JP4063129B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、燃料がピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈するいわゆるオイル希釈が発生することがある。
【0003】
このようなオイル希釈の発生を抑制するものとしては、筒内噴射型内燃機関にて吸気行程中に燃料噴射を行う場合に、内燃機関の燃焼室壁への燃料の付着し易さを表すパラメータに基づいて、燃料噴射開始時期を変更するようにしたものが従来より知られている(特許文献1を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−13428号公報(第3−4頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の制御装置においては、ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルと混じりあいエンジンオイルを希釈しているオイル希釈燃料の量について何ら考慮していないため、エンジンオイルと混じりあった燃料がエンジンオイルから蒸発してブローバイシステム等から吸気系に吸入されると、空燃比が過度に過濃(燃料リッチ)となって運転性や排気性能に悪影響を及ぼす虞がある。
【0006】
また、内燃機関の燃焼室壁への燃料の付着し易さを表すパラメータに基づいて、燃料噴射開始時期を変更するようにしても、完全にオイル希釈を防止できるわけではなく、ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出す燃料の漏れ出し流量が大きい場合には、燃焼室内で実際に燃焼する燃料量が減少することになり、空燃比が過度に希薄(エアリッチ)となって、運転性や排気性能に悪影響を及ぼす虞がある。
【0007】
つまり、オイル希釈燃料量を正確に把握し、オイル希釈燃量に応じて内燃機関を制御することが重要となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における内燃機関の制御装置は、運転状態から算出されたオイル希釈燃料量の増加量と、運転状態及び排気空燃比偏差から算出されたオイル希釈燃料量の減少量と、を積算してオイル希釈燃料量を算出する。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料の影響を精度良く扱うことができ、排気性能、運転性能の悪化を効果的に抑制することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示している。この内燃機関の制御装置は、内燃機関の空燃比制御が行えるものであって、エンジン本体1の燃焼室2には、吸気弁3を介して吸気通路4が接続されていると共に、排気弁5を介して排気通路6が接続されている。
【0011】
吸気通路4には、エアクリーナ7、吸入空気量を検出するエアフローメータ8、吸入空気量を制御するスロットル弁9及び吸気中に燃料を噴射供給する燃料噴射弁11が配設されている。
【0012】
燃料噴射弁11は、エンジンコントロールユニット12(以下、ECUと記す)からの噴射指令信号により運転条件に応じて所定の空燃比となるよう吸気中に燃料を噴射供給している。
【0013】
排気通路6には、排気中の酸素濃度を検出する空燃比検出手段としての酸素濃度センサ13と、三元触媒14が配設されている。
【0014】
三元触媒14は理論空燃比を中心とするいわゆるウィンドウに空燃比がある場合に最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できるため、ECU12では、三元触媒14の上流側に設けた酸素濃度センサ13からの出力に基づいて排気空燃比が上記のウィンドウの範囲内で変動するように空燃比のフィードバック制御を行う。
【0015】
また、ECU12には、エンジン本体1の冷却水温度を検知する水温センサ15、エンジン回転数を検出するクランク角センサ16、外気温を検知する外気温センサ17及び車両速度を検知する車速センサ18からの信号が入力されている。
【0016】
ここで、エンジン運転中において、燃料の一部がシリンダの内壁面に付着し、ピストンとシリンダとの隙間から漏れだしてエンジンオイルを希釈するいわゆるオイル希釈が発生すると、燃焼室2内で燃焼する燃料量が減少することなり、空燃比が過度に希薄(エアリッチ)となって、運転性や排気性能の悪影響を及ぼす虞がある。また、オイル希釈によりエンジンオイルを希釈している燃料が、エンジンオイルから蒸発し、ブローバイシステム等から吸気系に吸入されると、空燃比が過度に過濃(燃料リッチ)となって、運転性や排気性能の悪影響を及ぼす虞がある。
【0017】
そこで、本発明の第1実施形態における内燃機関の制御装置は、オイル希釈によりエンジンオイルに混入したオイル希釈燃料量OFを以下の手順により推定する。
【0018】
図2に示すフローチャートは、所定時間毎に実行されるものであって、オイル希釈燃料量OFを求める全体のフローチャートを示している。
【0019】
第1サブルーティン(詳細は後述)からなるステップ1(以下、単にSと表記する)では、排気空燃比偏差の誤推定量Mを算出する。
【0020】
第2サブルーティン(詳細は後述)からなるS2では、オイル希釈燃料量の増加量Aを算出する。
【0021】
第3サブルーティン(詳細は後述)からなるS3では、オイル希釈燃料量の減少割合Bを算出する。
【0022】
S4では、S1で算出された排気空燃比偏差の誤推定量Mと、S3で算出された減少割合Bとを用いてオイル希釈燃料量の減少量BOF、すなわちオイル希釈燃料の蒸発量BOFを算出する。BOF=OFn-1B×M。ここでOFn-1は、前回算出されたオイル希釈燃料量である。また、前回算出されて現在ECU12内に記憶している減少量BOFn-1は今回算出された減少量BOFに更新される。
【0023】
S5では、S4で算出されたオイル希釈燃料量の減少量BOFと、S2で算出されたオイル希釈燃料量の増加量Aとを用いて、オイル希釈燃料量の変化量COFを算出する。
【0024】
そして、S6にて、オイル希釈燃料量OFを算出する。OF=OFn-1+COF。また、前回算出されて現在ECU12内に記憶しているオイル希釈燃料量OFn-1は今回算出されたオイル希釈燃料量OFに更新される。
【0025】
図3に、上述した第1サブルーティン内の制御の流れを示す。
【0026】
S11では、酸素濃度センサ13の出力信号を基に算出された空燃比補正量としての空燃比フィードバック補正係数αを読み込む。空燃比フィードバック補正係数αの算出方法は、公知のいかなる算出方法でも使用可能であるため、これらの算出方法についての詳細な説明は省略する。
【0027】
S12では、基本噴射量Tp、目標当量比TFBYA(詳細は後述)及び壁流燃料の補正量を表す過渡補正係数KTRを用いて、BASE燃料噴射量TIBを算出する。TIB=Tp×TFBYA×KTR。
【0028】
ここでTpは、Tp=(Qa/Ne)Kであり、エンジン回転数Neとエアフローメータ8からの出力より得られる吸入空気量Qaとを用い、エンジン1回転当たりの吸入空気量(Qa/Ne)に所定の定数Kを掛けることによって算出されるものである。また、KTRは壁流燃料の補正量を表す過渡補正係数である。
【0029】
S13では、空燃比偏差推定値αBを算出する。空燃比偏差推定値αBは、現在記憶しているオイル希釈燃料量の減少量BOFn-1を所定時間のREF数で除した値、換言すれば、一回の燃料噴射当たりのブローバイ発生量に相当する値と、S12で算出したBASE燃料噴射量TIBとの和を、このBASE燃料噴射量TIBで除算することで算出される。すなわち、空燃比偏差推定値αBは、オイル希釈燃料量の減少量Bと燃料噴射量(基本噴射量Tp)との割合から算出されている。尚、本実施形態では、空燃比偏差推定値αBは、オイル希釈燃料量の減少量Bと燃料噴射量(基本噴射量Tp)との割合から算出されているが、燃料噴射量(基本噴射量Tp)の代わりにエアフローメータ8からの出力から得られる吸入空気量Qaを用い、オイル希釈燃料量の減少量Bと吸入空気量Qaとの割合から算出するようにしてもよい。
【0030】
そして、S14では、S13で算出したαBと、S11で読み込んだ空燃比フィードバック補正係数αを用い、次式(1)に従って排気空燃比偏差の誤推定量Mを算出する。
【0031】
【数1】
M=|(αB−1)/(α−1)| …(1)
図4に、上述した第2サブルーティン内の制御の流れを示す。
【0032】
S21では、MOFDマップ(後述)を参照し、増加量Aの増加率である燃料落ち割合Cを算出する。図5に、MOFDマップの特性例を示す。このMOFDマップは、エンジン温度としてのシリンダ壁温TC(詳細は後述する)とエンジン回転数Neとから、燃料落ち割合Cを算出するものであって、エンジン回転数Neが低いほど燃料落ち割合Cは大きくなり、また、シリンダ壁温TCが低いほど燃料落ち割合Cは大きくなっている。これは、エンジンが低回転では、ガス流動が小さくなり、燃料の気化微粒化が悪く、壁面に燃料が付着し易くなると考えられるためである。また、シリンダ壁温TCに関しては、燃料の揮発特性による。
【0033】
S22では、負荷補正テーブル(後述)を参照し、負荷補正率Dを算出する。図6に、負荷補正テーブルの特性例を示す。負荷補正テーブルは、エンジン負荷としてエアフローメータ8の出力より得られる吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとから求まる基本噴射量Tpから負荷補正率Dを算出するものであって、高負荷ほど燃焼室2での燃料の未燃分割合が多いため、負荷補正率Dは大きな値となる。これは圧力により燃料揮発性が変わることが影響すると考えられるためである。
【0034】
S23では、燃料落ち割合C、負荷補正率D、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷としてエンジンの運転状態によって決定される燃料噴射量Te(後述)を用いて増加量Aを算出する。
【0035】
図7に、上述した第3サブルーティン内の制御の流れを示す。この第3サブルーティンでは、S31にて、MOFUマップ(後述)を参照して、エンジンオイルからのオイル希釈燃料の蒸発率である減少割合Bを算出する。図8に、MOFUマップの特性例を示す。このMOFUマップは、オイル温度TOとエンジン回転数Neとから減少割合Bを算出するものである。減少割合Bとオイル温度TOとの相関性は、燃料の揮発性により、オイル温度TOが高いほど減少割合Bが大きくなる。また、減少割合Bとエンジン回転数Neとの相関性は、オイルポンプによるオイルの循環撹拌や、クランクシャフトのカウンターウェイトによるオイル撹拌により、エンジンオイル内の燃料の蒸発が促進されされることから、エンジン回転数Neが高いほど減少割合Bが大きくなる。
【0036】
次に、増加量Aを算出する際に用いるシリンダ壁温TCの予測制御フローを図9に示す。
【0037】
まず、S41にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時であるか否かを判定し、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかの場合には、S42に進み、シリンダ壁温TCの初期値TC0の値をエンジンの冷却水温Twと同値として、次回の演算での温度上昇に備えることとする。
【0038】
S41にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかでもないと判定されるとS43に進み、エンジンが燃料カット中であるか否かを判定し、エンジンが燃料カット中であればS44に進み、エンジンが燃料カット中でないならばS45に進む。
【0039】
エンジンが燃料カット中であれば、シリンダ壁温TCは、エンジン冷却水温Twに向け収束するので、S44にて、エンジン冷却水温Twからの温度上昇分平衡温度TCHをゼロとする(TCH=0)。
【0040】
一方、エンジンが燃料カット中でなければ、S45にて、MTCHマップ(後述)を参照して、シリンダ壁温TCとエンジン冷却水温Twとの温度差である温度上昇分平衡温度TCHを算出する。図10に、MTCHマップの特性例を示す。このMTCHマップは、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpとを用いて温度上昇分平衡温度TCHを算出するものである。温度上昇分平衡温度TCHは、燃焼温度と強い相関があるので、エンジン回転数Neが高く、基本噴射量Tpすなわちエンジン負荷が高いほど高い値となる。
【0041】
S46では、KTCマップ(後述)を参照して温度の時定数に相当する温度変化割合KTCを算出する。図11に、KTCマップの特性例を示す。このKTCマップは、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpを用いて温度変化割合KTCを算出するものである。温度変化割合KTCは、シリンダ壁への伝熱はガス流速が支配的なのでエンジン回転数Neの影響が大きく、基本噴射量Tpすなわちエンジン負荷に対しても圧力による伝熱の影響で感度を持っている。つまり、温度変化割合KTCは、エンジン回転数Neが高く、基本噴射量Tpが高いほど大きな値となる。
【0042】
尚、本実施例では、温度上昇分平衡温度TCHと温度変化割合KTCとを、エンジン回転数Neと基本噴射量Tpとを割り付けたマップから算出する方式を提示したが、精度要求が低いならエアフローメータ8からの検出信号である吸入空気量Qaを割り付けた算出テーブルをそれぞれ用意し、これら算出テーブルを用いて求めるようにしてもよい。
【0043】
次に、S47にて、温度上昇分平衡温度TCHと温度変化割合KTCから時々刻々の予測温度DTCを求める。この予測温度DTCは、エンジン冷却水温Twとの温度差であって、DTCn=DTCn-1+(TCH−DTCn-1)×KTCで表される。この式は、一時遅れの式であり、温度上昇分平衡温度TCHに対して、予測温度DTCを一時遅れで追従させるものである。一時遅れとしたのは、熱の逃げとのバランスにより理論上も割合一定で変わると思われることからで、発明者らが実測した経験のあるバルブ温度の上昇波形と同じであるとみなした。尚、DTCn-1は前回計算時の予測温度である。
【0044】
そして、S48にて、エンジン冷却水温Twに、S47で算出した予測温度DTCnを加えた値をシリンダ壁温TCnとし、シリンダ壁温TCの予測を終了する。すなわち、温度上昇分平衡温度TCH及び予測温度DTCは、エンジン冷却水温Twからの温度上昇量であるため、最後にエンジン冷却水温Twを加算するのである。
【0045】
尚、本実施形態では、シリンダ壁温TCを予測する例を示したが、これは安い原価でシステムを提供するためであり、温度センサをシリンダに埋め込んで直接シリンダ壁の温度を検出しても差し支えはないし、その方が精度が高いものとなる。
【0046】
次に、上述した図8のMOFUマップを用いてオイル減少割合B(オイル希釈燃料の蒸発率)を算出する際に用いるオイル温度TOの予測制御フローを図12に示す。
【0047】
S51にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時であるか否かを判定し、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかの場合には、S52に進み、TO0の値をエンジンの冷却水温Twと同値とする。
【0048】
S51にて、エンジン始動時もしくはECU12の初回通電時のいずれかでもないと判定されるとS53に進む。
【0049】
S53では、エンジンオイルとエンジン冷却水との熱流分TTWを、エンジン冷却水温度Twと、TTWSと、前回計算時のオイル温度TOn-1と、を用いて算出する。TTWn=(Tw−TOn-1)×TTWS。つまり、伝熱量は温度差と比例し、流速の関数であるので、エンジン回転数Neから求めたTTWSを乗算して求めるものである。
【0050】
図13は、TTWSの算出テーブルの特性例を示している。TTWSは、エンジン回転数Neに比例して大きな値となる。ここで、TTWSを算出する際にエンジン回転数Neを用いたのは、エンジン冷却水またはエンジン冷却水に接するシリンダブロック、シリンダヘッドと、エンジンオイルとの間に伝熱は、オイルポンプを回すエンジン回転数Neと比例するからである。また、オイルパンを伝わってくる分もあるが、それは、図13の特性に適宜下駄を履かせることで対応できる。
【0051】
S54では、燃焼との熱流分TTCを、エンジン冷却水温度Twと、TTCT及びTTCNとを用いて算出する。TTCn=(TTCT−TOn-1)×TTCN。
【0052】
ここで、図14はTTCTの算出テーブルの特性例を示し、図15はTTCNの算出テーブルの特性例を示している。TTCTは、ピストンシリンダ壁の温度であり、燃焼温度と関係するので燃料噴射量Teとエンジン回転数Neとの積を用いて図14の算出テーブルから求める。TTCNは伝熱のためのエンジンオイル流速で、エンジン回転数Neを用いて図15の算出テーブルから求める。
【0053】
S55では、外気への放熱分TTAを算出する。TTAn=(TOn-1−Ta)×TTAVSP。Taは外気温センサ17の出力信号でる外気温度、TTAVSPは車速センサ18の出力信号VSP(車速)から求める伝熱のための流速である。図16はTTAVSPの算出テーブルの特性例を示している。
【0054】
そして、S56にて、オイル温度TOnを算出する。TOn=TOn-1+TTWn+TTCn−TTAn。つまり、S56に示すオイル温度TOnを算出する式は、エンジンオイルが、エンジン冷却水と燃焼によりピストンシリンダで暖められ、走行風(とエンジン冷却水)で冷却される現象をモデリングした式である。
【0055】
このように求めたオイル温度TOを、オイル希釈燃料の蒸発計算に用いる。
【0056】
尚、本実施形態では、オイル温度TOを予測する例を示したが、これは安い原価でシステムを提供するためであり、エンジンオイルの温度を温度センサで直接検出するようにしても差し支えはないし、その方が精度が高いものとなる。
【0057】
また、この実施形態においては、オイルパンを冷やすのは外気温度Taとし、ラジエターからの温風は無視したが、ラジエターからの温風が多く当たる車両の場合には、ラジエータからの温風を考慮してTaを補正して用いれば精度を上げることが可能である。
【0058】
このような内燃機関の制御装置においては、エンジンオイルに混入するオイル希釈燃料量OFを、シリンダ壁温TC、エンジン回転数Ne、基本噴射量Tp、燃料噴射量Teを基に推定することにより、運転パターンや環境がどのように異なる場合においても、オイル希釈燃料量を精度良く推定することができる。
【0059】
特に、オイル希釈燃料量OFを算出(推定)する際に用いるオイル希釈燃料量の減少量BOFが、現在ECU12内に記憶しているオイル希釈燃料量OFn-1に基づいて算出された排気空燃比偏差の誤推定量Mによって補正されている。つまり、この第1実施形態に示す内燃機関の制御装置は、算出されたオイル希釈燃料量OFが排気空燃比偏差の誤推定量Mによって補正されているので、精度の高いオイル希釈燃料量OFを得ることができる。
【0060】
また、排気空燃比偏差の誤推定量Mを用いることにより、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料の影響を精度良く扱うことができ、排気性能、運転性能の悪化を効果的に抑制することができる。
【0061】
また、エンジン回転数Ne、基本噴射量Tp、燃料噴射量Te及び空燃比フィードバック補正係数αは、既存のエンジン制御システムで使用するものであり、シリンダ壁温TCは、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Te及びエンジン冷却水温Twから推定しているため、既存のエンジン制御システムを基に、安価にオイル希釈燃料量OFを算出することができる。
【0062】
次に本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態における内燃機関は、上述した第1実施形態の機能に加え、オイル希釈燃料量OFに応じて、エンジンの運転状態によって決定される燃料噴射量Teの補正、より詳しくは燃料噴射量Te噴射するために必要な燃料噴射パルス幅Tiの補正を行っている。
【0063】
図17は、第2実施形態における具体的な制御の流れを示すフローチャートである。
【0064】
S61では、基本噴射量Tpを算出する。基本噴射量Tpは、エンジン回転数Neとエアフローメータ8からの出力より得られる吸入空気量Qaとを用い、エンジン1回転当たりの吸入空気量(Qa/Ne)に所定の定数Kを掛けることによって算出される。ここで、基本噴射量Tpは、上述した燃料噴射量Teの算出の基になるものでエンジン負荷の代表値である。
【0065】
S62では、エンジン回転数Neとスロットルバルブ開度が割付られたマップから空燃比補正係数KMRを算出する。尚、空燃比補正係数KMRを算出するマップは、ECU12内に予め記憶させてある。
【0066】
S63では、エンジン冷却水温Twが割付られたテーブルから水温増量補正係数KTWを算出する。尚、水温増量補正係数KTWを算出するテーブルは、ECU12内に予め記憶させてある。
【0067】
S64では、S62及びS63で算出した空燃比補正係数KMR及び水温増量補正係数KTWを用いて、目標燃空比相当量TFBYAを算出する。TFBYA=1+KMR+KTW。
【0068】
S65では、燃料噴射量Teを算出する。Te=Tp×TFBYA×α×αm×KTR×M。ここで、αは上述した空燃比フィードバック補正係数であり、αmは上記αに基づいて算出される空燃比補正量としての上述した空燃比学習補正係数、KTRは壁流燃料の補正量を表す過渡補正係数である。
【0069】
S66では、上述した燃料噴射量Teを噴射するのに要するパルス幅である燃料噴射パルス幅Tiを算出する。Ti=Te×KWJ+Ts。ここで、KWJは噴射量補正係数、Tsは燃料噴射弁11の通電時間と実際の噴射時間との差の補正量である無効パルス幅である。
【0070】
そして、S67で燃料噴射パルス幅Tiを出力して、燃料噴射弁11が燃料噴射パルス幅Tiで燃料噴射を行うよう制御する。
【0071】
このような本発明の第2実施形態においては、排気空燃比偏差の誤推定量Mを用いて、燃料噴射量Teが算出されている。すなわち、燃料噴射量を算出する際に用いられる燃料噴射量算出パラメータが、排気空燃比偏差の誤推定量によって補正されることになるので、空燃比制御量(α及びαm)からブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料の影響を除去することができる。
【0072】
尚、MTCHマップ(図10)及びKTCマップ(図11)において、基本噴射量Tpの代わりに燃料噴射量Teを割り付けるようにすることも可能であり、この場合、オイル希釈燃料量は、実際にエンジンから噴射される燃料噴射量Teに応じて補正されることになる。
【0073】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0074】
現在、多くの自動車では、低濃度のアルコールが入ったガソリンを燃焼させるこができる。また、近年、ガソリンの他にアルコールとガソリンの各種組成の混合燃料でも走行可能な、いわゆるフレキシブルフューエルビークル(FFV)と言われる自動車も広く知られるところとなっている。
【0075】
そこで、この第3実施形態では、アルコールを含む燃料を用いる内燃機関に、上述した第1実施形態及び第2実施形態の技術を適用した場合について説明する。
【0076】
アルコールを含む燃料は、通常のガソリン(混合燃料)に対してC(炭素)原子の含有量が異なるため、同一の当量比を得るには大きな噴射量が要求されることになり、アルコールとガソリンの混合燃料をエンジンに供給するにあたっては、燃料内のアルコール濃度に従って燃料噴射量を調整する必要がある。
【0077】
そこで、この第3実施形態では、燃料内単一組成分濃度として、燃料内のアルコール濃度を以下の手順で推定する。図18は、燃料内のアルコール濃度を推定する制御の流れを示している。
【0078】
まず、S71では、酸素濃度センサ13の出力信号を基に算出された空燃比補正量としての空燃比フィードバック補正係数αを読み込む。
【0079】
次に、S72では、上述した図2のフローチャートで算出されたオイル希釈燃料量OFが、予め設定された固定値である推定許可希釈量LOF♯より少ないか否かを判定し、少ない場合にはS73に進み、そうでない場合には終了する。
【0080】
S73では、上述した図2のフローチャートで算出されたオイル希釈燃料量の減少量BOFが、予め設定された固定値である推定許可減少量LBOF♯より少ないか否かを判定し、少ない場合には、S74に進む、そうでない場合には終了する。
【0081】
S74では、空燃比学習条件が成立しているか否かを判定し、空燃比学習条件が成立している場合には、S75に進み、各運転領域毎のαm算出マップのマップ値の書き換えを行う。空燃比学習条件が成立していない場合には、各αm算出マップのマップ値の書き換えを行わずにS76に進む。ここで、αmは上記αに基づいて算出される空燃比補正量としての空燃比学習補正係数である。尚、空燃比フィードバック補正係数α及び空燃比学習補正係数αmは、上述した空燃比のフィードバック制御に用いられるパラメータであり、燃料噴射弁11からの燃料噴射量Teがα及びαmに応じて補正される。
【0082】
S76では、現在の各運転領域毎のαmマップを参照し、各運転領域毎に空燃比補正量としての空燃比学習補正係数αmを求める。
【0083】
S77では、アルコール濃度推定を行うための許可条件が成立しているか否かを判定する。すなわち、このS77においては、水温、エンジン始動後時間、空燃比学習制御の進行状況、給油履歴などの条件が整ったか否かを判定し、条件が整っている場合にはS78に進み、条件が整っていない場合にはアルコール濃度推定を行うことなく終了する。
【0084】
S78では、次式(2)のように表される空燃比感度補正総量αtを算出する。
【0085】
【数2】
αt=α×αm′×ETAHOS …(2)
ここで、ETAHOSは前回の第1アルコール濃度推定値ALC1、すなわち現在記憶しているアルコール濃度推定値ALC1から算出される燃料性状分補正量であって、後述する図19を用い、前回の第1アルコール濃度推定値ALC1から逆引きで算出されるαtの前回値である。
【0086】
また、このS78におけるαm′は、S76にて求めた各運転領域別のαmのうち代表的な回転負荷領域のαmの平均値、換言すればエンジンとしての使用頻度が高い4領域程度のαmの平均値である。
【0087】
S79では、図19に示すマップを用い、S78にて算出された空燃比感度補正総量αtから最新の第1アルコール濃度推定値ALC1を算出する。尚、S79にて算出された最新の第1アルコール濃度推定値ALC1は、次回S79にて最新の第1アルコール濃度推定値ALC1が算出されるまでECU12内に記憶される。
【0088】
図19においては、空燃比感度補正総量αtに対して、第1アルコール濃度推定値ALC1は、連続的な特性を持っているが、これは、空燃比を理論空燃比保持するために、燃料噴射量に対して、空燃比偏差、すなわち酸素濃度センサ13の検出値を基に算出される空燃比の目標空燃比に対する偏差に伴った補正を実現するために預けた特性である。また、図19について詳述すれば、空燃比が理論空燃比に対してリーン側にある状態(αtが100%以上の領域)においては、空燃比感度補正総量αtは第1アルコール濃度推定値ALC1と略比例関係となっており、空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にある状態(αtが100%以下の領域)においては、燃料内のアルコール濃度を0%と判定する。より具体的には、空燃比感度補正総量αt=100%である場合には、燃料内のアルコール濃度が0%と推定し、空燃比感度補正総量αt=140%である場合には、燃料内のアルコール濃度が85%と推定する。
【0089】
そして、S80では、図20に示すALC2算出マップを用い、S79で算出された第1アルコール濃度推定値ALC1から第2アルコール濃度推定値ALC2を算出する。尚、S80にて算出された最新の第2アルコール濃度推定値ALC2は、次回S80にて最新の第2アルコール濃度推定値ALC2が算出されるまでECU12内に記憶される。
【0090】
このALC2算出マップは、第1アルコール濃度推定値ALC1に対して、第2アルコール濃度推定値ALC2が不感帯を持つ特性となっている。換言すれば、ALC2算出マップは、排気空燃比が理論空燃比に対してリーン側にある空燃比感度補正総量の特定領域に、空燃比感度補正総量の増減、すなわち第1アルコール濃度推定値ALC1の増減に関わらず第2アルコール濃度推定値ALC2が略一定となる不感帯を有しており、本実施形態においては、第1アルコール濃度推定値ALC1が0%〜30%の領域では、第2アルコール濃度推定値ALC2は一律0%、第1アルコール濃度推定値ALC1が65%〜85%の領域では、第2アルコール濃度推定値ALC2は一律85%となるように設定されている。
【0091】
これは、ガソリン(すなわち、エタノール濃度が0%のE0燃料)を入れられた場合や、いつも規格品のブレンド燃料(ガソリン−アルコール燃料)を入れられた場合は、安定した制御値(制御定数)を用いるために設定した特性である。ここで、上記制御値とは、点火時期関連、燃料の壁流補正関連、冷機増量関連、いわゆるλコントロールの3元点調整定数、換言すれば、空燃比制御における目標空燃比、等が挙げられ、これらが変動するとエミッションの再現性が悪くなるため不感帯としたものである。
【0092】
尚、S79で算出された第1アルコール濃度推定値ALC1は、燃料内のアルコール濃度による補正を必要とする燃焼パラメータのうち、燃料内のアルコール濃度に応じた性能保証を行う燃焼パラメータ、具体的には、運転条件に応じて算出される基本噴射量Tp(エンジン回転数と吸入吸気量から算出される)を補正する際に用いられる。また、S80で算出された第2アルコール濃度推定値ALC2は、燃料内のアルコール濃度による補正を必要とする燃焼パラメータのうち、市場流通燃料に対する安定的な性能保証や、実濃度に対して推定濃度の偏差の保証を必要とする燃焼パラメータ、すなわち壁流補正量、冷機時増量、目標空燃比及び点火時期等のパラメータを補正する際に用いられる。
【0093】
このような第3実施形態においては、オイル希釈燃料量OFが所定値LOF♯よりも大きいときには、空燃比制御中の空燃比学習、すなわちαmの書き換えが行われないので、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料による空燃比学習の誤学習を防止することができる。
【0094】
そして、オイル希釈燃料量OFが推定許可希釈量LOF♯よりも大きいときには、アルコール濃度推定が行われないので、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料によるアルコール濃度推定の誤推定を防止することができる。
【0095】
また、オイル希釈燃料量の減少量BOFが所定の推定許可減少量LBOF♯よりも大きいときには、空燃比制御中の空燃比学習、すなわちαmの書き換えが行われないので、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料による空燃比学習の誤学習を防止することができる。
【0096】
そして、オイル希釈燃料量の減少量BOFが所定の推定許可減少量LBOF♯よりも大きいときには、アルコール濃度推定が行われないので、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料によるアルコール濃度推定の誤推定を防止することができる。
【0097】
上記各実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
【0098】
(1) 内燃機関の制御装置は、ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈するオイル希釈燃料量を算出/更新し、更新されたオイル希釈燃料量を記憶する内燃機関の制御装置において、運転状態からオイル希釈燃料量の増加量を算出する増加量算出手段と、運転状態及び排気空燃比偏差からオイル希釈燃料量の減少量を算出する減少量算出手段と、増加量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の増加量と、減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量と、を積算してオイル希釈燃料量を算出するオイル希釈燃料量算出手段と、を有する。これによって、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料の影響を精度良く扱うことができ、排気性能、運転性能の悪化を効果的に抑制することができる。
【0099】
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、現在記憶しているオイル希釈燃料量に基づく排気空燃比偏差の誤推定量を算出する排気空燃比偏差誤推定量算出手段を有し、減少量算出手段は、運転状態及び排気空燃比偏差の誤推定量からオイル希釈燃料量の減少量を算出する。つまり、オイル希釈燃料量は、排気空燃比偏差の誤推定量によって補正されているので、精度の高いオイル希釈燃料量を得ることができる。
【0100】
(3) 上記(2)に記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、減少量算出手段は、オイル希釈燃料量の減少量を算出/更新し、更新されたオイル希釈燃料量の減少量を記憶するものであり、排気空燃比偏差誤推定量算出手段で算出された排気空燃比偏差の誤推定量は、現在記憶しているオイル希釈燃料量の減少量と燃料噴射量もしくは吸入空気量との割合から算出される空燃比偏差推定値と、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づく空燃比偏差検出値と、から算出されている。
【0101】
(4) 上記(3)に記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、空燃比フィードバック制御中には、空燃比偏差検出値として空燃比フィードバック制御に用いる空燃補正量を用いる。
【0102】
(5) 上記(2)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、内燃機関の燃料噴射量が排気空燃比偏差誤推定量算出手段で算出された排気空燃比偏差の誤推定量を用いて算出されている。すなわち、燃料噴射量をを算出する際に用いられる燃料噴射量算出パラメータは、排気空燃比偏差の誤推定量によって補正されることになるので、空燃比制御量からブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料の影響を除去することができる。
【0103】
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、オイル希釈燃料量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、空燃比フィードバック制御中に空燃比学習を禁止する。これによって、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料による空燃比学習の誤学習を防止することができる。
【0104】
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、空燃比フィードバック制御中に空燃比学習を禁止する。これによって、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料による空燃比学習の誤学習を防止することができる。
【0105】
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、燃料内の単一組成分濃度推定を行えるものであって、オイル希釈燃料量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、燃料内の単一組成分濃度推定を禁止する。これによって、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料によるアルコール濃度推定の誤推定を防止することができる。
【0106】
(9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の内燃機関の制御装置は、より具体的には、燃料内の単一組成分濃度推定を行えるものであって、減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、燃料内の単一組成分濃度推定を禁止する。これによって、ブローバイガス中に蒸発したオイル希釈燃料によるアルコール濃度推定の誤推定を防止することができる。
【0107】
(10) 上記(8)また(9)に記載の内燃機関の制御装置において、単一組成分濃度は、燃料内のアルコール濃度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示す説明図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図3】図2の第1サブルーティンの制御の流れを示すフローチャート。
【図4】図2の第2サブルーティンの制御の流れを示すフローチャート。
【図5】MOFDマップの特性例を示す説明図。
【図6】負荷補正テーブルの特性例を示す説明図。
【図7】図2の第3サブルーティンの制御の流れを示すフローチャート。
【図8】MOFUマップの特性例を示す説明図。
【図9】シリンダ壁温TCの予測制御を示すフローチャート。
【図10】MTCHマップの特性例を示す説明図。
【図11】KTCマップの特性例を示す説明図。
【図12】オイル温度TOの予測制御を示すフローチャート。
【図13】TTWS算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図14】TTCT算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図15】TTCN算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図16】TTAVSP算出テーブルの特性例を示す説明図。
【図17】本発明の第2実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図18】本発明の第3実施形態に係る制御の流れを示すフローチャート。
【図19】ALC1算出マップの特性例を示す説明図。
【図20】ALC2算出マップの特性例を示す説明図。
【符号の説明】
1…エンジン本体
2…燃焼室
3…吸気弁
4…吸気通路
5…排気弁
6…排気通路
7…エアクリーナ
8…エアフローメータ
9…スロットル弁
11…燃料噴射弁
12…エンジンコントロールユニット
13…酸素濃度センサ
14…三元触媒
15…水温センサ
16…クランク角センサ
17…外気温センサ
18…車速センサ

Claims (10)

  1. ピストンとシリンダとの隙間から漏れ出してエンジンオイルを希釈するオイル希釈燃料量を算出/更新し、更新されたオイル希釈燃料量を記憶する内燃機関の制御装置において、
    運転状態からオイル希釈燃料量の増加量を算出する増加量算出手段と、
    運転状態及び排気空燃比偏差からオイル希釈燃料量の減少量を算出する減少量算出手段と、
    増加量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の増加量と、減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量と、を積算してオイル希釈燃料量を算出するオイル希釈燃料量算出手段と、を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 現在記憶しているオイル希釈燃料量に基づく排気空燃比偏差の誤推定量を算出する排気空燃比偏差誤推定量算出手段を有し、
    減少量算出手段は、運転状態及び排気空燃比偏差の誤推定量からオイル希釈燃料量の減少量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 減少量算出手段は、オイル希釈燃料量の減少量を算出/更新し、更新されたオイル希釈燃料量の減少量を記憶するものであり、
    排気空燃比偏差誤推定量算出手段で算出された排気空燃比偏差の誤推定量は、現在記憶しているオイル希釈燃料量の減少量と燃料噴射量もしくは吸入空気量との割合から算出される空燃比偏差推定値と、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づく空燃比偏差検出値と、から算出されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の制御装置は、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、
    空燃比フィードバック制御中には、空燃比偏差検出値として空燃比フィードバック制御に用いる空燃比補正量を用いることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関の燃料噴射量は、排気空燃比偏差誤推定量算出手段で算出された排気空燃比偏差の誤推定量を用いて算出されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関の制御装置は、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、
    オイル希釈燃料量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、空燃比フィードバック制御中に空燃比学習を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関の制御装置は、排気空燃比を検出する空燃比検出手段の検出値に基づいて算出された空燃比補正量を用いて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行えるものであって、
    減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、空燃比フィードバック制御中に空燃比学習を禁止することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 内燃機関の制御装置は、燃料内の単一組成分濃度推定を行えるものであって、
    オイル希釈燃料量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、燃料内の単一組成分濃度推定を禁止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 内燃機関の制御装置は、燃料内の単一組成分濃度推定を行えるものであって、
    減少量算出手段で算出されたオイル希釈燃料量の減少量が予め設定された所定値よりも大きい場合には、燃料内の単一組成分濃度推定を禁止することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  10. 単一組成分濃度は、燃料内のアルコール濃度であることを特徴とする請求項8または9に記載の内燃機関の制御装置。
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