JP2005070103A - フェルールのクランプ装置およびこれを具備した顕微干渉計装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】測定標準体とクランプ器具との位置合せの基準と、回転規制体とクランプ体との位置合せの基準を共通化するとともに、基準フェルールの軸から測定標準体側位置合せ基準までの距離を、クランプ器具の軸から回転規制部までの距離よりも長く設定することにより、クランプ体、回転規制体および基準フェルールを互いに安定して高精度に位置決めできるようにする。
【解決手段】測定標準体500は、基準フェルール520がクランプ口に挿通され、係合溝530がクランプ体側の係合ピンに対して係合されることにより、クランプ器具に対して位置決めされる。回転規制体は、2つの係合孔がクランプ体側の2つの係合ピンに対してそれぞれ係合されることにより、クランプ体に対して位置決めされる。基準フェルール500の軸Eから係合溝530の中心軸Gまでの距離は、クランプ器具の軸から回転規制部までの距離よりも長く設定されている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微干渉計装置(「干渉顕微鏡装置」とも称される)を用いて、フェルールの先端部の形状等を解析する際に、プラグ部材に保持されたフェルールを対物レンズ前の所定位置に保持するために使用されるフェルールのクランプ装置およびこのクランプ装置を具備した顕微干渉計装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェルールとは、光ファイバを接続するための光コネクタを構成する一組のプラグの各々において、光ファイバの一端を保持固定する円筒状の部品である。フェルールは、その外径の中心部に光ファイバが挿入され接着剤等で固定された後、その先端を鏡面状に研磨されており、2つのフェルールの先端面を突き合わせることによって、それぞれに保持された2つの光ファイバを接続できるように構成されている。
【0003】
このようなフェルールとしては、先端面がフェルールの軸に対して垂直となるように研磨された垂直研磨型のフェルールや、先端面における反射光の及ぼす悪影響を低減するために先端面がフェルールの軸に対して斜めとなるように研磨された斜め研磨型のフェルールが知られている。また、2つのフェルールを突き合わせる際の押圧力により先端面が弾性変形して、先端面同士の密着性を高め得るように構成されたPC(Physical Contact)型のフェルールも知られている。
【0004】
ところで、光ファイバ接続に伴う光損失を低減するため、フェルールにはμmオーダの高精度な種々の個別規格が定められている。例えば、斜め研磨型のフェルールにおいては、先端面の傾斜角度(斜め研磨角度)の基準値に対する角度ずれや、光コネクタのキー方向と先端面の(研磨)傾斜方向との基準値に対する角度ずれなどに関する規格が定められている。
【0005】
作製されたフェルールが、定められた規格に適合しているかどうかを検査するために、顕微干渉計装置が用いられることがある。顕微干渉計装置は、微小な被検体の表面形状や屈折率分布などの位相情報を担持した物体光と、所定の基準板から反射された参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察し、この干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の位相情報を得るように構成されている。
【0006】
このような顕微干渉計装置を用いてフェルールの検査を行なう場合において、顕微干渉計装置の基準板の前方の所定位置にクランプ器具を配し、このクランプ器具により、検査対象のフェルールを保持する方法が知られている。このクランプ器具は、クランプ器具の軸とフェルールの軸とが、フェルールを保持した際に略一致するように、また、斜め研磨型のフェルールに対しては、保持した際にその先端面の傾斜方向が所定の方向(光コネクタのキー方向により決められる)を向くように構成されている。
【0007】
すなわち、クランプ器具は、クランプ器具の軸とフェルールの軸とが略一致する状態でフェルールをクランプし得るクランプ機構と、フェルールの先端面の傾斜方向が所定の方向を向くように、フェルールの軸回りの回転を規制する回転規制部とを備えている。この回転規制部は、通常、フェルールを保持するプラグ部材に形成されているキー溝等の係合部と係合することにより、フェルールの軸回りの回転を規制するように構成されている。
【0008】
また、光コネクタの種類によってプラグ部材側の係合部の形状が変わることがあるため、クランプ機構を備えたクランプ体と、回転規制部を備えた回転規制体とを別体で構成し、プラグ部材側の係合部の形状に適合する回転規制部を備えた回転規制体を、クランプ体に取り付けて使用するように構成されたクランプ器具も知られている。
【0009】
ところで、顕微干渉計装置においては、検査対象となるフェルールの先端面が、顕微干渉計装置から射出される測定光束の光軸に対して略垂直となるように設置する必要があるため、垂直研磨型のフェルールを検査する場合には、クランプ器具の軸の垂直面(軸と直交する平面)が顕微干渉計装置から射出される測定光束の光軸に対して垂直となるようにクランプ器具を設置する。一方、斜め研磨型のフェルールを検査する場合には、斜め研磨型のフェルールの先端面が顕微干渉計装置から射出される測定光束の光軸に対して垂直となるように、すなわち上記垂直面が上記測定光束の光軸に対して所定の向き(先端面が測定光束の光軸に対して垂直となる向き)に、所定の角度(斜め研磨角度に相当する角度)だけ相対的に傾斜するように、クランプ器具を傾ける必要がある。
【0010】
このようなクランプ器具の傾き姿勢を調整する方法として、先端面の傾斜角度および先端面の傾斜方向等が規格に適合するように高精度に形成された基準フェルールを備えてなる測定標準体をクランプ器具にセットし、基準フェルールの先端面と顕微干渉計装置の基準面とにより形成される干渉縞が所定の縞状態(例えば、先端面が平面の場合はヌル縞状態、先端面が球面の場合は略同心円状の縞状態)となるようにクランプ器具の傾き姿勢を調整する方法が知られている。所定の縞状態が観察された状態でクランプ器具を固定すれば、クランプ器具に保持されている基準フェルールを、顕微干渉計装置から射出される測定光束の光軸に対して所定の傾き姿勢をとるように高精度に調整することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ただし、このような手順により、顕微干渉計装置の基準面に対する相対的な傾き姿勢が規定されるのは、厳密にはクランプ器具に保持されている基準フェルールであって、クランプ器具自体ではない。また、検査対象のフェルールを測定する場合には、調整されたクランプ器具の傾き姿勢が測定時の基準となり、この傾き姿勢からのずれがフェルールの作製誤差として計測されることとなる。
【0012】
したがって、上記手順の実施に際しては、基準フェルールをクランプ器具にセットする際に、クランプ器具と基準フェルールの傾き姿勢が互いに略一致するように、両者の位置合せを安定して高精度に行なえることが重要となる。特に、クランプ機構を備えたクランプ体と回転規制部を備えた回転規制体とが、互いに別体に構成されているクランプ器具においては、基準フェルール、回転規制体、クランプ体の間の相対的な位置合せ、特に、各々の軸回り方向の相対的な位置合せを安定して高精度に行なうことが重要となる。
【0013】
しかし、従来のクランプ装置においては、基準フェルールとクランプ器具との間の相対的な軸回り方向の位置合せを高精度に安定して行ないにくいという問題がある。すなわち、従来のクランプ装置では、基準フェルールを備えた測定標準体側に、測定対象のフェルールのプラグ部材側に形成された係合部と同形状の係合部が設けられ、この係合部とクランプ器具の回転規制部とが互いに係合することにより、基準フェルールとクランプ器具との間の相対的な軸回り方向の位置合せがなされるように構成されている。
【0014】
回転規制部および測定標準体側の係合部は、それぞれの形状が互いに略一致するように高精度に形成されるとしても、厳密には作製公差により、互いの間に若干のガタが生じることとなる。このようなガタは、たとえ微小であっても、クランプ器具の軸から回転規制部までの距離が短いため、クランプ器具と基準フェルールとの相対的な軸回り方向の位置ずれに反映され易いという問題がある。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、クランプ体と回転規制体とからなるクランプ器具と、クランプ器具の傾き姿勢の調整に用いられる基準フェルールを有する測定標準体とを備えたフェルールのクランプ装置において、基準フェルール、回転規制体、クランプ体の間の相対的な位置合せを安定して高精度に行なうことが可能なフェルールのクランプ装置、およびこのようなクランプ装置を具備した顕微干渉計装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明のフェルールのクランプ装置は、プラグ部材に保持されたフェルールが挿通されるクランプ口を備え該クランプ口に挿通された前記フェルールをクランプするクランプ体と、前記プラグ部材と係合して前記フェルールの軸回りの回転を規制する回転規制部を備え前記フェルールが前記クランプ口に挿通された際に該回転規制部が前記プラグ部材と係合するように前記クランプ体に取り付けられる回転規制体とを有してなり、顕微干渉計装置の基準面に対して所定の傾き姿勢で配置されるクランプ器具と、
高精度に形成された基準フェルールを有してなる測定標準体とを備え、
前記基準フェルールが前記クランプ口に挿通され前記クランプ体によりクランプされた状態となるように前記測定標準体を前記クランプ器具にセットし、該基準フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定することによって、前記クランプ器具の傾き姿勢が調整されるフェルールのクランプ装置において、
前記クランプ体は、互いに離間した2位置にそれぞれ設けられた2つのクランプ体側位置合せ基準を備え、
前記回転規制体は、前記クランプ体に取り付けられる際に前記2つのクランプ体側位置合せ基準に対してそれぞれ位置合せされる2つの回転規制体側位置合せ基準を備え、該2つの回転規制体側位置合せ基準が前記2つのクランプ体側位置合せ基準に対して位置合せされることにより前記クランプ体に対して位置決めされるように構成され、
前記測定標準体は、前記クランプ器具にセットされる際に前記クランプ体側位置合せ基準の一方に対して位置合せされる測定標準体側位置合せ基準を備え、前記基準フェルールが前記クランプ口に挿通され前記測定標準体側位置合せ基準が前記一方のクランプ体側位置合せ基準に対してそれぞれ位置合せされることにより前記クランプ器具に対して位置決めされるように構成され、
前記基準フェルールの軸から前記測定標準体側位置合せ基準までの距離が、前記クランプ器具の軸から前記回転規制部までの距離よりも長く設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明において、前記クランプ体側位置合せ基準および前記回転規制体側位置合せ基準は、前記クランプ器具の軸を挟んで互いに対向する2位置にそれぞれ設けられているものとすることができる。
【0018】
また、前記クランプ体側位置合せ基準が前記クランプ体の軸方向に延びた係合ピンであり、前記回転規制体側位置合せ基準が前記係合ピンと係合する係合孔であり、前記測定標準体側位置合せ基準が前記係合ピンと係合する係合溝であるものとすることができる。
【0019】
また、本発明の顕微干渉計装置は、被検体の位相情報を担持した物体光と参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察する顕微干渉計装置において、上述した特徴を有する本発明に係るフェルールのクランプ装置を具備してなることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフェルールのクランプ装置および顕微干渉計装置の実施形態について図面を用いて説明する。まず、顕微干渉計装置の全体的な構成について、図6を参照しながら説明する。図6は本発明の一実施形態に係る顕微干渉計装置の一部を破断して示す斜視図である。
【0021】
<顕微干渉計装置>
図6に示す顕微干渉計装置1は、底板2、前板3(一部破断して図示)、後板4、隔壁板5およびカバーケース6(一部破断して図示)からなる本体筐体内に、電源部7、コントロールボックス8および干渉計本体部10を備えている。
【0022】
この干渉計本体部10は、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12、ハーフミラー・光源ユニット13、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16を備えている。これらのうち、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16は、隔壁板5に固定された固定台17に取り付けられており、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12およびハーフミラー・光源ユニット13は、フォーカス台18(一部破断して図示)に取り付けられている。
【0023】
このフォーカス台18は、前板3と固定台17との間において前後方向(図中の矢印FおよびB方向)に互いに平行な状態で延設された上下2本のガイド軸19A,19B(一部破断して図示)に、前後方向にスライド移動可能に支持されている。また、上記固定台17と上記フォーカス台18との間には、コイルバネ9が配されており、上記フォーカス台18は、このコイルバネ9の弾性により前方(図中の矢印F方向)に向けて付勢されている。
【0024】
また、上記前板3には、上記フォーカス台18を移動させて干渉計本体部10のフォーカス調整を行なうためのフォーカス調整ネジ20が設けられている。このフォーカス調整ネジ20は、前板3に形成された不図示のネジ孔に、自身の軸回りの回転により前後方向に移動可能に螺合するネジ軸部21と、このネジ軸部21を回転させるためのツマミ部22とを備えてなる。このネジ軸部21の先端面はフォーカス台18の前面部に設けられた半球状の凸部18aに当接している。このためフォーカス調整ネジ20は、ツマミ部22を回転させてネジ軸部21の前板3からの突出長を変えることにより、フォーカス台18をガイド軸19A,19Bに沿って前後方向に移動させることが可能となっており、これによりフォーカス調整を行なえるようになっている。
【0025】
上述したような構成を有する干渉計本体部10は、対物レンズユニット11の前方の所定位置に保持された微小な被検体(不図示)に、不図示の光源からの光を参照光と分割して照射し、被検体から反射してきた物体光を参照光と干渉させ、その干渉光を結像レンズユニット14を通した後、不図示のCCD上に干渉縞を結像させる。そして、得られた干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の表面形状の三次元計測や物性の測定を行なえるようになっている。なお、干渉計本体部10としては、ミロー型やマイケルソン型、リニーク型など種々のタイプのものを用いることが可能である。
【0026】
また、上記前板3には、傾斜調整装置100が配されている。この傾斜調整装置100は、前板3に固定されたL字状の第1の基部材110と、この第1の基部材110と同様のL字状をなし、第1の基部材110に対向配置された第2の基部材120とを備えている。第2の基部材120は、支点部130を中心に第1の基部材110に対して傾動可能に支持されており、第1の傾斜調整ネジ140および第2の傾斜調整ネジ150により、支点部130から略鉛直方向に延びる軸線周りと、支点部130から略水平方向に延びる軸線周りとにそれぞれ傾動して、第1の基部材110に対する傾きを2軸調整できるようになっている。
【0027】
この傾斜調整装置100の第2の基部材120には、クランプ保持具200が取り付けられている。クランプ保持具200は、前段部210と後段部220とそれらを繋ぐ連結部230とを有してなり、その前段部210を3個の取付ネジ240により上記第2の基部材120に固定されている。クランプ保持具200の後段部220は、対物レンズユニット11の前面側に位置し、その中央部には、保持用凹部221が形成されており、この保持用凹部221内に、本発明の一実施形態に係るクランプ器具300を保持している。なお、この他に前板3には、顕微干渉計装置1の電源をオンオフする電源スイッチ30が設けられている。
【0028】
<クランプ装置の構成>
次に、本発明の一実施形態に係るフェルールのクランプ装置について、図1〜図5を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るクランプ器具の断面図、図2はその正面図、図3はその正面側からの斜視図、図4はその裏面側からの斜視図である。また、図5は本発明の一実施形態に係る測定標準体の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は右側面図、同図(c)は正面図である。なお、本発明の一実施形態に係るフェルールのクランプ装置は、図1〜4に示すクランプ器具300と図5に示す測定標準体500により構成されている。
【0029】
<フェルールの構成>
図1に示すフェルール420は、例えばジルコニアセラミックからなるフェルール本体421の外径中心に光ファイバ430の一端部を保持してなる斜め球面研磨型のフェルールである。すなわち、フェルール420の先端面422は、不図示の相手側フェルールの先端面と密着し易いように凸球面状に研磨されているとともに、フェルール420の軸(中心軸)Cに対して所定の傾斜角度および所定の傾斜方向で交わるように構成されている。なお、JISによる傾斜角度θについては、フェルール420の軸C上で先端面422と接する平面と、この軸Cと直交する平面とのなす角度として規定され、先端面422の傾斜方向は、フェルール420の軸C上で先端面422と接する接平面と、この接平面に垂直でかつ軸Cを含む平面との交線の延びる方向として規定される。
【0030】
また、フェルール本体421の後端部には、鍔部423と円筒部424とからなるフェルール保持具425が取り付けられている。フェルール420は、上記円筒部424にコイルバネ426が取り付けられた状態で、本実施形態におけるプラグ部材としての筒状部材410内に収容され、バネ押え環411により後方への脱抜が規制されている。このコイルバネ426の弾性によって、フェルール420は前方(図1の左方)に向けて定圧付勢されており、その先端面422が不図示の相手側フェルールの先端面に対し押圧されるように構成されている。
【0031】
上記筒状部材410は、不図示の相手側プラグと不図示のスリーブを介して係合される光コネクタプラグ400(以下、「プラグ400」と略称することがある)を構成するものであり、その先端上部および先端下部に、第1のキー溝部412および第2のキー溝部413をそれぞれ備えている。これら第1および第2のキー溝部412,413は、プラグ400が相手側プラグと係合される際の挿入ガイドと抜脱防止に利用されるものである。本実施形態では、上記第1のキー溝部412の中心軸D(図1参照)とフェルール420の軸Cとを含む平面と、軸C上においてフェルール420の先端面422に接する面に垂直でかつ軸Cを含む平面とのなす角度をフェルールのキー角度と称する。フェルールのキー角度は、規格値との角度ずれの誤差の許容範囲が個別規格により厳しく規定されている。なお、JISで規定されるキー角度は、光コネクタプラグの外側に設けられたキーを基準に表現されるが、本願においては、JISでいうキーに対してフェルール420の軸Cを中心に90度回転したところに設けた第1のキー溝412を基準に表現している。そのために、本実施形態のプラグ400では、上記フェルールのキー角度の設計値は0度(JISでは90度)とされている。
【0032】
また、フェルール420は、上記フェルール保持具425を介して上記筒状部材410に保持されており、筒状部材410に対する軸C回りの回転は、フェルール保持具425と筒状部材410とが互いに係合することにより規制されている。すなわち、フェルール保持具425の鍔部423には、フェルール420を挟んで互いに対向する位置に、軸C方向に延びる一対の溝部427(図1では一方のみ図示)が形成されており、筒状部材410の内面には、これら一対の溝部427とそれぞれ係合する一対の凸条部(不図示)が形成されている。これら鍔部423側の一対の溝部427と、筒状部材410側の一対の凸条部とが係合することにより、フェルール420の筒状部材410に対する軸C回りの回転は規制され、上記フェルールのキー角度が所定の角度(0度)をなすように構成されている。
【0033】
<クランプ器具の構成>
一方、上記クランプ器具300は、図1および図2に示すように、円形の板状部材からなる基部310、この基部310の正面側周縁部に該基部310と一体に形成された略円環状の縁部320、および変位調整部340からなるクランプ体305と、上記基部310の正面にネジ331(図2、図3参照)を介して取り付けられた円板状の回転規制体330とを備えてなる。
【0034】
図2に示すようにクランプ体305の縁部320には、3個のネジ孔321と溝部322とを備えている。ネジ孔321は、クランプ器具300を上記クランプ保持具200(図6参照)に取り付けるためのネジ用のものであり、溝部322は、クランプ保持具200に設けられたピン(不図示)と係合して、クランプ器具300のクランプ保持具200に対する位置合わせを高精度に行なえるように設けられている。
【0035】
図1に示すように上記基部310は、該基部310の一側面側(図中上部)から他側面側(図中下部)へ向かって延びる切欠部350を有し、該切欠部350によって、該切欠部350を挟んで互いに対向する2つの部分、すなわち、該基部310の正面側(フェルール420の挿通方向後側)に位置する支持部360と、該基部310の裏面側(フェルール420の挿通方向前側)に位置する変位部370とに、部分的に分割されている。
【0036】
上記支持部360は、基部310の正面中央部においてクランプ器具300の軸A方向に突出する円筒状のクランプ口361と、このクランプ口361の内面を構成するとともに、基部310の中央部を軸A方向に延びるように形成された固定のフェルール挿通孔362とを備えている。このフェルール挿通孔362は、上記フェルール420の外径と略同寸法の内径を有しており、上記支持部360は、上記クランプ口361から挿通されたフェルール420を、その軸Cとクランプ器具300に軸Aとが互いに重なるように支持し得るように構成されている。
【0037】
上記変位部370には、上記基部310の一側面側から上記軸Aを越えて延びる上記切欠部350の先端部に形成された空洞部351によって、軸Aと略直角な向きに所定距離離れた位置に薄肉部373が形成されており、変位部370は、この薄肉部373の形成位置を支点として、軸A方向(フェルール420の挿通方向)に変位可能に形成されている。また、変位部370は、上記フェルール挿通孔362内にフェルール420が挿通された際、該フェルール挿通孔362の挿通方向前側の端部から突出する、フェルール420の先端部分(図1に仮想線で示す)を、上記変位に伴い、フェルール420の挿通方向と略直角な方向に押圧して、フェルール挿通孔362内に挿通されたフェルール420を保持する押圧部位371を有している。
【0038】
上記変位調整部340は、上記変位部370の変位を調整するものであり、図1に示すように、変位部370の先端部に上記軸A方向に延びるように形成されたネジ孔341と、上記支持部360の該ネジ孔341と対向する部分に、軸A方向に延びるように形成されたネジ挿入孔342と、該ネジ挿入孔342からネジ孔341に向けて差し込まれた調整ネジ343とを備えている。
【0039】
この調整ネジ343は、上記ネジ孔341と螺合するネジ部343aと、該調整ネジ343を操作するためのレバー部材344が取り付けられるネジ基部343bとを備えてなる。また、調整ネジ343は、図1に示すように、回転規制体330を介して基部310に取り付けられており(回転規制体330には、調整ネジ343用のネジ挿通孔332が形成されている)、上記ネジ挿入孔342内には、変位部370を外方に向け付勢する圧縮コイルバネ345が設けられている。調整ネジ343は、圧縮コイルバネ345により外方に向け付勢された変位部370のネジ孔341に、そのネジ部343aが螺合され、該調整ネジ343を回転することにより、変位部370の変位を調整できるようになっている。
【0040】
レバー部材344は、ネジ基部343bに形成されたピン挿通孔343c内に挿通されるピン部344aを有し、該ピン部344aをピン挿通孔343c内に挿通された後、ネジ基部343bの頂部に形成されたネジ孔343dに螺合するネジ346によって、ネジ基部343bに固定されている。このレバー部材344は、上記調整ネジ343を回転させ上記変位部370の変位を調整する際に、操作される。
【0041】
図2に示すように、上記縁部320には、上記レバー部材344の回動範囲を規制するためのストッパ部材380A,380Bが設けられている。ストッパ部材380Aは、レバー部材344の図中時計方向への回動を規制するためのものであり、ストッパ部材380Bは、レバー部材344の図中反時計方向への回動を規制するためのものである。レバー部材344は、これら2つのストッパ部材380A,380Bの間を回動する(本実施形態では回動角度範囲90度)ようになっており、レバー部材344がストッパ部材380Aに当接する位置が、フェルール420を保持するクランプ位置であり、レバー部材344がストッパ部材380Bに当接する位置が、フェルール420の保持を解除するクランプ解除位置となっている。また、図1に示すように、ストッパ部材380A,380B(図1ではストッパ部材380Aのみ図示)は、上記縁部320に形成されたネジ孔323と螺合するネジ部381を有し、該ネジ部381がネジ孔323に螺合されることによって、縁部320に固定されている。
【0042】
また、図2に示すように、上記基部310の正面には、クランプ体側位置合せ基準としての円柱状の2つの係合ピン390,391が、クランプ器具300の軸Aを挟んで互いに対向する2位置において、それぞれ軸A方向に延びるように設けられている。なお、軸Aから2つの係合ピン390,391各々までの距離は、後述する回転規制部333の第1の係合凸部336および第2の係合凸部337から軸Aまでの距離よりも長く設定されている。
【0043】
一方、回転規制体330には、回転規制体側位置合わせ基準としての2つの係合孔334,335が設けられている。係合孔334は丸孔状で、その内径が上記係合ピン390の外径と略同寸法に形成されている。一方、上記係合孔335は上記軸Aの径方向に延びた長孔状で、その短径(上記軸Aの周方向の長さ)が上記係合ピン391の外径と略同寸法に、その長径(上記軸Aの径方向の長さ)は上記係合ピン391の外径よりも若干大きく形成されている。回転規制体330は、クランプ体305に取り付けられる際、上記係合ピン390,391に対して、上記係合孔334,335がそれぞれ位置合せされて係合されることにより、クランプ体305に対して高精度に位置決めされるように構成されている。
【0044】
さらに、回転規制体330の中央部には、クランプ器具300に保持された筒状部材410の回転を規制するための回転規制部333が形成されている。この回転規制部333は、上記筒状部材410(図1参照)の第1のキー溝部412および第2のキー溝部413とそれぞれ係合する第1の係合凸部336および第2の係合凸部337を備えており、フェルール420が上記フェルール挿通孔362内に挿通された際に、上記筒状部材410と係合することにより、フェルール420が上記軸A周りに回転することを規制するようになっている。なお、回転規制部333は、筒状部材410の作製公差を許容し得る程度に、筒状部材410の外形断面形状よりも若干大きく形成されているため、回転規制部333と筒状部材410との間には公差内の微小なガタは生じることとなる。
【0045】
また、図4に示すように、クランプ器具300の上記基部310の裏面には、各種の孔部が形成されている。孔部311は、上記回転規制部333を基部310に固定する上記ネジ331が挿通される貫通孔であり、孔部312は、回転規制体330を位置決めするための上記係合ピン390,391が挿通される貫通孔である。どちらの孔部311,312も加工の都合上、基部310の正面側から裏面側まで貫通しているが、これらに挿通される上記ネジ331および係合ピン390,391の先端部は、上記切欠部350の手前の位置までしか達していない。
【0046】
また、基部310の裏面中央部には、フェルール420の先端部を観察するための観察孔372が形成されている。この観察孔372は、図1に示すように、上記軸A上に位置するように設けられ、また、上記フェルール挿通孔362よりも一回り大きい大きさに形成されている。
【0047】
<測定標準体の構成>
図5に示す測定標準体500は、基準フェルール保持具510に保持された基準フェルール520を備えてなる。基準フェルール520は、上記フェルール420と同じく斜め球面研磨型のフェルールであり、その先端面521の傾斜角度θおよび傾斜方向等が規格に対して高精度に適合するように形成されている。なお、先端面521の傾斜角度θおよび傾斜方向の規定の仕方は、上記フェルール420の場合と同様である。
【0048】
一方、基準フェルール保持具510は、その右側面に測定標準体側位置合せ基準としての係合溝530を備えている。この係合溝530の幅方向の長さW(図5(b)参照)は、上記クランプ体305側の係合ピン390の外径と略同寸法に設定されており、係合溝530の中心軸Gは基準フェルール520の軸Eと平行となるように設定されている。また、基準フェルール520の軸Eから係合溝530の中心軸Gまでの距離は、上記回転規制部333の第1の係合凸部336および第2の係合凸部337からクランプ器具300の軸Aまでの距離よりも長く設定されている。
【0049】
また、本実施形態では、係合溝530の中心軸Gと基準フェルール520の軸Eとを含む平面(以下、「基準フェルールの基準平面」と称する)と、軸E上において基準フェルール520の先端面521に接する面に垂直でかつ軸Eを含む平面となす角度を、基準フェルールのキー角度と称する。なお、測定標準体500では、この基準フェルールのキー角度の設計値が90度とされている。
【0050】
このように構成された測定標準体500は、基準フェルール520が上記クランプ口361から上記フェルール挿通孔362内に挿通されるとともに、上記クランプ体305側の係合ピン390に対して、上記係合溝530が位置合せされて係合されることにより、クランプ器具300に対して高精度に位置決めされる。
【0051】
すなわち、フェルール挿通孔362の内径は、基準フェルール520の外径の大きさと略同じ大きさに形成されているので、基準フェルール520をフェルール挿通孔362内に挿入した時点で、基準フェルール520の軸Eとクランプ器具300の軸Aとが互いに重なるように、軸Aに対する軸Eの位置が規定される。また、係合溝530の幅方向の長さWは、上記係合ピン390の外径と略同寸法に設定されているので、この係合ピン390に対して係合溝530が係合された時点で、クランプ器具300の軸Aに対する基準フェルール520の軸Eの軸回りの位置も規定される。
【0052】
なお、本実施形態では、クランプ体305側の2つの係合ピン390,391の各中心軸(図示略)および上記軸Aを含む平面をクランプ器具の基準平面と称し、このクランプ器具の基準平面と、上記基準フェルールの基準平面とがなす角度(本実施形態では、その設計値を0度とする)により、クランプ器具300の軸Aに対する基準フェルール520の軸Eの軸回りの位置を規定する。
【0053】
上記のように基準フェルール520は、基準フェルール520が上記クランプ体305側のクランプ口361に挿通されるとともに、クランプ体305側の係合ピン390に上記係合溝530が係合されることにより、クランプ器具300に対して位置決めされる。基準フェルール520側の係合溝530とクランプ体305側の係合ピン390との間には、厳密には、これらの作製公差によるガタが生じる。しかし、クランプ器具300の軸Aから係合ピン390までの距離が、軸Aから上記回転規制部333の第1の係合凸部336および第2の係合凸部337までの距離よりも長く設定されているため、これら第1の係合凸部336および第2の係合凸部337を位置合せの基準とする従来タイプのものに比較すると、そのガタによる影響が、クランプ器具300の軸Aに対する基準フェルール520の軸Eの軸回りの位置ずれに反映されにくい。したがって、基準フェルール520をクランプ体305に対して安定して高精度に位置決めすることが可能となる。
【0054】
また、基準フェルール520をクランプ器具300にセットする際の位置合せの基準となるクランプ体305側の係合ピン390は、上記回転規制体330をクランプ体305に取り付ける際の位置合せの基準にもなっている。このように2つの位置合せの基準を共通化することにより、クランプ体305、回転規制体330および基準フェルール520の相互間の相対的な位置ずれを抑制することができ、これら3つを互いに安定して高精度に位置決めすることが可能となる。
【0055】
<クランプ器具の傾き調整方法>
上述した測定標準体500は、上記フェルール420を顕微干渉計装置1で測定する準備段階において、クランプ器具300を顕微干渉計装置1の基準面に対して所定の傾き姿勢で配置するために用いられる。以下、その手順について説明する。その手順においては、図6に示すクランプ保持具200を、図7に示すクランプ保持具200Bに交換するので、まず、この傾斜配置用のクランプ保持具200Bについて説明する。
【0056】
図7は、クランプ器具300の傾き姿勢を調整する際に用いる傾斜配置用のクランプ保持具を示す斜視図である。図7に示す傾斜配置用のクランプ保持具200Bは、上述したクランプ保持具200と同様にクランプ器具300を保持するものであり、上記クランプ保持具200と同様の構成を有する部分については同じ番号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、このクランプ保持具200Bは、上記クランプ保持具200と同様に、上述した傾斜調整装置100に対して上記取付ネジ240を介して取り付けられるが、この取付ネジ240と螺合するネジ孔等の図示は省略してある。
【0057】
クランプ保持具200Bは、保持用凹部221内にクランプ器具300の取付面222Bを有しており、この取付面222Bの中央部には円形の開口部223Bが形成されている。クランプ器具300は、取付面222Bに対してネジ止めされるようになっており、取付面222Bの開口部223B周辺にはそのためのネジ孔や、クランプ器具300の位置決め用のピンが設けられているが、これらの図示は省略している。
【0058】
上記取付面222Bは、クランプ器具300側に角度α(基準フェルール520の先端面521の傾斜角度θと略等しい角度としてもよい)だけ前傾するように形成されている。また、クランプ保持具200Bは、クランプ器具300が取付面222Bに対して取り付けられた際、その開口部223Bの中心軸Hがクランプ器具300の軸Aと高精度に重なるように構成されている。
【0059】
次に、傾斜調整装置100に対して取り付けられたクランプ保持具200Bに、クランプ器具300を取り付け、このクランプ器具300に測定標準体500をセットする。そして、基準フェルール520の先端面521の形状を示す干渉縞を顕微干渉計装置1により観察し、この干渉縞の状態が所定の縞状態、例えば、略同心円状の縞状態となるように、傾斜調整装置100を用いてクランプ器具300の傾き姿勢を調整する。
【0060】
このように、クランプ器具300の傾き姿勢が調整され、この調整後のクランプ器具300の傾き姿勢が、測定対象のフェルール420の傾き姿勢の基準とされる。すなわち、傾き調整されたクランプ器具300にフェルール420がセットされ、顕微干渉計装置1によりフェルール420の先端面422の測定解析が行なわれる。以下では、クランプ器具300がフェルール420を保持する際の作用について説明する。
【0061】
<クランプ器具の作用>
クランプ器具300は、以下のようにしてフェルール420を保持する。まず、レバー部材344を、ストッパ部材380Bと当接する位置、すなわちクランプ解除位置に操作する(図2参照)。このとき、上記変位部370は、変位していない状態、すなわち、上記切欠部350の間隔がその全長に亘って一定となる状態に維持される(図1参照)。
【0062】
次に、フェルール420を、クランプ器具300のクランプ口361よりフェルール挿通孔362内に挿入して、筒状部材410の第1のキー溝部412および第2のキー溝部413が、回転規制部333の第1の係合凸部336および第2の係合凸部337にそれぞれ係合される位置にセットする。
【0063】
次いで、レバー部材344を、ストッパ部材380Aと当接する位置、すなわち上記クランプ位置に操作する。このとき、上記調整ネジ343のネジ部343aが右回りに回転し、この回転により、該ネジ部343aと螺合している変位部370は、上記圧縮コイルバネ345の付勢力に抗しながら、上記薄肉部373を支点として支持部360に近づく方向に変位する。この変位によって、変位部370の上記押圧部位371が、フェルール挿通孔362の挿通方向前側の端部から突出するフェルール420の先端部分を、フェルール420の挿通方向と略直角な方向に押圧して、フェルール挿通孔362内に挿通されたフェルール420が抜脱しないように保持する。
【0064】
フェルール420の保持を解除する場合は、レバー部材344を上記クランプ解除位置に操作する。このとき、上記調整ネジ343のネジ部343aが左回りに回転し、この回転により、該ネジ部343aと螺合している変位部370は、上記薄肉部373を支点として支持部360から離れる方向に変位する。この変位によって、上記切欠部350の間隔がその全長に亘って一定となる状態に戻り、また、変位部370の押圧部位371によるフェルール420の先端部分に対する押圧が解除されて、フェルール420をフェルール挿通孔362内から抜脱することが可能となる。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、測定標準体側の係合溝530が、クランプ体側の係合ピン390と係合するようになっているが、係合溝530がクランプ体側の係合ピン391と係合するように構成することもできる。
【0066】
また、クランプ体側位置合せ基準、回転規制体側位置合せ基準、測定標準体側位置合せ基準の具体的な形状は、上記実施形態に示されたものに限られず、種々の態様とすることができる。例えば、クランプ体側位置合せ基準を孔状のものに、回転規制体側位置合せ基準を回転規制体の表裏面両方向に突出するピン状のものに、測定標準体側位置合せ基準を孔状のものにそれぞれ構成してもよい。そして、孔状のクランプ体側位置合せ基準にピン状の回転規制体側位置合せ基準が係合し、孔状の測定標準体側位置合せ基準がピン状の回転規制体側位置合せ基準を介して、クランプ体側位置合せ基準に対して位置合せされるようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態においては、測定対象のフェルールおよび基準フェルールが共に斜め球面研磨型のフェルールとされているが、これらのフェルールとしては、斜め平面研磨型のフェルールや、垂直研磨型(先端面は平面でも球面でもよい)のフェルールでもよい。
【0068】
さらに、上記実施形態においては、フェルールがジルコニアセラミック製であるが、フェルールがステンレス製やプラスチック製等の他の材料で形成されたものであってもよい。また、フェルールがその軸心部に保持する光ファイバに関しては、シングルモードタイプ、マルチモードタイプ等の種々のタイプのものを用いることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のフェルールのクランプ装置によれば、測定標準体は、基準フェルールがクランプ口に挿通されるとともに、測定標準体側位置合せ基準がクランプ体側位置合せ基準の一方に対して位置合せされることにより、クランプ器具に対して位置決めされるように構成されており、基準フェルールの軸から測定標準体側位置合せ基準までの距離が、クランプ器具の軸から回転規制部までの距離よりも長く設定されている。
【0070】
このため、測定標準体側位置合せ基準が回転規制部に対して位置合せされるように構成された従来タイプのものに比較して、測定標準体側位置合せ基準およびクランプ体側位置合せ基準の作製公差により、これらの間に生じるガタによる影響が、クランプ器具の軸に対する基準フェルールの軸の軸回りの位置ずれに反映されにくい。したがって、基準フェルールをクランプ体に対して安定して高精度に位置決めすることが可能となる。
【0071】
また、本発明のフェルールのクランプ装置によれば、測定標準体をクランプ器具にセットする際の位置合せの基準となるクランプ体側位置合せ基準は、回転規制体をクランプ体に取り付ける際の位置合せの基準にもなっている。このように2つの位置合せの基準を共通化することにより、クランプ体、回転規制体および基準フェルールの相互間の相対的な位置ずれを抑制することができ、これら3つを互いに安定して高精度に位置決めすることが可能となる。
【0072】
また、本発明の顕微干渉計装置によれば、顕微干渉計装置の基準面に対してクランプ器具を所定の傾き姿勢で設置することを、高精度に安定して行なうことができる。このため、測定対象のフェルールの測定解析を高精度に安定して行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランプ器具の構成を示す断面図
【図2】図1に示すクランプ器具の正面図
【図3】図1に示すクランプ器具の外観斜視図(正面側)
【図4】図1に示すクランプ器具の外観斜視図(裏面側)
【図5】本発明の一実施形態に係る測定標準体の構成を示す図
【図6】本発明の一実施形態に係る顕微干渉計装置の構成を示す斜視図
【図7】傾斜配置用のクランプ保持具の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 顕微干渉計装置
2 底板
3 前板
4 後板
5 隔壁板
6 カバーケース
7 電源部
8 コントロールボックス
9 コイルバネ
10 干渉計本体部
11 対物レンズユニット
12 ピエゾユニット
13 ハーフミラー・光源ユニット
14 結像レンズユニット
15 ミラーボックス
16 CCDカメラユニット
17 固定台
18 フォーカス台
18a 凸部
19A,19B ガイド軸
20 フォーカス調整ネジ
21 ネジ軸部
22 ツマミ部
30 電源スイッチ
100 傾斜調整装置
110 第1の基部材
120 第2の基部材
130 支点部
140 第1の傾斜調整ネジ
150 第2の傾斜調整ネジ
200 クランプ保持具
200B 傾斜配置用のクランプ保持具
210 前段部
220 後段部
221 保持用凹部
222B 取付面
223B 開口部
230 連結部
240 取付ネジ
300 クランプ器具
305 クランプ体
310 基部
311,312 孔部
320 縁部
321 ネジ孔
322 溝部
323 ネジ孔
330 回転規制体
331 ネジ
332 ネジ挿通孔
333 回転規制部
334,335 係合孔(回転規制体側位置合せ基準)
336 第1の係合凸部
337 第2の係合凸部
340 変位調整部
341 ネジ孔
342 ネジ挿入孔
343 調整ネジ
343a ネジ部
343b ネジ基部
343c ピン挿通孔
343d ネジ孔
344 レバー部材
344a ピン部
345 圧縮コイルバネ
346 ネジ
350 切欠部
351 空洞部
360 支持部
361 クランプ口
362 フェルール挿通孔
370 変位部
371 押圧部位
372 観察孔
373 薄肉部
380A,380B ストッパ部材
381 ネジ部
390,391 係合ピン(クランプ体側位置合せ基準)
400 光コネクタプラグ(プラグ)
410 筒状部材(プラグ部材)
411 バネ押え環
412 第1のキー溝部
413 第2のキー溝部
420 測定対象のフェルール
421 フェルール本体
422 フェルールの先端面
423 鍔部
424 円筒部
425 フェルール保持具
426 コイルバネ
427 溝部
430 光ファイバ
500 測定標準体
510 基準フェルール保持具
520 基準フェルール
521 基準フェルールの先端面
530 係合溝(測定標準体側位置合せ基準)
A クランプ器具の軸
C フェルールの軸
D 第1のキー溝部の中心軸
E 基準フェルールの軸
G 係合溝の中心軸
H 開口部の中心軸
F,B 方向を示す矢線
W 係合溝の幅方向の長さ
α 傾斜配置用のクランプ保持具の傾斜角度
θ 基準フェルールの先端面の傾斜角度
θ フェルールの先端面の傾斜角度

Claims (4)

  1. プラグ部材に保持されたフェルールが挿通されるクランプ口を備え該クランプ口に挿通された前記フェルールをクランプするクランプ体と、前記プラグ部材と係合して前記フェルールの軸回りの回転を規制する回転規制部を備え前記フェルールが前記クランプ口に挿通された際に該回転規制部が前記プラグ部材と係合するように前記クランプ体に取り付けられる回転規制体とを有してなり、顕微干渉計装置の基準面に対して所定の傾き姿勢で配置されるクランプ器具と、
    高精度に形成された基準フェルールを有してなる測定標準体とを備え、
    前記基準フェルールが前記クランプ口に挿通され前記クランプ体によりクランプされた状態となるように前記測定標準体を前記クランプ器具にセットし、該基準フェルールの先端面を前記顕微干渉計装置により測定することによって、前記クランプ器具の傾き姿勢が調整されるフェルールのクランプ装置において、
    前記クランプ体は、互いに離間した2位置にそれぞれ設けられた2つのクランプ体側位置合せ基準を備え、
    前記回転規制体は、前記クランプ体に取り付けられる際に前記2つのクランプ体側位置合せ基準に対してそれぞれ位置合せされる2つの回転規制体側位置合せ基準を備え、該2つの回転規制体側位置合せ基準が前記2つのクランプ体側位置合せ基準に対してそれぞれ位置合せされることにより前記クランプ体に対して位置決めされるように構成され、
    前記測定標準体は、前記クランプ器具にセットされる際に前記クランプ体側位置合せ基準の一方に対して位置合せされる測定標準体側位置合せ基準を備え、前記基準フェルールが前記クランプ口に挿通され前記測定標準体側位置合せ基準が前記一方のクランプ体側位置合せ基準に対して位置合せされることにより前記クランプ器具に対して位置決めされるように構成され、
    前記基準フェルールの軸から前記測定標準体側位置合せ基準までの距離が、前記クランプ器具の軸から前記回転規制部までの距離よりも長く設定されていることを特徴とするフェルールのクランプ装置。
  2. 前記クランプ体側位置合せ基準および前記回転規制体側位置合せ基準は、前記クランプ器具の軸を挟んで互いに対向する2位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載のフェルールのクランプ装置。
  3. 前記クランプ体側位置合せ基準が前記クランプ体の軸方向に延びた係合ピンであり、前記回転規制体側位置合せ基準が前記係合ピンと係合する係合孔であり、前記測定標準体側位置合せ基準が前記係合ピンと係合する係合溝であることを特徴とする請求項1または2記載のフェルールのクランプ装置。
  4. 被検体の位相情報を担持した物体光と参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察する顕微干渉計装置において、
    請求項1〜3までのいずれか1項に記載されたフェルールのクランプ装置を具備してなることを特徴とする顕微干渉計装置。
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JP2009139199A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Fujinon Corp 顕微干渉計クランプ部の傾き較正方法および傾き較正用治具

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