JP2010281287A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の温度と燃料中のアルコール濃度とに応じて停止許可温度を適切に設定し、オイル希釈を確実に抑制することを目的とする。
【解決手段】ECU60は、機関温度が停止許可温度以上となったときに、内燃機関10を一時的に停止させる機関停止制御を行う。また、低温領域では、燃料中のアルコール濃度が高いほど停止許可温度を低く設定し、高温領域では、燃料中のアルコール濃度が高いほど停止許可温度が高く設定する。これにより、低温領域では、機関停止(EV運転)の機会を増加させ、オイル希釈率が増大し易い機関駆動運転やHV運転を回避することができる。また、高温領域では、オイル希釈率を抑制しつつ、機関駆動運転やHV運転を円滑に実施することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、アルコール燃料を用いる内燃機関において、機関停止制御を行う構成とした内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開2008−267227号公報)に開示されているように、機関停止制御を行う構成とした内燃機関の制御装置が知られている。機関停止制御とは、例えばアイドル運転時やハイブリッド車のモータ走行時等において、所定の停止条件が成立したときに、内燃機関を一時的に停止させる制御である。この停止条件には、内燃機関の温度が所定の停止許可温度を超えたか否かの判定も含まれている。即ち、機関停止制御では、内燃機関の温度が停止許可温度よりも高くなり、かつ機関停止制御に適した他の条件が成立したときに、内燃機関を自動的に停止させる。
そして、従来技術では、燃料中のアルコール濃度が高い場合に、停止許可温度を高く設定し、機関停止制御の実行頻度を減少させる構成としている。燃料中のアルコール濃度が高い場合には、噴射燃料から潤滑油中に混入する(オイル希釈する)アルコールの量が増大する。そこで、この場合には、機関停止制御を出来るだけ行わずに、運転の機会や継続時間を増やすことにより、内燃機関を高い温度に保持する。これにより、従来技術では、潤滑油中のアルコールを早期に蒸発させ、オイル希釈を抑制するようにしている。
特開2008−267227号公報
ところで、上述した従来技術では、燃料中のアルコール濃度が高い場合に、停止許可温度を高く設定し、機関停止制御の実行頻度を減少させる構成としている。しかしながら、温度条件によっては、燃料中のアルコール濃度が低くても、オイル希釈が進行し易くなる。また、燃料中のアルコール濃度が高くても、機関停止制御を積極的に実行した方が良い場合もある。このため、従来技術の制御では、停止許可温度が必ずしも適切に設定されていない場合があり、オイル希釈を十分に抑制することができないという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、内燃機関の温度と燃料中のアルコール濃度とに応じて停止許可温度を適切に設定し、オイル希釈を確実に抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、内燃機関のシリンダ内で燃焼させるための燃料を噴射する燃料噴射手段と、
内燃機関の潤滑油中に混入した噴射燃料である希釈燃料の蒸発ガスを吸気系に還流させる還流手段と、
少なくとも内燃機関の温度が所定の停止許可温度以上となったときに、内燃機関を一時的に停止させる機関停止制御手段と、
内燃機関の温度または前記シリンダの壁温に対応するパラメータを機関温度として取得する機関温度取得手段と、
前記噴射燃料中に含まれるアルコールの割合をアルコール濃度として取得するアルコール濃度取得手段と、
前記機関温度が所定の基準温度以下であるときに、前記アルコール濃度が高いほど前記停止許可温度を低く設定する低温時許可温度可変手段と、
前記機関温度が前記基準温度よりも高いときに、前記アルコール濃度が高いほど前記停止許可温度を高く設定する高温時許可温度可変手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、前記潤滑油中に混入した前記希釈燃料の割合をオイル希釈率として取得するオイル希釈率取得手段と、
前記希釈燃料中に含まれるアルコールの割合を希釈燃料アルコール濃度として取得する希釈燃料アルコール濃度取得手段と、
前記蒸発ガスの還流により生じる空燃比の変動が許容範囲内に収まるか否かを、少なくとも前記オイル希釈率、前記希釈燃料アルコール濃度および前記機関温度に基いて判定する空燃比変動判定手段と、
前記空燃比変動判定手段の判定結果に基いて内燃機関を停止および作動させる空燃比対応機関停止制御手段と、
を備える構成としている。
第3の発明によると、前記希釈燃料アルコール濃度取得手段は、前記機関温度、前記噴射燃料中のアルコール濃度、機関回転数および負荷に基いて、前記希釈燃料アルコール濃度を算出する構成としている。
第4の発明は、前記機関温度と前記希釈燃料アルコール濃度とに基いて、前記空燃比の変動量の許容限度に対応したオイル希釈率の上限値を算出する希釈率上限算出手段を備え、
前記空燃比変動判定手段は、前記オイル希釈率取得手段により取得した実際のオイル希釈率が前記上限値以下であるときに、前記空燃比の変動が許容範囲内に収まると判定する構成としている。
第5の発明は、内燃機関を補助するための動力を発生することが可能な補助動力手段を備える構成としている。
第6の発明によると、前記燃料噴射手段は、内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射する直噴型の燃料噴射弁である構成としている。
第1の発明によれば、機関温度が基準温度以下の低温領域では、燃料中のアルコール濃度が高くなるにつれて燃料噴射量が増大し、これに伴ってオイル希釈量も増大する傾向がある。このため、低温時許可温度可変手段は、低温領域において燃料中のアルコール濃度が高いほど、停止許可温度を低く設定し、機関停止制御の実行頻度を高くする。これにより、低温領域では、機関停止(EV運転)の機会を増加させ、オイル希釈率が増大し易い機関駆動運転やHV運転を回避することができ、オイル希釈率を抑制することができる。
一方、機関温度が基準温度よりも高い高温領域では、噴射燃料中のアルコールがシリンダ内の空間や壁面で蒸発し易くなるので、アルコール濃度が高くなるにつれて、オイル希釈に寄与する噴射燃料の量が減少し、オイル希釈量は減少傾向となる。このため、高温時許可温度可変手段は、高温領域において燃料中のアルコール濃度が高いほど(即ち、内燃機関を作動させてもオイル希釈率が増大し難い状況であるほど)、停止許可温度を高く設定し、機関停止制御の実行頻度を低下させる。これにより、高温領域では、オイル希釈率を抑制しつつ、機関駆動運転やHV運転を円滑に実施することができる。従って、第1の発明によれば、温度状態と燃料性状の変化に対応して停止許可温度を適切に設定することができ、特に、燃料中に含まれるアルコールの蒸留特性等を考慮して、停止許可温度の設定値をきめ細かく制御することができる。これにより、内燃機関の運転が可能な領域を出来るだけ確保しつつ、オイル希釈率を恒常的に抑制することができる。
第2の発明によれば、希釈燃料アルコール濃度は、希釈燃料が吸気系に還流されたときに空燃比の変動量を左右する要因の一つとなるが、必ずしも噴射燃料中のアルコール濃度と等しくない。このため、希釈燃料アルコール濃度取得手段は、希釈燃料アルコール濃度を取得し、空燃比変動判定手段は、希釈燃料アルコール濃度、オイル希釈率および機関温度に基いて、空燃比の変動が許容範囲内に収まるか否かを判定する。これにより、空燃比変動の判定結果に対して、オイル希釈率や機関温度だけでなく、希釈燃料アルコール濃度も反映させることができる。即ち、希釈燃料アルコール濃度を考慮しない場合と比較して判定精度を高めることができる。従って、空燃比の変動が許容範囲内に収まるように、前記判定結果に基いて正確な制御を行うことができる。
第3の発明によれば、希釈燃料アルコール濃度は、噴射燃料中のアルコール濃度が高く、機関温度(特に、シリンダの壁温)が高いほど低下する傾向がある。また、オイル希釈率は、機関回転数と負荷等に基いて設定される燃料噴射量によっても変化し、これに伴って希釈燃料アルコール濃度も変化する。従って、これらの特性を予めデータ化しておくことにより、希釈燃料アルコール濃度取得手段は、機関温度、噴射燃料中のアルコール濃度、機関回転数および負荷に基いて、希釈燃料アルコール濃度を算出することができる。
第4の発明によれば、オイル希釈率、希釈燃料アルコール濃度および機関温度に基いて、暖機後に潤滑油から蒸発する非アルコール成分とアルコール成分の量をそれぞれ算出し、更に吸気系に還流される各成分の量を算出することができる。そして、この算出結果と、希釈前後の空気過剰率(λ値)とに基いて空燃比の変動量を算出することができる。従って、この手順を逆算すれば、希釈率上限算出手段は、機関温度と希釈燃料アルコール濃度とに基いて、空燃比変動の許容限度に対応したオイル希釈率の上限値を算出することができる。これにより、空燃比変動判定手段は、実際のオイル希釈率と上限値とを比較するだけで、空燃比の変動が許容できるか否かを正確かつ容易に判定することができる。
第5の発明によれば、例えば車両の走行中に内燃機関を停止させてオイル希釈率を抑える必要が生じた場合でも、補助動力手段を使用した運転により対処することができ、走行状態等に制限されることなく、オイル希釈率の制御を円滑に行うことができる。
第6の発明によれば、直噴型の燃料噴射弁を用いる内燃機関においては、特にオイル希釈が発生し易い。この場合でも、上記第1乃至第3の発明によれば、オイル希釈率を安定的に抑制することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 内燃機関の燃料噴射量と燃料成分との関係を示す特性線図である。 アルコール燃料とガソリンのそれぞれについて、内燃機関の温度とオイル希釈率との関係を示す特性線図である。 低温領域における噴射燃料中のアルコール濃度と停止許可温度との関係を示す特性線図である。 高温領域における噴射燃料中のアルコール濃度と停止許可温度との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、機関温度と希釈燃料アルコール濃度との関係を示す特性線図である。 燃料の蒸留特性を示す特性線図である。 オイル希釈率、噴射燃料アルコール濃度および希釈燃料アルコール濃度の関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図7を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、例えばアルコール燃料が使用可能な直噴型のエンジンからなる内燃機関10を備えている。内燃機関10の各シリンダ12には、ピストン14の往復動作により拡大,縮小する燃焼室16が設けられている。ピストン14は、内燃機関10の出力軸であるクランク軸18に連結されている。
また、内燃機関10は、各シリンダ12に吸入空気を吸込む吸気通路20と、各シリンダ12から排気ガスを排出する排気通路22とを備えている。吸気通路20には、吸入空気量を検出するエアフローメータ24と、電子制御式のスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、アクセル開度等に基いてスロットルモータ28により駆動され、吸入空気量を増減させる。また、内燃機関の各シリンダ12には、燃焼室16内に燃料を直接噴射する直噴型の燃料噴射手段としての燃料噴射弁30と、燃焼室16内の混合気に点火する点火プラグ32と、吸気通路20を燃焼室16に対して開,閉する吸気バルブ34と、排気通路22を燃焼室16に対して開,閉する排気バルブ36とが設けられている。
また、内燃機関10は、オイルパン38と吸気通路20との間に接続された還流手段としての還流通路40を備えている。還流通路40は、オイルパン38内の潤滑油に混入した希釈燃料の蒸発ガスを吸気系に還流させるものである。この場合、蒸発ガスの還流量は、吸気負圧に応じて変化するように構成されている。
一方、本実施の形態のシステムは、クランク角センサ42、水温センサ44、油温センサ46、吸気温センサ48、アルコールセンサ50等を含むセンサ系統と、補助動力手段としての電動モータ52と、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)60とを備えている。クランク角センサ42は、クランク軸18の回転に同期した信号を出力するもので、ECU60は、この出力信号に基いて機関回転数を検出することができる。また、水温センサ44は内燃機関の冷却水の温度を検出し、油温センサ46はオイルパン38内の潤滑油の温度(油温)を検出し、吸気温センサ48は吸入空気の温度(外気温)を検出するものである。
さらに、アルコールセンサ50は、本実施の形態のアルコール濃度取得手段を構成しており、噴射燃料中に含まれるアルコールの割合をアルコール濃度として検出するものである。なお、本実施の形態では、アルコールセンサ50によりアルコール濃度を検出する構成としたが、本発明では、アルコールセンサ50を使用せずに、内燃機関の運転状態等に応じて燃料中のアルコール濃度を推定する構成としてもよい。センサ系統には、上述した各センサの他に、車両や内燃機関の制御に必要な各種のセンサ(例えばアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU60の入力側に接続されている。
また、ECU60の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32等を含む各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU60は、内燃機関の運転状態をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動する。具体的には、センサ系統の出力に基いて、燃料の噴射量及び噴射時期、点火時期等を設定し、これらの設定内容に応じて各アクチュエータが駆動される。このECU60による運転制御には、後述の機関停止制御と停止許可温度可変制御とが含まれている。
また、本実施の形態において、内燃機関10は、電動モータ52と共にハイブリッド車等の車両に搭載されている。そして、車両の運転中には、電動モータ52を停止して内燃機関10だけを作動させる機関駆動運転と、内燃機関10と電動モータ52の両方を作動させるHV運転と、内燃機関10を停止して電動モータ52だけを作動させるEV運転のうち、何れかの運転が状況に応じて選択される。
次に、図2乃至図5を参照しつつ、ECU60により実行される機関停止制御と停止許可温度可変制御について説明する。
(機関停止制御)
ECU60は、例えば燃費性能、排気エミッション等を向上させるために、機関出力が不要なタイミング等で内燃機関10を一時的に停止させる機関停止制御を実行する。機関停止制御には、アイドル運転中に機関停止を行うアイドル停止制御や、車両の走行中に内燃機関を停止してモータ走行を行うEV運転等が含まれる。そして、機関停止制御では、内燃機関の温度(例えば冷却水の水温、潤滑油の油温等)が停止許可温度以上となり、かつ他の停止条件が成立したときに、内燃機関を自動的に停止させる。ここで、他の停止条件とは、例えば機関停止を実行すると車両性能に支障が生じるような状況において、機関停止制御を禁止するための条件である。
また、停止許可温度は、車両や内燃機関の状態に応じて、機関停止制御の実行頻度を調整するために可変に設定される。一例を挙げると、例えば暖房等の車載機器の性能が不十分である場合や、冬季等に最大限の暖機を行う場合には、内燃機関を出来るだけ停止しないことが望ましいので、停止許可温度は通常よりも高い温度に設定される。また、以下に述べる停止許可温度可変制御では、オイル希釈率を抑制するために、停止許可温度を可変に設定する。
(停止許可温度可変制御)
一般に、直噴型の内燃機関10では、シリンダ12の壁面に付着する噴射燃料の量が多くなるため、この燃料の一部がオイルパン38内の潤滑油を希釈する現象(オイル希釈)が生じ易い。潤滑油に混入した燃料(希釈燃料)は、油温の上昇により蒸発し、還流通路40を介して燃焼室16に還流される。この希釈燃料の蒸発ガスは、空燃比の変動(A/Fずれ)を発生させる原因となる。そこで、停止許可温度可変制御では、機関温度と燃料中のアルコール濃度とに基いて停止許可温度を制御することにより、潤滑油中に含まれる希釈燃料の量(オイル希釈量)を調整し、A/Fずれを抑制する構成としている。
図2は、内燃機関の燃料噴射量と燃料成分との関係を示す特性線図である。なお、図2では、アルコールとしてエタノールを用いた場合を例示している。図2に示すように、アルコール燃料を用いる場合の燃料噴射量は、燃料中のアルコール濃度が高くなるにつれて増大する。そして、燃料噴射量が増大すると、シリンダの壁面に付着する噴射燃料の量が多くなるので、オイル希釈量も増大することになる。しかし、本願発明者は、図3に示すように、燃料中のアルコール濃度とオイル希釈量との関係が、温度によって異なることを見出した。
図3は、アルコール燃料とガソリンのそれぞれについて、内燃機関の温度(冷却水温)とオイル希釈率との関係を示す特性線図である。ここで、オイル希釈率とは、一定量の潤滑油中に含まれる希釈燃料の量(割合)を表したものである。また、図3中の「E0」とは、アルコールを含まないガソリンだけの燃料を示し、「E85」とは、85wt%の割合でアルコールを含む燃料を示している。これと同様に、「E20」、「E100」とは、それぞれアルコール濃度が20wt%の燃料、100wt%(アルコールだけ)の燃料を示している。
図3に示すように、例えば10℃程度の温度を基準温度として、この基準温度よりも低温側の温度領域では、燃料中のアルコール濃度が高いほどオイル希釈率が高くなる特性がある。これに対し、基準温度よりも高温側の温度領域では、アルコール濃度が低いほどオイル希釈率が高くなる特性がある。このような特性の違いは、次の理由によるものと考えられる。まず、低温時には、燃料中のガソリンもアルコールも蒸発し難いので、燃料中のアルコール濃度が高くなると、その分だけ燃料噴射量が増大し、これに伴ってオイル希釈量も増大することになる。
一方、高温時には、アルコールとガソリンとの燃料性状の違いが強く影響するようになり、アルコール濃度が高い燃料を噴射しても、シリンダの壁面に付着する燃料自体が減少する。しかも、アルコールはガソリンと比べて沸点が低いので、高温時には、噴射燃料中のアルコールがシリンダ内の空間や壁面で蒸発し易くなる。このため、高温時には、燃料中のアルコール濃度が高くなるにつれて、オイル希釈に寄与する噴射燃料の量が減少することになり、オイル希釈量は減少傾向となる。
このような特性を踏まえて、停止許可温度可変制御では、機関温度が前記基準温度以下の低温領域であるときに、図4に示す特性データに基いて停止許可温度を設定する。図4は、低温領域における噴射燃料中のアルコール濃度と停止許可温度との関係を示す特性線図である。この図に示すように、低温領域では、噴射燃料中のアルコール濃度が高いほど、停止許可温度を低く設定する構成としている。これにより、アルコール濃度が高いほど、機関停止制御の実行頻度を高くすることができる。この結果、低温領域では、機関停止(EV運転)の機会を増加させ、オイル希釈率が増大し易い機関駆動運転やHV運転を回避することができ、オイル希釈率を確実に抑制することができる。
また、停止許可温度可変制御では、機関温度が前記基準温度よりも高い高温領域であるときに、図5に示す特性データに基いて停止許可温度を設定する。図5は、高温領域における噴射燃料中のアルコール濃度と停止許可温度との関係を示す特性線図である。この図に示すように、高温領域では、噴射燃料中のアルコール濃度が高いほど、停止許可温度を高く設定する構成としている。これにより、アルコール濃度が高いほど(即ち、内燃機関を作動させてもオイル希釈率が増大し難い状況であるほど)、機関停止制御の実行頻度を低下させることができる。この結果、高温領域では、オイル希釈率を抑制しつつ、機関駆動運転やHV運転を円滑に実施することができる。なお、上述した図4及び図5に示すデータは、マップデータや関数式等としてECU60に予め記憶されている。
上記制御において、機関温度とは、内燃機関の温度状態が反映される任意のパラメータであり、一例を挙げれば、冷却水の水温、潤滑油の油温、シリンダの壁温等である。停止許可温度可変制御に用いる機関温度は、上記水温、油温およびシリンダ壁温の何れでもよいが、噴射燃料中のアルコールがシリンダの壁面で蒸発する特性を考慮しているので、シリンダ壁温を用いるのが好ましい。なお、シリンダ壁温は、センサ等により直接検出しなくても、後述の方法により他の機関温度から推定することができる。また、低温領域と高温領域の境界となる基準温度は、一例として10℃に設定したが、本発明はこの数値に限定されるものではなく、基準温度は、燃料の特性や使用環境等に応じて任意の値に設定すればよいものである。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図6及び図7は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。これらの図に示すルーチンは、車両の運転中に繰返し実行されるものとする。まず最初に、図6を参照しつつ、機関停止制御の具体的な処理について説明する。図6に示すルーチンにおいて、ECU60は、まず、センサ系統により検出した運転情報を読込み(ステップ100)、この運転情報に基いて吸入空気量、機関回転数、冷却水温、油温、吸気温度、燃料中のアルコール濃度、アクセル開度、排気空燃比等を検出する。次に、ステップ102では、自動停止中であるか否か、即ち、既に機関停止制御が実行中であるか否かを判定し、この判定成立時には、後述のステップ110に移行する。
ステップ102の判定が不成立のときには、機関温度が停止許可温度以上であるか否を判定する(ステップ104)。この停止許可温度は、後述の図7に示すルーチンにより決定される。そして、ステップ104の判定成立時には、他の停止条件が成立しているか否かを判定し(ステップ106)、この判定も成立したときには、内燃機関の運転を停止する(ステップ108)。なお、ステップ108の機関停止には、内燃機関のアイドル運転を停止する場合だけでなく、EV運転を行う場合も含まれる。
一方、ステップ102の判定成立時には、内燃機関が停止中であるから、自動始動条件が成立したか否かを判定する(ステップ110)。そして、ステップ110の判定成立時には、内燃機関を再始動させる(ステップ112)。なお、ステップ112の再始動には、機関駆動運転を再開する場合だけでなく、HV運転を行う場合も含まれる。
次に、図7を参照しつつ、停止許可温度可変制御の具体的な処理について説明する。この図に示すルーチンは、前述した図6のルーチンと並列に実行されるものである。図7に示すルーチンでは、まず、アルコールセンサ50の検出信号に基いて、燃料中のアルコール濃度を算出する(ステップ200)。また、クランク角センサ42と水温センサ44の検出信号に基いて機関回転数と水温を検出し(ステップ202)、機関回転数と吸入空気量とに基いてエンジン負荷(負荷率)を算出する(ステップ204)。
次に、ステップ206では、機関温度としてシリンダ12の壁温を算出する。具体的に述べると、ECU60は、内燃機関を始動してから噴射した燃料噴射量の総量を積算している。シリンダの壁温は、燃料噴射量の積算値(即ち、シリンダ12内での発熱量)が増えるにつれて始動時の温度から上昇するが、機関停止制御が実行された場合には、その実行時間に応じて低下する。よって、ECU60は、上述した燃料噴射量の積算値と、始動時に検出した水温(または油温)と、吸入空気の温度と、機関停止制御を実行した実行時間とに基いて、現在のシリンダ壁温を算出することができる。
次に、ステップ208では、シリンダ壁温が前記基準温度よりも高いか否かを判定する。この判定成立時には、前述した高温領域であるから、図5に示すアルコール濃度/停止許可温度マップと、燃料中のアルコール濃度とに基いて停止許可温度を設定する(ステップ210)。一方、ステップ208の判定が不成立のときには、低温領域であるから、図4に示すアルコール濃度/停止許可温度マップと、燃料中のアルコール濃度とに基いて停止許可温度を設定する(ステップ212)。
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、温度状態と燃料性状の変化に対応して停止許可温度を適切に設定することができ、特に、燃料中に含まれるアルコールの蒸留特性等を考慮して、停止許可温度の設定値をきめ細かく制御することができる。従って、内燃機関の運転が可能な領域を出来るだけ確保しつつ、オイル希釈率を恒常的に抑制することができる。また、本実施の形態のように、ハイブリッド車に適用すれば、例えば車両の走行中に内燃機関を停止させてオイル希釈率を抑える必要が生じた場合でも、EV運転により対処することができ、走行状態等に制限されることなく、オイル希釈率の制御を円滑に行うことができる。
実施の形態2.
次に、図8乃至図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、前記実施の形態1と同様のシステム構成(図1)を採用しているものの、実施の形態1の制御内容に加えて、希釈燃料中のアルコール濃度に基いて制御を行う構成としており、この点で実施の形態1と構成が異なっている。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
[実施の形態2の特徴]
吸気系に還流される希釈燃料の蒸発ガスはA/Fずれの原因となるが、A/Fのずれ量は、オイル希釈率だけでなく、希釈燃料中のアルコール濃度(以下、希釈燃料アルコール濃度と称す)によっても変化する。このため、A/Fのずれ量を正確に予測するためには、希釈燃料アルコール濃度を求める必要がある。しかし、希釈燃料アルコール濃度は、噴射燃料中のアルコール濃度(以下、噴射燃料アルコール濃度と称す)と異なる場合が多い。即ち、例えばE85の燃料を噴射しても、アルコールの一部はシリンダの内部や壁面で一部が蒸発するから、希釈燃料アルコール濃度は、必ずしもE85相当の濃度にならない。このため、本実施の形態では、A/Fのずれ量を予測するために、まず、希釈燃料アルコール濃度を算出する。そして、少なくともオイル希釈率、希釈燃料アルコール濃度および機関温度(例えば、潤滑油の油温)に基いて、A/Fのずれ量が許容範囲内に収まるか否かを判定する構成としている。
(希釈燃料アルコール濃度の算出)
図8は、機関温度と希釈燃料アルコール濃度との関係を示す特性線図である。この図は、燃料としてE85を用いた場合のデータを示している。図8に示すように、噴射燃料中のアルコール濃度が一定でも、希釈燃料アルコール濃度は、機関温度(特に、シリンダの壁温)が高いほど低下する。このことは、図9に示す燃料の蒸留特性から導出することができる。図9に示すように、例えばE85の燃料を噴射した場合には、IN側壁温(吸気バルブの下側位置におけるシリンダの壁面温度)が80℃程度でも、噴射燃料中のアルコールは、シリンダの内部や壁面でほぼ100%蒸発する。ここで、IN側壁温が80℃の状態とは、冷却水の水温が40℃程度となる比較的低温の状態である。
よって、噴射燃料中のアルコールは、機関温度が高いほど、希釈燃料となり難いことが判る。また、噴射燃料アルコール濃度が高いほど、アルコールの蒸発により希釈燃料アルコール濃度が低下する。つまり、希釈燃料アルコール濃度は、噴射燃料アルコール濃度が高く、機関温度が高いほど低下する傾向がある。これらの特性により、図10に示す特性線図が導出される。
図10は、オイル希釈率、噴射燃料アルコール濃度および希釈燃料アルコール濃度の関係を示す特性線図である。ここで、図10(a)は、例えば機関温度が40℃の場合における噴射燃料アルコール濃度とオイル希釈率との関係を示している。また、図10(b)は、特定の噴射燃料アルコール濃度における希釈燃料中のガソリン成分とアルコール成分との割合(即ち、希釈燃料アルコール濃度)を示している。図10に示すデータは、複数の機関温度に対応する複数種類のマップデータとしてECU60に予め記憶されており、図10は、これらのマップデータのうち機関温度が40℃のときのデータを例示したものである。このマップデータによれば、機関温度と噴射燃料アルコール濃度とに基いて、オイル希釈率と希釈燃料アルコール濃度とを算出することができる。
また、図10は、一定量(単位量)の燃料噴射に対応したデータであり、オイル希釈率及び希釈燃料アルコール濃度は、燃料噴射量によっても変化する。燃料噴射量は、通常の燃料噴射制御において、機関回転数と負荷とに基いて設定される。ECU60には、図10のデータを燃料噴射量(機関回転数と負荷)に応じて補正するためのデータも予め記憶されている。従って、ECU60は、機関温度、噴射燃料アルコール濃度、機関回転数および負荷に基いて、オイル希釈率と希釈燃料アルコール濃度とを算出することができる。
(A/Fずれ量の算出)
上述したオイル希釈率、希釈燃料アルコール濃度および機関温度に基いて、暖機後に潤滑油から蒸発するガソリン成分とアルコール成分の量をそれぞれ算出することができる。具体的に述べると、希釈燃料ガス中のガソリン成分濃度をCe0とし、希釈燃料ガス中のアルコール成分濃度をCe100とすれば、これらの成分濃度Ce0,Ce100は、下記の(1),(2)式により算出することができる。なお、燃料蒸留係数Fve0,Fve100とは、前記図9のデータから求められるものであり、Fve100>Fve0となる関係がある。
Ce0=燃料蒸留係数Fve0(油温)×Σガソリン希釈率 ・・・(1)
Ce100=燃料蒸留係数Fve100(油温)×Σアルコール希釈率 ・・・(2)
実際に吸気系に還流されるガソリンの量(還流ガソリン量)とアルコールの量(還流アルコール量)をそれぞれFe0,Fe100とすれば、これらの還流ガソリン量Fe0,還流アルコール量Fe100は、下記の(3),(4)式のように表される。
Fe0=1サイクルの還流ガス量×Ce0 ・・・(3)
Fe100=1サイクルの還流ガス量×Ce100 ・・・(4)
よって、希釈前後の空気過剰率(λ値)と、上記(3),(4)式により求めた還流ガソリン量Fe0,還流アルコール量Fe100とに基いて、A/Fのずれ量を算出することができる。この場合、ガソリンの理論空燃比は14.5程度であるのに対し、アルコール(例えば、エタノール)の理論空燃比は9程度であるから、それぞれの成分のA/Fずれに対する影響度は異なる。従って、A/Fのずれ量は、これらの成分の影響度の差異を補正して算出される。
上述した手順により、オイル希釈率、希釈燃料アルコール濃度および機関温度に基いて、A/Fのずれ量を算出することができる。従って、この手順を逆算すれば、A/Fずれ量の許容限度に対応したオイル希釈率の上限値を、A/Fずれ許容希釈率Kとして算出することができる。このA/Fずれ許容希釈率Kは、希釈燃料アルコール濃度と機関温度とに応じて変化する。従って、ECU60には、希釈燃料アルコール濃度と機関温度とに基いてA/Fずれ許容希釈率Kを算出するためのマップデータ(油温/希釈燃料アルコール濃度マップ)が予め記憶されている。そして、ECU60は、内燃機関の運転中に求めたオイル希釈率と、上記マップデータにより求めたA/Fずれ許容希釈率Kとを比較することにより、A/Fのずれ量が許容範囲内に収まるか否かを判定することができる。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
図11は、本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。この図に示すルーチンは、前記実施の形態1による制御のルーチン(図6及び図7)と並行して行われるものとする。図11に示すルーチンにおいて、ECU60は、まず、自動停止中であるか否か、即ち、既に機関停止制御が実行中であるか否かを判定し、この判定成立時には、後述のステップ324に移行する(ステップ300)。
次に、ステップ302では、アルコールセンサ50の検出信号に基いて噴射燃料アルコール濃度を検出し、ステップ304では、クランク角センサ42と水温センサ44の検出信号に基いて機関回転数と冷却水の水温を検出する。そして、ステップ306では、機関回転数とエアフローメータ24の検出信号に基いて負荷を算出する。また、ステップ308では、実施の形態1(図7)のステップ206と同様の方法により、シリンダの壁温を算出する。
次に、ステップ310では、シリンダで1回の燃焼サイクル(燃料噴射)が行われる毎に生じるオイル希釈量(以下、1サイクル希釈量と称す)を算出する。1サイクル希釈量は、1回に噴射された噴射燃料のうち潤滑油に混入する燃料の量であり、例えば燃料噴射量、噴射タイミング、機関温度等のパラメータと相関関係がある。よって、これらの関係を表す特性データをECU60に予め記憶させておくことにより、前記パラメータに基いて1サイクル希釈量を算出することができる。
また、ステップ312では、前述したように、機関温度、噴射燃料アルコール濃度、機関回転数および負荷に基いて、1サイクル希釈量中に含まれるアルコールの濃度(以下、1サイクル希釈燃料アルコール濃度と称す)を算出する。即ち、ECU60は、1サイクル毎に生じるガソリンの希釈量と、1サイクル毎に生じるアルコールの希釈量とをそれぞれ個別に算出することができる。さらに、ECU60は、図9に示す蒸留特性のデータ等を記憶しており、このデータと機関温度に基いて、潤滑油から蒸発するガソリンの蒸発量とアルコールの蒸発量とをそれぞれ個別に算出することができる。
次に、ステップ314では、上述した1サイクル希釈量、1サイクル希釈燃料アルコール濃度、ガソリン蒸発量およびアルコール蒸発量に基いて、積算希釈率と希釈燃料アルコール濃度とを算出する。即ち、シリンダの燃焼サイクル毎に、1サイクル希釈量を積算しつつ、この積算値からガソリンおよびアルコールの蒸発量を減算することにより、現在のオイル希釈率である積算希釈率を算出することができる。また、シリンダの燃焼サイクル毎に、1サイクル希釈燃料アルコール濃度から求めたアルコールの希釈量を積算しつつ、この積算値からアルコール蒸発量を減算することにより、現在の希釈燃料アルコール濃度を算出することができる。
次に、ステップ316では、油温センサ46の検出信号に基いて潤滑油の油温を検出する。なお、本発明では、油温センサを使用せずに、以下の方法により油温を推定的に算出する構成としてもよい。この方法では、まず、内燃機関を始動してから噴射した燃料噴射量の総量を積算しておく。そして、燃料噴射量の積算値と、始動時の水温と、吸入空気の温度と、機関停止制御を実行した実行時間とに基いて油温を推定する。油温は、燃料噴射量の積算値(シリンダ12内での発熱量)が増えるにつれて始動時の温度から上昇し、また機関停止制御の実行時間に応じて低下する。よって、ECU60は、これらのパラメータと油温との関係を示すデータを予め記憶しておくことにより、油温を算出することができる。
次に、ステップ318では、現在の希釈燃料アルコール濃度と油温とに基いて、前述した油温/希釈燃料アルコール濃度マップを参照することにより、A/Fずれ許容希釈率Kを算出する。そして、ステップ320では、現在の積算希釈率がA/Fずれ許容希釈率Kよりも大きいか否かを判定する。本実施の形態では、A/Fずれ許容希釈率Kを算出しておくことにより、実際のオイル希釈率とA/Fずれ許容希釈率Kとを比較するだけで、空燃比の変動が許容できるか否かを正確かつ容易に判定することができる。そして、ステップ320の判定成立時には、現在のオイル希釈率、希釈燃料アルコール濃度および油温が維持された状態で吸気系に希釈燃料が還流されると、A/Fのずれ量が許容範囲から外れる虞れがある。
そこで、この場合には、内燃機関を停止させ(ステップ322)、必要であればEV運転に切換える。また、ステップ320の判定が不成立のときには、吸気系に希釈燃料を還流させても、A/Fのずれ量が許容範囲内に収まると判断されるので、機関停止を行わず、現在の駆動状態を維持する。一方、前述したステップ300の判定成立時には、内燃機関が停止中であるから、自動始動条件が成立した場合に内燃機関を再始動する(ステップ324,326)。
このように構成される本実施の形態によれば、前記実施の形態1の作用効果に加えて、以下の作用効果を得ることができる。即ち、本実施の形態では、希釈燃料の還流によるA/Fのずれ量が許容できるか否かの判定結果に対して、オイル希釈率や機関温度だけでなく、希釈燃料アルコール濃度も反映させることができる。これにより、希釈燃料アルコール濃度を考慮しない場合と比較して判定精度を高めることができる。従って、A/Fのずれ量が許容範囲内に収まるように、内燃機関を適切なタイミングで作動,停止させることができ、オイル希釈率の制御を正確に行うことができる。
なお、前記実施の形態では、図6中のステップ100〜108が機関停止制御手段の具体例を示している。また、図7において、ステップ206は機関温度取得手段の具体例、ステップ200はアルコール濃度取得手段の具体例、ステップ210は高温時許可温度可変手段の具体例、ステップ212は低温時許可温度可変手段の具体例をそれぞれ示している。さらに、図11において、ステップ308は機関温度取得手段の具体例、ステップ310,314はオイル希釈率取得手段の具体例、ステップ312,314は希釈燃料アルコール濃度取得手段の具体例、ステップ318は希釈率上限算出手段の具体例、ステップ320は空燃比変動判定手段の具体例、ステップ322,326は空燃比対応機関停止制御手段の具体例をそれぞれ示している。
10 内燃機関
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローメータ
26 スロットルバルブ
30 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38 オイルパン
40 還流通路(還流手段)
42 クランク角センサ
44 水温センサ
46 油温センサ
48 吸気温センサ
50 アルコールセンサ(アルコール濃度取得手段)
52 電動モータ(補助動力手段)
60 ECU

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダ内で燃焼させるための燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    内燃機関の潤滑油中に混入した噴射燃料である希釈燃料の蒸発ガスを吸気系に還流させる還流手段と、
    少なくとも内燃機関の温度が所定の停止許可温度以上となったときに、内燃機関を一時的に停止させる機関停止制御手段と、
    内燃機関の温度または前記シリンダの壁温に対応するパラメータを機関温度として取得する機関温度取得手段と、
    前記噴射燃料中に含まれるアルコールの割合をアルコール濃度として取得するアルコール濃度取得手段と、
    前記機関温度が所定の基準温度以下であるときに、前記アルコール濃度が高いほど前記停止許可温度を低く設定する低温時許可温度可変手段と、
    前記機関温度が前記基準温度よりも高いときに、前記アルコール濃度が高いほど前記停止許可温度を高く設定する高温時許可温度可変手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記潤滑油中に混入した前記希釈燃料の割合をオイル希釈率として取得するオイル希釈率取得手段と、
    前記希釈燃料中に含まれるアルコールの割合を希釈燃料アルコール濃度として取得する希釈燃料アルコール濃度取得手段と、
    前記蒸発ガスの還流により生じる空燃比の変動が許容範囲内に収まるか否かを、少なくとも前記オイル希釈率、前記希釈燃料アルコール濃度および前記機関温度に基いて判定する空燃比変動判定手段と、
    前記空燃比変動判定手段の判定結果に基いて内燃機関を停止および作動させる空燃比対応機関停止制御手段と、
    を備えてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記希釈燃料アルコール濃度取得手段は、前記機関温度、前記噴射燃料中のアルコール濃度、機関回転数および負荷に基いて、前記希釈燃料アルコール濃度を算出する構成としてなる請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記機関温度と前記希釈燃料アルコール濃度とに基いて、前記空燃比の変動量の許容限度に対応したオイル希釈率の上限値を算出する希釈率上限算出手段を備え、
    前記空燃比変動判定手段は、前記オイル希釈率取得手段により取得した実際のオイル希釈率が前記上限値以下であるときに、前記空燃比の変動が許容範囲内に収まると判定する構成としてなる請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関を補助するための動力を発生することが可能な補助動力手段を備えてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃料噴射手段は、内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射する直噴型の燃料噴射弁である請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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