法」であり、後者はその対極にあるあまり「煮ない方法」であり、後者の特徴はS−フラクションが水に溶け出しやすい性質を見出し、利用した手法である。
[S−フラクションの苦味質への影響の検証]
この実施例においては、S−フラクションの苦味質への影響を詳細に調べるため、モデル実験系にて検証を行なった。
(試験方法)
S−フラクションは、実施例1の「評価」の項、及び、実施例2の「ホップエキスを用いた試験区DとEの評価」の項で考察したように、極性溶媒との親和性が高く、したがって水のような極性の高い溶媒には容易に抽出されるはずである。そこでザーツ種ホップ5gに水50mlを加え、8℃の低温化で3時間静置した後、遠心分離し、上清を回収した。この回収した上清を、前記「(6)試験醸造用サンプル調製方法」に従い、該方法での試料調製時、仕込み麦汁に添加し、60分煮沸した。この試験醸造用サンプル調製方法において、煮沸抽出に使用したホップ使用量、上清の添加量、上清添加後の煮沸時間を表5に示した。試験の方法について、更に具体的に説明すると、試験区12では、ザーツ種のホップを2gを60分煮沸した。試験区13では、試験区12のホップ添加と同時に上記上清を3ml添加した。試験区16では、ザーツ種のホップを2gを添加、30分煮沸した後、上記上清を3ml添加し、さらに60分煮沸した。
(結果)
結果を、表5に示す。表5に示されるように、リナロールは全ての試験区で1.5ppb以下となり、苦味価は19から33、S−フラクション比率は、0.2859から0.4248、と異なる値の成分値を持つ試料が作成できた。官能評価を行ったところ、試験区19と20で、温和で良好な苦味質を得ることができた。試験区17では良好の範囲であるものの僅かに粗いとの評価結果を得た。他の試験区では、やや粗い、粗いとの評価結果となった。
苦味の質とS−フラクション、苦味価の関係を明確にするため、図3を示した。図3は、表5及び実施例2の表4の試験区、ブレンド品のデータをプロットしたものである。苦味質の評価が良好であった試験品の範囲は、図中の囲み線内に入った。すなわち、試験区B、試験区C、ブレンド品1、ブレンド品2、試験区17、19、20と、リナロールが高かったものの苦味質が良好であった試験区A、ブレンド品5が、囲み線の中に位置付けられた。このことから、S−フラクション比率と苦味価は、特定の範囲で苦味の質を良好になることが確認できた。試験区15は、官能評価で苦味質がやや粗いとの結果となり、良好な結果は得られなかった。この試験区15のS−フラクション比率は0.4以上の値を示したものの、苦味価が33となった。このことは、苦味価が高すぎると苦味の強度そのものが強くなりすぎ、苦味質の改善効果が確認できないことが分かった。
(総括)
この実施例の結果をまとめると:S−フラクション+イソα酸に対する比率:S−フラクション比率は、0.38以上で良質な苦味が確認できた。前記実施例2の結果では、S−フラクション比率が、0.4以上となる試験区で、良質な苦味が確認できているので、これらを総合すると、S−フラクション比率は、0.38以上であり、より望ましくは0.4以上で良質な苦味を得られることが確認された。また、上記試験の結果から、S−フラクション比率が、0.4以上の値を示しても、苦味価が33となると苦味の強度そのものが強くなりすぎ、苦味質の改善効果が確認できなくなることから(表5、試験区15)、苦味価B.U.値は、19以上33未満が望ましいことが確認された。リナロール含量は、実施例2の結果から、6.8ppb以下に調整されていることが望ましい。これらの条件を満足することにより、後熟工程を経ることなしに、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い、高芳醇の発酵アルコール飲料を製造できることが確認された。
[市販品の評価]
この実施例においては、市販ホップ添加アルコール飲料について、苦味価、S−フラクション比率、及び、リナロールの量について測定すると共に香味の評価を行った。
(市販品の評価結果)
市販品の分析結果を表6(市販品の分析結果)に示した。S−フラクション比率が、上記で見出した0.4以上を満足する市販品は少なく、市販品14と15の2点しかなかった。これら市販品14と15のリナロール値は16〜17ppbと高濃度でホップ香も強い結果となった。市販品14、15の苦味価は、それぞれ16、14と非常に低く、故に苦味の強度そのものが非常に弱く、苦味の質を評価するには至らなかった。この弱い苦味強度では、高S−フラクション比率の効果を確認できるものではなかったが、一方、該研究で得られた結果は、表5に示すよう苦味価は比較的低めではあるが19から26であり、良好な苦味質が確認できている。したがって、0.4以上のS−フラクション比率が示す苦味質の良質化は、一定以上の苦味強度下において観察できるものであり、少なくとも苦味価19以上が必要と考えられた。
本発明は、本発明は、発酵アルコール飲料の製造工程において、ホップを従来のような後熟化工程を経ることなしに、ホップ苦味成分に「後熟」と類似した変化を発酵アルコール飲料の製造工程内で生じさせ、しかも、ホップの煮沸工程における煮沸時間の調整により、添加したホップの苦味成分の質を制御して、後熟ホップ様のホップのまろみとコクとを付与すると共に、良質な苦味質と、青草様のホップ香気の無い、高芳醇の発酵アルコール飲料を提供する。

Claims (14)

  1. ホップを添加して製造する発酵アルコール飲料において、該発酵アルコール飲料の苦味成分が、(1)HPLC用カラム:C18(オクタデシル)カラム、粒径5μm、カラム長250mm、内径4.0mmを用い、蒸留水27%、メタノール72%、及び、リン酸1%からなる移動相Aとメタノール99.0%、及びリン酸1.0%からなる移動相Bを、1ml/分の一定流速で、運転開始から10分までを移動相Aを100%、10分から40分の間に移動相Aから移動相Bに置換し、40分以降を移動相B100%で送液し、270nmの検出波長のHPLCによる測定をした場合において、イソα酸ピーク以前に検出される全てのピークの面積の総和として定義されるS−フラクションの、S−フラクション+イソα酸に対する比率:S−フラクション比率が、0.38以上であり、(2)3N HClで酸性とした10.0ml試料を、イソオクタン20mlで抽出して、イソオクタン層を275nmでイソオクタンを対象として吸光度を測定し、その値に50を乗じて求めた値として定義される苦味価B.U.値が、19以上33未満であり、かつ、(3)リナロール含量が、6.8ppb以下となるように調整することにより、後熟ホップ工程を経ることなく、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様の香気の無い、ホップ香気を付与することを特徴とする発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  2. S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整が、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加後の煮沸時間の調整によるものであることを特徴とする請求項1記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  3. ホップ添加後の煮沸時間の調整が、ホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のものとの混合により調整されることを特徴とする請求項2記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  4. ホップ添加後の短い煮沸時間のものと、ホップ添加後の長煮沸時間のものとの混合による調整が、煮沸時間15分以内のものと煮沸時間15〜60分のものとの混合による調整であることを特徴とする請求項3記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  5. S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量の調整が、ホップ抽出液を煮沸した成分を追加混合することにより調整されたものであることを特徴とする請求項3又は4記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  6. ホップ抽出液が、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液であることを特徴とする請求項5記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法。
  7. ホップ苦味成分抽出工程を含む発酵アルコール飲料の製造方法において、請求項1〜6のいずれか記載の発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整方法を用いることにより、後熟ホップ工程を経ることなく、後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様の香気の無い、ホップ香気を発酵アルコール飲料に付与することを特徴とする後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  8. ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ香気の調整が、ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加時期の調整により、ホップ添加後の煮沸時間を調整して、発酵アルコール飲料の苦味成分についてのS−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量を調整することにより行われることを特徴とする請求項7記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  9. ホップ苦味成分抽出工程における、ホップ添加時期を調整することにより、ホップ添加後の煮沸時間が15〜60分のものであり、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するようにしたホップ添加後の長い煮沸時間のものと、ホップ添加後の煮沸時間が15分以内のものであり、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したホップ添加後の短い煮沸時間のものであるように調整したことを特徴とする請求項8記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  10. ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ苦味成分抽出工程のホップ香気の調整を、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量について、ホップ添加後の短い煮沸時間のもので、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したものと、ホップ添加後の長い煮沸時間のもので、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するものとの混合により調整することを特徴とする請求項7記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  11. ホップ添加後の短い煮沸時間のもので、S−フラクション比率0.38以上を保持し、リナロール含量が6.8ppb以下に減少したものが、ホップ添加後の煮沸時間が15分以内のものであり、苦味価B.U.値19以上33未満を保持するものが、ホップ添加後の煮沸時間が15〜60分のものであることを特徴とする請求項10記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  12. ホップを添加する発酵アルコール飲料の製造におけるホップ苦味成分抽出工程のホップ香気の調整を、ホップ抽出液の煮沸時間が短いもの、及び/又はホップ抽出液の煮沸時間が長いものを追加混合することにより、S−フラクション比率、苦味価B.U.値及びリナロール含量を調整することを特徴とする請求項7記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  13. ホップ抽出液が、超臨界二酸化炭素を用いて抽出したホップ抽出液であることを特徴とする請求項12記載の後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料の製造方法。
  14. 請求項7〜13のいずれか記載の発酵アルコール飲料の製造方法により製造されたことを特徴とする後熟ホップ様のホップのまろみとコクと、良質な苦味質を有し、青草様のホップ香気の無い後熟ホップ様香気を有する高芳醇発酵アルコール飲料。
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