JP2012103099A - 部品位置計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば部品をチャックで傾いて把持した場合でも、部品の先端位置を正確に認識できる部品位置計測方法を提供する。
【解決手段】部品1をチャック2で把持し、その把持位置を計測基準位置Aとして部品を移動させ、部品に交差する方向の光線3,4を部品で遮断させ、遮断位置B,B’における部品のチャックを支点とした傾き方向の位置ずれを計測手段で計測し、その計測値を登録済みの計測基準位置と比較してずれ量Hを求め、ずれ量を一辺とし、計測基準位置Aを一点とする仮想三角形aと、遮断位置B,B’と部品の先端との二点を通る仮想三角形bとの相似関係より、部品の先端位置Cの計測補正値hを求め、ずれ量Hと計測補正値hとの総和で部品先端位置ずれ量ΔZを求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザビーム等の光線を部品で遮断した時の部品の位置を計測し、計測結果より三角形の相似関係で部品の先端位置を求める部品位置計測方法に関するものである。
従来、各種電気部品や電子部品あるいは各種電装品等を構成する各種部品の組付工程等における位置を認識するために、種々の部品位置認識方法が知られている。
例えば、第一の方法として、部品の先端部を位置決めすることが挙げられ、第二の方法として、部品を機械式ガイドで案内することが挙げられ、第三の方法として、部品をCCD(画像装置)で認識することが挙げられる。
また、例えば特許文献1には、基板のパッドに部品を吸着ノズルで移載する際に、部品自体の傾き(変形)を考慮して、部品の高さ方向の二箇所の位置をレーザビームの照射で計測して部品の傾きを求め、パッドに対する部品の位置を補正することが記載されている。
特開2010−27897号公報
しかしながら、上記した部品の先端部を位置決めする第一の方法にあっては、部品の小型化(小ピッチ化)に対応できず、また、部品の組付順に制約があるという問題があった。また、部品を機械式ガイドで案内する第二の方法にあっては、例えば凹凸形状が不可で対応可能な部品が制限されたり、ガイドが専用部品であるために、適応可能な部品の種類が限定されるという問題があった。また、部品をCCD(画像装置)で認識する第三の方法にあっては、画素数・レンズ焦点調整等により精度が影響されたり、タクトタイム・設備コストがかかるという問題があった。
また、上記第一〜第三の方法以外の特許文献1記載の部品位置計測方法にあっては、一つの部品を位置を変えて二回計測しなければならず、工数がかかり面倒であるという懸念があった。
また、吸着ノズルではなくチャックで部品を把持して移動させる場合に、部品が少なからず傾いて把持され、部品の先端の位置が狂ってしまうという問題があった。
本発明は、上記した点に鑑み、部品の小型化に対応でき、部品の凹凸形状にも対応でき、部品の適用範囲が広く、汎用性や計測精度が高く、低コストで済み、しかも部品をチャックで傾いて把持した場合でも部品の先端位置を正確に認識できる部品位置計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る部品位置計測方法は、部品をチャックで把持し、その把持位置を計測基準位置として該部品を移動させ、該部品に交差する方向の光線を該部品で遮断させ、遮断位置における該部品の該チャックを支点とした傾き方向の位置ずれを計測手段で計測し、その計測値を登録済みの該計測基準位置と比較してずれ量を求め、該ずれ量を一辺とし、該計測基準位置を一点とする仮想三角形と、該遮断位置と該部品の先端との二点を通る仮想三角形との相似関係より、該部品の先端位置の計測補正値を求め、該ずれ量と該計測補正値との総和で部品先端位置ずれ量を求めることを特徴とする。
上記構成により、部品がチャックで把持された際に少なからず振れ(傾き)を生じ、その状態でチャックと一体に移動し、レーザセンサ等から照射された光線(ビーム)を移動中に遮断し、遮断時における部品の遮断位置の傾き方向の位置ずれ量が計測手段で計測され、その計測値が既に登録済みの計測基準位置と比較されてずれ量が算出され、部品が傾かない場合の計測基準位置(傾いた場合も計測基準位置は同じ)を通る部品の一辺と、計測基準位置と、位置ずれ量の計測点すなわち光線遮断位置(ずれ量を一辺とする)とを通る第一の仮想三角形と、同じく光線遮断位置と、遮断位置を通る、前記部品の一辺と平行な辺部と、部品の先端の点とを通る第二の仮想三角形とが相似であることを利用して、ずれ量の比率計算で部品の先端位置の計測補正値が算出され、ずれ量と計測補正値との総和で部品先端位置ずれ量が算出される。
ずれ量の計測は、光線が部品で遮断されるまでの部品の移動距離を計測手段で計測してもよく(レーザセンサ等はスイッチとして用いられる)、あるいは、光線を照射するレーザセンサ等を測長器(計測手段)として用い、レーザセンサ等で部品の位置を直接計測してもよい。計測手段としてはレーザビームセンサ以外に光ファイバセンサや光電センサ等を適用可能である。
請求項2に係る部品位置計測方法は、請求項1記載の部品位置計測方法において、前記部品の先端を前とし、該部品の前後方向をY方向とした場合に、前記光線をX方向とZ方向にそれぞれ照射させ、前記部品先端位置ずれ量をX方向とZ方向のそれぞれについて求めることを特徴とする。
上記構成により、部品の先端の位置ずれがXZ座標で正確に求められる。部品のY方向(長手方向)の位置ずれに対するX方向(幅方向)とZ方向(高さ方向)の計測誤差は軽微であるので、無視できる。Y方向の位置ずれは、部品の移動距離計測用の計測手段で求められる。
請求項1記載の発明によれば、部品をチャックで把持した際に部品が傾いても、部品の傾き方向の位置ずれ量を正確に認識することができ、さらに位置ずれ量を基に部品の先端位置を正確に認識することができるから、部品を相手部品に組み付ける作業を精度良く容易に行うことができる。例えば極細径のレーザビーム等を用いることで、部品の小型化に対応でき、部品の凹凸形状にも対応でき、部品の適用範囲が広く、汎用性が高く、計測精度が高く、低コストで済む。
請求項2記載の発明によれば、部品の先端の位置ずれをXZの二方向について正確に認識することで、部品を相手部品に組み付ける作業を一層精度良く行うことができる。
本発明に係る部品位置計測方法の一実施形態を示す斜視図である。 同じく部品のZ方向位置を計測する状態を示す側面図である。 図2のF部を拡大して示す説明図である。 部品のY方向の位置ずれとZ方向の計測誤差の関係を示す、(a)は側面図、(b)は(a)のG部を拡大して示す説明図である。
図1〜図3は、本発明に係る部品位置計測方法の一実施形態を示すものである。
この部品位置計測方法は、図1の如く、横長の部品1の後部側1aをチャック2で把持して部品1を移動させ、X方向(部品幅方向ないし水平方向)に照射されるレーザビーム(光線)3及び/又はZ方向(部品高さ方向ないし垂直方向)に照射されるレーザビーム(光線)4を移動中の部品1の前部側1bで遮断させ(Z方向の遮断位置をB、X方向の遮断位置をB’で示す)、図2(Z方向の位置ずれを求める場合を示す)の如く、レーザビーム遮断時の部品1の位置(レーザビーム遮断位置)Bを部品1のチャック位置Aを基準に計測し、図2の如く部品1はチャック時に少なからず振れ(傾き)を生じてしまうので、その傾斜角度θを利用して、図3の如く、三角形の相似関係により、部品1のレーザビーム遮断位置Bのずれ量Hの計測値を基にして、部品1の先端(前端)Cの位置を算出するものである。
図1において、X方向に照射されるレーザビーム3は部品1のZ方向の位置(B)を計測するためのものであり、Z方向に照射されるレーザビーム4は部品1のX方向の位置(B’)を計測するためのものである。X方向のレーザビーム3を部品1がZ方向に遮断及び通過し、Z方向のレーザビーム4を部品1がX方向に遮断及び通過する。
図1で、符号Bは、X方向のレーザビーム3による部品1のZ方向の計測位置、符号B’は、Z方向のレーザビーム4による部品1のX方向の計測位置、符号Cは、三角形の相似関係で求める部品先端位置すなわちX方向とZ方向を兼ねた先端角部位置をそれぞれ示している。各レーザビーム3,4は不図示の各レーザセンサから照射される。極細径のレーザビーム3,4で計測位置B,B’をピンポイントで規定することができる。
チャック2は、例えば左右一対の垂直な把持部2a、あるいは左右一対の垂直な把持部2aと上下の水平な把持部2bとで構成され、部品1を不動に固定させる既存のものである。チャック2の形態は部品1の種類や形状等に応じて適宜設定される。チャック2はXYZの三次元方向に移動手段で移動可能である。チャック2の移動は、例えば不図示のチャックヘッドに設けたナットをボールねじ軸に螺合させ、ボールねじ軸をサーボモータで回転駆動する等の既存の移動手段で行われる。サーボモータは不図示の各レーザセンサと共に制御部に接続され、部品1の移動距離を計測可能である。
図2において、符号Aは、部品1のチャック位置である計測基準位置を示している。実線で示す部品1は移動中のものである。移動中の部品1はチャック位置Aを支点に傾斜角度θで前上がりに傾斜している。傾斜角度θの大きさは未定である。鎖線で示す符号1’は、傾斜しない場合の水平な部品1の位置を示している。符号Bは部品計測位置を示している。部品計測位置Bは部品1の前部側1bの下端(下部)1cである。
また、符号Cは、三角形の相似関係で求める部品1の先端位置を示している。部品1の先端位置Cは部品1の下端面1cと前端面(先端面)1dとの延長線の交点である。この部品1の先端下部には切欠部(面取部)1eが設けられているが、三角形の相似関係を用いて、仮想の部品先端位置Cを正確に規定(認識)することができる。鎖線で示す符号F部は、後述の図3で説明する三角形の相似関係の対応位置を示している。
また、符号Lは、チャック位置Aから水平な部品1’の先端1d’までのY方向水平距離すなわち部品長さ、符号L1は、傾斜した部品1の部品計測位置Bから水平な部品1’の先端1d’までのY方向水平距離、符号Hは、水平な部品1’の下端(下辺)1c’から傾斜した部品1の部品計測位置BまでのZ方向垂直距離、すなわちZ方向の位置ずれ計測値(ずれ量)、符号hは、傾斜した部品1の部品計測位置Bから先端位置CまでのZ方向垂直距離、すなわち計測補正値、符号ΔZは、水平な部品1’の下辺1c’から傾斜した部品1の先端下部CまでのZ方向垂直距離、すなわちZ方向の部品先端位置ずれ量をそれぞれ示している。
以下に、本実施形態のZ方向の部品位置計測方法を詳細に説明する。先ず、図1のチャック2で部品1を把持位置決めして(部品1は意に反して図2の如く振れて若干傾斜する)、部品1をZ方向に平行移動させる。部品1の移動中に部品1でレーザセンサのX方向のレーザビーム3を遮断させる。部品1でレーザビーム3を遮断させる位置にレーザセンサを配置しておく。ビーム遮断時の部品位置BをNCサーボやエンコーダ等といった計測手段により計測する。
レーザセンサと移動手段と計測手段とは制御部(図示せず)に接続されており、移動手段でチャック2が部品1と一体にZ方向に移動した距離をレーザビーム遮断時に計測手段で計測するが、部品1が上向きに傾斜した分だけ部品計測位置Bがレーザビーム3を遮断する時間が水平な(傾斜していない)部品1’におけるよりも遅くなり、遮断時の計測値は水平な部品1’におけるよりも大きくなる(部品1が前下がりに傾斜した場合は、遮断する時間が早まり、遮断時の計測値は小さくなる)。
その計測結果(計測位置)を、事前に登録してある計測基準位置Aと比較して、部品計測位置Bを認識する。すなわち、計測結果を、予め記憶させた基準位置Aと比較して、基準位置AとのZ方向の相対的なずれ量Hを計算する。基準位置Aは事前に基準ジグ等を用いて測定して制御部に登録しておく。
次いで、図3の如く、基準位置Aとの相対的なずれ量Hを基に、前後の異なる大きさの仮想三角形a,b,が相似であることを利用して、計測位置Bから部品先端位置CまでのZ方向距離すなわち計測補正値hを計算で求め、計測位置Bのずれ量Hに計測補正値hを加えて部品先端位置ずれ量ΔZを求める。
図3の後側の大きな仮想三角形aは、基準位置Aと、基準位置Bと、基準位置Bから水平な部品1’の下辺1c’まで垂下した位置Dとの三点を結んで構成され、図3の前側の小さな仮想三角形bは、基準位置Bと、部品先端位置Cと、部品先端位置Cから基準位置Bを通る水平線1fまで垂下した位置Eとの三点を結んで構成される。両三角形a,bは、斜辺1c,1gと底辺1c’,1fとのなす傾斜角度θと、底辺1c’,1fと高さ方向の垂直な短辺H,hとのなす角度(直角)とが相互に同じであるので、相似である。
図2において、Y方向の部品長さL、すなわち基準位置Aから水平な部品1’の先端1d’までの距離は予め測定済みであり、また、ビーム遮断時における計測位置(遮断位置)Bからチャック2(基準位置A)までのY方向水平距離L2(図3)は、前記移動手段と計測手段で計測されるから、例えば部品長さL(図2)からY方向水平距離L2を減じて、図1の水平な部品1’の先端1d’から計測位置Bまでの水平距離L1に近似するL1’(図3)を算出することで、水平距離L2とL1’との比率で、計測値Hに対する計測補正値hすなわち先端位置Cを得ることができる。
図4(a)(b)は、部品1でレーザビーム3を遮断する際に、たとえ部品1の位置がY方向(部品長手方向)にずれていても(ずれ量を符号Δyで示す)、Z方向の計測誤差Δzは軽微であることを示すものである。
図4(a)の鎖線1から実線1”の如く部品が傾斜した状態で前方に平行に位置ずれした際に、部品1の下部にレーザビーム3が当たる位置B”は、位置ずれ前の位置Bに較べて若干下がるものの、部品1の傾斜角度θがもともと小さいものであるので、その計測誤差Δzは、図4(b)の如く、Y方向の部品位置ずれ量Δyに較べて軽微である。計測誤差Δz=部品位置ずれΔy×tanθである。
なお、図2において、部品1がチャック2で把持されても傾斜しない場合(鎖線で示す水平な部品1’の場合)は、部品1’の計測位置はBではなくDになり、予め登録されたZ方向の基準位置Aと、計測位置DのZ方向の計測結果(計測値H)が一致し、部品先端位置ずれΔZはゼロとなり、三角形の相似関係は使用する必要がなくなる。
図2〜図4では、部品1のZ方向の位置ずれ補正について説明したが、部品1のX方向(図1の部品1の幅方向)の位置ずれ補正は、図1のZ方向のレーザビーム4を用いて、図2〜図3と同様の手法で行われる。
すなわち、図2において、部品1のZ方向の下端面1cをX方向の一側面(左面)と仮定し、部品1が上下方向ではなく左右方向に傾斜していると仮定すると、部品1を後部側1aのチャック2(計測基準位置A)で位置決めしてX方向に移動し、部品1の前部側1bの一側面で図1のZ方向のレーザビーム4を遮断して遮断時の一側面(一側部)の位置Bを計測し、その計測結果を記憶済みの計測基準位置Aと比較して、基準位置Aとの左右方向の相対的なずれ量Hを算出し、そのずれ量Hより部品1の先端位置Cを三角形の相似関係より算出する。図4と同様に、部品1のY方向の位置ずれにより、X方向の計測精度に誤差を生じるが、軽微である。
そして、部品1のZ方向及び/又はX方向の先端位置を認識することで、部品(凸状部品)1を不図示の相手部品の凹部すなわち凹状部品に組み付ける作業を位置ずれなく容易に行うことができる。これは、部品1の先端位置が変化しても、部品1の先端位置を確実に認識することができることによる。
上記実施形態によれば、従来の部品先端部位置決めや機械式ガイド方式やCCDによる認識方法に較べて、部品適用範囲が広く、自動化率が向上する。また、部品精度によるずれ(部品品質等)を考慮する必要がないため、工程における品質が安定すると共に、設備や部品のコストダウンが可能となる。また、実施形態の部品位置計測方法は各種部品に汎用的に使用可能である。
なお、上記実施形態においては、レーザセンサをオンオフスイッチとして用い、レーザビーム3,4を遮断した時の部品1の位置を、チャック移動用のボールねじ軸を駆動するサーボモータのNCサーボ等を計測手段として用いて計測したが、これに代えて、レーザセンサを測長器(計測手段)として用い、レーザビーム3,4で直接、部品1の位置を計測することも可能である。この場合、図1における部品1のZ方向位置BはZ方向のレーザビーム4で計測し、部品1のX方向位置B’はX方向のレーザビーム3で計測する。また、計測手段としてレーザセンサ以外に光ファイバセンサや光電センサ等を用いることも可能である。
本発明に係る部品位置計測方法は、どのような部品・部材(部品と言う)等にも適用可能で、例えばこれら部品・部材等を相手側の部品・部材等に精度良く容易に組み付けるために利用することができる。
1 部品
2 チャック
3,4 レーザビーム(光線)
A 計測基準位置
B,B’ 遮断位置(計測位置)
C 先端位置
H ずれ量
ΔZ 部品先端位置ずれ量
a,b 仮想三角形
h 計測補正値

Claims (2)

  1. 部品をチャックで把持し、その把持位置を計測基準位置として該部品を移動させ、該部品に交差する方向の光線を該部品で遮断させ、遮断位置における該部品の該チャックを支点とした傾き方向の位置ずれを計測手段で計測し、その計測値を登録済みの該計測基準位置と比較してずれ量を求め、該ずれ量を一辺とし、該計測基準位置を一点とする仮想三角形と、該遮断位置と該部品の先端との二点を通る仮想三角形との相似関係より、該部品の先端位置の計測補正値を求め、該ずれ量と該計測補正値との総和で部品先端位置ずれ量を求めることを特徴とする部品位置計測方法。
  2. 前記部品の先端を前とし、該部品の前後方向をY方向とした場合に、前記光線をX方向とZ方向にそれぞれ照射させ、前記部品先端位置ずれ量をX方向とZ方向のそれぞれについて求めることを特徴とする請求項1記載の部品位置計測方法。
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