JP2010024860A - 内燃機関の燃料性状推定装置 - Google Patents

内燃機関の燃料性状推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、筒内の気流を変化させたときのスモーク濃度の変化に基づいて燃料性状を高い精度で推定するものである。
【解決手段】本発明は、同一運転状態において筒内に流入する空気の気流を制御する気流制御手段と、筒内から排出される排ガスのスモーク濃度を検出するスモーク検出手段と、特定の気流で特定のスモークが生ずる状態を起点とした時の、気流変化とスモーク変化の関係と燃料性状との関係を、複数の起点について記憶した記憶手段と、気流とスモークに基づく起点と、前記起点からの気流変化とスモーク変化の関係とを前記記憶手段に記憶した内容に当てはめて燃料性状を推定する燃料性状推定手段と、推定された燃料性状に応じて機関を制御する機関制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状推定装置である。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関に用いられる燃料の燃料性状を推定する装置に関する。
内燃機関に用いられる燃料の燃料性状が異なると、機関に大きな影響を与えることが知られている。
例えば、燃料の蒸留性状(燃料の蒸発のし易さ)の影響として、重質燃料を機関の運転に用いた場合、燃料を噴射しても筒内で十分に蒸発しない場合がある。この場合、噴射した燃料が、空気と十分に混合されないため、機関出力の低下やエミッションの増加を招く場合がある。
また、燃料の動粘度が高い場合には、噴射した燃料が微細化され難い場合がある。この場合、噴射した燃料が、空気と十分に混合されないため、機関出力の低下やエミッションの増加を招く場合がある。
よって、内燃機関に用いる燃料の燃料性状に応じた機関の制御を行う必要がある。
特開2006−161788号公報には、吸気通路に燃料を噴射するポート噴射手段と、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射手段を備えた内燃機関における燃料性状取得装置が記載されている。より具体的には、内燃機関が定常運転状態である時に、噴射する燃料量を一定としたままポート噴射と筒内噴射との割合を変え、その時の排ガスの空燃比の変化に基づいて燃料性状を求めている。
特開2006−161788号公報
本発明は、上記従来技術とは別手法によって燃料性状を求める発明であり、筒内の気流を変化させたときのスモーク濃度の変化に基づいて燃料性状を推定する。
請求項1の発明は、同一運転状態において筒内に流入する空気の気流を制御する気流制御手段と、筒内から排出される排ガスのスモーク濃度を検出するスモーク検出手段と、特定の気流で特定のスモークが生ずる状態を起点とした時の、気流変化とスモーク変化の関係と燃料性状との関係を、複数の起点について記憶した記憶手段と、気流とスモークに基づく起点と、前記起点からの気流変化とスモーク変化の関係とを前記記憶手段に記憶した内容に当てはめて燃料性状を推定する燃料性状推定手段と、推定された燃料性状に応じて機関を制御する機関制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状推定装置である。
請求項2の発明は、前記燃料性状は、蒸留性状であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料性状推定装置である。
請求項3の発明は、前記燃料性状は、動粘度であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料性状推定装置である。
請求項4の発明は、燃料性状の推定は、暖機運転が終了した運転状態で行うことを特徴とする請求項1乃至3にいずれか記載の内燃機関の燃料性状推定装置である。
請求項1の発明によれば、予め記憶手段に記憶した情報に、検出した機関の運転状態を当てはめることにより、容易に燃料性状を推定することができる。
請求項2の発明によれば、予め記憶手段に記憶した情報に、検出した機関の運転状態を当てはめることにより、容易に蒸留性状を推定することができる。
請求項3の発明によれば、予め記憶手段に記憶した情報に、検出した機関の運転状態を当てはめることにより、容易に動粘度を推定することができる。
請求項4の発明によれば、暖機中は筒内の温度が低く、噴射した燃料が蒸発し難い。よって、筒内が温まった暖機終了後に行うことで、より精度の高い燃料性状の推定を行うことができる。
以下に本発明の実施形態を述べる。
実施の形態1.
〔内燃機関の構成〕
図1は、内燃機関の全体図について示したものであり、機関本体11には、吸気通路12と排気通路13が繋がっている。
機関本体11の各気筒内14には、燃料を筒内に直接噴射する電磁式燃料噴射弁15が備えられている。電磁式燃料噴射弁15の開閉制御を行うことで、燃料の噴射時期および燃料の噴射量を制御することができる。電磁式燃料噴射弁15はコモンレール16と繋がっており、コモンレール16に蓄えられた高圧燃料が電磁式燃料噴射弁15に供給される。コモンレール内の圧力は制御が可能であり、この圧力制御により、噴射した燃料の粒の大きさ、燃料噴射量を制御することができる。コモンレール16に蓄えられた燃料は、燃料タンク17から供給される。燃料タンク17の給油口には、給油口の開閉を検出する給油センサ18が備えられている。
排気通路13には、筒内から排出された排ガスのスモーク濃度を検出するスモークセンサ19が備えられている。スモークセンサ19は、光源と受光部とからなり、受光部で検出される光の強度に基づいてスモーク濃度を判断する。
スモーク濃度SNOは、受光部で検出される光の強度に応じた0〜10の数値により示す。スモーク濃度SNOが0の状態は、スモークが発生していない状態を示し、スモークが濃くなるにつれて数値が上昇する。スモーク濃度が高くなり、光源から発される光が受光部で全く検出されなくなった状態をスモーク濃度SNOが10であると設定する。
図2は、スワールコントロールバルブ20について詳細に示したものである。本実施形態において、スワールコントロールバルブ20は、気筒14に繋がった2つの吸気ポート21、22のうち、一方の吸気ポート21に備えられている。このスワールコントロールバルブ20はその開度を制御することにより通過する空気量を制御することができる。この開度制御により、筒内で発生するスワールの強度を制御することができる。なお、本実施形態において、スワールコントロールバルブ20の開度(以下スワール開度)が全開の状態をスワール開度が0%であると示し、スワール開度が全閉の状態をスワール開度が100%であると示す。
内燃機関の制御は、ECU(Electron Control Unit)23により行われる。ECU23には、機関の各センサ(上記以外にエンジン水温センサ24、クランク角センサ25など)から出力した信号が入力する。入力した信号に基づいて、ECU23で所定のプログラムに従った演算処理がなされる。そして、演算処理に基づいて得られた信号を機関の各アクチュエータなどに出力する。この出力信号に基づいて内燃機関の制御が行われる。
〔スワール開度とスモーク濃度の関係〕
機関の運転において、燃料の蒸留性状の違いによって、機関から排出される排ガスのスモーク濃度が異なること知られている。これは、燃料の蒸発性の違いによって、筒内での燃料と空気の混合状態に差が生じるためである。
例えば、軽質燃料を用いた場合は、重質燃料を用いた場合に比べて噴射した燃料が蒸発するのが早いため、気化した燃料が十分に空気と混合する。よって、噴射した燃料が十分に燃焼するため、スモーク濃度は低くなる。これに対し、重質燃料を用いた場合は、噴射した燃料の蒸発が遅いため、空気と十分に混合されず、スモーク濃度が軽質燃料を用いた場合に比べ高くなる。
上記特性を利用し、燃料の蒸留性状を推定する方法が考えられる。
例えば、予め実験により、蒸留性状が既知の燃料を用いて、所定運転状態における蒸留性状ごとのスモーク濃度を調査し、その関係をECUに記憶させる。
燃料の蒸留性状を推定する時には、機関を上記所定運転状態に制御して、その時のスモーク濃度を検出する。これにより、ECUに記憶した関係に基づいて、検出したスモーク濃度に対応する蒸留性状が機関に用いられている燃料の蒸留性状であると推定することができる。
しかし、スモークの発生は、他の燃料性状の影響や、機関の運転条件などの様々な要因により変動する。よって、上記記載した推定方法では、高い精度で蒸留性状を推定することができない。
上記課題に対して、本出願における発明者は、機関の運転において、燃料の蒸留性状の違いにより、筒内の気流を変化させたときのスモーク量の変化率に差が生じることを新たに見出した。
図3を参照に更に詳細に述べる。
図3は、所定運転条件における、スワール開度SCVANGとその時のスモーク濃度SNOの関係を示した図である。図3中の実線で示されるのは、軽質燃料を用いた場合のスワール開度とその時のスモーク濃度の関係であり、図3中の破線で示されるのは、重質燃料を用いた場合のスワール開度とスモーク濃度の関係である。
上述したように、スモークの発生は、他の燃料性状の影響や機関の運転条件などの要因によって変動する。よって、図3中のスワール開度がSCVANGaの場合のように、蒸留性状が異なっていたとしてもスモーク濃度が同じになる場合が生じる。
ここで、それぞれの燃料を用いた場合について、スワール開度をSCVANGaからSCVANGbに変化させた場合について着目する。
重質燃料を用いた場合、スモーク濃度がSNOaからSNOb1へと減少する。これに対し、軽質燃料を用いた場合は、スモーク濃度はSNOaからSNOb2へと、重質燃料を用いた場合に比べて大きくスモーク濃度が減少する。
上記のように、燃料の蒸留性状の違いによって、筒内の気流を変化させたときのスモーク量の変化率に差が生じるのは、蒸留性状が気流変化の影響を受けやすいためと考えられる。
また、気流を変化させた時のスモーク量の変化率は、他の燃料性状の影響や、機関の運転条件による影響を受けにくい。よって、単にスモーク濃度の検出により蒸留性状を推定するのではなく、気流を変化させた時のスモーク濃度の変化率に基づいて蒸留性状の推定を行うことで、より高精度な推定を行うことができる。
上記特性を利用した推定方法について以下に示す。
〔蒸留性状の推定方法〕
図4、図5を参照に、蒸留性状の推定方法について説明する。
図4は、所定の機関運転状態でのスワール開度SCVANGとスモーク濃度SNOとの関係を示した図である。図4中の実線で示されるのは軽質燃料を用いたときのスワール開度とスモーク濃度の関係を示したものであり、図4中の破線で示されるのは重質燃料を用いたときのスワール開度とスモーク濃度の関係を示したものである。
以下に、実線の場合を例に蒸留性状の推定について示す。
まず、所定運転状態においてスワール開度を予め定められた所定スワール開度SCVANG0にし、その時のスモーク濃度SNO0をスモークセンサ19で検出する。
この検出したSNO0を図5の表に当てはめ、表におけるSNO0の行の特定を行う。この行の特定により、用いられている燃料の蒸留性状の候補を挙げる。
次に、スモーク濃度がSNO0からSNO1になるようにスワール開度を制御し、その時のスワール開度SCVANG1を検出する。
この検出したSCVANG1を更に図5の表に当てはめ、表におけるSCVANG1の列の特定を行う。表の列を更に特定することで、上記挙げた蒸留性状の候補の中から燃料の蒸留性状を特定する。
つまり、検出したSNO0の行とSCVANG1の列とが交差する欄に記載されている数値が、機関に用いられている燃料の蒸留性状であると推定することができる。
図5の表はスモーク濃度SNO0とスワール開度SCVANG1とT90の蒸留性状の関係についてECU23に記憶させたものであり、以下のように作成されたものである。T90は、燃料が90%蒸発するための温度を示す。
まず、表の作成における運転条件(燃料噴射量、エンジン回転数など)と、基準となるスワール開度SCVANG0、スモーク濃度SNO1を決める。
次に、表のうち、どの行について数値を埋めていくのかを決めるため、SNO0を決める。
上記運転の条件が定まったら、蒸留性状が異なる複数の燃料を用意し、それぞれの燃料について以下の作業を行う。
まず、上記いずれかの燃料を用いてスワール開度がSCVANG0でスモーク濃度がSNO0となるように機関を運転する。上記のように機関を運転したら、その状態を起点として、スモーク濃度がSNO0からSNO1となるように、スワール開度を制御する。そしてスモーク濃度がSNO1となった時のスワール開度を検出し、そのスワール開度に対応する行の空欄に、その時用いた燃料の蒸留性状を記録する。
この作業を、様々なスモーク濃度SNO0について行い、各行を埋めていくことにより表は作成される。なお、本実施形態の図5の表は、SNOが0から1.5の範囲について記録を行ったものである。
以下に、推定開始時の所定スワール開度SCVANG0を20%、変化させた後のスモーク濃度SNO1を0.5としたときの蒸留性状の推定例について示す。
まず、蒸留性状が未知の燃料を用いて、図5の表の作成時と同じ運転条件の下で機関を運転し、スワール開度を20%にする。その時に検出されたスモーク濃度SNO0は1.0であったと仮定する。そして、このSNOの値1.0を、図5の表に当てはめる。表のSNO0が1.0となる行には、蒸留性状300、310、320、330、340、350の値が記載されていることから、これら候補のいずれかが機関に用いられている燃料の蒸留性状であることがわかる。
次に、スモーク濃度が0.5となるようにスワール開度を制御する。スモーク濃度を1.0から0.5にするのでスワール強度を高める必要がある。よって、スワール強度を高めるため、スワールコントロールバルブ20は閉じるように制御をする。
スモーク濃度が0.5となったらその時のスワール開度を検出する。その時に検出されたスワール開度SCVANG1は80%であったとする。
このSCVANG1の値80%を表に当てはめることにより、上記挙がった蒸留性状の候補の中から、更なる特定を行う。上記候補にあがった蒸留性状のうち、表のSCVANG1が80%となる列の条件を満たすのは、蒸留性状340の値である。
つまり、燃料の蒸留性状は、図5の表でSNO0が1.0となる行と、SCVANG1が80%の列とがぶつかる340であると推定することができる。
以下、図6のフローチャートに沿って、燃料の蒸留性状の推定の具体的処理について述べる。
まず、S101において、ECU23で、エンジン回転数、燃料噴射量、エンジン水温などの機関の運転状態を読み込む。
そしてS102に進み、燃料の給油が行われたか否かを判断する。燃料の給油後は、新たな燃料が給油されることにより、燃料の蒸留性状の変動が生じる。よって、給油した燃料の蒸留性状に応じた機関制御を行うため、本実施形態では、燃料給油が行われたと判断した時に蒸留性状の推定を行うこととしている。
燃料の給油は燃料タンク17の給油口に設けられた給油センサ18の信号に基づいて判断する。給油センサ18の信号から、前回の蒸留性状推定時から今回の蒸留性状推定までに給油口が開いたと判断された場合には、新たな燃料が給油されたとみなしてS103へ進む。給油口が閉じたままであると判断された場合には、燃料の給油がされていないものとみなしてフローチャートを終了する。
S103では、S101で検出したデータに基づいて、暖機運転が終了しているか否かを判断する。
暖機中は筒内の温度が低く、噴射した燃料が蒸発し難い。よって、噴射した燃料が、気化しきれず液体のまま筒内壁面に付着してしまい、燃焼に寄与しない場合が生じる。この場合、所定量の燃料を噴射しても、燃焼に寄与する割合が異なってくるため、スモークの量も変動してしまい、蒸留性状の正確な推定を行うことができない。
よって、筒内が温まった暖機終了後に行うことで、より精度の高い燃料性状の推定を行うことができる。
なお、図5に示す表が作成されたときの運転条件も暖機運転が終了した状態であるとする。
蒸留性状推定時の運転条件を表の作成時と同じ条件にすることで、表に示される関係を用いた蒸留性状の推定を行うことが可能となるからである。
暖機が終了したか否かは、エンジン水温に基づいて判断する。エンジン水温が所定温度以上であると判断した場合にはS104へ進み、所定温度以下であると判断した場合には、まだ暖機運転中であると判断してフローチャートを終了する。
S104では、スワール開度を所定スワール開度SCVANG0に設定する。なお、SCVANG0は、ECU23に記憶させた表の作成時に設定した基準となるスワール開度であるとものとする。
S105では、S104でスワール開度をSCVANG0とした時のスモーク濃度SNO0を検出する。
S106では、スモーク濃度がSNO0からSNO1となるようにスワール開度を制御する。SNO1は、ECU23に記憶させた表の作成時に設定した基準となるスモーク濃度であるものとする。
なお、S105で検出したスモーク濃度SNO0が所定スモーク濃度SNO1よりも高い場合には、スワール強度を高める必要があるので、スワールコントロールバルブ20が閉じるようにスワール開度を制御する。逆に、S105で検出したスモーク濃度SNO0が所定スモーク濃度SNO1よりも低い場合には、スワール強度を低くする必要があるため、スワールコントロールバルブ20が開くようにスワール開度を制御する。
S107では、S106でスモーク濃度をSNO1とした時のスワール開度SCVANG1を検出する。
S108では、検出したスモーク濃度SNO0と、スワール開度SCVANG1を、ECU23に記憶した図5の表にあてはめて、蒸留性状を推定する。
表において、検出したスモーク濃度SNO0を示す行と、検出したスワール開度SCVANG1を示す列とが交わる欄に記載された数値が燃料の蒸留性状であると推定する。
S109では、S108で推定した蒸留性状を機関の制御に反映させる。機関の制御は、燃料の燃料噴射量、燃料の噴射圧などを燃料の蒸留性状に応じて補正することにより行う。例えば、燃料が軽質の場合には燃料が早期に蒸発してしまい、着火時期が早まることが考えられるので、着火時期をその分遅く補正することにより、ズレを防ぐことができる。また、燃料が重質の場合には、燃料が蒸発しにくいことから、燃料と空気との混合が不十分となり機関出力の低下を招くことが考えられる。よって、その場合には、燃料噴射量を増量補正することで上記問題を防ぐことが可能となる。
実施の形態2.
〔動粘度の推定方法〕
上記で図3を参照にし、蒸留性状の違いによって、気流を変化させた時のスモーク量の変化率に差が生じることを述べた。これは、同じことが動粘度についても言うことができる。
つまり、動粘度の違いによっても、気流を変化させた時のスモーク量の変化率に差が生じる。これは、以下の理由によるものである。
燃料の動粘度が異なると、噴射した燃料の粒の大きさが異なってくる。
例えば、燃料の動粘度が低い場合、噴射した燃料の粒が微細となる。燃料の粒が微細であると、筒内の気流を少し変化させただけで、燃料が蒸発する速度が容易に変化する。
これに対し、燃料の動粘度が高い場合、動粘度が低い場合に比べて、噴射した燃料の粒が大きくなる。燃料の粒が大きいと、粒が微細な時に比べて、気流を変化させた時の燃料が蒸発する速度の変化は小さくなる。
この燃料の粒の大きさによって異なる蒸発性の違いが、スモークの量の変化率の違いに現れると考えられる。
以上の点から、上記で図4と図5を参照にして蒸留性状を推定したのと同様に、図7と図8を参照にして動粘度の推定を行うことができる。
なお、図7と図8は、図4と図5にそれぞれに対応しており、蒸留性状の代わりに動粘度を求めるための図、表を示したものである。
また、図7中の実線で示されるのは動粘度が低い燃料を用いたときのスワール開度とスモーク濃度の関係を示したものであり、図7中の破線で示されるのは動粘度が高い燃料を用いたときのスワール開度とスモーク濃度の関係を示したものである。
図8の表に示される数値は燃料の動粘度を示す数値であり、30℃での燃料の動粘度を示すものである。
動粘度についても、所定スワール開度でのスモーク濃度を検出した後、所定スモーク濃度でのスワール開度を検出し、ECU23に記憶させた表に検出した値を当てはめることにより推定を行う。また、図8の表は、上記で述べた蒸留性状の推定の場合と同様の手順で作成される。
以下に、推定開始時の所定スワール開度SCVANG0を20%、変化させた後のスモーク濃度SNO1を0.5としたときの蒸留性状の推定例について示す。
まず、蒸留性状が未知の燃料を用いて、図8の表の作成時と同じ運転条件の下で機関を運転し、スワール開度を20%にする。その時に検出されたスモーク濃度SNO0は1.5であったと仮定する。そして、このSNOの値1.5を、図8の表に当てはめる。表のSNO0が1.5となる行には、動粘度2.5、2.7、2.9、3.1、3.4、4.0の値が記載されていることから、これら候補のいずれかが機関に用いられている燃料の動粘度であることがわかる。
次に、スモーク濃度が0.5となるようにスワール開度を制御する。スモーク濃度を1.5から0.5にするのでスワール強度を高める必要がある。よって、スワール強度を高めるため、スワールコントロールバルブ20は閉じるように制御をする。
スモーク濃度が0.5となったらその時のスワール開度を検出する。その時に検出されたスワール開度SCVANG1は60%であったとする。
このSCVANG1の値60%を図8の表に当てはめることにより、上記に挙がった動粘度の候補の中から、更なる特定を行う。上記候補にあがった動粘度のうち、表のSCVANG1が60%となる列の条件を満たすのは、動粘度3.1の値である。
つまり、燃料の動粘度は、図8の表でSNO0が1.5となる行と、SCVANG1が60%の列とがぶつかる3.1であると推定することができる。
図9のフローチャートは、動粘度の推定の具体的処理について示したものである。
図9のフローチャートは図6のフローチャートのS108で行っている蒸留性状の推定を、S208の動粘度の推定に置き換えたものである。
S208では、検出したスモーク濃度SNO0と、スワール開度SCVANG1を、ECU23に記憶した図8の表にあてはめて、動粘度を推定している。
図8の表において、検出したスモーク濃度SNO0を示す行と、検出したスワール開度SCVANG1を示す列とが交わる欄に記載された数値が燃料の動粘度であると推定する。
図9に示すフローチャートは、上記点以外は図6に示すフローチャートと同様であるため、他の説明については省略する。
以上、上記記載した発明について総括する。以下において、蒸留性状と動粘度をまとめて燃料性状と称する。
本発明は、特定の気流で特定のスモークが発生する状態から気流を変化させた時のスモークの変化について燃料性状ごとに複数の状態ついて予めECUに記憶させておく。そして、燃料性状を推定する時には、推定開始時の気流とスモークの状態をまず特定する。次に、上記特定した状態から気流を変化させた時のスモークの変化を検出する。そして、それぞれの情報を予め記憶したECUの情報に当てはめ、一致する情報を選定する。そして、選定した情報に対応する燃料性状を、機関に用いられている燃料の燃料性状であると推定し、機関制御にその燃料性状の影響について反映させている。
気流を変化させた時、燃料性状によってスモークの変化に差が出るという特徴に基づいて推定を行うことで、より精度の高い燃料性状の検出が可能となっている。
また、上記で述べたように、気流を変化させた時のスモーク量の変化率は、蒸留性状と動粘度の両方に影響を受ける。よって、上記実施の形態1での蒸留性状の推定を、燃料の動粘度が固定的となる運転状態で行うことで、更に高い精度で蒸留性状の推定を行うことができる。また、実施の形態2の動粘度の推定を、燃料の蒸留性状が固定的となる運転状態で行うことで、更に高い精度で動粘度の推定を行うことができる。
なお、気流を変化させた時のスモーク量の変化率が、蒸留性状と動粘度の両方の影響を受ける場合では、いずれか一方の燃料の性状を予め求めておけばよい。予め一方の燃料の性状を求めておき、求めた燃料の性状を他方の性状の推定に反映させることで、高精度な推定を行うことができる。
例えば、蒸留性状を推定する場合、予め燃料の動粘度ごとに蒸留性状の推定に用いる表を複数用意しておく。そして、蒸留性状を推定する際には、例えば、特開2006−220067号公報にて開示される粘度センサを用いて予め動粘度を検出しておく。そして、検出した動粘度に対応した表を用いて蒸留性状の推定を行う。これにより、より高精度な蒸留性状の推定を行うことができる。
また、動粘度を推定する場合、予め燃料の蒸留性状ごとに動粘度の推定に用いる表を複数用意しておく。そして、動粘度を推定する際には、例えば、特開2004−44513号公報に開示される蒸留性状推定手段により予め蒸留性状を検出しておく。そして、検出した蒸留性状に対応した表を用いて動粘度の推定を行う。これにより、より高精度な蒸留性状の推定を行うことができる。
また、上記実施形態では、筒内直噴式の燃料噴射弁を用いているが、これに限られるものではなく、ポート噴射によるものでも良い。同様に、筒内の気流の制御手段としてスワールコントロールバルブを用いているが、これに限られるものではなく、例えばタンブルコントロールバルブによるものであっても良い。
圧縮自着火式内燃機関の全体図を示す図である。 スワールコントロールバルブについて示す図である。 所定運転条件における、スワール開度とスモーク濃度の関係を示す図である。 蒸留性状ごとのスワール開度とスモーク濃度の関係について示す図である。 スモーク濃度とスワール開度と蒸留性状の関係について示す図である。 蒸留性状を推定するにあたり実行されるフローチャートである。 動粘度ごとのスワール開度とスモーク濃度の関係について示す図である。 スモーク濃度とスワール開度と動粘度の関係について示す図である。 動粘度を推定するにあたり実行されるフローチャートである。
符号の説明
11 機関本体
15 電磁式燃料噴射弁
16 コモンレール
17 燃料タンク
18 給油センサ
19 スモークセンサ
20 スワールコントロールバルブ
24 エンジン水温センサ

Claims (4)

  1. 同一運転状態において筒内に流入する空気の気流を制御する気流制御手段と、
    筒内から排出される排ガスのスモーク濃度を検出するスモーク検出手段と、
    特定の気流で特定のスモークが生ずる状態を起点とした時の、気流変化とスモーク変化の関係と燃料性状との関係を、複数の起点について記憶した記憶手段と、
    気流とスモークに基づく起点と、当該起点からの気流変化とスモーク変化の関係とを前記記憶手段に記憶した内容に当てはめて燃料性状を推定する燃料性状推定手段と、
    推定された燃料性状に応じて機関を制御する機関制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状推定装置。
  2. 前記燃料性状は、蒸留性状であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料性状推定装置。
  3. 前記燃料性状は、動粘度であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料性状推定装置。
  4. 燃料性状の推定は、暖機運転が終了した運転状態で行うことを特徴とする請求項1乃至3にいずれか記載の内燃機関の燃料性状推定装置。
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