JP2017015572A - 形状計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、従来の形状計測装置では、対象物として寸法や形状が既知の「キャリブレーションツール(校正用治具)」を採用し、このキャリブレーションツールを用いて計測を行い、複数の計測データを得ることで上記のパラメータを正確な値とする「校正」が行われてきた。
また、特許文献2には、校正用治具を移動させずに静止した状態で、校正用治具を測定して、校正する方法も提案されている。この特許文献2の校正用治具は、互いに平行かつ高低差が既知である参照面を複数有するものであり、複数の参照面にスリット光を照射しつつ撮像手段により校正用治具を撮像して、形状計測装置を校正する構成となっている。
即ち、本発明の形状計測装置は、光切断法を用いて対象物の形状を計測する形状計測装置であって、対象物を横切る方向に延びるスリット光を前記対象物に対して投射する投光器と、前記対象物の表面で反射したスリット光を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された画像に三角測量法を適用して、前記対象物の三次元形状を出す算出部と、前記対象物に代えて撮像されることで、前記投光器と撮像部との位置関係を校正するキャリブレーションツールと、を備え、前記キャリブレーションツールは、前記投光器から投射されるスリット光を交差する方向に伸びると共に前記スリット光を反射するライン体を、前記スリット光が対象物を横切る方向に並んで複数備えた校正面を有し、前記校正面が、前記スリット光の投射方向に沿って位置を変えて複数設けられていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記校正面は、前記スリット光を透過する光透過性の板材で形成され、前記ライン体は、前記光透過性の板材の表面に描画された描画線であるとよい。
図1は、本実施形態の形状計測装置1を模式的に示したものである。
図1に示すように、本実施形態の形状計測装置1は、光切断法を用いて対象物の三次元形状を計測するものである。光切断法は、対象物に対してスリット光Sを照射し、対象物に照射されたスリット光Sの位置情報に対して三角測量法の原理を適用することで、対象物の三次元形状を計測する手法である。
上述した形状計測装置1は、例えば図6に示すような溶接設備11において、溶接トーチ12の近傍に設置されるものであり、この形状計測装置1で、溶接対象である開先の位置や形状を確認できるものである。この形状計測装置1で検出された開先13の三次元形状を元にして、溶接設備11は正確な溶接を行うことができる。
撮像部3は、対象物の表面で反射したスリット光Sを撮像するものであり、スリット光Sを集束するレンズ6と、レンズ6で集束したスリット光Sを含む映像を撮像するCCD素子7と、を有している。具体的には、この撮像部3では、撮像部3内に取り込まれた光はレンズ6に入射し、レンズ6で収束された光がCCD素子7で画像データに変換される。なお、撮像部3に採用されるレンズ6としては、画角が0°であるテレセントリックレンズは不適である。
具体的には、この算出部4はパソコン等で構成されており、撮像部3のカメラで撮像された撮像画像を記憶するフレームメモリ(フレームバッファメモリ)を有している。
フレームメモリに記憶された撮像画像(スリット光Sが映り込んだ画像)を二値化処理などすることで、スリット光Sのみを抽出し、抽出したスリット光Sの位置情報(フレームバッファ座標上での位置情報)を得る。
ところで、上述した本実施形態の形状計測装置1は、上述した校正に専ら用いられるキャリブレーションツール5を備えている。このキャリブレーションツール5は、対象物に代えて撮像されることで、撮像部3を介して算出部4に位置情報を取得させるものである。
以降、キャリブレーションツール5の説明において、座標系(キャリブレーション座標系)を図1のように設定する。図1においては、Cxの方向を左右方向(幅方向)とし、図1におけるCyの方向を上下方向とし、図1におけるCzの方向を奥行き方向とする。
それぞれの校正面における、ワイヤ以外の部分にはスリット光Sを反射可能な部材が無く、スリット光Sを自由に透過可能となっており、それぞれの校正面ではワイヤだけを「特徴点10」として利用するようになっている。
図2に示すように、図1のキャリブレーションツール5を撮像部3で撮像すると、撮像された画像データでは、投光器2からの距離に応じて、それぞれの校正面A〜Cの特徴点10が画面上でx方向及びy方向に距離を保ちつつ並ぶ。実空間でのY方向の座標が同じ特徴点10であっても、画像データでは透視変換されるので、Z方向に対して画角が存在する限り、ワイヤ同士は重なることはない。そのため、カメラから遠い位置から近い位置まで、ワイヤの特徴点10のすべてが検出できる。このように画像データ上に、すべての特徴点10が撮像されるのは以下の理由からである。
図3に示すように、第1実施形態のキャリブレーションツール5では、撮像部3の光軸がz方向を向くのに対して、投光器2からのスリット光Sの投射方向はz方向に対して傾斜した方向となっている。ここで、投光器2から投射されたスリット光Sが校正面Aと交差する点を「a」、校正面Bと交差する点を「b」としたとき、撮像部3から見た「a」点の位置と、「b」点の位置は必ず異なったものとなる。それゆえ、本実施形態のキャリブレーションツール5では、特徴点10同士がx方向に撮像部3で重なって撮像されることはない。
図4に示すように、本実施形態のキャリブレーションツール5では、撮像部3と投光器2とがx方向に重なっており、それぞれの校正面に設けられたライン体9は点状の断面として示されている。ここで、校正面A〜校正面Cに存在するライン体9の間隔や本数を、どの校正面でも同じ配置とした場合を考える。このような場合であっても、撮像部3のカメラに画角が存在するもの、言い換えればテレセントリックレンズを用いていないものを用いた場合には、撮像部3から見た各ライン体9の位置が重なることはない。それゆえ、本実施形態のキャリブレーションツール5では、特徴点10同士がy方向に撮像部3で重なって撮像されることはない。
なお、上記したキャリブレーションツール5は、縦横の枠体8で形成された四角形状のフレームの内部に、x方向に平行に複数のライン体9を張り渡したものとなっていた。しかし、本発明のキャリブレーションツール5は、以下の述べる変形例のように、それぞれの校正面をスリット光Sを透過する光透過性の板材で形成しておき、この光透過性の板材の表面にライン体9をペンキやマジックペンなどで描画してもよい。
まず、対象物Wに変えて、上述したキャリブレーションツール5を設置する。このとき、キャリブレーションツール5のX方向が、投光器2と撮像部3とを結んだ線と平行となるように、キャリブレーションツール5を設置する。
撮像部3で撮像されたスリット光SはCCD素子7で撮像され、算出部4のフレームメモリに格納される。
まず、算出部4においてフレームメモリに記憶された撮像画像から対象物Wの三次元形状を精度良く算出する際には、予め10個のパラメータを求めておく必要がある。これら10個のパラメータは、撮像部3のレンズ6が備える焦点距離である「focal Length(mm)」、CCD素子7の受光面上における画像の中心座標を示す「Cenx(mm)、Ceny(mm)」、センサ座標からキャリブレーション座標への変換係数である「Δxx、Δyy、Δzz、Δθ」、スリット平面をax+by+c=1と表現したときに傾きと切片を示す「係数a、b、c」である。
CCD素子7の受光面上の点(ccdx,ccdy, ccdz)は、センサ座標の点SP=(sx,sy,sz)が透視変換されて、(ccdx,ccdy, ccdz)と表現されているので、今、センサ座標でのsz値が与えられると、
センサ座標系は撮像部3(カメラ)に貼りついた座標系であり、キャリブレーション座標はキャリブレーションツール5に貼りついた座標系である。2つの座標系は物理的に離れているので、図5に示すように、キャリブレーション座標を設定する。
このキャリブレーション座標は、センサ座標の原点から撮像部3の光軸(Z軸)に沿って、予め決められた所定の距離Aに、原点を設置している。そして、キャリブレーション座標のZ軸やY軸は、センサ座標のZ軸やY軸と向きを逆にする。また、キャリブレーション座標のX軸は、センサ座標のX軸と向きを同じにする。
上述したキャリブレーション座標とセンサ座標との関係式、言い換えれば座標変化行列CΣS使って、センサ座標系の点sP=(sx,sy,sz)から、キャリブレーション座標系の点cP=(cx,cy,cz)への変換は、
フレームバッファ座標系上の検出点(fxi,fyi)に対応するセンサ座標(sXi,sZi)は既知となる。なぜならば、センサ座標(sXi,sZi)が既知となるようにキャリブレーションツール5を作成するからである。
今、n個の特徴点10を測定することで、
このようにして算出された7個のパラメータから、キャリブレーション座標cXiも算出できるので、n個の特徴点10の3次元座標置がすべて算出でき、
以上述べたように、投光器2から投射されるスリット光Sを交差する方向に伸びると共にスリット光Sを反射するライン体9を、スリット光Sが対象物を横切る方向に並んで複数備えた校正面を有し、この校正面が、スリット光Sの投射方向に沿って位置を変えて複数設けられているキャリブレーションツール5を用いることで、撮像部3と投光器2との位置関係を効率良く校正することができ、形状測定の測定精度を良好な状態に維持することが可能となる。
2 投光器
3 撮像部
4 算出部
5 キャリブレーションツール(校正治具)
6 レンズ
7 CCD素子
8 枠体
9 ライン体
10 特徴点
11 溶接設備
12 溶接トーチ
13 開先
S スリット光
Claims (3)
- 光切断法を用いて対象物の形状を計測する形状計測装置であって、
対象物を横切る方向に延びるスリット光を前記対象物に対して投射する投光器と、
前記対象物の表面で反射したスリット光を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像に三角測量法を適用して、前記対象物の三次元形状を出す算出部と、
前記対象物に代えて撮像されることで、前記投光器と撮像部との位置関係を校正するキャリブレーションツールと、を備え、
前記キャリブレーションツールは、
前記投光器から投射されるスリット光を交差する方向に伸びると共に前記スリット光を反射するライン体を、前記スリット光が対象物を横切る方向に並んで複数備えた校正面を有し、前記校正面が、前記スリット光の投射方向に沿って位置を変えて複数設けられていることを特徴とする形状計測装置。 - 前記ライン体は、前記スリット光を交差する方向に伸びると共に前記スリット光を反射する索体であることを特徴とする請求項1に記載の形状計測装置。
- 前記校正面は、前記スリット光を透過する光透過性の板材で形成され、
前記ライン体は、前記光透過性の板材の表面に描画された描画線であることを特徴とする請求項1に記載の形状計測装置。
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