JP2005069697A - 顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法 - Google Patents

顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法 Download PDF

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富美男 小林
Kenichi Takahashi
研一 高橋
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Abstract

【目的】フェルールとプラグ部材との間に生じるガタの範囲内で、フェルールをその軸回りに、第1の回動向きおよびそれとは逆向きの第2の回動向きに、それぞれ回動端まで回動させた状態で得られた各測定データの平均をとることにより、フェルールとプラグ部材との相対的な位置ずれの影響を受けにくく、安定した測定結果を得ることができるようにする。
【解決手段】光コネクタプラグを設置後(S1)、フェルール、内筒および外筒との間に生じるガタの範囲内で、フェルールを時計回りの向きに回動端まで回動させ(S2)、フェルール先端面の傾斜方向の角度ずれを顕微干渉計装置により測定する。次に、フェルールを反時計回りの向きに回動端まで回動させ(S6)、同様に測定する。各測定の回数が所定の回数nに達した段階で、n回の各測定データの平均をとり(S10)、その平均値を測定値αとして決定する(S11)。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微干渉計装置(「干渉顕微鏡装置」とも称される)を用いてフェルールの先端部の形状等を測定解析する、顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェルールとは、光ファイバを接続するための光コネクタプラグにおいて、光ファイバの一端を保持固定する円筒状の部品である。フェルールは、その外径の中心部に光ファイバが挿入され接着剤等で固定された後、その先端を鏡面状に研磨されており、2つのフェルールの先端面を突き合わせることによって、それぞれに保持された2つの光ファイバを接続できるように構成されている。
【0003】
このようなフェルールとしては、先端面がフェルールの軸に対して垂直となるように研磨された垂直研磨型のフェルールや、先端面における反射光の及ぼす悪影響を低減するために先端面がフェルールの軸に対して斜めとなるように研磨された斜め研磨型のフェルールが知られている。また、2つのフェルールを突き合わせる際の押圧力により先端面が弾性変形して、先端面同士の密着性を高め得るように構成されたPC(Physical Contact)型のフェルールも知られている。
【0004】
一般的な光コネクタプラグでは、フェルールは筒状のプラグ部材内に収納されている。また、斜め研磨型のフェルールを収納した光コネクタプラグにおいては、相手側の光コネクタプラグと接続される際の光損失を低減するため、双方のフェルールの先端面の(研磨)傾斜方向が互いに一致していることが必要となる。斜め研磨型のフェルールを収納した一般的な光コネクタプラグにおいては、相手側の光コネクタプラグとの接続の際に位置合せの基準となる方向(キー方向)を示すためのキー部やキー溝部などがプラグ部材に形成されており、斜め研磨型のフェルールは、その先端面の傾斜方向がキー方向に対して所定の角度をなし、かつ軸回りの回転が規制されるようにプラグ部材に係合された状態で、プラグ部材内に収納されている。
【0005】
このような斜め研磨型のフェルールにおける、光コネクタプラグのキー方向と先端面の傾斜方向との基準値に対する角度ずれ、あるいは先端面の傾斜角度(斜め研磨角度)の基準値に対する角度ずれなどに関しては、高精度な個別規格が定められている。作製されたフェルールが、定められた規格に適合しているかどうかを検査するために、顕微干渉計装置が用いられることがある。顕微干渉計装置は、微小な被検体の表面形状や屈折率分布などの位相情報を担持した物体光と、所定の基準板から反射された参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察し、この干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の位相情報を得るように構成されている。
【0006】
このような顕微干渉計装置を用いて、光コネクタプラグ内に収納されたフェルールの検査を行なう際には、光コネクタプラグを顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように保持する必要がある。この傾き姿勢は、垂直研磨型のフェルールについては、顕微干渉計装置の光軸とフェルールの軸とが略一致するような状態、また、斜め研磨型のフェルールについては、その先端面が顕微干渉計装置から射出される測定光束の光軸に対して略垂直となるような状態として設定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
斜め研磨型のフェルールにおいては、先端面の傾斜方向が重要な測定項目となっている。上述したように、この先端面の傾斜方向は、光コネクタプラグのキー方向を基準として設定されている。しかし、フェルールとプラグ部材との間には、厳密には作製公差による若干のガタがあり、このガタの範囲内でフェルールはプラグ部材に対して軸回りに回転し得るようになっている。このガタのために、フェルールとプラグ部材の相対的な位置関係が安定せず、フェルール先端面の傾斜方向の角度ずれや、頂点の位置ずれの測定結果にばらつきが生じる。
【0008】
従来の測定方法では、このようなガタによってフェルールとプラグ部材の相対的な位置関係が安定せずにばらつきが生じることを考慮しておらず、このため、同一の製品に対する測定結果が測定毎に異なることがあるなど、測定結果にばらつきが生じ易く安定した測定結果が得られないという問題がある。
【0009】
また、光コネクタプラグを顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように保持するためのクランプ装置も知られている。従来のクランプ装置は、クランプ装置の軸とフェルールの軸とが略一致する状態でフェルールをクランプし得るクランプ機構と、光コネクタプラグの軸回りの回転を規制する回転規制部とを備えている。この回転規制部は、通常、フェルールを保持するプラグ部材の先端部に形成されているキー溝等の係合部と係合するように構成されているが、クランプ装置側の回転規制部およびプラグ部材側の係合部の間には、厳密には作製公差により若干のガタがあり、フェルールがクランプされた時点においてフェルールは、このガタの範囲内で軸回りに回転し得る。このようなクランプ装置側の回転規制部とプラグ部材側の係合部との間に生じるガタのために、プラグ部材とクランプ装置との相対的な位置関係が安定せず、フェルール先端面の傾斜方向の角度ずれや、頂点の位置ずれの測定結果にばらつきが生じる。
【0010】
従来の測定方法では、クランプ装置とプラグ部材との間に生じるガタによってプラグ部材とクランプ装置との相対的な位置関係が安定せずにばらつきが生じることについてもあまり考慮しておらず、このため、測定結果にばらつきが生じ易く安定した測定結果が得られないという問題がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、クランプ装置とプラグ部材との間に生じるガタや、フェルールとプラグ部材との間に生じるガタのために、フェルール、プラグ部材およびクランプ装置の相対的な位置関係がばらつくことの影響を受けにくく、安定した測定結果を得ることが可能な顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の第1の顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法は、筒状のプラグ部材内にフェルールを保持してなる光コネクタプラグを、顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように設置し、前記顕微干渉計装置により前記フェルールの先端面を測定する方法において、
前記光コネクタプラグが前記顕微干渉計装置に対して設置された状態において、前記フェルールと前記プラグ部材との間に生じるガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記プラグ部材に対して相対的に第1の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第1の測定手順と、
前記ガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記プラグ部材に対して相対的に前記第1の回動向きとは逆向きの第2の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第2の測定手順とを、
少なくとも1回ずつ同回数行ない、各測定データの平均をとることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の第2の顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法は、筒状のプラグ部材内にフェルールを保持してなる光コネクタプラグを、顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように設置されたクランプ装置に装着し、前記顕微干渉計装置により前記フェルールの先端面を測定する方法において、
前記光コネクタプラグが前記クランプ装置に装着された状態において、前記フェルール、前記プラグ部材、および前記クランプ装置の間に生じるガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに第1の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第1の測定手順と、
前記ガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記第1の回動向きとは逆向きの第2の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第2の測定手順とを、
少なくとも1回ずつ同回数行ない、各測定データの平均をとることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法の実施形態について図面を用いて説明する。まず、光コネクタプラグの構成について、図1および図2を参照しながら説明する。図1は光コネクタプラグの構成を概略的に示す分解斜視図、図2は図1の光コネクタプラグを構成する各部材の軸回りの相対的な位置関係を示す図である。
【0015】
<光コネクタプラグの構成>
図1に示す光コネクタプラグ400(以下、「プラグ400」と略称することがある)は、筒状のプラグ部材410と該プラグ部材410内に収容されるフェルール420を備えてなる。上記プラグ部材410は、外筒402と該外筒402内に収容される内筒404(一部を破断して示す)とからなり、不図示の相手側プラグと不図示のスリーブを介して係合されるように構成されている。
【0016】
上記フェルール420は、例えばジルコニアセラミックからなるフェルール本体421の外径中心に光ファイバ430の一端部を保持してなる斜め球面研磨型のフェルールである。すなわち、フェルール420の先端面422は、不図示の相手側フェルールの先端面と密着し易いように凸球面状に研磨されているとともに、フェルール420の軸(中心軸)Cに対して所定の傾斜角度および所定の傾斜方向で交わるように構成されている。なお、JISによる傾斜角度θについては、フェルール420の軸C上で先端面422と接する平面と、この軸Cと直交する平面とのなす角度として規定され、先端面422の傾斜方向は、フェルール420の軸C上で先端面422と接する接平面と、この接平面に垂直でかつ軸Cを含む平面H(軸C方向より見た状態を、図2において1点鎖線で示す)との交線の延びる方向として規定される。なお、以下の説明では、上記外筒402および上記内筒404の各中心軸は、上記軸Cに一致しているものとする。
【0017】
また、フェルール本体421の後端部には、鍔部423と円筒部424とからなるフェルール保持具425が取り付けられている。フェルール420は、上記円筒部424にバネ部材(コイルバネ)426が取り付けられた状態で、上記内筒404内に収容され、内筒404の後端部に取り付けられたバネ押え環411(図1では図示略、図9参照)により後方への脱抜が、プラグ部材410の内面周方向に沿って環状に形成されたストッパ部414により前方への抜脱がそれぞれ規制されている。また、上記バネ部材426の弾性によって、フェルール420は軸Cと平行な方向(図中P方向)前方に向けて定圧付勢されており、その先端面422が不図示の相手側フェルールの先端面に対し押圧されるように構成されている。
【0018】
外筒402の先端上部および先端下部には、第1のキー溝部412および第2のキー溝部413がそれぞれ設けられている。また、外筒402の先端側面部には、凸状のキー部416が設けられている。これら第1、第2のキー溝部412,413およびキー部416は、プラグ400が相手側プラグと係合される際の挿入ガイドと抜脱防止に利用されるものである。プラグ400において、上記キー部416の中心軸Eと上記軸Cとを含む平面L(軸C方向より見た状態を、図2において1点鎖線で示す)と、上記平面Hとのなす角度をフェルールのキー角度と称する。一般に、フェルールのキー角度は、規格値との角度ずれの誤差の許容範囲が個別規格により厳しく規定されている。なお、プラグ400では、上記フェルールのキー角度の規格値が90度である場合を例にとっている。また、上記第1のキー溝部412の中心軸Dと軸Cとを含む平面(図示略)は、上記平面Lと直交するように設定されている。
【0019】
また、フェルール420は、上記フェルール保持具425を介して上記内筒404に保持されており、内筒404に対する軸C回りの回転は、フェルール保持具425と内筒404とが互いに係合することにより規制されている。すなわち、フェルール保持具425の鍔部423には、軸Cを挟んで互いに対向する位置に、軸C方向に延びる各一対のキー溝部427,428が形成されており、内筒404の内面には、このうちの一対のキー溝部427と係合する一対のキー部415(図1では一方のみ示す)が形成されている。これら鍔部423側のキー溝部427と、内筒404側のキー部415とが係合することにより、フェルール420のプラグ部材410に対する軸C回りの回転が規制されるように構成されている。
【0020】
また、上記外筒402および上記内筒404は、外筒402内に内筒404を収容する際の内筒404の向きを規制し得るとともに、外筒402内に収容された内筒404の軸C回りの回転を規制し得るような形状、大きさに形成されている。なお、外筒402および内筒404は、外筒402内に内筒404が収納された際に互いに係合し、外筒402内からの内筒404の抜脱を防止する係合部を備えているが、この係合部の図示は省略してある。
【0021】
上述したように、フェルール420は内筒404に対して軸C回りの回転が規制され、内筒404は外筒402に対して軸C回りの回転が規制されているが、厳密には、これらの各部材間には、それぞれの作製公差により若干のガタが生じている。このため、顕微干渉計装置に対してプラグ400を設置した状態において、フェルール420、内筒404および外筒402の軸C回りの相対的な位置関係は、一意的には定まらない。
【0022】
図2は、顕微干渉計装置に対して設置されたプラグ400(図2では符号省略)において、フェルール420、内筒404および外筒402の軸C回りの相対的な位置関係の1つの状態を例示している。この図2において、プラグ400は不図示のクランプ装置によって、顕微干渉計装置に対して設置され、クランプ装置側の回転規制部333Bにより、プラグ400の軸回りの回転が規制されている。また、図2では、上記平面H,Lの他に、以下の平面を図示している。すなわち、クランプ装置側の回転規制部333Bに設定された基準平面X,Yと、内筒404に対して設定された平面Mと、鍔部423に対して設定された平面N,Nとが図示されている。
【0023】
上記基準平面X,Yは、以下に説明する実施形態方法において、フェルール420の先端面422の傾斜方向を測定する際の基準となるものであり、軸C上において互いに直交している。上記平面Mは、内筒404側のキー部415の中心軸(図示略)と軸Cとを含む平面であり、上記平面Nは、鍔部423側のキー溝部427の中心軸(図示略)と軸Cとを含む平面である。また、上記平面Nは、軸C上において上記平面Nと直交している。
【0024】
上記基準平面Xに対して、上記平面L,M,Nが全て重なる状態のとき、上記基準平面Yと上記平面Nとは互いに重なり、上記傾斜方向の規格値からの角度ずれは、平面Hと平面Nとのなす角度αと一致し、これは基準平面Yと平面Hとのなす角度として、顕微干渉計装置により測定することが可能となる。しかし、図2に示すように、プラグ400の各構成部材間に生じるガタ、および回転規制部333Bとプラグ400との間に生じるガタによって、基準平面X、平面L,M,Nが互いにずれた状態のとき、上記基準平面Yと上記平面Nとは互いにずれた状態となるため、上記傾斜方向の規格値からの角度ずれは、基準平面Yと平面Hとのなす角度α+φとして、顕微干渉計装置により測定されることとなる。
【0025】
このように、ガタの存在によって、顕微干渉計装置により測定される上記傾斜方向の規格値からの角度ずれの測定値には、上記角度φ分の誤差が含まれる。このことが、従来の測定方法において安定した測定結果が得られない原因となっている。なお、上記角度α,φ、基準平面Xと平面Lとのなす角度β、平面Lと平面Mとのなす角度γ、および平面Mと平面Nとがなす角度δは、全て有向角度とし、図中軸Cを中心とした反時計回りの向きを正、時計回りの向きを負とする。また、上記角度φは、上記角度β、γおよびδの和に一致する。
【0026】
<フェルールの測定方法(第1の実施形態)>
以下、図3〜図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係る顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法を説明する。図3は第1の実施形態方法の手順を示すフローチャート、図4はフェルール420を軸C回りに第1の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図、図5はフェルール420を軸C回りに第2の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図である。なお、図4,5中の符号は、図2に準じている。
【0027】
まず、クランプ装置を用いてプラグ400を顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように設置する(図3のS1)。なお、この第1の実施形態方法では、クランプ装置側の回転規制部333Bに設定された基準平面Xと、外筒402に対して設定された平面Lとが互いに一致し、以下の手順において、回転規制部333Bに対する外筒402の軸C回りの位置ずれは起きないことを前提とする。
【0028】
次に、図4に示すように、フェルール420、内筒404および外筒402の間に生じるガタの範囲内で、フェルール420を軸C回りに第1の回動向き(図中時計回りの向き)に、上記範囲の回動端まで回動させ(図3のS2)、クランプ装置によって、フェルール420をクランプする(図3のS3)。この状態において、フェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれ(図4において、角度α+角度φに相等)を顕微干渉計装置により測定する(以上、第1の測定手順)。なお、図4に示す第1の回動端において、上記基準平面Yと上記平面Nとのなす角度φは、上記基準平面Xと上記平面Mとのなす角度γと、平面Mと上記平面Nとのなす角度δとの和に等しい。
【0029】
次いで、クランプ装置によるフェルール420のクランプを解除し(図3のS5)、図5に示すように、フェルール420、内筒404および外筒402の間に生じるガタの範囲内で、フェルール420を軸C回りに第2の回動向き(図中反時計回りの向き)に、上記範囲の回動端まで回動させ(図3のS6)、クランプ装置によって、フェルール420をクランプする(図3のS7)。この状態において、フェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれ(図5において、角度α+角度φに相等)を顕微干渉計装置により測定する(以上、第2の測定手順)。なお、図5に示す第2の回動端において、上記基準平面Yと上記平面Nとのなす角度φは、上記基準平面Xと上記平面Mとのなす角度γと、平面Mと上記平面Nとのなす角度δとの和に等しい。
【0030】
次に、上記第1の測定手順および上記第2の測定手順における各測定の回数が予め設定された所定の回数n(1以上の整数)に達しているか否かを判定し(図3のS9)、達していなければ上記第1、第2の測定手順を繰り返す。所定の回数nに達していれば下式(1)によって、n回の各測定データの平均をとり(図3のS10)、その平均値を上記傾斜方向の角度ずれの測定値αとして決定する(図3のS11)。
【0031】
【数1】
Figure 2005069697
なお、上式(1)において、(α+φおよび(α+φは、上記第1、第2の測定手順における各k回目(kは1以上n以下の整数)の測定値をそれぞれ示している。特に、上記第1の測定手順における角度φと上記第2の測定手順における角度φとが、互いに逆向きで大きさが略等しい場合、上記測定値αは上記角度αに略等しくなる。
【0032】
上述した第1の実施形態方法によれば、フェルール420をプラグ部材410(外筒402、内筒404)に対して相対的に時計回りおよび反時計回りに回転させて、回転ごとにフェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれを測定し、最終的にそれらの各測定データの平均をとるので、フェルール420とプラグ部材410との間のガタによるこれらの相対的な位置関係のばらつきの影響を受けにくく、確率的に信頼性の高い安定した測定結果を得ることが可能となる。
【0033】
<フェルールの測定方法(第2の実施形態)>
以下、図6および図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法を説明する。図6はフェルール420を軸C回りに第1の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図、図7はフェルール420を軸C回りに第2の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図である。なお、図6,7中の符号は、図2に準じている。
【0034】
上記第1の実施形態方法では、クランプ装置側の回転規制部333Bに設定された基準平面Xと、外筒402に対して設定された平面Lとが互いに一致し、回転規制部333Bに対する外筒402の軸C回りの位置ずれは起きないことを前提としていたのに対し、この第2の実施形態方法では、回転規制部333Bに対する外筒402の軸C回りの位置ずれが生じる場合に対応している。なお、実施手順の概要は、図3に示すフローチャートの流れと同じである。第1の実施形態方法と異なるのは、以下の点である。
【0035】
すなわち、この第2の実施形態方法では、第1の測定手順において、図6に示すように、フェルール420、内筒404、外筒402および回転規制部333Bの間に生じるガタの範囲内で、フェルール420を軸C回りに第1の回動向き(図中時計回りの向き)に、上記範囲の回動端まで回動させ、この状態において、フェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれ(図6において、角度α+角度φに相等)を顕微干渉計装置により測定する。このとき図6に示す第1の回動端において、上記基準平面Yと上記平面Nとのなす角度φは、上記基準平面Xと上記平面Lとのなす角度βと、平面Lと上記平面Mとのなす角度γと、平面Mと上記平面Nとのなす角度δとの和に等しくなる。
【0036】
また、第2の測定手順において、図7に示すように、フェルール420、内筒404、外筒402および回転規制部333Bとの間に生じるガタの範囲内で、フェルール420を軸C回りに第2の回動向き(図中反時計回りの向き)に、上記範囲の回動端まで回動させ、この状態において、フェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれ(図7において、角度α+角度φに相等)を顕微干渉計装置により測定する。このとき図7に示す第2の回動端において、上記基準平面Yと上記平面Nとのなす角度φは、上記基準平面Xと上記平面Lとのなす角度βと、平面Lと上記平面Mとのなす角度γと、平面Mと上記平面Nとのなす角度δとの和に等しくなる。
【0037】
なお、上記第1の測定手順および上記第2の測定手順における各測定の回数が予め設定された所定の回数nに達した段階で、上式(1)によって、n回の各測定データの平均をとり、その平均値を上記傾斜方向の角度ずれの測定値αとして決定する点は、上記第1の実施形態方法と同様である。
【0038】
この第2の実施形態方法によれば、フェルール420をプラグ部材410(外筒402、内筒404)および回転規制部333Bに対して相対的に時計回りおよび反時計回りに回転させて、回転ごとにフェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれを測定し、最終的にそれらの各測定データの平均をとるので、フェルール420とプラグ部材410および回転規制部333Bとの間のガタによるこれらの相対的な位置関係のばらつきの影響を受けにくく、確率的に信頼性の高い安定した測定結果を得ることが可能となる。
【0039】
また、上記第1および第2の実施形態方法では、フェルール420の先端面422の傾斜方向の角度ずれを測定する場合を例にとっているが、同じ測定手順により、フェルール420の先端面422の球面偏心量についても、確率的に信頼性の高い安定した測定結果を得ることが可能となる。
【0040】
<顕微干渉計装置>
以下、本発明方法を実施する際に用いる顕微干渉計装置の全体的な構成について、図8を参照しながら説明する。図8は顕微干渉計装置の一部を破断して示す斜視図である。
【0041】
図8に示す顕微干渉計装置1は、底板2、前板3(一部破断して図示)、後板4、隔壁板5およびカバーケース6(一部破断して図示)からなる本体筐体内に、電源部7、コントロールボックス8および干渉計本体部10を備えている。
【0042】
この干渉計本体部10は、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12、ハーフミラー・光源ユニット13、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16を備えている。これらのうち、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16は、隔壁板5に固定された固定台17に取り付けられており、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12およびハーフミラー・光源ユニット13は、フォーカス台18(一部破断して図示)に取り付けられている。
【0043】
このフォーカス台18は、前板3と固定台17との間において前後方向(図中の矢印FおよびB方向)に互いに平行な状態で延設された上下2本のガイド軸19A,19B(一部破断して図示)に、前後方向にスライド移動可能に支持されている。また、上記固定台17と上記フォーカス台18との間には、コイルバネ9が配されており、上記フォーカス台18は、このコイルバネ9の弾性により前方(図中の矢印F方向)に向けて付勢されている。
【0044】
また、上記前板3には、上記フォーカス台18を移動させて干渉計本体部10のフォーカス調整を行なうためのフォーカス調整ネジ20が設けられている。このフォーカス調整ネジ20は、前板3に形成された不図示のネジ孔に、自身の軸回りの回転により前後方向に移動可能に螺合するネジ軸部21と、このネジ軸部21を回転させるためのツマミ部22とを備えてなる。このネジ軸部21の先端面はフォーカス台18の前面部に設けられた半球状の凸部18aに当接している。このためフォーカス調整ネジ20は、ツマミ部22を回転させてネジ軸部21の前板3からの突出長を変えることにより、フォーカス台18をガイド軸19A,19Bに沿って前後方向に移動させることが可能となっており、これによりフォーカス調整を行なえるようになっている。
【0045】
上述したような構成を有する干渉計本体部10は、対物レンズユニット11の前方の所定位置に保持された微小な被検体(不図示)に、不図示の光源からの光を参照光と分割して照射し、被検体から反射してきた物体光を参照光と干渉させ、その干渉光を結像レンズユニット14を通した後、不図示のCCD上に干渉縞を結像させる。そして、得られた干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の表面形状の三次元計測や物性の測定を行なえるようになっている。なお、干渉計本体部10としては、ミロー型やマイケルソン型、リニーク型など種々のタイプのものを用いることが可能である。
【0046】
また、上記前板3には、傾斜調整装置100が配されている。この傾斜調整装置100は、前板3に固定されたL字状の第1の基部材110と、この第1の基部材110と同様のL字状をなし、第1の基部材110に対向配置された第2の基部材120とを備えている。第2の基部材120は、支点部130を中心に第1の基部材110に対して傾動可能に支持されており、第1の傾斜調整ネジ140および第2の傾斜調整ネジ150により、支点部130から略鉛直方向に延びる軸線周りと、支点部130から略水平方向に延びる軸線周りとにそれぞれ傾動して、第1の基部材110に対する傾きを2軸調整できるようになっている。
【0047】
この傾斜調整装置100の第2の基部材120には、クランプ保持具200が取り付けられている。クランプ保持具200は、前段部210と後段部220とそれらを繋ぐ連結部230とを有してなり、その前段部210を3個の取付ネジ240により上記第2の基部材120に固定されている。クランプ保持具200の後段部220は、対物レンズユニット11の前面側に位置し、その中央部には、保持用凹部221が形成されており、この保持用凹部221内に、本発明の一実施形態に係るクランプ装置300を保持している。なお、この他に前板3には、顕微干渉計装置1の電源をオンオフする電源スイッチ30が設けられている。
【0048】
<フェルールのクランプ装置>
次に、本発明方法で用いるフェルールのクランプ装置について、図9〜図12を用いて説明する。図9はクランプ装置の断面図、図10はその正面図、図11はその正面側からの斜視図、図12はその裏面側からの斜視図である。なお、図9に示す光コネクタプラグ400は、基本的に図1に示すものと同じであるが、図9においては図1に示す外筒402および内筒404が互いに一体化しているように図示している。
【0049】
図9および図10に示すようにクランプ装置300は、円形の板状部材からなる基部310、この基部310の正面側周縁部に該基部310と一体に形成された略円環状の縁部320、および変位調整部340からなるクランプ体305と、上記基部310の正面にネジ331(図10、図11参照)を介して取り付けられた円板状の回転規制体330とを備えてなる。
【0050】
図10に示すようにクランプ体305の縁部320には、3個のネジ孔321と溝部322とを備えている。ネジ孔321は、クランプ装置300を上記クランプ保持具200(図8参照)に取り付けるためのネジ用のものであり、溝部322は、クランプ保持具200に設けられたピン(不図示)と係合して、クランプ装置300のクランプ保持具200に対する位置合わせを高精度に行なえるように設けられている。
【0051】
図9に示すように上記基部310は、該基部310の一側面側(図中上部)から他側面側(図中下部)へ向かって延びる切欠部350を有し、該切欠部350によって、該切欠部350を挟んで互いに対向する2つの部分、すなわち、該基部310の正面側(フェルール420の挿通方向後側)に位置する支持部360と、該基部310の裏面側(フェルール420の挿通方向前側)に位置する変位部370とに、部分的に分割されている。
【0052】
上記支持部360は、基部310の正面中央部においてクランプ装置300の軸A方向に突出する円筒状のクランプ口361と、このクランプ口361の内面を構成するとともに、基部310の中央部を軸A方向に延びるように形成された固定のフェルール挿通孔362とを備えている。このフェルール挿通孔362は、上記フェルール420の外径と略同寸法の内径を有しており、上記支持部360は、上記クランプ口361から挿通されたフェルール420を、その軸Cとクランプ装置300の軸Aとが互いに重なるように支持し得るように構成されている。
【0053】
上記変位部370には、上記基部310の一側面側から上記軸Aを越えて延びる上記切欠部350の先端部に形成された空洞部351によって、軸Aと略直角な向きに所定距離離れた位置に薄肉部373が形成されており、変位部370は、この薄肉部373の形成位置を支点として、軸A方向(フェルール420の挿通方向)に変位可能に形成されている。また、変位部370は、上記フェルール挿通孔362内にフェルール420が挿通された際、該フェルール挿通孔362の挿通方向前側の端部から突出する、フェルール420の先端部分(図9に仮想線で示す)を、上記変位に伴い、フェルール420の挿通方向と略直角な方向に押圧して、フェルール挿通孔362内に挿通されたフェルール420を保持する押圧部位371を有している。
【0054】
上記変位調整部340は、上記変位部370の変位を調整するものであり、図9に示すように、変位部370の先端部に上記軸A方向に延びるように形成されたネジ孔341と、上記支持部360の該ネジ孔341と対向する部分に、軸A方向に延びるように形成されたネジ挿入孔342と、該ネジ挿入孔342からネジ孔341に向けて差し込まれた調整ネジ343とを備えている。
【0055】
この調整ネジ343は、上記ネジ孔341と螺合するネジ部343aと、該調整ネジ343を操作するためのレバー部材344が取り付けられるネジ基部343bとを備えてなる。また、調整ネジ343は、図9に示すように、回転規制体330を介して基部310に取り付けられており(回転規制体330には、調整ネジ343用のネジ挿通孔332が形成されている)、上記ネジ挿入孔342内には、変位部370を外方に向け付勢する圧縮コイルバネ345が設けられている。調整ネジ343は、圧縮コイルバネ345により外方に向け付勢された変位部370のネジ孔341に、そのネジ部343aが螺合され、該調整ネジ343を回転することにより、変位部370の変位を調整できるようになっている。
【0056】
レバー部材344は、ネジ基部343bに形成されたピン挿通孔343c内に挿通されるピン部344aを有し、該ピン部344aをピン挿通孔343c内に挿通された後、ネジ基部343bの頂部に形成されたネジ孔343dに螺合するネジ346によって、ネジ基部343bに固定されている。このレバー部材344は、上記調整ネジ343を回転させ上記変位部370の変位を調整する際に、操作される。
【0057】
図10に示すように、上記縁部320には、上記レバー部材344の回動範囲を規制するためのストッパ部材380A,380Bが設けられている。ストッパ部材380Aは、レバー部材344の図中時計方向への回動を規制するためのものであり、ストッパ部材380Bは、レバー部材344の図中反時計方向への回動を規制するためのものである。レバー部材344は、これら2つのストッパ部材380A,380Bの間を回動する(本実施形態では回動角度範囲90度)ようになっており、レバー部材344がストッパ部材380Aに当接する位置が、フェルール420を保持するクランプ位置であり、レバー部材344がストッパ部材380Bに当接する位置が、フェルール420の保持を解除するクランプ解除位置となっている。また、図9に示すように、ストッパ部材380A,380B(図9ではストッパ部材380Aのみ図示)は、上記縁部320に形成されたネジ孔323と螺合するネジ部381を有し、該ネジ部381がネジ孔323に螺合されることによって、縁部320に固定されている。
【0058】
また、図10に示すように、上記基部310の正面には、クランプ体側位置合せ基準としての円柱状の2つの係合ピン390,391が、クランプ装置300の軸Aを挟んで互いに対向する2位置において、それぞれ軸A方向に延びるように設けられている。なお、軸Aから2つの係合ピン390,391各々までの距離は、後述する回転規制部333の係合凸部336および押圧部337から軸Aまでの距離よりも長く設定されている。
【0059】
一方、回転規制体330には、回転規制体側位置合わせ基準としての2つの係合孔334,335が設けられている。係合孔334は丸孔状で、その内径が上記係合ピン390の外径と略同寸法に形成されている。一方、上記係合孔335は上記軸Aの径方向に延びた長孔状で、その短径(上記軸Aの周方向の長さ)が上記係合ピン391の外径と略同寸法に、その長径(上記軸Aの径方向の長さ)は上記係合ピン391の外径よりも若干大きく形成されている。回転規制体330は、クランプ体305に取り付けられる際、上記係合ピン390,391に対して、上記係合孔334,335がそれぞれ位置合せされて係合されることにより、クランプ体305に対して高精度に位置決めされるように構成されている。
【0060】
さらに、回転規制体330の中央部には、クランプ装置300に保持されたプラグ部材410の回転を規制するための回転規制部333が形成されている。この回転規制部333の全体的な形状は、プラグ部材410の作製公差を許容し得る程度に、プラグ部材410の外形断面形状よりも若干大きく形成されている。このため、プラグ部材410のみを回転規制部333に装着した状態においては、プラグ部材410との間には公差内の微小なガタが生じることとなる。このガタを抑えるため、回転規制部333は、フェルール420がフェルール挿通孔362内に挿通される際に、上記プラグ部材410(図9参照)の第2のキー溝部413を、上記P方向と直交するQ方向上方に向けて押圧し、フェルール420に対してプラグ部材410を、上記P方向およびQ方向を含む面内で傾動させる押圧部337を備えている。
【0061】
詳しくは、クランプ装置300の軸Aから押圧部337までの距離は、フェルール420の軸Cから第2のキー溝部413までの距離よりも短くなるように設定されており、また、押圧部337のプラグ400と対向する側の角部は、プラグ400に向けて下り傾斜面となるように形成されている。これにより、押圧部337は、フェルール420がフェルール挿通孔362内に挿通される際に、プラグ部材410の第2のキー溝部413と摺接しながらこれを上方に向けて押圧し、フェルール420に対してプラグ部材410を紙面に沿って傾動させるようになっている。なお、さらに詳しくは、図10において、押圧部337の左右方向両端部分は、左右方向中央部分よりも少し上方に突出するように形成されており、押圧部337が第2のキー溝部413を押圧する力によって、プラグ部材410に軸A回りのモーメントが生じるようになっている。
【0062】
また、回転規制部333において、フェルール挿通孔362を挟んで押圧部337の反対側の位置には、係合凸部336が設けられている。このクランプ装置300では、押圧部337がプラグ部材410を押圧する力と、プラグ部材410の傾動によって上記バネ部材426が反発する力と、クランプ挿通孔362がフェルール420を支持する力との釣合いにより、プラグ400をクランプ装置300に対して位置決めするようになっている。係合凸部336は、通常はプラグ400側とは係合せず、プラグ400に何らかの強い力が作用してプラグ400が大きく変位した場合に、第1のキー溝部412と係合して、プラグ400のそれ以上の変位を防止するストッパとしての機能を有するように構成されている。
【0063】
また、図12に示すように、クランプ装置300の上記基部310の裏面には、各種の孔部が形成されている。孔部311は、上記回転規制部333を基部310に固定する上記ネジ331が挿通される貫通孔であり、孔部312は、回転規制体330を位置決めするための上記係合ピン390,391が挿通される貫通孔である。どちらの孔部311,312も加工の都合上、基部310の正面側から裏面側まで貫通しているが、これらに挿通される上記ネジ331および係合ピン390の先端部は、上記切欠部350の手前の位置までしか達していない。
【0064】
また、基部310の裏面中央部には、フェルール420の先端部を観察するための観察孔372が形成されている。この観察孔372は、図9に示すように、上記軸A上に位置するように設けられ、また、上記フェルール挿通孔362よりも一回り大きい大きさに形成されている。
【0065】
次に、他の形態のクランプ装置について、図13を用いて説明する。図13は他の形態のクランプ装置の正面図である。なお、図13に示すクランプ装置300Aにおいて、上記クランプ装置300と共通する部分については、図9〜図12中で用いた符号を図13においても用いることとし、その詳細な説明は省略する。
【0066】
図13に示すクランプ装置300Aは、回転規制体330Aが以下のように構成されている点において、上記クランプ装置300とは異なっている。すなわち、この回転規制体330Aは、図13に示すように回転規制部333において、フェルール挿通孔362を挟んで押圧部337と反対側の位置に、略L字状に形成された溝部338が形成され、この溝部内に溝部338に沿って延びる略L字状の弾性変位部339を備えている。この弾性変位部339は、回転規制体330Aと一体に形成されており、その先端部339aを図中上方に向けて押圧すると、図中水平方向に延びた腕部339bが上方に撓むように弾性変形するようになっている。この溝部338および弾性変位部339以外の構成は、上記クランプ装置300と同様である。
【0067】
このクランプ装置300Aでは、クランプ装置300A側の押圧部337がプラグ部材410側の第2のキー溝部413を押圧する力と、プラグ部材410の傾動によって弾性変形する弾性変位部339が反発する力と、プラグ部材410とフェルール420との間に相互に作用する力と、クランプ挿通孔362がフェルール420を支持する力とが釣合うように構成されている。これらの力が釣合うことにより、プラグ部材410とクランプ装置300Aとの間のガタが抑えられて、これらの間の軸回り方向の位置決めがなされ、また、プラグ部材410とフェルール420との間のガタが抑えられ、これらの間の軸回り方向の位置決めがなされる。
【0068】
このようなクランプ装置300,300Aを用いることにより、プラグ400とクランプ装置300,300Aとの間のガタを抑制することが可能となるので、本発明方法を実施する場合において、フェルール420の軸C回りの回動範囲を狭くすることができるなどの利点がある。なお、本発明方法は、光コネクタプラグとクランプ装置側の回転規制部との間にガタが生じる従来のクランプ装置を用いた場合でも、安定した測定結果が得られることは勿論である。
【0069】
また、上記実施形態においては、測定対象のフェルールが斜め球面研磨型のフェルールとされているが、これらのフェルールとしては、斜め平面研磨型のフェルールや、垂直研磨型(先端面は平面でも球面でもよい)のフェルールでもよい。
【0070】
さらに、上記実施形態においては、フェルールがジルコニアセラミック製であるが、フェルールがステンレス製やプラスチック製等の他の材料で形成されたものであってもよい。また、フェルールがその軸心部に保持する光ファイバに関しては、シングルモードタイプ、マルチモードタイプ等の種々のタイプのものを用いることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の第1の顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法によれば、フェルールとプラグ部材との間に生じるガタの範囲内で、フェルールをその軸回りに、第1の回動向きおよびそれとは逆向きの第2の回動向きに、それぞれ回動端まで回動させた状態でフェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定し、各測定データの平均をとるので、フェルールとプラグ部材との間に生じるガタを原因とするこれらの相対的な位置関係のばらつきの影響を受けにくく、確率的に信頼性の高い安定した測定結果を得ることが可能となる。
【0072】
また、本発明の第2の顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法によれば、フェルール、プラグ部材およびクランプ装置の間に生じるガタの範囲内で、フェルールをその軸回りに、第1の回動向きおよびそれとは逆向きの第2の回動向きに、それぞれ回動端まで回動させた状態でフェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定し、各測定データの平均をとるので、フェルール、プラグ部材および顕微干渉計装置との間に生じるガタを原因とするこれらの相対的な位置関係のばらつきの影響を受けにくく、確率的に信頼性の高い安定した測定結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光コネクタプラグの構成を概略的に示す分解斜視図
【図2】光コネクタプラグを構成する各部材の軸回りの相対的な位置関係を示す図
【図3】第1の実施形態方法の手順を示すフローチャート
【図4】フェルールを軸回りに第1の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図(第1の実施形態)
【図5】フェルールを軸回りに第2の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図(第1の実施形態)
【図6】フェルールを軸回りに第1の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図(第2の実施形態)
【図7】フェルールを軸回りに第2の回動向きに回動端まで回動させた状態を示す図(第2の実施形態)
【図8】顕微干渉計装置の構成を示す斜視図
【図9】クランプ装置の構成を示す断面図
【図10】図9に示すクランプ装置の正面図
【図11】図9に示すクランプ装置の外観斜視図(正面側)
【図12】図9に示すクランプ装置の外観斜視図(裏面側)
【図13】他の形態のクランプ装置の構成を示す正面図
【符号の説明】
1 顕微干渉計装置
2 底板
3 前板
4 後板
5 隔壁板
6 カバーケース
7 電源部
8 コントロールボックス
9 コイルバネ
10 干渉計本体部
11 対物レンズユニット
12 ピエゾユニット
13 ハーフミラー・光源ユニット
14 結像レンズユニット
15 ミラーボックス
16 CCDカメラユニット
17 固定台
18 フォーカス台
18a 凸部
19A,19B ガイド軸
20 フォーカス調整ネジ
21 ネジ軸部
22 ツマミ部
30 電源スイッチ
100 傾斜調整装置
110 第1の基部材
120 第2の基部材
130 支点部
140 第1の傾斜調整ネジ
150 第2の傾斜調整ネジ
200 クランプ保持具
210 前段部
220 後段部
221 保持用凹部
230 連結部
240 取付ネジ
300,300A クランプ装置
305 クランプ体
310 基部
311,312 孔部
320 縁部
321 ネジ孔
322 溝部
323 ネジ孔
330,330A 回転規制体
331 ネジ
332 ネジ挿通孔
333,333B 回転規制部
334,335 係合孔
336 係合凸部
337 押圧部
338 溝部
339 弾性変位部
339a 先端部
339b 腕部
340 変位調整部
341 ネジ孔
342 ネジ挿入孔
343 調整ネジ
343a ネジ部
343b ネジ基部
343c ピン挿通孔
343d ネジ孔
344 レバー部材
344a ピン部
345 圧縮コイルバネ
346 ネジ
350 切欠部
351 空洞部
360 支持部
361 クランプ口
362 フェルール挿通孔
370 変位部
371 押圧部位
372 観察孔
373 薄肉部
380A,380B ストッパ部材
381 ネジ部
390,391 係合ピン
400 光コネクタプラグ(プラグ)
402 外筒
404 内筒
410 プラグ部材
411 バネ押え環
412 第1のキー溝部
413 第2のキー溝部
414 ストッパ部
415 キー部(内筒)
416 キー部(外筒)
420 フェルール
421 フェルール本体
422 フェルールの先端面
423 鍔部
424 円筒部
425 フェルール保持具
426 バネ部材
427,428 キー溝部
430 光ファイバ
A クランプ装置の軸
C フェルールの軸
D 第1のキー溝部の中心軸
E 外筒のキー部の中心軸
F,B,P,Q 方向を示す矢線
θ フェルールの先端面の傾斜角度
X,Y フェルール先端面の傾斜方向を測定する際の基準平面
H フェルール先端面の軸上での接平面に垂直でかつ軸を含む平面
L 外筒のキー部の中心軸Eとフェルールの軸とを含む平面
M 内筒のキー部の中心軸とフェルールの軸とを含む平面
鍔部のキー溝部の中心軸とフェルールの軸とを含む平面
フェルールの軸上において平面Nと直交する平面
α 平面Hと平面Nとのなす角度
β,β,β 基準平面Xと平面Lとのなす角度
γ,γ,γ 平面Lと平面Mとのなす角度
δ,δ,δ 平面Mと平面Nとのなす角度
φ,φ,φ 基準平面Yと平面Nとのなす角度

Claims (2)

  1. 筒状のプラグ部材内にフェルールを保持してなる光コネクタプラグを、顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように設置し、前記顕微干渉計装置により前記フェルールの先端面を測定する方法において、
    前記光コネクタプラグが前記顕微干渉計装置に対して設置された状態において、前記フェルールと前記プラグ部材との間に生じるガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記プラグ部材に対して相対的に第1の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第1の測定手順と、
    前記ガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記プラグ部材に対して相対的に前記第1の回動向きとは逆向きの第2の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第2の測定手順とを、
    少なくとも1回ずつ同回数行ない、各測定データの平均をとることを特徴とする顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法。
  2. 筒状のプラグ部材内にフェルールを保持してなる光コネクタプラグを、顕微干渉計装置に対して所定の傾き姿勢をなすように設置されたクランプ装置に装着し、前記顕微干渉計装置により前記フェルールの先端面を測定する方法において、
    前記光コネクタプラグが前記クランプ装置に装着された状態において、前記フェルール、前記プラグ部材、および前記クランプ装置の間に生じるガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに第1の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第1の測定手順と、
    前記ガタの範囲内で、前記フェルールを該フェルールの軸回りに前記第1の回動向きとは逆向きの第2の回動向きに、前記範囲の回動端まで回動させ、該フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定する第2の測定手順とを、
    少なくとも1回ずつ同回数行ない、各測定データの平均をとることを特徴とする顕微干渉計装置によるフェルールの測定方法。
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