JP2009197727A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置および制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009197727A
JP2009197727A JP2008041785A JP2008041785A JP2009197727A JP 2009197727 A JP2009197727 A JP 2009197727A JP 2008041785 A JP2008041785 A JP 2008041785A JP 2008041785 A JP2008041785 A JP 2008041785A JP 2009197727 A JP2009197727 A JP 2009197727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
control
fuel
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008041785A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohachi Tanaka
浩八 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008041785A priority Critical patent/JP2009197727A/ja
Publication of JP2009197727A publication Critical patent/JP2009197727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】フューエルカット復帰時の内燃機関の燃焼を安定化させる。
【解決手段】ECUは、フューエルカット制御実行中にフューエルカット復帰条件が成立すると(S100にてYES)、フューエルカット復帰時の点火時期を算出し(S102)、エンジン水温THWが予め定められた水温THW(1)より低く(S104にてYES)、かつフューエルカット実行時間が予め定められた時間T(1)を越えていると(S106にてYES)、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWに基づいて、算出されたフューエルカット復帰時の点火時期を進角側に補正する(S108)。このときの点火時期の進角量は、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど大きく算出される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御に関し、特に、車両走行中に予め定められた条件が成立すると燃料の供給が停止される内燃機関の制御に関する。
燃費向上のために、車両走行中に予め定められた条件(たとえば運転者が加速を要求していないという条件)が成立すると、エンジンへの燃料供給を停止する制御(フューエルカット制御)が実行される車両が公知である。このような車両においては、フューエルカット制御が停止されて燃料供給が再開される時(フューエルカット復帰時)に、非同期噴射によってエンジンへの燃料噴射量が増加される。
ところで、燃料を吸気ポート内に噴射する場合、噴射された燃料の一部が吸気ポートの内壁面に付着し、吸気ポートが湿潤状態となる場合がある。
吸気ポート内にはフューエルカット中も空気が流れる。そのため、燃料供給が停止されていた時間(以下、「フューエルカット時間」あるいは「フューエルカット実行時間」とも記載する)が長いと、付着していた燃料が蒸発しやすくなり吸気ポートの内壁面が乾燥状態となるため、フューエルカット復帰時に増量した燃料が吸気ポートの内壁面に付着しやすくなる。そのため、空燃比がリーンとなる。逆に、フューエルカット時間が短いと、付着していた燃料が蒸発しにくくなり吸気ポートの内壁面が湿潤状態のままとなるため、フューエルカット復帰時に、吸気ポートの内壁面に付着していた燃料が蒸発してフューエルカット復帰時の燃料の一部となってしまう。そのため、空燃比がリッチになる。この結果、エミッションが劣化したり、ドライバビリティが悪化したりしてしまう。このような問題を解決する技術が、たとえば特開平5−141293号公報(特許文献1)に開示されている。
特開平5−141293号公報に開示された空燃比補正方法は、燃料カットの際にはその燃料供給が遮断されている時間を計測し、燃料供給が再開された際には計測された時間の長さに対応して燃料カット復帰時増量を補正し、補正した燃料カット復帰時増量に基づいて燃料噴射を行う。
特開平5−141293号公報に開示された空燃比補正方法によると、フューエルカット時間の長さに対応して燃料カット後の復帰増量が補正される。したがって、フューエルカット時間が長い場合には、吸気ポートの内壁面の乾燥状態を考慮して復帰時の燃料増加量を増加し、フューエルカット時間が短い場合は、吸気ポートの内壁面の湿潤状態を考慮して復帰時の燃料増加量を減少することができる。そのため、エミッションの低下やドライバビリティの悪化を防止することができる。
特開平5−141293号公報 特開平5−39740号公報 特開2002−327640号公報 特開平7−150997号公報
ところで、フューエルカット制御を停止して燃料供給を復帰させる条件の1つに、エンジン回転数が下限回転数まで低下したという条件が設定される場合がある。この場合、フューエルカット制御領域を拡大して燃費を向上させるためには下限回転数を可能な限り低い値に設定することが望ましい。しかしながら、この下限回転数が低すぎると、エンジンの燃焼が安定していない場合には、燃料供給を再開したにも関わらずエンジン回転数が低下してドライバビリティを悪化させる場合がある。そのため、下限回転数を低い値に設定するためには、フューエルカット復帰直後のエンジンの燃焼管理が重要となる。
特開平5−141293号公報に開示された技術は、フューエルカット時間が長い場合にフューエルカット復帰時の燃料増加量を増加することによって、フューエルカット時間の違いによって生じる燃焼の不安定化を抑制するものである。しかしながら、上述したように、下限回転数を低い値に設定して燃費をさらに向上させるためには、フューエルカット時間だけでなく他の要因も考慮して、フューエルカット復帰直後のエンジンの燃焼をより一層安定化させる必要がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フューエルカット復帰時の内燃機関の燃焼を安定化させることができる制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、内燃機関を制御する。内燃機関には、内燃機関の点火時期を調整可能な点火装置と、内燃機関への燃料噴射量を調整可能な噴射装置と、内燃機関への吸入空気の量を調整可能なバルブとが備えられる。制御装置は、内燃機関への燃料供給の停止中に、燃料供給の停止を解除して燃料供給を復帰させる条件が成立したか否かを判断するための手段と、復帰させる条件が成立したと判断された場合、内燃機関の温度がしきい値より低いと、燃料供給が停止されていた時間および内燃機関の温度に基づいて燃料供給を復帰させるときの内燃機関の出力を調整するように、点火装置、噴射装置およびバルブの少なくともいずれかを制御するための制御手段とを含む。第11の発明に係る制御方法は、第1の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、燃料供給が停止されていた時間が長いほど、および内燃機関の温度が低いほど、内燃機関の出力を増加させる。第12の発明に係る制御方法は、第2の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第3の発明に係る制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、燃料供給が停止されていた時間および内燃機関の温度に加えて、吸入空気の温度に基づいて、内燃機関の出力を増加させる。第13の発明に係る制御方法は、第3の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第4の発明に係る制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御手段は、吸入空気の温度が低いほど内燃機関の出力を増加させる。第14の発明に係る制御方法は、第4の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第5の発明に係る制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御装置は、内燃機関の燃料の性状が内燃機関の始動性に対して良好であるか否かを判断するための判断手段をさらに含む。制御手段は、燃料供給が停止されていた時間および内燃機関の温度に加えて、判断手段の判断結果に基づいて、内燃機関の出力を調整する。第15の発明に係る制御方法は、第5の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第6の発明に係る制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、制御手段は、燃料の性状が始動性に対して良好でない場合は良好である場合に比べて、内燃機関の出力を増加させる。第16の発明に係る制御方法は、第6の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第7の発明に係る制御装置においては、第5または6の発明の構成に加えて、制御手段は、燃料の性状が始動性に対して良好でない場合に、内燃機関の温度に基づいて、内燃機関の出力を調整する。第17の発明に係る制御方法は、第7の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第8の発明に係る制御装置においては、第5〜7のいずれかの発明の構成に加えて、制御装置は、内燃機関の始動時におけるクランキング後の回転数を記憶するための記憶手段をさらに含む。判断手段は、記憶手段に記憶された回転数がしきい値よりも低い場合に、燃料の性状が始動性に対して良好でないと判断する。第18の発明に係る制御方法は、第8の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第9の発明に係る制御装置においては、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、内燃機関の出力を増加させる場合、点火時期を進角させる点火装置の制御、燃料噴射量を増量させる噴射装置の制御、および吸入空気量を増量させるバルブの制御の少なくともいずれかを実行する。第19の発明に係る制御方法は、第9の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第10の発明に係る制御装置においては、第1〜9のいずれかの発明の構成に加えて、復帰させる条件は、内燃機関の回転数が予め定められた下限回転数に低下するという条件である。第20の発明に係る制御方法は、第10の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
本発明によれば、燃料供給の停止を解除して燃料供給を復帰させるときの内燃機関の出力が、燃料供給が停止されていた時間および内燃機関の温度に基づいて調整される。たとえば、燃料供給が停止されていた時間が長いほど、および内燃機関の温度が低いほど、点火時期を進角したり、内燃機関への燃料噴射量を増量したり、あるいは内燃機関への吸入空気の量を増量したりすることができる。そのため、燃料供給を復帰させるときの内燃機関の燃焼を安定させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置の制御対象であるエンジン10について説明する。
エンジン10は、シリンダブロック100の上方にシリンダヘッド110が当接されて構成されており、シリンダブロック100に形成されたシリンダ102内にピストン120が摺動可能に保持されている。シリンダ102内におけるピストン120の上下往復動がクランク軸130の回転運動に変換され、トランスミッション等へと伝達されるようになっている。クランク軸130は、エンジン始動時にはフライホイール140を経由してスタータ30と接続される。なお、本実施の形態においては、エンジン10は、4つのシリンダ102を有する4気筒エンジンとして説明するが、シリンダ102の数量(気筒数)はこれに限定されない。
ピストン120の上方にはシリンダブロック100、シリンダヘッド110を室壁として燃焼室1000が形成され、燃焼室1000において燃料と空気との混合気の燃焼が行なわれ、その爆発力によりピストン120を上下往復動せしめる。混合気への点火は、シリンダヘッド110を貫通し燃焼室1000内に突出して設けられた点火プラグ150により行なわれる。
混合気を構成する空気の供給は、シリンダヘッド110に形成された吸気ポート1012および吸気ポート1012に接続された吸気通路1010により行なわれる。また、燃焼室1000からの排気は排気通路1020により行なわれる。シリンダヘッド110には、吸気ポート1012(吸気通路1010)と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える吸気バルブ160、排気通路1020と燃焼室1000との間の連通と遮断とを切り換える排気バルブ170が取り付けられている。
吸気通路1010内にはフラップ状のスロットルバルブ190が設けられ、その開度(スロットル開度)に応じて吸気通路1010内の空気流量を調整する。
混合気を構成する燃料の供給は、電磁式のインジェクタ210により行なわれる。インジェクタ210はシリンダヘッド110を貫通して設けられ、吸気ポート1012内に先端ノズル部から燃料を噴射するようになっている。
エンジン10の冷間時にあっては、燃料の霧化が促進され難いために、インジェクタ210から噴射された燃料の一部は、吸気ポート1012の内壁面や吸気バルブ160の表面に付着して吸気ポート1012内に残存してしまう。そのため、エンジン10の冷間時は、吸気ポート1012の内壁面が燃料の付着によって湿潤状態となる。
点火プラグ150、スロットルバルブ190、インジェクタ210には、エンジン各部を制御するECU(Electronic Control Unit)8000が接続されている。
ECU8000は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、A/D変換器、各種駆動回路(ドライバ)等からなる一般的な構成のものである。
ECU8000は、各種センサからの検出信号などに基づいて、点火プラグ150に制御信号を出力して点火時期を調整し、スロットルバルブ190に制御信号を出力してスロットルバルブ190の開度(スロットル開度)を調整し、インジェクタ210に制御信号を出力して所定のタイミングで所定時間、インジェクタ210のノズルを開く。
ECU8000に信号を入力するセンサには、フローメータ510、クランク角センサ520、A/Fセンサ530、吸入空気温センサ540、冷却水温センサ550、車速センサ560、およびアクセル開度センサ570がある。
フローメータ510は、吸気通路1010内を流通する空気流量(吸入空気量QA)を検出する。クランク角センサ520は、クランク軸130の回転角度(クランク角)CAおよび単位時間あたりの回転数(エンジン回転数)NEを検出する。A/Fセンサ530は、排気通路1020の空燃費A/Fを検出する。吸入空気温センサ540は、吸気通路1010内を流通する空気の温度(吸入空気温)THAを検出する。冷却水温センサ550は、エンジン水温THWを検出する。車速センサ560は、ドライブシャフト(図示せず)の回転数から車速Vを検出する。アクセル開度センサ570は、アクセルペダルの開度(アクセル開度)ACCを検出する。これらの各センサは、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、運転者からのエンジン10の始動要求があると、スタータ30によって所定時間エンジン10のクランキングを行なう。
ECU8000は、クランキング中の予め定められたタイミングで、各センサからの信号に基づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、および点火時期を制御して、エンジン10の燃焼を開始する。これらの制御により、エンジン10が最適な燃焼状態になり、エンジン10の高出力化および低エミッション化が図られる。
また、ECU8000は、燃費向上のために、車速Vが所定速度より高い状態でアクセル開度ACCが略零となると、インジェクタ210からエンジン10への燃料供給を停止する制御(フューエルカット制御)の実行を開始する。また、ECU8000は、フューエルカット制御実行中において、予め定められたフューエルカット復帰条件が成立すると、フューエルカット制御を停止して、インジェクタ210からエンジン10への燃料供給を再開する。
図2に、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU8000の機能ブロック図を示す。ECU8000は、入力インターフェイス(入力I/F)8100と、演算処理部8200と、記憶部8300と、出力インターフェイス(出力I/F)8400とを含む。
入力I/F8100は、フローメータ510からの吸入空気量QA、クランク角センサ520からのクランク角CAおよびエンジン回転数NE、A/Fセンサ530からの空燃費A/F、吸入空気温センサ540からの吸入空気温THA、冷却水温センサ550からのエンジン水温THW、車速センサ560からの車速V、およびアクセル開度センサ570からのアクセル開度ACCを受信して、演算処理部8200に送信する。
記憶部8300には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部8200からデータが読み出されたり、格納されたりする。
演算処理部8200は、フューエルカット制御部8210と、燃料噴射制御部8220と、点火時期制御部8230と、吸入空気量制御部8240とを含む。
フューエルカット制御部8210は、上述したように、燃費向上のために、車速Vが所定速度より高い状態でアクセル開度ACCが略零となると、インジェクタ210からエンジン10への燃料供給を停止する制御(フューエルカット制御)の実行を開始する。フューエルカット制御実行中において、予め定められたフューエルカット復帰条件が成立すると、フューエルカット制御を停止して、インジェクタ210からエンジン10への燃料供給を再開する。
燃料噴射制御部8220は、通常は、クランク角CAに同期させて燃料を噴射させるが、フューエルカット復帰時には、同期噴射に加えて、クランク角CAに同期しない非同期噴射を行なう。燃料噴射制御部8220は、このフューエルカット復帰時の非同期燃料の噴射量および噴射気筒数を、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWの少なくとも2つの情報に基づいて算出し、算出結果に応じた燃料噴射制御信号を生成し、出力I/F8400を経由して燃料噴射すべきインジェクタ210に出力する。これにより、燃料噴射すべきインジェクタ210から燃料噴射制御信号に応じた燃料が噴射される。
点火時期制御部8230は、フューエルカット制御が停止されて燃料供給が再開される時(フューエルカット復帰時)には、通常とは異なる点火時期に変更する。点火時期制御部8230は、このフューエルカット復帰時の点火時期を、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWの少なくとも2つの情報に基づいて算出し、算出結果に応じた点火時期制御信号を生成し、出力I/F8400を経由して各点火プラグ150に出力する。これにより、点火プラグ150によって点火時期制御信号に応じたタイミングで、燃焼室1000内の混合気が点火される。
吸入空気量制御部8240は、通常は、アクセル開度ACCに応じた吸入空気量となるようにスロットル開度を制御するが、フューエルカット復帰時には吸入空気量を変更する。吸入空気量制御部8240は、フューエルカット復帰時の吸入空気量を、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWの少なくとも2つの情報に基づいて算出し、算出結果に応じたスロットルバルブ制御信号を生成し、出力I/F8400を経由してスロットルバルブ190に出力する。これにより、スロットル開度が調整され、算出されたフューエルカット復帰時の吸入空気量が吸気通路1010に流れる。
なお、本実施の形態において、フューエルカット制御部8210と、燃料噴射制御部8220と、点火時期制御部8230と、吸入空気量制御部8240とは、いずれも演算処理部8200であるCPUが記憶部8300に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、フューエルカット制御実行中に、フューエルカット復帰条件が成立したか否かを判断する。ECU8000は、車速Vが所定速度より低い場合、アクセル開度ACCが所定開度よりも大きい場合、エンジン回転数NEがフューエルカット復帰回転数より小さい場合のいずれかの場合に、フューエルカット復帰条件が成立したと判断する。
なお、フューエルカット復帰回転数は、図4に示すような、エンジン水温THWをパラメータとするマップに基づいて設定される。図4に示すマップにおいては、エンジン水温THWが高いほどフューエルカット復帰回転数が低く設定される。なお、図4に示すフューエルカット復帰回転数は、エンジン水温THWの全域において図4の点線で示す従来の値よりも低く設定されている。フューエルカット復帰条件が成立すると(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の点火時期を算出する。フューエルカット復帰時の点火時期は、エンジン出力トルクを緩やかに上昇させるために、たとえば図5に示すような点火時期のマップに基づいて、通常時の点火時期よりも遅角された値に算出される。図5に示すマップにおいては、エンジン回転数NEに対する点火時期(上死点前(BTDC(Before Top Dead Center)のクランク角)が、エンジン負荷率Q(1),Q(2),Q(3),Q(4)(Q(1)<Q(2)<Q(3)<Q(4))ごとに設定されている。図5に示すように、フューエルカット復帰時の点火時期は、エンジン回転数NEが低いほど、またエンジン負荷率が高いほど、点火時期が遅角される傾向にある。なお、エンジン負荷率は、吸入空気量QAに基づいて算出される。
S104にて、ECU8000は、エンジン水温THWが予め定められた水温THW(1)より低いか否かを判断する。THW(1)より低いと(S104にてYES)、処理はS106に移される。そうでないと(S104にてNO)、処理はS110に移される。
S106にて、ECU8000は、フューエルカット実行時間が予め定められた時間T(1)を越えているか否かを判断する。フューエルカット実行時間とは、フューエルカット制御が実行されていた時間、すなわち、上述したように、燃料供給が停止されていた時間である。時間T(1)を越えていると(S106にてYES)、処理はS108に移される。そうでないと(S106にてNO)、処理はS110に移される。
S108にて、ECU8000は、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWに基づいて、S102で算出されたフューエルカット復帰時の点火時期を進角側に補正する。このときの補正量(点火時期の進角量)は、たとえば、図6に示すようなマップに基づいて算出される。図6に示すマップにおいては、フューエルカット実行時間に対する点火時期の進角量が、エンジン水温THW(1),THW(2),THW(3)(THW(1)>THW(2)>THW(3))ごとに設定されている。図6に示すように、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、進角量は大きく算出される。
S110にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の点火時期制御を実行する。すなわち、ECU8000は、フューエルカット制御を停止して燃料供給を再開してから所定時間が経過するまでは、フューエルカット復帰時の点火時期で点火させる点火時期制御信号を点火プラグ150に出力する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000の動作について、図7を参照しつつ説明する。
エンジン水温THWがTHW(1)よりも低い状態(エンジン10が十分に暖機されていない状態)で車両を走行させていた場合を想定する。
時刻t(1)にて、たとえば車速Vが所定速度より高い状態でアクセル開度ACCが略零となると、フューエルカット制御が実行され、エンジン10への燃料供給の停止が開始される。これに伴なってエンジン出力トルクが低下する。
時刻t(2)にて、エンジン回転数NEがフューエルカット復帰回転数まで低下すると(S100にてYES)、フューエルカット制御が停止され、燃料供給が再開される。このとき、フューエルカット復帰回転数が従来よりも低く設定されている(図4参照)ことにより、フューエルカット領域が拡大される(フーエルカット実行時間が長くなる)ので、従来よりも燃費の向上が図られている。
しかしながら、従来よりもフューエルカット復帰回転数を低くしたために、フューエルカット復帰時の燃焼が不安定化する傾向にある。さらに、エンジン10が十分に暖機されていないために、燃料の霧化が促進されず、そのため、フューエルカット復帰時に噴射される燃料のうち、吸気ポート1012の内壁面に付着する燃料が増加して燃焼室1000に供給される燃料が減少する。これにより、フューエルカット復帰時の燃焼がより不安定化するとともに、エンジン出力トルクが低下する。
このような状態において、フューエルカット実行時間(時刻t(1)から時刻t(2)までの時間)が長いと、フューエルカット実行中に吸気ポート1012を流れる空気によって吸気ポート1012の内壁面に付着していた燃料が蒸発し、吸気ポート1012の内壁面が乾燥状態となる。これにより、フューエルカット復帰時に噴射される燃料のうち、吸気ポート1012の内壁面に付着する燃料がさらに増加するため、燃焼室1000に供給される燃料がさらに減少する。そのため、フューエルカット復帰時の燃焼がより一層不安定化するとともに、エンジン出力トルクがさらに低下する。
これらのようなエンジン10の燃焼の不安定化あるいはエンジン出力トルクの低下によって、時刻t(2)で燃料供給を再開したにも関わらずエンジン回転数NEが急激に低下して(図7の一点鎖線参照)ドライバビリティを悪化させる場合がある。
そこで、エンジン水温THWがTHW(1)より低く、かつフューエルカット実行時間がT(1)を越えている場合(S104にてYES、S106にてYES)、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、フューエルカット復帰時の点火時期を進角するようにした(S108、図6)。
これにより、図7に示すように、フューエルカット復帰時のエンジン出力トルクが従来よりも安定して増加するため、エンジン回転数NEが急激に低下することなく安定する。そのため、ドライバビリティを悪化させることを防止することができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置によると、エンジン水温が低くかつフューエルカット実行時間が長い場合、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に応じてフューエルカット復帰時の点火時期を進角させる。このように、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に応じてフューエルカット復帰時の点火時期を細かく制御することによって、フューエルカット復帰時のエンジンの燃焼を安定させることができる。
<第2の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る制御装置について説明する。前述の第1の実施の形態では、エンジン水温が低くかつフューエルカット実行時間が長い場合、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に応じてフューエルカット復帰時の点火時期を変更したが、本実施の形態では、点火時期に代えてもしくは加えて、エンジン水温、フューエルカット実行時間、および吸入空気温に応じて、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量および非同期燃料噴射を行なう気筒数を変更する。それ以外の処理および構造は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。
図8を参照して、本実施の形態に係るECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、図8に示したフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S200にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量を算出する。フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量は、たとえば、図9に示すようなマップに基づいて算出される。図9に示すマップにおいては、フューエルカット実行時間に対する非同期燃料噴射量が、エンジン水温THW(4),THW(5),THW(6)(THW(4)>THW(5)>THW(6))ごとに設定されている。図9に示すように、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、非同期燃料噴射量は多く算出される。
S202にて、ECU8000は、吸入空気温THAが予め定められた温度THA(1)より低いか否かを判断する。予め定められた温度THA(1)より低いと(S202にてYES)、処理はS204に移される。そうでないと(S202にてNO)、処理はS206に移される。
S204にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量を補正する。ECU8000は、吸入空気温THAに応じて増加係数K(1)を算出し、S200の処理で算出された非同期燃料噴射量に増加係数K(1)を乗じた値を、補正後の非同期燃料噴射量として算出する。増加係数K(1)は、たとえば、図10に示すようなマップに基づいて算出される。図10に示すように、増加係数K(1)は、吸入空気温THAがTHA(1)であるときに1.0と算出され、吸入空気温がTHA(1)が低いほど大きくなるように算出される。
S206にて、ECU8000は、非同期燃料噴射気筒数を算出する。非同期燃料噴射気筒数は、たとえば、図11に示すようなマップに基づいて算出される。図11に示すマップにおいては、フューエルカット実行時間に対する非同期燃料噴射気筒数が、エンジン水温THWが予め定められた水温THW(7)よりも低い場合と高い場合とに分けて設定されている。図11に示すように、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低い場合(THW<THW(7))の方が高い場合(THW>THW(7))よりも、非同期燃料噴射気筒数が多く算出される。
S208にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射制御を実行する。ECU8000は、S206の処理で算出された気筒数に応じて非同期燃料噴射を行なう気筒を特定し、特定された気筒に対応するインジェクタ210に、S200で算出された非同期燃料噴射量(S204で補正された場合には補正された非同期燃料噴射量)を噴射させる燃料噴射制御信号を出力する。なお、燃料噴射制御信号を出力するタイミングは、運転者がアクセルペダルを踏んでいるか否か(アクセル開度ACCがしきい値より大きいか否か)に応じて変更するようにしてもよい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000の動作について、図12および図13を参照しつつ説明する。
フューエルカット制御実行中、エンジン回転数NEがフューエルカット復帰回転数まで低下した場合(S100にてYES)、エンジン水温THWがTHW(1)より低く、かつフューエルカット実行時間がT(1)を越えていると(S104にてYES、S106にてYES)、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量が増量される(S200、図9)とともに、非同期燃料噴射気筒数が多く算出される(S206、図11)。
図12には、時刻t(3)にてフューエルカット復帰条件が成立し、時刻t(4)にて4気筒(図12の#1〜#4)に対して非同期燃料噴射を行なった場合のエンジン回転数NEのタイミングチャートが示されている。図12においては、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量(噴射時間)が比較的少なく設定されている一方、4気筒すべてに非同期燃料が噴射されている。これにより、フューエルカット復帰時のエンジン出力トルクが増加し、エンジン回転数NEが急激に低下(図12の鎖線参照)することなく安定する。そのため、ドライバビリティを悪化させることを防止することができる。
図13には、時刻t(5)にてフューエルカット復帰条件が成立し、時刻t(6)にて4気筒のうちの2気筒(図13の#3、#4)に対して非同期燃料噴射を行なった場合のエンジン回転数NEのタイミングチャートが示されている。図13においては、2気筒だけに非同期燃料が噴射される一方、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量が比較的多く設定されている。これにより、フューエルカット復帰時のエンジン出力トルクが増加し、エンジン回転数NEが急激に低下(図13の鎖線参照)することなく安定する。そのため、ドライバビリティを悪化させることを防止することができる。
さらに、吸入空気温THAが予め定められた温度THA(1)より低い場合(S202にてYES)には、非同期燃料噴射量は、吸入空気温THAが低いほど増量補正される(S202)。これにより、吸入空気温THAが低いほど空気密度が高くなり燃焼室1000に吸入される酸素量が増加しても、その酸素の増加に応じて燃料噴射量を増加することができる。そのため、フューエルカット復帰時のエンジン10の燃焼をより安定化させることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、エンジン水温、フューエルカット実行時間、および吸入空気温に応じて、フューエルカット復帰時の燃料噴射量を細かく制御する。そのため、フューエルカット復帰時のエンジンの燃焼を安定させることができる。
なお、本実施の形態においては、吸入空気温THAに応じて燃料噴射量を増量補正したが、吸入空気温THAに応じて、上述の第1の実施の形態のように点火時期を進角する補正を行なうようにしてもよい。
<第2の実施の形態の変形例>
以下、第2の実施の形態の変形例について説明する。前述の第2の実施の形態では、非同期燃料噴射量を、エンジン水温、フューエルカット実行時間、および吸入空気温に応じて変更したが、本変形例では、非同期燃料噴射量を、エンジン水温、フューエルカット実行時間、吸入空気温に加えて、エンジン始動性に対する燃料性状に応じて変更する。それ以外の処理および構造は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。
図14を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000がエンジン始動性に対する燃料性状を判断する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、エンジン10の始動時に実行される。
S300にて、ECU8000は、エンジン10の始動時のエンジン水温THWが予め定められた水温THW(8)より低いか否かを判断する。予め定められた水温THW(8)より低いと(S300にてYES)、処理はS302に移される。そうでないと(S300にてNO)、この処理は終了する。
S302にて、ECU8000は、スタータ30によるクランキング後のエンジン回転数NEがしきい値より低いか否かを判断する。なお、このしきい値は、クランキング中にスタータ30のトルクとエンジン10のフリクショントルクとの釣り合いによってエンジン回転数NEが停滞する範囲に設定される。しきい値より低いと(S302にてYES)、処理はS304に移される。そうでないと(S302にてNO)、処理はS306に移される。
S304にて、ECU8000は、エンジン始動性に対する燃料性状が良好でないとの判断結果を記憶部8300に記憶する。
S306にて、ECU8000は、エンジン始動性に対する燃料性状が良好であるとの判断結果を記憶部8300に記憶する。
なお、S304あるいはS306の処理で記憶部8300に記憶された判断結果は、イグニッションオフまで記憶され、エンジン10の始動時ごとに更新される。
図15を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。また、図15に示したフローチャートの中で、前述の図8に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S310にて、ECU8000は、エンジン始動性に対する燃料性状が良好でないとの判断結果が、記憶部8300に記憶されているか否かを判断する。燃料性状が良好でないとの判断結果が記憶されていると(S310にYES)、処理はS312に移される。そうでないと(S310にてNO)、処理はS206に移される。
S312にて、ECU8000は、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量を補正する。ECU8000は、エンジン水温THWに応じて増加係数K(2)を算出し、S200で算出された非同期燃料噴射量(S204で補正された場合には補正された非同期燃料噴射量)に増加係数K(2)を乗じた値を、補正後の非同期燃料噴射量として算出する。増加係数K(2)は、たとえば、図16に示すようなマップに基づいて算出される。図16に示すように、増加係数K(2)は、エンジン水温THWがTHW(8)であるときに1.0と算出され、エンジン水温THWが低いほど大きくなるように算出される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000の動作について説明する。
エンジンを始動する際、冷間時には燃料が気化しにくくなり、燃料の性状(特に揮発性)が良好でない場合には、燃料クランキング後の燃料の燃焼が良好に行なわれず、エンジン回転数NEがクランキング中よりも低下する場合がある。
そこで、ECU8000は、エンジン始動時において、エンジン水温THWがTHW(8)より低く(S300にてYES)、クランキング後のエンジン回転数NEがクランキング中よりも低下する場合(S302にてYES)には、エンジン始動性に対する燃料性状が良好でないとの判断結果を記憶部8300に記憶する(S304)。
そして、エンジン始動性に対する燃料性状が良好でないとの判断結果が記憶されていると(S310にYES)、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量は、エンジン水温THWが低いほど増量補正される(S312、図16)。なお、この判断結果の記憶は、エンジン10の始動時ごとに更新され、イグニッションオフまで記憶される。これにより、燃料の性状に応じて燃料噴射量を増加することができるので、フューエルカット復帰時のエンジン10の燃焼をより安定化させることができる。
以上のようにして、本変形例に係る制御装置によると、エンジン水温、フューエルカット実行時間、吸入空気温に加えて、エンジン始動性に対する燃料性状に応じて、フューエルカット復帰時の燃料噴射量を細かく制御する。そのため、フューエルカット復帰時のエンジンの燃焼をより一層安定させることができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン始動性に対する燃料性状に応じて燃料噴射量を増量補正したが、エンジン始動性に対する燃料性状に応じて、上述の第1の実施の形態のように点火時期を進角する補正を行なうようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る制御装置について説明する。前述の第1の実施の形態では、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に応じて点火時期を変更したが、本実施の形態は、点火時期に代えて吸入空気量(スロットル開度)を変更する。それ以外の処理および構造は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。
図17を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。また、図17に示したフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S400にて、ECU8000は、フューエルカット実行時間およびエンジン水温THWに基づいて、フューエルカット復帰時の吸入空気量QAを通常値より増加させるスロットル開度となるようなスロットルバルブ制御信号を、スロットルバルブ190に出力する。なお、吸入空気量QAの通常値は、アクセル開度ACCに応じて算出される値である。
このときの吸入空気の増加量は、たとえば、図18に示すようなマップに基づいて算出される。図18に示すマップにおいては、フューエルカット実行時間に対する吸入空気の増加量が、エンジン水温THW(9),THW(10),THW(11)(THW(9)>THW(10)>THW(11))ごとに設定されている。図18に示すように、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、吸入空気の増加量は大きく算出される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000の動作について説明する。
フューエルカット制御実行中、エンジン回転数NEがフューエルカット復帰回転数まで低下した場合(S100にてYES)、エンジン水温THWがTHW(1)より低く、かつフューエルカット実行時間がT(1)を越えていると(S104にてYES、S106にてYES)、フューエルカット実行時間が長いほど、またエンジン水温THWが低いほど、フューエルカット復帰時の吸入空気量QAが増量される(S400、図18)。これにより、エンジン10の出力トルクを増大することができるので、フューエルカット復帰時のエンジン10の燃焼をより安定化させることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に応じて、フューエルカット復帰時の吸入空気量を細かく制御する。そのため、フューエルカット復帰時のエンジンの燃焼をより安定させることができる。
なお、本実施の形態における吸入空気量(スロットル開度)の変更を、第1の実施の形態における点火時期制御、あるいは第2の実施の形態における燃料噴射量制御とともに行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態における吸入空気量の変更を、エンジン水温およびフューエルカット実行時間に加えて、前述の第2の実施の形態のように吸入空気温に応じて変更したり、第2の実施の形態の変形例のようにエンジン始動性に対する燃料性状に応じて変更したりするようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置で制御されるエンジンの構造を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUの制御構造を示すフローチャートである。 エンジン回転数とフューエルカット復帰回転数との関係を示す図である。 エンジン回転数と、エンジン負荷率と、フューエルカット復帰時の点火時期との関係を示す図である。 フューエルカット実行時間と、エンジン水温と、点火時期の進角量との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUで制御されるエンジン出力トルクおよびエンジン回転数のタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUの制御構造を示すフローチャートである。 フューエルカット実行時間と、エンジン水温と、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射量との関係を示す図である。 吸入空気温と増加係数との関係を示す図である。 フューエルカット実行時間と、エンジン水温と、フューエルカット復帰時の非同期燃料噴射気筒数との関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUで制御されるエンジン回転数のタイミングチャート(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUで制御されるエンジン回転数のタイミングチャート(その2)である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る制御装置であるECUの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る制御装置であるECUの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 エンジン水温と増加係数との関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る制御装置であるECUの制御構造を示すフローチャートである。 フューエルカット実行時間と、エンジン水温と、フューエルカット復帰時の吸入空気の増加量との関係を示す図である。
符号の説明
10 エンジン、30 スタータ、100 シリンダブロック、102 シリンダ、110 シリンダヘッド、120 ピストン、130 クランク軸、140 フライホイール、150 点火プラグ、160 吸気バルブ、170 排気バルブ、190 スロットルバルブ、210 インジェクタ、510 フローメータ、520 クランク角センサ、530 A/Fセンサ、540 吸入空気温センサ、550 冷却水温センサ、560 車速センサ、570 アクセル開度センサ、1000 燃焼室、1010 吸気通路、1012 吸気ポート、1020 排気通路、8000 ECU、8100 入力I/F、8200 演算処理部、8210 フューエルカット制御部、8220 燃料噴射制御部、8230 点火時期制御部、8300 記憶部、8400 出力I/F。

Claims (20)

  1. 内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関には、前記内燃機関の点火時期を調整可能な点火装置と、前記内燃機関への燃料噴射量を調整可能な噴射装置と、前記内燃機関への吸入空気の量を調整可能なバルブとが備えられ、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関への燃料供給の停止中に、前記燃料供給を復帰させる条件が成立したか否かを判断するための手段と、
    前記復帰させる条件が成立したと判断された場合、前記内燃機関の温度がしきい値より低いと、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に基づいて前記燃料供給を復帰させるときの前記内燃機関の出力を調整するように、前記点火装置、前記噴射装置および前記バルブの少なくともいずれかを制御するための制御手段とを含む、制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記燃料供給が停止されていた時間が長いほど、および前記内燃機関の温度が低いほど、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に加えて、前記吸入空気の温度に基づいて、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記吸入空気の温度が低いほど前記内燃機関の出力を増加させる、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記制御装置は、前記内燃機関の燃料の性状が前記内燃機関の始動性に対して良好であるか否かを判断するための判断手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に加えて、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記内燃機関の出力を調整する、請求項1または2に記載の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でない場合は良好である場合に比べて、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でない場合に、前記内燃機関の温度に基づいて、前記内燃機関の出力を調整する、請求項5または6に記載の制御装置。
  8. 前記制御装置は、前記内燃機関の始動時におけるクランキング後の単位時間あたりの回転数を記憶するための記憶手段をさらに含み、
    前記判断手段は、前記記憶手段に記憶された回転数がしきい値よりも低い場合に、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でないと判断する、請求項5〜7のいずれかに記載の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記内燃機関の出力を増加させる場合、前記点火時期を進角させる前記点火装置の制御、前記燃料噴射量を増量させる前記噴射装置の制御、および前記吸入空気量を増量させる前記バルブの制御の少なくともいずれかの制御を実行する、請求項1〜8のいずれかに記載の制御装置。
  10. 前記復帰させる条件は、前記内燃機関の回転数が予め定められた下限回転数に低下するという条件である、請求項1〜9のいずれかに記載の制御装置。
  11. 内燃機関を制御する制御ユニットが行なう制御方法であって、前記内燃機関には、前記内燃機関の点火時期を調整可能な点火装置と、前記内燃機関への燃料噴射量を調整可能な噴射装置と、前記内燃機関への吸入空気の量を調整可能なバルブとが備えられ、
    前記内燃機関への燃料供給の停止中に、前記燃料供給の停止を解除して前記燃料供給を復帰させる条件が成立したか否かを判断するステップと、
    前記復帰させる条件が成立したと判断された場合、前記内燃機関の温度がしきい値より低いと、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に基づいて前記燃料供給を復帰させるときの前記内燃機関の出力を調整するように、前記点火装置、前記噴射装置および前記バルブの少なくともいずれかを制御する制御ステップとを含む、制御方法。
  12. 前記制御ステップは、前記燃料供給が停止されていた時間が長いほど、および前記内燃機関の温度が低いほど、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項11に記載の制御方法。
  13. 前記制御ステップは、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に加えて、前記吸入空気の温度に基づいて、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項11または12に記載の制御方法。
  14. 前記制御ステップは、前記吸入空気の温度が低いほど前記内燃機関の出力を増加させる、請求項13に記載の制御方法。
  15. 前記制御方法は、前記内燃機関の燃料の性状が前記内燃機関の始動性に対して良好であるか否かを判断する判断ステップをさらに含み、
    前記制御ステップは、前記燃料供給が停止されていた時間および前記内燃機関の温度に加えて、前記判断ステップの判断結果に基づいて、前記内燃機関の出力を調整する、請求項11または12に記載の制御方法。
  16. 前記制御ステップは、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でない場合は良好である場合に比べて、前記内燃機関の出力を増加させる、請求項15に記載の制御方法。
  17. 前記制御ステップは、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でない場合に、前記内燃機関の温度に基づいて、前記内燃機関の出力を調整する、請求項15または16に記載の制御方法。
  18. 前記制御ユニットには、前記内燃機関の始動時におけるクランキング後の単位時間あたりの回転数が記憶され、
    前記判断ステップは、前記制御ユニットに記憶された回転数がしきい値よりも低い場合に、前記燃料の性状が前記始動性に対して良好でないと判断する、請求項15〜17のいずれかに記載の制御方法。
  19. 前記制御ステップは、前記内燃機関の出力を増加させる場合、前記点火時期を進角させる前記点火装置の制御、前記燃料噴射量を増量させる前記噴射装置の制御、および前記吸入空気量を増量させる前記バルブの制御の少なくともいずれかの制御を実行する、請求項11〜18のいずれかに記載の制御方法。
  20. 前記復帰させる条件は、前記内燃機関の回転数が予め定められた下限回転数に低下するという条件である、請求項11〜19のいずれかに記載の制御方法。
JP2008041785A 2008-02-22 2008-02-22 内燃機関の制御装置および制御方法 Pending JP2009197727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008041785A JP2009197727A (ja) 2008-02-22 2008-02-22 内燃機関の制御装置および制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008041785A JP2009197727A (ja) 2008-02-22 2008-02-22 内燃機関の制御装置および制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009197727A true JP2009197727A (ja) 2009-09-03

Family

ID=41141503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008041785A Pending JP2009197727A (ja) 2008-02-22 2008-02-22 内燃機関の制御装置および制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009197727A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130297188A1 (en) * 2011-01-20 2013-11-07 Hiroshi Watanabe Control device for internal combustion engine
JP2021076092A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 トヨタ自動車株式会社 駆動装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62150044A (ja) * 1985-12-23 1987-07-04 Mazda Motor Corp エンジンの燃料制御装置
JPH0763088A (ja) * 1993-08-20 1995-03-07 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP2002047997A (ja) * 2000-08-04 2002-02-15 Denso Corp 内燃機関用失火検出装置
JP2007146781A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2007177759A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2007297956A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toyota Motor Corp 給油設備、車両の機関制御装置、及び給油制御システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62150044A (ja) * 1985-12-23 1987-07-04 Mazda Motor Corp エンジンの燃料制御装置
JPH0763088A (ja) * 1993-08-20 1995-03-07 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP2002047997A (ja) * 2000-08-04 2002-02-15 Denso Corp 内燃機関用失火検出装置
JP2007146781A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2007177759A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2007297956A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toyota Motor Corp 給油設備、車両の機関制御装置、及び給油制御システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130297188A1 (en) * 2011-01-20 2013-11-07 Hiroshi Watanabe Control device for internal combustion engine
US9470169B2 (en) * 2011-01-20 2016-10-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
JP2021076092A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 トヨタ自動車株式会社 駆動装置
JP7226257B2 (ja) 2019-11-12 2023-02-21 トヨタ自動車株式会社 駆動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4158328B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3772891B2 (ja) エンジンの始動装置
US7207315B2 (en) Device and method for controlling internal combustion engine
JP2009121255A (ja) エンジン制御装置
JP3538003B2 (ja) 内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置
JP2005201186A (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP2008002435A (ja) エンジンの制御方法及び制御装置
JP2007107405A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4395726B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2009197727A (ja) 内燃機関の制御装置および制御方法
JP2007064124A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4293075B2 (ja) 4サイクル多気筒エンジンの始動装置
JP2005315203A (ja) エンジンの始動装置
JP2009092054A (ja) 内燃機関制御装置
JP4259375B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4315056B2 (ja) エンジンの始動装置
JP6052076B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4821336B2 (ja) エンジンの気筒識別装置
JP5747832B2 (ja) 内燃機関の制御装置および制御方法
JP2008151029A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置および方法
JP2001173489A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4577179B2 (ja) 多気筒エンジンの始動装置
JP2018035796A (ja) 燃料噴射制御装置
JP4604948B2 (ja) 多気筒エンジンの始動装置
JP2008157142A (ja) エンジンの制御方法及び制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120410