JP2000205019A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2000205019A
JP2000205019A JP11005360A JP536099A JP2000205019A JP 2000205019 A JP2000205019 A JP 2000205019A JP 11005360 A JP11005360 A JP 11005360A JP 536099 A JP536099 A JP 536099A JP 2000205019 A JP2000205019 A JP 2000205019A
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temperature
combustion
combustion chamber
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Naohide Fuwa
直秀 不破
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機関始動後における成層燃焼への切り換え許可
を適切な時期に行い、成層燃焼による燃費向上という効
果を的確に得ることのできる内燃機関の制御装置を提供
する。 【解決手段】燃焼方式が「均質燃焼」と「成層燃焼」と
の間で切り換えられるエンジン11においては、エンジ
ン始動時等の機関低温時には「均質燃焼」が行われる。
そして、エンジン11を制御するための電子制御ユニッ
ト(ECU)は、エンジン始動時におけるエンジン11
の冷却水温と、エンジン受熱量から求められる燃焼室温
度上昇量とに基づき燃焼室温度を推定する。この推定さ
れる燃焼室温度が「成層燃焼」を実行可能な値以上にな
ったとき、ECUは「均質燃焼」から「成層燃焼」への
燃焼方式の切り換えを許可する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関運転状態に基
づき燃焼方式が均質燃焼と成層燃焼との間で切り換えら
れる内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用の内燃機関においては、
燃費を向上させること及び十分な機関出力を得ることの
両立を図るために、機関運転状態に応じて燃焼方式を切
り換えるタイプの内燃機関が提案され、実用化されてい
る。こうしたタイプの内燃機関としては、特開平10−
30468号公報に載されたものがあげられる。
【0003】同公報に記載された内燃機関は、燃焼室に
燃料を供給するための燃料噴射弁を備えている。そし
て、高出力が要求される高回転高負荷時には、空気に対
して燃料が均等に混合された均質混合気を燃焼させる
「均質燃焼」を実行し、十分な機関出力を得るようにし
ている。この「均質燃焼」は、内燃機関の吸気行程にて
噴射された燃料が空気に均等に混ぜ合わされ、燃焼室内
で上記空気及び燃料からなる混合気に点火プラグにより
点火がなされることによって実行される。
【0004】また、あまり高出力が要求されない低回転
低負荷時には、点火プラグ周りの燃料濃度を高めて着火
性を向上させるとともに、混合気の平均空燃比を理論空
燃比よりも大きくすることで燃費を向上させることが可
能な「成層燃焼」を実行する。この「成層燃焼」は、内
燃機関の圧縮行程にて燃焼室内に噴射供給された燃料が
ピストン頭部の窪みに当たって点火プラグ周りに集めら
れ、その集められた燃料と燃焼室内の空気とからなる混
合気に点火プラグにより点火がなされることによって実
行される。
【0005】上記のように内燃機関の燃焼方式を、機関
運転状態に応じて「均質燃焼」と「成層燃焼」との間で
切り換えることにより、燃費を向上させることができる
とともに十分な機関出力が得られるようになる。
【0006】また、同公報に記載された内燃機関におい
ては、内燃機関の冷却水温を機関温度として検出し、機
関始動時など機関温度が低いときには強制的に「均質燃
焼」を実行するようにしている。これは、「成層燃焼」
では点火プラグ周りに着火可能な混合気を形成する必要
があるが、機関温度が低いときには点火プラグ周りに着
火可能な混合気を形成するこことが困難なためである。
そして、内燃機関の冷却水温が所定値以上になって点火
プラグ周りに着火可能な混合気を形成できるようになる
と、「均質燃焼」から「成層燃焼」への燃焼方式の切り
換えが許可される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載の内燃機関においては、機関冷却水温を機関温度とし
て検出しているが、その冷却水温の上昇は実際の機関温
度の上昇よりも緩やかなものとなる。従って、機関温度
が極低温のときに内燃機関が始動された場合などには冷
却水温の上昇が遅く、「均質燃焼」から「成層燃焼」へ
の切り換えが許可されるのに時間を要することとなる。
そして、上記のように「均質燃焼」から「成層燃焼」へ
の切り換えの許可に時間を要することから、その「成層
燃焼」による燃費向上という効果が得られにくくなる。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、機関始動後における成層燃
焼への切り換え許可を適切な時期に行い、成層燃焼によ
る燃費向上という効果を的確に得ることのできる内燃機
関の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、機関運転状態に基づき成
層燃焼運転と均質燃焼運転とを切り換える内燃機関にあ
って、機関低温時には均質燃焼運転を行う内燃機関の制
御装置において、機関始動時の機関冷却水温と機関温度
上昇量に関係する状態量とに基づき機関温度を推定する
推定手段と、前記推定手段によって推定される機関温度
が所定値以上になったときに成層燃焼運転の実行を許可
する許可手段とを備えた。
【0010】機関温度は、機関始動時における機関温度
からの機関温度上昇量を把握することにより的確に推定
することができる。また、機関始動時の機関温度は、機
関始動時の機関冷却水温から推定することができる。同
構成によれば、機関始動時の機関冷却水温と機関温度上
昇量に関係する状態量とに基づき推定される機関温度が
所定値以上になったとき、均質燃焼運転から成層燃焼運
転への切り換えが許可されるため、その許可を適切な時
期に行って成層燃焼運転による燃費向上という効果を的
確に得ることができるようになる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記機関温度上昇量に関係する状態量
は、機関始動時からの機関冷却水温の上昇量であるもの
とした。
【0012】同構成によれば、機関始動時の機関冷却水
温と同冷却水温における機関始動時からの上昇量とに基
づき機関温度が推定される。そして、推定される機関温
度が所定値以上になったとき、均質燃焼運転から成層燃
焼運転への切り換えが許可されるため、その許可を適切
な時期に行って成層燃焼運転による燃費向上という効果
を的確に得ることができるようになる。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記機関温度上昇量に関与する状態量
は、機関受熱量に関与する状態量であるものとした。同
構成によれば、機関始動時の機関冷却水温と機関受熱量
に関与する状態量とに基づき機関温度が推定される。そ
して、推定される機関温度が所定値以上になったとき、
均質燃焼運転から成層燃焼運転への切り換えが許可され
るため、その許可を適切な時期に行って成層燃焼運転に
よる燃費向上という効果を的確に得ることができるよう
になる。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明において、前記機関受熱量に関与する状態量は、燃
料噴射量或いは吸入空気量であるものとした。同構成に
よれば、機関始動時の機関冷却水温と燃料噴射量或いは
吸入空気量とに基づき機関温度が推定される。そして、
推定される機関温度に基づき均質燃焼運転から成層燃焼
運転への切り換えが許可されるため、その許可を適切な
時期に行って成層燃焼運転による燃費の向上という効果
を的確に得ることができるようになる。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、前記推定手段は、更に
機関停止から機関始動までの時間に基づいて機関温度を
推定するものとした。
【0016】機関始動時の機関温度は、厳密には機関停
止から機関始動までの時間によっても変化する。同構成
によれば、更に機関停止から機関始動までの時間に基づ
き機関温度を推定するため、一層精度よく機関温度の推
定を行うことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
直列4気筒の自動車用ガソリンエンジンに適用した第1
実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0018】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を備
えている。これらピストン12は、自身の頭部に成層燃
焼を行うための窪み12aが形成されるとともに、コン
ロッド13を介して出力軸であるクランクシャフト14
に連結されている。そして、ピストン12の往復移動
は、上記コンロッド13によってクランクシャフト14
の回転へと変換されるようになっている。こうしたエン
ジン11には、始動時にクランクシャフト14を強制的
に回転させるためのスタータモータ51が設けられてい
る。このスタータモータ51の駆動は、自動車の室内に
設けられたスタータスイッチ52を操作することによっ
て行われる。
【0019】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0020】一方、シリンダブロック11aには、エン
ジン11の冷却水温を検出するための水温センサ11b
が設けられている。更に、シリンダブロック11aの上
端にはシリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド
15とピストン12との間には燃焼室16が設けられて
いる。この燃焼室16には、シリンダヘッド15に設け
られた吸気ポート17と排気ポート18とが連通してい
る。
【0021】一方、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、上記吸気バルブ19及び排気バルブ20を開
閉駆動するための吸気カムシャフト21及び排気カムシ
ャフト22が回転可能に支持されている。これら吸気及
び排気カムシャフト21,22は、タイミングベルト及
びギヤ(共に図示せず)等を介してクランクシャフト1
4に連結され、同ベルト及びギヤ等によりクランクシャ
フト14の回転が伝達されるようになる。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、吸気バルブ19が開閉
駆動されて、吸気ポート17と燃焼室16とが連通・遮
断される。また、排気カムシャフト22が回転すると、
排気バルブ20が開閉駆動されて、排気ポート18と燃
焼室16とが連通・遮断される。
【0022】シリンダヘッド15において、吸気カムシ
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0023】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されている。
この吸気管30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、排気管31内及び排気ポート18内は排
気通路33となっている。吸気通路32の上流部分には
スロットルバルブ23が設けられている。このスロット
ルバルブ23は、スロットル用モータ24の駆動により
回動されて開度調節がなされる。
【0024】また、上記スロットル用モータ24の駆動
は、自動車の室内に設けられたアクセルペダル25の踏
込量に基づき制御される。即ち、自動車の運転者がアク
セルペダル25を踏込操作すると、アクセルペダル25
の踏込量がアクセルポジションセンサ26によって検出
され、同センサ26の検出信号に基づきスロットル用モ
ータ24が駆動制御される。このスロットル用モータ2
4の駆動制御に基づくスロットルバルブ23の開度調節
により、吸気通路32の空気流通面積が変化して燃焼室
16へ吸入される空気の量が調整されるようになる。
【0025】吸気通路32においてスロットルバルブ2
3の下流側に位置する部分には、同通路32内の圧力を
検出するバキュームセンサ36が設けられている。そし
て、バキュームセンサ36は検出した吸気通路32内の
圧力に対応した検出信号を出力する。
【0026】また、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、燃焼室16内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁40と、燃焼室16内に充填される燃料と空気とから
なる混合気に対して点火を行う点火プラグ41とが設け
られている。この点火プラグ41による上記混合気への
点火時期は、点火プラグ41の上方に設けられたイグナ
イタ41aによって調整される。そして、燃料噴射弁4
0から燃焼室16内へ燃料が噴射されると、同燃料が吸
気通路32を介して燃焼室16に吸入された空気と混ぜ
合わされ、燃焼室16内で空気と燃料とからなる混合気
が形成される。更に、燃焼室16内の混合気は点火プラ
グ41によって点火がなされて燃焼し、燃焼後の混合気
は排気として排気通路33に送り出される。
【0027】次に、本実施形態におけるエンジン11の
制御装置の電気的構成を図2に基づいて説明する。この
制御装置は、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、点火
時期制御、スロットル開度制御、及び燃焼方式切換制御
など、エンジン11の運転状態を制御するための電子制
御ユニット(以下「ECU」という)92を備えてい
る。このECU92は、ROM93、CPU94、RA
M95及びバックアップRAM96等を備える論理演算
回路として構成されている。
【0028】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0029】外部入力回路98には、水温センサ11
b、クランクポジションセンサ14c、カムポジション
センサ21b、アクセルポジションセンサ26、バキュ
ームセンサ36、及びスタータスイッチ52等が接続さ
れている。一方、外部出力回路99には、スロットル用
モータ24、燃料噴射弁40、及びイグナイタ41a等
が接続されている。
【0030】このように構成されたECU92は、エン
ジン11の運転状態に応じて燃焼方式を「成層燃焼」と
「均質燃焼」との間で切り換える。例えば、エンジン1
1の運転状態が高回転高負荷領域にあるときに「均質燃
焼」を行い、低回転低負荷領域にあるときには「成層燃
焼」を行う。このように燃焼方式を変化させるのは、高
出力が要求される高回転高負荷時には混合気の空燃比を
リッチ側の値にしてエンジン出力を高め、あまり高出力
を必要としない低回転低負荷時には空燃比をリーン側の
値にして燃費の向上を図るためである。
【0031】エンジン11の燃焼方式を「均質燃焼」と
した場合、ECU92は、バキュームセンサ36からの
検出信号に基づき求められる吸気圧PMと、クランクポ
ジションセンサ14cからの検出信号に基づき求められ
るエンジン回転数NEとから周知のマップを参照して基
本燃料噴射量Qを算出する。この基本燃料噴射量Qは、
吸気圧PM及びエンジン回転数NEが高くなるほど大き
い値になる。基本燃料噴射量Qが算出されると、ECU
92は、燃料噴射弁40を駆動制御して、上記基本燃料
噴射量Qに対応した量の燃料をエンジン11の吸気行程
中に噴射させる。こうした燃料噴射に基づき燃焼室16
内に形成される混合気においては、その空燃比が理論空
燃比若しくは理論空燃比よりも大きい値となる。更に、
ECU92は、スロットル開度及び点火時期等が「均質
燃焼」に適したものとなるよう、スロットル用モータ2
4及びイグナイタ41a等を駆動制御する。
【0032】エンジン11の燃焼方式を「成層燃焼」と
した場合、ECU92は、アクセル踏込量ACCP及び
エンジン回転数NEとから基本燃料噴射量Qを算出す
る。この基本燃料噴射量Qは、アクセル踏込量ACCP
が大きくなるとともに、エンジン回転数NEが高くなる
ほど大きい値になる。基本燃料噴射量Qが算出される
と、ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御して、上
記基本燃料噴射量Qに対応した量の燃料をエンジン11
の圧縮行程中に噴射させる。こうした燃料噴射により燃
焼室16内に形成される混合気においては、その空燃比
が「均質燃焼」時の空燃比よりもリーン側の値とされ
る。また、ECU92は、スロットル開度、及び点火時
期等が「成層燃焼」に適したものとなるよう、スロット
ル用モータ24及びイグナイタ41a等を駆動制御す
る。
【0033】こうした「成層燃焼」時において、エンジ
ン11の圧縮行程中に燃料噴射弁40から噴射された燃
料は、ピストン12の頭部に設けられた窪み12a(図
1)内に入り込み、ピストン12の移動により点火プラ
グ41の周りに集められる。このように点火プラグ41
の周りに燃料を集めることによって、燃焼室16内の混
合気全体の平均空燃比を「均質燃焼」時よりリーン側の
値にしても、同プラグ41周りの混合気の空燃比が着火
に適したものとされて良好な混合気への着火が行われ
る。また、燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を
「均質燃焼」時よりリーン側の値にするためにスロット
ル開度が開き側に制御されて吸入空気量が多くされるた
め、「成層燃焼」時にはエンジン11のポンピングロス
が低減されるようになる。
【0034】また、ECU92は、エンジン始動時など
機関温度が低いときには燃焼方式を強制的に「均質燃
焼」とする。これは「成層燃焼」では点火プラグ41周
りに着火可能な混合気を形成する必要があるが、機関温
度が低いときには点火プラグ41周りに着火可能な混合
気を形成することが困難なためである。そして、機関温
度が上昇して点火プラグ41周りに着火可能な混合気を
形成できるようになると、ECU92は、「均質燃焼」
から「成層燃焼」への燃焼方式の切り換えを許可する。
この状態にあって、機関運転状態に応じて燃焼方式が
「成層燃焼」に切り換えられると、エンジン11のポン
ピングロスが低減されて燃費が向上するようになる。
【0035】ところで、エンジン11の機関温度として
は、例えば水温センサ11bからの検出信号に基づき求
められるエンジン11の冷却水温THWが用いられる。
しかし、冷却水温THWは、燃焼室16内の温度上昇よ
りも緩やかに上昇する。そのため、極低温時でのエンジ
ン始動などでは、燃焼室16内の温度が「成層燃焼」可
能な値に達しているにも係わらす、冷却水温THWが十
分上昇せずに「成層燃焼」への切り換えが許可されない
という事態が生じる。そして、この場合には、冷却水温
THWが十分に上昇してから「成層燃焼」への切り換え
が許可されるため、エンジン始動から「成層燃焼」への
切り換え許可がなされるまでに時間を要し、「成層燃
焼」による燃費向上という効果が得られにくくなる。
【0036】そこで、本実施形態では、エンジン始動時
の燃焼室温度、及びエンジン始動時における燃焼室温度
から燃焼室温度上昇量を把握すれば現在の燃焼室温度を
的確に推定することができるとの考えに基づいて、この
ように燃焼室温度を推定する。即ち、エンジン始動時の
冷却水温THW、及び燃焼室温度上昇量に関係する状態
量であるエンジン受熱量Qcyl 等に基づき燃焼室温度T
cyl を推定する。そして、上記燃焼室温度Tcyl が所定
値a以上になったときに「成層燃焼」への切り換えを許
可する。このように推定される燃焼室温度Tcyl に基づ
き「成層燃焼」への切り換えを許可することで、その許
可を適切な時期に行って「成層燃焼」による燃費向上と
いう効果を的確に得ることができるようになる。
【0037】次に、エンジン始動後における「成層燃
焼」への切り換え許可の手順について図4を参照して説
明する。図4は、エンジン始動後における「成層燃焼」
への切り換え許可を適切な時期に行うための成層燃焼許
可ルーチンを示すフローチャートである。この成層燃焼
許可ルーチンは、ECU92を通じて例えば所定時間毎
の時間割り込みにて実行される。
【0038】同ルーチンにおいて、ステップS101〜
S105,S109の処理は燃焼室温度Tcyl を推定し
て算出するためのものであり、ステップS106〜S1
08の処理は上記燃焼室温度Tcyl に基づき燃焼方式を
「均質燃焼」に固定するか、或いは「成層燃焼」への切
り換えを許可するかを決定するためのものである。
【0039】成層燃焼許可ルーチンにおいて、ECU9
2は、ステップS101の処理として、例えばスタータ
スイッチ52がオフであって且つエンジン回転数NEが
400rpm以上であるか否かに基づき、エンジン11
が始動完了しているか否かを判断する。そして、エンジ
ン11が始動完了していない旨判断されると、ステップ
S109に進む。
【0040】ECU92は、ステップS109の処理と
して、前回エンジン11が停止したときの燃焼室温度T
cyl 、前回エンジン11が停止した時から今回のエンジ
ン始動時までの機関停止時間t、今回のエンジン始動時
の冷却水温THWに基づき、今回のエンジン始動時にお
ける燃焼室温度Tcyl を算出する。なお、機関停止時間
tは、ECU92がタイマ等にて前回のエンジン停止時
から今回のエンジン始動時までの時間を計測することで
求められる。また、前回エンジン11が停止したときの
燃焼室温度Tcyl は、図5に示す燃焼室温度記憶ルーチ
ンによって記憶されたものである。ここで、燃焼室温度
記憶ルーチンについて説明する。
【0041】燃焼室温度記憶ルーチンは、ECU92を
通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行され
る。同ルーチンにおいてECU92は、ステップS20
1の処理として、エンジン回転数NE等に基づきエンジ
ン11が停止したか否かを判断する。そして、エンジン
11が停止していれば当該燃焼室温度記憶ルーチンを一
旦終了し、エンジン11が停止していなければステップ
S202に進む。ECU92は、ステップS202の処
理として、現在の燃焼室温度Tcyl をバックアップRA
M96の所定領域に記憶した後、この燃焼室温度記憶ル
ーチンを一旦終了する。
【0042】こうして記憶される燃焼室温度Tcyl は、
図4に示す成層燃焼許可ルーチンのステップS105の
処理によって算出されるものである。従って、エンジン
11が停止されたときにはバックアップRAM96にエ
ンジン停止時の燃焼室温度Tcyl が記憶されることとな
る。そして、上記ステップS109の処理においては、
バックアップRAM96に記憶された燃焼室温度Tcyl
がエンジン停止時の値として用いられる。
【0043】さて、説明を成層燃焼許可ルーチンに戻
す。上記ステップS109の処理において、ECU92
は、前回のエンジン停止時の燃焼室温度Tcyl 、機関停
止時間t、今回のエンジン始動時の冷却水温THWに基
づき、予め実験等によって設定されたマップを参照して
エンジン始動時の燃焼室温度Tcyl を算出する。こうし
てマップ演算されるエンジン始動時の燃焼室温度Tcyl
は、エンジン停止時の燃焼室温度Tcyl が高く、機関停
止時間tが短いほど高い値になる。これは、実際の燃焼
室温度は、図3に実線で示すようにエンジン停止時が最
も高温な状態であって、エンジン停止時間の経過に伴い
徐々に低下するためである。また、上記マップ演算され
るエンジン始動時の燃焼室温度Tcyl は、エンジン始動
時の冷却水温THWが高いほど高い値になる。こうして
エンジン始動時の燃焼室温度Tcyl が算出された後、E
CU92は、この成層燃焼許可ルーチンを一旦終了す
る。
【0044】一方、上記ステップS101の処理におい
て、例えばスタータスイッチ52がオフであって且つエ
ンジン回転数NEが400rpm以上であり、エンジン
11が始動完了している旨判断されると、ステップS1
02に進む。ECU92は、ステップS102の処理と
して、燃焼室16内に噴射供給される実行燃料噴射量Q
all 、及びエンジン回転数NEに基づき予め実験等によ
り設定されたマップを参照して燃焼室内発熱量Qbを算
出する。こうしてマップ演算される燃焼室内発熱量Qb
は、エンジン回転数NEを一定とした条件下では、実行
燃料噴射量Qall が大きくなるほど大きい値になる。燃
焼室内発熱量Qbを算出した後、ステップS103に進
む。
【0045】ECU92は、ステップS103の処理と
して、燃焼室内発熱量Qb及びエンジン回転数NEに基
づき予め実験等により設定されたマップを参照してエン
ジン受熱量Qcyl を算出する。こうしてマップ演算され
るエンジン受熱量Qcyl は、エンジン回転数NEを一定
とした条件下では、燃焼室内発熱量Qbが大きくなるほ
ど大きい値になる。エンジン受熱量Qcyl を算出した
後、ステップS104に進む。
【0046】ECU92は、ステップS104の処理と
して、エンジン受熱量Qcyl 及び現在の燃焼室温度Tcy
l に基づき予め実験等により設定されたマップを参照し
て燃焼室温度上昇量ΔTcyl を算出する。こうしてマッ
プ演算される燃焼室温度上昇量ΔTcyl は、現在の燃焼
室温度Tcyl の温度を一定とした条件下では、エンジン
受熱量Qcyl が大きくなるほど大きい値になる。なお、
エンジン始動完了後、最初にステップS104の処理が
実行されたときには、上記ステップS109の処理で算
出されたエンジン始動時の燃焼室温度Tcyl が現在の燃
焼室温度Tcylとなる。燃焼室温度上昇量ΔTcyl を算
出した後、ステップS105に進む。
【0047】ECU92は、ステップS105の処理と
して、現在の燃焼室温度Tcyl に上記燃焼室温度上昇量
ΔTcyl を加算して新たな燃焼室温度Tcyl を算出す
る。こうして算出される燃焼室温度Tcyl は、同燃焼室
温度Tcyl が低温領域にあるときには時間経過に対して
の上昇率が大きく、同燃焼室温度Tcyl が高温領域へ移
行するほど時間経過に対しての上昇率が低下するように
なる。これは、燃焼室温度Tcyl が高温領域に移行する
ほど、エンジン11の冷却水によって燃焼室16の温度
上昇が効率よく抑えられるためである。
【0048】上記ステップS102〜S105の処理に
より、実行燃料噴射量Qall 等に基づきエンジン受熱量
Qcyl が算出され、更にエンジン受熱量Qcyl 等に基づ
きエンジン始動完了後の燃焼室温度Tcyl が推定され
る。こうして燃焼室温度Tcylが算出されると、ステッ
プS106に進む。
【0049】ECU92は、ステップS106の処理と
して、燃焼室温度Tcyl が所定値a以上か否かを判断す
る。この所定値aは、「成層燃焼」を実行することが可
能な燃焼室16の温度であって、例えば本実施形態では
500℃に設定されている。そして、ステップS106
の処理において、「Tcyl ≧所定値a」でない旨判断さ
れるとステップS108に進み、ECU92はエンジン
11の燃焼方式を「均質燃焼」に固定する。また、ステ
ップS106の処理において、「Tcyl ≧所定値a」で
ある旨判断されるとステップS107に進み、ECU9
2は「成層燃焼」への切り換えを許可する。上記ステッ
プS107とステップS108とのいずれかの処理が実
行された後、ECU92は、この成層燃焼許可ルーチン
を一旦終了する。
【0050】上記のように燃焼室温度Tcyl を推定し、
同燃焼室温度Tcyl が所定値a以上になることに基づき
「成層燃焼」の実行を許可することで、その許可を実際
の燃焼室温度が「成層燃焼」実行可能な値(本実施形態
では500℃)になったときに的確に行うことができる
ようになる。従って、実際の燃焼室温度が「成層燃焼」
を実行可能な値に達しているにも係わらず、「成層燃
焼」への切り換え許可がなされず、その許可に時間がか
かることもない。そのため、エンジン始動完了後におい
て「均質燃焼」から「成層燃焼」への切り換えを適切な
時期に行い、「成層燃焼」による燃費向上という効果を
的確に得ることができるようになる。
【0051】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)エンジン始動時の冷却水温THW等に基づきエン
ジン始動時の燃焼室温度Tcyl を算出した。更に、基本
燃料噴射量Qの積算値Qall 等に基づきエンジン受熱量
Qcyl を求め、このエンジン受熱量Qcyl 等から燃焼室
温度上昇量ΔTcyl を求めた。そして、上記エンジン始
動時の燃焼室温度Tcyl と上記燃焼室温度上昇量ΔTcy
l とに基づき現在の燃焼室温度Tcyl を推定し、同燃焼
室温度Tcyl が所定値a以上になったときに「成層燃
焼」への切り換えを許可するようにした。従って、エン
ジン始動完了後において、「均質燃焼」から「成層燃
焼」への切り換え許可を適切な時期に行うことができ、
「成層燃焼」による燃費向上という効果を的確に得るこ
とができるようになる。
【0052】(2)上記エンジン始動時の燃焼室温度T
cyl をエンジン始動時の冷却水温THWだけでなく、前
回エンジン11が停止したときの燃焼室温度Tcyl 、及
びエンジン停止時からエンジン始動時までの機関停止時
間tに基づいても算出するようにした。従って、エンジ
ン始動時における実際の燃焼室温度は機関停止時間tが
長くなるほど低くなるが、こうした実際の燃焼室温度の
特性に応じてエンジン始動時に算出される燃焼室温度T
cyl を一層正確なものとすることができる。そして、エ
ンジン始動時の燃焼室温度Tcyl を正確に算出すること
で、その燃焼室温度Tcyl と燃焼室温度上昇量ΔTcyl
とに基づき、現在の燃焼室温度Tcyl を一層正確に推定
することができる。
【0053】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図6及び図7に基づき説明する。本実施形態では
燃焼室温度Tcyl の推定の仕方のみが第1実施形態と異
なる。従って、本実施形態において第1実施形態と異な
る部分についてのみ説明し、第1実施形態と同一の部分
については詳細な説明を省略する。
【0054】図6は、本実施形態の成層燃焼許可ルーチ
ンを示すフローチャートである。この成層燃焼許可ルー
チンは、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割
り込みにて実行される。
【0055】同ルーチンにおいてECU92は、ステッ
プS301の処理として、エンジン11が始動完了した
か否か判断する。そして、エンジン11が始動完了して
いればステップS302に進み、エンジン11が始動完
了していなければステップS306に進む。ECU92
は、ステップS305の処理として、後述するステップ
S302の処理で用いられる所定値bを、機関停止時間
t及びエンジン始動時の冷却水温THWに基づき、予め
実験等により設定された図7に示すマップを参照して算
出する。
【0056】この所定値bは、燃焼室温度が「成層燃
焼」を実行可能な値に達したときの冷却水温THWに対
応した値であって、エンジン始動時の冷却水温THWが
低いほど小さくなるとともに、同冷却水温THWが低温
領域にあるときには機関停止時間tが長くなるほど大き
くなる。これは、機関停止時間tが長くなるほど燃焼室
温度が低下し、燃焼室温度が「成層燃焼」を実行可能な
値に達したときの冷却水温THWも高くなるためであ
る。
【0057】上記ステップS302の処理において、E
CU92は、現在の冷却水温THWが上記所定値b以上
であるか否か、即ち冷却水温THWにおけるエンジン始
動時の値に同水温THWの現在までの上昇量を加算した
ものが所定値b以上であるか否かを判断する。このステ
ップS103の判断処理を行うことは、エンジン始動時
の冷却水温THWと同水温THWにおけるエンジン始動
時からの上昇量、つまり燃焼室温度上昇量とに基づき燃
焼室温度を推定し、推定される燃焼室温度が「成層燃
焼」を実行可能な値以上であるか否かを判断することに
他ならない。
【0058】そして、上記ステップS302の処理にお
いて、「THW≧所定値b」でなく、推定される燃焼温
度が「成層燃焼」を実行可能な値よりも小さい旨判断さ
れると、ステップS304に進んで燃焼方式を「均質燃
焼」に固定する。また、上記ステップS302の処理に
おいて、「THW≧所定値b」であって、推定される燃
焼温度が「成層燃焼」を実行可能な値以上である旨判断
されると、ステップS303に進んで「成層燃焼」の実
行を許可する。上記ステップS303とステップS30
4とのいずれかの処理を行った後、ECU92は、この
成層燃焼許可ルーチンを一旦終了する。
【0059】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (3)現在の冷却水温THWがエンジン始動時の冷却水
温THW、及び機関停止時間tに応じて変化する所定値
b以上であるとき、即ちエンジン始動時の冷却水温TH
Wと同水温THWにおけるエンジン始動時からの上昇量
とに基づき推定される燃焼室温度が、「成層燃焼」を実
行可能な値以上であるときに「均質燃焼」から「成層燃
焼」への切り換えを許可するようにした。従って、エン
ジン始動完了後において、「均質燃焼」から「成層燃
焼」への切り換え許可を適切な時期に行うことができ、
「成層燃焼」による燃費向上という効果を的確に得るこ
とができるようになる。
【0060】(4)推定される燃焼室温度が「成層燃
焼」を実行可能な値以上であるか否か判断するために用
いられる上記所定値bは、エンジン始動時の冷却水温T
HWのみならず機関停止時間tに基づいても算出され
る。従って、エンジン始動時の燃焼室温度は機関停止時
間tが長くなるほど低くなるが、こうした燃焼室温度の
特性に応じて上記所定値bを算出することで、上記「均
質燃焼」から「成層燃焼」への切り換え許可が一層正確
な時期に行われるようになる。
【0061】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・上記各実施形態では、推定される燃焼室温度に基づく
「成層燃焼」への切り換え許可が機関停止時間tを考慮
して行われるが、必ずしも機関停止時間tを考慮する必
要はない。
【0062】・第1実施形態においては、エンジン受熱
量Qcyl を求めるための燃焼室内発熱量Qbを、実行燃
料噴射量Qall に基づき算出するようにしたが、本発明
はこれに限定されない。即ち、エンジン11における吸
入空気量に基づき燃焼室内発熱量Qbを算出してエンジ
ン受熱量Qcyl を求めるようにしてもよい。
【0063】次に、以上の実施形態から把握することの
できる請求項以外の発明を、その効果とともに以下に記
載する。 (1)機関運転状態に基づき成層燃焼運転と均質燃焼運
転とを切り換える内燃機関にあって、機関低温時には均
質燃焼運転を行うとともに、機関冷却水温が所定値以上
になったとき成層燃焼運転への切り換えを許可する内燃
機関の制御装置において、前記成層燃焼運転を許可する
か否かの判断に用いられる前記所定値を機関始動時の機
関冷却水温に基づき変化させる可変手段を備えることを
特徴とする内燃機関の制御装置。
【0064】機関始動時の機関冷却水温が変化すると、
成層燃焼を実行可能な機関冷却水温も変化する。同構成
によれば、機関始動時の機関冷却水温に基づき成層燃焼
運転を許可するか否かの判断に用いられる所定値が変化
するため、極低温での機関始動時などにおいても均質燃
焼運転から成層燃焼運転への切り換え許可を適切な時期
に行うことができる。そのため、均質燃焼運転から成層
燃焼運転への切り換えが遅れることはなく、成層燃焼運
転による燃費向上という効果を的確に得ることができる
ようになる。
【0065】(2)上記(1)に記載の内燃機関の制御
装置において、前記可変手段は、更に機関停止から機関
始動までの時間に基づいて前記所定値を変化させるもの
である内燃機関の制御装置。
【0066】成層燃焼を実行可能な機関冷却水温は機関
停止から機関始動までの時間によっても変化する。同構
成によれば、成層燃焼運転への切り換えを許可するか否
かの判断に用いられる所定値を、機関停止から機関始動
までの時間を考慮して変化させるため、均質燃焼運転か
ら成層燃焼運転への切り換え許可を行う時期を一層的確
なものとすることができる。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、機関始動
時の機関冷却水温と機関温度上昇量に関係する状態量と
に基づき推定される機関温度が所定値以上になったと
き、均質燃焼運転から成層燃焼運転への切り換えが許可
されるため、その許可を適切な時期に行って成層燃焼運
転による燃費向上という効果を的確に得ることができ
る。
【0068】請求項2記載の発明によれば、機関始動時
の機関冷却水温と同冷却水温における機関始動時からの
上昇量とに基づき機関温度が推定される。そして、推定
される機関温度が所定値以上になったとき、均質燃焼運
転から成層燃焼運転への切り換えが許可されるため、そ
の許可を適切な時期に行って成層燃焼運転による燃費向
上という効果を的確に得ることができる。
【0069】請求項3記載の発明によれば、機関始動時
の機関冷却水温と機関受熱量に関与する状態量とに基づ
き機関温度が推定される。そして、推定される機関温度
が所定値以上になったとき、均質燃焼運転から成層燃焼
運転への切り換えが許可されるため、その許可を適切な
時期に行って成層燃焼運転による燃費向上という効果を
的確に得ることができる。
【0070】請求項4記載の発明によれば、機関始動時
の機関冷却水温と燃料噴射量或いは吸入空気量とに基づ
き機関温度が推定される。そして、推定される機関温度
に基づき均質燃焼運転から成層燃焼運転への切り換えが
許可されるため、その許可を適切な時期に行って成層燃
焼運転による燃費の向上という効果を的確に得ることが
できる。
【0071】請求項5記載の発明によれば、更に機関停
止から機関始動までの時間に基づき機関温度を推定する
ため、一層精度よく機関温度の推定を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御装置が適用されたエンジン
全体を示す断面図。
【図2】同制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】機関停止時間tの増加に対する実際の燃焼室温
度の推移を示すグラフ。
【図4】第1実施形態の成層燃焼許可手順を示すフロー
チャート。
【図5】燃焼室温度記憶手順を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態の成層燃焼許可手順を示すフロー
チャート。
【図7】所定値bを算出する際に参照されるマップ。
【符号の説明】
11…エンジン、11b…水温センサ、14c…クラン
クポジションセンサ、26…アクセルポジションセン
サ、36…バキュームセンサ、51…スタータモータ、
52…スタータスイッチ、92…電子制御ユニット(E
CU)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態に基づき成層燃焼運転と均質
    燃焼運転とを切り換える内燃機関にあって、機関低温時
    には均質燃焼運転を行う内燃機関の制御装置において、 機関始動時の機関冷却水温と機関温度上昇量に関係する
    状態量とに基づき機関温度を推定する推定手段と、 前記推定手段によって推定される機関温度が所定値以上
    になったときに成層燃焼運転の実行を許可する許可手段
    と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記機関温度上昇量に関係する状態量は、
    機関始動時からの機関冷却水温の上昇量である請求項1
    記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】前記機関温度上昇量に関与する状態量は、
    機関受熱量に関与する状態量である請求項1記載の内燃
    機関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記機関受熱量に関与する状態量は、燃料
    噴射量或いは吸入空気量である請求項3記載の内燃機関
    の制御装置。
  5. 【請求項5】前記推定手段は、更に機関停止から機関始
    動までの時間に基づいて機関温度を推定するものである
    請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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