JP2879993B2 - 内燃エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2879993B2
JP2879993B2 JP3139651A JP13965191A JP2879993B2 JP 2879993 B2 JP2879993 B2 JP 2879993B2 JP 3139651 A JP3139651 A JP 3139651A JP 13965191 A JP13965191 A JP 13965191A JP 2879993 B2 JP2879993 B2 JP 2879993B2
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修介 赤崎
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの燃料噴
射制御装置、より詳しくは内燃エンジンの各気筒毎に設
けられた燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射時期を制
御する内燃エンジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】多気筒を有する内燃エンジンに
おいて、燃料の噴射時期は少なくとも吸入行程中に燃料
噴射が終了するように設定するものがある。そして、燃
料量が少なくて済む希薄燃焼運転の場合は、吸入行程中
に燃料噴射を行うことにより、燃焼が安定し、運転性能
の向上を図ることができる。
【0003】しかし、多量の燃料量を必要とする高負荷
・高回転運転の場合は、1回の吸入行程中に必要な全燃
料量を噴射することが困難であり、吸入行程中に所要燃
料量の噴射を完了させるためには吸入行程突入前、すな
わち、排気行程等他の行程中にも燃料噴射を行う必要が
ある。
【0004】一方、前記内燃エンジンにおいては、その
各気筒において排気行程から吸入行程に移行するときに
排気弁の開弁時期と吸気弁の開弁時期とがオーバラップ
するオーバラップ期間の存在が知られている。
【0005】したがって、吸入行程突入前に燃料噴射を
開始した場合、オーバラップ期間中にも燃料が噴射され
ることとなり、燃料の噴き抜けが生じ、HC等多量の有
害成分が大気に排出されるという問題点がある。
【0006】このような問題点を解消する手段として、
オーバラップ期間突入前に第1回目の噴射を行い、オー
バラップ期間経過後の吸入行程中に第2回目の噴射を行
う分割噴射方式が考えられる。
【0007】一方、燃料噴射弁の噴射時間には、通電し
てから開弁するまでの無効期間の存在が知られている。
該無効期間はバッテリ電圧が低い場合は長くなるため、
バッテリ電圧の電圧値によっては無効期間がオーバラッ
プ期間よりも長くなる可能性がある。
【0008】しかし、無効期間がオーバラップ期間より
も長くなるとオーバラップ期間中の燃料噴射は阻止され
るものの、吸入行程における噴射時期が目標噴射時期よ
り遅れるため、特に上記分割噴射方式を採用した場合
は、所望の燃料量が今回のサイクル時において気筒内に
吸入されず、空燃比(A/F)がリーン化し、失火やト
ルクショックの原因となるという問題点が新たに発生す
る。
【0009】すなわち、図10(a)に示すように無効
期間TVが短い場合は、第1回目の噴射と第2回目の噴
射との間の燃料噴射弁のオフ期間を短くして第2回目の
噴射開始時期を早め、オーバラップ期間TOVが経過し
た直後に所望の実噴射時間TCでもって燃料を噴射する
ようにすることにより、必要燃料量の噴射が可能であ
る。
【0010】また、無効期間TVが長くなっても該無効
期間TVがオーバラップ期間TOVよりも短い場合、す
なわちTV<TOVが成立するときは、図10(b)に
示すように、オーバラップ期間TOVが経過した直後に
上述と同様所望の実噴射時間TCでもって燃料を噴射さ
せることにより必要燃料量の噴射が可能である。
【0011】しかし、図10(c)に示すように、無効
期間TVがオーバラップ期間TOVよりも長い場合、す
なわちTV>TOVのときはオーバラップ期間TOVの
経過後も燃料噴射弁からは燃料が噴射されず噴射時期が
遅れるため、必要量の燃料量を吸入行程中に噴射するこ
とができなくなる虞があるという問題点が新たに発生す
る。
【0012】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、高負荷・高回転運転状態であってもHC
等の有害成分の排出を抑制することができ、かつ所望の
燃料量をエンジンに供給することができる内燃エンジン
の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃エンジンの各気筒毎に設けられた燃料
噴射弁から噴射される燃料の噴射時期を制御する内燃エ
ンジンの燃料噴射制御装置において、エンジンの運転状
態を検出する運転状態検出手段と、前記燃料噴射弁から
噴射される燃料噴射量を決定する燃料量決定手段と、前
記運転状態検出手段により検出されたエンジンの運転状
態に応じ1サイクル中を複数回に分けて燃料噴射する分
割噴射を行うべきか否かを判別する分割噴射判別手段
と、エンジンに設けられた排気弁の開弁時期と吸気弁の
開弁時期とのオーバラップ期間を算出するオーバラップ
算出手段と、前記燃料噴射弁の無効期間を演算する無効
期間演算手段と、該無効期間演算手段により演算された
無効期間と前記オーバラップ算出手段により算出された
オーバラップ期間とを比較する比較手段とを備え、前記
分割噴射判別手段により分割噴射すべきと判別されたと
きには前記オーバラップ算出手段により算出されたオー
バラップ期間を避けて分割噴射がなされ、かつ前記比較
手段により前記無効期間が前記オーバラップ期間よりも
長いと判断されたときは分割噴射が禁止されることを特
徴としている。
【0014】さらに、本発明は、前記運転状態検出手段
として、エンジンが斉次噴射モードにあるか否かを検出
する斉次噴射モード検出手段と、エンジンがアイドル状
態にあるか否かを検出するアイドル状態検出手段と、車
輪の速度を検出する車速検出手段と、エンジンの回転数
を検出する回転数検出手段と、エンジンの水温を検出す
る水温検出手段と、エンジンの負荷状態を検出する負荷
状態検出手段とを有し、前記分割噴射判別手段は、前記
各検出手段のうち、少なくとも1つ又は複数の組合せに
より判別されることを特徴としている。
【0015】
【作用】上記構成によれば、分割噴射判別手段により分
割噴射すべきと判別されたときにはオーバラップ算出手
段により算出されたオーバラップ期間を避けて分割噴射
されるので、燃料の噴き抜けを防止することができる。
【0016】さらに、本発明は無効期間がオーバラップ
期間よりも長いと判断されたときは分割噴射が禁止され
ることとしたので、かかる場合は燃料が一括噴射(非分
割噴射)され、必要燃料量のエンジンへの供給が可能と
なる。
【0017】また、分割噴射判別手段は、斉次噴射モー
ド検出手段等各種検出手段のうち、少なくとも1つ又は
複数の組合せにより判別されるので、各エンジンパラメ
ータの運転状態に応じて分割すべきか否かを判別するこ
とができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
【0019】図1は本発明に係る内燃エンジンの燃料噴
射制御装置の一実施例を示す全体構成図である。
【0020】図中、1は各シリンダに吸気弁と排気弁
(図示せず)とを各1対宛設けたDOHC直列4気筒の
内燃エンジン(以下、単に「エンジン」という)であ
る。このエンジン1は、吸気弁及び排気弁のバルブタイ
ミングが、エンジンの高速回転領域に適した高速バルブ
タイミング(高速V/T)と、低速回転領域に適した低
速バルブタイミング(低速V/T)との2段階に切換可
能に構成されている。
【0021】エンジン1の吸気管2の途中にはスロット
ルボディ3が設けられ、その内部にはスロットル弁3′
が配されている。また、スロットル弁3′にはスロット
ル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、スロッ
トル弁3′の開度に応じた電気信号を出力して電子コン
トロールユニット(以下「ECU」という)5に供給す
る。
【0022】燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁
3′との間且つ吸気管2の図示しない燃料ポンプに接続
されるとともにECU5に電気的に接続され、当該EC
U5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御され
る。
【0023】また、吸気管2のスロットル弁3′の下流
側には分岐管7が設けられ、該分岐管7の先端には絶対
圧(PBA)センサ8が取付けられている。該PBAセ
ンサ8はECU5に電気的に接続されており、吸気管2
内の絶対圧PBAは前記PBAセンサ8により電気信号
に変換されてECU5に供給される。
【0024】また、分岐管7の下流側の吸気管2の管壁
には吸気温(TA)センサ9が装着され、該TAセンサ
9により検出された吸気温TAは電気信号に変換され、
ECU5に供給される。
【0025】エンジン1のシリンダブロックの冷却水が
充満した気筒周壁にはサーミスタ等からなるエンジン水
温(TW)センサ10が挿着され、該TWセンサ10に
より検出されたエンジン冷却水温TWは電気信号に変換
されてECU5に供給される。
【0026】また、エンジン1の図示しないカム軸周囲
又はクランク軸周囲の所定位置には気筒判別(CYL)
センサ11、TDCセンサ12、クランク角(CRK)
センサ13が夫々取付けられている。
【0027】CYLセンサ11は、クランク軸2回転毎
に特定の気筒の所定のクランク角度位置でパルス信号
(以下、「CYL信号パルス」という)を出力し、該C
YL信号パルスをECU5に供給する。
【0028】TDCセンサ12は、エンジン1のクラン
ク軸の180°回転毎に所定のクランク角度位置で信号
パルス(以下、「TDC信号パルス」という)を出力
し、該TDC信号パルスをECU5に供給する。
【0029】CRKセンサ13は、TDC信号パルスの
周期、すなわち180°より短い一定のクランク角周期
(例えば、45°周期)でパルス信号(以下、「CRK
信号パルス」という)を出力し、該CRK信号パルスを
ECU5に供給する。
【0030】エンジン1の各気筒の点火プラグ14は、
ECU5に電気的に接続され、ECU5により点火時期
が制御される。
【0031】変速機15は、車輪(図示せず)とエンジ
ン1との間に介装され、前記車輪は変速機15を介して
エンジン1により駆動される。
【0032】また、前記車輪には車速(VSP)センサ
16が取り付けられ、該VSPセンサ16により検出さ
れた車速VSPは電気信号に変換され、ECU5に供給
される。
【0033】また、エンジン1の排気管17の途中には
広域酸素濃度センサ(以下、「LAFセンサ」と称す
る)18が設けられており、該LAFセンサ18により
検出された排気ガス中の酸素濃度は電気信号に変換され
てECU5に供給される。
【0034】また、ECU5の出力側には、前記バルブ
タイミングの切換制御を行うための電磁弁19が接続さ
れ、該電磁弁19の開閉作動がECU5により制御され
る。電磁弁19は、バルブタイミングの切換を行う切換
機構(図示せず)の油圧を高/低に切換えるものであ
り、該油圧の高/低に対応してバルブタイミングが高速
V/Tと低速V/Tに切換えられる。前記切換機構の油
圧は、油圧(POIL)センサ20によって検出され、
その検出信号がECU5に供給される。
【0035】ECU5は上述の各種センサからの入力信
号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、ア
ナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有
する入力回路5aと、中央演算処理回路(以下「CP
U」という)5bと、該CPU5bで実行される各種演
算プログラムや後述する各種マップ及び演算結果等を記
憶するROM及びRAMからなる記憶手段5cと、前記
燃料噴射弁6、点火プラグ14及び電磁弁19に駆動信
号を供給する出力回路5dとを備えている。
【0036】図2は、CYLセンサ11から出力される
CYL信号パルス、TDCセンサ12から出力されるT
DC信号パルス、CRKセンサ13から出力されるCR
K信号パルスの発生タイミングを夫々示すタイムチャー
トである。
【0037】TDC信号パルスは、各気筒(#1〜#4
CYL)の圧縮行程開始時のTDC(上死点)前の所定
クランク角度位置(例えば、10°BTDC)で発生す
る。すなわち、TDC信号パルスは各気筒の基準クラン
ク角度位置を表わすものであって、クランク軸の180
°回転毎に発生する。そして、ECU5はTDC信号パ
ルスの発生間隔を計測してエンジン回転数NEの逆数で
あるME値を算出する。
【0038】CYL信号パルスは、特定の気筒(例え
ば、#1CYL)の圧縮行程開始を示すTDC信号パル
ス発生位置よりも前の所定クランク角度位置(例えば、
20°BTDC)で発生し、CYL信号パルス発生直後
のTDC信号発生に特定の気筒番号(例えば、#1CY
L)をセットする。
【0039】CRK信号パルスは、クランク軸が2回転
する間に等間隔で例えば16個の信号パルス、すなわ
ち、例えば45°のクランク角間隔で信号パルスを発生
する。そして、ECU5はCRK信号パルスの発生間隔
を計測してクランク回転数CRNEの逆数であるCRM
E値を算出する。
【0040】さらに、ECU5は、TDC信号パルス、
CRK信号パルスに基づき各気筒の基準クランク角度位
置からのクランク角度ステージ(以下、「ステージ」と
いう)を検出する。すなわち、TDC信号パルスT1が
発生した直後に検出されるCRK信号パルスC1がCY
L信号パルスにより判別される吸気工程終了時の下死点
(BDC)位置で発生した場合、ECU5は該CRK信
号パルスC1により#1CYLの#0ステージを検出
し、さらにその後に出力されるCRK信号パルスにより
#1ステージ、#2ステージ、…、#15ステージを順
次検出する。
【0041】しかして、上記燃料噴射制御装置において
は、図3に示すフローチャート(メインルーチン)にし
たがって燃料噴射が制御される。
【0042】すなわち、まずステップS1において、各
気筒(#1〜#4CYL)毎に燃料噴射弁6の燃料噴射
時間TOUTを演算し、記憶手段5c(RAM)に記憶
する。すなわち、CPU5bは、エンジンの運転状態に
応じ、基本モードの場合は数式1に基づき、また始動モ
ードの場合は数式2に基づき前記TDC信号パルスに同
期する燃料噴射弁6の燃料噴射時間TOUTを演算し、
その結果を記憶手段5c(RAM)に記憶する。
【0043】
【数1】 TOUT=TiM×KCMDM×KLAF×K1+K2+TV
【0044】
【数2】TOUT=TiCR×K3+K4+TV ここに、TiMは基本モード時の基本燃料量、具体的に
はエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとに応じ
て設定される基本燃料噴射時間であり、このTiM値を
決定するためのTiMマップとして、低速V/T用(T
iMLマップ)と高速V/T用(TiMHマップ)の2
つのマップが記憶手段5c(ROM)に記憶されてい
る。
【0045】TiCRは始動モード時の基本燃料量であ
って、TiM値と同様、エンジン回転数NEと吸気管内
絶対圧PBAに応じて設定され、該TiCR値を決定す
るためのTiCRマップが記憶手段5c(ROM)に記
憶されている。
【0046】KCMDMは、修正目標空燃比係数であ
り、エンジンの運転状態に応じて設定され、目標空燃比
を表わす目標空燃比係数KCMDに燃料冷却補正係数K
ETVを乗算することによって算出される。また、該燃
料冷却補正係数KETVは、燃料を実際に噴射すること
による冷却効果によって吸入空気量が変化することを考
慮して燃料噴射量を予め補正するための係数であり、目
標空燃比係数KCMDの値に応じて設定される。
【0047】KLAFは空燃比補正係数であり、空燃比
フィードバック制御中はLAFセンサ18によって検出
された空燃比が目標空燃比に一致するように設定され、
オープンループ制御中はエンジン運転状態に応じた所定
値に設定される。
【0048】K1、K2、K3及びK4は夫々各種エン
ジンパラメータ信号に応じて演算される補正係数及び補
正変数であって、各気筒毎にエンジン運転状態に応じた
燃費特性や加速特性等の諸特性の最適化が図られるよう
な所定値に設定される。
【0049】TVは燃料噴射弁6の無効時間であって、
通電開始後、燃料噴射弁6が開弁するまでの遅延時間を
示す。該無効時間TVは、バッテリー電圧VBに応じて
設定され、具体的には図4に示す予め記憶手段5c(R
OM)に記憶されたTV〜VBマップをバックグラウン
ド時に検索することにより設定される。この図から明ら
かなようにバッテリー電圧VBが低下するに伴い、無効
時間TVは大きな数値に設定される。
【0050】次に、ステップS2において、燃料が各気
筒毎に順次噴射されているか否かを判別する。この順次
噴射か否かはエンジンが斉次噴射モードにあるか否か、
すなわちスタータスイッチがオンした後、例えばTDC
信号パルスの発生回数が3回を越えたか否かにより判断
する。
【0051】そして、ステップS2の答が否定(No)
の場合は、燃料が順次噴射しておらず斉次噴射をしてい
ると判断し、そのまま本プログラムを終了する。
【0052】一方、ステップS2の答が肯定(Yes)
の場合はエンジンが斉次噴射モードでなく順次噴射モー
ドに移行した場合であり、ステップS3に進み後述する
分割噴射判別のサブルーチンを実行し、分割噴射をすべ
きか一括噴射をすべきかを決定する。
【0053】次いで、ステップS4に進み、ステップS
3で決定された燃料噴射モード(分割噴射か一括噴射
か)に応じて燃料噴射を開始する噴射ステージFIST
Gの決定を行う。
【0054】次に、ステップS5に進み燃料の噴射時期
とその時間を決定し、本プログラムを終了する。すなわ
ち、一括噴射の場合は燃料噴射時間をステップS1で算
出された噴射時間TOUTに設定する一方、分割噴射の
場合は第1回目の噴射用タイマT1及び第2回目の噴射
用タイマT2を設定して本プログラムを終了する。ここ
で、第1回目の噴射用タイマT1とは、所定ステージか
ら第1回目の噴射が終了するまでのクランク角に相当す
る時間を設定するタイマをいい、第2回目の噴射用タイ
マT2とは、オーバラップ期間TOV経過後第2回目の
噴射が終了するまでのクランク角に相当する時間を設定
するタイマをいう。
【0055】図5は分割噴射判別(ステップS3)のサ
ブルーチンを示すフローチャートであって、本プログラ
ムはTDC信号パルスの発生と同期して実行される。
【0056】本プログラムはメインルーチンの判断ステ
ップS2でエンジンが順次噴射モードにあることが確認
されており、まず、エンジンがアイドル運転状態にある
か否か、すなわちフラグFIDLが「1」にセットされ
ているか否かを判別する(ステップS301)。ここ
で、アイドル運転状態にあるか否かは、エンジン回転数
NEが低回転数(例えば900rpm以下)であってス
ロットル弁3′の弁開度θTH(θTHセンサ4により
検出される)がアイドル時の所定弁開度θidl以下に
あるか、あるいはエンジン回転数NEが前記低回転数で
あって吸気管2内の絶対圧PBA(PBAセンサ8によ
り検出される)が所定値よりも低負荷側にあるときアイ
ドル運転状態にあると判別される。そして、ステップS
301の答が肯定(Yes)の場合は、分割噴射を禁止
すべくフラグFDIVを「0」にセットして(ステップ
S302)メインルーチンに戻る。
【0057】一方、ステップS301の答が否定(N
o)の場合は、ステップS303に進み、車速VSPが
所定の車速VX(例えば、7km/h)より低いか否かを
VSPセンサ16により判別する。そして、その答が肯
定(Yes)の場合は、フラグFDIVを「0」にセッ
トして(ステップS302)メインルーチンに戻る。す
なわち、低車速時においては発進時におけるスロットル
弁3′の弁開度θTH(及び絶対圧PBA)の急激な変
化によって気筒内に燃料が確実に吸入されるため、今回
サイクルが吸入行程に突入する前(すなわち、BTD
C)に燃料噴射が終了するように燃料噴射時期を設定
し、分割噴射を禁止する。
【0058】一方、ステップS303の答が否定(N
o)の場合は、ステップS304に進み、TDCセンサ
12の出力に基づいて算出されるエンジン回転数NEが
第1の所定回転数NXH(例えば、3800rpm)よ
り高いか否かを判別する。そして、その答が肯定(Ye
s)の場合は、フラグFDIVを「0」にセットして
(ステップS302)メインルーチンに戻る。すなわ
ち、エンジン回転数NEが第1の所定回転数NXHより
高い高回転数の場合は、吸入行程における噴射時間が短
いためにBTDCに燃料噴射を終了した方が、今回サイ
クル時における燃料の気筒への吸入が確実に行われ、安
定した燃焼が得られる。このため、エンジン回転数NE
が第1の所定回転数NXHより高いときは分割噴射を禁
止する。
【0059】一方、ステップS304の答が否定(N
o)の場合は、ステップS305に進み、エンジン回転
数NEが第2の所定回転数NXL(例えば、1000r
pm)より低いか否かを判別する。そして、その答が肯
定(Yes)の場合はフラグFDIVを「0」にセット
して(ステップS302)メインルーチンに戻る。すな
わち、エンジン回転数NEが第2の所定回転数NXLよ
り低い低回転数の場合は、空気の流れが遅いため、BT
DCに燃料噴射を終了した方が今回サイクル時における
燃料の気筒への吸入が確実に行われ、安定した燃焼が得
られる。このため、エンジン回転数NEが第2の所定回
転数NXLより低いときは分割噴射を禁止する。
【0060】一方、ステップS305の答が否定(N
o)の場合は、ステップS306に進み、TWセンサ1
0により検出されるエンジン冷却水温TWが所定温度T
WX(例えば、40℃)より高いか否かを判別する。そ
して、その答が肯定(Yes)の場合は、ステップS3
07に進み、上記したTiMマップを検索して得られる
基本燃料噴射時間Tiが第1の所定基本噴射時間Ti1
(例えば、2ms)よりも短いか否かを判別する。そし
て、その答が肯定(Yes)の場合はフラグFDIVを
「0」にセットして(ステップS302)メインルーチ
ンに戻る。すなわち、高水温時であっても基本燃料噴射
時間Tiが第1の所定基本噴射時間Ti1より短い場合
は燃料噴射量も少ないため、分割噴射を禁止して一括噴
射を行う。一方、ステップS307の答が否定(No)
の場合は、ステップS309に進む。
【0061】また、ステップS306の答が否定(N
o)の場合は、ステップS308に進み前記基本燃料噴
射時間Tiが第2の所定基本噴射時間Ti2(例えば、
7ms)より短いか否かを判別する。その答が否定(N
o)の場合はステップS309に進む一方、その答が肯
定(Yes)の場合は、フラグFDIVを「0」にセッ
トして(ステップS302)メインルーチンに戻る。す
なわち、エンジン冷却水温TWが所定温度TWXよりも
低く基本燃料噴射時間Tiが第2の所定基本噴射時間T
i2よりも短い場合は、吸入行程開始前に全燃料量を噴
射して吸気弁の熱で気化した方が燃焼が良化するため、
BTDCで燃料噴射を終了し、分割噴射を禁止する。
【0062】このようにステップS301〜ステップS
308を実行することにより、エンジンの運転状態に応
じて分割噴射すべきか否かが判別される。
【0063】すなわち、燃料の分割噴射は、エンジン1
が順次噴射モードにあって、アイドル運転状態になく車
速VSPが所定速度VX以上であって、エンジン回転数
NEが所定回転数の範囲内(NXH〜NXL)にあり、
かつ基本燃料噴射時間Tiがエンジン水温TWに応じて
決定される第1又は第2の所定基本噴射時間Ti1,T
i2よりも長いときに行われる。さらに基本燃料噴射時
間Tiは、上述したようにエンジン回転数NEを吸気管
内絶対圧PBAに基づいて決定されるため、分割噴射の
判別は、吸気管内絶対圧PBA、すなわちエンジンの負
荷状態にも依存することとなる。具体的には絶対圧PB
Aが所定圧より低い低負荷時には基本燃料噴射時間Ti
が短くなり、分割噴射は禁止される。
【0064】尚、本実施例では分割噴射を行うか否かの
判別は複数の運転状態を組み合わせて行ったが、少なく
とも1つの運転状態を検出して、分割噴射を行うべきか
否かを判別してもよく、また、吸気温度TAを分割噴射
の判別手段に加えてもよい。この場合は、吸気温度TA
をエンジン冷却水温TWの場合と略同等に取り扱うこと
により分割噴射をすべきか否か判別することができる。
【0065】すなわち、吸気温度TAが所定温度TAX
よりも高く且つTi<Ti1が成立するとき、及び吸気
温度TAが所定温度TAXよりも低く且つTi<Ti2
が成立するときは分割噴射を禁止する。一方、TA>T
AXかつTi≧Ti1が成立するとき及びTA≦TAX
かつTi≧Ti2が成立するときはステップS309に
進む。
【0066】しかして、ステップS309では排気弁の
開弁時期と吸気弁の開弁時期とがオーバラップするオー
バラップ時間の算出を行う。具体的には、図6のフロー
チャートに示すように、まず、バルブタイミングが高速
V/Tにセットされているか否か、すなわちフラグFH
ICが「1」にセットされているか否かを判別する(ス
テップS321)。そして、その答が肯定(Yes)の
場合はオーバラップ角ZOVを高速V/T用のオーバラ
ップ角ZOVH(例えば、30°)に設定し(ステップ
S322)、ステップS324に進む。一方、ステップ
S321の答が否定(No)の場合はオーバラップ角Z
OVを低速V/T用のオーバラップ角ZOVL(例え
ば、15°)に設定し(ステップS323)、ステップ
S324に進む。そして、ステップS324において
は、オーバラップ角ZOVを数式2に基づき時間変換し
て、オーバラップ時間TOVを算出し、記憶手段5c
(RAM)に記憶する。
【0067】
【数3】 次に、上述の如くオーバラップ時間TOVの算出が終了
するとステップS310(図5)に進み、記憶手段5c
に記憶された前記オーバラップ時間TOVと燃料噴射弁
6の無効時間TVとを比較し、TOV<TVが成立する
か否かを判別する。
【0068】すなわち、バックグラウンド時においてな
されるTV〜VBマップ(図4参照)の検索によりバッ
テリー電圧VBに応じて算出された無効時間TVと、前
記オーバラップ時間TOVとを比較する。そして、ステ
ップS310の答が否定(No)の場合は、分割噴射す
べくフラグFDIVを「1」にセットしてメインルーチ
ンに戻る一方、その答が肯定(Yes)の場合は分割噴
射を禁止すべくフラグFDIVを「0」にセットして
(ステップS302)メインルーチンに戻る。すなわ
ち、[従来技術とその課題]の項で述べたように、無効
時間TVがオーバラップ時間TOVよりも長い場合、す
なわちTOV<TVのときは、オーバラップ時間TOV
が経過しても燃料噴射弁6からは燃料が噴射されず噴射
時期が遅れ、必要量の燃料量を吸入行程中に噴射するこ
とができなくなる虞が生じるため、燃料を一括噴射し、
分割噴射を禁止する(図11参照)。
【0069】次に、このように燃料噴射方式(分割噴射
又は一括噴射)を決定した後、噴射ステージFISTG
を決定する。
【0070】図7は噴射ステージFISTGの設定手順
を示すフローチャートであって、本プログラムはTDC
信号パルスの発生と同期として実行され、各気筒毎に処
理される。
【0071】まず、フラグFHICが「1」にセットさ
れているか否かを判別し、バルブタイミングが高速V/
Tに設定されているか否かを判断する(ステップS40
1)。そして、その答が肯定(Yes)の場合は、以下
の手順において、第1回目の噴射用タイマT1,オーバ
ラップ時間TOV、第2回目の噴射用タイマT2等の各
データについて高速V/T用のデータ使用を指示してス
テップS404に進む。一方、ステップS401の答が
否定(No)の場合は、以下の手順において、第1回目
の噴射用タイマT1、オーバラップ時間TOV、第2回
目の噴射用タイマT2等の各データについて低速V/T
用のデータ使用を指示してステップS404に進む。
【0072】次いで、ステップS404では、分割噴射
判別サブルーチン(図5)においてフラグFDIVが
「1」にセットされたか否かを判別する。そして、その
答が肯定(Yes)の場合は、分割噴射を行う場合であ
り、数式4に基づき噴射時間TOUTCLを算出してス
テップS407に進む。
【0073】
【数4】 TOUTCL=TOUT−(T01+T02) 一方、ステップS404の答が否定(No)の場合は、
一括噴射を行う場合であり、数式5に基づき噴射時間T
OUTCLを算出してステップS407に進む。
【0074】
【数5】TOUTCL=TOUT−T01 次に、ステップS407では上記噴射時間TOUTCL
が0より小さいか否かを判別する。そして、その答が肯
定(Yes)の場合は噴射ステージFISTGを基準ス
テージSTGM(例えば、#10ステージ)に設定し
(ステップS408)、さらにステップS407で負値
とされた噴射時間TOUTCLを正値に変換して記憶手
段5c(RAM)に記憶し(TSTG=−TOUTC
L)、後述するフラグFTOVERを「0」にセットし
て(ステップS416)メインルーチンに戻る。これに
より、基準ステージSTGMによりディレータイマTO
FFがスタートし、所定時間TSTG後に第1回目の噴
射用タイマT1がスタートする。例えば、基準ステージ
STGMが#10ステージに設定されている場合、#1
0ステージでディレータイマTOFFがスタートし、、
噴射時間TOUTCLを正値に変換した所定時間TST
G後に燃料噴射は第1回目の噴射用タイマT1がスター
トすることとなる。一方、ステップS407の答が否定
(No)の場合は、数式6に基づき噴射ステージ数FI
CLを算出する(ステップS410)。
【0075】
【数6】 そして、数式6の商をCSTG、余りをTSTGとして
夫々記憶手段5c(RAM)に記憶する(ステップS4
11)。
【0076】次に、数式7に基づき噴射ステージFIS
TGを算出する(ステップS412)。
【0077】
【数7】FISTG=STGM−(CSTG+1) これにより例えば、基準ステージSTGMが#10ステ
ージであり、CSTGが「3」の場合は、FISTG=
6に設定され、#6ステージからディレータイマTOF
Fがスタートし、次に第1回目の噴射用タイマT1がス
タートし、噴射が行なわれることとなる。
【0078】次に、ステップS413に進み、噴射ステ
ージFISTGが「1」より大きいか否かを判別する。
そして、その答が肯定(Yes)の場合、すなわち先の
例のようにFISTG=6のような場合はステップS4
16に進みフラグFTOVERを「0」にセットしてメ
インルーチンに戻る。一方、ステップS413の答が否
定(No)の場合は噴射ステージFISTGを「1」に
設定し(ステップS414)、フラグFTOVERを
「1」にセットして(ステップS415)メインルーチ
ンに戻る。このフラグFTOVERはリミット発生フラ
グであって噴射ステージFISTGが「1」より小さく
なると燃料の噴射が連続してしまう可能性があるため、
#0ステージ及び前行程のステージへの割り込みを禁止
する。すなわち、燃料噴射時期が連続してしまうと噴射
タイマの更新ができなくなり噴射状態を維持することと
なる。このため#0ステージでは噴射を必らず停止して
割り込みによるデータの更新を行うこととし、噴射ステ
ージFISTGがFISTG<1のときは燃料噴射時期
を#1ステージに固定する。このようにして噴射ステー
ジFISTGの決定がなされる。
【0079】次に、噴射タイマにより燃料噴射時間TO
UTに応じた噴射時間のタイマ設定を行う。
【0080】表1は各噴射モード及び各噴射領域におけ
る噴射タイマのタイマ設定値の一覧表である。表中、各
記号は以下の意味を示す。
【0081】 FISTG:噴射ステージ、STGM:基準ステージ、 CSTG:TOUTCL/CRMEの商、 TSTG:TOUTCL/CRMEの余り、 TOUT:数式1に基づいて算出された燃料噴射時間、 TOV:オーバラップ期間、TV:燃料噴射弁の無効時
間、 TO1:基準ステージSTGMからオーバラップ期間T
OVに突入するまでの時間、 TO2:オーバラップ期間TOV経過後第2回目の噴射
が終了するまでの時間、 TOFF:噴射ステージFISTGから第1回目の噴射
用タイマT1がスタートするまでのディレータイマ、 T1:第1回目の噴射用タイマ、TOVT:オーバーラ
ップ時間だけ噴射を休止するための噴射休止タイマ、 T2:第2回目の噴射用タイマ また、図8(a)〜(g)は燃料噴射弁6の噴射時期を
示すタイムチャートであって、CRK信号パルスは圧縮
行程の開始ステージが#0ステージとされ、排気行程の
#10ステージが基準ステージSTGMとされている。
また、図中はTOFF、はT1、はTOVT、
はT2を夫々示している。
【0082】以下、表1及び図8に基づき噴射時期のタ
イマ値設定について詳説する。(以下、余白)
【0083】
【表1】 A.一括噴射の場合 図5の分割判別サブルーチンでFDIV=0に設定され
ている一括噴射の場合は、以下の3種類がある。
【0084】 (a)TOUT≦TO1が成立するとき[図8(a)] 図7のフローチャートにおいてS406→S407→S
408→S409→S416のフローが実行される場合
である。この場合は、噴射ステージFISTGを基準ス
テージSTGMとすべくそのディレータイマTOFF
を(TO1−TOUT)に設定し、第1回目の噴射用タ
イマT1をTOUTに設定する。
【0085】これにより、基準ステージSTGM(#1
0ステージ)からディレータイマTOFFが経過後に燃
料の一括噴射を開始し、TOUT経過時に今サイクル時
の燃料噴射が終了する。
【0086】 (b)TO1<TOUTが成立するとき[図8(b)] 図7のフローチャートにおいてS406→S407→S
410→…→S413→リターンのフローが実行される
場合である。
【0087】このときはディレータイマTOFFを
(CRME−TSTG)に設定し、第1回目の噴射用タ
イマT1をTOUTに設定する。すなわち、CRME
は1ステージを経過するのに要する時間であり、(TO
UTCL/CRME)の余りであるTSTGをCRME
から減算した値をTOFFに設定する。
【0088】これにより、例えば、CSTG=3,TS
TG=0.25,CRME=1.25ms(Ne=30
00rpm相当)とすると、TOFF=(1.25−
0.25)=1ms,FISTG=10−(3+1)=
6となり、#6ステージからディレータイマTOFFの
設定時間経過後に燃料の一括噴射を開始し、燃料噴射時
間TOUTが経過する目標噴き終り時期(基準ステージ
STGM(#10ステージ)よりT01後)で噴射が終
了する。
【0089】(c)#1ステージ噴射[図8(c)] 図7のフローチャートにおいてS406→S407→S
410→…→S413→S414→S415のフローが
実行される場合である。
【0090】このときは、噴射ステージが#1ステージ
とされるため、第1回目の噴射用タイマT1をTOU
Tに設定して、燃料の一括噴射を行う。
【0091】B.分割噴射の場合 図5の分割判別サブルーチンでFDIV=1に設定され
ている分割噴射の場合は、以下の4種類がある。
【0092】(d)TOUT−TV≦TO2が成立する
とき[図8(d)] このときはディレータイマTOFFをTO1に設定
し、噴射休止タイマTOVTを(TOV−TV)に設
定し、第2回目の噴射用タイマT2をTOUTに設定
する。
【0093】これにより、オーバラップ期間TOV経過
直後に吸入行程での燃料噴射を開始することができる。
【0094】(e)TO2<TOUT−TV≦TO1+
TO2が成立するとき[図8(e) ] 図7のフローチャートにおいてS405→S407
→S408→S409のフローが実行される場合であ
る。
【0095】このときはディレータイマTOFFを
(TO1+TO2−TOUT)に設定し第1回目の噴射
用タイマT1を(TOUT−TO2)に設定する。ま
た、噴射休止タイマTOVTを(TOV−TV)に設
定し、第2回目の噴射用タイマT2を(TO2+T
V)に設定する。
【0096】これにより、オーバラップ時間TOVを挟
んで分割噴射され、今回サイクル時に必要な燃料量がエ
ンジン1に供給される。
【0097】(f)TO1+TO2<TOUT−TVが
成立するとき[図8(f)] 図7のフローチャートにおいてS405→S407→S
410→…→S413→リターンのフローが実行される
場合である。
【0098】この場合はディレータイマTOFFを
(b)の場合と同様(CRME−TSTG)に設定する
他はタイマ設定値は(e)の場合と同様である。
【0099】これにより、第1回目の燃料噴射は基準ス
テージSTGMで終了するとともにオーバラップ期間T
OV経過直後に第2回目の噴射が行われ、かかる分割噴
射により今回サイクル時に必要な燃料量がエンジン1に
供給される。
【0100】(g)#1ステージ噴射[図8(g)] 図7のフローチャートにおいて、S405→S407→
S410→…→S413→S414→S415のフロー
が実行される場合である。
【0101】この場合は噴射ステージが#1ステージで
あるので第1回目の噴射用タイマT1を{(STGM
×CRME)+TO1+TV}に設定する。すなわち、
#1ステージからの基準ステージまでの経過時間(ST
GM×CRME)を算出し、これにTO1とTVとを加
算して第1回目の噴射用タイマT1を設定する。
【0102】さらに、噴射休止タイマTOVTを(T
OV−TV)に設定し、第2回目の噴射用タイマT2
を(TOUT−T1+TV)に設定する。
【0103】これにより#1ステージから噴射を開始
し、オーバラップ期間TOVを回避して分割噴射するこ
とができる。
【0104】図9は噴射モードに応じて、噴射時間を設
定する設定手順を示すフローチャートである。
【0105】まず、ステップS501において、図7の
フローチャートでフラグFTOVERが「1」に設定さ
れているか否かを判別する。そして、その答が否定(N
o)の場合は、ステップS502に進み、フラグFDI
Vが「1」にセットされているか否かを判別し、分割噴
射モードにあるか否かを判断する。そして、その答が否
定(No)の場合は一括噴射モードにある場合であり、
表1の[I]の噴射タイマ値を選択して(ステップS5
03)本プログラムを終了する。また、ステップS50
2の答が肯定(Yes)の場合は分割噴射モードにある
場合であり、表1の[III]の噴射タイマ値を選択して
(ステップS504)本プログラムを終了する。
【0106】一方、ステップS501の答が肯定(Ye
s)の場合は、#1ステージ噴射とされている場合であ
り、次いでフラグFDIVが「1」に設定されているか
否かを判別する(ステップS505)。そして、その答
が否定(No)の場合は表1の[II]の噴射タイマ値を
選択し、本プログラムを終了する。
【0107】また、ステップS505の答が肯定(Ye
s)の場合は、表1の[IV]の噴射タイマ値を選択し
(ステップS505)、次いでステップS507で選択
された第2回目の噴射用タイマT2の設定値(=TOU
T−T1+TV)が所定の限界噴射時間TLMTより大
きいか否かを判別する(ステップS508)。この所定
の限界噴射時間TLMTは噴射時間の連続化を抑制する
ための限界時間であって、第2回目の噴射開始時期から
次行程の#0ステージを経過するまでの所定時間(例え
ば、高速V/Tにあっては3.89msec(クランク角
140°相当)、低速V/Tにあっては2.78msec
(クランク角100°相当))に設定される。
【0108】そして、ステップS508の答が肯定(Y
es)の場合は第2回目の噴射用タイマT2の設定値が
限界噴射時間TLMTを越えている場合であり、ステッ
プS506に進み一括噴射すべく噴射タイマ値を表1の
[II]に設定変更して本プログラムを終了する。一方、
ステップS508の答が否定(No)の場合は、表1の
[IV]で設定された噴射時間で分割噴射すべくそのまま
本プログラムを終了する。
【0109】このように燃料噴射方式(分割噴射、又は
一括噴射)に応じて適宜表1の[I]〜[IV]の噴射時
期が選択される。例えば、図5の分割判別ルーチンでT
OV<TVと判別されたときはFDIV=0にセットさ
れているので、表1の[I]又は[II]の噴射時期が選
択され、また、FDIV=1にセットされているときは
表1の[III]又は[IV]の噴射時期が選択されて、燃
料噴射が行われる。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、内燃エン
ジンの各気筒毎に設けられた燃料噴射弁から噴射される
燃料の噴射時期を制御する内燃エンジンの燃料噴射制御
装置において、エンジンの運転状態を検出する運転状態
検出手段と、前記燃料噴射弁から噴射される燃料噴射量
を決定する燃料量決定手段と、前記運転状態検出手段に
より検出されたエンジンの運転状態に応じ1サイクル中
を複数回に分けて燃料噴射する分割噴射を行うべきか否
かを判別する分割噴射判別手段と、エンジンに設けられ
た排気弁の開弁時期と吸気弁の開弁時期とのオーバラッ
プ期間を算出するオーバラップ算出手段と、前記燃料噴
射弁の無効期間を演算する無効期間演算手段と、該無効
期間演算手段により演算された無効期間と前記オーバラ
ップ算出手段により算出されたオーバラップ期間とを比
較する比較手段とを備え、前記分割噴射判別手段により
分割噴射すべきと判別されたときには前記オーバラップ
算出手段により算出されたオーバラップ期間を避けて分
割噴射がなされるので、オーバラップ期間中における燃
料噴射を回避することができ、燃料の吹抜けを防止する
ことができ、HC等有害成分の排出を低減することがで
きる。
【0111】また、前記比較手段により前記無効期間が
前記オーバラップ期間よりも長いと判断されたときは分
割噴射が禁止されるので、所望燃料の噴射が吸入行程前
に終了するように噴射時間を設定することにより、空燃
比がリーン状態となるのを回避することができ、失火や
トルクショックを防止することができる。
【0112】さらに、本発明は前記運転状態検出手段と
して、エンジンが斉次噴射モードにあるか否かを検出す
る斉次噴射モード検出手段と、エンジンがアイドル状態
にあるか否かを検出するアイドル状態検出手段と、車輪
の速度を検出する車速検出手段と、エンジンの回転数を
検出する回転数検出手段と、エンジンの水温を検出する
水温検出手段と、エンジンの負荷状態を検出する負荷状
態検出手段とを有し、前記分割噴射判別手段は、前記各
検出手段のうち、少なくとも1つ又は複数の組合せによ
り判別されるので、各種運転状態に応じて分割噴射すべ
きか、一括噴射すべきかを適宜設定することができ、理
想的な噴射方式を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃エンジンの燃料噴射制御装置
の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】CYL信号パルスとTDC信号パルスとCRK
信号パルスの発生タイミングを示すフローチャートであ
る。
【図3】本発明に係る内燃エンジンの燃料噴射制御装置
のメインフローを示すフローチャートである。
【図4】無効時間とバッテリー電圧との関係を示すマッ
プ図である。
【図5】分割判別ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】オーバラップ時間の算出手順を示すフローチャ
ートである。
【図7】噴射ステージの設定手順を示すフローチャート
である。
【図8】燃料噴射弁の噴射時期を示すタイムチャートで
ある。
【図9】燃料噴射弁の噴射時期の設定手順を示すフロー
チャートである。
【図10】[従来技術とその課題]の一部を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 エンジン 5 ECU(燃料量決定手段、分割噴射判別手段、オー
バラップ算出手段、無効期間演算手段、比較手段、斉次
噴射モード検出手段、アイドル状態検出手段) 8 PBAセンサ(負荷状態検出手段) 10 TWセンサ(水温検出手段) 11 TDCセンサ(回転数検出手段) 16 VSPセンサ(車速検出手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−59322(JP,A) 特開 昭60−122240(JP,A) 特開 昭57−70927(JP,A) 特開 平1−116266(JP,A) 特開 昭61−34351(JP,A) 特開 平2−298636(JP,A) 特開 昭60−150459(JP,A) 特開 昭64−12048(JP,A) 特開 昭58−113541(JP,A) 特開 昭62−32242(JP,A) 特開 平4−112931(JP,A) 特開 平4−292543(JP,A) 実開 平2−20752(JP,U) 実開 平3−13445(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/34 F02D 13/02 F02D 41/04 335 F02D 41/36 F02D 45/00 314

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンの各気筒毎に設けられた燃
    料噴射弁から噴射される燃料の噴射時期を制御する内燃
    エンジンの燃料噴射制御装置において、エンジンの運転
    状態を検出する運転状態検出手段と、前記燃料噴射弁か
    ら噴射される燃料噴射量を決定する燃料量決定手段と、
    前記運転状態検出手段により検出されたエンジンの運転
    状態に応じ1サイクル中を複数回に分けて燃料噴射する
    分割噴射を行うべきか否かを判別する分割噴射判別手段
    と、エンジンに設けられた排気弁の開弁時期と吸気弁の
    開弁時期とのオーバラップ期間を算出するオーバラップ
    算出手段と、前記燃料噴射弁の無効期間を演算する無効
    期間演算手段と、該無効期間演算手段により演算された
    無効期間と前記オーバラップ算出手段により算出された
    オーバラップ期間とを比較する比較手段とを備え、前記
    分割噴射判別手段により分割噴射すべきと判別されたと
    きには前記オーバラップ算出手段により算出されたオー
    バラップ期間を避けて分割噴射がなされ、かつ前記比較
    手段により前記無効期間が前記オーバラップ期間よりも
    長いと判断されたときは分割噴射が禁止されることを特
    徴とする内燃エンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記運転状態検出手段として、エンジン
    が斉次噴射モードにあるか否かを検出する斉次噴射モー
    ド検出手段と、エンジンがアイドル状態にあるか否かを
    検出するアイドル状態検出手段と、車輪の速度を検出す
    る車速検出手段と、エンジンの回転数を検出する回転数
    検出手段と、エンジンの水温を検出する水温検出手段
    と、エンジンの負荷状態を検出する負荷状態検出手段と
    を有し、前記分割噴射判別手段は、前記各検出手段のう
    ち、少なくとも1つ又は複数の組合せにより判別される
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃エンジンの燃料噴
    射制御装置。
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