JP2001173489A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001173489A
JP2001173489A JP36269099A JP36269099A JP2001173489A JP 2001173489 A JP2001173489 A JP 2001173489A JP 36269099 A JP36269099 A JP 36269099A JP 36269099 A JP36269099 A JP 36269099A JP 2001173489 A JP2001173489 A JP 2001173489A
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直噴式の火花点火機関において、暖機が完了
するまでの低温運転条件下での排気エミッション性能を
改善する。 【解決手段】 圧縮行程噴射を含み1燃焼サイクル内で
複数回の燃料噴射を行うことが可能な筒内燃料噴射式の
火花点火式内燃機関において、低温運転条件下では、燃
料噴射量が判定値以下のときには圧縮行程噴射のみによ
って燃料供給を行う。限定した量の圧縮行程噴射により
点火栓近傍に燃料を集中させて成層燃焼を行わせると共
に、低温のシリンダ壁面に付着する燃料量を減じて未燃
燃料分の排出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関し、特に筒内燃料噴射式機関の低温運転条件下
での排気エミッション性能を改善する排気浄化装置に関
する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】燃料を直接燃料室内に
噴射供給する筒内燃料噴射式の内燃機関では、冷間始動
時または暖機運転中等の低温運転条件下で、噴射燃料が
シリンダボア壁面に付着して排気エミッション性能を悪
化させるという問題がある。すなわち、シリンダボア壁
面の温度が高いときはいったん壁面に付着した燃料も点
火が行われるまでに気化し燃焼するので問題ないが、シ
リンダボア壁面の温度が低いと付着した燃料の一部が燃
焼終了までに気化できず、膨張行程後半から排気行程中
に気化してそのまま排出される。
【0003】このような課題に対し、特開平10−29
9539公報に開示されたものでは、シリンダボア壁面
への燃料付着量が少なくなる時期、具体的には吸気行程
中の上死点後30°〜60°のクランク角度範囲内で燃
料噴射を行うようにしている。また、特開平8−193
536公報に開示されたものでは、始動時の燃料噴射を
吸気行程噴射と圧縮行程噴射の2回に分けることで、シ
リンダボア壁面への燃料付着を引き起こす吸気行程噴射
の噴射量を少なくするようにしている。
【0004】しかしながら、いずれのものも吸気行程噴
射を行うので、点火までの間に燃焼室内に燃料が拡散し
てしまう。暖機完了後であれば火炎が燃焼室の隅々まで
伝播するので問題ないが、燃焼室の温度が低いときはク
エンチ領域が大きくなっており、クエンチ領域に入り込
んでしまった燃料は未燃のまま排出されることになる。
【0005】一方、圧縮行程噴射を行えば、シリンダボ
ア壁面への燃料付着量は少なくなり、かつ燃料が広く拡
散する前に燃焼が開始されるので良好な排気エミッショ
ン性能が得られると期待される。しかしながら、単に圧
縮行程噴射を行うと、特開平8−193536公報にも
記載されているように失火を発生させる等の新たな問題
を生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1の発明では、圧縮行程噴射を含み1燃焼サ
イクル内で複数回の燃料噴射を行うことが可能な筒内燃
料噴射式の火花点火式内燃機関において、冷間始動時お
よび暖機運転中を含む低温運転条件下では、燃料噴射量
が判定値以下のときには圧縮行程噴射のみによって燃料
供給を行うようにした。
【0007】請求項2の発明は、機関燃焼室に燃料を直
接噴射供給する燃料噴射ノズルと、燃料噴射ノズルに燃
料を圧送する燃料供給装置と、機関運転状態に応じて燃
料噴射ノズルの開弁時間、燃料噴射時期、燃料供給装置
の燃料圧力および点火時期を制御するコントローラとを
備え、吸気行程内での燃料噴射により均質燃焼を行わせ
る吸気行程噴射と、圧縮行程内での燃料噴射により成層
燃焼を行わせる圧縮行程噴射とを行うようにした筒内燃
料噴射式の火花点火式内燃機関において、前記コントロ
ーラを、機関温度に基づいて低温運転条件下にあること
を検出し、かつ燃料噴射量が判定値以下のときには、前
記圧縮行程噴射のみによって燃料供給を行うように構成
した。
【0008】請求項3の発明は、上記各発明において、
低温運転条件下での燃料噴射量が判定値よりも大きいと
きには、吸気行程噴射のみにより燃料供給を行うものと
した。
【0009】請求項4の発明は、上記請求項1または請
求項2の発明において、燃料噴射量の判定値を、エンジ
ン回転速度、エンジン冷却水温度、燃料圧力のうち少な
くとも1つに基づいて設定するものとした。
【0010】請求項5の発明は、上記請求項1または請
求項2の発明において、圧縮行程噴射のみによって燃料
を供給するときに、燃焼室内の平均空燃比を理論空燃比
よりもリーンとするものとした。
【0011】請求項6の発明は、上記請求項1または請
求項2の発明において、内燃機関のピストン冠面には圧
縮行程噴射時の燃料を保持しておくボウル状燃焼室を形
成したものとした。
【0012】請求項7の発明は、上記請求項6の発明の
燃料噴射量の判定値を、ボウル状燃焼室からの燃料こぼ
れ量が許容量以下となるように決定するものとした。
【0013】請求項8の発明は、上記請求項1または請
求項2の発明において、低温運転条件下では同一の目標
燃料噴射量に対して燃料圧力を高めるとともに燃料噴射
時間を減じて目標量の燃料噴射を行うようにした。
【0014】請求項9の発明は、上記請求項8の発明に
おいて、低温運転域内での温度が低いほど、燃料圧力の
上昇量および燃料噴射時間の短縮量を増やすようにし
た。
【0015】請求項10の発明は、上記請求項1または
請求項2の発明において、燃料噴射時期を、点火時まで
の圧縮行程噴射燃料の気化に要する時間と目標量の燃料
噴射に要する噴射時間とを用いて決定するものとした。
【0016】請求項11の発明は、上記請求項6の発明
の燃料噴射時期を、ボウル状燃焼室からの燃料こぼれ量
が許容量以下となるピストン位置を用いて決定するもの
とした。
【0017】
【作用・効果】本発明では、冷間始動以後の暖機運転中
など低温運転条件下では良好な燃焼性能が得られる比較
的燃料量の少ない運転状態でのみ圧縮行程噴射による燃
料供給を行い、燃料噴射量が多いときには吸気行程噴射
を行う。この切換えの判断基準となる燃料量の判定値は
燃焼室形状など機関の特性・仕様によって異なったもの
となるが、これは機関回転速度、冷却水温度、燃料圧力
などの基本的な運転状態を示す量に依存する値として予
め実験的に定めておくことができる。
【0018】低温運転条件下で圧縮行程噴射を行うと点
火時までの短い時間内にシリンダ内の燃料を点火栓の近
傍に集中させておくことができるので、シリンダボア壁
面への燃料の付着量を減じて排気エミッションを改善す
ることができる。この場合、ピストン冠面に付着する燃
料の量は増加するが、この付着燃料は火炎に直接さらさ
れて速やかに気化し燃焼すること、およびピストン冠面
はシリンダボア壁よりも昇温が早いので、シリンダボア
壁面に付着する燃料よりも排気エミッションへの影響は
少ない。
【0019】また、低温運転条件下で均質燃焼を行う場
合には空然比をリッチに設定しないと安定した燃焼が得
られないが、圧縮行程噴射により成層燃焼を行う場合は
点火栓近傍にリッチ混合気を集中させられるので燃焼室
内の平均空然比をリーンにすることが可能である。ま
た、これにより触媒コンバータを酸素過剰の排気が供給
されるのでその活性化を促進する効果も得られる。
【0020】ピストン冠面にボウル状燃焼室を備えた内
燃機関ではある程度の噴射燃料をボウル状燃焼室に保持
しておけるので、圧縮行程噴射は排気エミッション性能
の改善により大きな効果を発揮する。ただし、ボウル状
燃焼室から燃料がこぼれた場合、その燃料に火炎が伝播
せずに排気エミッション性能が悪化するおそれがある。
そこで、ボウル状燃焼室からの燃料のこぼれ量を許容量
以下に抑えられる燃料量のときに圧縮行程噴射を行う。
【0021】ボウル状燃焼室からどの程度の燃料がこぼ
れるかは燃料噴射時期およびピストン位置によっても影
響を受ける。そこで燃料噴射時期をボウル状燃焼室から
の燃料こぼれ量が許容量以下となるピストン位置に応じ
て予め定めておくことが望ましい。
【0022】燃料のこぼれを抑制しまたは燃料混合気の
成層化を促進するためには燃料噴射時期はできるだけ遅
らせたほうがよいが、遅らせすぎると点火までの燃料気
化状態が不十分で失火を起こすおそれを生じる。したが
って燃料噴射時期を定めるにあたっては燃料の気化に要
する時間と、目標量の燃料を噴射するのに要する時間と
を考慮に入れ、すなわち点火までに燃料噴射と燃料気化
に要する時間が確保できるタイミングで燃料噴射を開始
することが望ましい。
【0023】一方、所要量の燃料噴射に要する時間は燃
料噴射ノズルの開弁時間と燃料噴射ノズルに供給する燃
料圧力との関係で定まり、一定の要求燃料量に対して燃
料圧力を高めるほど燃料噴射に要する時間は短くなる。
また、低温時にはフリクションに対抗するために一般に
燃料増量を行う必要があり、噴射時間としては増大傾向
となる。そこで、圧縮行程噴射時には燃料圧力を高めて
燃料噴射時間の短縮化を図ることが望ましい。燃料噴射
時間を短縮するほど遅いタイミングで燃料を噴射できる
ので、それだけ燃料混合気の成層化を促進しかつボウル
状燃焼室からの燃料のこぼれ量を少なくすることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。図1は本発明を適用した内燃機関の構
成例である。図において、1は直噴式火花点火機関の本
体(以下「エンジン」という。)、2と3はそれぞれそ
の吸気通路と排気通路である。4は排気通路3の途中に
設けられた触媒コンバータ、5は燃料タンク、6は燃料
ポンプ、7は燃料ポンプ6を駆動するモータ、9は点火
栓、10はエンジン1の燃焼室内に直接燃料を噴射供給
するように設けられた燃料噴射ノズルである。モータ7
はイグニッションスイッチがONであるときに作動して
燃料ポンプ6を駆動し、燃料タンク5の燃料を所定の圧
力で燃料噴射ノズル10に供給する。モータ7に供給さ
れる電力はコントローラ23からの燃料圧力信号により
可変的に制御され、これにより燃料噴射ノズル10に供
給される燃料圧力は燃料圧力センサ19からの検出値を
フィードバックしながらそのときの運転状態に応じた目
標値に制御される。
【0025】12はエンジン吸入空気量を検出するエア
フローメータ、13はスロットルチャンバ、14はスロ
ットルバルブ、15はスロットルバルブを駆動するスロ
ットルアクチュエータである。16はスロットルバルブ
14の開度を検出するスロットル開度センサ、20はエ
ンジン冷却水温度を検出する水温センサ、21はエンジ
ンクランク軸の位置および回転速度を検出するクランク
角センサ、22はアクセルペダルの踏み込み操作量を検
出するアクセル開度センサである。
【0026】コントローラ23は、上記燃料圧力に加え
て、各種運転状態信号に基づいて、燃料噴射量、燃料噴
射時期、点火時期、スロットル開度等を総合的に制御す
る。例えば、詳細は後述するが、燃料噴射量制御を例に
とると、コントローラ23はエアフローメータ12から
の吸入空気量信号とクランク角センサ21からのエンジ
ン回転速度信号とから基本燃料噴射量を算出し、これを
冷却水温度、燃料圧力、スロットル開度等により補正し
て得た噴射量信号を噴射パルスとして燃料噴射ノズル1
0に出力する。燃料噴射量は基本的には燃料噴射ノズル
10の開弁時間(噴射パルス幅)と燃料圧力との関数と
して決まるので、これらのパラメータに基づいて目標と
する燃料量となるように演算またはテーブル検索により
燃料噴射パルス幅の設定および補正を行う。
【0027】一方、コントローラ23では、エンジン運
転状態に応じて燃料噴射時期を変化させることによって
複数の運転モードないし燃焼状態を制御する。第一には
均質燃焼のモードであり、この場合は燃料を吸入行程内
で噴射供給することにより着火までの間に燃焼室および
シリンダ内に十分に燃料を拡散させ、均質な混合気を形
成して燃焼を行わせる。第二には成層燃焼のモードであ
り、この場合は燃料を圧縮行程に入ってから噴射供給
し、点火栓近傍に濃混合気を集中させて成層燃焼を行わ
せる。吸入行程噴射は主として大きな出力を要するとき
に行い、圧縮行程噴射は主として部分負荷での燃費およ
び排気エミッションを改善するときに行う。
【0028】ところで、すでに述べたように、このよう
な直噴式エンジンにおいて、エンジンが冷えているとき
の始動時および暖機運転の間は燃焼室およびシリンダの
壁面にクエンチ領域が生じるため吸入行程噴射を行うと
未燃燃料の排出量が増え、これに対して圧縮行程噴射の
みで対応しようとすると燃料量によっては運転安定性が
損なわれるほか、やはり排気エミッションが悪化するお
それがある。そこで本発明では、低温運転条件下では良
好な燃焼性能が得られる比較的燃料量の少ない運転状態
でのみ圧縮行程噴射による燃料供給を行うことによりこ
うした問題点を解消する。以下にそのためのコントロー
ラ23における制御動作の一例につき、図2以下に示し
たフローチャートに沿って説明する。なお、図2以下に
示したフローチャートは、イグニッションスイッチがO
Nとなっている間コントローラ23により周期的、例え
ば約10ms毎に実行される制御ルーチンを示してい
る。
【0029】まず、図2に示した燃料圧力制御ルーチン
について説明する。燃料圧力は既述したように燃料噴射
量に関連しており、燃料噴射ノズル10の開弁時間が一
定であれば燃料圧力を高めるほど燃料噴射量は増大す
る。燃料噴射量一定とすれば燃料圧力を高めるほど噴射
に要する時間が短縮されるので燃料霧化および成層燃焼
のためには有利となる。ここでは、低温運転条件下で比
較的高圧の圧縮行程噴射による成層燃焼を行わせるにあ
たり、実際の燃料圧力Pfが目標燃料圧力TPfと一致
するように、モータ7への供給電力をフィードバック制
御する。また、実際の燃料圧力Pfに基づいて有効な燃
料噴射が行えるか否かを判断し、フラグFPfを設定す
る処理を行う。
【0030】まずS101にて水温センサ20の出力信
号から水温Twを、燃料圧力センサ19の出力信号から
実際の燃圧Pfをそれぞれ読み込む。次にS102にて
水温Twが所定値Twth1より低いか否かを判断す
る。ここで水温Twが所定値Twth1より低いと判断
された場合、S103にて目標燃圧TPfを高圧設定値
TPfHに設定する。水温Twが低いときはフリクショ
ンに対抗するために燃料噴射量が多くなるので、目標燃
圧TPfを高く設定して燃料噴射パルス幅の短縮化と燃
料の微粒化を図る。これにより、始動時または暖機完了
前の低温運転条件下での成層燃焼を最適化する。なお、
水温Twが所定値Twth1より低い場合、水温Twが
低くなるほど目標燃圧TPfが高くなるように設定して
もよい。一方、S102にて水温Twが所定値Twth
1より高いと判断された場合、S104にて目標燃圧T
Pfを通常設定値TPfLに設定する。
【0031】次に、S105にて、このようにして得た
目標燃圧TPfと実際の燃圧Pfとに基づき、燃圧制御
値を算出する。すなわち、実際の燃圧Pfが目標燃圧T
Pfより低い場合は燃圧制御値を増大させ、反対に実際
の燃圧Pfが目標燃圧TPfより高い場合は燃圧制御値
を減少させる。算出された燃料制御値に応じた信号は燃
料ポンプ6を駆動するモータ7の制御回路に送られ、バ
ッテリからモータ7へ供給される電力が調整される。こ
のような制御により、燃料供給回路内の燃圧Pfをほぼ
目標燃圧TPfに一致させることができる。
【0032】一方、S106では実際の燃圧Pfが下限
圧力に相当する基準値Pfthより低いか否かを判断
し、実際の燃圧Pfが基準値Pfthより低いと判断さ
れた場合、このような場合にはどのようなモードで燃料
噴射を行っても失火する可能性が高いことから、S10
7にて燃料噴射許可フラグFPfを噴射禁止を意味する
0にセットする。なお通常時はイグニッションスイッチ
がONとなった直後のみフラグFPfが0となる。これ
に対して、実際の燃料Pfが基準値Pfthより高いと
判断された場合には、S108にてフラグFPfを噴射
許可を意味する1にセットする。この燃料噴射許可フラ
グFPfは他の制御ルーチンからも参照可能とするた
め、コントローラ内のメモリにその値を記憶させる。
【0033】図3は目標燃焼圧トルク演算ルーチンであ
る。ここでは目標燃焼圧トルクすなわち燃焼によって発
生させるべき出力トルクを算出し、これにより暖機運転
の間の燃料噴射量増量制御等を行う。
【0034】まずS201にて、クランク角センサ21
の信号からエンジン回転速度Neを、アクセル開度セン
サ22の信号からアクセル開度APSを、水温センサ2
0の信号から水温Twを、それぞれ読み込む。次に、S
202にてスタータスイッチがOFFであるか否かを判
断する。本ステップの判断がNOである場合、すなわ
ち、スタータモータによるクランキング中であると判断
された場合、目標燃焼圧トルクの算出を行わずに本ルー
チンを終了する。これに対して、スタータスイッチがO
FFであればエンジン始動完了後の運転状態であるの
で、S203にてエンジン回転速度Neとアクセル開度
APSとから目標燃焼圧トルクの基本値TTC1を求め
る。TTC1は、エンジン運転者の要求出力を表す値で
あり、例えばNeとAPSに基づいて制御マップを検索
することで設定される。なお、アイドル運転条件、すな
わちエンジン回転速度Neが所定値より低くアクセル開
度APSがほぼ0が成立しているとき、TTC1は0と
される。
【0035】次に、S204にて、エンジン回転速度N
eと水温Twとから目標燃焼圧トルクのフリクション補
正値TTC2を算出する。TTC2は、エンジンフリク
ションと釣り合う出力、換言すると無負荷条件下で現在
のエンジン回転速度Neをそのまま維持するのに必要な
出力を表す値である。水温Twが低いときは、摺動部分
の潤滑を行うオイルの粘度が大きく、フリクションも大
きくなる。よって、水温Twが低いほどTTC2は大き
く設定される。このような補正により、水温Twが低い
ときには燃料噴射量が増量される。
【0036】S205では、上述のアイドル運転条件が
成立しているか否かを判断する。アイドル運転条件が成
立していると判断された場合は、S206にて目標アイ
ドル回転速度TNeを水温Twに基づいて算出する。水
温Twが低いときは、エンジン回転が不安定になりやす
いので、水温Twが低いときほど目標アイドル回転速度
TNeは高く設定される。
【0037】次のS207では、目標アイドル回転速度
TNeと実際のエンジン回転速度Neとに基づき、目標
燃焼圧トルクのアイドル回転フィードバック補正値TT
C3を算出する。具体的には、目標アイドル回転速度T
Neと実際のエンジン回転速度Neとの差(TNe−N
e)に所定のゲインを乗じてTTC3を求める。TNe
>NeであればTTC3は正の値となり、反対にTNe<
NeであればTTC3は負の値となる。このような目標
燃焼圧トルクのフィードバック制御により、アイドル運
転時のエンジン回転速度Neを目標アイドル回転速度T
Neに収束させる。一方、S205にてアイドル運転条
件が成立していないと判断された場合は、目標燃焼圧ト
ルクのアイドル回転フィードバック補正値TTC3を0
とする。
【0038】最後に、S209にてTTC1〜TTC3
を加算して最終的な目標燃焼圧トルクTTCを算出し、
算出したTTCをS210にてコントローラ23内のメ
モリに記憶させる。
【0039】図4は上述した運転モードの設定ルーチン
であり、この場合は運転状態に応じて次の4つのモード
にそれぞれそのモードを指示するフラグFmの値を割り
当てている。 ・Fm=0:始動時または暖機完了前に均質燃焼を行う
モード(以下、コールド均質モードという。)で、空燃
比は理論空燃比よりもリッチとする。 ・Fm=1:始動時または暖機完了前に成層燃焼を行う
モード(以下、コールド成層モードという。)で、空燃
比は理論空燃比よりもリーンとする。 ・Fm=2:暖機完了後に均質燃焼を行うモード(以
下、通常均質モードという。)で、空燃比は理論空燃比
または理論空燃比よりもリッチとする。 ・Fm=3:暖機完了後に成層燃焼を行うモード(以
下、通常成層モードという。)で、空燃比は理論空燃比
よりもリーンとする。
【0040】始動時または暖機完了前に均質燃焼を行わ
せるべく吸気行程噴射すると、温度の低いシリンダボア
壁面に付着した燃料の一部が燃焼終了までに気化でき
ず、膨張行程後半から排気行程中に気化してそのまま排
出され、エミッションを悪化させる。これに対し、成層
燃焼を行わせるべく圧縮行程噴射すると、シリンダボア
壁面に付着する燃料の量が大幅に減少し、エミッション
が良好となる。なお、ピストン冠面またはピストン冠面
上に形成されたボウル状燃焼室の壁面に付着する燃料の
量は増加するが、この付着燃料は火炎に直接さらされて
速やかに気化し燃焼すること、およびピストン冠面はシ
リンダボア壁よりも昇温が早いこと等の要因により、シ
リンダボア壁面に付着する燃料よりも排気エミッション
への悪影響は少ない。ただし、ボウル状燃焼室を有する
場合には、ボウル状燃焼室からの燃料のこぼれが発生し
た場合、こぼれた燃料には火炎が伝播せず、こぼれる燃
料量によっては排気エミッション性能が悪化するおそれ
がある。また、点火実行時点における燃料の気化状態が
不十分である場合、失火が発生して排気エミッションを
より悪化させるおそれを生じる。
【0041】これらの点を考慮し、以下に述べるように
この制御では始動時または暖機完了前において、ボウル
状燃焼室からの燃料のこぼれ量を少量に抑え、かつ点火
実行までに燃料を十分気化させることができると判断で
きる場合にコールド成層モードを選択し、それ以外のと
きはコールド均質モードを選択するようにしている。
【0042】まずS301にてクランク角センサ21の
信号からエンジン回転速度Neを、水温センサ20の信
号から水温Twを、燃料圧力センサ19の信号から燃圧
Pfを、コントローラ23内のメモリから目標燃焼圧ト
ルクTTCを、それぞれ読み込む。
【0043】次に、S302にてスタータスイッチがO
Nであるか否かを判断する。スタータスイッチがONの
ときは始動クランキング時であり、このときは水温Tw
に基づいて燃焼モード判定用の燃料噴射量mTi1を求
める。具体的には、Twに対応させてmTi1の値を記
憶させてある制御テーブルから値を検索する。このテー
ブル値は、Twが低いほどmTi1が多くなる特性が設
定されている。なお、ここで使用する制御テーブルの内
容は、後述の始動時Ti制御テーブルの内容と同じであ
る。
【0044】一方、S302にてスタータスイッチがO
FF、つまり始動完了後であると判断された場合は、S
304にて水温Twが所定値Twth2より低いか否か
を判断する。所定値Twth2はエンジンの暖機を判定
するための値で、水温Twが所定値Twth2より低い
ときは暖機完了前であると判断する。ここで水温Twが
所定値Twth2より低いと判断された場合は、S30
5にて目標燃焼圧トルクTTCに基づいて燃焼モード判
定用の燃料噴射量mTi1を算出する。TTCが大きい
ほどmTi1は大きくなる特性が設定されている。
【0045】次に、S306にて、燃圧Pfに基づい
て、燃焼モード判定用の燃料噴射量mTi1を燃焼モー
ド判定用の燃料噴射パルス幅mTi2に換算する。燃圧
Pfが高くなるほど燃料噴射ノズル10の単位開弁時間
当たりの燃料噴射量が多くなるので、燃圧Pfが高くな
るほどmTi2は短い時間となる。
【0046】次のS307では、燃焼モード判定用の燃
料噴射パルス幅mTi2、エンジン回転速度Ne、水温
Tw、燃圧Pfに基づいて、燃料噴射パルス幅判定値T
ithを算出する。Tithは、圧縮行程噴射を行った
ときに、ボウル状燃焼室からの燃料のこぼれ量を少量に
抑え、かつ点火実行までに燃料を十分気化させることが
できる最大の燃料噴射パルス幅を表す。なおその具体的
な算出方法は図6を用いて後述する。
【0047】S308では、燃焼モード判定用の燃料噴
射パルス幅mTi2が燃料噴射パルス幅判定値Tith
より大きいか否かを判断する。ここでmTi2がTit
hより大きいと判断された場合は、圧縮行程噴射を行う
とエミッションが悪化すると推定されるので、S309
にてコールド均質モードを選択する。これに対して、m
Ti2がTith以下であると判断された場合は、S3
10にてコールド成層モードを選択する。
【0048】S304で水温Twが所定値Twth以上
(暖磯完了)であると判断された場合は、S311に
て、図5に示したような通常運転時の燃焼モード設定マ
ップを参照して、現在の運転条件(Ne、TTC)が均
質燃焼領域内にあるか否かを判断する。ここで均質燃焼
領域内であればS312にて通常均質モードを選択し、
均質燃焼領域内でなければS313にて通常成層モード
を選択する。最後に、こうして設定した燃焼モードフラ
グFmの値をコントローラ23内のメモリに記憶させ
る。
【0049】上記S307での燃料噴射パルス幅判定値
演算の詳細を図6に示す。ここではまずS321にて燃
焼モード判定用の燃料噴射パルス幅mTi2とエンジン
回転速度Neとから、燃焼モード判定用の点火時期mA
DVを求める。具体的には、mTi2とNeに対応させ
てmADVの値を記憶させてある制御マップから値を検
索する。なお、ここで使用する制御マップの内容は、後
述の成層燃焼用基本ADV制御マップの内容と同じであ
る。
【0050】次に、S322にてエンジン回転速度Ne
に基づいて、燃料噴射開始可能時期mITを算出する。
圧縮行程噴射を行う場合にボウル状燃焼室から燃料がこ
ぼれるか否かには、燃料噴射を開始する時期とそのとき
のピストンの位置が関連する。すなわち、燃料噴霧がピ
ストンに到達したときピストンが所定の位置(ボウル状
燃焼室がおおむね噴霧の半分以上を保持する位置)より
上方にあればこぼれ量を少量に抑えることができる。こ
のときの燃料噴射開始時期を燃料噴射開始可能時期mI
Tとして算出する。mITはNeが高いほど進角側に設
定される特性である。
【0051】次に、S323にて、エンジンのクランク
軸が燃料噴射開始可能時期mITから燃焼モード判定用
の点火時期mADVまで回転するのに要する時間TAを
算出する。燃焼モード判定用の点火時期mADVと燃料
噴射開始可能時期mITとの差は、この間のクランク回
転角を表すので、これをエンジン回転速度Neに基づい
て時間に換算すればTAを算出することができる。
【0052】また、S324にて、水温Twと燃圧Pf
とに基づいて、噴射された燃料が十分に気化するのに要
する気化時間TBを算出する。気化時間TBは、燃焼室
内の温度が低いほど長くなる一方、燃圧Pfが高いほど
噴霧の燃料粒径が小さくなるので短くなる特性に設定さ
れている。なお燃焼室内の温度は冷却水温から推定する
ことができる。
【0053】最後に、S325で時間TAから気化時間
TBを減算して燃料噴射パルス幅判定値Tithを算出
する。燃料噴射開始可能時期mITに噴射を開始し、点
火より気化時間TBだけ早期に噴射を終了させるときの
噴射実行時間がTithである。
【0054】次に、図7により目標当量比演算すなわち
理論空燃比と目標空燃比との比TFBYAを算出する処
理につき説明する。このTFBYAは図8以下の処理に
おいてスロットル開度および燃料噴射量を演算するため
に用いられる。
【0055】まず、S401にて、クランク角センサ2
1の信号からエンジン回転速度Neを、水温センサ20
の信号から水温Twを、コントローラ23内のメモリか
ら目標燃焼圧トルクTTCと燃焼モードフラグFmの値
を、それぞれ読み込む。
【0056】次に、S402にてスタータスイッチがO
FFであるか否かを判断する。本ステップの判断がNO
すなわち始動クランキング中であるときは、目標当量比
TFBYAを用いた燃料噴射量の算出を行わないので、
目標当量比TFBYAの算出を行わずに本ルーチンを終
了する。
【0057】これに対して、スタータスイッチがOFF
の始動完了後には、次のS403にて燃焼モードフラグ
Fmが0であるか否か、すなわちコールド均質モードが
選択されているか否かを判断する。ここで燃焼モードフ
ラグFmが0のコールド均質モードが選択されていると
きには、S404にて水温Twに基づいてコールド均質
モード用の目標当量比TFBYA0を算出する。このT
FBYA0は、空然比を理論空然比よりもリッチとする
値(1より大)であり、水温Twが低いほどリッチの度
合いが大きくなるような特性が設定されている。次い
で、S405では前記TFBYA0を、最終的な目標当
量比TFBYAに設定する。
【0058】一方、燃焼モードフラグFmが0でないと
きは、S406にてさらに燃焼モードフラグFmが1で
あるか否か、すなわちコールド成層モードが選択されて
いるか否かを判断する。ここで燃焼モードフラグFmが
1であるときは、S407にて水温Twに基づいてコー
ルド成層モード用の目標当量比TFBYA1を算出し、
これをS408にて最終的な目標当量比TFBYAに設
定する。前記TFBYA1は、空然比を理論空添比より
もリーンとする値(1未満)であり、水温Twが高いほ
どリーンの度合いが大きくなるような特性が設定されて
いる。始動時または暖磯完了前に均質燃焼を行う場合
は、空然比をリッチに設定しないと安定した燃焼が得ら
れないが、成層燃焼を行う場合は、点火栓近傍にリッチ
混合気を集中させつつ燃焼室内の平均空然比をリーンに
することができるので、触媒コンバータ4に酸素過剰な
排気を送ることが可能となって触媒コンバータ4の早期
活性化にも寄与する。
【0059】もし燃焼モードフラグFmが0または1の
何れでもないときは、S409の処理に移り、ここで通
常運転用の目標当量比設定マップ(図5)から、エンジ
ン回転速度Neと目標燃焼圧トルクTTCとに基づい
て、通常運転用の目標当量比TFBYA23を検索し、
これをS410にて最終的な目標当量比TFBYAに設
定する。なお、前記の目標当量比設定マップは燃焼モー
ド設定マップと同一のもので、成層燃焼領域には空然比
を理論空然比よりもリーンとする値(1未満)が書き込
まれており、均質燃焼領域には空然比を理論空然比また
は理論空然比よりもリッチとする値(1以上)が書き込
まれている。
【0060】最後に、S411にて最終的に設定した目
標当量比TFBYAをコントローラ23内のメモリに記
憶させる。
【0061】次に図8に示したスロットルバルブ制御ル
ーチンについて説明する。ここでは実際のスロットル開
度TVOが目標スロットル開度TTVOと一致するよう
に、スロットルアクチュエータ15へ送るスロットル開
度制御信号をフィードバック制御する。
【0062】まずS501にてクランク角センサ21の
信号からエンジン回転速度Neを、スロットル開度セン
サ16の信号からスロットル開度TVOを、コントロー
ラ23内のメモリから目標燃焼圧トルクTTCと燃焼モ
ードフラグFmの値と目標当量比TFBYAを、それぞ
れ読み込み、次いでS502にてスタータスイッチがO
Nであるか否かを判断する。
【0063】S502においてスタータスイッチがON
であると判断された場合、さらにS503にて燃焼モー
ドフラグFmが0(コールド均質モード)であるか否か
を判断する。この判断にて燃焼モードフラグFmが0で
あるときには、S504にて目標スロットル開度TTV
Oをコールド均質モードによる始動用のTTVO0に設
定する。TTVO0はスロットルバルブ14をほぼ全閉
状態とする所定値である。
【0064】これに対して、燃焼モードフラグFmが0
でないときは、コールド成層モードが選択されているは
ずであるから、S505にて目標スロットル開度TTV
Oをコールド成層モードによる始動用のTTVO1に設
定する。TTVO1はスロットルバルブ14を半開ある
いは全開状態とする所定値である。
【0065】また、S502でスタータスイッチがOF
Fであると判断された場合は、S506にて目標燃焼圧
トルクTTCと目標当量比TFBYAとから目標吸入空
気量TQaを算出し、次いでS507にて目標吸入空気
量TQaとエンジン回転速度Neとから目標スロットル
開度TTVOを算出する。
【0066】最後に、S508にて目標スロットル開度
TTVOと実際のスロットル開度TVOとに基づき、ス
ロットル開度のフィードバック制御値を算出する。すな
わち、実際のスロットル開度TVOが目標スロットル開
度TTVOより小さい場合はスロットル開度制御値を増
大させ、反対に実際のスロットル開度TVOが目標スロ
ットル開度TTVOより大きい場合はスロットル開度制
御値を減少させる。算出されたスロットル開度制御値に
応じた信号をスロットルアクチュエータ15に送ること
により、スロットル開度TVOを目標スロットル開度T
TVOに一致させる。
【0067】次に、図9により燃料噴射制御値演算ルー
チンについて説明する。これは、燃料噴射を実行する際
に必要となる制御値すなわち燃料噴射パルス幅Ti、燃
料噴射時期ITを算出する処理である。なお、本ルーチ
ンは制御値の算出のみを行うルーチンで、実際の燃料噴
射は、図示しない燃料噴射制御ルーチンにより、クラン
ク角センサ21のクランク角検出信号が燃料噴射時期I
Tと一致した時点から幅Tiの燃料噴射パルス信号を燃
料噴射ノズル10に送るという処理により実行される。
【0068】まず、S601にてエアフローメータ12
の信号から吸入空気量Qaを、クランク角センサ21の
信号からエンジン回転速度Neを、水温センサ20の信
号から水温Twを、燃料圧力センサ19の信号から燃圧
Pfを、コントローラ23内のメモリから燃料噴射許可
フラグFPfと燃焼モードフラグFmの値と目標当量比
TFBYAを、それぞれ読み込む。
【0069】次に、S602にて燃料噴射許可フラグF
Pfが1(燃料噴射を許可)であるか否かを判断する。
本ステップの判断がNO(燃料噴射禁止)であった場
合、S619にて燃料噴射パルス幅Tiを0に設定し、
本ルーチンを終了する。これに対して、S602での判
断がYES(燃料噴射許可)であった場合には、次いで
S603にてスタータスイッチがONであるか否かを判
断する。
【0070】S603にてスタータSWがONであると
判断された場合は、S604に進み、水温Twに基づい
て燃料噴射量Ti0を算出する。具体的には、Twに対
応させてTi0の値を記憶させてある始動時Ti制御テ
ーブルから値を検索する。これに対してスタータスイッ
チがOFFであると判断された場合は、S605および
S606にてエンジン回転速度Ne、吸入空気量Qa、
比例定数Kから、基本燃料噴射量Tpを算出し、これに
目標当量比TFBYAを乗じて燃料噴射量Ti0を算出
する。前記Tpは、燃焼室内の平均空然比を理論空然比
とするときの燃料噴射量である。次いでS607にて、
前述のようにして決定した燃料噴射量Ti0を燃圧Pf
に基づいて燃料噴射パルス幅Tiに換算する。
【0071】次に、S608にて燃焼モードフラグFm
が0(コールド均質モード)であるか否かを判断する。
この判断において燃焼モードフラグFmが0であったと
きは、S609にて燃料噴射パルス幅Tiとエンジン回
転速度Neとに基づいてコールド均質モード用の燃料噴
射時期IT0を算出し、最後にS610にてこれを最終
的な燃料噴射時期ITとして設定する。前記S609の
処理は、具体的にはTiとNeに対応させてIT0の値
を記憶させてあるコールド均質モード用IT制御マップ
から値を検索する。IT0のマップ値は、吸気行程のク
ランク角範囲内で、燃焼室に流入してくる空気と燃料と
の混合が良好となり、かつ、シリンダボア壁面への燃料
付着量が最少となる時期を予め実験的に確認して得た値
である。
【0072】S608で燃焼モードフラグFmが0でな
いと判断されたときは、さらにS611にて燃焼モード
フラグFmが1(コールド成層モード)であるか否かを
判断する。燃焼モードフラグFmが1であるときは、S
612にて燃料噴射パルス幅Ti、エンジン回転速度N
e、水温Tw、燃圧Pfに基づいてコールド成層モード
用の燃料噴射時期IT1を算出する。このときの燃料噴
射時期の算出方法の詳細は図10により後述する。次の
S613では、S612で算出した燃料噴射時期IT1
を最終的な燃料噴射時期ITとして設定する。
【0073】一方、S608、S611で燃焼モードフ
ラグFmが0、1の何れでもないと判断されたときは、
さらにS614にて燃焼モードフラグFmが2(通常均
質モード)であるか否かを判断する。燃焼モードフラグ
Fmが2であるときは、S615にて燃料噴射パルス幅
Tiとエンジン回転速度Neとに基づいて通常均質モー
ド用の燃料噴射時期IT2を算出し、S616にてこれ
を最終的な燃料噴射時期ITとして設定する。前記S6
15の処理は、具体的にはTiとNeに対応させてIT
2の値を記憶させてある通常均質モード用IT制御マッ
プから値を検索する。IT2のマップ値は、吸気行程の
クランク角範囲内で、燃焼室に流入してくる空気と燃料
との混合が良好となる時期を予め実験的に確認して得た
値である。
【0074】もしS608、S611、S614で燃焼
モードフラグFmが0〜2の何れでもないと判断された
ときは通常成層モード選択中であるから、S617の処
理として燃料噴射パルス幅Tiとエンジン回転速度Ne
とに基づいて通常成層モード用の燃料噴射時期IT3を
マップ検索から求め、これをS618にて最終的な燃料
噴射時期ITとして設定する。前記IT3のマップ値
は、圧縮行程のクランク角範囲内で、ピストン上に形成
されたボウル状燃焼室内にほぼ理論空然比の混合気層が
形成され、安定した燃焼と良好な排気特性の得られる時
期を予め実験的に確認して得た値である。
【0075】このようにして最終的に設定された燃料噴
射パルス幅Tiと燃料噴射時期ITは、それぞれS62
0にてコントローラ23内のメモリに記憶される。な
お、S602での判断がNOすなわち燃料噴射禁止であ
る場合、燃料噴射パルス幅Tiは0に設定される。
【0076】図10は上記S612で実行されるコール
ド成層モード燃料噴射時期の演算ルーチンの詳細を示し
たものである。
【0077】この処理では、まずS631にて燃料噴射
パルス幅Tiとエンジン回転速度Neとから、噴射時期
演算用の点火時期itADVを算出する。具体的には、
TiとNeに対応させてitADVの値を記憶させてあ
る制御マップから値を検索する。次いで、S632に
て、水温Twと燃圧Pfとに基づいて、噴射された燃料
が十分に気化するのに要する気化時間TBを算出する
(S324と同じ)。
【0078】次のS633では、燃料噴射パルス幅Ti
と気化時間TBとの和を、エンジン回転速度Neに基づ
いてクランク回転角Cに変換し、さらにS634にて点
火時期itADVよりクランク回転角Cだけ進角側のク
ランク角位置をコールド成層モード用の燃料噴射時期I
T1に設定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なエンジンの一実施形態の概
略を示す構成図。
【図2】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第1の流れ図。
【図3】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第2の流れ図。
【図4】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第3の流れ図。
【図5】上記実施形態の処理において用いるマップの一
例の説明図。
【図6】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第4の流れ図。
【図7】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第5の流れ図。
【図8】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第6の流れ図。
【図9】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処理
内容を示す第7の流れ図。
【図10】本発明による排気浄化制御の一実施形態の処
理内容を示す第8の流れ図。
【符号の説明】
1 エンジン」という。 2 吸気通路 3 排気通路 4 触媒コンバータ 5 燃料タンク 6 燃料ポンプ 7 燃料ポンプのモータ 9 点火栓 10 燃料噴射ノズル 12 エアフローメータ 13 スロットルチャンバ 14 スロットルバルブ 15 スロットルアクチュエータ 16 スロットル開度センサ 19 燃料圧力センサ 20 水温センサ 21 クランク角センサ 22 アクセル開度センサ 23 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 博文 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 岡田 圭司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA17 AA24 AA28 BA15 CB02 CB03 DA05 DA06 DB10 DC03 EA01 EA05 EA07 EA16 FA04 3G301 HA01 HA04 HA16 JA21 JA26 KA05 LA03 LB04 MA01 MA12 MA19 NA08 NB14 NC01 ND04 NE03 NE08 NE15 NE16 PA01Z PA11Z PB03A PB03Z PB08Z PB10A PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮行程噴射を含み1燃焼サイクル内で複
    数回の燃料噴射を行うことが可能な筒内燃料噴射式の火
    花点火式内燃機関において、 冷間始動時および暖機運転中を含む低温運転条件下で
    は、燃料噴射量が判定値以下のときには圧縮行程噴射の
    みによって燃料供給を行うようにした内燃機関の排気浄
    化装置。
  2. 【請求項2】機関燃焼室に燃料を直接噴射供給する燃料
    噴射ノズルと、燃料噴射ノズルに燃料を圧送する燃料供
    給装置と、機関運転状態に応じて燃料噴射ノズルの開弁
    時間、燃料噴射時期、燃料供給装置の燃料圧力および点
    火時期を制御するコントローラとを備え、吸気行程内で
    の燃料噴射により均質燃焼を行わせる吸気行程噴射と、
    圧縮行程内での燃料噴射により成層燃焼を行わせる圧縮
    行程噴射とを行うようにした筒内燃料噴射式の火花点火
    式内燃機関において、 前記コントローラを、機関温度に基づいて低温運転条件
    下にあることを検出し、かつ燃料噴射量が判定値以下の
    ときには、前記圧縮行程噴射のみによって燃料供給を行
    うように構成した内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】低温運転条件下での燃料噴射量が判定値よ
    りも大きいときには、吸気行程噴射のみにより燃料供給
    を行う請求項1または請求項2の何れかに記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】燃料噴射量の判定値は、エンジン回転速
    度、エンジン冷却水温度、燃料圧力のうち少なくとも1
    つに基づいて設定する請求項1または請求項2の何れか
    に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】圧縮行程噴射のみによって燃料を供給する
    ときに、燃焼室内の平均空燃比を理論空燃比よりもリー
    ンとする請求項1または請求項2の何れかに記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】内燃機関のピストン冠面には圧縮行程噴射
    時の燃料を保持しておくボウル状燃焼室が形成されてい
    る請求項1または請求項2の何れかに記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  7. 【請求項7】燃料噴射量の判定値は、ボウル状燃焼室か
    らの燃料こぼれ量が許容量以下となるように決定される
    請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】低温運転条件下では同一の目標燃料噴射量
    に対して燃料圧力を高めるとともに燃料噴射時間を減じ
    て目標量の燃料噴射を行うようにした請求項1または請
    求項2の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】低温運転域内での温度が低いほど、燃料圧
    力の上昇量および燃料噴射時間の短縮量を増やすように
    した請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】燃料噴射時期を、点火時までの圧縮行程
    噴射燃料の気化に要する時間と目標量の燃料噴射に要す
    る噴射時間とを用いて決定する請求項1または請求項2
    の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】燃料噴射時期を、ボウル状燃焼室からの
    燃料こぼれ量が許容量以下となるピストン位置を用いて
    決定する請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011001831A (ja) * 2009-06-16 2011-01-06 Nippon Soken Inc 燃料到達距離推定装置及び燃料噴射制御装置
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JP2014173535A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法
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CN111535929A (zh) * 2020-05-08 2020-08-14 广西玉柴机器股份有限公司 基于燃油消耗量进行dpf再生补偿值的计算方法

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