JP2004197591A - オイル希釈燃料推定装置及びそれを用いた内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈しているオイル希釈燃料量を算出するオイル希釈燃料量推定装置において、オイル希釈燃料量は、エンジンの所定温度領域毎に設定されたオイル希釈燃料指標に応じて算出されることを特徴としている。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイル希釈燃料量推定装置及びそれを用いた内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、燃料がピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈するいわゆるオイル希釈が発生することがある。このようなオイル希釈の発生を抑制するものとしては、筒内噴射型内燃機関にて吸気行程中に燃料噴射を行う場合に、内燃機関への燃料の付着し易さを表すパラメータに基づいて、燃料噴射開始時期を変更するようにしたものが従来より知られている(特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−13428号公報(第3−4頁、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンオイルに混入する燃料の揮発性は多種多様で、沸点30°C〜150°C以上の幅を有する。また、燃料は燃焼室で壁面に付着してオイルと混入するが、そのとき揮発性の低い高温沸点成分が燃焼または蒸発せずにオイル中に溶け込み、またそのまま残り易く、エンジン運転条件でエンジンオイル温度が相当高くならないと蒸発は促進されない。それは、エンジン始動後水温では暖機が終わっても、オイル温度が水温と同じ程度では、多くのオイル希釈燃料が存在し、例えば、完暖後の登坂走行などでオイル温度がさらに上がったときでも、オイル中から燃料が蒸発し、エンジンに吸入されることから、空燃比のエラーが発生し、例えば、空燃比学習制御で誤学習したり、燃料システム診断で誤診断しやすくなるという問題がある。
【0005】
特に、ガソリンの他にアルコールとガソリンの各種組成の混合燃料でも走行可能な、いわゆるフレキシブルフューエルビークル(FFV)と言われる自動車においては、その当量比偏差を用いてアルコール濃度の推定を行うシステムが廉価で提供されているが、燃料種の異なるものに入れ替えたときの推定の速さと濃度推定精度が要求され、従来の方法では、オイルからの蒸発燃料の影響が残り十分ではない。それにより、アルコール濃度推定結果を用いるエンジン制御量の補正、例えば燃料による燃焼速度違いによる点火時期精度や、揮発性違いによる壁流補正の不適切による過渡時空燃比の精度が十分でなく、排気性能のバラツキ悪化、ヘジテーション、サージ等の運転性の悪化があるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるオイル希釈燃料量推定装置は、エンジンの所定温度領域毎に設定されたオイル希釈燃料指標に応じてオイル希釈燃料量が算出されることを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、温度領域毎にオイル希釈燃料量の混入蒸発状況が判るため、いかなるエンジン運転履歴や環境変化の履歴であっても、オイル希釈燃料の影響がない条件、すなわちオイル希釈燃料の影響がない状態を検出することができる
。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示している。エンジン本体1の燃焼室2には、吸気弁3を介して吸気通路4が接続されていると共に、排気弁5を介して排気通路6が接続されている。
【0009】
吸気通路4には、エアクリーナ7、吸入空気量を検出するエアフローメータ8、吸入空気量を制御するスロットル弁9及び吸気中に燃料を噴射供給する燃料噴射弁11が配設されている。
【0010】
燃料噴射弁11は、エンジンコントロールユニット12(以下、ECUと記す)からの噴射指令信号により運転条件に応じて所定の空燃比となるよう吸気中に燃料を噴射供給している。
【0011】
排気通路6には、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ13と、三元触媒14が配設されている。
【0012】
三元触媒14は理論空燃比を中心とするいわゆるウィンドウに空燃比がある場合に最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できるため、ECU12では、三元触媒14の上流側に設けた酸素濃度センサ13からの出力に基づいて排気空燃比が上記のウィンドウの範囲内で一定の周期をもって振れるように空燃比のフィードバック制御を行う。
【0013】
また、ECU12には、エンジン本体1の冷却水温度を検知する水温センサ15、エンジン回転数を検出するクランク角センサ16、外気温を検知する外気温センサ17及び車両速度を検知する車速センサ18からの信号が入力されている。
【0014】
ここで、エンジン運転中において、燃料の一部がシリンダの内壁面に付着し、ピストンとシリンダとの隙間から漏れだしてエンジンオイルを希釈するいわゆるオイル希釈が発生すると、燃焼室2内で燃焼する燃料量が減少することなり、空燃比が過度に希薄(エアリッチ)となって、運転性や排気性能の悪影響を及ぼす虞がある。また、オイル希釈によりエンジンオイルを希釈している燃料が、エンジンオイルから蒸発し、ブローバイシステム等から吸気系に吸入されると、空燃比が過度に過濃(燃料リッチ)となって、運転性や排気性能の悪影響を及ぼす虞がある。
【0015】
また、エンジン温度上昇(燃焼室温度上昇)に伴い、オイル希釈燃料の増加は低くなる。逆に、エンジン温度上昇(オイル温度上昇)に伴い気化、すなわちエンジンオイルに混入したオイル希釈燃料の蒸発が促進される。しかしながら、オイル希釈燃料の気化は、燃料の成分(軽質・重質)で変化する。つまり、軽質成分はエンジンオイルに混入しても、比較的低い温度から気化していく。ところが、重質成分は、比較的高い温度であっても、エンジンオイルに混入してしまうと気化し難い。よって、始動直後からのオイル温度の履歴によってエンジンオイルに混入しているオイル希釈燃料量は変化する。
【0016】
そこで、本発明の第1実施形態におけるオイル希釈燃料推定装置では、オイル希釈によりエンジンオイルに混入したオイル希釈燃料量OFを以下の手順により推定する。
【0017】
図2に示すフローチャートは、所定時間毎に実行されるものであって、オイル希釈燃料量OFを求める全体のフローチャートを示している。
【0018】
第1サブルーティン(詳細は後述)からなるステップ1(以下、単にSと表記する)では、オイル希釈燃料量の増加量Aを算出する。
【0019】
第2サブルーティン(詳細は後述)からなるS2では、オイル希釈燃料のオイルからの蒸発率、すなわちオイル希釈燃料量の減少割合Bを算出する。
【0020】
S3及びS4では、オイル温度TOで割り付けられたオイル希釈燃料量テーブルTOF(後述)の中身(オイル希釈燃料指標)を、S1で算出されたオイル希釈燃料量の増加量Aと、S2で算出されたオイル希釈燃料量の減少割合Bとを用いて更新する。
【0021】
図3は、オイル希釈燃料量テーブルTOFを模式的に示した説明図であり、所定の温度領域毎、例えば0(℃)から10(℃)毎にオイル温度領域が設定され、各温度領域毎の温度領域別オイル希釈燃料量(オイル希釈燃料指標)の総和、すなわち図3中に例示した特性線と図3の横軸とに挟まれた領域の面積から全体のオイル希釈燃料量OFを推定するものである。ここで、各オイル温度領域は、エンジンオイルに混入した燃料成分(軽質・重質)に対応したものであって、図3の横軸右方向に向かって重質成分(沸点が高く蒸発しにくい)のオイル希釈燃料の残存量を表すものである。
【0022】
図3に示すように、始動直後からのオイル温度の履歴によってエンジンオイルに混入している温度成分毎のオイル希釈燃料量は変化している。つまり、オイル希釈燃料の軽質成分は始動直後に増加し、比較的低い温度であってもオイル希釈燃料の重質成分の蓄積よりも上記軽質成分の気化の方が多く、オイル希釈燃料量は下がる傾向にある。暖機状態が終了すると、ある温度履歴を経ることにより、例えばM(℃)のオイル温度になった場合には、その時には軽質成分が気化し尽くしていることから、更に気化する燃料量はmと少ない。一方、暖機は終了しても、更にオイル温度がN(℃)まで上昇すると、今度は重質成分も気化可能な温度となるので、更に、気化する燃料量はnと多くなる。
【0023】
そこで、S3では、オイル希釈燃料量テーブルTOFに割り付けられた全ての温度領域について、S1で算出された増加量Aを加算し増加させる。次に、S4にて、現時点でのオイル温度TOより低い温度領域に割り付けられた値を、新値=旧値−旧値×B、として更新する。尚、新値とは更新後の温度成分毎のオイル希釈燃料量であり、旧値とは更新前の温度成分毎のオイル希釈燃料量である。
【0024】
尚、このオイル希釈燃料量テーブルTOFは、バッテリバックアップされ、エンジンを停止しても消去されないメモリーであり、エンジン始動回数に関わらずオイル希釈燃料量を記憶しておくことができる。
【0025】
そして、S5では、更新されたオイル希釈燃料量テーブルTOFより、オイル希釈燃料量OFを算出する。
【0026】
図4に、上述した第1サブルーティン内の制御の流れを示す。
【0027】
S11では、MOFDマップ(後述)を参照し、増加量Aの増加率である燃料落ち割合Cを、オイル希釈燃料量テーブルTOFの各温度領域について算出する。図5に、MOFDマップの特性例を示す。このMOFDマップは、エンジン温度としてのシリンダ壁温TC(詳細は後述する)とエンジン回転数Neとから、燃料落ち割合Cを算出するものであって、エンジン回転数が低いほど燃料落ち割合Cは大きくなり、また、シリンダ壁温TCが低いほど燃料落ち割合Cは大きくなっている。これは、エンジンが低回転では、ガス流動が小さくなり、燃料の気化微粒化が悪く、壁面に燃料が付着し易くなると考えられるためである。また、シリンダ壁温TCに関しては、燃料の揮発特性による。
【0028】
S12では、負荷補正テーブル(後述)を参照し、負荷補正率Dを算出する。
図6に、負荷補正テーブルの特性例を示す。負荷補正テーブルは、エンジン負荷としてエアフローメータ8の出力より得られる吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとから求まる基本噴射量Tp(後述)から負荷補正率Dを算出するものであって、高負荷ほど燃焼室2での燃料の未燃分割合が多いため、負荷補正率Dは大きな値となる。これは圧力により燃料揮発性が変わることが影響すると考えられるためである。
【0029】
S13では、燃料落ち割合C、負荷補正率D、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷としてエンジンの運転状態によって決定される燃料噴射量Teを用いて増加量Aを、オイル希釈燃料量テーブルTOFの各温度領域について算出する。
【0030】
図7に、上述した第2サブルーティン内の制御の流れを示す。この第2サブルーティンでは、S21にて、MOFUマップ(後述)を参照して、エンジンオイルからのオイル希釈燃料の蒸発率である減少割合Bを算出する。図8に、MOFUマップの特性例を示す。このMOFUマップは、オイル温度TOとエンジン回転数Neとから減少割合Bを算出するものである。減少割合とオイル温度TOとの相関性は、燃料の揮発性により、オイル温度TOが高いほど減少割合Bが大きくなる。また、減少割合とエンジン回転数Neとの相関性は、オイルポンプによるオイルの循環撹拌や、クランクシャフトのカウンターウェイトによるオイル撹拌により、エンジンオイル内の燃料の蒸発が促進されされることから、エンジン回転数Neが高いほど減少割合Bが大きくなる。
【0031】
次に、増加量Aを算出する際に用いるシリンダ壁温TCの予測制御フローを図9に示す。
【0032】
まず、S31にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時であるか否かを判定し、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかの場合には、S32に進み、シリンダ壁温TCの初期値TC0の値をエンジンの冷却水温Twと同値として、次回の演算での温度上昇に備えることとする。
【0033】
S31にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかでもないと判定されるとS33に進み、エンジンが燃料カット中であるか否かを判定し、エンジンが燃料カット中であればS34に進み、エンジンが燃料カット中でないならばS35に進む。
【0034】
エンジンが燃料カット中であれば、シリンダ壁温TCは、エンジン冷却水温Twに向け収束するので、S34にて、エンジン冷却水温Twからの温度上昇分平衡温度TCHをゼロとする(TCH=0)。
【0035】
一方、エンジンが燃料カット中でなければ、S35にて、MTCHマップ(後述)を参照して、シリンダ壁温TCとエンジン冷却水温Twとの温度差である温度上昇分平衡温度TCHを算出する。図10に、MTCHマップの特性例を示す。このMTCHマップは、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpとを用いて温度上昇分平衡温度TCHを算出するものである。温度上昇分平衡温度TCHは、燃焼温度と強い相関があるので、エンジン回転数Neが高く、基本噴射量Tpすなわちエンジン負荷が高いほど高い値となる。
【0036】
S36では、KTCマップ(後述)を参照して温度の時定数に相当する温度変化割合KTCを算出する。図11に、KTCマップの特性例を示す。このKTCマップは、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpを用いて温度変化割合KTCを算出するものである。温度変化割合KTCは、シリンダ壁への伝熱はガス流速が支配的なのでエンジン回転数Neの影響が大きく、基本噴射量Tpすなわちエンジン負荷に対しても圧力による伝熱の影響で感度を持っている。つまり、温度変化割合KTCは、エンジン回転数Neが高く、基本噴射量Tpが高いほど大きな値となる。
【0037】
尚、本実施例では、温度上昇分平衡温度TCHと温度変化割合KTCとを、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpとを割り付けたマップから算出する方式を提示したが、精度要求が低いならエアフローメータからの検出信号である吸入空気量Qaを割り付けた算出テーブルをそれぞれ用意し、これら算出テーブルを用いて求めるようにしてもよい。
【0038】
次に、S37にて、温度上昇分平衡温度TCHと温度変化割合KTCから時々刻々の予測温度DTCを求める。この予測温度DTCは、エンジン冷却水温Twとの温度差であって、DTCn=DTCn-1+(TCH−DTCn-1)×KTCで表される。この式は、一時遅れの式であり、温度上昇分平衡温度TCHに対して、予測温度DTCを一時遅れで追従させるものである。一時遅れとしたのは、熱の逃げとのバランスにより理論上も割合一定で変わると思われることからで、発明者らが実測した経験のあるバルブ温度の上昇波形と同じであるとみなした。尚、DTCn-1は前回計算時の予測温度である。
【0039】
そして、S38にて、エンジン冷却水温Twに、S37で算出した予測温度DTCnを加えた値をシリンダ壁温TCnとし、シリンダ壁温TCの予測を終了する。すなわち、温度上昇分平衡温度TCH及び予測温度DTCは、エンジン冷却水温Twからの温度上昇量であるため、最後にエンジン冷却水温Twを加算するのである。
【0040】
尚、本実施形態では、シリンダ壁温TCを予測する例を示したが、これは安い原価でシステムを提供するためであり、温度センサをシリンダに埋め込んで直接シリンダ壁の温度を検出しても差し支えはないし、その方が精度が高いものとなる。
【0041】
次に、上述した図8のMOFUマップを用いてオイル減少割合B(オイル希釈燃料の蒸発率)を算出する際に用いるオイル温度TOの予測制御フローを図12に示す。
【0042】
S41にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時であるか否かを判定し、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかの場合には、S42に進み、TO0の値をエンジンの冷却水温Twと同値とする。
【0043】
S41にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかでもないと判定されるとS43に進む。
【0044】
S43では、エンジンオイルとエンジン冷却水との熱流分TTWを、エンジン冷却水温度Twと、TTWSと、前回計算時のオイル温度TOn-1と、を用いて算出する。TTWn=(Tw−TOn-1)×TTWS。つまり、伝熱量は温度差と比例し、流速の関数であるので、エンジン回転数Neから求めたTTWSを乗算して求めるものである。
【0045】
図13は、TTWSの算出テーブルの特性例を示している。TTWSは、エンジン回転数Neに比例して大きな値となる。ここで、TTWSを算出する際にエンジン回転数Neを用いたのは、エンジン冷却水またはエンジン冷却水に接するシリンダブロック、シリンダヘッドと、エンジンオイルとの間の伝熱は、オイルポンプを回すエンジン回転数Neと比例するからである。また、オイルパンを伝わってくる分もあるが、それは、図13の特性を適宜補正することで対応できる。
【0046】
S44では、燃焼との熱流分TTCを、エンジン冷却水温度Twと、TTCT及びTTCNとを用いて算出する。TTCn=(TTCT−TOn-1)×TTCN。
【0047】
ここで、図14はTTCTの算出テーブルの特性例を示し、図15はTTCNの算出テーブルの特性例を示している。TTCTは、ピストンシリンダ壁の温度であり、燃焼温度と関係するので燃料噴射量Teとエンジン回転数Neとの積を用いて、図14の算出テーブルから求める。TTCNは伝熱のためのエンジンオイル流速で、エンジン回転数Neを用いて図15の算出テーブルから求める。
【0048】
S45では、外気への放熱分TTAを算出する。TTAn=(TOn-1−Ta)×TTAVSP。Taは外気温センサ17の出力信号でる外気温度、TTAVSPは車速センサ18の出力信号VSP(車速)から求める伝熱のための流速である。図16はTTAVSPの算出テーブルの特性例を示している。
【0049】
そして、S46にて、オイル温度TOnを算出する。TOn=TOn-1+TTWn+TTCn−TTAn。つまり、S46に示すオイル温度TOnを算出する式は、エンジンオイルが、エンジン冷却水と燃焼によりピストンシリンダで暖められ、走行風(とエンジン冷却水)で冷却される現象をモデリングした式である。
【0050】
このように求めたオイル温度TOを、オイル希釈燃料の蒸発計算に用いる。
【0051】
尚、本実施形態では、オイル温度TOを予測する例を示したが、これは安い原価でシステムを提供するためであり、エンジンオイルの温度を温度センサで直接検出するようにしても差し支えはないし、その方が精度が高いものとなる。
【0052】
また、この実施形態においては、オイルパンを冷やすのは外気温度Taとし、ラジエターからの温風は無視したが、ラジエターからの温風が多く当たる車両の場合には、ラジエータからの温風を考慮してTaを補正して用いれば精度を上げることが可能である。
【0053】
このようなオイル希釈燃料量推定装置においては、温度領域毎にオイル希釈燃料の混入蒸発状況がわかるため、いかなる運転履歴や環境変化の履歴であっても、オイル希釈燃料の影響がない条件、すなわちオイル希釈燃料の影響がない状態を検出することができる。
【0054】
また、エンジン温度履歴すなわちエンジン温度、換言すればオイル温度に応じて各オイル温度領域毎の温度領域別オイル希釈燃料量(オイル希釈推定指標)が可変となるよう設定されているので、オイル希釈燃料量を正確に推定することができる。詳述すれば、運転中のオイル温度以下の温度の温度領域に割り付けられた温度領域別オイル希釈燃料量(オイル希釈推定指標)を、減少方向に操作することによって、確実にオイル希釈燃料の蒸発が少ない条件を検出することができる。
【0055】
そして、オイル希釈燃料の増加量Aは、現在の温度に無関係に、一律に全ての温度領域について増加させているが、このように、ガソリン燃料の揮発性分布と無関係に一律増加という簡単な手法であっても、オイル希釈燃料の蒸発が少ない条件を検出することができる。精度のみ追い求める場合、未燃分のみの燃料成分を予測し、その揮発温度分布でテーブル値を増加させる手法等も考えられるが、未燃燃焼成分は運転条件で大きく変動するので、結局精度は出しにくい。上述した第1実施形態のように、一律増加させることは、オイル希釈燃料を大目に扱うことになるので、誤学習しにくい方向である。
【0056】
尚、上述した第1実施形態においては、蒸発によるオイル希釈燃料量の減少は温度領域に関わらず一律に減少させたが、現在の温度領域よりも高い領域はより小さく、低い領域はより大きく減少させるようにすることも可能である、そうすることにより沸点以下で蒸発する燃料も扱うことができる。
【0057】
次に本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、空燃比制御を行っているエンジンに、上述した第1実施形態におけるオイル希釈燃料量推定装置を搭載し、オイル希釈燃料量推定装置で算出されたオイル希釈燃料量OFに応じて、エンジンの運転状態によって決定される燃料噴射量Teを用いて算出される燃料噴射パルス幅Tiの補正を行っている。
【0058】
図17は、第2実施形態における具体的な制御の流れを示すフローチャートである。
【0059】
S51では、基本噴射量Tpを算出する。基本噴射量Tpは、エンジン回転数Neとエアフローメータ8からの出力より得られる吸入空気量Qaとを用い、エンジン1回転当たりの吸入空気量(Qa/Ne)に所定の定数Kを掛けることによって算出される。ここで、基本噴射量Tpは、上述した燃料噴射量Teの算出の基になるものでエンジン負荷の代表値である。
【0060】
S52では、エンジン回転数Neとスロットルバルブ開度が割付られたマップから空燃比補正係数KMRを算出する。尚、空燃比補正係数KMRを算出するマップは、ECU12内に予め記憶させてある。
【0061】
S53では、エンジン冷却水温Twが割付られたテーブルから水温増量補正係数KTWを算出する。尚、水温増量補正係数KTWを算出するテーブルは、ECU12内に予め記憶させてある。
【0062】
S54では、上述したオイル希釈燃料量推定装置で算出されたオイル落ち割合Cと負荷補正率Dを用いて、目標燃空比相当量TFBYAを算出する。TFBYA=1+KMR+KTW+(C×D×GUB)。ここで、GUBは、排気系への排出分をH1、オイル希釈燃料分をH2とすると、GUB=(H1+H2)/H2となるように設定されているものであって、例えば1.6程度の値となる。つまり、オイル落ち割合Cと負荷補正率Dの積にGUBを乗ずるのは、シリンダ壁に付着した燃料には、ピストンに掻き落とされてエンジンオイルを希釈するオイル希釈燃料となるものと、燃焼せずに排気系から捨てられるものとがあるので、その分を見込んで所定の定数GUBを乗じているのである。
【0063】
S55では、燃料噴射量Teを算出する。Te=Tp×TFBYA×α×αm×KTR。ここで、αは空燃比フィードバック補正係数であり、本フローチャートとは別のフローチャートによって、酸素濃度センサ13の出力信号を基に算出される。そして、αmは上記αに基づいて算出される空燃比学習補正係数、KTRは壁流燃料の補正量を表す過渡補正係数である。
【0064】
S56で、上述した燃料噴射量Teを噴射するのに要するパルス幅である燃料噴射パルス幅Tiを算出する。Ti=Te×KWJ+Ts。ここで、KWJは噴射量補正係数、Tsは燃料噴射弁11の通電時間と実際の噴射時間との差の補正量である無効パルス幅である。
【0065】
そして、S57で燃料噴射パルス幅Tiを出力して、燃料噴射弁11が燃料噴射パルス幅Tiで燃料噴射を行うよう制御する。
【0066】
このような本発明の第2実施形態においては、未燃燃料分の増量補正を、オイル希釈燃料量推定装置のマップやテーブルを共用して行うことにより、ECU12メモリ削減や適合工数の低減をすることが可能となる。
【0067】
尚、この第2実施形態においては、オイル希釈燃料量の増加量Aに着目して燃料噴射パルス幅Tiを補正したものであるが、増加量A及び減少割合Bに着目して燃料噴射パルスTiを補正することも可能である。また、MTCHマップ(図10)及びKTCマップ(図11)において、基本噴射量Tpの代わりに燃料噴射量Teを割り付けるようにすることも可能であり、この場合、オイル希釈燃料量は、実際にエンジンから噴射される燃料噴射量Teに応じて補正されることになる。
【0068】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0069】
現在、多くの自動車では、低濃度のアルコールが入ったガソリンを燃焼させるこができる。また、近年、ガソリンの他にアルコールとガソリンの各種組成の混合燃料でも走行可能な、いわゆるフレキシブルフューエルビークル(FFV)と言われる自動車も広く知られるところとなっている。
【0070】
アルコール燃料は、C(炭素)、H(水素)、O(酸素)の原子数からガソリンに比べ、同一の当量比を得るには大きな噴射量が要求されることになる。そこで、酸素濃度センサ13によるフィードバック制御係数の偏差、すなわち空燃比偏差から、可及的速やかに、かつ精度良く燃料の内のアルコール濃度を予測する。
【0071】
そこで、この第3実施形態では、アルコールを含む燃料を用いる内燃機関に、上述した第1実施形態及び第2実施形態の技術を適用した場合について説明する。
【0072】
図18は、この第3実施形態におけるアルコール濃度推定の制御の流れを示すフローチャートである。
【0073】
S61で、本フローチャートとは別のフローチャートにより酸素濃度センサ13の出力信号を基に算出された空燃比フィードバック補正係数αを読み込む。
【0074】
S62では、オイル温度TOからオイル希釈燃料量テーブルTOFを参照し、現温度でのオイル希釈燃料量OFを算出する。
【0075】
S63では、S61で算出したオイル希釈燃料量OFが、所定の推定許可希釈量LOF♯より少ないかどうかを判定し、小さい場合のみS64に進み、そうでない場合には、S66に進む。
【0076】
S64では、他学習条件が成立しているか否かを判定する。学習条件の禁止は、オイル希釈燃料量のみでなく、他にも従来から用いられる条件を判定し、学習値の更新を行うものである。禁止条件例としては、低水温、オーバーヒート時、αフィードバック制御中、キャニスタパージカット中、またはパージ濃度が低いとき、加減速中、等が知られている。
【0077】
また、一般に、学習値はエンジン回転数Ne、負荷Tpのマップである場合が多く、例示したがここで規定するものではない。
【0078】
こうして、学習値更新有無に関わらず、学習値が検索され、αmとして燃料噴射量制御に用いられる。
【0079】
S65では、各運転領域毎のαm算出マップのマップ値の書き換えを行う。
【0080】
S66では、現在の各運転領域毎のαmマップを参照し、各運転領域毎のαmを求める。
【0081】
S67では、オイル温度TOからオイル希釈燃料量テーブルTOFを参照し、現温度でのオイル希釈燃料量OFを算出する。
【0082】
S68では、S67で算出したオイル希釈燃料量OFが、所定の推定許可希釈量LOF♯より少ないかどうかを判定し、少ない場合には、エンジンオイルからの蒸発燃料の影響が少ないとみなし、アルコール濃度推定を許可するパスに移行するが、アルコール濃度推定では、他にも許可条件(S69)が必要であり、本実施形態においては、エンジン冷却水温、エンジン始動後時間、空燃比学習制御の進行状況、給油履歴などの条件が整ったときに、アルコール濃度を推定する(S70)。
【0083】
S70では、各運転領域別のαmのうち代表的な回転負荷領域のαmの平均値を計算する。すなわち4領域程度のαmの平均値を算出し、その結果を用い、図19に示すテーブルからアルコール濃度を算出する。ここで、上述した4領域は、エンジンとしての使用頻度の比較的高い領域で、あまり小さな吸入空気量でない領域を選択しているが、これは学習の頻度を確保し、例えばエンジンオイルから蒸発するオイル希釈燃料の影響を受けにくい比較的大きな空気量領域を選択するものである。
【0084】
そして、S71では、αmの平均値を用いて、燃料系システム診断を実施する。すなわち、αmの平均値が所定の診断下限値よりも大きく、かつ所定の診断上限値よりも小さい範囲内にあるか否かを判定し、αmの平均値が上記範囲内にある場合には、S72に進み診断OKとし、αmの平均値が上記範囲外にある場合には、S73に進み診断NGとする。ここで、燃料系システム診断とは、エアフローメータや燃料噴射弁等の燃料流量を決定づける部品の診断を、学習値である空燃学習補正係数αmを用いて行うものであり、例えば、αmの平均値が80のときを診断下限値とし、αmの平均値が180のときを診断上限値とする。
【0085】
このように、本発明の第3実施形態においては、オイル希釈燃料量が所定値(推定許可希釈量LOF♯)よりも小さい、燃料気化が少なく、空燃比変動への影響が小さい場合に、アルコール濃度推定、空燃比学習制御及び燃料系システム診断の許可をしている。
【0086】
従って、このようにして求められた空燃学習補正係数αmやアルコール濃度推定値を用いて、エンジンの制御を行うことで、その精度として、オイル希釈燃料量の蒸発の影響を受けていないので優れたものとなり、排気性能、運転性能のよいエンジンを供給することができる。
【0087】
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
【0088】
(1) オイル希釈燃料推定装置は、ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈しているオイル希釈燃料量を、エンジンの所定温度領域毎に設定されたオイル希釈燃料指標に応じて算出する。これによって、温度領域毎にオイル希釈燃料量の混入蒸発状況が判るため、いかなるエンジン運転履歴や環境変化の履歴であっても、オイル希釈燃料の影響がない条件、すなわちオイル希釈燃料の影響がない状態を検出することができる。
【0089】
(2) 上記(1)に記載のオイル希釈燃料量推定装置において、オイル希釈燃料指標は、エンジン温度履歴に応じて可変となるよう設定される。これによって、オイル希釈燃料量をより正確に推定することができる。
【0090】
(3) 上記(1)または(2)に記載のオイル希釈燃料量推定装置において、オイル希釈燃料の増加量を算出する増加量算出手段と、オイル希釈燃料量の減少量を算出する減少量算出手段と、を有し、エンジン温度と、オイル希釈燃料の増加量と、オイル希釈燃料の減少量と、を用いてオイル希釈燃料指標を更新した後、更新されたオイル希釈燃料指標に応じて、オイル希釈燃料量を算出している。これによって、オイル希釈燃料のエンジンオイルからの蒸発量も考慮されることになり、一層精度良くオイル希釈燃料量を推定することができる。
【0091】
(4) 上記(3)に記載のエンジン希釈燃料量推定装置において、増加量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の増加量は、エンジン温度、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じて算出されている。
【0092】
(5) 上記(3)に記載のエンジン希釈燃料量推定装置において、増加量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の増加量は、上記各オイル希釈燃料指標に対して一律に加算される。
【0093】
(6) 上記(3)〜(5)のいずれかに記載のエンジン希釈燃料量推定装置において、減少量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の減少量は、エンジン温度とエンジン回転数に応じて算出されている。
【0094】
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置において、エンジン温度として、エンジンオイルの温度を用いる。
【0095】
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置において、空燃比偏差から燃料内のアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段を有し、ガソリンにアルコールを混入した燃料を使用する際には、オイル希釈燃料量に応じて、アルコール濃度の算出を許可するアルコール濃度算出許可条件が設定されている。エンジンオイルへのオイル希釈燃料の流入、エンジンオイルからのオイル希釈燃料の蒸発、が一定となり、正確なアルコール濃度を算出することができる。
【0096】
(9) 上記(8)に記載のオイル希釈燃料推定装置において、アルコール濃度算出許可条件により、オイル希釈燃料量が所定値以下、またはオイル希釈燃料量の変化が所定値以下の少なくともどちらか一方の条件が成立したときに、アルコール濃度の算出が許可される。
【0097】
(10) 上記(1)〜(9)のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置において、オイル希釈燃料量は、実際にエンジンから噴射される燃料噴射量に応じて補正されている。
【0098】
(11) 内燃機関の制御装置は、前記(1)〜(10)のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置により算出されたオイル希釈燃料量に応じて、燃料噴射量を補正する。これによって、適正な空燃比を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示す説明図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図3】オイル希釈燃料量テーブルTOFを模式的に示した説明図。
【図4】図2の第1サブルーティンの制御の流れを示すフローチャート。
【図5】MOFDマップの特性例を示す説明図。
【図6】負荷補正テーブルの特性例を示す説明図。
【図7】図2の第2サブルーティンの制御の流れを示すフローチャート。
【図8】MOFUマップの特性例を示す説明図。
【図9】シリンダ壁温TCの予測制御を示すフローチャート。
【図10】MTCHマップの特性例を示す説明図。
【図11】KTCマップの特性例を示す説明図。
【図12】オイル温度TOの予測制御を示すフローチャート。
【図13】TTWS算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図14】TTCT算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図15】TTCN算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図16】TTAVSP算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図17】本発明の第2実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図18】本発明の第3実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図19】アルコール濃度算出テーブルの特性例を示す説明図。
【符号の説明】
1…エンジン本体
2…燃焼室
3…吸気弁
4…吸気通路
5…排気弁
6…排気通路
7…エアクリーナ
8…エアフローメータ
9…スロットル弁
11…燃料噴射弁
12…エンジンコントロールユニット
13…酸素濃度センサ
14…三元触媒
15…水温センサ
16…クランク角センサ
17…外気温センサ
18…車速センサ
Claims (11)
- ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈しているオイル希釈燃料量を算出するオイル希釈燃料量推定装置において、オイル希釈燃料量は、エンジンの所定温度領域毎に設定されたオイル希釈燃料指標に応じて算出されることを特徴とするオイル希釈燃料量推定装置。
- オイル希釈燃料指標は、エンジン温度履歴に応じて可変となるよう設定されることを特徴とする請求項1に記載のオイル希釈燃料量推定装置。
- オイル希釈燃料の増加量を算出する増加量算出手段と、
オイル希釈燃料量の減少量を算出する減少量算出手段と、を有し、エンジン温度と、オイル希釈燃料の増加量と、オイル希釈燃料の減少量と、を用いてオイル希釈燃料指標を更新した後、更新されたオイル希釈燃料指標に応じて、オイル希釈燃料量を算出していることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン希釈燃料量推定装置。 - 増加量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の増加量は、エンジン温度、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じて算出されていることを特徴とする請求項3に記載のオイル希釈燃料量推定装置。
- 増加量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の増加量は、上記各オイル希釈燃料指標に対して一律に加算されることを特徴とする請求項3に記載のオイル希釈燃料量推定装置。
- 減少量算出手段で算出されるオイル希釈燃料の減少量は、エンジン温度とエンジン回転数に応じて算出されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置。
- エンジン温度として、エンジンオイルの温度を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のオイル希釈燃料量推定装置。
- 空燃比偏差から燃料内のアルコール濃度を算出するアルコール濃度算出手段を有し、
ガソリンにアルコールを混入した燃料を使用する際には、オイル希釈燃料量に応じて、アルコール濃度の算出を許可するアルコール濃度算出許可条件が設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のオイル希釈燃料推定装置。 - アルコール濃度算出許可条件により、オイル希釈燃料量が所定値以下、またはオイル希釈燃料量の変化が所定値以下の少なくともどちらか一方の条件が成立したときに、アルコール濃度の算出が許可されることを特徴とする請求項8に記載のオイル希釈燃料推定装置。
- オイル希釈燃料量は、実際にエンジンから噴射される燃料噴射量に応じて補正されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のオイル希釈燃料量推定装置。
- 請求項1〜10のいずれかに記載されたオイル希釈燃料推定装置により算出されたオイル希釈燃料量に応じて、燃料噴射量を補正することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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