JPH10280984A - 希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置

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Publication number
JPH10280984A
JPH10280984A JP9085303A JP8530397A JPH10280984A JP H10280984 A JPH10280984 A JP H10280984A JP 9085303 A JP9085303 A JP 9085303A JP 8530397 A JP8530397 A JP 8530397A JP H10280984 A JPH10280984 A JP H10280984A
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JP
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air
fuel ratio
lean
engine
fuel
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Application number
JP9085303A
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English (en)
Inventor
Masahito Goto
雅人 後藤
Kazuya Kibe
一哉 木部
Takamitsu Asanuma
孝充 浅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が現在走行している地域におけるNOx
濃度に応じてリーン運転を禁止することができるように
して、背反関係にある低燃費(低CO2 排出量)と低N
x 排出量との調和を環境保護の観点から達成する。 【解決手段】 電子ビーコン87側の装置は、サンプリ
ングした大気中のNOx濃度を測定し、NOx 濃度が判
定基準値より大きいときにはリーン運転禁止信号を送信
する一方、NOx 濃度が判定基準値以下のときにはリー
ン運転許可信号を送信する。希薄燃焼エンジン1の電子
制御装置90は、電子ビーコン87よりリーン運転禁止
信号を受信したときには、たとえリーン運転可能な運転
状態にあっても、リーン運転を禁止し、ストイキ運転を
実行することにより、NOx 排出量を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃費の向上を目的
として、通常、希薄空燃比の混合気を燃焼せしめる希薄
燃焼内燃機関(リーンバーンエンジン)において空燃比
(空気と燃料との混合比:A/F)を制御する空燃比制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジンにおいて
は、排気ガス浄化対策として、排気ガス中の未燃成分
(Cn m ,CO)の酸化と窒素酸化物(NOx )の還
元とを同時に促進する三元触媒が利用されている。その
ような三元触媒による酸化・還元能力を高めるために
は、エンジンの燃焼状態を示す空燃比(A/F)を理論
空燃比近傍に制御する必要がある。そのため、燃料噴射
制御においては、排気ガス中の残留酸素濃度により空燃
比を検出するO2 センサを設け、そのセンサ出力に基づ
いて燃料供給量を補正する空燃比フィードバック制御が
行われる。
【0003】このようなO2 センサによるフィードバッ
ク制御により理論空燃比の混合気を燃焼せしめること
は、燃費という観点からみると必ずしも最良であるとは
言えない。そこで、近年においては、燃費向上への更な
る要求に応えるべく、最良燃費となる希薄空燃比で通常
運転する希薄燃焼エンジンの採用が増えつつある。一般
に、希薄燃焼エンジンでは、大部分の運転領域におい
て、リーン混合気を燃焼せしめるリーン制御が実行され
る。すなわち、加速運転時等、エンジン出力トルクを増
加させる必要のある高負荷運転領域においては、理論空
燃比の混合気を燃焼せしめるストイキ制御が実行される
が、その他の運転領域では、リーン制御が実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガソリンの
燃焼においては、炭化水素Cn m と酸素O2 とが反応
し、その大部分が二酸化炭素CO2 と水蒸気H2 Oとに
なる。そして、燃焼条件によっては、不完全燃焼成分で
ある炭化水素Cn m 及び一酸化炭素COが発生し、ま
た、高温燃焼に起因して、空気中の窒素N2 と燃え残り
の酸素O2 とが反応し窒素酸化物NOx が発生する。
【0005】希薄燃焼させた場合、燃料消費率の低下
(燃費の向上)に伴ってCO2 の排出量が減少する。こ
のことは、CO2 による地球温暖化現象が社会問題化し
ている現代においては、非常に有効である。また、希薄
燃焼の場合、大きな空気過剰率の下で燃料が燃焼せしめ
られるため、不完全燃焼成分であるCn m 及びCOの
排出量が少ない反面、空気中の窒素と燃え残りの酸素と
が反応して生成されるNOx の排出量が多くなる。
【0006】希薄燃焼制御は、燃料消費率を最良にし
(すなわちCO2 排出量を最小にし)、NOx の排出量
(空燃比16付近で最大になる)を許容限界以下に低減
し、かつ、トルク変動(空燃比がリーンになるほど大き
くなる)を許容限界以下に抑制する、という3つの観点
に立って実現される。また、リーン空燃比で燃焼させた
場合には、理論空燃比で燃焼させた場合に比較して、通
常の三元触媒による窒素酸化物(NOx )の還元が不十
分となるため、通常の三元触媒の機能に加え、NOx
吸蔵・還元機能を備えたNOx 吸蔵還元型三元触媒も開
発されている。
【0007】このように、希薄燃焼エンジンでは、低燃
費(低CO2 排出量)の達成が図られるとともにNOx
排出量の抑制が図られている。しかし、車両からのNO
x 排出量が低減されていても、車両周辺のNOx 濃度が
そもそも高い都市部などの特定の地域にあっては、光化
学スモッグが発生するなどの影響が出るおそれがある。
換言すると、NOx は、大気中に一定濃度以下で存在す
るのであれば、比較的無害であり、郊外などでは、都市
部と異なり、NOx の排出を比較的許容することができ
る。
【0008】一方、CO2 は、全世界的問題であり、排
出される場所に関係しない。そこで、都市部などNOx
の排出が抑制されるべき地域を予め特定し、その特定地
域を車両が走行する場合には、希薄燃焼エンジンのスト
イキ運転により低NOx 排出量を達成し、一方、その特
定地域以外の地域を走行する場合には、希薄燃焼エンジ
ンのリーン運転により低燃費(低CO2 排出量)を達成
することができれば、環境保護の観点から望ましい。
【0009】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、車両
が現在走行している地域におけるNOx 濃度に応じてリ
ーン運転を禁止することができるようにすることによ
り、背反関係にある低燃費(低CO2 排出量)と低NO
x 排出量との調和を環境保護の観点から図ることが可能
な、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様によれば、機関運転状態を検出
する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段によっ
て検出される機関運転状態に応じて目標空燃比をリーン
空燃比又は理論空燃比に設定する目標空燃比設定手段
と、実際の機関空燃比を検出する機関空燃比検出手段
と、前記機関空燃比検出手段によって検出される機関空
燃比が前記目標空燃比設定手段によって設定される目標
空燃比となるように燃料供給量をフィードバック制御す
るフィードバック制御手段と、所定の地域に対して信号
を送信する信号送信手段からの信号を受信する信号受信
手段と、前記信号受信手段によって受信される信号に応
じて、前記目標空燃比設定手段によって目標空燃比がリ
ーン空燃比に設定されるのを禁止し、目標空燃比を理論
空燃比に強制的に設定するリーン運転禁止手段と、を具
備する、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置が提供され
る。
【0011】また、本発明の第2の態様によれば、前記
した本発明の第1の態様に係る空燃比制御装置におい
て、前記信号は、前記所定の地域内の大気中のNOx
度に応じた値を表示するものであり、前記リーン運転禁
止手段は、前記NOx 濃度が高いことを前記信号が表示
する場合に目標空燃比を理論空燃比に設定するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態に係る空燃比
制御装置を備えた電子制御式希薄燃焼内燃機関(リーン
バーンエンジン)の全体概要図である。希薄燃焼エンジ
ン1は、車両に内燃機関として搭載される直列4気筒D
OHC16バルブ4サイクルレシプロガソリンエンジン
である。エンジン1は、シリンダブロック2及びシリン
ダヘッド3を備えている。シリンダブロック2には、上
下方向へ延びるシリンダ4が紙面の厚み方向へ4本並設
され、各シリンダ4内には、ピストン5が往復動可能に
収容されている。各ピストン5は、コネクティングロッ
ド6を介し共通のクランクシャフト7に連結されてい
る。各ピストン5の往復運動は、コネクティングロッド
6を介してクランクシャフト7の回転運動に変換され
る。
【0014】シリンダブロック2とシリンダヘッド3と
の間において、各ピストン5の上側は燃焼室8となって
いる。シリンダヘッド3には、その両外側面と各燃焼室
8とを連通させる吸気ポート9及び排気ポート10がそ
れぞれ設けられている。これらのポート9及び10を開
閉するために、シリンダヘッド3には吸気バルブ11及
び排気バルブ12がそれぞれ略上下方向への往復動可能
に支持されている。また、シリンダヘッド3において、
各バルブ11,12の上方には、吸気側カムシャフト1
3及び排気側カムシャフト14がそれぞれ回転可能に設
けられている。カムシャフト13及び14には、吸気バ
ルブ11及び排気バルブ12を駆動するためのカム15
及び16が取り付けられている。カムシャフト13及び
14の端部にそれぞれ設けられたタイミングプーリ17
及び18は、クランクシャフト7の端部に設けられたタ
イミングプーリ19へタイミングベルト20により連結
されている。
【0015】すなわち、クランクシャフト7の回転に伴
いタイミングプーリ19が回転すると、その回転がタイ
ミングベルト20を介してタイミングプーリ17及び1
8に伝達される。その際、タイミングプーリ19の回転
は、その回転速度が1/2に減速されてタイミングプー
リ17及び18に伝達される。タイミングプーリ17の
回転にともない吸気側カムシャフト13が回転すると、
カム15の作用により吸気バルブ11が往復動し、吸気
ポート9が開閉される。また、タイミングプーリ18の
回転に伴い排気側カムシャフト14が回転すると、カム
16の作用により排気バルブ12が往復動し、排気ポー
ト10が開閉される。こうして、クランクシャフト7に
よってカムシャフト13及び14が回転駆動せしめら
れ、吸気バルブ11及び排気バルブ12が720°周期
の一定クランク角において開閉せしめられる。
【0016】吸気ポート9には、エアクリーナ31、ス
ロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホル
ド34等を備えた吸気通路30が接続されている。エン
ジン1外部の空気(外気)は、燃焼室8へ向けて吸気通
路30の各部31,32,33及び34を順に通過す
る。スロットルバルブ32は、軸32aにより吸気通路
30に回動可能に設けられている。軸32aは、ワイヤ
等を介して運転席のアクセルペダル(図示しない)に連
結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み込み
操作に連動してスロットルバルブ32と一体で回動され
る。この際のスロットルバルブ32の傾斜角度に応じ
て、吸気通路30を流れる空気の量(吸入空気量)が決
定される。サージタンク33は、吸入空気の脈動(圧力
振動)を平滑化するためのものである。また、スロット
ルバルブ32をバイパスするアイドルアジャスト通路3
5には、アイドル時の空気流量を調節するためのアイド
ル回転速度制御弁(ISCV)36が設けられている。
【0017】吸気マニホルド34には、各吸気ポート9
へ向けて燃料を噴射するインジェクタ40が取付けられ
ている。燃料は、燃料タンク41に貯蔵されており、そ
こから燃料ポンプ42によりくみ上げられ、燃料配管4
3を経てインジェクタ40に供給される。そして、イン
ジェクタ40から噴射される燃料と吸気通路30内を流
れる空気とからなる混合気は、吸気行程において吸気バ
ルブ11を介して燃焼室8へ導入され、圧縮行程におい
てピストン5により圧縮される。
【0018】この混合気に着火するために、シリンダヘ
ッド3には点火プラグ50が取付けられている。点火時
には、点火信号を受けたイグナイタ51が、点火コイル
52の1次電流の通電及び遮断を制御し、その2次電流
が、点火ディストリビュータ53を介して点火プラグ5
0に供給される。点火ディストリビュータ53は、クラ
ンクシャフト7の回転に同期して2次電流を各気筒の点
火プラグ50に分配するものである。そして、燃焼室8
へ導入された混合気は、点火プラグ50による点火によ
って爆発・燃焼せしめられる(膨張行程)。この際に生
じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン5が往復動し、
クランクシャフト7が回転せしめられ、エンジン1の駆
動力が得られる。
【0019】燃焼した混合気は、排気行程において排気
ガスとして排気バルブ12を介して排気ポート10に導
かれる。排気ポート10には、排気マニホルド61、触
媒コンバータ62等を備えた排気通路60が接続されて
いる。触媒コンバータ62には、不完全燃焼成分である
n m (炭化水素)及びCO(一酸化炭素)の酸化
と、空気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成さ
れるNOx (窒素酸化物)の還元とを同時に促進する三
元触媒が収容されている。こうして触媒コンバータ62
において浄化された排気ガスが大気中に排出される。
【0020】なお、触媒コンバータ62に収容された三
元触媒は、通常の三元触媒の機能に加えNOx の吸蔵・
還元機能をも備えたNOx 吸蔵還元型三元触媒と呼ばれ
るものである。すなわち、希薄燃焼エンジンでは、リー
ン混合気が燃焼せしめられるため、排気ガスにおける未
反応O2 の量が多く、通常の三元触媒の作用ではNO x
の還元が不充分となる。そこで、リーン状態すなわちO
2 が過剰に存在する状態にある排気ガス中のNOx を還
元・浄化することが可能な触媒が必要となる。NOx
蔵還元型三元触媒は、流入排気ガスの空燃比(吸気通路
内及び触媒より上流の排気通路内に供給された空気と燃
料との比)がリーンのときにはNOx を吸蔵し、流入排
気ガス中の酸素濃度が低下したときには吸蔵していたN
x を放出するとともにその放出されたNOx の還元反
応を促進する、という作用を奏するものである。このよ
うなNOx 吸蔵還元型三元触媒のNOx 吸蔵能力は有限
なものであるため、NOx 吸蔵量が飽和する前に、その
NOx を放出・還元する必要がある。そのため、NOx
吸蔵還元型三元触媒に流入する排気ガスの酸素濃度を一
時的に低下させ、NOx を放出・還元させる処理が実行
される。
【0021】エンジン1には以下の各種センサが取付け
られている。シリンダブロック2には、エンジン1の冷
却水の温度(冷却水温THW)を検出するための水温セ
ンサ74が取付けられている。吸気通路30には、吸入
空気量(流量QA)を検出するためのエアフローメータ
70が取り付けられている。吸気通路30においてエア
クリーナ31の近傍には、吸入空気の温度(吸気温TH
A)を検出するための吸気温センサ73が取付けられて
いる。吸気通路30において、スロットルバルブ32の
近傍には、その軸32aの回動角度(スロットル開度T
A)を検出するためのスロットル開度センサ72が設け
られている。また、スロットルバルブ32が全閉状態の
ときには、アイドルスイッチ82がオンとなり、その出
力であるスロットル全閉信号がアクティブとなる。サー
ジタンク33には、その内部の圧力(吸気圧PM)を検
出するための吸気圧センサ71が取付けられている。排
気通路60の途中には、排気ガス中の残存酸素濃度を検
出するためのO2 センサ75が取付けられている。さら
に、触媒コンバータ62の下流には、理論空燃比よりも
リーン側の空燃比を連続的に感知するリーンミクスチャ
センサ76が設けられている。
【0022】ディストリビュータ53には、クランクシ
ャフト7の回転に同期して回転するロータが内蔵されて
おり、クランクシャフト7の基準位置を検出するために
ロータの回転に基づいてクランク角(CA)に換算して
720°CAごとに基準位置検出用パルスを発生させる
クランク基準位置センサ80が設けられ、また、クラン
クシャフト7の回転速度(エンジン回転速度NE)を検
出するためにロータの回転に基づいて30°CAごとに
回転速度検出用パルスを発生させるクランク角センサ8
1が設けられている。なお、車両には、実際の車速を検
出するための出力パルスを発生させる車速センサ83が
取り付けられている。
【0023】エンジン電子制御装置(エンジンECU)
90は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転速
度制御等を実行するマイクロコンピュータシステムであ
り、そのハードウェア構成は、図2のブロック図に示さ
れる。リードオンリメモリ(ROM)93に格納された
プログラム及び各種のマップに従って、中央処理装置
(CPU)91は、各種センサ及びスイッチからの信号
をA/D変換回路(ADC)95又は入力インタフェー
ス回路96を介して入力し、その入力信号に基づいて演
算処理を実行し、その演算結果に基づき駆動制御回路9
7a〜97cを介して各種アクチュエータ用制御信号を
出力する。ランダムアクセスメモリ(RAM)94は、
その演算・制御処理過程における一時的なデータ記憶場
所として使用される。また、バックアップRAM99
は、バッテリ(図示せず)に直接接続されることにより
電力の供給を受け、イグニションスイッチがオフの状態
においても保持されるべきデータ(例えば、各種の学習
値)を格納するために使用される。また、これらのEC
U内の各構成要素は、アドレスバス、データバス及びコ
ントロールバスからなるシステムバス92を介して接続
されている。
【0024】点火時期制御は、クランク角センサ81か
ら得られるエンジン回転速度及びその他のセンサからの
信号により、エンジンの状態を総合的に判定し、最適な
点火時期を決定し、駆動制御回路97bを介してイグナ
イタ51に点火信号を送るものである。
【0025】また、アイドル回転速度制御は、アイドル
スイッチ82からのスロットル全閉信号及び車速センサ
83からの車速信号によってアイドル状態を検出すると
ともに、水温センサ74からのエンジン冷却水温度等に
よって決められる目標回転速度と実際のエンジン回転速
度とを比較し、その差に応じて目標回転速度となるよう
に制御量を決定し、駆動制御回路97cを介してISC
V36を制御して空気量を調節することにより、最適な
アイドル回転速度を維持するものである。
【0026】以下、本発明に係る空燃比制御すなわち燃
料噴射量計算について詳述する。本実施形態に係る車両
においては、図1に示されるように、自動車情報通信シ
ステムVICS(Vehicle Information and Communicati
on System)における路上側通信装置の一つである電子ビ
ーコン87からの信号を受信するために、受信アンテナ
86及び受信装置85が搭載されている。そして、EC
U90は、図2に示されるように、入力インタフェース
回路96により、受信装置85の出力を入力することが
できるように構成されている。
【0027】図3は、電子ビーコン87側の装置で実行
される信号送信処理ルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。このルーチンは、所定の時間周期で実行
される。まず、ステップ101では、大気をサンプリン
グする。次いで、ステップ102では、サンプリングし
た大気を分析し、NOx 濃度を測定する。次に、ステッ
プ103では、測定されたNOx 濃度が判定基準値5pp
m より大きいか否かを判定する。NOx 濃度>5ppm の
ときには、ステップ104に進み、リーン運転禁止信号
を送信する。一方、NOx 濃度≦5ppm のときには、ス
テップ105に進み、リーン運転許可信号を送信する。
【0028】図4は、エンジンECU90内のCPU9
1によって実行される信号受信処理ルーチンの処理手順
を示すフローチャートである。このルーチンは、所定の
時間周期で実行される。まず、ステップ201では、前
記したリーン運転禁止信号を受信したか否かを判定し、
リーン運転禁止信号を受信したときには、ステップ20
2でリーン運転禁止フラグXLIHを1にセットする。
次いで、ステップ203では、リーン運転許可信号を受
信したか否かを判定し、前記したリーン運転許可信号を
受信したときには、ステップ204でリーン運転禁止フ
ラグXLIHを0にリセットする。
【0029】図5及び図6は、本発明の一実施形態に係
る燃料噴射量計算ルーチンの処理手順を示すフローチャ
ートである。本ルーチンは、基本的には、エンジン1回
転当たりの吸入空気量に基づいて、所定の目標空燃比を
達成する燃料噴射量すなわちインジェクタ40による噴
射時間を演算するものである。演算された噴射時間は、
所定のクランク角に達した時点で燃料を噴射すべく駆動
制御回路97aを介してインジェクタ40を制御する際
に使用される。
【0030】まず、シリンダ内に供給される混合気の空
燃比を理論空燃比とするのに必要な基本燃料噴射時間T
AUBを算出する(ステップ301)。この基本燃料噴
射時間TAUBは、予め実験により求められ、例えば、
吸気管圧力及びエンジン回転速度の関数としてマップの
形でROM93に格納されている。次いで、リーンフィ
ードバック制御を実行すべき条件が成立しているか否か
を判定する(ステップ302)。この条件は、水温、エ
ンジン回転速度、吸気管圧力、車速、スロットル開度等
の運転状態から総合的に判断して定められるものであ
る。この条件が成立したときには、前述のリーン運転禁
止フラグXLIHが1か否かを判定する(ステップ30
3)。
【0031】XLIH=0のとき、すなわちNOx 排出
量低減の観点に基づくリーン運転禁止状態でないときに
は、まず、所定のストイキF/B(フィードバック)補
正係数FAF2を1.0に設定する(ステップ30
4)。次いで、リーン制御基本補正係数FLEANを算
出する(ステップ305)。このリーン制御基本補正係
数FLEANは、リーン混合気とするために1.0未満
の値(例えば0.7近傍)とされ、例えば、吸気管圧力
及びエンジン回転速度の関数としてマップの形でROM
93に格納されている。次いで、ストイキ制御からリー
ン制御への切り替え時からの経過時間を計測するカウン
タC1の値が所定値aより大きいか否か、すなわちリー
ン制御による効果がリーンミクスチャセンサ76に表れ
る程度まで時間が経過しているか否かを判定する(ステ
ップ306)。C1≦aのときには、ステップ328に
進む。
【0032】一方、C1>aのときには、リーンミクス
チャセンサ76の出力電流値I1が所定値bより大きい
か否か、すなわち検出される空燃比が目標リーン空燃比
よりもリーンであるかリッチであるかを判定する(ステ
ップ307)。このbの値は、リーン制御時の目標リー
ン空燃比に対応するセンサ出力電流値を表すものであ
り、リーン制御基本補正係数FLEANから求められる
ものである。なお、リーンミクスチャセンサ76の空燃
比・出力電流特性は、例えば図7に示される如きもので
ある。
【0033】I1>bのとき、すなわち検出される空燃
比が目標リーン空燃比よりもリーンであるときには、所
定のリッチフラグXLSRが0か否か、すなわち前回の
判定においてもリーンであったか否かを判定する(ステ
ップ308)。XLSR=0のとき、すなわち前回の判
定においてもリーンであったときには、燃料噴射量を徐
々に増大させるべく、リーンF/B補正係数FAF1を
所定の積分値αだけ増大せしめる(ステップ309)。
一方、XLSR=1のとき、すなわち前回の判定におい
てはリッチであり今回リーンに変化したときには、燃料
噴射量をスキップ的に増大させるべく、リーンF/B補
正係数FAF1を所定のスキップ値β(α<β)だけ増
大せしめる(ステップ310)。そして、ステップ30
9又は310の次には、次回の判定に備え、リッチフラ
グXLSRを0に設定し(ステップ311)、ステップ
328に進む。
【0034】また、ステップ307においてI1≦bの
とき、すなわち検出される空燃比が目標リーン空燃比よ
りもリッチであるときには、リッチフラグXLSRが1
か否か、すなわち前回の判定においてもリッチであった
か否かを判定する(ステップ312)。XLSR=1の
とき、すなわち前回の判定においてもリッチであったと
きには、燃料噴射量を徐々に減少させるべく、リーンF
/B補正係数FAF1を積分値αだけ減少せしめる(ス
テップ313)。一方、XLSR=0のとき、すなわち
前回の判定においてはリーンであり今回リッチに変化し
たときには、燃料噴射量をスキップ的に減少させるべ
く、リーンF/B補正係数FAF1をスキップ値βだけ
減少せしめる(ステップ314)。そして、ステップ3
13又は314の次には、次回の判定に備え、リッチフ
ラグXLSRを1に設定し(ステップ315)、ステッ
プ328に進む。
【0035】一方、ステップ302にてリーン制御実行
条件が成立しないとき、又はステップ303にてXLI
H=1と判定されNOx 排出量低減の観点からリーン運
転禁止状態にあるときには、まず、前記したカウンタC
1を0に設定し、リーンF/B補正係数FAF1を1.
0に設定し、かつ、リーン制御基本補正係数FLEAN
を1.0に設定する(ステップ316)。次いで、スト
イキフィードバック制御を実行すべき条件が成立してい
るか否かを判定する(ステップ317)。この条件も、
また、水温、エンジン回転速度、吸気管圧力、車速、ス
ロットル開度等から総合的に判断して定められるもので
ある。この条件が成立しないときには、ストイキF/B
補正係数FAF2を1.0に設定し(ステップ31
8)、ステップ328に進む。
【0036】また、ストイキフィードバック制御実行条
件が成立したときには、O2 センサ75の出力電圧値V
1が所定の判定基準値cより大きいか否か、すなわち検
出される空燃比が理論空燃比よりもリッチであるかリー
ンであるかを判定する(ステップ319)。このcの値
は、理論空燃比に対応するO2 センサ出力電圧値を表す
ものである。なお、O2 センサ75の空燃比・出力電圧
特性は、例えば図8に示される如きものである。
【0037】V1>cのとき、すなわち検出される空燃
比が理論空燃比よりもリッチであるときには、所定のリ
ッチフラグXOXが1か否か、すなわち前回の判定にお
いてもリッチであったか否かを判定する(ステップ32
0)。XOX=1のとき、すなわち前回の判定において
もリッチであったときには、燃料噴射量を徐々に減少さ
せるべく、ストイキF/B補正係数FAF2を所定の積
分値γだけ減少せしめる(ステップ321)。一方、X
OX=0のとき、すなわち前回の判定においてはリーン
であり今回リッチに変化したときには、燃料噴射量をス
キップ的に減少させるべく、ストイキF/B補正係数F
AF2を所定のスキップ値δ(γ<δ)だけ減少せしめ
る(ステップ322)。そして、ステップ321又は3
22の次には、次回の判定に備え、リッチフラグXOX
を1に設定し(ステップ323)、ステップ328に進
む。
【0038】また、ステップ319においてV1≦cの
とき、すなわち検出される空燃比が理論空燃比よりもリ
ーンであるときには、フラグXOXが0か否か、すなわ
ち前回の判定においてもリーンであったか否かを判定す
る(ステップ324)。XOX=0のとき、すなわち前
回の判定においてもリーンであったときには、燃料噴射
量を徐々に増大させるべく、ストイキF/B補正係数F
AF2を積分値γだけ増大せしめる(ステップ32
5)。一方、XOX=1のとき、すなわち前回の判定に
おいてはリッチであり今回リーンに変化したときには、
燃料噴射量をスキップ的に増大させるべく、ストイキF
/B補正係数FAF2をスキップ値δだけ増大せしめる
(ステップ326)。そして、ステップ325又は32
6の次には、次回の判定に備え、リッチフラグXOXを
0に設定し(ステップ327)、ステップ328に進
む。
【0039】最後のステップ328においては、以上の
処理で求められた基本燃料噴射時間TAUB並びに各補
正係数FLEAN、FAF1及びFAF2を使用して、
演算式、 TAU←TAUB*FLEAN*FAF1*FAF2*
p+q により、最終的な燃料噴射時間TAUを算出する。な
お、上式のp及びqは、他の運転状態パラメータによっ
て定まる補正量であって、例えば、スロットル開度セン
サ72、吸気温センサ73、水温センサ74等の各セン
サからの信号に基づくものである。求められた噴射時間
TAUは、所定のクランク角に達した時点で駆動制御回
路97aを介してインジェクタ40を制御することによ
り燃料を噴射する際に使用される。以上の処理により、
本実施形態の空燃比制御処理が実現される。
【0040】以上、本発明の実施形態について述べてき
たが、もちろん本発明はこれに限定されるものではな
い。例えば、希薄空燃比に制御する方式には、本実施形
態のように実際に空燃比を検出してフィードバック制御
する空燃比センサ方式と、燃焼圧力を測定しそれよりト
ルク変動を求めてトルク変動許容限界の空燃比へフィー
ドバック制御する燃焼圧センサ方式とがあるが、本発明
は、燃焼圧センサ方式の希薄燃焼エンジンに対しても適
用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
希薄燃焼内燃機関において、車両が現在走行している地
域におけるNOx 濃度に応じてリーン運転が禁止される
ことができるため、背反関係にある低燃費(低CO2
出量)と低NOx 排出量との調和が環境保護の観点に基
づく最適な状態にて達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空燃比制御装置を備
えた電子制御式希薄燃焼内燃機関の全体概要図である。
【図2】エンジンECUのハードウェア構成を示すブロ
ック図である。
【図3】電子ビーコン側の装置で実行される信号送信処
理ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】エンジンECU内のCPUによって実行される
信号受信処理ルーチンの処理手順を示すフローチャート
である。
【図5】本発明の一実施形態に係る燃料噴射量計算ルー
チンの処理手順を示すフローチャート(1/2)であ
る。
【図6】本発明の一実施形態に係る燃料噴射量計算ルー
チンの処理手順を示すフローチャート(2/2)であ
る。
【図7】リーンミクスチャセンサの空燃比・出力電流特
性を例示する特性図である。
【図8】O2 センサの空燃比・出力電圧特性を例示する
特性図である。
【符号の説明】
1…直列4気筒DOHC16バルブ4サイクルレシプロ
ガソリンエンジン 2…シリンダブロック 3…シリンダヘッド 4…シリンダ 5…ピストン 6…コネクティングロッド 7…クランクシャフト 8…燃焼室 9…吸気ポート 10…排気ポート 11…吸気バルブ 12…排気バルブ 13…吸気側カムシャフト 14…排気側カムシャフト 15…吸気側カム 16…排気側カム 17,18,19…タイミングプーリ 20…タイミングベルト 30…吸気通路 31…エアクリーナ 32…スロットルバルブ 32a…スロットルバルブの軸 33…サージタンク 34…吸気マニホルド 35…アイドルアジャスト通路 36…アイドル回転速度制御弁(ISCV) 40…インジェクタ 41…燃料タンク 42…燃料ポンプ 43…燃料配管 50…点火プラグ 51…イグナイタ 52…点火コイル 53…点火ディストリビュータ 60…排気通路 61…排気マニホルド 62…触媒コンバータ 70…エアフローメータ 71…吸気圧センサ 72…スロットル開度センサ 73…吸気温センサ 74…水温センサ 75…O2 センサ 76…リーンミクスチャセンサ 80…クランク基準位置センサ 81…クランク角センサ 82…アイドルスイッチ 83…車速センサ 85…受信装置 86…受信アンテナ 87…電子ビーコン 90…エンジンECU 91…CPU 92…システムバス 93…ROM 94…RAM 95…A/D変換回路 96…入力インタフェース回路 97a,97b,97c…駆動制御回路 99…バックアップRAM

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転状態を検出する運転状態検出手
    段と、 前記運転状態検出手段によって検出される機関運転状態
    に応じて目標空燃比をリーン空燃比又は理論空燃比に設
    定する目標空燃比設定手段と、 実際の機関空燃比を検出する機関空燃比検出手段と、 前記機関空燃比検出手段によって検出される機関空燃比
    が前記目標空燃比設定手段によって設定される目標空燃
    比となるように燃料供給量をフィードバック制御するフ
    ィードバック制御手段と、 所定の地域に対して信号を送信する信号送信手段からの
    信号を受信する信号受信手段と、 前記信号受信手段によって受信される信号に応じて、前
    記目標空燃比設定手段によって目標空燃比がリーン空燃
    比に設定されるのを禁止し、目標空燃比を理論空燃比に
    強制的に設定するリーン運転禁止手段と、 を具備する、希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記信号は、前記所定の地域内の大気中
    のNOx 濃度に応じた値を表示するものであり、前記リ
    ーン運転禁止手段は、前記NOx 濃度が高いことを前記
    信号が表示する場合に目標空燃比を理論空燃比に設定す
    るものである、請求項1に記載の希薄燃焼内燃機関の空
    燃比制御装置。
JP9085303A 1997-04-03 1997-04-03 希薄燃焼内燃機関の空燃比制御装置 Pending JPH10280984A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011114459A1 (ja) * 2010-03-17 2011-09-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
EP3441597A1 (de) * 2017-08-11 2019-02-13 Continental Automotive GmbH Steuerungsverfahren und brennkraftmaschine

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