JP2012102627A - 火花点火内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料粘度が変化すると、点火プラグの火花放電部と燃料噴霧のプラグ間距離が変化して、燃焼状態の悪化を招く不具合があった。
【解決手段】火花点火内燃機関1は、燃料噴射弁4に供給される燃料粘度を検出する手段として燃圧センサ3を備え、燃料噴射弁4の作動時における燃料圧力の変化により燃料粘度を検出する。そして、ECU5は、スプレーガイド方式の成層燃焼の場合、検出した燃料粘度の上昇に応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更する。これにより、燃料粘度が大きい場合(アルコール含有ガソリンの場合や、極寒地などで燃料温度が低い場合など)であっても、点火時期における火花放電部2a近傍の混合気形成を良好にでき、燃料粘度が上昇しても燃焼状態を良好に保つことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、点火プラグの発生する火花によって燃料(具体的には、燃料を含む混合気)の燃焼を行なう火花点火内燃機関(火花点火エンジン)に関する。
火花点火内燃機関の一例として特許文献1に開示される技術が知られている。この特許文献1は、アルコール(エタノール等)含有ガソリンを燃料とする火花点火内燃機関に関する技術であり、特に成層燃焼(燃焼室内に可燃層と空気層を作り、可燃層で火花放電を行なう燃焼技術)の安定化を図る技術を開示するものである。
具体的に、ガソリンに含まれるアルコール含有量が多くなると、燃料噴射弁の噴射期間が長くなり、点火プラグの火花放電部周辺の成層度が低下して成層燃焼が悪化する。
そこで、特許文献1は、アルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段を用い、アルコール含有量が多くなると、スプレーガイド方式(噴射燃料がピストンに到達する前に燃焼する燃焼方式)からウォールガイド方式{噴射燃料をピストン頂面に設けられた窪み(キャビティ)に入れることで燃料をプラグに誘導し燃焼させる燃焼方式}へ変更するものである。
しかしながら、特許文献1の技術は、燃料の粘度の影響が考慮されていない。
ここで、燃料の粘度は、一定ではない。
(i)例えば、ガソリンの粘度は温度に依存しており、温度低下に伴って粘度が大きくなる。即ち、ガソリン100%の燃料であっても、極寒地等において燃料粘度が大きくなってしまう。
(ii)また、アルコール含有ガソリンの場合では、ガソリンよりもアルコール(例えば、バイオエタノール等)の粘度が大きいため、アルコールの含有量の増加に伴って燃料粘度が大きくなってしまう。
燃料の粘度が変化すると、燃料噴射弁から噴射される噴霧の形態が変化する。
具体的に、燃料粘度が小さい場合(例えば、ガソリンの常温粘度)では、燃料噴射弁から噴射される噴霧が広がる{図4(a)の一点鎖線α参照)。
しかし、燃料粘度が大きくなるに従い、燃料噴射弁から噴射される噴霧が広がらずに狭く噴射される{図4(a)の実線β参照)。
このように、燃料の粘度が変化することで噴霧の形態が変化して、点火プラグの火花放電部と噴霧との距離(プラグ間距離)が変化することになる{図4(a)参照)。しかし、既存の技術では、燃料粘度が考慮されていなかったために、燃料粘度が変化することで燃焼状態が悪化する可能性があった。
特開2008−196318号公報
本発明の目的は、燃料粘度が変化しても燃焼状態の悪化を防ぐことのできる火花点火内燃機関の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の火花点火内燃機関の制御装置は、燃料粘度検出手段によって検出した燃料粘度に応じて、燃料噴射弁の燃料噴射時期または噴射パターンの少なくとも一方の変更を行なう。このように、燃料粘度を考慮して燃料噴射弁の噴射制御を実施するため、燃料粘度が変化しても燃焼状態の悪化を防ぐことが可能になる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の火花点火内燃機関の制御装置は、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高い場合に、検出した燃料粘度に応じて燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を進角側へ変更する。
これにより、燃料粘度が大きい場合であっても、点火プラグが火花放電を行なうまでの間に噴霧が広がって、点火プラグの火花放電部の近傍に噴霧形成が可能となり、燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の火花点火内燃機関の制御装置は、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高い場合に、検出した燃料粘度に応じて燃料噴射弁の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、分割噴射(プレ噴射)を行なう。即ち、上記請求項2の手段の技術に加えて、プレ噴射を行なわせるものでる。
プレ噴射によって少量の燃料を噴射することで、「噴霧の拡散」と「低貫徹力の噴霧形成」が行なわれ、点火プラグの火花放電部の近傍に噴霧形成を促進でき、燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4の火花点火内燃機関の制御装置は、検出した燃料粘度に応じて渦流強度変更手段を用いて渦流強度の変更を行なう。このように、燃料粘度を考慮して渦流強度の変更を行なうことで、点火プラグの火花放電部の近傍に噴霧を導くことが可能になり、燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の火花点火内燃機関の制御装置は、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高い場合に、渦流強度変更手段を用いて渦流強度を高める。
これにより、燃料粘度が大きい場合であっても、点火プラグの火花放電部の近傍に噴霧を導いて、燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6の火花点火内燃機関の燃料粘度検出手段は、燃料噴射弁の作動に伴う供給燃料(燃料噴射弁に供給する燃料)の圧力変化に基づいて燃料粘度を検出するものである。
〔請求項7の手段〕
請求項7の火花点火内燃機関の燃料粘度検出手段は、燃料噴射弁の作動に伴うニードルの変位速度に基づいて燃料粘度を検出するものである。
燃料粘度に応じた噴射制御を行なう制御例を示すフローチャートである(実施例1)。 火花点火内燃機関の概略構成図である(実施例1)。 噴射信号とニードルのリフト量との関係を示すタイムチャートである(実施例1、2)。 (a)火花放電部と燃料噴霧とのプラグ間距離の説明図、(b)燃料の噴射時期と燃焼変動を示すグラフである。 (a)燃料粘度と噴射期間との関係を示すグラフ、(b)燃料粘度と噴霧幅との関係を示すグラフである。 燃料の噴射時期と燃焼変動を示すグラフである(実施例1)。 燃料の噴射時期と燃焼変動を示すグラフである(実施例2)。 火花点火内燃機関の概略構成図である(実施例3、4)。 (a)スワール流が生じる燃焼室をピストンの横方向から見た噴射位置の説明図、(b)スワール流が生じる燃焼室をピストンの縦方向から見た噴射位置の説明図である(実施例3)。 燃料粘度に応じた渦流強度制御を行なう制御例を示すフローチャートである(実施例3、4)。 燃料の噴射時期と燃焼変動を示すグラフである(実施例3、4)。 (a)タンブル流が生じる燃焼室をピストンの横方向から見た噴射位置の説明図、(b)タンブル流が生じる燃焼室をピストンの縦方向から見た噴射位置の説明図である(実施例4)。
図面を参照して第1、第2実施形態を説明する。
第1実施形態の火花点火内燃機関1は、点火プラグ2の発生する火花によって燃料の燃焼を行なうものであり、
火花点火内燃機関1に用いられる燃料粘度を検出する燃料粘度検出手段3と、
火花点火内燃機関1に燃料を噴射供給する燃料噴射弁4と、
燃料粘度検出手段3の検出する燃料粘度に応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射時期または噴射パターンの少なくとも一方の変更を行なう制御装置5とを備える。
第1実施形態の具体的な一例として制御装置5は、「検出した燃料粘度」が「ガソリンの常温粘度」に対して高い場合に、
(i)燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更する、
(ii)あるいは、燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、分割噴射(プレ噴射)を行なうものである。
第2実施形態の火花点火内燃機関1は、
火花点火内燃機関1に用いられる燃料粘度を検出する燃料粘度検出手段3と、
火花点火内燃機関1に燃料を噴射供給する燃料噴射弁4と、
火花点火内燃機関1の気筒内に生じる渦流強度の変更を行なう渦流強度変更手段6と、
燃料粘度検出手段3の検出する燃料粘度に応じて、渦流強度変更手段6による渦流強度の変更を行なう制御装置5とを備える。
第2実施形態の具体的な一例として制御装置5は、「検出した燃料粘度」が「ガソリンの常温粘度」に対して高い場合に、渦流強度変更手段6によって渦流強度を高めるものである。
以下において本発明が適用された具体的な一例(実施例)を図面を参照して説明する。実施例は具体的な一例を開示するものであって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
以下の各実施例は、燃料としてガソリンにアルコール(エタノール等)が含まれる可能性のある車両走行用エンジン(火花点火内燃機関)に本発明を適用したものである。
[実施例1]
実施例1を図1〜図6を参照して説明する。
燃料の燃焼により車両走行用の出力を発生するエンジン1は、図2に示すように、気筒内に火花放電部2aが配置される点火プラグ2、および気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁4を備え、点火プラグ2の発生する火花によって気筒内の燃料に点火を行なうものであり、燃料噴射タイミングや点火タイミング等のエンジン制御は、ECU5(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置に相当する)によって行なわれる。
この実施例のエンジン1は、ECU5による周知の制御技術により、加速走行時など負荷の大きい運転状態において均質燃焼を実施し、アイドリング時や定速走行時など、低速、負荷の小さい運転状態において成層燃焼を実施するものである。なお、成層燃焼は、燃焼室内を可燃層と空気層(空気の割合の多い層)とに分け、可燃層で点火を行なう希薄燃焼技術である。
エンジン1には、各気筒内に吸気を導く吸気通路7と、各気筒内で燃焼した燃焼ガスを排出する排気通路とが設けられている。
ここで、図2には、吸気通路7の一部を開示している。なお、図2に開示される吸気通路7は、スロットルバルブ8やエアフロメータ9等が配置された吸気管10と、サージタンク11を有するインテークマニホールド12と、エンジン1のシリンダヘッドに形成された吸気ポート13とで構成されている。
燃料噴射弁4は、電動アクチュエータ(例えば、電磁アクチュエータやピエゾアクチュエータ等)の作動によって燃料の噴射と停止を行なう周知なものである。
具体的に、燃料噴射弁4は、内部にニードルを備えるものであり、図3に示すように、(i)ECU5から噴射信号を受けるとニードルが上昇(リフト)して、燃料噴射弁4の内部で高圧燃料を受ける部位と噴孔が連通することで噴孔から燃料の噴射を開始し、(ii)ニードルの最大リフトはフルリフト位置で規制されるものであり、(iii)噴射信号が停止されるとニードルが下降し、燃料噴射弁4の内部で高圧燃料を受ける部位と噴孔の連通をニードルが遮断することで燃料の噴射を停止するものである。
燃料噴射弁4は、図4(a)に示すように、スプレーガイド方式の燃焼形態の場合に、点火プラグ2の火花放電部2aの近傍へ向けて燃料を噴射するようにエンジン1に取り付けられている。
ここで、燃料噴射弁4から噴射された燃料は、加圧燃料が小さな噴孔を通過して気筒内に噴射されることにより、気筒内で噴霧燃料になる。
一方、燃料噴射弁4に加圧供給される燃料は、上述したように、ガソリンにアルコール(エタノール等)が含まれる可能性がある。
アルコール含有ガソリンの場合、ガソリンよりもアルコールの粘度が大きい。このため、アルコールの含有量の増加に伴って燃料粘度が大きくなってしまう。
ここで、図5を参照して、燃料粘度の変化に対する燃料噴射弁4の噴射特性について説明する。
一定期間の噴射信号にて燃料噴射弁4を作動させる状態で燃料粘度を変えると、図5(a)に示すように、燃料粘度の上昇に伴い実際の噴射期間(噴孔の開弁期間)が増加することがわかる。これは、燃料粘度が高いと燃料噴射弁4における可動部(ニードル等)の可動抵抗や摺動抵抗が大きくなるので、実際の噴射期間が長くなるためである。
また、噴霧形状についてみると、一定期間の噴射信号にて燃料噴射弁4を作動させる状態で燃料粘度を変えると、図5(b)に示すように、燃料粘度の上昇に伴い噴霧の幅が狭くなることがわかる。これは、燃料粘度が高くなることで拡散しなくなり、燃料噴霧が細くなるためである。
即ち、図4(a)に示すように、燃料粘度が低いと噴孔から噴射される燃料噴霧が広がり(図中、一点鎖線α参照)、逆に燃料粘度が高くなるに従い噴孔から噴射される燃料噴霧が細くなる(図中、実線β参照)。
スプレーガイド方式の成層燃焼では、点火プラグ2における火花放電部2aと、燃料噴射弁4から噴射された燃料噴霧の距離(プラグ間距離)が、安定した燃焼を実現する上で重要である。燃料噴霧と火花放電部2aとのプラグ間距離は、ガソリン100%のスプレーガイド方式の成層燃焼において最適になるように設定されている。
しかし、アルコールの含有に伴って燃料粘度が高くなることで、火花放電部2aと燃料噴霧の距離(プラグ間距離)が広がり、図4(b)に示すように、燃焼安定化領域が狭くなってしまう。
具体的に、図4(b)の一点鎖線Xは、燃料粘度が低い場合での噴射時期と燃焼変動(燃焼状態の良悪)の関係を示し、燃料噴霧が広がることで噴射時期の広い範囲で良好な燃焼状態が得られる。
しかし、図4(b)の実線Yは、燃料粘度が高い場合での噴射時期と燃焼変動(燃焼状態の良悪)の関係を示し、燃料噴霧が狭いことで噴射時期の狭い範囲でしか良好な燃焼状態が得られない。即ち、燃焼安定化領域が狭く、燃焼状態の悪化を招く可能性がある。
以下において、燃料粘度が変化した時の対策について説明する。
先ず、図3を参照してECU5による燃料噴射弁4の制御の概要を示す。なお、ここでは、燃料の粘度の低い場合と高い場合の具体例として、燃料がガソリン(ガソリン100%)の場合とエタノール含有ガソリンの場合とを用いて説明する。
エタノール含有ガソリンは、ガソリンに対して粘度が高く(特に低温域において顕著)、上述したように、燃料噴射弁4の作動への影響が大きい。
ECU5から燃料噴射弁4に噴射信号が与えられた際におけるニードルのリフト変化を、図3を参照して説明する。
なお、図3の実線Gはガソリン時における噴射信号を示し、実線Eは従来技術のエタノール含有ガソリンにおける噴射信号を示し、実線E’は実施例1のエタノール含有ガソリンにおける噴射信号を示す。
また、実線Aはガソリン時におけるニードルのリフト変化を示し、破線Bは従来技術のエタノール含有ガソリンにおけるニードルのリフト変化を示し、一点鎖線B’は実施例1のエタノール含有ガソリンにおけるニードルのリフト変化を示す。
ECU5から燃料噴射弁4に噴射信号が与えられてからニードルがフルリフトに至るリフトアップ期間は、ガソリンの場合は期間Toであるのに対し、燃料粘度が高いエタノール含有ガソリンの場合は期間T’oと長い。
また、噴射信号が停止してからニードルが着座(閉弁)するまでのリフトダウン期間は、ガソリンの場合は期間Tcであるのに対し、燃料粘度が高いエタノール含有ガソリンの場合は期間T’cと長い。
このように、燃料粘度が変化することで、実際の噴射期間(噴孔の開弁期間)が変化することがわかる。
燃料粘度が高まることでリフトアップ期間T’oが長くなると、この期間(T’o)の噴射量は少なくなり、且つ噴射圧力も上がらない。このため、この期間(T’o)で噴射された燃料噴霧は、微粒化が悪く、燃料も希薄となる。即ち、この期間(T’o)における火花放電部2a近傍の混合気形成(可燃層の形成)が悪化する。
そこで、この実施例1では、燃料粘度が高いエタノール含有ガソリンの場合、図3の実線E’に示すように、燃料噴射開始時期を進角側へ変更し、上記期間(T’o)を進角側へずらすことで、点火時期における火花放電部2a近傍の混合気形成を良好にして、成層度を高めるものである。
具体的にこの実施例1は、燃料粘度の上昇に応じて(エタノール含有割合や温度変化に応じて)、燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するものである。
これにより、従来技術であれば、燃料粘度が高い場合には図6の実線Yに示すように燃焼安定化領域が狭いものであったが、実施例1の技術により、燃料粘度が高い場合であっても燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更することで、図6の一点鎖線Y’に示すように燃焼安定化領域を広げることができる。
次に、実施例1の具体的な構成を説明する。
実施例1は、燃料噴射弁4に供給される燃料粘度(エンジン1に使用される燃料粘度)を検出する燃圧センサ3(燃料粘度検出手段の一例)を備える。そして、ECU5は、燃圧センサ3を用いて検出した燃料粘度の上昇に応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するものである。
この実施例において用いられる燃圧センサ3は、燃料噴射弁4の作動に伴う供給燃料の圧力変化に基づいて燃料粘度を検出するものである。
ここで、エンジン1には、燃料噴射弁4を含む燃料噴射装置が搭載されている。
この燃料噴射装置は、燃料タンク14内の燃料を燃料噴射弁4に向けて加圧供給する燃料ポンプ15、この燃料ポンプ15から供給される加圧燃料を蓄圧する蓄圧容器(コモンレール)16を有し、この蓄圧容器16に蓄圧される加圧燃料が燃料噴射弁4に供給される。
燃圧センサ3は、蓄圧容器16に取り付けられて、蓄圧容器16内の燃料圧力の変化を連続的に検出するものである。そして、燃圧センサ3の出力は、ECU5に読み取られ、ECU5は燃料噴射弁4の作動に伴う供給燃料の圧力変化(燃圧センサ3の出力変化)に基づいて燃料粘度を算出するものである。
一方、ECU5は、検出した燃料粘度の上昇に応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するように設けられており、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じて燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更する。なお、燃料粘度に対する燃料噴射開始時期の進角側への進角量(粘度補正進角量)は、ECU5に予め搭載されたマップあるいは計算式を用いて求められるものである。
ここで、ECU5は、演算処理を行なうCPU、各種プログラムやデータを保存する記憶装置、入力回路、出力回路などを含んで構成される周知のコンピュータであり、読み込まれたセンサ類の信号(エンジン運転状態、乗員による操作状態など)に応じて各種の演算処理を行なって、各種電気機能部品の通電制御を行なうものである。
なお、ECU5に接続されるセンサ類には、上述した燃圧センサ3やエアフロメータ9の他に、アクセル開度(エンジン負荷)を検出するアクセルセンサ、エンジン回転数を検出する回転数センサ、図2に示すエンジンクランク角を検出するクランク角センサ17、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ18など、種々のセンサ類がある。
次に、ECU5による燃料粘度に応じた噴射時期の具体的な制御例を、図1のフローチャートを参照して説明する。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、エンジン1の運転状態の読み込みを行なう(ステップS1)。
次に、読み込んだエンジン1の運転状態が成層燃焼の運転状態であるか否かの判断を行なう(ステップS2)。このステップS2の判断結果がNOの場合(均質燃焼の場合)は、この制御ルーチンを終了する(エンド)。
ステップS2の判断結果がYESの場合(成層燃焼の場合)は、燃圧センサ3の出力を用いて燃料の粘度を算出する(ステップS3)。
次に、燃料粘度に応じて噴射時期の変更を行なう(ステップS4)。具体的には、上述したように、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じた燃料噴射開始時期を求めて、噴射開始時期を進角側へ変更する(当然、噴射開始時期の変更に応じて噴射終了時期も進角側へ変更する)。その後、この制御ルーチンを終了する。
(実施例1の効果)
実施例1は、上述したように、燃圧センサ3を用いて検出した燃料粘度に応じて、燃料噴射弁4の燃料噴射時期の変更を行なう。具体的には、検出した燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じて燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更する。
これにより、燃料粘度が大きい場合(アルコール含有ガソリンの場合や、極寒地などで燃料温度が低い場合など)であっても、燃料噴射開始時期を進角側へ変更することで、点火時期における火花放電部2a近傍の混合気形成を良好にすることができる。即ち、点火プラグ2が火花放電を行なうまでの間に燃料噴霧が広がって、燃焼状態を良好に保つことができる。
[実施例2]
実施例2を、図3、図7を参照して説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2のECU5は、燃圧センサ3を用いて検出した燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高い場合に、検出した燃料粘度に応じて燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、メイン噴射の前に少量の分割噴射を行なうものである。即ち、上記実施例1の形態に加えて、プレ噴射を行なわせるものでる。
具体的に、燃料粘度が高い場合には、図3の実線E”に示すように、燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、進角させたメイン噴射の前に、短いプレ噴射信号Pを与えるものである。なお、図3では、1回のプレ噴射を行なう例を示すが、限定されるものではなく、複数のプレ噴射を行なうようにしても良い。
(実施例2の効果)
この実施例2では、上述したように、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、燃料噴射開始時期を進角側へ変更することに加え、さらにプレ噴射によってメイン噴射の前に少量の燃料を噴射する。このプレ噴射を行なうことで、「噴霧の拡散」と「低貫徹力の噴霧形成」が行なわれ、点火プラグ2の火花放電部2aの近傍における噴霧形成を促進でき、燃焼状態を良好に保つことができる。
即ち、従来技術であれば、燃料粘度が高い場合には図7の実線Yに示すように燃焼安定化領域が狭いものであったが、燃料粘度が高い場合であっても燃料噴射弁4の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、プレ噴射を実施することで、図7の一点鎖線Y’に示すように燃焼安定化領域を実施例1よりもさらに広げることができる。
[実施例3]
実施例3を、図8〜図11を参照して説明する。
上記実施例1、2は、燃料粘度が高い場合に燃料噴射弁4の噴射制御を行なって燃焼状態の悪化を防ぐ例を示した。
これに対し、以下の実施例3、4は、燃料粘度が高い場合に燃焼室内の渦流を強化することで燃焼状態の悪化を防ぐものである。
この実施例3は、燃料粘度が高い場合に燃焼室内のスワール流(横渦流)を強化することで燃焼状態の悪化を防ぐものである。
実施例3のエンジン1は、スワール流コントロール装置を搭載する。
スワール流コントロール装置は、エンジン1の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン暖気状態、および燃料粘度)に応じて、エンジン1の気筒内に適したスワール流を生じさせる装置であり、図8に示すように、エンジン1の気筒内にスワール流を生じさせる渦流バルブ6(渦流強度変更手段に相当する)と、この渦流バルブ6の開度を可変させる電動アクチュエータ(図示しない)とを備え、この電動アクチュエータがECU5により通電制御される。
なお、図8は、図2に渦流バルブ6を追加したものである。
渦流バルブ6は、エンジン運転状態に応じた目標の渦流強度が得られるように連続可変されるものであっても良いし、エンジン運転状態に応じて渦流を複数段(例えば、強弱の2段階)に切り替えるものであっても良い。なお、この実施例では燃料粘度に応じて渦流バルブ6の開度を連続可変させる例を示すが、段階的(例えば、強弱の2段階)に切り替えるものであっても良い。
渦流バルブ6は、各気筒内に吸気を導く吸気通路7(図8では、シリンダヘッドに形成される吸気ポート13を例に示すが、吸気ポート13とインテークマニホールド12の間や、インテークマニホールド12の吸気下流側であっても良い)の内部に配置されて吸気の偏りを生じさせる偏流発生バルブである。
渦流バルブ6(この実施例3ではスワール流コントロールバルブ)の具体的な一例を開示すると、渦流バルブ6は、この渦流バルブ6が配置される部位の吸気通路7の一部(例えば、吸気通路7の横部)を少しだけ開口させた閉塞状態(全閉)と、渦流バルブ6が配置される部位の吸気通路7を全開にした状態(全開)との間で開度変化可能な弁体であり、渦流バルブ6を収容する固定部材(図8ではシリンダヘッド)に対して軸受を介して回転自在に支持されたシャフトと一体に回動するものである。
そして、電動アクチュエータの作動によって、渦流バルブ6の開度を小さくすることでスワール流の強化を行い、渦流バルブ6の開度を大きくすることでスワール流を弱めるものである。
燃料噴射弁4は、図9に示すように、スプレーガイド方式の燃焼形態の場合に、点火プラグ2の火花放電部2aの近傍へ向けて燃料を噴射するようにエンジン1に取り付けられている。具体的には、図9(b)に示すように、火花放電部2aのスワール流の上流側の近傍へ向けて燃料を噴射するように燃料噴射弁4が設けられている。
さらに具体的に説明すると、ガソリン100%で、且つスワール流が弱い状態におけるスプレーガイド方式の成層燃焼の時に、燃料噴霧と火花放電部2aとのプラグ間距離が最適になるように設定されている。
このため、燃料粘度が高い場合の燃料噴霧は、図9(b)の実線βに示すように、細く噴射されてプラグ間距離が離れる。その結果、図11の実線Yに示すように、燃焼安定化領域が狭くなってしまう。
この不具合を回避するために、実施例3のECU5は、燃圧センサ3を用いて検出した燃料粘度に応じて、渦流バルブ6によるスワール流強度の変更を行なう。
具体的に、ECU5は、検出した燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合(アルコール含有ガソリンの場合や、極寒地などで燃料温度が低い場合など)に、燃料粘度の上昇に応じて渦流バルブ6を閉じる方向に制御してスワール流の強度を高めるものである。なお、燃料粘度に対するスワール流の強化量は、ECU5に予め搭載されたマップあるいは計算式を用いて求められるものである。
ここで、ECU5による燃料粘度に応じた渦流強度の制御例を、図10のフローチャートを参照して説明する。
この制御ルーチンに侵入すると(スタート)、エンジン1の運転状態の読み込みを行なう(ステップS1)。
次に、読み込んだエンジン1の運転状態が成層燃焼の運転状態であるか否かの判断を行なう(ステップS2)。このステップS2の判断結果がNOの場合(均質燃焼の場合)は、この制御ルーチンを終了する(エンド)。
ステップS2の判断結果がYESの場合(成層燃焼の場合)は、燃圧センサ3の出力を用いて燃料の粘度を算出する(ステップS3)。
次に、スワール流強度の変更を行なう(ステップS4’)。具体的には、検出した燃料粘度がガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じたスワール流強度を求め、そのスワール流強度を得るための渦流バルブ6の開度を算出して、算出された開度に渦流バルブ6の開度を変更する。その後、この制御ルーチンを終了する。
(実施例3の効果)
この実施例3に示すように、燃料粘度が大きくて燃料噴射弁4から噴射された燃料噴霧が図9(b)の実線βに示すように細く噴射されても、スワール流の強化を行なうことによって、燃料噴射弁4から噴射された燃料噴霧が、図9(b)の破線β’に示すように火花放電部2aに近づき、プラグ間距離が短くなる。その結果、点火時期における火花放電部2a近傍の混合気形成を良好にすることができる。即ち、点火プラグ2が火花放電を行なうまでの間に、スワール流の強化によって燃料噴霧が火花放電部2aに近づいて、燃焼状態を良好に保つことができる。
これにより、従来技術であれば、燃料粘度が高い場合には図11の実線Yに示すように燃焼安定化領域が狭いものであったが、実施例3では燃料粘度が高い場合であってもスワール流の強化を行なうことで、図11の一点鎖線Y’に示すように燃焼安定化領域を広げることができる。
[実施例4]
実施例4を、図12(図8〜図11参照)を用いて説明する。
上記実施例3は、スワール流コントロール装置を用いて、燃料粘度が高い場合にスワール流の強化を行なうことで、燃焼状態を良好に保つ例を示した。
これに対し、この実施例3は、タンブル流コントロール装置を用いて、燃料粘度が高い場合に燃焼室におけるタンブル流(縦渦流)の強化を行なうことで、燃焼状態を良好に保つものである。
タンブル流コントロール装置は、実施例3に示したスワール流コントロール装置と同様、エンジン1の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷、エンジン暖気状態、および燃料粘度)に応じて、エンジン1の気筒内に適したタンブル流を生じさせる装置であり、エンジン1の気筒内にタンブル流を生じさせる渦流バルブ6と、この渦流バルブ6の開度を可変させる電動アクチュエータとを備え、この電動アクチュエータがECU5により通電制御される。
具体的に、この実施例4の渦流バルブ6(実施例4ではタンブル流コントロールバルブ)は、渦流バルブ6が配置される部位の吸気通路7の一部(例えば、吸気通路7の上部)を少しだけ開口させた閉塞状態(全閉)と、渦流バルブ6が配置される部位の吸気通路7を全開にした状態(全開)との間で開度変化可能な弁体である。
そして、電動アクチュエータの作動によって、渦流バルブ6の開度を小さくすることでタンブル流の強化を行い、渦流バルブ6の開度を大きくすることでタンブル流を弱めるものである。
燃料噴射弁4は、図12に示すように、スプレーガイド方式の燃焼形態の場合に、点火プラグ2の火花放電部2aの近傍へ向けて燃料を噴射するようにエンジン1に取り付けられている。具体的には、図12(a)に示すように、火花放電部2aのタンブル流の上流側の近傍へ向けて燃料を噴射するように燃料噴射弁4が設けられている。
さらに具体的に説明すると、ガソリン100%で、且つタンブル流が弱い状態におけるスプレーガイド方式の成層燃焼の時に、燃料噴霧と火花放電部2aとのプラグ間距離が最適になるように設定されている。
このため、燃料粘度が高い場合の燃料噴霧は、図12(a)の実線βに示すように、細く噴射されてプラグ間距離が離れる。その結果、図11の実線Yに示すように、燃焼安定化領域が狭くなってしまう。
この不具合を回避するために、実施例4のECU5は、燃圧センサ3を用いて検出した燃料粘度に応じて、渦流バルブ6によるタンブル流強度の変更を行なう。
具体的に、ECU5は、検出した燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合(アルコール含有ガソリンの場合や、極寒地などで燃料温度が低い場合など)に、燃料粘度の上昇に応じて渦流バルブ6を閉じる方向に制御してタンブル流の強度を高めるものである。
なお、この実施例4における渦流バルブ6の制御は、実施例3と同様(図10参照)である。
(実施例4の効果)
この実施例4に示すように、燃料粘度が大きくて燃料噴射弁4から噴射された燃料噴霧が図12(a)の実線βに示すように火花放電部2aから離れて噴射されても、タンブル流の強化を行なうことによって、燃料噴射弁4から噴射された燃料噴霧が、図12(a)の破線β’に示すように火花放電部2aに近づき、プラグ間距離を短くできる。その結果、点火時期における火花放電部2a近傍の混合気形成を良好にすることができる。即ち、点火プラグ2が火花放電を行なうまでの間に、タンブル流の強化によって燃料噴霧が火花放電部2aに近づいて、燃焼状態を良好に保つことができ、図11の一点鎖線Y’に示すように燃焼安定化領域を広げることができる。
上記の実施例2では、燃料粘度が高い場合に、メイン噴射の燃料噴射開始時期を進角側へ変更してさらにプレ噴射を行なう例を示したが、メイン噴射の燃料噴射開始時期は進角させずにメイン噴射の前にプレ噴射(1回または複数回のプレ噴射)を行なうように設けても良い。
上記の実施例では、燃料粘度を検出する手段の一例として燃料噴射弁4の供給燃料の圧力変化に基づいて燃料粘度を検出する例を示したが、限定されるものではない。他の一例を示すと、燃料噴射弁4のニードルのリフト位置を検出するように設け、燃料噴射弁4の作動に伴うニードルの変位速度に基づいて燃料粘度を検出するように設けても良い。
上記の実施例では、燃料粘度が変化する例を、ガソリンと、アルコール含有ガソリンを例に説明したが、ガソリンの粘度は温度に依存して低温で粘度が上昇するため、ガソリンだけを使用するエンジン1であっても、本発明を適用することができる。
上記の実施例では、スプレーガイド方式の成層燃焼に本発明を適用する例を説明したが、ウォールガイド方式の成層燃焼においても本発明を適用しても良い。
上記の各実施例を組み合わせても良い。具体的には、「実施例1または実施例2」と、「実施例3または実施例4」とを組み合わせて用いても良い。
1 エンジン(火花点火内燃機関)
2 点火プラグ
2a 火花放電部
3 燃圧センサ(燃料粘度検出手段)
4 燃料噴射弁
5 ECU(制御装置)
6 渦流バルブ(渦流強度変更手段)

Claims (7)

  1. 点火プラグ(2)の発生する火花によって燃料の燃焼を行なう火花点火内燃機関(1)において、
    この火花点火内燃機関(1)は、
    当該火花点火内燃機関(1)に用いられる燃料粘度を検出する燃料粘度検出手段(3)と、
    当該火花点火内燃機関(1)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(4)と、
    前記燃料粘度検出手段(3)の検出する燃料粘度に応じて、前記燃料噴射弁(4)の燃料噴射時期または噴射パターンの少なくとも一方の変更を行なう制御装置(5)と、
    を備えることを特徴とする火花点火内燃機関。
  2. 請求項1に記載の火花点火内燃機関(1)において、
    前記制御装置(5)は、前記燃料粘度検出手段(3)の検出する燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じて前記燃料噴射弁(4)の燃料噴射開始時期を進角側へ変更することを特徴とする火花点火内燃機関。
  3. 請求項1に記載の火花点火内燃機関(1)において、
    前記制御装置(5)は、前記燃料粘度検出手段(3)の検出する燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、検出した燃料粘度に応じて前記燃料噴射弁(4)の燃料噴射開始時期を進角側へ変更するとともに、分割噴射を行なうことを特徴とする火花点火内燃機関。
  4. 点火プラグ(2)の発生する火花によって燃料の燃焼を行なう火花点火内燃機関(1)において、
    この火花点火内燃機関(1)は、
    当該火花点火内燃機関(1)に用いられる燃料粘度を検出する燃料粘度検出手段(3)と、
    当該火花点火内燃機関(1)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁(4)と、
    当該火花点火内燃機関(1)の気筒内に生じる渦流強度の変更を行なう渦流強度変更手段(6)と、
    前記燃料粘度検出手段(3)の検出する燃料粘度に応じて、前記渦流強度変更手段(6)による渦流強度の変更を行なう制御装置(5)と、
    を備えることを特徴とする火花点火内燃機関。
  5. 請求項4に記載の火花点火内燃機関(1)において、
    前記制御装置(5)は、前記燃料粘度検出手段(3)の検出する燃料粘度が、ガソリンの常温粘度に対して高いと判断した場合に、前記渦流強度変更手段(6)によって渦流強度を高めることを特徴とする火花点火内燃機関。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の火花点火内燃機関(1)において、
    前記燃料粘度検出手段(3)は、前記燃料噴射弁(4)の作動に伴う供給燃料の圧力変化に基づいて燃料粘度を検出することを特徴とする火花点火内燃機関。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の火花点火内燃機関(1)において、
    前記燃料粘度検出手段(3)は、前記燃料噴射弁(4)の作動に伴うニードルの変位速度に基づいて燃料粘度を検出することを特徴とする火花点火内燃機関。
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