JP2008157142A - エンジンの制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重質燃料の使用時においても始動直後のエンジンストールや不快な振動を防止し得るエンジンの制御方法を提供する。
【解決手段】アイドル時の目標回転速度に到達した時点で点火時期を始動用から触媒暖機促進用へとステップ的に遅角する処理手順と、アイドル時の目標回転速度に到達した時点でアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、アイドル時の目標回転速度に到達する時点よりも所定期間前にスロットル弁を開き始める処理手順と、スロットル弁を開き始める時点を起点とし、アイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、燃料噴射量を一時的に増量する処理手順と、前記触媒暖機促進用の点火時期を使用燃料の燃料性状に応じて設定する処理手順とをエンジンコントローラ(31)が含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の制御方法及び制御装置、特に冷間始動時の制御に関する。
冷間状態でのクランキングによる完爆後、エンジン回転速度が吹き上がるまでの期間は点火時期を始動用の点火時期とし、エンジン回転速度が吹き上がった後には触媒の活性化を促進させるため、圧縮上死点後の所定クランク角位置まで点火時期をステップ的に遅角させるものがある(特許文献1参照)。
特開平8−232645号公報
ところで、特許文献1の技術では、圧縮上死点後の所定クランク角位置まで点火時期をステップ的に遅角させるのに先立ち、ISC開度を大きくするなどして吸入空気量を増加させ、点火時期をステップ的に遅角させるタイミングの後ではさらに吸入空気量を増加させるのが好ましいことを提案し、これによってエンジンの吹き上がりが円滑化ないしは迅速化されるとしている。
しかしながら、エンジンの吹き上がりを円滑化ないしは迅速化させるためとはいえ、エンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度を超えてまで吹き上がらせることは燃料消費の面からみると、却って燃料を無駄に消費させていることになる。従って、燃費向上の観点からは、冷間始動時といえども、完爆後、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度へとオーバーシュートすることなく収束させることのほうが好ましい。
そこで、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角すると共に、燃費向上の観点より、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するタイミングよりも所定期間前のタイミングよりスロットル弁を開き始める構成を考えた。
そしてこの構成で実験してみたところ、もくろみ通りにエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に、このアイドル時の目標回転速度を超えてエンジン回転速度が吹き上がることはなくなったのであるが、実際の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーン化し、これに起因して、アイドル時の目標回転速度からの回転落ちが生じたりHCが増加してしまうことが新たに判明した。
そこでクランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始め、前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量することで、冷間始動時に触媒の暖機促進を図りながら完爆後のエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に向かって速やかに収束させると共に、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後にも実際の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーン化することのないエンジンの制御方法や制御装置とすることが考えられる。
このものにおいて、使用燃料の燃料性状を考慮していないのでは、例えば、触媒暖機促進用の点火時期と、燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分とを軽質用に設定している場合に、使用燃料の燃料性状が重質であるときに、使用燃料の燃料性状が軽質であるときより燃焼状態が不安定になることから、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した直後に不安定な回転速度に伴う不快な振動が生じたり、はなはだしい場合にはエンジンストールに至ってしまう可能性がある。
そこで本発明は、冷間始動時に触媒の暖機促進を図りながら完爆後のエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に向かって速やかに収束させると共に、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後にも実際の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーン化することがなく、さらに重質燃料の使用時においても始動直後のエンジンストールや不快な振動を防止し得るエンジンの制御方法や制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、活性状態になって初めて機能する触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路(例えば吸気ポート)にそれぞれ備えるエンジンにおいて、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始め、前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量すると共に、前記触媒暖機促進用の点火時期を、燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状に応じて設定するように構成する。
本発明によれば、始動からのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角し、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始めるので、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後の吹き上がりを抑制しながら早期に排気温度を上昇させることが可能となり、無駄な燃料消費を抑制しつつ触媒活性時間を短くすることができる。
この場合に、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後も暫くのあいだ吸気圧や吸気ポートの吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあり、この場合には、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化に伴って吸気ポート壁の燃料壁流量が減少し、その分燃焼室に供給される燃料量が不足し、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなり、HCの増加やエンジンの回転落ちを招くことになるのであるが、本発明によれば、スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量するので、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあっても、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなることを防止できる。この結果、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した後におけるHCの増加やアイドル時の目標回転速度からの回転落ちを抑制できる。
また、本発明によれば、使用燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出手段を備え、前記触媒暖機促進用の点火時期を、この燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状に応じて設定する、例えば燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるときには、前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が軽質であるときより、前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に設定するので、使用燃料の燃料性状による燃焼安定度に合わせた触媒暖機促進用点火時期の設定が可能となり、重質燃料の使用時においても始動直後のエンジンストールや不快な振動を防止できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1はエンジンの制御方法の実施に直接使用するエンジンの制御装置の概略構成を示している。
スロットル弁23により調量される空気は、吸気コレクタ2に蓄えられた後、吸気マニホールド3を介して各気筒の燃焼室5に導入される。燃料は各気筒の吸気ポート4に配置された燃料噴射弁21より、所定のタイミングで吸気ポート内に向けて間欠的に噴射供給される。吸気ポート4に噴射された燃料は、空気と混合して混合気を作り、この混合気は吸気弁15を閉じることで燃焼室5内に閉じこめられ、ピストン6の上昇によって圧縮され、点火プラグ14により着火されて燃焼する。この燃焼によるガス圧がピストン6を押し下げる仕事を行い、このピストン6の往復運動はクランクシャフト7の回転運動へと変換される。燃焼後のガス(排気)は排気弁16が開いたとき排気通路8へと排出される。
排気通路8のうちマニホールドの集合部に第1触媒9(スタートアップ触媒)を、また車両の床下位置に第2触媒10を備えている。これら2つの触媒9、10は、例えばいずれも三元触媒で、三元触媒は排気の空燃比が理論空燃比を中心とした狭い範囲にあるとき、排気に含まれるHC、CO及びNOxを同時に効率よく除去できる。このため、エアフローメータ32からの吸入空気量の信号、クランク角センサ(ポジションセンサ33とフェーズセンサ34)からの信号が入力されるエンジンコントローラ31ではこれらの信号に基づいて燃料噴射弁21からの基本燃料噴射量を定めると共に、第1触媒9の上流に設けたO2センサ35からの信号に基づいて空燃比をフィードバック制御する。
一方、冷間始動時には触媒を早期に活性化すると共に、O2センサ35をも早期に活性化して空燃比のフィードバック制御を実行させるため、O2センサ35を始動直後よりヒータ(図示しない)によって加熱し、O2センサ35の信号をみて、O2センサ35が活性化したタイミングで空燃比のフィードバック制御を開始している。
なお、触媒9、10の構成はこれに限られるものでない。例えば、エンジン暖機完了後の燃費向上のため、低負荷側の運転領域において理論空燃比よりもリーンの空燃比で運転を行うようにしているものでは、リーン運転時に多く発生するNOxを吸収するため、第2触媒10をNOxトラップ触媒で構成し、このNOxトラップ触媒に三元触媒機能を持たせているが、こうした構成のものでもかまわない。
上記のスロットル弁23はスロットルモータ24により駆動される。運転者が要求するトルクはアクセルペダル41の踏み込み量(アクセル開度)に現れるので、エンジンコントローラ31ではアクセルセンサ42からの信号に基づいて目標トルクを定め、この目標トルクを実現するための目標空気量を定め、この目標空気量が得られるようにスロットル弁駆動装置(図示しない)ではスロットルモータ24を介してスロットル弁23の開度を制御する。
また、上記吸気弁15の弁リフト量を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブリフト機構26と、クランクシャフト7と吸気弁用カムシャフト25との回転位相差を連続的に可変制御して、吸気弁15の開閉タイミングを進遅角する可変バルブタイミング機構27とを備えている。
さて、冷間状態でのクランキングからのエンジン回転速度が良好に吹き上がるようにすると共に、排気通路8に設けている特に第1触媒9を早期に暖機するため点火時期を遅角させている。この様子を図2を参照しながら4気筒エンジンの場合で具体的に説明する。
まず、現状の制御から説明する。現状では、図2の最上段に一点鎖線で示したように、始動のためスタータスイッチをOFFよりONへと切換えたt0のタイミングより、エンジン回転速度は3つの気筒で初回の爆発に対応して変動し、4番目の気筒の爆発でエンジン回転速度が急激に上昇し、t2のタイミングでアイドル時の目標回転速度NSETを横切って吹き上がっている(一点鎖線参照)。そして、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETに到達したt2のタイミングからは、図2の第5段目に一点鎖線で示したようにアイドル時の目標回転速度NSETを維持できる吸入空気が燃焼室5に導入されるようにスロットル弁開度が所定開度TVO1へとステップ的に開かれている。
また、燃料噴射量は、冷間始動当初は噴射燃料の全てが燃焼室5に吸入されるのではなく、噴射燃料量の一部が吸気ポート4壁や吸気弁15傘裏部に付着し、吸気ポート壁を液状で流れる、いわゆる燃料壁流の形成に使われるため、燃焼室5への燃料供給遅れが発生する。このため、図2の第4段目に一点鎖線で示したように始動当初で吸気ポート壁の燃料壁流として多くが奪われるあいだは余分に燃料を噴射供給しており、燃料壁流の形成に多くが奪われなくなるタイミングより徐々に燃料噴射量を減少させている。
一方、点火時期は現状では、図2の第2段目に一点鎖線で示したように、t0のタイミングより始動用の点火時期である第1点火時期ADV1に設定され、t2のタイミングからは第1触媒9の暖機促進を図るため大きく遅角させた第2点火時期ADV2へと徐々に切換えられている。
ここで、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達するt2のタイミングを境にして前と後に分けると、t2の後には、燃費向上の観点からはエンジン回転速度Neが吹き上がることなくアイドル時の目標回転速度NSETへと速やかに落ち着くことが望ましい。これは、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETを超えて吹き上がるとそれだけ燃料消費が増してしまうためである。
また、t2の後には実際の空燃比は理論空燃比に落ち着くことが望ましい。これは、暖機完了後の第1触媒9は理論空燃比を中心とする狭い範囲にあるときだけ有害三成分(HC、CO、NOx)を同時に浄化できるためである。
そこで、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに達したt2のタイミングで、図2の第2段目に実線で示したように点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角すると共に、燃費向上の観点より、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したt2のタイミングでエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室5に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、図2の第5段目に実線で示したようにエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングよりも所定期間前のt1のタイミングよりスロットル弁23を開き始める構成を考えた。
そしてこの構成で実験してみたところ、もくろみ通りにエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に、このアイドル時の目標回転速度NSETを超えてエンジン回転速度度が吹き上がることはなくなったのであるが、図2の第6段目に一点鎖線で示したように、実際の空燃比は、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングで理論空燃比(ストイキ)となっているものの、その後に燃焼安定限界ラインを超えてリーンとなり、この過度のリーン化によって、図2の第7段目の一点鎖線に示したようにHCが増加することが新たに判明した。
この原因は、主に吸気ポート4壁の燃料壁流にあると見当をつけて実験してみたところ、図2の第3段目に示したように、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングの後も吸気圧が低下し続けていた。すなわち、吸気ポート壁の燃料壁流量は燃料壁流が流れる部位の圧力(つまり吸気圧)や燃料壁流が流れる部位の吸気流速(吸気ポート4の吸気流速)に依存し、吸気圧が小さくなるほど小さくなる(これは吸気圧が小さくなるほど燃料の気化特性が良くなることによる)特質を、また吸気ポート4の吸気流速が大きくなるほど小さくなる(これは吸気ポート4の吸気流速が大きくなるほど燃料の気化特性が良くなることによる)特質を有するので、吸気圧や吸気ポートの吸気流速が変化している途中にあるt2のタイミングでの燃料壁流量よりも、吸気圧や吸気ポートの吸気流速が所定値に落ち付くt3のタイミングでの燃料壁流量のほうが小さくなる。燃焼室5に流入する燃料量にはこの燃料壁流量も含まれるので、t2よりt3の期間で燃料壁流量が減り続けることは、燃焼室5に流入する燃料量も、この燃料壁流量の減少に合わせて減り続けることを意味し、従って、t2のタイミングで混合気の空燃比が理論空燃比となっていても、燃料壁流量の減少に合わせて実際の空燃比がリーン側へと向かい、燃焼安定限界を超えてリーン化したものと思われる。
そこで本発明は、次の3つの操作を実行する。
〔1〕エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングからは特に第1触媒9の暖機促進を図りながらエンジン回転速度Neのアイドル時の目標回転速度NSETを超えての吹き上がりを抑制するために、図2の第2段目に実線で示したように、点火時期をt2で第1点火時期(始動用の点火時期)ADV1から第2点火時期(触媒暖機促進用の点火時期)ADV2へとステップ的に遅角する。こうした点火時期制御は気筒別に実行する。ここで、アイドル時とは、運転者がアクセルペダル41を踏み込んでいない状態をいう。アイドル時の目標回転速度NSETは適合値である。
〔2〕t2のタイミングよりエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるには、アイドル時の目標回転速度NSETを保持させるに必要な吸入空気量を燃焼室5に供給することであり、その燃焼室5への空気供給がt2のタイミングで完了している必要がある。この場合に、現状のエンジンで吸入空気量を制御するのは、吸気コレクタ2上流の吸気通路に設けられているスロットル弁23であり、従ってスロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、図2の第5段目に実線で示したように、t2よりも所定期間前のt1のタイミングよりスロットル弁23を所定値TVO1に向けて開き始め、t2のタイミングで所定値TVO1に落ち着くようにする。
〔3〕t2での点火時期のステップ遅角によりエンジン回転速度Neはアイドル時の目標回転速度NSETに落ち着くものの、その直後の吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化に伴う燃料壁流量の減少により空燃比の過度のリーン化が生じ、HCが増大してしまう(あるいはエンジン回転Neがアイドル時の目標回転速度NSETから却って低下してしまう)ので、このHCの増加を防ぐため、図2の第4段目に実線で示したように、スロットル弁23を開き始めるt1のタイミングを起点とし、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が収まるt3までのあいだ、燃焼室5への燃料壁流量の減少分を補うように燃料噴射量を一時的に増量する。
ここで、現状の燃料噴射制御を前提として、上記〔3〕の操作を実行するため、始動後増量補正係数KASを用いる。これについて図3により詳述すると、図3の最上段は図2の最上段と同じである。また、図3の第2段目には上記〔1〕の操作による点火時期の動きを、第4段目には上記〔2〕の操作によるスロットル弁開度の動きを改めて示している。
まず現状では、図3の第3段目に一点鎖線で示したように、スタータスイッチ36をOFFよりONに切換えるt0のタイミングより始動後増量補正係数KASとして初期値KAS0(図では0.3)を設定し、その後にエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したt5のタイミングより所定の速度でゼロに向かって減少させている。これに対して本実施形態では、図3の第3段目に実線で示したように、t2のタイミングまで初期値KAS0を保持させ、t2のタイミングより所定の速度でゼロに向かって減少させる。すなわち、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせる。これによって図3の第3段目にハッチングで示した面積部分が燃料増量分となり、空燃比の燃焼安定限界を超える過度のリーン化を防止できることとなる。
このように、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせた(燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量した)ときに得られる実際の空燃比が、理論空燃比となることを確認している。すなわち、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、理論空燃比となるように、始動後増量補正係数KAS(燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分)を設定している。
ここでは、始動後増量補正係数KASをt5よりt2の間で一定(初期値KAS0)とし、その後に直線的に減少させているが、これに限られるものでない。要は、スロットル弁23を開き始めるt5のタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が落ち着く(吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になる)t3のタイミングまでのあいだで、燃料噴射弁21からの燃料噴射量が一時的に増量されるように始動後増量補正係数KASを変化させればよい。
また、始動後増量補正係数KASを初期値KAS0から減少させるタイミングをt5よりt2まで遅らせることにより、燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量しているが、これに限られるものでない。例えば、始動後増量補正係数KASとは別に新たに増量補正係数を導入し、この増量補正係数によって、スロットル弁23を開き始めるt5のタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が落ち着くt3までのあいだ、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量するようにしてもかまわない。
また、図3ではエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したt5のタイミングを、スロットル弁23を開き始めるタイミングとしているが、これに限定されるものでもない。
また、上記のように、O2センサ35が活性化したタイミングで空燃比のフィードバック制御を開始するのであるが、空燃比のフィードバック制御を開始するタイミングが、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングの後に吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化が落ち着くt3のタイミングよりも前にくるようであれば、上記〔3〕の操作を中止して現状の操作に戻すことが好ましい。これは、空燃比のフィードバック制御により実際の空燃比が理論空燃比を中心とした所定のウインドウの幅内に収められ、これによって過度のリーン化を防止できるためである。
エンジンコントローラ31により実行されるこの制御を以下のフローチャートにより詳述する。
図4は完爆フラグと目標回転到達フラグを設定するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に実行する。
図4において、ステップ1ではエンジン回転速度Neを読み込む。エンジン回転速度Neはクランク角センサ(33、34)の信号に基づいて算出されている。
ステップ2では完爆フラグをみる。この完爆フラグはイグニッションスイッチ(図示しない)のOFFよりONへの切換時にゼロに初期設定されるフラグである。このため、当初は完爆フラグ=0であることよりステップ2からステップ3に進み、エンジン回転速度Neと完爆回転速度N0(例えば1000rpm)を比較する。完爆回転速度N0は適合値である。エンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達していなければそのまま今回の処理を終了する。
ステップ3でエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したとき(Ne≧N0)にはステップ4に進み、完爆回転速度N0に到達したことを示すため完爆フラグ=1とする。
ステップ5ではタイマを起動する(タイマ値TIME=0)。このタイマはエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したときからの経過時間を計測するためのものである。
上記の完爆フラグ=1により、次回からはステップ2よりステップ6に進むことになり、ステップ6でタイマ値TIMEと所定値DTを比較する。所定値DTは、エンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したタイミングからアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングまでの時間間隔で、予め適合しておく(図3参照)。タイマを起動した当初はタイマ値TIMEが所定値DT未満にあるので、ステップ7に進み、タイマ値TIMEを制御周期(100ms)の分だけインクリメントする。
ステップ7でのタイマ値TIMEのインクリメントを何度か繰り返すと、やがてタイマ値TIMEが所定値DT以上となる。このときにはステップ6よりステップ8に進み、アイドル時の目標回転速度NSETに到達したことを示すため目標回転到達フラグ(イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時にゼロに初期設定)=1とする。
図5は点火時期指令値及びスロットル弁目標開度を算出するするためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に、図4のフローに続けて実行する。
図5において、ステップ21ではイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるか否かをみる。イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるときにはステップ22に進み、水温センサ37により検出される冷却水温TWを始動時水温TWINTとして取り込み、この始動時水温TWINTに応じて第1点火時期ADV1を算出し、この算出した第1点火時期ADV1をステップ23で点火時期指令値ADVに移す。第1点火時期ADV1は始動に最適な点火時期で、大きく進角側にある。
ステップ24ではスロットル弁目標開度tTVOに初期値(例えばゼロ)を入れる。
イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時のあと、つまりイグニッションスイッチのON状態になると、ステップ21よりステップ25、26に進む。ステップ25、26では完爆フラグと目標回転到達フラグ(いずれのフラグも図4により設定されている)をみる。完爆フラグ=0であるときにはステップ27に進みイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時に算出した第1点火時期ADV1を維持する。このときもステップ24の操作を実行する。
完爆フラグ=1かつ目標回転到達フラグ=0であるときにはステップ26よりステップ28に進み、イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時に算出した第1点火時期ADV1を維持する。
ステップ29ではスロットル弁目標開度tTVOを次式により算出する。
tTVO=tTVO(前回)+ΔTVO …(1)
ただし、ΔTVO :一定値、
tTVO(前回):tTVOの前回値、
ここで、(1)式の所定値ΔTVOはスロットル弁目標開度の所定時間当たりの増し分を定める値であり、この値は、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングでスロットル弁目標開度tTVOが、後述する所定値TVO1に到達するように予め定めておく。スロットル弁目標開度の前回値である「tTVO(前回)」の初期値にはゼロを入れておく。
ステップ30ではスロットル弁目標開度tTVOと所定値TVO1を比較する。所定値TVO1は、目標回転速度NSETを維持するトルクを発生させるのに必要な最低の吸入空気量が流れるときのスロットル弁開度である。所定値TVO1は予め適合により求めておく。
今回のエンジン運転時にステップ29を初めて経験した後ではスロットル弁目標開度tTVOは所定値TVO1未満であるので今回の処理をそのまま終了する。目標回転到達フラグ=1となるまではステップ29の操作を繰り返すことになり、スロットル弁目標開度tTVOが徐々に大きくなる。目標回転到達フラグ=1となる直前でスロットル弁目標開度tTVOが所定値TVO1以上となる。このときにはステップ30よりステップ31に進んでスロットル弁目標開度tTVOを前回と同じ値に維持する。
目標回転到達フラグ=1となったときにはステップ26よりステップ32に進み、水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温TWに応じて第2点火時期ADV2を算出し、これをステップ33で点火時期指令値ADVに移す。
第2点火時期ADV2は、冷間始動時における第1触媒9の暖機促進用の点火時期で、第1触媒9の暖機完了後の点火時期よりも遅角側に設定されている。このため、点火時期は図3の第2段目に示したようにエンジン回転速度Neが目標回転速度NSETに到達するt2のタイミングで第1点火時期ADV1より第2点火時期ADV2へとステップ的に切換わることとなる。
このようにして算出される点火時期指令値ADVは出力レジスタに移され、実際のクランク角がこの点火時期指令値ADVと一致したタイミングで点火コイルの一次側電流が遮断される。
また、スロットル弁目標開度tTVOを受けるスロット弁駆動装置では、実際のスロットル弁開度がこのスロットル弁目標開度tTVOと一致するようにスロットルモータ24を駆動する。
図6は目標当量比TFBYAを算出するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に実行する。
図6において、ステップ41ではイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるか否かをみる。イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるときにはステップ42に進み、始動後増量補正係数の初期値KAS0を、水温センサ37により検出される始動時水温TWINTに応じて算出し、これをステップ43で始動後増量補正係数KASに移す。始動後増量補正係数の初期値KAS0は始動時水温TWINTが低くなるほど大きくなる値である。
イグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時のあと、つまりイグニッションスイッチのON状態になると、ステップ41よりステップ44に進む。ステップ44では目標回転到達フラグをみる(図4により設定されている)。目標回転到達フラグ=0であるときにはステップ45に進み始動後増量補正係数KASを前回と同じ値(つまり初期値KAS0)に維持する。
目標回転到達フラグ=1になったときにはステップ44よりステップ46に進み始動後増量補正係数KASとゼロを比較する。目標回転到達フラグ=1になったタイミングでは始動後増量補正係数KASはゼロより大きいため(初期値KAS0が入っているので)、ステップ47に進んで始動後増量補正係数KASを次式により算出する。
KAS=KAS(前回)−Δt×KAS(前回) …(2)
ただし、Δt :一定値、
KAS(前回):KASの前回値、
ここで、(2)式の所定値Δtは始動後増量補正係数KASの所定時間当たりの減少分を定める値であり、この値は吸気圧が一定値に落ち着く(吸気圧の変化割合が所定範囲内になる)t3のタイミングでゼロとなるように、適合により予め定めておく。始動後増量補正係数の前回値である「KAS(前回)」の初期値はKAS0である。
目標回転到達フラグ=1である場合に、ステップ47の操作を繰り返すと、始動後増量補正係数KASが徐々に小さくなってゆく。従って、ステップ48で始動後増量補正係数KASとゼロを比較し、始動後増量補正係数KASが負の値になったときにはステップ49に進んで始動後増量補正係数KAS=0とする。
このようにして、始動後増量補正係数KASは、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致したタイミングより、徐々に小さくなりやがてゼロとなる値である。
現状では、始動後増量補正係数KASはエンジン回転速度Neが完爆回転速度N0に到達したタイミングより徐々に小さくなるのであるが、本発明では、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致するタイミングまで初期値を維持し、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致したタイミングより徐々に小さくなる。
ステップ50、51は現状と同じである。すなわち、ステップ50では水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温Twに応じて水温増量補正係数KTWを算出する。水温増量補正係数KTWは冷却水温Twが低くなるほど大きくなる値である。
ステップ51ではこの水温増量補正係数KTWと、上記の始動後増量補正係数KASとを用いて次式により目標当量比TFBYAを算出する。
TFBYA=1+KTW+KAS …(3)
目標当量比TFBYAは1.0を中心とする値で、エンジンの暖機完了後であれば、TFBYA=1(KTW=0、KAS=0)となり、これによって理論空燃比の混合気が得られる。冷間始動時には、上記の始動後増量補正係数KASが加わるため目標当量比TFBYAは1.0を超える値となるが、これは燃料壁流量を考慮しているからである。すなわち、冷間始動時に目標当量比TFBYAは1.0を超える値になるものの、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度NSETに到達するタイミングより、理論空燃比の混合気が得られることとなる。
図7は燃料噴射パルス幅Tiを算出するためのもので、一定時間毎(例えば100ms毎)に、図6のフロートは独立に実行する。このフローは現状と同じである。
図7において、ステップ61では始動時燃料噴射パルス幅Ti1を次式により算出する。
Ti1=TST×KNST×KTST …(4)
ただし、TST :始動時基本噴射パルス幅、
KNST:回転速度補正係数、
KTST:時間補正係数、
これら始動時基本噴射パルス幅TST、回転速度補正係数KNST、時間補正係数KTSTの求め方は周知であるので、詳細な説明は省略する。
ステップ62ではエアフローメータ32の出力が入力したか否かをみる。エアフローメータ32の出力が入力していなければステップ63、64を飛ばしてステップ65に進み、この始動時燃料噴射パルス幅Ti1を最終の燃料噴射パルス幅Tiに移す。
一方、エアフローメータ32の出力が入力しているときにはステップ62よりステップ63に進み、図6により得ている目標当量比TFBYAを用いて次式により通常時の燃料噴射パルス幅Ti2を算出する。
Ti2=(Tp×TFBYA+Kathos)×(α+αm−1)×2+Ts
…(5)
ただし、Tp :基本噴射パルス幅、
TFBYA :目標当量比、
Kathos:過渡補正量、
α :空燃比フィードバック補正係数、
αm :空燃比学習値、
Ts :無効噴射パルス幅、
(5)式の基本噴射パルス幅Tp、過渡補正量Kathos、空燃比フィードバック補正係数α、空燃比学習値αm、無効噴射パルス幅Tsの求め方は周知である。例えば、基本噴射パルス幅Tpは次式により算出される。
Tp=K×Qa/Ne …(6)
ただし、Qa:エアフローメータ32より算出される吸入空気量、
(6)式の定数Kにより、混合気の空燃比が理論空燃比となるように設定されている。従って、上記の始動後増量補正係数KASがゼロを超える正の値である間は、燃料噴射弁21からの燃料噴射量(燃料噴射パルス幅Ti)が増量補正されることとなる。
なお、(5)式の過渡補正量Kathosは吸気ポート壁の燃料壁流量を考慮し、基本的にエンジンの負荷、回転速度及び燃料付着部の温度に基づいて算出される値であるので、始動時にはこの過渡補正量Kathosにより、燃料噴射量のうちから吸気ポート壁の燃料壁流として奪われる分だけ燃料噴射量を増量する側に働くと考えられるが、それでも、実験によれば、上記のように空燃比の過度のリーン化を招いたことになる。これは、過渡補正量Kathosの算出に、吸気圧や吸気ポートの吸気流速の変化までは考慮していないためである。
ステップ64〜66では始動時燃料噴射パルス幅Ti1と通常時燃料噴射パルス幅Ti2とを比較し、値の大きい方を最終の燃料噴射パルス幅Tiとして選択する。
上記の始動後増量補正係数KASが燃料噴射に用いられるのは、通常時燃料噴射パルス幅Ti2が最終の燃料噴射パルス幅Tiとして採用される場合である。すなわち、本実施形態では、図3においてt5のタイミング直前においては、始動時燃料噴射パルス幅Ti1より通常時燃料噴射パルス幅Ti2のほうが大きくなっていることを前提としている。
このようにして算出された燃料噴射パルス幅Tiは出力レジスタに移され、所定の燃料噴射タイミングになると、このパルス幅Tiの間だけ各気筒の燃料噴射弁21がシーケンシャルに開かれる。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、クランキングからのエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングで点火時期を第1点火時期ADV1(始動用の点火時期)から第2点火時期ADV2(触媒暖機促進用の点火時期)へとステップ的に遅角し(図5のステップ26、32参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達したタイミングでエンジン回転速度Neをアイドル時の目標回転速度NSETに保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室5に供給されるように、スロットル弁位置から燃焼室5までの吸入空気量の応答遅れを考慮して、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに達するタイミングよりも所定期間DT前のタイミングt1よりスロットル弁23を開き始めるので(図5のステップ25、26、29、30、31参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後の吹き上がりを抑制しながら早期に排気温度を上昇させることが可能となり(図2最下段の実線参照)、無駄な燃料消費を抑制しつつ触媒活性時間を短くすることができる。
この場合に、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後も暫くのあいだ吸気圧や吸気ポート4の吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあり、この場合には、吸気圧や吸気ポート4の吸気流速の変化に伴って吸気ポート壁の燃料壁流量が減少し、その分燃焼室5に供給される燃料量が不足し、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなり、HCの増加やアイドル時の目標回転速度NSETからの回転落ちを招くことになるのであるが、本実施形態(請求項1、8に記載の発明)によれば、スロットル弁23を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に吸気圧または吸気ポート4の吸気流速の変化が落ち着く(吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になる)までのあいだ、始動後増量補正係数KASを用いて、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量するので(図6のステップ44、45、51参照)、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に吸気圧や吸気ポート4の吸気流速がなおも小さくなる側に変化し続けることがあっても、燃焼室内の混合気の空燃比が燃焼安定限界を超えてリーンとなることを防止できる。この結果、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後におけるHCの増加やアイドル時の目標回転速度NSETからの回転落ちを抑制できる(図2第7段目の実線参照)。
さて、上記の実施形態(第1実施形態)では、使用燃料の燃料性状が重質であるのかそれとも軽質であるのかを考慮していない。ここで、燃料性状が重質であるとは、低温で蒸発する燃料成分(炭化水素)が相対的に少なく高温で蒸発する燃料成分が相対的に多いものを、燃料性状が軽質であるとは、低温で蒸発する燃料成分(炭化水素)が相対的に多く高温で蒸発する燃料成分が相対的に少ないものをいう。揮発性に関係するこの燃料性状はエンジンの始動性に大きく影響することが知られている。
このため、触媒暖機促進用の点火時期である上記の第2点火時期ADV2(図5のステップ32参照)と、燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を定めている始動後増量補正係数KAS(図6のステップ41〜49参照)とを軽質用に設定している場合に、使用燃料の燃料性状が重質であるときには、使用燃料の燃料性状が軽質であるときより揮発性が悪い分だけ燃焼状態が不安定になることから、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達した直後に不安定な回転速度に伴う不快な振動が生じたりはなはだしい場合にはエンジンストールに至ってしまうことが考えられる(図8最上段、図10最上段、図11最上段の実線参照)。
そこで第2、第3、第4、第5、第6の各実施形態では、重軽質センサ(燃料性状検出手段)により使用燃料の燃料性状が重質であるのかそれとも軽質であるのかを検出し、触媒暖機促進用の点火時期である第2点火時期ADV2を、この重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状に応じ、例えば使用燃料の燃料性状が重質であるときには、使用燃料の燃料性状が軽質であるときより触媒暖機促進用の点火時期である第2点火時期ADV2を進角側に設定する。具体的には次のようにする。
〈1〉第2実施形態:
図8第2段目、図9第2段目に示したように、燃料性状が軽質であるときにはt2のタイミングで第1点火時期ADV1より実線で示す軽質燃料用第2点火時期ADV2l(第2点火時期)へとステップ的に遅角するのに対し、燃料性状が重質であるときにはt2のタイミングで第1点火時期ADV1より破線で示す重質燃料用第2点火時期ADV2h(第2点火時期)へとステップ的に遅角する。これによって第2点火時期が重質燃料の使用時には軽質燃料の使用時よりも進角されるようにする。
また、図9第3段目に示したように、燃料性状が軽質であるときにはt0のタイミングよりt2のタイミングまで軽質燃料用初期値KAS0lを始動後増量補正係数KASとして設定し、t2のタイミングからは始動後増量補正係数KASを所定のスピードで減少させ、t3のタイミングで始動後増量補正係数KASをゼロとする(実線参照)のに対して、燃料性状が重質であるときにはt5のタイミングで軽質燃料用初期値KAS0lから重質燃料用初期値KAS0hへと大きくし、t5のタイミングよりt2のタイミングまで重質燃料用初期値KAS0hを始動後増量補正係数KASとして設定し、t2のタイミングからは始動後増量補正係数KASを所定のスピードで減少させ、t3より遅いタイミングで始動後増量補正係数KASをゼロとする(二点鎖線参照)。これによって重質燃料の使用時には軽質燃料の使用時よりも燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分が増量されるようにする。重質燃料の使用時に燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を増量する理由は、重質燃料の使用時には、軽質燃料の使用時より燃料の揮発性が悪い分だけ吸気ポート壁(あるいは吸気弁傘裏部)の燃料壁流量が大きくなり、これにより燃焼室5内に導入される供給燃料量が少なくなり、燃焼室内空燃比が理論空燃比よりもリーン側にずれて燃焼状態が不安定となるので、軽質燃料相当の燃焼室内空燃比が得られるようにするためである。
ここで、図8は第1実施形態の図2と、図9は第1実施形態の図3と対応するものである。
〈2〉第3実施形態:
図10第2段目に示したように、燃料性状が軽質であるときにはt2のタイミングで第1点火時期ADV1より実線で示す軽質燃料用第2点火時期ADV2lへとステップ的に遅角するのに対し、燃料性状が重質であるときにはt6のタイミングで第1点火時期ADV1より破線で示す重質燃料用第2点火時期ADV2hへとステップ的に遅角する。すなわち、重質燃料の使用時には所定のディレイ時間tDLYを設け、第2実施形態に対して第1点火時期ADV1から重質燃料用第2点火時期ADV2hへと切換えるタイミングをt2のタイミングよりt6のタイミングまで遅らせる。
〈3〉第4実施形態:
図11第2段目に示したように、燃料性状が軽質であるときにはt2のタイミングで第1点火時期ADV1より軽質燃料用第2点火時期ADV2lへとステップ的に遅角するのに対し(実線参照)、燃料性状が重質であるときにはt2のタイミングより所定のスピードで緩やかに遅角し、図10と同じt6のタイミングで重質燃料用第2点火時期ADV2hとなるようにする(破線参照)。
ここで、点火時期の第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2(燃料性状が軽質であるときにはADV2l、燃料性状が重質であるときにはADV2h)への遅角時に第3実施形態において所定のディレイ時間tDLYを設けたり、第4実施形態において所定のスピードで緩やかに遅角させる理由は、エンジン始動直後のようにエンジン回転速度の上昇中で吸気ポート壁(あるいは吸気弁傘裏部)の燃料壁流変化の大きいところで点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角させたのでは、特に重質燃料の使用時に燃焼安定性が悪いためにエンジンストールを生じがちとなるので、これを避けるためである。
〈4〉第5実施形態:
第2実施形態に対してさらに目標空燃比を次のように設定する。図12最下段に示したように、燃料性状が軽質であるときには目標空燃比が理論空燃比(図では「ストイキ」と略記)となるようにする(実線参照)のに対して、燃料性状が重質であるときにはt2のタイミングより目標空燃比を燃焼安定限界を超えない範囲で理論空燃比よりリーン側の値とする(破線参照)。すなわち、燃料性状が重質であるときには燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、燃焼安定限界を超えないリーン側の空燃比となるように、燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を定めている始動後増量補正係数KASを設定する。ただし、t2のタイミングでステップ的に目標空燃比を変化させるのではなく、徐々に変化させる。このように、リーン側の空燃比とする理由は、重質燃料の使用時には軽質燃料の使用時より第2点火時期ADV2を進角側に設定する分だけ後燃えが不良となりHCが悪化するので、これを避けるためである。
ここで、目標空燃比が理論空燃比のとき目標当量比TFBYAは1.0である。目標空燃比を理論空燃比よりリーン側の値とするとき、目標当量比TFBYAは1.0より大きな値となる。
〈5〉第6実施形態:
第5実施形態に対してさらにアイドル時の目標回転速度を次のように設定する。図13最上段に示したように、燃料性状が軽質であるときにはクランキングからのエンジン回転速度がt2のタイミングでアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後もそのアイドル時の目標回転速度NSETを一定に保つだけである(実線参照)のに対して、燃料性状が重質であるときにはよりアイドル時の目標回転速度NSETをt2のタイミングで、所定値ΔNだけアップする(破線参照)。ただし、t2のタイミングでステップ的にアイドル時の目標回転速度NSETを上昇させるのではなく、徐々に上昇させる。このようにアイドル時の目標回転速度NSETを所定値ΔNアップする理由は、第5実施形態により目標空燃比をリーン側の空燃比としたとき、それだけ燃焼状態が不安定になるので、これを避けるためである。
エンジンコントローラ31により実行されるこれら5つの実施形態の制御のうち、第2実施形態の制御を以下のフローチャートにより詳述する。なお、第3〜第6の実施形態のフローチャートによる詳細な説明は省略する。
図14、図15(A)、図15(B)は第2実施形態のフローチャートで、このうち図14点火時期指令値及びスロットル弁目標開度を算出するための、また図15(A)、図15(B)は目標当量比を算出するためのものである。図14は第1実施形態の図5と、図15(A)、図15(B)は第1実施形態の図6と置き換わるものである。第1実施形態の同一部分には同一のステップ番号を付している。
第1実施形態と相違する部分を主に説明すると、図14においてステップ51では重質フラグをみる。重質フラグ=0は軽質燃料が使用されていることを、これに対して重質フラグ=1は重質燃料が使用されていることを表す。重質フラグの設定は、エンジンコントローラ31によりイグニッションスイッチのOFFからONへの切換時に重軽質センサ(燃料性状検出手段)からの検出信号に基づいて行われる。図示していない重軽質センサは公知で、例えば燃料タンク内の燃料を吐出する燃料供給ポンプ下流の燃料供給通路に設けられている(特開平9−53492号公報参照)。
重質フラグ=0であるとき(軽質燃料の使用時)には、ステップ52に進み、水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温TWに応じて軽質燃料用第2点火時期ADV2lを算出し、これをステップ53で点火時期指令値ADVに移す。一方、重質フラグ=1であるとき(重質燃料の使用時)には、ステップ51よりステップ54に進み、水温センサ37により検出されるそのときの冷却水温TWに応じて重質燃料用第2点火時期ADV2hを算出し、これをステップ55で点火時期指令値ADVに移す。同じ冷却水温TWで比較すると、重質燃料用第2点火時期ADV2hのほうが軽質燃料用第2点火時期ADV2lよりも遅角側に設定されている。
図15(A)において、ステップ41でイグニッションスイッチのOFFよりONへの切換時であるときにはステップ71に進み、始動後増量補正係数の軽質燃料用初期値KAS0lを、水温センサ37により検出される始動時水温TWINTに応じて算出し、これをステップ72で始動後増量補正係数KASに移す。
ステップ73では重質フラグをみる。重質フラグ=0であるとき(軽質燃料の使用時)には、ステップ44〜46、74、48、49に進み、第1実施形態と同様の操作(図6のステップ44〜49)を実行する。第1実施形態と相違するのは、ステップ74のみであり、ここでは、始動後増量補正係数KASを次式により算出する。
KAS=KAS(前回)−Δt1×KAS(前回) …(7)
ただし、Δt1 :一定値、
KAS(前回):KASの前回値、
ここで、(7)式の所定値Δt1は始動後増量補正係数KASの所定時間当たりの減少分を定める値であり、軽質燃料用に適合しておく。
重質フラグ=1であるとき(重質燃料の使用時)にはステップ73よりステップ75に進み完爆フラグをみる。完爆フラグ=0(完爆回転速度N0に到達する前)であるときにはステップ76に進み、始動後増量補正係数KASを前回と同じ値(つまり軽質燃料用初期値KAS0l)に維持する。
完爆フラグ=1(完爆回転速度N0に到達後)になると、ステップ75より図15(B)に進む。図15(B)においてステップ77では目標到達フラグをみる。目標到達フラグ=0(完爆回転速度N0に到達後、アイドル時の目標回転速度NSETに到達する前)であるときにはステップ78に進み、始動後増量補正係数の重質燃料用初期値KAS0hを、水温センサ37により検出される始動時水温TWINTに応じて算出し、これをステップ79で始動後増量補正係数KASに移す。同じ始動時水温TWINTで比較すると、重質燃料用初期値KAS0hのほうが軽質燃料用初期値KAS0lよりも大きい側に設定されている。
目標到達フラグ=1(アイドル時の目標回転速度NSETに到達後)になったときにはステップ77よりステップ80に進み始動後増量補正係数KASとゼロを比較する。目標回転到達フラグ=1になったタイミングでは始動後増量補正係数KASはゼロより大きいため(重質燃料用初期値KAS0hが入っているので)、ステップ80に1んで始動後増量補正係数KASを次式により算出する。
KAS=KAS(前回)−Δt2×KAS(前回) …(8)
ただし、Δt2 :一定値、
KAS(前回):KASの前回値、
ここで、(8)式の所定値Δt2は始動後増量補正係数KASの所定時間当たりの減少分を定める値であり、重質燃料用に適合しておく。簡単には、軽質燃料用に適合している所定値Δt1に等しくしてもかまわない。始動後増量補正係数の前回値である「KAS(前回)」の初期値はKAS0である。
目標回転到達フラグ=1である場合に、ステップ81の操作を繰り返すと、始動後増量補正係数KASが徐々に小さくなってゆく。従って、ステップ82で始動後増量補正係数KASとゼロを比較し、始動後増量補正係数KASが負の値になったときにはステップ83に進んで始動後増量補正係数KAS=0とする。
このようにして、始動後増量補正係数KASは、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致したタイミングより、徐々に小さくなりやがてゼロとなる値である。
ここで、第2実施形態の作用効果を説明する。
第2実施形態(請求項1、2、8、9に記載の発明)によれば、重軽質センサ(燃料性状検出手段)を備え、第2点火時期ADV2(触媒暖機促進用の点火時期)を、この重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状に応じて設定、例えば図8第2段目、図9の第2段目に示したように、使用燃料の燃料性状が重質であるとき(重質燃料の使用時)には、使用燃料の燃料性状が軽質であるとき(軽質燃料の使用時)より、第2点火時期ADV2を進角側に設定するので(図14のステップ51、52、54参照)、第1実施形態の作用効果に加えて、使用燃料の燃料性状による燃焼安定度に合わせた第2点火時期の設定が可能となり、重質燃料の使用時においても始動直後のエンジンストールや不快な振動を防止できる(図8最上段においてt2からの破線参照)。
第2実施形態(請求項3、10に記載の発明)によれば、燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を定めている始動後増量補正係数KASを軽質用に設定している場合に、重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、図9の第3段目に二点鎖線で示したように、燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を定めている始動後増量補正係数KASを増加するので、第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2への遅角時に軽質燃料相当の燃焼室内空燃比が得られることとなり、これにより、重質燃料使用時におけるエンジン始動直後のエンジンストールをさらに防止できる。
エンジン始動直後のようにエンジン回転速度の上昇中で吸気ポート壁(あるいは吸気弁傘裏部)の燃料壁流変化の大きいところで点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角させたのでは、特に重質燃料の使用時に燃焼安定性が悪いためにエンジンストールを生じがちとなるのであるが、第3実施形態(請求項4、11に記載の発明)によれば、重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、図10の第2段目に破線で示したように、点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角するに際して、所定のディレイ時間tDLYを設けているので、第2実施形態の作用効果に加えて、エンジン回転速度の上昇中で吸気ポート壁の燃料壁流変化の大きいところでの点火時期のステップ遅角を避けることができ、確実にエンジン始動直後のエンジンストールを防止できる。
同様に、エンジン始動直後のようにエンジン回転速度の上昇中で吸気ポート壁の燃料壁流変化の大きいところで点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へとステップ的に遅角させたのでは、特に重質燃料の使用時に燃焼安定性が悪いためにエンジンストールを生じがちとなるのであるが、第4実施形態(請求項5、12に記載の発明)によれば、重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、図11の第2段目に破線で示したように、点火時期を第1点火時期ADV1から第2点火時期ADV2へと徐々に遅角させるので、第2実施形態の作用効果に加えて、エンジン回転速度の上昇中で吸気ポート壁の燃料壁流変化の大きいところでの点火時期のステップ遅角を避けることができ、確実にエンジン始動直後のエンジンストールを防止できる。
重質燃料の使用時には、軽質燃料の使用時より第2点火時期ADV2を進角側に設定する分だけ後燃えが不良となりHCが悪化するのであるが(図12の最下段においてt2からの実線参照)、第5実施形態(請求項6、13に記載の発明)によれば、重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、図12の第6段目に破線で示したように、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、燃焼安定限界を超えないリーン側の空燃比となるように、燃料噴射弁21からの燃料噴射量の増量分を定めている始動後増量補正係数KAS設定するので、第2実施形態の作用効果に加えて、後燃えが良くなり、これにより重質燃料の使用時に軽質燃料の使用時より第2点火時期ADV2を進角側に設定する場合でもHCの悪化を防止できる(図12の最下段においてt2からの破線参照)。
第6実施形態(請求項7、14に記載の発明)によれば、重軽質センサにより検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、図13の最上段に破線で示したように、クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度到NSETに達したタイミングでアイドル時の目標回転速度NSETを所定値ΔNだけ上昇させるので、第5実施形態の作用効果に加えて、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、燃焼安定限界を超えないリーン側の空燃比となるようにしていても、アイドル時の吸入空気量が増えて燃焼状態を安定させることができる。また、排ガスボリュームのアップにより触媒の暖機性能が向上する。
実施形態に加えて、さらにエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後、実際のエンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETと一致するように、スロットル弁開度、燃料噴射量、点火時期のいずれか一つを用いてフィードバック制御するようにしてもかまわない。このような構成によれば、エンジン回転速度Neがアイドル時の目標回転速度NSETに到達した後に、実際の回転速度Neがハンチングすることがあっても、アイドル時の目標回転速度NSETへ落ち着かせることができる。
請求項1に記載の点火時期遅角処理手順は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給処理手順は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量処理手順は図6のステップ44、45、51により、触媒暖機促進用点火時期設定処理手順は図14のステップ51〜55によりそれぞれ果たされている。
請求項8に記載の点火時期遅角手段の機能は、図5のステップ26、32、33により、吸入空気量供給手段の機能は図5のステップ25、26、29、30、31により、燃料噴射量増量手段の機能は図6のステップ44、45、51により、触媒暖機促進用点火時期設定手段の機能は図14のステップ51〜55によりそれぞれ果たされている。
本発明の第1実施形態のエンジンの制御装置の概略構成図。 第1実施形態の作用を現状の制御と比較して説明するための波形図。 第1実施形態の制御方法を説明するための波形図。 2つのフラグの設定を説明するためのフローチャート。 点火時期指令値及びスロットル弁目標開度の算出を説明するためのフローチャート。 目標当量比の算出を説明するためのフローチャート。 燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の作用を説明するための波形図。 第2実施形態の制御方法を説明するための波形図。 第3実施形態の作用を説明するための波形図。 第4実施形態の作用を説明するための波形図。 第5実施形態の作用を説明するための波形図。 第6実施形態の作用を説明するための波形図。 第2実施形態の点火時期指令値及びスロットル弁目標開度の算出を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の目標当量比の算出を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の目標当量比の算出を説明するためのフローチャート。
符号の説明
5 燃焼室
9 第1触媒
14 点火プラグ
21 燃料噴射弁
23 スロットル弁
31 エンジンコントローラ
33、34 クランク角センサ
36 スタータスイッチ
37 水温センサ

Claims (14)

  1. 活性状態になって初めて機能する触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えるエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角処理手順と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給処理手順と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量処理手順と
    を含むと共に、
    使用燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出手段を備え、
    前記触媒暖機促進用の点火時期を、この燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状に応じて設定する触媒暖機促進用点火時期設定処理手順
    を含むことを特徴とするエンジンの制御方法。
  2. 使用燃料の燃料性状は重質であるのかそれとも軽質であるのかであり、
    前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるときには、前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が軽質であるときより、前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御方法。
  3. 前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を軽質用に設定している場合に、前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を増加することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  4. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角するに際して、所定のディレイ時間を設けることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  5. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角するのではなく、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へと徐々に遅角させることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  6. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、燃焼安定限界を超えないリーン側の空燃比となるように、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を設定することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  7. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、クランキングからのエンジン回転速度が前記アイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでアイドル時の目標回転速度を上昇させることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの制御方法。
  8. 活性状態になって初めて機能する触媒を排気通路に、燃料を噴射する燃料噴射弁を吸気通路にそれぞれ備えるエンジンにおいて、
    クランキングからのエンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングで点火時期を始動用の点火時期から触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角する点火時期遅角手段と、
    エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでエンジン回転速度をアイドル時の目標回転速度に保持させるに必要な吸入空気量が燃焼室に供給されるように、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達するタイミングよりも所定期間前にスロットル弁を開き始める吸入空気量供給手段と、
    前記スロットル弁を開き始めるタイミングを起点とし、エンジン回転速度がアイドル時の目標回転速度に達した後に吸気圧または吸気ポートの吸気流速の変化割合が所定範囲内になるまでのあいだ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量する燃料噴射量増量手段と
    を含むと共に、
    使用燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出手段を備え、
    前記触媒暖機促進用の点火時期を、この燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状に応じて設定する触媒暖機促進用点火時期設定手段
    を含むことを特徴とするエンジンの制御装置。
  9. 使用燃料の燃料性状は重質であるのかそれとも軽質であるのかであり、
    前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるときには、前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が軽質であるときより、前記触媒暖機促進用の点火時期を進角側に設定することを特徴とする請求項8に記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を軽質用に設定している場合に、前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を増加することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  11. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角するに際して、所定のディレイ時間を設けることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  12. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へとステップ的に遅角するのではなく、点火時期を前記始動用の点火時期から前記触媒暖機促進用の点火時期へと徐々に遅角させることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  13. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を一時的に増量したときに得られる実際の空燃比が、燃焼安定限界を超えないリーン側の空燃比となるように、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増量分を設定することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの制御装置。
  14. 前記燃料性状検出手段により検出される使用燃料の燃料性状が重質であるとき、クランキングからのエンジン回転速度が前記アイドル時の目標回転速度に到達したタイミングでアイドル時の目標回転速度を上昇させることを特徴とする請求項13に記載のエンジンの制御装置。
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