JP4093564B2 - クランプ装置の傾き調整方法 - Google Patents

クランプ装置の傾き調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微干渉計装置(「干渉顕微鏡装置」とも称される)を用いて、先端面が斜めに研磨されたフェルールの先端面の形状等を測定解析するために、クランプ装置に保持されたフェルールの先端面が顕微干渉計装置の基準面と略平行となるように、クランプ装置の傾き姿勢を調整する際などに適用し得るクランプ装置の傾き調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信に用いられる光ファイバの研究開発が盛んに進められている。この種の光ファイバは、例えば外径10μm程度のコアと、その外周に設けた例えば外径125μm程度のクラッド層からなり、光ファイバ同士を接続するためにその接続端部にフェルールを備えたものが知られている。
【0003】
フェルールとは、光ファイバを接続するための光コネクタを構成する一組のプラグの各々において、光ファイバの一端を保持固定する円筒状の部品である。フェルールは、その外径の中心部に光ファイバが挿入され接着剤等で固定された後、その先端を鏡面状に研磨されており、2つのフェルールの先端面を突き合わせることによって、それぞれに保持された2つの光ファイバを接続できるように構成されている。
【0004】
このようなフェルールとしては、先端面がフェルールの軸に対して垂直となるように研磨された垂直研磨型のフェルールや、先端面における反射光の及ぼす悪影響を低減するために先端面がフェルールの軸に対して斜めとなるように研磨された斜め研磨型のフェルールが知られている。また、2つのフェルールを突き合わせる際の押圧力により先端面が弾性変形して、先端面同士の密着性を高め得るように構成されたPC(Physical Contact)型のフェルールも知られている。
【0005】
ところで、光ファイバ接続に伴う光損失を低減するため、フェルールにはμmオーダの高精度な種々の規格がJISにより定められている。例えば、斜め研磨型のフェルールにおいては、先端面の傾斜角度(斜め研磨角度)の基準値に対する角度ずれや、光コネクタのキー方向と先端面の(研磨)傾斜方向との基準値に対する角度ずれなどに関する規格が定められている。
【0006】
作製されたフェルールが、定められた規格に適合しているかどうかを検査するために、顕微干渉計装置が用いられることがある。顕微干渉計装置は、微小な被検体の表面形状や屈折率分布などの位相情報を担持した物体光と、所定の基準板から反射された参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察し、この干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の位相情報を得るように構成されている。
【0007】
このような顕微干渉計装置を用いてフェルールの検査を行なう場合、顕微干渉計装置の基準板の前方の所定位置にクランプ装置を配し、このクランプ装置により、検査対象のフェルールを保持する方法が知られている。このクランプ装置は、クランプ装置の軸とフェルールの軸とが、フェルールを保持した際に略一致するように、また、斜め研磨型のフェルールに対しては、保持した際にその先端面の傾斜方向が所定の方向(光コネクタのキー方向により決められる)を向くように構成されている。
【0008】
ところで、1つの顕微干渉計装置により、垂直研磨型のフェルールと斜め研磨型のフェルールの検査が行なわれることがある。顕微干渉計装置においては、検査対象となるフェルールの先端面が、顕微干渉計装置の基準面に対して略平行となるように設置する必要があるため、垂直研磨型のフェルールを検査する場合には、クランプ装置の軸の垂直面(軸と直交する平面)が顕微干渉計装置の基準面と平行となるようにクランプ装置を設置する。一方、斜め研磨型のフェルールを検査する場合には、斜め研磨型のフェルールの先端面が顕微干渉計装置の基準面と平行となるように、すなわち上記垂直面が上記基準面に対して所定の向き(先端面が基準面と平行となる向き)に、所定の角度(斜め研磨角度に相当する角度)だけ相対的に傾斜するように、クランプ装置を傾ける必要がある。
【0009】
このようなクランプ装置の傾き姿勢を調整するための傾き調整機構も知られている。この傾き調整機構は、マイクロメータを用いてクランプ装置の傾き姿勢を調整するように構成されているが、高精度なマイクロメータを必要とするため高コストになるという問題がある。また、使用を重ねる間に調整角度にずれが生じる虞があるので、調整角度の校正を定期的に行なう必要が生じるという問題もある。
【0010】
一方、顕微干渉計装置を用いて、クランプ装置の傾き姿勢を調整する方法が知られている。この方法では、先端面の傾斜角度および先端面の傾斜方向等が規格に適合するように形成された高精度な基準フェルールが用いられる。現在、斜め研磨型のフェルールにおいては、その先端面の傾斜角度が8度とされるのが標準的となっているので、先端面の傾斜角度が高精度に8度となるように形成された基準フェルールが主に用いられている。
【0011】
この方法では、基準フェルールをクランプ装置に保持せしめた状態でクランプ装置を傾けるとともに、基準フェルールの先端面と顕微干渉計装置の基準面とにより形成される干渉縞を観察し、この干渉縞がヌル縞状態となるようにクランプ装置の傾き姿勢を調整する。ヌル縞が観察された状態で、クランプ装置を固定すれば、クランプ装置に保持されている基準フェルールの軸の垂直面は、顕微干渉計装置の基準面に対して相対的に所定の方向に8度だけ高精度に傾くこととなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような手順により、顕微干渉計装置の基準面に対する相対的な傾斜角度および傾斜方向が規定されるのは、あくまでクランプ装置に保持されている基準フェルールの軸の垂直面であって、クランプ装置の軸の垂直面ではない。すなわち、クランプ装置による基準フェルールの保持状態が、正規の保持状態からずれている場合には、上記手順のみでは、顕微干渉計装置の基準面に対するクランプ装置の傾き姿勢を高精度に調整することができなくなる。
【0013】
そこで、クランプ装置により基準フェルールを保持した際に、保持状態のずれ量を検出し、それらのずれ量を校正する必要が生じる。このずれ量を校正するために従来用いられている方法として次のような方法が知られている。すなわち、例えば本願出願人が特願2002−167219号で開示しているような方法を利用して、クランプ装置の軸の垂直面が顕微干渉計装置の基準面に対して平行となる状態にクランプ装置を設置し、この状態のクランプ装置に基準フェルールを保持せしめた段階で、基準フェルールの先端面と顕微干渉計装置の基準面とにより形成される干渉縞を観察し、この干渉縞の状態から基準フェルールの先端面の基準面に対する相対的な傾斜角度および傾斜方向を測定する。そして、この測定された相対傾斜角度および傾斜方向に基づき、クランプ装置による基準フェルールの保持状態のずれ量を検出して校正するものである。
【0014】
しかし、このようなずれ量の検出校正方法には、次のような問題がある。すなわち、顕微干渉計装置においては、極めて微小な領域を拡大して観察しているので、より細かなものが拡大観察できるが、観察面(基準フェルールの先端面)の傾き角度が大きくなって撮影系の解像力を超えるほど縞間隔が接近した場合には、縞の観察が困難となり観察面の基準面に対する相対的な傾斜角度を高精度に測定することができなくなる。フェルールの検査に用いられる顕微干渉計装置においては、フェルール先端面に形成される段差の測定を行なう必要もあるため、白色光等の可干渉性の低い照明光を用いる場合がある。このような低可干渉性の照明光を用いた場合、観察面の基準面に対する相対的な傾斜角度の測定は、5度程度で限界となる。したがって、このような場合、上記方法によっては、先端面の傾斜角度が8度とされている基準フェルールの先端面の基準面に対する相対的な傾斜角度を測定することは極めて困難となる。
【0015】
8度を超える傾斜角度の測定を可能とするためには、可干渉性の高い照明光を用いるとともに、CCD等の撮像素子に関しても高解像度のものを用いる必要がある。しかし、可干渉性の低い照明光を用いる必要がある顕微干渉計装置において、可干渉性の高い照明光を照射するために別の光源を備えたり、高解像度の撮像素子を備えたりすることは、顕微干渉計装置がコスト高となり好ましくない。また、可干渉性の高い照明光を用いる場合、観察対象面以外の面と基準面とにより干渉縞が形成され、これらがノイズとなる虞が高まるなど別の問題も生じる。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、フェルール等の被検体を保持するクランプ装置の顕微干渉計装置の基準面に対する傾き姿勢を、簡易かつ低コストで高精度に調整することを可能とするクランプ装置の傾き調整方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明のクランプ装置の傾き調整方法は、顕微干渉計装置により測定される柱状の被検体を、クランプ装置の軸と前記被検体の軸とが略一致するように保持する前記クランプ装置の前記軸の垂直面が、前記顕微干渉計装置の基準面に対して、所定の目標向きに所定の目標角度αだけ傾くように、前記クランプ装置の傾き姿勢を調整する方法において、
前記クランプ装置を、前記垂直面が前記基準面に対して平行となる初期位置に設置し、
先端面の傾斜角度βが前記目標角度αよりも小なる角度に形成されてなる基準被検体を、前記先端面が前記基準面に対して前記目標向きとは反対の向きに前記傾斜角度βと略等しい角度だけ相対的に傾斜した状態となるように、前記初期位置に設置された前記クランプ装置に保持せしめ、
この保持された状態において前記先端面の前記基準面に対する相対傾斜角度γを、前記顕微干渉計装置を用いて測定し、
次に、前記基準被検体を保持した前記クランプ装置を、該クランプ装置の前記軸回りの回転を規制しつつ、前記先端面が前記基準面に対して前記目標向きに相対的に傾斜するように傾けるとともに、この傾けた状態において前記先端面の前記基準面に対する相対傾斜角度δを、前記顕微干渉計装置を用いて測定し、
この相対傾斜角度δが、前記目標角度αと前記相対傾斜角度γとの角度差εに一致するように、前記クランプ装置の傾き姿勢を調整することを特徴とするものである。
【0018】
本発明において、前記傾斜角度βを、前記目標角度αの略2分の1の大きさに設定することができる。
【0019】
また、前記クランプ装置を前記初期位置に設置する際には、該クランプ装置が取り付けられる取付面が前記基準面と平行に形成された平行配置用のクランプ装置保持具を用い、前記クランプ装置を前記目標向きに傾ける際には、該クランプ装置が取り付けられる取付面が前記基準面に対して前記目標向きに前記目標角度αだけ傾斜している傾斜配置用のクランプ装置保持具を用いることができる。
【0020】
この場合、前記相対傾斜角度δの調整は、前記傾斜配置用のクランプ装置保持具を支持し、該傾斜配置用のクランプ装置保持具の傾き姿勢を調整し得るように構成された傾斜調整装置を用いて行なわれるようにしてもよい。
【0021】
また、本発明において、前記相対傾斜角度γおよびδの検出を、位相シフト縞解析法またはフーリエ変換縞解析法を用いて行なうことができる。
【0022】
また、本発明は、前記被検体が、該被検体の先端面が該被検体の軸に対して傾斜するように研磨されてなる斜め研磨型のフェルールである場合には、特に有用である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明の実施形態に係るクランプ装置の傾き調整方法を説明する前に、被検体であるフェルールを保持するクランプ装置を搭載するとともに、所定の干渉光学系により該フェルールの先端部を観察する顕微干渉計装置について図10を参照しながら説明する。図10は、顕微干渉計装置の一部を破断して示す斜視図である。
【0024】
<顕微干渉計装置>
図10に示す顕微干渉計装置1は、底板2、前板3(一部破断して図示)、後板4、隔壁板5およびカバーケース6(一部破断して図示)からなる本体筐体内に、電源部7、コントロールボックス8および干渉計本体部10を備えている。
【0025】
この干渉計本体部10は、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12、ハーフミラー・光源ユニット13、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16を備えている。これらのうち、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16は、隔壁板5に固定された固定台17に取り付けられており、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12およびハーフミラー・光源ユニット13は、フォーカス台18(一部破断して図示)に取り付けられている。
【0026】
このフォーカス台18は、前板3と固定台17との間において前後方向(図中の矢印UおよびV方向)に互いに平行な状態で延設された上下2本のガイド軸19A,19B(一部破断して図示)に、前後方向にスライド移動可能に支持されている。また、上記固定台17と上記フォーカス台18との間には、コイルバネ9が配されており、上記フォーカス台18は、このコイルバネ9の弾性により前方(図中の矢印U方向)に向けて付勢されている。
【0027】
また、上記前板3には、上記フォーカス台18を移動させて干渉計本体部10のフォーカス調整を行なうためのフォーカス調整ネジ20が設けられている。このフォーカス調整ネジ20は、前板3に形成された不図示のネジ孔に、自身の軸回りの回転により前後方向に移動可能に螺合するネジ軸部21と、このネジ軸部21を回転させるためのツマミ部22とを備えてなる。このネジ軸部21の先端面はフォーカス台18の前面部に設けられた半球状の凸部18aに当接している。このためフォーカス調整ネジ20は、ツマミ部22を回転させてネジ軸部21の前板3からの突出長を変えることにより、フォーカス台18をガイド軸19A,19Bに沿って前後方向に移動させることが可能となっており、これによりフォーカス調整を行なえるようになっている。
【0028】
上述したような構成を有する干渉計本体部10は、対物レンズユニット11の前方の所定位置に保持された微小な被検体(不図示)に、不図示の光源からのレーザ光を参照光と分割して照射し、被検体から反射してきた物体光を参照光と干渉させ、その干渉光を結像レンズユニット14内の結像レンズ系(不図示)を通した後、不図示のCCD上に干渉縞を結像させる。そして、得られた干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の表面形状の三次元計測や物性の測定を行なえるようになっている。なお、干渉計本体部10としては、ミロー型やマイケルソン型、リニーク型など種々のタイプのものを用いることが可能である。
【0029】
また、上記前板3には、傾斜調整装置100が配されている。この傾斜調整装置100は、前板3に固定されたL字状の第1の基部材110と、この第1の基部材110と同様のL字状をなし、第1の基部材110に対向配置された第2の基部材120とを備えている。第2の基部材120は、支点部130を中心に第1の基部材110に対して傾動可能に支持されており、第1の傾斜調整ネジ140および第2の傾斜調整ネジ150により、支点部130から略鉛直方向に延びる軸線周りと、支点部130から略水平方向に延びる軸線周りとにそれぞれ傾動して、第1の基部材110に対する傾きを2軸調整できるようになっている。
【0030】
この傾斜調整装置100の第2の基部材120には、クランプ装置保持具200が取り付けられている。クランプ装置保持具200は、前段部210と後段部220とそれらを繋ぐ連結部230とを有してなり、その前段部210を3個の取付ネジ240により上記第2の基部材120に固定されている。クランプ装置保持具200の後段部220は、対物レンズユニット11の前面側に位置し、その中央部には、保持用凹部221が形成されており、この保持用凹部221内に、クランプ装置300を保持している。なお、この他に前板3には、顕微干渉計装置1の電源をオンオフする電源スイッチ30が設けられている。
【0031】
<クランプ装置の構成>
次に、上記クランプ装置300について、図6〜図9を用いて説明する。図6は上記クランプ装置300の断面図、図7はその正面図、図8はその正面側からの斜視図、図9はその裏面側からの斜視図である。なお、図示したクランプ装置300は、図6に示すフェルール420や、後述する斜め研磨型のフェルール430,440(図5参照)および基準フェルール450(図3参照)、を、図10に示す顕微干渉計装置1の対物レンズユニット11前方の所定位置に保持するためのものである。
【0032】
図6に示すフェルール420は、不図示の相手側プラグと不図示のスリーブを介して接合される光コネクタを構成するものであり、通常は、光コネクタのプラグ内に収容されている。このフェルール420は、フェルール本体421の外径中心にシングルモードタイプの光ファイバ(不図示)の一端部を保持しており、このフェルール本体421には、フェルール420を光コネクタのプラグ内に収容するための保持具422が取り付けられている。また、フェルール本体421は、ジルコニアセラミックからなり、その先端面423はフェルール420の軸に対して直交するように垂直研磨されている。また、フェルール420の先端部は、不図示の相手側フェルールの先端面と密着し易いように、凸状に構成されている。
【0033】
一方、上記クランプ装置300は、図6および図9に示すように、円形の板状部材からなる基部310と、この基部310の正面側周縁部に該基部310と一体に形成された略円環状の縁部320と、基部310の正面にネジ331(図7、図8参照)を介して取り付けられた円板状の回転規制板330と、変位調整部340とを備えてなる。
【0034】
図7に示すように上記縁部320は、3個のネジ孔321と位置決め用の凹部322とを備えている。ネジ孔321は、クランプ装置300を上記クランプ装置保持具200(図10参照)に取り付けるためのネジ用のものであり、凹部322は、クランプ装置保持具200に設けられた位置決め用のピン(不図示)が、この凹部322に入るようにクランプ装置300をセットすれば、クランプ装置300のクランプ装置保持具200に対する位置決めが高精度に行なえるように設けられている。
【0035】
図6に示すように上記基部310は、該基部310の一側面側(図中上部)から他側面側(図中下部)へ向かって延びる切欠部350を有し、該切欠部350によって、該切欠部350を挟んで互いに対向する2つの部分、すなわち、該基部310の正面側(フェルール420の挿通方向後側)に位置する支持部360と、該基部310の裏面側(フェルール420の挿通方向前側)に位置する変位部370とに、部分的に分割されている。
【0036】
上記支持部360は、基部310の中央部をクランプ装置300の軸A方向に延びるように形成された貫通孔の一部によって構成された固定のフェルール挿通孔361を備えている。このフェルール挿通孔361は、上記フェルール420の外径と略同寸法の内径を有しており、上記支持部360は、このフェルール挿通孔361内に挿通されたフェルール420を該フェルール挿通孔361の内面により支持するように構成されている。
【0037】
上記変位部370には、上記基部310の一側面側から上記軸Aを越えて延びる上記切欠部350の先端部に形成された空洞部351によって、軸Aと略直角な向きに所定距離離れた位置に薄肉部373が形成されており、変位部370は、この薄肉部373の形成位置を支点として、軸A方向(フェルール420の挿通方向)に変位可能に形成されている。また、変位部370は、上記フェルール挿通孔361内にフェルール420が挿通された際、該フェルール挿通孔361の挿通方向前側の端部から突出する、フェルール420の先端部分(図6に仮想線で示す)を、上記変位に伴い、フェルール420の挿通方向と略直角な方向に押圧して、フェルール挿通孔361内に挿通されたフェルール420を保持する押圧部位371を有している。
【0038】
上記変位調整部340は、上記変位部370の変位を調整するものであり、図6に示すように、変位部370の先端部に上記軸A方向に延びるように形成されたネジ孔341と、上記支持部360の該ネジ孔341と対向する部分に、軸A方向に延びるように形成されたネジ挿入孔342と、該ネジ挿入孔342からネジ孔341に向けて差し込まれた調整ネジ343とを備えている。
【0039】
この調整ネジ343は、上記ネジ孔341と螺合するネジ部343aと、該調整ネジ343を操作するためのレバー部材344が取り付けられるネジ基部343bとを備えてなる。また、調整ネジ343は、図6に示すように、回転規制板330を介して基部310に取り付けられており(回転規制板330には、調整ネジ343用のネジ挿通孔332が形成されている)、上記ネジ挿入孔342内には、変位部370を外方に向け付勢する圧縮コイルバネ345が設けられている。調整ネジ343は、圧縮コイルバネ345により外方に向け付勢された変位部370のネジ挿入孔342に、そのネジ部343aが螺合され、該調整ネジ343を回転することにより、変位部370の変位を調整できるようになっている。
【0040】
レバー部材344は、ネジ基部343bに形成されたピン挿通孔343c内に挿通されるピン部344aを有し、該ピン部344aをピン挿通孔343c内に挿通された後、ネジ基部343bの頂部に形成されたネジ孔343dに螺合するネジ346によって、ネジ基部343bに固定されている。このレバー部材344は、上記調整ネジ343を回転させ上記変位部370の変位を調整する際に、操作される。
【0041】
図7に示すように、上記縁部320には、上記レバー部材344の回動範囲を規制するためのストッパ部材380A,380Bが設けられている。ストッパ部材380Aは、レバー部材344の図中時計方向への回動を規制するためのものであり、ストッパ部材380Bは、レバー部材344の図中反時計方向への回動を規制するためのものである。レバー部材344は、これら2つのストッパ部材380A,380Bの間を回動する(回動角度範囲90度)ようになっており、レバー部材344がストッパ部材380Aに当接する位置が、フェルール420を保持するクランプ位置であり、レバー部材344がストッパ部材380Bに当接する位置が、フェルール420の保持を解除するクランプ解除位置となっている。また、図6に示すように、ストッパ部材380A,380B(図6ではストッパ部材380Aのみ図示)は、上記縁部320に形成されたネジ孔323と螺合するネジ部381を有し、該ネジ部381がネジ孔323に螺合されることによって、縁部320に固定されている。
【0042】
また、図7に示すように、上記基部310の正面には、上記回転規制板330を基部310に取り付ける際の位置決め用のピン部材390が2個取り付けられている。一方、回転規制板330には、これらピン部材390が挿通される位置決め用の孔部334と長孔335が形成されている。
【0043】
さらに、回転規制板330には、その中央部に、クランプ装置300に保持されたフェルール420の回転を規制するための回転規制孔333が形成されている。この回転規制孔333は、フェルール420の保持具422(図6参照)の外形形状と同じ矩形形状に形成されており、フェルール420が上記フェルール挿通孔361内に挿通された際に上記保持具422と係合することにより、クランプ装置300によるフェルール420対する保持方向を規定するとともに、フェルール420が上記軸A周りに回転することを規制するようになっている。
【0044】
また、図9に示すように、クランプ装置300の上記基部310の裏面には、各種の孔部が形成されている。孔部311は、上記回転規制孔333を基部310に固定する上記ネジ331が挿通される貫通孔であり、孔部312は、回転規制板330を位置決めするための上記ピン部材390が挿通される貫通孔である。どちらの孔部311、312も加工の都合上、基部310の正面側から裏面側まで貫通しているが、これらに挿通される上記ネジ331およびピン部材390の先端部は、上記切欠部350の手前の位置までしか達していない。
【0045】
また、基部310の裏面中央部には、フェルール420の先端部を観察するための観察孔372が形成されている。この観察孔372は、図6に示すように、上記軸A上に位置するように設けられ、また、上記フェルール挿通孔361よりも一回り大きい大きさに形成されている。この観察孔372は、クランプ装置300が上記顕微干渉計装置1にセットされた際、上記対物レンズユニット11の正面に位置するように構成されている。
【0046】
<クランプ装置の作用>
上述したように構成されたクランプ装置300は、以下のようにしてフェルール420を保持する。まず、レバー部材344を、ストッパ部材380Bと当接する位置、すなわちクランプ解除位置に操作する(図7参照)。このとき、上記変位部370は、変位していない状態、すなわち、上記切欠部350の間隔がその全長に亘って一定となる状態に維持される(図6参照)。
【0047】
次に、フェルール420を、その先端部側からクランプ装置300の支持部360内のフェルール挿通孔361に挿入して、保持具422が回転規制板330の回転規制孔333内に係合される位置にセットする。フェルール挿通孔361の内径は、フェルール420の外径の大きさと略同じ大きさに形成されているので、フェルール420をフェルール挿通孔361内に挿入した時点で、フェルール420はクランプ装置300の軸Aと自身の軸とが略重なるように、また、クランプ装置300によるフェルール420の保持方向が所定の方向と略一致するようにセットされる。
【0048】
次いで、レバー部材344を、ストッパ部材380Aと当接する位置、すなわち上記クランプ位置に操作する。このとき、上記調整ネジ343のネジ部343aが右回りに回転し、この回転により、該ネジ部343aと螺合している変位部370は、上記圧縮コイルバネ345の付勢力に抗しながら、上記薄肉部373を支点として支持部360に近づく方向に変位する。この変位によって、変位部370の上記押圧部位371が、フェルール挿通孔361の挿通方向前側の端部から突出するフェルール420先端部分を、フェルール420の挿通方向と略直角な方向に押圧して、フェルール挿通孔361内に挿通されたフェルール420が抜脱しないように保持する。
【0049】
フェルール420の保持を解除する場合は、レバー部材344を、ストッパ部材380Bと当接する位置、すなわち上記クランプ解除位置に操作する。このとき、上記調整ネジ343のネジ部343aが左回りに回転し、この回転により、該ネジ部343aと螺合している変位部370は、上記薄肉部373を支点として支持部360から離れる方向に変位する。この変位によって、上記切欠部350の間隔がその全長に亘って一定となる状態に戻り、また、変位部370の押圧部位371によるフェルール420の先端部分に対する押圧が解除されて、フェルール420をフェルール挿通孔361内から抜脱することが可能となる。
【0050】
<斜め研磨型のフェルールの構成>
上記顕微干渉計装置1においては、上述したフェルール420のように、先端面がフェルールの軸に対して垂直となるように研磨された垂直研磨型のフェルール以外に、図5に示すように先端面がフェルールの軸に対して斜めとなるように研磨された斜め研磨型のフェルール430,440も測定できるようになっている。図5は斜め研磨型のフェルールを示す図で、同図(a)は斜め平面研磨型のフェルール、同図(b)は斜め球面研磨型のフェルールを示している。
【0051】
図5に示すフェルール430,440は、その先端面433,443が斜めに研磨されている点を除き、フェルール本体431,441の構成や、フェルール本体431,441に保持具432,442が取り付けられている点など、その他の構成は上記フェルール420と同様である。
【0052】
また、上記先端面433,443の傾斜角度θおよび傾斜方向を、それぞれ次のように規定する。すなわち、図5(a)に示す斜め平面研磨型のフェルール430においては、傾斜角度θを、先端面433を含む平面と、フェルール430の軸(中心軸)Bと直交する平面とのなす角度として規定し、先端面433の傾斜方向を、フェルール430の軸Bを含み先端面433に垂直な平面と、先端面433との交線の延びる方向として規定する。
【0053】
一方、図5(b)に示す斜め球面研磨型のフェルール440においては、傾斜角度θを、フェルール440の軸C上で先端面443と接する平面と、この軸Cと直交する平面とのなす角度として規定し、先端面443の傾斜方向を、フェルール440の軸C上で先端面443と接する接平面と、この接平面に垂直でかつ軸Cを含む平面との交線の延びる方向として規定する。
【0054】
このように構成された斜め研磨型のフェルール430,440を、上記クランプ装置300は次のような状態で保持するようになっている。すなわち、クランプ装置300は、先端面の傾斜角度および傾斜方向等が規格に対して高精度に適合しているフェルールを保持する場合、フェルールの軸とクランプ装置300の軸A(図6参照)とが互いに重なるように、また、クランプ装置300の軸Aを含み図7においてクランプ装置300を左右に2分する垂直面(以下「基準垂直面」という)内に、フェルール先端面の傾斜方向を規定する上記交線が含まれ、かつ図10に示すようにクランプ装置300が設置された状態において、先端面が顕微干渉計装置1側に向けて傾斜角度だけ前傾するような状態(以下、「正規保持状態」という)に保持するようになっている。
【0055】
このように構成されたクランプ装置300が測定対象のフェルールを保持した場合において、フェルールの軸とクランプ装置300の軸Aとが互いに重ならない、あるいはフェルール先端面の傾斜方向が上記基準垂直面内に含まれないなどの誤差が生じる場合、これらの誤差は、主に測定対象フェルールの製造誤差に起因するものである。ただし、クランプ装置300がフェルールを保持する際、クランプ装置300とフェルールとの間で微小な保持状態のずれが生じ、これが上記誤差の要因となる場合も考えられる。通常、このような保持状態のずれは、フェルールの製造誤差により生じるずれに比べて微小であり、他の要因が重ならなければ測定解析の障害とはならない。
【0056】
<クランプ装置の傾き調整方法>
以下、本発明の一実施形態に係るクランプ装置の傾き調整方法について、図1〜図4を用いて説明する。この実施形態方法は、上記斜め研磨型のフェルール430,440の先端面433,443の形状測定を、顕微干渉計装置1を用いて行なう場合において、顕微干渉計装置1に対するクランプ装置300の傾き姿勢を、所定の目標向き(クランプ装置300に保持されたフェルール430,440の先端面433,443が顕微干渉計装置1の基準面と略平行となる向き)に、所定の目標角度α(先端面433の傾斜角度θの規格値と同じ角度、例えば8度)だけ傾くように、高精度に調整する方法である。なお、以下では、斜め平面研磨型のフェルール430の先端面433の形状測定を、顕微干渉計装置1を用いて行なうために、クランプ装置300の傾き姿勢を調整する場合を例にとって説明する。また、先端面433の傾斜角度θの規格値および目標角度をαとする。
【0057】
まず、図2を用いて、本実施形態方法の手順について概略的に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るクランプ装置の傾き調整方法の手順を概略的に示すフローチャートである。
【0058】
図2に示すように、本実施形態方法においては、まず、クランプ装置を後述する初期位置に設置する(S1)。この初期位置において、クランプ装置の軸の垂直面は、顕微干渉計装置の基準面と平行となる。
【0059】
次いで、初期位置にあるクランプ装置に後述する基準フェルールを保持せしめる。このとき、基準フェルールの先端面が、顕微干渉計装置の基準面に対して上記目標向きとは反対の向きに、上記先端面の傾斜角度β(<α)と略等しい角度だけ相対的に傾斜した状態となるようにする(S2)。そして、基準フェルール先端面の基準面に対する相対傾斜角度γを、顕微干渉計装置を用いて測定する(S3)。
【0060】
次に、基準フェルールを保持したクランプ装置を、上記目標向きに傾ける(S4)。このとき、基準フェルール先端面が基準面に対して上記目標向きに相対的に傾斜するようにする。そして、基準フェルール先端面の基準面に対する相対傾斜角度δを、顕微干渉計装置を用いて測定する(S5)。
【0061】
次に、上記相対傾斜角度δが、上記目標角度αと上記相対傾斜角度γとの角度差εに一致するように、クランプ装置の傾き姿勢を調整し(S6)、調整手順を終了する。
【0062】
以下、図1、図3、および図4を用いて、本実施形態方法について、詳細に説明する。図1(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係るクランプ装置の傾き調整方法を段階的に示す図、図3は基準フェルール(基準被検体)を示す図、図4は2種類のクランプ装置保持具を示す図で、同図(a)は平行配置用のクランプ装置保持具を示し、同図(b)は傾斜配置用のクランプ装置保持具を示している。本実施形態方法では、図3に示す基準フェルール450および図4に示す2つのクランプ装置保持具200A,200Bを使用するので、まずこれらについて説明する。
【0063】
図3に示す基準フェルール450は、上記フェルール430と同じく斜め平面研磨型のフェルールであり、その先端面453が高精度に上記目標角度αの2分の1の傾斜角度β(例えば、4度)を有するように形成されている。なお、先端面453の傾斜角度βおよび傾斜方向の規定の仕方は、上記フェルール430の場合と同様である。
【0064】
上記クランプ装置300は、基準フェルール450を上記正規保持状態で保持するように構成されているが、基準フェルール450を保持する際、クランプ装置300とフェルールとの間で微小な保持状態のずれが生じる場合も考えられる。通常、このような保持状態のずれは微小であるが、上述したように測定対象のフェルールを保持する際にも保持状態のずれが生じる場合があるため、これらの保持状態のずれが相乗的に影響し合って高精度な測定を行なう場合の障害となる虞がある。そこで、クランプ装置300と基準フェルール450との間の保持状態のずれに関しては、これを校正する必要がある。本実施形態方法では、クランプ装置300の傾き姿勢を調整する際に、この校正が行なわれるようになっている。
【0065】
図4に示すクランプ装置保持具200A,200Bは、上述したクランプ装置保持具200と同様にクランプ装置300を保持するものであり、上記クランプ装置保持具200と同様の構成を有する部分については同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、これらのクランプ装置保持具200A,200Bは、上記クランプ装置保持具200と同様に、上述した傾斜調整装置100に対して上記取付ネジ240を介して取り付けられるが、この取付ネジ240と螺合するネジ孔等の図示は省略してある。
【0066】
平行配置用のクランプ装置保持具200Aは、上記クランプ装置保持具200と同タイプで、保持用凹部221内にクランプ装置300の取付面222Aを有しており、この取付面222Aの中央部には円形の開口部223Aが形成されている。クランプ装置300は、取付面222Aに対してネジ止めされるようになっており、取付面222Aの開口部223A周辺にはそのためのネジ孔や、クランプ装置300の位置決め用のピンが設けられているが、これらの図示は省略している(クランプ装置保持具200Bについても同様)。このクランプ装置保持具200Aは、顕微干渉計装置1に設置された状態において、取付面222Aに取り付けられたクランプ装置300の軸Aが、開口部223Aの中心軸Eおよび顕微干渉計装置1の光軸と高精度に重なるように構成されている。
【0067】
一方、傾斜配置用のクランプ装置保持具200Bは、上記フェルール430,440を測定する際に使用するもので、上記傾斜調整装置100に設置された際、その取付面222Bがクランプ装置300側に略角度αだけ前傾するように形成されている点が、上記クランプ装置保持具200と異なっている。このクランプ装置保持具200Bは、顕微干渉計装置1に設置された状態において、クランプ装置300が取付面222Bに対して取り付けられた際、その開口部223Bの中心軸Fを含み取付面222Bと直交する平面が、クランプ装置300の上記基準垂直面と高精度に重なるように、また、上記中心軸Fがクランプ装置300の軸Aと高精度に重なるように構成されている。
【0068】
次に、クランプ装置300の傾き調整方法の実施手順について、図1を用いて詳細に説明する。なお、図1においては、基準フェルール450と顕微干渉計装置1の基準面との関係を概念的に示し、上述したクランプ装置300,クランプ装置保持具200A,200Bの図示は省略している。また、顕微干渉計装置1の基準面としては、顕微干渉計装置1が具備する基準板の基準面(光軸と直交)を考えることができるが、基準板の基準面と平行な平面であれば、仮想的に任意に設定し得る。図1においては、このような仮想的な基準面を図示している。
【0069】
まず、基準フェルール450を保持したクランプ装置300を、その軸Aの垂直面(軸Aと直交する平面)Qが顕微干渉計装置1の基準面Pに対して平行となる位置(初期位置)に設置する(図1(a)参照)。この初期位置へのクランプ装置300の設置は、上記クランプ装置保持具200Aを用いて行なわれる。すなわち、図4(a)に示すクランプ装置保持具200Aの開口部223Aの中心軸Eと、顕微干渉計装置1の光軸Lとが互いに重なるように配置されたクランプ装置保持具200Aにクランプ装置300を設置することによって、クランプ装置300は上記初期位置に高精度に設置されるようになっている。なお、図1においては、クランプ装置300の上記基準垂直面が紙面と平行となるように、また、鉛直方向が図1の上下方向と一致するように図示されている。
【0070】
上記初期位置において、クランプ装置300の軸Aは顕微干渉計装置1の光軸Lと重なり、また基準フェルール450の先端面453は、上記基準面Pに対して図中反時計回りの向きに相対的傾斜角度γだけ相対的に傾いている。なお、この相対傾斜角度γは、基準フェルール450がクランプ装置300によって上記正規保持状態で保持されている場合は、先端面453の傾斜角度βに一致する。すなわち、傾斜角度βと相対傾斜角度γとの差は、クランプ装置300に対する基準フェルール450の上記正規保持状態からの保持状態のずれを表している。
【0071】
なお、クランプ装置300による基準フェルール450の保持状態のずれや、上記基準面Pに対する先端面453の相対傾斜角度γ等は、3次元的に計測されるものであるが、図1においては、便宜的に各角度を2次元的に表示することとする。また、保持状態のずれが生じている場合、基準フェルール450の軸D(図3参照)がクランプ装置300の軸Aと重ならない場合も発生するが、図1においては、便宜的にこれらの軸Dと軸Aが重なっているように表している。
【0072】
また、本実施手順においては、最終的には図1(c)に示すように、上記垂直面Qが上記基準面Pに対して図中時計回りの向きに、上記目標角度αだけ傾くようにクランプ装置300の傾き姿勢を調整する。これにより、図1においては、時計回りの向きが上述した目標向きとなり、上記初期位置にあるクランプ装置300に保持された基準フェルール450の先端面453は、上記基準面Pに対して上記目標向きとは反対の向き(図中反時計回りの向き)に相対的に傾斜することとなる。
【0073】
このような初期位置において、基準フェルール450の先端面453の基準面Pに対する相対傾斜角度γを、顕微干渉計装置1を用いて測定する。実際には、この相対傾斜角度γの測定は3次元的に行なわれ、上記基準面Pに対する上記先端面453の3次元的な傾斜方向が測定される。
【0074】
次に、図1(a)に示すように、基準フェルール450を保持したクランプ装置300を、上記先端面453が上記基準面Pに対して上記目標向き(図中時計回りの向き)に傾斜するように傾ける。この傾ける操作は、図4(b)に示すクランプ装置保持具200Bを用いて行なわれる。すなわち、上記クランプ装置保持具200Aからクランプ装置300を外し、クランプ装置保持具200Aをクランプ装置保持具200Bに交換する。そして、交換されたクランプ装置保持具200Bにクランプ装置300を設置する。この間、クランプ装置300による基準フェルール450の保持状態が変わらないように、また、クランプ装置300がその軸A回りに回転しないようにする(クランプ装置保持具200Bとクランプ装置300との間の位置決め機構により、クランプ装置300の軸A回りの回転は規制されるようになっている)。
【0075】
上述したように、クランプ装置保持具200Bは、その取付面222Bがクランプ装置保持具200Aの取付面222Aに対して、上記目標角度αだけ傾斜している。しかし、クランプ装置保持具200Bを上記傾斜調整装置100(図10参照)に取り付ける際の取付誤差が生じる場合があるので、クランプ装置保持具200Bに保持されたクランプ装置300の上記垂直面Qは、上記基準面Pに対して上記目標角度αだけ傾くとは限らない。図1(b)においては、垂直面Qの基準面Pに対する実際の傾斜角度をα´としている。
【0076】
図1(b)に示す状態において、上記先端面453の上記基準面Pに対する相対傾斜角度δを、顕微干渉計装置1を用いて測定する。図1(a)に示す状態において、上記基準面Pに対して反時計回りの向きに傾斜していた上記先端面453は、クランプ装置300の上記垂直面Qが時計回りの向きに角度α´(>β,γ)だけ傾くことによって、図1(b)に示す状態おいては、時計回りの向きに相対的に傾斜する。なお、実際には、上記相対傾斜角度δの測定は、図1(a)に示す相対傾斜角度γと同様に3次元的に行なわれ、上記基準面Pに対する上記先端面453の3次元的な傾斜方向が測定される。
【0077】
次に、測定された相対傾斜角度δが、上記目標角度αと上記相対傾斜角度γとの角度差εに一致するように、クランプ装置300の傾き姿勢を調整する(図1(c))。なお、この傾き調整は、本実施手順においては、図10に示す傾斜調整装置100を用いて行なわれる。
【0078】
上記角度差εは、クランプ装置300によって保持された基準フェルール450の上記正規保持状態からの保持状態のずれを示す角度となっている。すなわち、基準フェルール450が正規保持状態で保持されている場合、図1(a)に示す相対傾斜角度γは、上記先端面453の傾斜角度βに一致し、上記角度差εはα−β=β(∵α=2β)となる。したがって、図1(a)に示すように、上記基準面Pに対して反時計回りの向きに上記相対傾斜角度γ(=β)だけ傾斜している上記先端面453を、時計回りの向きに傾斜角度β分だけ傾斜するようにすれば、クランプ装置300の上記垂直面Qは、上記基準面Pに対して時計回りの向きに上記目標角度αだけ傾く。
【0079】
しかし、保持状態のずれによって、上記相対傾斜角度γが上記傾斜角度βに一致しない場合、例えば、γ=0.99β(反時計回りの向き)の場合、上記角度差εはα−γ=1.01βとなり、上記先端面453を、時計回りの向きにε=1.01β分の角度だけ傾斜するようにすれば、上記保持状態のずれは校正され、クランプ装置300の上記垂直面Qは、上記基準面Pに対して時計回りの向きに上記目標角度αだけ高精度に傾くことになる。なお、上記角度の角度差εは3次元的に求められ、その調整も3次元的に、すなわち上記基準面Pに対する上記先端面453の傾斜方向のずれも調整される。また、本実施手順においては、上記クランプ装置保持具200Bの上記傾斜調整装置100に対する取付誤差も同時に校正される。
【0080】
以上説明したように本実施形態方法では、基準フェルール450を用いてクランプ装置300の傾き姿勢の調整を行なう。基準フェルール450の先端面453の傾斜角度βは、顕微干渉計装置1の基準面Pに対するクランプ装置300の目標角度αの2分の1に設定されており、図1(a)に示す初期位置において上記先端面453は、上記基準面Pに対して上記目標角度αとは反対の向き(反時計回りの向き)に上記相対傾斜角度γだけ傾く。また、クランプ装置300を、図1(b)および図1(c)に示す状態に傾ける際、上記先端面453は上記基準面Pに対して上記目標角度αの向き(時計回りの向き)に上記相対傾斜角度δだけ傾く。上記相対傾斜角度γおよびδは、いずれも上記傾斜角度βに近い角度となるので、顕微干渉計装置1が、上記傾斜角度β程度の傾斜を測定し得るように構成されていれば、顕微干渉計装置1を用いて、クランプ装置300の上記基準面Pに対する傾き姿勢を、上記傾斜角度βの2倍の傾斜角度となる上記目標角度αに調整することができる。また、クランプ装置300による基準フェルール450の保持状態のずれは、上記基準面Pに対する上記先端面453の相対傾斜角度を調整する際に校正されるので、この保持状態のずれを予め校正しておく必要はない。
【0081】
<フェルール先端面の基準面に対する角度検出>
上述した実施形態方法を実施するためには、基準フェルール450の先端面453と顕微干渉計装置1の基準面Pとの相対的な傾斜角度(上記相対傾斜角度γおよびδ等)を検出する必要があるが、この相対的な傾斜角度を検出する手法として、縞画像解析手法を用いることができる。すなわち、上記実施形態方法においては、顕微干渉計装置1により基準フェルール450の先端面453の干渉縞情報を得ることができるので、これを利用して先端面453の干渉縞画像を得、この干渉縞画像を解析して先端面453の基準面Pに対する3次元的な相対傾斜角度を検出することが可能である。この場合における縞画像解析手法としては、位相シフト縞解析法を利用する手法とフーリエ変換縞解析法を利用する手法とが考えられるが、そのいずれをも採用し得る。
【0082】
位相シフト縞解析法は、縞画像解析手法として広く用いられている手法であり、この位相シフト縞解析法を用いることによって、被検面の傾斜角度を求めることも一般的に行なわれている。そこで、位相シフト縞解析法を用いた傾斜角度の測定方法についての詳細な説明は省略し、その概略について以下簡単に説明する。
【0083】
まず、用いる位相シフト縞解析法に応じた枚数分だけ、基準フェルール450の先端面453の縞画像を得る。この得られた複数枚の縞画像に、位相シフト縞解析法の計算手法を適用し、ラッピング状態にある先端面453の位相を求める。
【0084】
次いで、所定のアンラッピング手法を用いて、先端面453の形状を3次元的に求める。求められた先端面453の形状にフィッティングする平面(最小2乗平面)を最小2乗法により求め、この最小2乗平面の3次元的な傾きによって、先端面453の上記基準面Pに対する相対的傾斜角度および傾斜方向を求める。
【0085】
一方、フーリエ変換縞解析法を用いて被検面の基準面に対する相対的な傾斜角度を求める手法は、本願出願人によってその詳細が特開2002−257529号公報に開示されている。そこで、フーリエ変換縞解析法を用いた傾斜角度測定方法についての詳細な説明は省略し、その概略について以下簡単に説明する。
【0086】
フーリエ変換縞解析法は、人為的に被検面と基準面との間に相対的傾きを与えることにより、縞画像にキャリア縞を重畳させるものである。この人為的に重畳されたキャリア縞の情報は、フーリエ変換を施すことにより得られる周波数空間上において、キャリア縞に対応する周波数(キャリア周波数)として、被検面固有の位相情報と分離される。一方、人為的にキャリア縞を重畳させるのではなく、予め傾いている被検面の縞画像から得られる、傾きを含んだ被検面の位相情報にフーリエ変換を施すことにより、周波数空間上において被検面の傾きに対応した周波数を、上記キャリア周波数と同様に分離させることが可能となる。この分離された被検面の傾きに対応した周波数に基づき、被検面の傾きを求めることが可能となる。
【0087】
すなわち、顕微干渉計装置1を用いて得られた基準フェルール450の先端面453の縞画像に対してフーリエ変換を施し、周波数空間上において先端面453の傾きに対応した周波数を分離する。この分離した周波数の周波数空間上の位置に基づき先端面453の上記基準面Pに対する相対的傾斜角度を求める。
【0088】
あるいは、周波数空間上において被検面の傾きに対応した周波数を分離せずに、逆フーリエ変換を施すことによって先端面453の形状(傾きを含む)を求め、この求められた先端面453の形状にフィッティングする最小2乗平面の3次元的な傾きによって、先端面453の上記基準面Pに対する相対的傾斜角度および傾斜方向を求めるようにしてもよい。
【0089】
なお、上記手法において、基準フェルール450の先端面453の傾斜を表す平面を求める際には、上記最小2乗平面に替えて他のフィッティング手法を採用することも可能である。例えば、所定の球面によりフィッティングし、この球面の中心座標での接平面の傾きを求め、上記先端面453の基準面Pに対する相対的傾斜を推定するようにしてもよい。
【0090】
このように、位相シフト縞解析法またはフーリエ変換縞解析法を用いることで、基準フェルール450の先端面453の基準面Pに対する3次元的な相対的傾斜を検出できる。なお、位相シフト縞解析法およびフーリエ変換縞解析法により、基準フェルール450の先端面453の基準面Pに対する3次元的な相対的傾斜を求める際には、縞画像の全領域を使う必要がなく、一部の縞画像領域を解析することによっても充分に有効なデータを得ることが可能である。
【0091】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、種々の態様の変更が可能である。
【0092】
例えば、上記実施形態においては、基準フェルール450の先端面453の傾斜角度βが、クランプ装置300を傾ける際の目標角度αの2分の1に設定されているが、この傾斜角度βは、用いる顕微干渉計装置1の傾斜角度の測定性能に応じて、目標角度αより小さな任意の角度に設定し得る。例えば、顕微干渉計装置1が、目標角度αの3分の2程度の傾斜角度まで測定可能であれば、上記傾斜角度βは、目標角度αの3分の1〜3分の2の範囲で任意に設定することが可能である。すなわち、上記傾斜角度βが、用いる顕微干渉計装置1により測定可能な傾斜角度範囲内にあり、かつ上記目標角度αと傾斜角度βとの差が、用いる顕微干渉計装置1により測定可能な傾斜角度範囲内にあれば、傾斜角度βは任意に設定し得る。なお、上記実施形態では、目標角度αの具体値として、8度を例示しているが、目標角度αが8度に限定されないことは勿論である。
【0093】
また、上記実施形態においては、クランプ装置300を図1(a)に示す状態に傾ける際、傾斜配置用のクランプ装置保持具200Bを用いているが、このようなクランプ装置保持具200Bを用いないで調整することも可能である。例えば、平行配置用のクランプ装置保持具200Aの基準面Pに対する傾き姿勢を機構的に調整可能に構成し、この調整機構を用いて、クランプ装置保持具200Aに設置されたクランプ装置300の傾き姿勢を調整するようにしてもよい。
【0094】
さらに、上記実施形態においては、フェルールは、ジルコニアセラミック製であり、その軸心部にはシングルモードタイプの光ファイバを保持しているが、フェルールに関しては、ステンレス製やプラスチック製等の他の材料で形成されたものであってもよく、保持する光ファイバに関しては、マルチモードタイプのものであってもよい。
【0095】
また、クランプ装置が保持する被検体は、フェルールに限定されるものではなく、種々の被検体を保持するクランプ装置の傾き調整に、本発明を適用することが可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のクランプ装置の傾き調整方法によれば、先端面の傾斜角度がクランプ装置を傾ける際の目標角度αよりも小なる基準角度βに形成されてなる基準被検体をクランプ装置に保持せしめ、基準被検体先端面の基準面に対する相対傾斜角度を顕微干渉計装置により測定し、該測定された相対傾斜角度に基づいて、クランプ装置の傾き姿勢を目標向きに目標角度αだけ傾くように調整する。
【0097】
基準被検体先端面の基準面に対する相対傾斜角度が測定されるのは、基準被検体先端面が基準面に対して目標向きとは反対の向きに基準角度βと略等しい角度だけ相対的に傾く場合と、基準被検体先端面が基準面に対して目標向きに目標角度αと基準角度βとの差に略等しい角度だけ相対的に傾く場合であり、いずれの場合も基準被検体先端面の基準面に対する相対傾斜角度は目標角度αよりも小さくなる。これにより、目標角度αと同程度の傾斜角度を測定するために、可干渉性の高い照明光光源や高解像度の撮像素子を用いる必要がなくなるので、クランプ装置の傾き調整を低コストで行なうことが可能となる。
【0098】
また、クランプ装置による基準被検体の保持状態にずれが生じている場合においても、クランプ装置の傾きを調整する中で、その保持状態のずれの校正を行なうことができるので、クランプ装置による基準被検体の保持状態のずれの校正を予め行なう必要がなく、クランプ装置の傾きを簡易かつ高精度に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランプ装置の傾き調整方法を段階的に示す概念図
【図2】図1に示すクランプ装置の傾き調整方法の手順を概略的に示すフローチャート
【図3】基準フェルールの構成を示す図
【図4】2つのクランプ装置保持具の構成を示す図
【図5】斜め研磨型フェルールの構成を示す図
【図6】クランプ装置の断面図
【図7】クランプ装置の正面図
【図8】クランプ装置の外観斜視図(正面側)
【図9】クランプ装置の外観斜視図(裏面側)
【図10】クランプ装置を具備した顕微干渉計装置の斜視図
【符号の説明】
1 顕微干渉計装置
2 底板
3 前板
4 後板
5 隔壁板
6 カバーケース
7 電源部
8 コントロールボックス
9 コイルバネ
10 干渉計本体部
11 対物レンズユニット
12 ピエゾユニット
13 ハーフミラー・光源ユニット
14 結像レンズユニット
15 ミラーボックス
16 CCDカメラユニット
17 固定台
18 フォーカス台
18a 凸部
19A,19B ガイド軸
20 フォーカス調整ネジ
21 ネジ軸部
22 ツマミ部
30 電源スイッチ
100 傾斜調整装置
110 第1の基部材
120 第2の基部材
130 支点部
140 第1の傾斜調整ネジ
150 第2の傾斜調整ネジ
200 クランプ装置保持具
200A 平行配置用のクランプ装置保持具
200B 傾斜配置用のクランプ装置保持具
210 前段部
220 後段部
221 保持用凹部
222A,222B 取付面
223A,223B 開口部
230 連結部
240 取付ネジ
300 クランプ装置
310 基部
311,312 孔部
320 縁部
321 ネジ孔
322 凹部
323 ネジ孔
330 回転規制板
331 ネジ
332 ネジ挿通孔
333 回転規制孔
334 孔部
335 長孔
340 変位調整部
341 ネジ孔
342 ネジ挿入孔
343 調整ネジ
343a ネジ部
343b ネジ基部
343c ピン挿通孔
343d ネジ孔
344 レバー部材
344a ピン部
345 圧縮コイルバネ
346 ネジ
350 切欠部
351 空洞部
360 支持部
361 フェルール挿通孔
370 変位部
371 押圧部位
372 観察孔
373 薄肉部
380A,380B ストッパ部材
381 ネジ部
390 ピン部材
420 垂直研磨型のフェルール
421 フェルール本体
422 保持具
423 先端面
430 斜め平面研磨型のフェルール
431 フェルール本体
432 保持具
433 先端面
440 斜め球面研磨型のフェルール
441 フェルール本体
442 保持具
443 先端面
450 基準フェルール(基準被検体)
451 フェルール本体
452 保持具
453 先端面
A クランプ装置の軸
B 斜め平面研磨型フェルールの軸
C 斜め球面研磨型フェルールの軸
D 基準フェルールの軸
E,F 開口部の中心軸
L 顕微干渉計装置の光軸
P 顕微干渉計装置の基準面
Q クランプ装置の軸の垂直面
U,V 方向を示す矢線
α 目標角度
α´ 実際の傾斜角度
β 基準フェルール先端面の傾斜角度
γ,δ 基準面に対する先端面の相対傾斜角度
ε 角度差
θ 斜め研磨型フェルールの先端面の傾斜角度

Claims (7)

  1. 顕微干渉計装置により測定される柱状の被検体を、クランプ装置の軸と前記被検体の軸とが略一致するように保持する前記クランプ装置の前記軸の垂直面が、前記顕微干渉計装置の基準面に対して、所定の目標向きに所定の目標角度αだけ傾くように、前記クランプ装置の傾き姿勢を調整する方法において、
    前記クランプ装置を、前記垂直面が前記基準面に対して平行となる初期位置に設置し、
    先端面の傾斜角度βが前記目標角度αよりも小なる角度に形成されてなる基準被検体を、前記先端面が前記基準面に対して前記目標向きとは反対の向きに前記傾斜角度βと略等しい角度だけ相対的に傾斜した状態となるように、前記初期位置に設置された前記クランプ装置に保持せしめ、
    この保持された状態において前記先端面の前記基準面に対する相対傾斜角度γを、前記顕微干渉計装置を用いて測定し、
    次に、前記基準被検体を保持した前記クランプ装置を、該クランプ装置の前記軸回りの回転を規制しつつ、前記先端面が前記基準面に対して前記目標向きに相対的に傾斜するように傾けるとともに、この傾けた状態において前記先端面の前記基準面に対する相対傾斜角度δを、前記顕微干渉計装置を用いて測定し、
    この相対傾斜角度δが、前記目標角度αと前記相対傾斜角度γとの角度差εに一致するように、前記クランプ装置の傾き姿勢を調整することを特徴とするクランプ装置の傾き調整方法。
  2. 前記傾斜角度βが前記目標角度αの略2分の1の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1記載のクランプ装置の傾き調整方法。
  3. 前記クランプ装置を前記初期位置に設置する際には、該クランプ装置が取り付けられる取付面が前記基準面と平行に形成された平行配置用のクランプ装置保持具を用い、
    前記クランプ装置を前記目標向きに傾ける際には、該クランプ装置が取り付けられる取付面が前記基準面に対して前記目標向きに前記目標角度αだけ傾斜している傾斜配置用のクランプ装置保持具を用いることを特徴とする請求項1または2記載のクランプ装置の傾き調整方法。
  4. 前記相対傾斜角度δの調整は、前記傾斜配置用のクランプ装置保持具を支持し、該傾斜配置用のクランプ装置保持具の傾き姿勢を調整し得るように構成された傾斜調整装置を用いて行なわれることを特徴とする請求項3記載のクランプ装置の傾き調整方法。
  5. 前記相対傾斜角度γおよびδの検出は位相シフト縞解析法を用いて行なわれることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載のクランプ装置の傾き調整方法。
  6. 前記相対傾斜角度γおよびδの検出はフーリエ変換縞解析法を用いて行なわれることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載のクランプ装置の傾き調整方法。
  7. 前記被検体は、該被検体の先端面が該被検体の軸に対して傾斜するように研磨されてなる斜め研磨型のフェルールであることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載のクランプ装置の傾き調整方法。
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