JP4918889B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、デュアル噴射型の内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、更に詳しくは、噴き分け等のマップ数を大幅に低減し、適用可能な運転領域(アルコール高濃度時かつ高負荷運転時)を容易に拡大できる汎用性の高い内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射用インジェクタと、吸気通路または吸気ポート内に燃料を噴射する吸気通路噴射用インジェクタとを備えたいわゆるデュアル噴射型の内燃機関(以下、エンジンと称する。)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この種のエンジンでは、運転状態に応じてインジェクタを切り替えて使用することができ、たとえば、低負荷運転領域での成層燃焼と高負荷運転領域での均質燃焼を実現させたり、1噴射行程における全燃料噴射量をそれぞれのインジェクタで分担する噴き分けを行ったりして、その時々の運転状態に適した好ましい特性を得るようにしている。
一方、近年、ガソリン燃料に加えて、代替燃料としてのアルコールを同時に使用可能なシステムが実用化されている。このシステムを搭載した自動車等の車両(FFV; Flexible Fuel Vehicle)は、ガソリンはもちろんのこと、アルコールとガソリンとの混合燃料、またはアルコールのみで走行できるように構成されている。
このFFVで使用する燃料のアルコール濃度(含有率)は、燃料補給の際のユーザー事情等により、0%(ガソリンのみ)から100%(アルコールのみ)の間で変化する。一般に、アルコール燃料は、ガソリン燃料と比較して、低温で気化しにくい、蒸気圧が低い、気化潜熱が高い、引火点が高い等の特性を有している。
そして、上述のようなデュアル噴射型のエンジンでアルコール混合ガソリンを使用する場合において、アルコール濃度に応じて筒内と吸気通路内での噴射割合(噴き分け)を補正する制御技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平3−185242号公報 特開平3−47433号公報
しかしながら、アルコール濃度により噴き分け割合を補正する特許文献2に係る従来技術にあっては、適用可能な運転領域(負荷領域)が限定的になってしまう、という課題があった。
また、全運転領域に適応させようとすると、上記噴き分けマップが多数必要になり制御が複雑になるという課題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、噴き分け等のマップ数を大幅に低減し、適用可能な運転領域(アルコール高濃度時かつ高負荷運転時)を容易に拡大できる汎用性の高い内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとを備え、燃料としてアルコールとガソリンとをそれぞれ単独でまたは混合して使用可能な内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、前記内燃機関の運転状況に基づいて前記燃料がガソリン100%における基本噴射量および噴射割合を算出し、前記基本噴射量および前記噴射割合から筒内要求噴射量または吸気通路要求噴射量を算出し、前記アルコール濃度検出手段による検出値に基づいて算出された要求噴射量から前記基本噴射量を引いた噴射量を前記筒内要求噴射量に加える要求噴射量算出手段と、前記アルコール濃度検出手段による検出値に基づいて筒内で噴射可能な最大噴射量を算出する最大噴射量算出手段と、前記要求噴射量算出手段によって算出された前記筒内要求噴射量と前記最大噴射量算出手段によって算出された前記最大噴射量とを比較する噴射量比較判定手段と、を備え、前記噴射量比較判定手段によって前記筒内要求噴射量が前記最大噴射量を超えていると判定された場合には、当該最大噴射量を前記筒内噴射用インジェクタによって噴射するとともに、当該最大噴射量を超えた分および前記吸気通路要求噴射量を前記吸気通路噴射用インジェクタによって噴射し、前記噴射量比較判定手段によって前記筒内要求噴射量が前記最大噴射量を超えていないと判定された場合には、当該筒内要求噴射量の全量を前記筒内噴射用インジェクタによって噴射することを特徴とするものである。
この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、アルコール濃度が高くなるほど筒内噴射用インジェクタによる噴射割合(噴き分け率)を簡易に増やすことができるので、アルコール濃度が高くかつ高負荷運転時であっても、気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタのデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等を実現することができる。また、上記最大噴射量を規定するマップは、内燃機関の仕様毎に異なるものを準備する必要があるが、制御自体は汎用性が高い。そして、このマップを備えれば、基本的に全運転領域に適用可能である。したがって、噴き分け等のマップ数を大幅に低減し、適用可能な運転領域(アルコール高濃度時かつ高負荷運転時)を容易に拡大できる汎用性の高い内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することができる。
以下に、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の実施例1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を示すシステム構成図である。図1に示すように、エンジン1は、FFV用デュアル噴射型内燃機関である。なお、本実施例1では4気筒のものを示したが、気筒数に特に制限はない。これら気筒毎に筒内噴射用インジェクタ11とポート噴射用インジェクタ(吸気通路噴射用インジェクタ)6とが設けられている。
エンジン1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2から電子スロットル弁3の制御を受けて、サージタンク4および吸気通路5を介して空気が吸入される。なお、この電子スロットル弁3は、必ずしも電子制御可能なものでなくてもよい。
吸気通路5は、エンジン1のシリンダヘッドに気筒毎に形成された吸気ポートと、これら吸気ポートに連通してシリンダヘッドに取り付けられる吸気マニホールドとを含んでいる。そして、吸気通路5に燃料を噴射するように、電磁式のポート噴射用インジェクタ6が気筒毎に設けられている。
ポート噴射用インジェクタ6は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)30から出力されるオン信号により開弁して燃料を噴射し、ECU30から出力されるオフ信号により閉弁して燃料噴射を停止する。噴射燃料は、空気と混合して筒内燃焼室に比較的均質な混合気を形成する。
また、筒内燃焼室に直接燃料を噴射するように、電磁式の筒内噴射用インジェクタ11が気筒毎に設けられている。この筒内噴射用インジェクタ11は、吸気行程および圧縮行程のいずれか一方または両方で燃料噴射を行うものである。
たとえば、圧縮行程噴射の場合、上昇してくるピストンの頂部の凹部(図示せず)に向けて燃料を噴射し、凹部内面に沿うタンブル状の流れを生成する過程で燃料と空気とを混合させ、点火プラグ7付近に比較的リッチな混合気層を形成するように構成されている。
この筒内噴射用インジェクタ11もポート噴射用インジェクタ6と同様、ECU30から出力されるオン信号により開弁して燃料を噴射し、ECU30から出力されるオフ信号により閉弁して燃料噴射を停止する。
このような二つの噴射形態の一方または両方により、燃焼室に形成された混合気は、ECU30からの点火信号に基づき、点火プラグ7により点火されて燃焼する。エンジン1からの排気は排気通路8を通じて排出される。排気通路8には、エンジン1のシリンダヘッドに気筒毎に形成された排気ポートと、これら排気ポートに連通してシリンダヘッドに取り付けられる排気マニホールドとが含まれる。
この排気マニホールドの下流側には、排気浄化用の触媒9が配設され、触媒9の下流側には排気管が接続されている。また、排気通路8の触媒9の下流には、空燃比を検出する空燃比センサ8aが設けられている。この空燃比センサ8aの出力値に基づき、ECU30により空燃比がフィードバック制御される。なお、吸気ポートの出口および排気ポートの入口は、それぞれ図示しない吸気弁および排気弁により開閉される。
また、各ポート噴射用インジェクタ6および各筒内噴射用インジェクタ11には、燃料タンク10に貯留された燃料が燃料供給系12を介して供給される。エンジン1は、燃料としてアルコールとガソリンとをそれぞれ単独でまたは混合して使用可能に構成されているので、燃料タンク10には、所定のアルコール濃度を有する燃料が貯留される。この燃料は、ガソリン100%の場合や、メタノール、エタノール等のアルコールがガソリンに混合された混合燃料の場合、更にはアルコール100%の場合もある。
燃料供給系12は、各筒内噴射用インジェクタ11に共通に接続された筒内側デリバリパイプ13と、各ポート噴射用インジェクタ6に共通に接続された吸気側デリバリパイプ17と、これらデリバリパイプ13,17に燃料タンク10内の燃料を供給するための燃料供給管16と、燃料供給管16に燃料タンク10内の燃料を送り込むための低圧燃料ポンプ14とを備えている。
燃料供給管16は、途中で分岐されて各デリバリパイプ13,17に接続され、この分岐部と筒内側デリバリパイプ13との間の位置に高圧燃料ポンプ15が設けられている。筒内側デリバリパイプ13には、その内部にある燃料の圧力を検出する燃料圧力センサ23が設けられている。
高圧燃料ポンプ15は、低圧燃料ポンプ14により送られてきた燃料を筒内側デリバリパイプ13に圧送し、筒内側デリバリパイプ13内の燃料圧、すなわち、筒内噴射用インジェクタ11の噴射圧を比較的高圧になるまで高める。
この高圧燃料ポンプ15は制御弁を有し、その吐出流量がECU30により制御されることにより筒内噴射の噴射圧が制御されることになる。なお、筒内側デリバリパイプ13内の燃料を燃料タンク10に積極的に回収するために、燃料回収系18も設けられている。この燃料回収系18には、リリーフバルブ20が設けられ、リリーフバルブ20はECU30により開閉制御され、エンジン1の運転時には通常閉とされる。
燃料供給系12には、燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段をなすアルコール濃度センサ21が設けられている。このアルコール濃度センサ21は、燃料の誘電率に基づいてアルコール濃度を検出する静電容量式のものが用いられているが、燃料の屈折率に基づいてアルコール濃度を検出する光学式のものを使用してもよく、その検出原理には限定されない。
このアルコール濃度センサ21は、燃料供給管16の分岐部の上流側に設けられている。なお、空燃比センサ8aからの出力信号に基づいた排気空燃比の学習によりアルコール濃度を推定してもよく、この推定手段をアルコール濃度検出手段としてもよい。その場合には、上記アルコール濃度センサ21を設けなくてもよい。
ECU30は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器および入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサ類からの入力信号を受け、これに基づいて所定の演算処理を行い、筒内噴射用インジェクタ11、ポート噴射用インジェクタ6、点火プラグ7、電子スロットル弁3の駆動モータ19、低圧燃料ポンプ14、高圧燃料ポンプ15、リリーフバルブ20等を制御する。
燃料噴射制御装置としてのこのECU30は、エンジン1の運転状況に基づいて筒内要求噴射量またはポート噴射要求量(吸気通路要求噴射量)を算出する要求噴射量算出手段として機能し、またアルコール濃度に基づいて筒内で噴射可能な最大噴射量を算出する最大噴射量算出手段として機能し、更に要求噴射量と最大噴射量とを比較する噴射量比較判定手段としても機能するものである。
また、上記センサ類には、上述のアルコール濃度センサ21および燃料圧力センサ23が含まれる。また、これら以外に以下のものも含まれる。すなわち、エンジン1にはそのクランク位相を検出するためのクランクセンサ24が設けられる。クランクセンサ24は、所定のクランク位相間隔でパルス信号を出力する。ECU30は、このパルス信号に基づいてエンジン1の実際のクランク位相を検知するとともに、回転速度を演算する。
また、吸気温を検出する吸気温センサ26、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ27、スロットル弁3の開度を検出するスロットルポジションセンサ28、エンジン1の冷却水温(以下、単に水温と称する)を検出する水温センサ29、およびスロットル弁3下流の吸気通路5内の圧力を検出する吸気圧センサ25が上記センサ類に含まれる。ここで、吸気圧センサ25の出力値は、吸入空気量やエンジン負荷の算出等に利用されるが、このような算出を行うために、吸気圧センサ25に代わって空気量センサを設けたり、両者を併用したりすることができる。
つぎに、以上の構成からなる内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、ECU30により行なわれる制御を以下に説明する。先ず、ベースとなる制御について説明する。
通常運転時の燃料噴射制御に関し、ECU30のメモリ(ROM)には、エンジン1の運転状態(ここでは、エンジンの回転速度と負荷)に関連付けられた基本の燃料噴射量(以下、基本噴射量という)および噴射割合(噴き分け)のマップが予め記憶されている。ECU30は、クランクセンサ24の出力信号に基づき演算された実際の回転速度と、吸気圧センサ25の出力信号に基づき演算された実際の負荷とから、上記マップを参照して基本噴射量およびその噴き分け率を算出する。
この場合、マップに入力されている基本噴射量は、たとえば、燃料がガソリン100%(E0燃料)でエンジンが同一回転速度および負荷で定常運転されているときに排気空燃比が理論空燃比(=約14.9)となるような値である。
こうして各インジェクタの燃料噴射量等が決定されたら、これら燃料噴射量を各インジェクタの通電時間に換算する。そして、エンジン運転状態に応じて定まる目標噴射時期の到来と同時に、当該通電時間だけ、対応するインジェクタをオンする。これによりインジェクタが開弁され、最終噴射量相当の燃料が噴射される。
目標噴射時期は、上述の基本噴射量マップと同様の噴射時期マップを参照して上記と同様の要領で決定される。また目標点火時期も同様に決定され、この目標点火時期に一致させて点火プラグ7による点火が実行される。筒内側デリバリパイプ13内の燃料圧、すなわち筒内噴射の噴射圧は、上述の基本噴射量マップと同様の噴射圧マップを参照してフィードバック制御される。
すなわち、検出されたエンジン運転状態(本実施例では回転速度と負荷)に対応する噴射圧の目標値がマップから算出され、燃料圧力センサ23の検出値がこの目標値に一致するように高圧燃料ポンプ15が制御される。電子スロットル弁3の開度制御は、基本的には、スロットルポジションセンサ28の出力値がアクセル開度センサ27の出力値に応じた値となるように駆動モータ19を制御するフィードバック制御である。
なお、吸気側デリバリパイプ17内の燃料圧は基本的に制御されず一定である。したがって、ポート噴射用インジェクタ6による噴射圧も基本的には一定である。この吸気通路噴射圧は筒内噴射圧よりも低い。
後述するように、本実施例においては、検出されたアルコール濃度に基づき要求噴射量を再計算している(図2のステップS10,20に示す)。これは、燃料のアルコール濃度が高いほど噴射量当たりの熱量が下がり、燃料噴射量を増加する必要があるからである。
ECU30には、燃料のアルコール濃度に応じて、エンジン回転数と、その回転数域において筒内直噴を行っても不具合が生じない最大噴射量(エンジン毎に異なる経験値)が限界値として設定されている。このような最大噴射量を設定したのは、つぎの理由による。
すなわち、一般に任意のアルコール濃度の混合ガソリンで走行できるFFVでは、アルコール濃度が高いほどエネルギー密度が低くなるので燃料噴射量が多くなる。その結果、エンジン1の高負荷運転時には、噴射量が過多となり、また筒内直噴の場合、燃料の空気との混合時間が短いためミキシングが悪化し、HC(未燃燃料を含む)の増加や性能低下を招く虞がある。
しかし、その一方で、アルコール濃度が高くなるにしたがって気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタ11のデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等が予測されるため、アルコール濃度が高くなるほど筒内噴射用インジェクタ11による噴射割合(噴き分け率)を増やしたいという要請もある。
そこで、本実施例1では、E0燃料(ガソリン100%)での噴射量および噴き分け率をベースに、アルコール濃度が高くなるにしたがって増量される噴射量をすべて筒内噴射用インジェクタ11から噴射することを基本とする。
その時、筒内噴射用インジェクタ11からの噴射量が上記ミキシングやエミッションの悪化等の不具合を起こさないレベルに収まるように、ガードを加える、すなわち限界噴射量である最大噴射量(図3参照)で噴射し、それ以上の要求噴射量がある場合には、ポート噴射用インジェクタ6によるポート噴射にて対応するようにしたものである。
詳しくは後述するが、ECU30は、図示しない別の制御ルーチンによって上記基本噴射量および噴射割合(噴き分け率)の算出を終えた後、図2に示す制御ルーチンにてアルコール濃度に基づいた噴射量の算出と噴き分けを行うものである。
以下、本実施例1に係る制御方法を図2に基づいて更に詳しく説明する。ここで、図2は、制御方法を示すフローチャートである。本制御は、ECU30により実行され、キースイッチ等のイグニッションスイッチがオンされたと同時に開始される。
先ず、アルコール濃度センサ21により燃料のアルコール濃度が検出され、認識される(ステップS10)。そして、この認識されたアルコール濃度に基づき、要求噴射量を、たとえば上記ガソリン燃料ベースの基本噴射量を補正等して再計算する(ステップS20)。
この要求噴射量は、基本となる上記噴き分け率に基づいた筒内要求噴射量(筒内噴射用インジェクタ11に要求される噴射量)とポート噴射要求量(ポート噴射用インジェクタ6に要求される噴射量)とを含んでいる。
つぎに、エンジン1の回転数をクランクセンサ24の出力値より求めるとともに、図3に示すようなエンジン回転数毎の最大噴射量マップを読み込み、現エンジン回転数における最大噴射量を算出する(ステップS30)。ここで、図3は、所定アルコール濃度におけるエンジン回転数と最大噴射量との関係例を示すマップである。
この最大噴射量とは、上述したように筒内噴射用インジェクタ11からの噴射量が上記ミキシングやエミッションの悪化等の不具合を起こさないレベルに収まるように定められたガード値、すなわち限界噴射量である。
そしてつぎに、筒内要求噴射量が上記最大噴射量を超えているか否かを判断する(ステップS40)。筒内要求噴射量が上記最大噴射量を超えているならば(ステップS40肯定)、この最大噴射量を筒内噴射用インジェクタ11から噴射する(ステップS50)。
これにより、筒内噴射し得る最大の噴射量を確保できるため、アルコール濃度が高い場合であっても、気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタ11のデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等が実現できる。
また、筒内要求噴射量が上記最大噴射量を超えているので、当該最大噴射量を超えている分(筒内要求噴射量と最大噴射量との差)については、上記ステップS20で算出された元々のポート噴射要求量に加算されてポート噴射用インジェクタ6から噴射する(ステップS60)。これにより、要求噴射量すべてを上記効果の達成を実現しつつ、両インジェクタ11,6で噴き分けることができる。
一方、筒内要求噴射量が上記最大噴射量を超えていないならば(ステップS40否定)、筒内要求噴射量の全量を筒内噴射用インジェクタ11から噴射すればよい(ステップS70)。
以上のように、この実施例1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、アルコール濃度が高くなるほど筒内噴射用インジェクタ11による噴射割合(噴き分け率)を簡易に増やすことができるので、アルコール濃度が高くかつ高負荷運転時であっても、気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタ11のデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等を実現することができる。
また、上記最大噴射量を規定するマップは、エンジン1の仕様毎に異なるものを準備する必要があるが、本制御ルーチン自体は汎用性が高い。そして、このマップを備えれば、基本的に全運転領域に適用可能である。
また、噴射量の噴き分けマップ等もE0燃料(ガソリン100%)の場合以外のものを備える必要がないので、上記ECU30にかかる負担も少なくて済む。
更に、他の効果としてつぎのような点を挙げることができる。すなわち、筒内直噴は噴射期間が限られるため、低濃度時から高濃度時まで全ての噴射量を賄えるダイナミックレンジを備えたインジェクタを確保することはかなり困難である。
そこで、上記最大噴射量として、筒内噴射用インジェクタの仕様から制約される限界噴射量を設定しておくことにより、上述のように筒内噴射できない分をポート噴射できるので、空燃比の設定上筒内噴射できないことによる不具合の発生を抑制することができる。
図4は、この発明の実施例2に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を示すシステム構成図、図5は、制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、すでに説明した部材またはステップ番号と同一もしくは相当するものには、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
本実施例2は、図4に示すように、燃料噴射形態が筒内直噴のみであり、吸入空気の気流制御手段を備えていない通常の直噴エンジンへの適用例である。なお、デュアル噴射型のエンジン1のポート噴射用インジェクタ6が故障した場合に本発明を適用してもよい。また、上記実施例1の構成では、電子スロットル弁3は任意であるとして説明したが、本実施例2では、電子スロットル弁3は必須である。
本実施例2に係るエンジン1において上述の燃料噴射量過多による不具合を抑制するためには、そのような領域で運転できないようにすることが有効である。したがって、本実施例2は、アクセル開度センサ27等から算出される要求噴射量が、上記実施例1のマップ例で示した最大噴射量を上回った場合には、上記電子スロットル弁3を制御し、要求噴射量が当該最大噴射量以下の領域のみの運転となるように制限することを趣旨とする。
すなわち、本実施例2に係る制御方法は、図5に示すように、先ず、アルコール濃度センサ21により燃料のアルコール濃度が検出され、認識されたら(ステップS10)、この認識されたアルコール濃度に基づき、要求噴射量(筒内要求噴射量)を、たとえば上記ガソリン燃料ベースの基本噴射量を補正等して再計算する(ステップS20)。
つぎに、エンジン1の回転数をクランクセンサ24の出力値より求めるとともに、図3に示すようなエンジン回転数毎の最大噴射量マップを読み込み、現エンジン回転数における最大噴射量を算出する(ステップS30)。
そしてつぎに、要求噴射量が上記最大噴射量を超えているか否かを判断する(ステップS45)。要求噴射量が上記最大噴射量を超えているならば(ステップS45肯定)、要求噴射量が上記最大噴射量に等しくなるように電子スロットル弁3を制御し(ステップS47)、この最大噴射量を筒内噴射用インジェクタ11から噴射する(ステップS50)。
これにより、上記のような不具合がなく筒内噴射し得る最大噴射量にガード制御できるので、アルコール濃度が高い場合であっても、気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタ11のデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等が実現できる。
一方、要求噴射量が上記最大噴射量を超えていないならば(ステップS45否定)、要求噴射量の全量を筒内噴射用インジェクタ11から噴射すればよい(ステップS75)。
以上のように、この実施例2に係る内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、装置構成の追加を伴わなくても、筒内噴射用インジェクタ11による噴射量を不具合なき限界値まで簡易に増やすことができるので、アルコール濃度が高くかつ高負荷運転時であっても、気化特性の改善や筒内噴射用インジェクタ11のデポジット付着改善、気化潜熱による体積効率向上による性能向上等を実現することができる。
以上のように、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、デュアル噴射型の内燃機関に有用であり、特に、噴き分け等のマップ数を大幅に低減し、適用可能な運転領域(アルコール高濃度時かつ高負荷運転時)を容易に拡大できる汎用性の高い燃料噴射制御手段に適している。
この発明の実施例1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を示すシステム構成図である。 制御方法を示すフローチャートである。 所定アルコール濃度におけるエンジン回転数と最大噴射量との関係例を示すマップである。 この発明の実施例2に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を示すシステム構成図である。 制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
6 ポート噴射用インジェクタ(吸気通路噴射用インジェクタ)
10 燃料タンク
11 筒内噴射用インジェクタ
13 筒内側デリバリパイプ
15 高圧燃料ポンプ
17 吸気側デリバリパイプ
21 アルコール濃度センサ(アルコール濃度検出手段)
23 燃料圧力センサ
24 クランクセンサ
25 吸気圧センサ
26 吸気温センサ
29 水温センサ
30 電子制御ユニット(燃料噴射制御装置)

Claims (1)

  1. 筒内噴射用インジェクタと吸気通路噴射用インジェクタとを備え、燃料としてアルコールとガソリンとをそれぞれ単独でまたは混合して使用可能な内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
    前記内燃機関の運転状況に基づいて前記燃料がガソリン100%における基本噴射量および噴射割合を算出し、前記基本噴射量および前記噴射割合から筒内要求噴射量または吸気通路要求噴射量を算出し、前記アルコール濃度検出手段による検出値に基づいて算出された要求噴射量から前記基本噴射量を引いた噴射量を前記筒内要求噴射量に加える要求噴射量算出手段と、
    前記アルコール濃度検出手段による検出値に基づいて筒内で噴射可能な最大噴射量を算出する最大噴射量算出手段と、
    前記要求噴射量算出手段によって算出された前記筒内要求噴射量と前記最大噴射量算出手段によって算出された前記最大噴射量とを比較する噴射量比較判定手段と、
    を備え、
    前記噴射量比較判定手段によって前記筒内要求噴射量が前記最大噴射量を超えていると判定された場合には、当該最大噴射量を前記筒内噴射用インジェクタによって噴射するとともに、当該最大噴射量を超えた分および前記吸気通路要求噴射量を前記吸気通路噴射用インジェクタによって噴射し、
    前記噴射量比較判定手段によって前記筒内要求噴射量が前記最大噴射量を超えていないと判定された場合には、当該筒内要求噴射量の全量を前記筒内噴射用インジェクタによって噴射することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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