JP3938512B2 - 傾斜調整装置およびこれを具備した顕微干渉計装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば顕微干渉計装置(「干渉顕微鏡装置」とも称される)を用いて、光コネクタ用プラグ内に収容されたフェルールの先端部の形状等を解析する際に、対物レンズ前の所定位置に保持されたフェルールの傾きを調整するためなどに使用される傾斜調整装置およびこの種の傾斜調整装置を具備した顕微干渉計装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信に用いられる光ファイバの研究開発が盛んに進められている。この種の光ファイバは、例えば外径10μm程度のコアと、その外周に設けた例えば外径125μm程度のクラッド層からなり、光ファイバ同士を接続するためにその接続端部にフェルールを備えたものが知られている。
【0003】
フェルールとは、光ファイバを接続するために光ファイバの端部を保持固定する、光コネクタを構成する円筒状の部品である。フェルールは、その外径の中心部に光ファイバが挿入され接着剤等で固定された後、その先端を鏡面状に研磨されており、2つのフェルールの先端面を突き合わせることによって、それぞれに保持された2つの光ファイバを接続できるように構成されている。
このフェルールの先端面は、光軸に対して直交する平面に研磨されたものや、光軸に対して斜交する平面に研磨されたものが知られているが、最近、フェルールの先端面を突き合わせる際の押圧力により先端面が弾性変形して、フェルール先端面同士の密着性を高め得るように、先端面を球面形状にするPC(phisical contact)研磨が施されたものが注目されている。
【0004】
ところで、光ファイバ接続に伴う光損失を低減するため、フェルールには高精度な種々の規格がJISにより定められており、上記PC研磨が施されたフェルールに対しては、先端面の曲率半径の寸法誤差、フェルールの球状先端面の頂点と光ファイバのコアの中心(ファイバの外形中心)との位置ずれ誤差など、6項目に及ぶμmオーダの規格が定められている。
【0005】
作製されたフェルールが、規格に適合しているかどうかを検査するために、顕微干渉計装置が用いられることがある。顕微干渉計装置は、微小な被検体の表面形状や屈折率分布などの位相情報を担持した物体光と、参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察し、この干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の位相情報を得るように構成されている。
このような顕微干渉計装置を用いて、作製されたフェルールの検査を行なう場合、顕微干渉計装置の光軸とフェルールの光軸との相対的な傾きを調整するための傾斜調整装置が必要となる。
【0006】
従来、このような傾斜調整装置としては、支点部を支点として互いに傾動可能に対向配置された2つの基部材の一方に、先端面を凸球面に形成された調整ネジを、その先端部を他方の基部材に向けて突出させた状態で回転可能に螺合保持させ、この調整ネジを、その先端面を他方の基部材側の受面にすべり移動可能に当接させた状態で回転させて、その突出長を変えることにより2つの基部材の相対的な傾きを調整するように構成されたものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の傾斜調整装置には、調整ネジの先端面が凸球面に形成されていることから、次のような問題がある。すなわち、調整ネジ先端の凸球面の中心が調整ネジの軸線上に位置せずに偏心している場合、調整ネジを回転させると凸球面の径中心は調整ネジの軸線周りに回転することになる。このような偏心した凸球面と当接する相手基部材側の受面が、断面V字型の溝状に形成されているような場合、この受面により凸球面のすべり移動が所定方向(溝の延びる方向)のみに規制されるので、調整ネジを回転させると、受面を上記所定方向と略直交する方向に押圧する力が作用してしまい、このような力の作用により2つの基部材が相対的な位置ずれを起こして、傾き調整に悪影響を及ぼす虞がある。
【0008】
通常、調整ネジ先端の凸球面の偏心量は微小であり、したがって、凸球面の偏心が原因で起こる、上述したような2つの基部材の相対的な位置ずれ量も微小にとどまると考えられる。しかし、上述したような顕微干渉計装置を用いて上記フェルールの形状測定を行なうような場合には、フェルールの先端部を顕微干渉計装置の対物レンズ前の所定位置に高精度に保持しておく必要があるため、フェルールの傾き調整時に生じる僅かな位置ずれでも測定に多大な悪影響を及ぼしてしまう。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、2つの基部材の相対的な位置ずれを抑制しつつ傾き調整を高精度に行なうことが可能な傾斜調整装置、および傾き調整を必要とする微小な被検体の測定解析を安定して行ない得る顕微干渉計装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の傾斜調整装置は、互いに対向配置された2つの基部材と、該2つの基部材を相対的に傾動可能に支持する支点部と、該支点部を支点として前記2つの基部材を相対的に傾動させるための調整部とを備えてなる傾斜調整装置において、前記調整部は、先端部を前記2つの基部材の一方から他方に向けて突出させた状態で該一方の基部材に回転可能に螺合保持された調整ネジと、該調整ネジの先端面と対向するように前記他方の基部材に設けられた球受面と、前記調整ネジの前記先端面と前記球受面との間に配置される、剛性を有する球体と、前記球体の径よりも小なる内径の孔部を有してなり、前記先端面と前記球受面との間において、該孔部から前記球体の一部が突出する状態となるように配置され、かつ該球体を前記球受面に自身の弾性により押圧することにより、該球体を前記先端面および前記球受面と当接する位置に保持する保持部材とを備えてなり、前記先端面および前記球受面に前記球体を当接させた状態で前記調整ネジを回転させて、該調整ネジの前記一方の基部材からの突出長を変えることにより前記2つの基部材の相対的な傾きを調整するものであることを特徴とするものである。
【0012】
前記2つの基部材を互いに引き合うように付勢する付勢部材を設けることができる。
【0013】
前記調整部が、前記支点部から互いに直交する方向に離れた2つの位置にそれぞれ設けられ、該調整部の一方における前記球受面は、前記球体と当接する面が平面状に形成され、該調整部の他方における前記球受面は、前記球体と当接する面が該他方の調整部と前記支点部とを結ぶ方向に延びる断面V字型の溝状に形成されているようにすることができる。
【0014】
また、本発明の顕微干渉計装置は、被検体の位相情報を担持した物体光と参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察する顕微干渉計装置において、上述した特徴を有する本発明の傾斜調整装置を具備してなることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0016】
<顕微干渉計装置>
まず、図7を参照しながら、本発明の一実施形態に係る顕微干渉計装置の全体的な構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る顕微干渉計装置の一部を破断して示す斜視図である。
図7に示す顕微干渉計装置1は、底板2、前板3(一部破断して図示)、後板4、隔壁板5およびカバーケース6(一部破断して図示)からなる本体筐体内に、電源部7、コントロールボックス8および干渉計本体部10を備えている。
【0017】
この干渉計本体部10は、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12、ハーフミラー・光源ユニット13、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16を備えている。これらのうち、結像レンズユニット14、ミラーボックス15およびCCDカメラユニット16は、隔壁板5に固定された固定台17に取り付けられており、対物レンズユニット11、ピエゾユニット12およびハーフミラー・光源ユニット13は、フォーカス台18(一部破断して図示)に取り付けられている。
【0018】
このフォーカス台18は、前板3と固定台17との間において前後方向(図中の矢印FおよびB方向)に互いに平行な状態で延設された上下2本のガイド軸19A,19B(一部破断して図示)に、前後方向にスライド移動可能に支持されている。また、上記固定台17と上記フォーカス台18との間には、コイルバネ9が配されており、上記フォーカス台18は、このコイルバネ9の弾性により前方(図中の矢印F方向)に向けて付勢されている。
【0019】
また、上記前板3には、上記フォーカス台18を移動させて干渉計本体部10のフォーカス調整を行なうためのフォーカス調整ネジ20が設けられている。このフォーカス調整ネジ20は、前板3に形成された不図示のネジ孔に、自身の軸周りの回転により前後方向に移動可能に螺合するネジ軸部21と、このネジ軸部21を回転させるためのツマミ部22とを備えてなる。このネジ軸部21の先端面はフォーカス台18の前面部に設けられた半球状の凸部18aに当接している。このためフォーカス調整ネジ20は、ツマミ部22を回転させてネジ軸部21の前板3からの突出長を変えることにより、フォーカス台18をガイド軸19A,19Bに沿って前後方向に移動させることが可能となっており、これによりフォーカス調整を行なえるようになっている。
【0020】
上述したような構成を有する干渉計本体部10は、対物レンズユニット11の前方の所定位置に保持された微小な被検体(不図示)に、不図示の光源からの照明光を参照光と分割して照射し、被検体から反射してきた物体光を参照光と干渉させ、その干渉光を結像レンズユニット14内の結像レンズ系(不図示)を通した後、不図示のCCD上に干渉縞を結像させる。そして、得られた干渉縞の形状や変化を測定解析することにより、被検体の表面形状の三次元計測や物性の測定を行なえるようになっている。なお、干渉計本体部10としては、ミロー型やマイケルソン型、リニーク型など種々のタイプのものを用いることが可能である。
【0021】
また、上記前板3には、傾斜調整装置100が配されている。この傾斜調整装置100は、詳しくは後述するが、前板3に固定されたL字状の第1の基部材110と、この第1の基部材110と同様のL字状をなし、第1の基部材110に対向配置された第2の基部材120とを備えている。第2の基部材120は、支点部130を支点に第1の基部材110に対して傾動可能に支持されており、第1および第2の調整部140,150により、第1の基部材110に対する傾きを調整できるようになっている。
【0022】
この傾斜調整装置100の第2の基部材120には、クランプ装置保持具200が取り付けられている。クランプ装置保持具200は、上段部210と下段部220とそれらを繋ぐ連結部230とを有してなり、その上段部210を3個の取付ネジ240により上記第2の基部材120に固定されている。クランプ装置保持具200の上段部210は、対物レンズユニット11の前面側に位置し、その中央部には、保持用凹部221が形成されており、この保持用凹部221内に、クランプ装置300を保持している。このクランプ装置300は、不図示の光コネクタ用プラグ内に収容されたフェルールを、図7に示す顕微干渉計装置1の対物レンズユニット11前の所定位置に保持するためのものである。なお、この他に前板3には、顕微干渉計装置1の電源をオンオフする電源スイッチ30が設けられている。
【0023】
<傾斜調整装置の構成>
以下、上記傾斜調整装置100について、図1〜図6を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る傾斜調整装置100の正面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図1におけるB−B線断面図、図4は図1におけるC−C線断面図、図5は図1におけるD−D線断面図、図6は傾斜調整装置100の作用を示す断面図である。なお、図1においては、上記クランプ装置保持具200を取り付けるためのネジ孔や、図7において図示してある、第1の基部材110を顕微干渉計装置1の前板3に固定する際に工具を挿入するために利用される作業用孔等の図示は省略している。
【0024】
図示した傾斜調整装置100は、上述したように、互いに対向配置された第1および第2の基部材110,120と、これら第1および第2の基部材110,120を相対的に傾動可能に支持する支点部130と、この支点部130を支点として第1および第2の基部材110,120を相対的に傾動させるための第1および第2の調整部140,150とを備えている。
【0025】
図2および図3に示すように上記支点部130は、上記第1の基部材110に固定された第1の支持部材131と、上記第2の基部材120に固定された第2の支持部材132と、これら第1および第2の支持部材131,132間に配置された球体133とを備えてなる。
【0026】
この第1の支持部材131は、上記第1の基部材110に形成された孔部111内に挿入固定される軸部131aと、この軸部131aと一体に形成された球受部131bとからなり、この球受部131bは上記球体133を支持する円錐面状に形成された球受面131Aを備えている。また、上記第2の支持部材132は、上記第2の基部材120に形成された孔部121内に挿入固定される軸部132aと、この軸部と一体に形成された球受部132bとからなり、この球受部132bは上記球体133を支持する円錐面状に形成された球受面132Aを備えている。
【0027】
上記第1および第2の支持部材131,132は、上記球受面131A,球受面132Aが互いに対向するように設けられており、これら球受面131A,球受面132A間に上記球体133を挟み込むように支持することにより、上記支点部130は、上記第1および第2の基部材110,120を、上記球体133を支点として傾動可能に支持している。
【0028】
また、上記第1および第2の調整部140,150(第1の調整部140については図2を参照、第2の調整部150ついては図3および図4を参照)は、上記第2の基部材120側に配された調整ネジ141,151と、上記第1の基部材110側に配された球受部材142,152と、この球受部材142,152と上記調整ネジ141,151との間に配された剛性を有する球体143,153と、この球体143,153を上記調整ネジ141,151の各先端面141A,151Aと当接する位置に保持する保持部材160,170とを備えてなる。
【0029】
上記調整ネジ141,151は、ネジ軸部141a,151aと、このネジ軸部141a,151aを回転させるためのツマミ部142b,151bとからなり、ネジブッシュ144,154をそれぞれ介して第2の基部材120に取り付けられている。これらネジブッシュ144,154は、上記第2の基部材120に形成されたネジ孔123,124にそれぞれ螺合保持されており、上記調整ネジ141,151のネジ軸部141a,151aと螺合するネジ孔144a,154aを有している。すなわち、上記調整ネジ141,151は、上記ネジブッシュ144,154に回転可能に螺合保持されており、上記ツマミ部142b,151bを回転させることによって、上記ネジ軸部141a,151aの、上記第2の基部材120からの突出長を変えることが可能となっている。
【0030】
上記球受部材142,152は、上記第1の基部材110に形成された孔部112,113に挿入固定される軸部142a,152aと、この軸部142a,152aと一体に形成された球受部142b,152bとからなり、この球受部142b,152bは上記球体143,153を支持する球受面142A,152Aを備えている。これら球受面142A,152Aの形状は、互いに異なっている。すなわち、上記球受部材142の球受面142Aは、上記支点部130における上記球体133の中心と上記第1の調整部140における上記球体143の中心とを結ぶ軸線Xに略平行な平面であるのに対し、上記球受部材152の球受面152Aは、上記支点部130における上記球体133の中心と上記第2の調整部150における上記球体153の中心とを結ぶ軸線Yに沿って延びる断面V字型の溝状に形成されている。
【0031】
上記保持部材160,170は、弾性を有する板状部材を断面クランク状に折り曲げ形成されてなり、その一端部は、上記第2の基部材120に形成されたネジ孔128,129にそれぞれ螺合保持された取付ネジ161,171により、第2の基部材120に固定されている。また、この保持部材160,170の他端部には、上記球体143,153の径よりも小さい径の孔部162,172が形成されており、保持部材160,170は、この孔部162,172から上記球体143,153の一部を突出させた状態で、この球体143,153を、上記球受部材142,152の球受面142A,152Aに自身の弾性により押圧しつつ、調整ネジ141,151の先端面と当接する位置に保持している。
【0032】
上述のごとく構成された第1および第2の調整部140,150は、図1に示すように上記支点部130から互いに直交する方向に延びた上記軸線X,Y上の互いに離れた位置に設けられており、詳しくは後述するが、この2つの軸線X,Y周りに上記第1および第2の基部材110,120を相対的に傾動させ、これら第1および第2の基部材110,120の相対的な傾きを調整できるようになっている。
【0033】
また、上記傾斜調整装置100は、上記第1および第2の基部材110,120を互いに引き合うように付勢する2つの付勢部材180を備えている。この付勢部材180は、一端部を上記第1の基部材110側に、他端部を上記第2の基部材120側に保持されたコイルバネで構成されている。詳しくは、図1に示すように上記第2の基部材120には、上記軸線X,Y方向に互いに離れた2つの位置にバネ座用の孔部124が形成されており、この孔部124内には、互いに対向するように形成された溝部125が設けられている。この対向する溝部125間にピン部材126が掛け渡されており、このピン部材126に上記付勢部材180の一端部が係止されている。一方、図2,3に示すように上記第1の基部材110には、上記2つの孔部124と対向する位置にそれぞれバネ座用の孔部114が形成されており、この孔部114内には、互いに対向するように形成された溝部115が設けられている。この対向する溝部115間にピン部材116が掛け渡されており、このピン部材116に上記付勢部材180の他端部が係止されている。
【0034】
また、図1,図5に示すように上記傾斜調整装置100は、上記第1および第2の基部材110,120の相対的な位置ずれを防止するための位置ずれ防止部材190を備えている。この位置ずれ防止部材190は、図1に示すように2箇所に配されており、図5に示すようにその一端部191は、上記第2の基部材120に形成されたネジ穴117に螺合保持され、他端部192は、上記第2の基部材120に形成された孔部127内に周囲に間隙を有する状態で挿入されている。この位置ずれ防止部材190は、上記第1および第2の基部材110,120に何らかの強い力が作用して、これらが相対的に位置ずれを起こした際、上記他端部192が上記孔部127の内周面と当接することにより、それ以上の位置ずれを防止するようになっている。
【0035】
<傾斜調整装置の作用>
上述したように構成された傾斜調整装置100は、以下のようにして傾き調整を行なう。まず、上記第1の基部材110に対して、上記第2の基部材120を上記軸線X周りに傾動させる場合は、上記軸線Y上に位置する上記第2の調整部150の上記調整ネジ151を回転させる。調整ネジ151は、その先端面151Aを上記球体153に摺接させた状態で回転し、そのネジ軸部151aの上記第2の基部材120からの突出長を変える。この間、球体153は上記保持部材170により、上記球受部材152の球受面152Aと調整ネジ151の先端面151Aとの間に保持される。上記支点部130において傾動可能に支持されている第2の基部材120は、調整ネジ151の軸部151aの突出長が変わることにより、上記軸線X周りに傾動し、図6に示すように第1の基部材110に対する傾きを変える。なお、上記球体153は、第1の基部材110が上記軸線X周りに傾動する際、断面V字型の溝状に形成された上記球受面152Aと接触しつつ、上記軸線Yに沿って若干すべり移動する。
【0036】
一方、上記第1の基部材110に対して、上記第2の基部材120を上記軸線Y周りに傾動させる場合は、上記軸線X上に位置する上記第1の調整部140の上記調整ネジ141を回転させる。調整ネジ141は、その先端面141Aを上記球体143に摺接させた状態で回転し、そのネジ軸部141aの上記第2の基部材120からの突出長を変える。ネジ軸部141aの突出長が変わることにより、第2の基部材120は上記軸線Y周りに傾動し、第1の基部材110に対する傾きを変える。なお、この傾き調整により第1の基部材110が軸線Y周りに傾動する間、上記球体143は、上記保持部材160により球受面142Aと調整ネジ141の先端面141Aとの間に保持されつつ、球受面142A上を若干すべり移動する。
【0037】
従来の傾斜調整装置における、先端部が凸球面に形成されていた調整ネジにおいては、凸球面の中心が調整ネジの軸線上に位置せずに偏心している場合がある。このような偏心した凸球面を上記球受面152Aのように所定方向(軸線Y方向)へのすべり移動のみを許容する球受面に当接させた状態で、調整ネジを回転させると、球受面を上記所定方向と略直交する方向に押圧する力が作用し、この力の作用により2つの基部材が相対的な位置ずれを起こす虞がある。
【0038】
上記調整ネジ151では、その先端面151Aが球体153を介して球受面152Aと当接している。球体153は調整ネジ151と別体に構成されているので、上述したような問題が生じる虞がない。このため、傾斜調整装置100は、第1および第2の基部材110,120の相対的な位置ずれを起こすことなく、高精度に傾き調整を行なうことが可能となっている。
【0039】
なお、上述したように傾斜調整装置100は、図7に示すように顕微干渉計装置1の前板3に配され、クランプ装置保持具200を介してクランプ装置300を保持するように構成されている。クランプ装置300に光コネクタ用プラグ内に収容されたフェルールを保持させた状態で、傾斜調整装置100の傾き調整を行なうことにより、フェルールの傾き調整を高精度に行なうことが可能となっている。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限られず、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1の基部材110が顕微干渉計装置1に対し固定されており、調整ネジ141,151は、この第1の基部材110に対向配置された第2の基部材120側に設けられているが、2つの基部材のうち一方が固定される態様において、調整ネジを固定された基部材側に配することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態においては、保持部材160,170が別部材で構成されているが、2つの球体を保持する保持部材を1つの部材で構成するようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態においては、傾斜調整装置100は、顕微干渉計装置1において光コネクタ用プラグ内のフェルールの傾き調整を行なうものであるが、本発明の傾斜調整装置は、顕微干渉計装置において他の被検体の傾き調整を行なう場合や、他の測定装置等において用いることが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の傾斜調整装置によれば、互いに対向配置された2つの基部材の一方から他方に向けて、先端部を突出させた状態で一方の基部材に回転可能に螺合保持された調整ネジと、この調整ネジの先端面と対向するように他方の基部材に設けられた球受面との間に、剛性を有する球体を保持部材で保持して配置したことにより、以下のような効果を奏する。
【0044】
すなわち、従来の傾斜調整装置における、先端部が凸球面に形成されていた調整ネジにおいて生ずるような、凸球面の中心が調整ネジの軸線上に位置せずに偏心しているために、調整ネジを回転させると2つの基部材が相対的な位置ずれを起こすという虞がなく、傾き調整を高精度に行なうことが可能となる。
【0045】
また、本発明による顕微干渉計装置によれば、上記特徴を備えた本発明の傾斜調整装置を具備しているので、光コネクタ用プラグ内に収容されたフェルール等の微小な被検体の傾き調整を高精度に行なうことができる。これにより、フェルール等の微小な被検体の測定解析を安定して行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に傾斜調整装置正面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】図1におけるB−B線断面図
【図4】図1におけるC−C線断面図
【図5】図1におけるD−D線断面図
【図6】図1に示す傾斜調整装置の作用を示す断面図
【図7】図1に示す傾斜調整装置を具備した顕微干渉計装置の斜視図
【符号の説明】
1 顕微干渉計装置
2 底板
3 前板
4 後板
5 隔壁板
6 カバーケース
7 電源部
8 コントロールボックス
9 コイルバネ
10 干渉計本体部
11 対物レンズユニット
12 ピエゾユニット
13 ハーフミラー・光源ユニット
14 結像レンズユニット
15 ミラーボックス
16 CCDカメラユニット
17 固定台
18 フォーカス台
18a 凸部
19A,19B ガイド軸
20 フォーカス調整ネジ
21 ネジ軸部
22 ツマミ部
30 電源スイッチ
100 傾斜調整装置
110 第1の基部材
111〜114 孔部
115 溝部
116 ピン部材
117 ネジ穴
120 第2の基部材
121〜124 孔部
125 溝部
126 ピン部材
127 孔部
128,129 ネジ孔
130 支点部
131 第1の支持部材
131A 球受面
131a 軸部
131b 球受部
132 第2の支持部材
132A 球受面
132a 軸部
132b 球受部
133 球体
140 第1の調整部
141,151 調整ネジ
141A,151A 先端面
141a,151a ネジ軸部
141b,151b ツマミ部
142,152 球受部材
142A,152A 球受面
142a,152a 軸部
142b,152b 球受部
143,153 球体
144,154 ネジブッシュ
144a,154a ネジ孔
150 第2の調整部
160,170 保持部材
161,171 取付ネジ
162,172 孔部
180 付勢部材
190 位置ずれ防止部材
191 一端部
192 他端部
200 クランプ装置保持具
210 上段部
220 下段部
221 保持用凹部
230 連結部
240 取付ネジ
300 クランプ装置
F,B 方向を示す矢印
X,Y 軸線
Claims (4)
- 互いに対向配置された2つの基部材と、該2つの基部材を相対的に傾動可能に支持する支点部と、該支点部を支点として前記2つの基部材を相対的に傾動させるための調整部とを備えてなる傾斜調整装置において、
前記調整部は、
先端部を前記2つの基部材の一方から他方に向けて突出させた状態で該一方の基部材に回転可能に螺合保持された調整ネジと、
該調整ネジの先端面と対向するように前記他方の基部材に設けられた球受面と、
前記調整ネジの前記先端面と前記球受面との間に配置される、剛性を有する球体と、
前記球体の径よりも小なる内径の孔部を有してなり、前記先端面と前記球受面との間において、該孔部から前記球体の一部が突出する状態となるように配置され、かつ該球体を前記球受面に自身の弾性により押圧することにより、該球体を前記先端面および前記球受面と当接する位置に保持する保持部材とを備えてなり、
前記先端面および前記球受面に前記球体を当接させた状態で前記調整ネジを回転させて、該調整ネジの前記一方の基部材からの突出長を変えることにより前記2つの基部材の相対的な傾きを調整するものであることを特徴とする傾斜調整装置。 - 前記2つの基部材を互いに引き合うように付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の傾斜調整装置。
- 前記調整部が、前記支点部から互いに直交する方向に離れた2つの位置にそれぞれ設けられ、該調整部の一方における前記球受面は、前記球体と当接する面が平面状に形成され、該調整部の他方における前記球受面は、前記球体と当接する面が該他方の調整部と前記支点部とを結ぶ方向に延びる断面V字型の溝状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の傾斜調整装置。
- 被検体の位相情報を担持した物体光と参照光とを干渉させて得られる干渉縞を観察する顕微干渉計装置において、
請求項1から3までのいずれか1項記載の傾斜調整装置を具備してなることを特徴とする顕微干渉計装置。
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