JPH10252532A - 内燃機関の燃料カット制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料カット制御装置

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JPH10252532A
JPH10252532A JP6316397A JP6316397A JPH10252532A JP H10252532 A JPH10252532 A JP H10252532A JP 6316397 A JP6316397 A JP 6316397A JP 6316397 A JP6316397 A JP 6316397A JP H10252532 A JPH10252532 A JP H10252532A
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JP
Japan
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fuel cut
intake air
fuel
internal combustion
intake
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JP6316397A
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English (en)
Inventor
Takashi Kawai
孝史 川合
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02T10/47

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温リーン雰囲気に起因する触媒劣化を防止
すべく減速時の燃料カットを禁止するに際し、吸入空気
量の低下に伴う失火発生を回避する。 【解決手段】 燃料カットが実行される運転状態におい
ては、吸入空気量は、比較的少ない量に設定されてお
り、燃焼限界については考慮されていない。そのため、
燃料カットが禁止されると、一行程当たりの吸入空気量
が燃焼限界を下回る状況で燃料が噴射されることとな
り、その結果、失火が発生する。本発明では、触媒劣化
を防止すべく減速時の燃料カットを禁止して燃料噴射を
実行する際に、例えばアイドル回転速度制御弁36を制
御して燃焼に必要な最小限の吸入空気量を確保すること
により、失火の発生を確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料消費率の向上
等を目的として、減速時に内燃機関への燃料の供給の停
止(以下、燃料カット又はF/Cという)をする制御を
行う、内燃機関の燃料カット制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の電子制御式燃料噴
射制御装置においては、スロットルバルブが全閉でエン
ジン回転速度が所定値以上のときに、燃料供給の不必要
な減速状態にあると判断し、燃量消費率の向上を図るべ
く、燃料噴射を一時的に停止する燃料カットが行われて
いる。
【0003】例えば、特開平8-144814号公報は、そのよ
うな燃料カット制御装置の一例を開示するものである。
当該公報においては、内燃機関の排気系に設けられた触
媒の温度が高いときに減速時の燃料カットを禁止するこ
とにより、触媒が高温リーン雰囲気に晒されるのを防止
し、触媒の劣化を防止することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の従来
技術においては、燃料カットが実行される運転状態の際
に吸入空気量に対する燃焼限界については何ら考慮され
ていない。そのため、燃料カットが禁止されると、1行
程当たりの吸入空気量が燃焼限界を下回る状況で燃料が
噴射されることとなり、その結果、失火が発生し、触媒
の温度を過度に上昇させるという問題が起こる。すなわ
ち、触媒の劣化を防止すべく燃料カットを禁止したのに
もかかわらず、却って悪影響を触媒に与えてしまう。
【0005】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、高温
リーン雰囲気に起因する触媒劣化を防止すべく減速時の
燃料カットを禁止するに際し、吸入空気量の低下に伴う
失火発生を回避することが可能な内燃機関の燃料カット
制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく案
出された、本発明に係る、内燃機関の燃料カット制御装
置は、内燃機関の減速時に燃料カットを実行する燃料カ
ット実行手段と、該内燃機関の排気系に設けられた触媒
の温度が高いときに前記燃料カット実行手段による燃料
カットを禁止する燃料カット禁止手段と、を備えた内燃
機関の燃料カット制御装置において、前記燃料カット禁
止手段により燃料カットが禁止されるときに、該内燃機
関の回転速度に基づいて、該内燃機関の吸入空気量を失
火が発生しない限界付近の吸入空気量となるように調節
する吸入空気量調節手段を設けたことを特徴とする。
【0007】上述の如く構成された、本発明に係る、内
燃機関の燃料カット制御装置においては、触媒の劣化を
防止すべく減速時の燃料カットを禁止して燃料噴射を実
行する際に、燃焼に必要な最小限の吸入空気量が確保さ
れるため、失火の発生が確実に回避される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0009】図1は、本発明の一実施形態に係る燃料カ
ット制御装置を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図
である。エンジン1は、車両に内燃機関として搭載され
る直列4気筒4サイクルレシプロガソリンエンジンであ
る。エンジン1は、シリンダブロック2及びシリンダヘ
ッド3を備えている。シリンダブロック2には、上下方
向へ延びる複数のシリンダ4が紙面の厚み方向へ並設さ
れ、各シリンダ4内には、ピストン5が往復動可能に収
容されている。各ピストン5は、コネクティングロッド
6を介し共通のクランクシャフト7に連結されている。
各ピストン5の往復運動は、コネクティングロッド6を
介してクランクシャフト7の回転運動に変換される。
【0010】シリンダブロック2とシリンダヘッド3と
の間において、各ピストン5の上側は燃焼室8となって
いる。シリンダヘッド3には、その両外側面と各燃焼室
8とを連通させる吸気ポート9及び排気ポート10がそ
れぞれ設けられている。これらのポート9及び10を開
閉するために、シリンダヘッド3には吸気バルブ11及
び排気バルブ12がそれぞれ略上下方向への往復動可能
に支持されている。また、シリンダヘッド3において、
各バルブ11,12の上方には、吸気側カムシャフト1
3及び排気側カムシャフト14がそれぞれ回転可能に設
けられている。カムシャフト13及び14には、吸気バ
ルブ11及び排気バルブ12を駆動するためのカム15
及び16が取り付けられている。カムシャフト13及び
14の端部にそれぞれ設けられたタイミングプーリ17
及び18は、クランクシャフト7の端部に設けられたタ
イミングプーリ19とタイミングベルト20により連結
されている。
【0011】すなわち、クランクシャフト7の回転に伴
いタイミングプーリ19が回転すると、その回転がタイ
ミングベルト20を介してタイミングプーリ17及び1
8に伝達される。その際、タイミングプーリ19の回転
は、その回転速度が1/2に減速されてタイミングプー
リ17及び18に伝達される。タイミングプーリ17の
回転にともない吸気側カムシャフト13が回転すると、
カム15の作用により吸気バルブ11が往復動し、吸気
ポート9が開閉される。また、タイミングプーリ18の
回転に伴い排気側カムシャフト14が回転すると、カム
16の作用により排気バルブ12が往復動し、排気ポー
ト10が開閉される。こうして、クランクシャフト7に
よってカムシャフト13及び14が回転駆動せしめら
れ、吸気バルブ11及び排気バルブ12が720°周期
の一定クランク角において開閉せしめられる。
【0012】吸気ポート9には、エアクリーナ31、ス
ロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホル
ド34等を備えた吸気通路30が接続されている。エン
ジン1外部の空気(外気)は、燃焼室8へ向けて吸気通
路30の各部31,32,33及び34を順に通過す
る。スロットルバルブ32は、軸32aにより吸気通路
30に回動可能に設けられている。軸32aは、ワイヤ
等を介して運転席のアクセルペダル(図示しない)に連
結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み込み
操作に連動してスロットルバルブ32と一体で回動され
る。この際のスロットルバルブ32の傾斜角度に応じ
て、吸気通路30を流れる空気の量(吸入空気量)が決
定される。サージタンク33は、吸入空気の脈動(圧力
振動)を平滑化するためのものである。また、スロット
ルバルブ32をバイパスするアイドルアジャスト通路3
5には、アイドル時の空気流量を調節するためのアイド
ル回転速度制御弁(ISCV)36が設けられている。
【0013】吸気マニホルド34には、各吸気ポート9
へ向けて燃料を噴射するインジェクタ40が取付けられ
ている。燃料は、燃料タンク41に貯蔵されており、そ
こから燃料ポンプ42によりくみ上げられ、燃料配管4
3を経てインジェクタ40に供給される。そして、イン
ジェクタ40から噴射される燃料と吸気通路30内を流
れる空気とからなる混合気は、吸気行程において吸気バ
ルブ11を介して燃焼室8へ導入され、圧縮行程におい
てピストン5により圧縮される。
【0014】この混合気に着火するために、シリンダヘ
ッド3には点火プラグ50が取付けられている。点火時
には、点火信号を受けたイグナイタ51が、点火コイル
52の1次電流の通電及び遮断を制御し、その2次電流
が、点火ディストリビュータ53を介して点火プラグ5
0に供給される。点火ディストリビュータ53は、クラ
ンクシャフト7の回転に同期して2次電流を各気筒の点
火プラグ50に分配するものである。そして、燃焼室8
へ導入された混合気は、点火プラグ50による点火によ
って爆発・燃焼せしめられる(膨張行程)。この際に生
じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン5が往復動し、
クランクシャフト7が回転せしめられ、エンジン1の駆
動力が得られる。
【0015】燃焼した混合気は、排気行程において排気
ガスとして排気バルブ12を介して排気ポート10に導
かれる。排気ポート10には、排気マニホルド61、触
媒コンバータ62等を備えた排気通路60が接続されて
いる。触媒コンバータ62には、不完全燃焼成分である
HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)の酸化と、空
気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成されるN
x (窒素酸化物)の還元とを同時に促進する三元触媒
が収容されている。こうして触媒コンバータ62におい
て浄化された排気ガスが大気中に排出される。
【0016】図1に示すように、エンジン1には以下の
各種センサが取付けられている。シリンダブロック2に
は、エンジン1の冷却水の温度(冷却水温THW)を検
出するための水温センサ74が取付けられている。吸気
通路30には、吸入空気量(流量QA)を検出するため
のエアフローメータ70が取り付けられている。吸気通
路30においてエアクリーナ31の近傍には、吸入空気
の温度(吸気温THA)を検出するための吸気温センサ
73が取付けられている。吸気通路30において、スロ
ットルバルブ32の近傍には、その軸32aの回動角度
(スロットル開度TA)を検出するためのスロットル開
度センサ72が設けられている。また、スロットルバル
ブ32が全閉状態のときには、アイドルスイッチ82が
オンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアク
ティブとなる。サージタンク33には、その内部の圧力
(吸気圧PM)を検出するための吸気圧センサ71が取
付けられている。排気通路60の途中には、排気ガス中
の残存酸素濃度を検出するためのO2 センサ75が取付
けられている。
【0017】ディストリビュータ53には、クランクシ
ャフト7の回転に同期して回転するロータが内蔵されて
おり、クランクシャフト7の基準位置を検出するために
ロータの回転に基づいてクランク角(CA)に換算して
720°CAごとに基準位置検出用パルスを発生させる
クランク基準位置センサ80が設けられ、また、クラン
クシャフト7の回転速度(エンジン回転速度NE)を検
出するためにロータの回転に基づいて30°CAごとに
回転速度検出用パルスを発生させクランク角センサ81
が設けられている。なお、車両には、実際の車速を表す
出力パルスを発生させる車速センサ83が取り付けられ
ている。
【0018】図1に示すエンジン電子制御装置(エンジ
ンECU)90は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイ
ドル回転速度制御等を実行するマイクロコンピュータシ
ステムであり、そのハードウェア構成は、図2のブロッ
ク図に示される。リードオンリメモリ(ROM)93に
格納されたプログラム及び各種のマップに従って、中央
処理装置(CPU)91は、各種センサ及びスイッチか
らの信号をA/D変換回路(ADC)95又は入力イン
タフェース回路96を介して入力し、その入力信号に基
づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づき駆動制
御回路97a〜97cを介して各種アクチュエータ用制
御信号を出力する。ランダムアクセスメモリ(RAM)
94は、その演算・制御処理過程における一時的なデー
タ記憶場所として使用される。また、バックアップRA
M99は、バッテリ(図示せず)に直接接続されること
により電力の供給を受け、イグニションスイッチがオフ
の状態においても保持されるべきデータ(例えば、各種
の学習値)を格納するために使用される。また、これら
のECU内の各構成要素は、アドレスバス、データバ
ス、及びコントロールバスからなるシステムバス92に
よって接続されている。
【0019】点火時期制御は、クランク角センサ81か
ら得られるエンジン回転速度及びその他のセンサからの
信号により、エンジンの状態を総合的に判定し、最適な
点火時期を決定し、駆動制御回路97bを介してイグナ
イタ51に点火信号を送るものである。
【0020】また、アイドル回転速度制御は、アイドル
スイッチ82からのスロットル全閉信号及び車速センサ
83からの車速信号によってアイドル状態を検出すると
ともに、水温センサ74からのエンジン冷却水温度等に
よって決められる目標回転速度と実際のエンジン回転速
度とを比較し、その差に応じて目標回転速度となるよう
に制御量を決定し、駆動制御回路97cを介してISC
V36を制御して空気量を調節することにより、最適な
アイドル回転速度を維持するものである。
【0021】このアイドル回転速度制御においては、上
述のフィードバック制御とともに、アイドル回転速度を
一定値に維持するのを容易にするため、学習制御が行わ
れている。すなわち、アイドル回転速度を一定値に維持
するためのISCV開度は、部品の個体差や経時変化に
応じて変化してくるため、その差を吸収するためのIS
CV開度学習値DGが、フィードバック制御の過程にお
いて学習され更新されている。
【0022】燃料噴射制御は、基本的には、エンジン1
回転当たりの吸入空気量に基づいて、所定の目標空燃比
を達成する燃料噴射量すなわちインジェクタ40による
噴射時間を演算し、所定のクランク角に達した時点で燃
料を噴射すべく、駆動制御回路97aを介してインジェ
クタ40を制御するものである。なお、エンジン1回転
当たりの吸入空気量は、エアフローメータ70により計
測される吸入空気流量とクランク角センサ81から得ら
れるエンジン回転速度とから算出されるか、又は吸気圧
センサ71から得られる吸気管圧力とエンジン回転速度
とによって推定される。そして、かかる燃料噴射量演算
の際には、スロットル開度センサ72、吸気温センサ7
3、水温センサ74等の各センサからの信号に基づく基
本的な補正、O2 センサ75からの信号に基づく空燃比
フィードバック補正、そのフィードバック補正値の中央
値が理論空燃比となるようにする空燃比学習補正等が加
えられる。
【0023】また、燃料噴射制御には、減速時の燃料カ
ット制御が含まれる。ところで、前述したように、触媒
の温度(触媒床温)が高いときに燃料カットを実行する
と、それに伴い発生するリーンな排気ガスが触媒に流入
するが、かかる高温リーン雰囲気の下では触媒が劣化す
ることが知られている。このような触媒劣化を防止すべ
く燃料カットを禁止した場合には、吸入空気量が比較的
少ない量に設定されているため、1行程当たりの吸入空
気量が燃焼限界を下回る状況で燃料が噴射されることと
なり、その結果、失火が発生する。本発明は、高温リー
ン雰囲気に起因する触媒劣化を防止すべく減速時の燃料
カットを禁止するに際し、かかる失火の発生を回避する
ために、失火が発生しない程度の吸入空気量を確保しよ
うとするものである。以下、その具体的処理について詳
細に説明する。
【0024】図3は、触媒床温を推定すべくCPU91
によって実行される触媒床温推定ルーチンの処理手順を
示すフローチャートである。このルーチンは、所定の周
期で実行される。触媒床温は、吸入空気流量QAにより
推定することができる。ただし、触媒床温は、吸入空気
流量の変化に対して一定の遅延時間を有して緩やかにそ
の変化が現れる。そのため、吸入空気流量QAの変化を
一定時間遅延させて反映する遅延吸入空気流量DQA
(ディレーQA)をもって触媒床温とする。
【0025】まず、ステップ101では、エアフローメ
ータ70の出力に基づき現在の吸入空気流量QAを検出
する。次に、ステップ102では、その現在の吸入空気
流量QAが前回算出された吸入空気流量QAOより大き
いか否かを判定し、大きい場合には、ステップ103に
進んで、所定量QACだけ遅延吸入空気流量DQAを増
大させ、そうでない場合には、ステップ104に進ん
で、所定量QADだけ遅延吸入空気流量DQAを減少さ
せる。最後に、ステップ105では、今回算出されたQ
Aを次回の利用のためにQAOとして記憶する。こうし
て求められる遅延吸入空気流量DQAは、吸入空気流量
QAを緩やかな速度で追従するものであり、触媒床温を
反映する量として利用することが可能である。なお、触
媒床温を検出する方法として、触媒に設けた温度センサ
により直接検出してもよい。
【0026】図4は、CPU91によって実行される減
速時燃料カット実行制御ルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。この減速時燃料カット実行制御ルー
チンは、燃料噴射制御の1つとしてその中で最も優先的
に処理されるものであり、次の燃料噴射時期において減
速時燃料カットを実行すべきか否かを判断するものであ
る。そして、本ルーチンは、触媒床温が高いときには減
速時燃料カットを実行禁止にしようとするものである
が、さらに、このような減速時燃料カットの実行禁止が
どの時点において行われようとも失火が発生することの
ないように、ISCV36を利用して、燃焼に最小限必
要な吸入空気量を確保する制御も同時に実行している。
【0027】まず、減速時燃料カット条件として、アイ
ドルオンF/C条件又は降坂F/C条件が成立するか否
かを判定する(ステップ201)。ここで、アイドルオ
ンF/C条件とは、アイドルスイッチ82がオン、すな
わちスロットルバルブ32が全閉状態となっており、か
つ、エンジン回転速度NEが所定値以上であるという条
件をいう。また、降坂F/C条件とは、吸入空気量や燃
料噴射量が燃焼限界を下回り失火が発生しそうな条件を
いう。ステップ201の判定結果がNOのとき、すなわ
ち減速時F/C条件が不成立のときには、フラグXFC
を0として、F/C非実行状態とする(ステップ20
4)。
【0028】一方、ステップ201の判定結果がYES
のとき、すなわち減速時F/C条件が成立するときに
は、触媒床温相当量DQAが所定の判定基準値DQAre
f より小さいか否かを判定する(ステップ202)。な
お、この判定基準値DQArefは、例えば、触媒床温8
00°Cに相当する値である。DQA<DQAref のと
き、すなわち触媒床温が低いときには、高温リーン雰囲
気に起因する触媒劣化のおそれがないため、フラグXF
Cを1として、F/C実行状態とする(ステップ20
3)。一方、DQA≧DQAref のとき、すなわち触媒
床温が高いときには、触媒劣化のおそれがあり、F/C
の実行を禁止する必要があるため、フラグXFCを0と
して、F/C非実行状態とする(ステップ204)。ス
テップ203又は204にて操作されるフラグXFC
は、別途実行される燃料噴射制御において参照され、X
FC=1のときには燃料噴射が停止される。
【0029】ステップ203又は204の次に実行され
るステップ205では、図5に示される如きマップを参
照することにより、現在のエンジン回転速度NEに基づ
いて、失火が発生しない限界付近の吸入空気量を確保す
るのに必要なISCV36の開度DOPMINmap を求
める。燃焼限界でのエンジン1行程当たりの空気量は一
定値であるため、エンジン回転速度NEが大きくなるほ
ど、単位時間当たりの量である吸入空気流量を大きくす
る必要があり、従って、ISCV開度DOPMINmap
も大きくする必要がある。なお、このマップは、予めR
OM73に格納されている。
【0030】次いで、ステップ206では、エンジン回
転速度NEが所定の判定基準値NEref より大きいか否
かを判定する。この判定基準値NEref は、例えば、1
000rpmである。NE≦NEref のときには、本ル
ーチンを終了する。一方、NE>NEref のときには、
DOPMINmap と前述のようにアイドル回転速度制御
において個体差や経時変化を吸収すべく学習されている
ISCV開度学習値DGとに基づいて、 DOPMIN←DOPMINmap +DG なる演算を実行することにより、ISCV開度の下限ガ
ード値DOPMINを算出する(ステップ207)。そ
して、別途実行される処理において、ISCV開度DO
PがこのDOPMINを下回ることのないようにISC
V36が制御される。
【0031】このようにISCV36を用いて燃焼に必
要な最小限の吸入空気量が常に確保されているため、ス
テップ202により触媒劣化防止の観点からF/Cが禁
止され燃料噴射が実行されても、失火が生ずることはな
い。
【0032】以上、本発明の実施形態について述べてき
たが、もちろん本発明はこれに限定されるものではな
い。例えば、本実施形態においては、吸入空気量を調節
する手段としてアイドル回転速度制御弁(ISCV)を
利用したが、スロットルバルブの開閉をアクチュエータ
により行う電子スロットルやエアコン等のアイドルアッ
プ時に開弁するエアバルブを備えたエンジンでは、それ
らを利用することにより同一の制御を達成することがで
きる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温リーン雰囲気に起因する触媒劣化を防止すべく減速
時の燃料カットを禁止するに際し、燃焼に必要な最小限
の吸入空気量が確保されるように吸入空気量を調節する
手段を設けたため、失火が発生するおそれはない。ま
た、燃料カットの実行や禁止に関係なく、燃焼に必要な
最小限の吸入空気量が常に供給されるようにすれば、吸
入空気量の低下による失火の発生はありえず、その結
果、排気エミッションが低下するとともに、減速ショッ
クがなくなり運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料カット制御装置
を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】エンジンECUのハードウェア構成を示すブロ
ック図である。
【図3】CPUによって実行される触媒床温推定ルーチ
ンの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】CPUによって実行される減速時燃料カット実
行制御ルーチンの処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】失火が発生しない下限吸入空気量を確保するの
に必要なISCV開度DOPMINmap をエンジン回転
速度NEに応じて定めたマップを示す図である。
【符号の説明】
1…直列4気筒4サイクルレシプロガソリンエンジン 2…シリンダブロック 3…シリンダヘッド 4…シリンダ 5…ピストン 6…コネクティングロッド 7…クランクシャフト 8…燃焼室 9…吸気ポート 10…排気ポート 11…吸気バルブ 12…排気バルブ 13…吸気側カムシャフト 14…排気側カムシャフト 15…吸気側カム 16…排気側カム 17,18,19…タイミングプーリ 20…タイミングベルト 30…吸気通路 31…エアクリーナ 32…スロットルバルブ 32a…スロットルバルブの軸 33…サージタンク 34…吸気マニホルド 35…アイドルアジャスト通路 36…アイドル回転速度制御弁(ISCV) 40…インジェクタ 41…燃料タンク 42…燃料ポンプ 43…燃料配管 50…点火プラグ 51…イグナイタ 52…点火コイル 53…点火ディストリビュータ 60…排気通路 61…排気マニホルド 62…触媒コンバータ 70…エアフローメータ 71…吸気圧センサ 72…スロットル開度センサ 73…吸気温センサ 74…水温センサ 75…O2 センサ 80…クランク基準位置センサ 81…クランク角センサ 82…アイドルスイッチ 83…車速センサ 90…エンジンECU 91…CPU 92…システムバス 93…ROM 94…RAM 95…A/D変換回路 96…入力インタフェース回路 97a,97b,97c…駆動制御回路 99…バックアップRAM

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の減速時に燃料カットを実行す
    る燃料カット実行手段と、該内燃機関の排気系に設けら
    れた触媒の温度が高いときに前記燃料カット実行手段に
    よる燃料カットを禁止する燃料カット禁止手段と、を備
    えた内燃機関の燃料カット制御装置において、前記燃料
    カット禁止手段により燃料カットが禁止されるときに、
    該内燃機関の回転速度に基づいて、該内燃機関の吸入空
    気量を失火が発生しない限界付近の吸入空気量となるよ
    うに調節する吸入空気量調節手段を設けたことを特徴と
    する、内燃機関の燃料カット制御装置。
JP6316397A 1997-03-17 1997-03-17 内燃機関の燃料カット制御装置 Pending JPH10252532A (ja)

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