JP4161772B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコールとガソリンの混合燃料を使用可能な内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルコールとガソリンとの混合燃料を用い、その混合率の変化に対応できるフレキシブルフューエルビークル(以下、FFVと略す)が従来より知られている。特許文献1には、燃料中のアルコール濃度及びエンジン水温に応じて燃料噴射量を補正する技術が開示されている。特許文献2には、低温始動時に、アルコール濃度が所定値以上であれば燃料噴射量を増量補正する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−86917号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平5−340286号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えばエンジン始動から触媒が活性するまでのように、内燃機関が冷機状態にあるときには、触媒が活性化するまでのHC排出量を抑制して排気の清浄化を図るために、できる限りリーン状態で運転することが望ましい。従って、例えば、エンジン水温等からリーン限界に相当する目標当量比を求め、この目標当量比となるように燃料を供給することにより、燃焼安定性を損ねることなく、HC排出量を低減し、排気の清浄化を図ることができる。
【0006】
但し、燃料にガソリンとアルコールとを併用可能なFFVでは、主としてアルコールとガソリンとの燃焼速度の相違に起因して、燃料中のアルコール濃度(ガソリン燃料とアルコール燃料との混合率)に応じて、実際のリーン限界(燃焼安定限界)に相当する目標当量比そのものが変化するので、上述したように目標当量比に応じて燃料を噴射・供給しても、燃焼安定性を損ねたりHC排出量が増大してしまうおそれがある。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
所定の冷機状態で、リーン限界に対応する目標当量比に基づいて燃料を供給する。燃料中のアルコール濃度を検出し、少なくも上記アルコール濃度に応じて、上記目標当量比を補正する。
【0008】
【発明の効果】
冷機状態での目標当量比をアルコール濃度に応じて補正しているため、燃焼安定性を確保しつつ、アルコール濃度に応じてリーン限界を適切に拡大し、排気の清浄化を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図14は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示している。
【0010】
この車両は、アルコールとガソリンとの混合燃料(実質的にアルコールのみ又はガソリンのみの燃料を含む)を用い、その混合率の変化に対応できる代替燃料自動車であり、一般的にフレキシブルフューエルビーグル(FFV)と呼ばれている。
【0011】
このFFVのエンジン本体1の燃焼室2には、吸気弁3を介して吸気通路4が接続されていると共に、排気弁5を介して排気通路6が接続されている。吸気通路4には、エアクリーナ7、吸入空気量を検出するエアフローメータ8、吸入空気量を制御するスロットル弁9及び吸気通路4に燃料を噴射供給する燃料噴射弁11が配設されている。
【0012】
エンジンコントロールユニット(以下、ECUと記す)12は、CPU,ROM,RAM及びI/Oポート等を備えた周知のデジタルコンピュータシステムであり、後述するような様々な制御処理を記憶・実行する機能を備えている。例えば、ECU12からの噴射指令信号に応じて燃料噴射弁11が吸気中に燃料を噴射供給する。
【0013】
排気通路6には、排気中の空燃比(A/F)を検出する空燃比センサ13と、三元触媒14と、が配設されている。三元触媒14は、目標空燃比としての理論空燃比を中心とする、いわゆるウィンドウ内に空燃比がある場合に、最大の転化効率をもって排気中のNOx、HC、COを同時に浄化できる。従って、ECU12では、三元触媒14の上流側に設けた空燃比センサ13からの出力に基づいて、排気の空燃比が上記ウィンドウの範囲内で一定の周期をもって振れるように、後述するフィードバック補正係数ALPHA(α)を用いて空燃比のフィードバック制御を行う。この実施形態では、空燃比センサ13として、理論空燃比を境に出力が反転する酸素センサを用いているが、酸素濃度を連続的に検出可能な広域型の空燃比センサを用いても良い。
【0014】
また、ECU12には、エンジン温度としてのエンジン本体1の冷却水温度を検知する水温センサ15、エンジン回転数を検出するクランク角センサ16、外気温を検知する外気温センサ17、オイルパン内のオイルレベルを検出するオイルレベルセンサ18、車速を検出する車速センサ19、及び燃料タンク(図示省略)内に設置されて燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ20等からの信号が入力される。
【0015】
燃料噴射弁11からの燃料噴射量に相当する噴射パルス幅TIPSは、以下の式(1)により演算される。
【0016】
【数1】
TIPS=(TP×TFBYA×ETHOS+KATHOS)×(ALPHA+KBLRC)十TS …(1)
上記のTPは、エアフローメータ8により検知された吸入空気量に基づいて設定される基本噴射パルス幅であり、アルコール濃度が0%で、かつ、理論空燃比すなわちストイキ相当の噴射パルス幅に相当する。
【0017】
ETHOSは、アルコール濃度に応じた補正率(対アルコール濃度0%)である。このETHOSは、アルコール濃度に応じた理論空燃比(ストイキ)でのA/F(当量比)の変化を吸収・相殺するためのものであり、アルコール濃度0%における理論空燃比でのA/Fに対する補正率に相当する。従って、ETHOSを用いることにより、アルコール濃度に応じたストイキ相当の噴射パルス幅を算出することができる。
【0018】
KATHOSは過渡補正量である。噴射燃料は全てが速やかにシリンダ内に吸入されるわけではなく、その一部が吸気ポートやシリンダ壁に付着し、応答遅れをもって流入する。KATHOSは、この分を補正するための手段・係数である。
【0019】
ALPHA(α)は、上述した空燃比センサ13の出力に基づくフィードバック制御で用いられる補正係数である。KBLRCは、このフィードバック補正係数ALPHAの学習値である。TSは、無効な噴射パルス幅である。これらの補正係数及びその算出手段はいずれも公知であり、詳細な説明は省略する。
【0020】
この特性式(1)において、TFBYAは、理論空燃比(ストイキ)に対する目標増減量率であり、燃焼安定限界すなわちリーン限界に対応した目標当量比の係数に相当する。上記のETHOSが排気の空燃比を理論空燃比へ合わせるための補正係数であるのに対し、このTFBYAは、リーン限界へ向けて空燃比・当量比を積極的に変更するための補正係数である。従って、ETHOSは主として理論空燃比へ向けたフィードバック制御を精度良く行うための係数であるのに対し、当量比係数TFBYAは、触媒活性前の冷機始動時のように、主としてフィードバック制御を行っていない状況、すなわちALPHAを1に固定したオープン制御中に実効を表す係数である。このTFBYAを用いて燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)TIPSを演算することにより、燃料噴射量が所定の冷機状態ではリーン限界に対応する目標当量比へ補正される(当量比補正手段)。
【0021】
図1は、この当量比係数TFBYAの算出ルーチンの一例を示している。S(ステップ)1では、基本当量比係数TFBYA0を算出する。このTFBYA0は、例えば回転数と負荷によりマップ引用され、1を基準値として、出力領域(全開域)で出力が最大となるように、回転数や負荷の増加に応じてリッチ側へ増量するように設定される。このリッチ増量分は、出力の制約となるノッキングの発生に応じて適合される。ノッキングの支配要因であるオクタン価は燃料の種類によって異なることから、上記のTFBYA0は、ガソリン種(レギュラー、ハイオク)、更にはアルコール濃度センサ20により検出されるアルコール濃度を加味して算出される。
【0022】
続くS2では、図2に示すサブルーチンにより未燃分補正率KUBを算出する。詳細な処理内容については後述する。未燃分補正率KUBは、低水温時のポートやシリンダ内の壁流、HC、オイルヘの希釈分が増大し、燃焼A/Fが不用意にリーン化することを抑制・回避するためのリッチ側・増量側への補正係数である。冷機始動直後のように、三元触媒14や空燃比センサ13が活性化していない状況では、ストイキへ向けたフィードバック制御を行うことができず、αを1に固定したオープン制御を行う。このようなオープン制御中の未燃分を想定して、上記のKUBにより燃料噴射量を補正し、排気清浄化等を図る。
【0023】
S3では、図9に示すサブルーチンにより安定性補正率KSTBを算出する。詳細な処理内容については後述する。安定性補正率KSTBは、主としてエンジン温度である冷却水温等の機関運転状態に基づいて、燃焼安定度を確保できる範囲で燃焼A/Fをリーン限界に設定するための補正係数である。始動直後の触媒が活性していない冷機状態では、エンジン温度が低いためにフリクションが高く混合気の混合状態も良くないため、燃焼安定性を確保するためにはリッチ増量が必要である一方、排気性を考慮すると、極力リーン設定とすることが望ましい。上記のKSTBにより、燃焼安定性を確保できる範囲で極力リーン設定とすることにより、燃焼安定性を確保しつつ、エシジンからのHC排出を抑制して排気清浄化を図ることができる。
【0024】
S4では、下式(2)に示すように、S1で算出された基本当量比係数TFBYA0に、上記S2及びS3で算出した補正係数による補正項を加算して、当量比係数TFBYAを算出する。
【0025】
【数2】
TFBYA=TFBYA0 × (1+KUB+KSTB) …(2)
図2は、上記のS2にて算出される未燃分補正率KUBの算出ルーチンを示している。S5にて温度平衡時未燃補正率KUBSTを算出し、S6にて温度非平衡時未燃補正率KUBTRを算出し、S7にて両者KUBST,KUBTRの和を求め、未燃分補正率KUBを算出する。このように、温度平衡時と温度非平衡時とに分けて算出している理由として、主な未燃分は、吸気ポートに付着する分であり、その主な付着場所は、吸気弁となる。一般的に、吸気弁の上昇は水温の上昇よりも早い。これらのことから、水温で決まる付着量と、吸気弁温度で決まる付着量とに分けて考え、前者を温度平衡時の補正、後者を温度非平衡時の補正に対応させて求めることにより、付着部の温度上昇時定数にあわせて燃料噴射量を精度よく算出することが可能となり、燃焼A/Fの制御精度が向上するためである。
【0026】
図3は、上記S5の温度平衡時未燃補正率KUBSTの算出ルーチンを示している。S7にてKUBTWを算出し、S8にてKUBICNを算出し、両者の積算により温度平衡時未燃補正率KUBSTを算出する。KUBTWは、壁流量と燃料の気化性に基づいて求められ、例えば水温毎に割り付けられたテーブルを参照して求められる。壁流量が主として燃料の気化性で決まり、燃料の気化性が主として壁温すなわち水温で決まり、かつ、燃料の気化性がアルコール濃度により変化することから、KUBTWは水温とアルコール濃度に基づいて求めることができる。KUBICNは、噴射場の圧力及び流速に応じて燃料の気化性を補正する補正係数であり、例えば、噴射場の圧力すなわち吸気圧力の代用指標となる負荷軸と流速の代用指標となる回転数軸とのマップに負荷・回転数をマッピングして求められる。いずれの演算手法も特開平10−18881号公報に記載されているように公知である。
【0027】
上記S8のKUBTWの算出ルーチンを図4に示す。S12では、S11で入力した水温をパラメータとして、図5に示すKUBTW0,KUBTW85の算出テーブル(マップ)を参照し、アルコール濃度0%のKUBTW0と、アルコール濃度85%のKUBTW85と、をそれぞれ算出する。S14では、S13で入力したアルコール濃度に応じて、アルコール0%のKUBTW0と、アルコール85%のKUBTW85と、を直線補間して、KUBTWを算出する。
【0028】
アルコールは単一組成燃料であるために、図5のアルコール濃度85%の燃料の特性にも示すように、所定温度T0以下になると気化できない量が急激に増大し、気化特性が急変する一方、アルコール濃度0%のガソリン燃料は単一組成燃料ではないので気化特性が比較的緩やかに変化する。本実施形態では、このような気化特性の異なる2種類の燃料が混合している場合にも、気化性に応じて壁流量が変化してA/Fが変化してしまう問題を未然に防止できる。
【0029】
また、現状で多く使用されているアルコール濃度0%のガソリン燃料とアルコール濃度85%の燃料とに対して中間値KUBTW0,KUBTW85をそれぞれ算出し、アルコール濃度センサ20により検出されるアルコール濃度に基づいて両者を補間することにより、最終的な値KUBTWを算出しており、実質的に制御精度の低下を招くことなく、制御処理の簡素化やROMの低容量化等を図ることができる。
【0030】
図6は、温度非平衡時の未燃補正率KUBTRの算出ルーチンを示している。S15にてKUBASを算出し、S16にてKUBITCを算出し、S17にてKUBNを算出し、S18にてDTWFを算出し、S19にて、それらの積により温度非平衡時の未燃補正率KUBTRを算出する。KUBASは、KUBTWと同様に水温に応じて決まるが、その補正率は、バルブ温度の水温に対する上昇度合いに合わせた補正率がテーブル設定されている。KUBITCは、圧力補正項であり、負荷に応じて決まるテーブル参照値である。KUBNは、流速補正項であり、回転数に応じて決まるテーブル参照値である。DTWFは、水温Twと壁流補正用水温Twfの温度差であり、壁流補正用水温Twfは、水温に応じた壁流補正用温度の初期値INTWFTから一次遅れで冷却水温Twに収束される温度である。従って、水温との温度差が大きいほど、補正量を多くする必要があり、壁流が付着する部位が非平衡な状態でも当量比を目標値に設定できる。いずれも、特開平10−18881号公報で公知のものである。
【0031】
上記S15のKUBASの算出ルーチンを図7に示す。図4のルーチンと同様、S21では、図8のテーブルに従い、S20で入力した水温に応じて、アルコール濃度0%のKUBAS0と、アルコール濃度85%のKUBAS85と、を算出する。S23では、S22で入力したアルコール濃度に応じて、両者KUBAS0,KUBAS85を比例補間して、KUBASを算出する。KUBASは、水温が高くなるほど未燃分が小さくなるので、値を小さく設定する。アルコール濃度に応じて気化特性が異なるため、上記のKUBASを用いてアルコール濃度に応じて設定値を変更することで、未燃分を精度良く補正できる。また上記のKUBTWと同様、アルコール濃度0%の燃料とアルコール濃度85%の燃料とでそれぞれ中間値を算出し、アルコール濃度に応じて両中間値を比例補間して最終的な値KUBASを求めているため、簡素な制御で精度良くKUBASを求めることができる。
【0032】
図9は、図1のS3にて算出される安定性補正率KSTBの算出ルーチンを示している。S24にてKSTBCを算出し、S25にてKASを算出し、S26にて両者を加算してKSTBを求める。
【0033】
上記のKSTBCは、エンジン始動直後からλコントロール(フィードバック制御)を開始するまで、すなわちオープン制御状態・冷機状態で、安定して燃焼を持続させつつ排気の清浄化を図るための増量補正率である。冷機状態では、上記の補正係数TFBYAにより、リーン限界に対応する目標当量比となるように燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)TIPSが算出されて、燃料が噴射・供給される。但し、リーン限界に相当する目標当量比はアルコール濃度に応じて変化するため、このアルコール濃度に応じて目標当量比を補正するように、アルコール濃度に応じてリッチ側への増量補正率KSTBCを算出し、このKSTBCにより上記のKSTB(TFBYA)を補正している。
【0034】
KASは、始動直後から回転数が安定するまでの増量補正率を表す。KASは、冷却水温とアルコール濃度から初期値KAS0を求め、始動後時間とともに0となるまで、一定の割合で減少させる。これにより、始動直後の、コレクタ内空気量変動が激しくエアフローメータ8でも空気計量の精度が良くない期間、また、フリクションが大きく始動直後の吹き上がりが問題となる期間に、適切な燃料供給量の増量を行うことができ、かつ、燃焼が安定する回転数に達すると、排気の低下を抑制するためにリーン限界に設定することができ、始動性を確保しながら、排気の低下を防止できる。
【0035】
図10は、上記S24の増量補正率KSTBCの算出ルーチンを示している。S27では、酸素センサを用いたλコントロール制御が開始されているか、すなわちフィードバック制御中であるかを判定する。酸素センサによるλコントロール制御が開始されていない、すなわち、オープン制御状態・触媒暖気前の冷機状態であると判定されると、S28〜S30の処理を行う。S28ではKSTBTWを算出し、S29ではSTDICNを算出し、S30は、これらの積によりKSTBCを算出する。S27でλコントロール制御が開始されていると判定された場合には、S31へ進んでKSTBCを0とし、KSTBCによる補正を禁止して、ストイキ設定とする。すなわち、KSTBCは、空燃比をオープン制御している冷機状態等でのみ有効となる補正係数である。
【0036】
上記のKSTBTWは、後述するように水温とアルコール濃度とに応じて算出される値であり、STDICNは、回転数と負荷軸のマップ・テーブルからの参照値である。
【0037】
図11は、KSTBTWの算出ルーチンを示している。図4のルーチンと同様、S33では、図12のテーブルに従い、S32で入力した水温に応じて、アルコール濃度0%のKSTBTW0と、アルコール濃度85%のKSTBTW85と、を算出する。S35では、S34で入力したアルコール濃度に応じて、両者KSTBTW0,KSTBTW85を比例補間し、KSTBTWを算出する。
【0038】
上述したKUBTW等と同様、アルコール濃度0%の燃料とアルコール濃度85%の燃料とでそれぞれ中間補正値を算出し、アルコール濃度に応じて両中間値を比例補間して最終的な補正値KSTBTWを求めているため、簡素な制御で精度良くKSTBTWを求めることができる。
【0039】
図12に示すように、水温が低くなるほど、フリクションが増大するとともに気化性が低下して気筒内の混合気分布が低下するために、低水温ほどリッチ側への増量補正率KSTBTW0,KSTBTW85を大きくする。また、アルコール燃料はガソリン燃料に比して燃焼速度が速いことから、アルコール濃度が高い(アルコール濃度85%の比率が高い)ほどリッチ側への増量補正率KSTBTWを小さくしている。従って、この増量補正率KSTBTWを用いた補正により、アルコール濃度が高いほどリッチ側への増量補正率KSTBTWが小さくなり、実質的にリーン限界が拡大され、燃焼安定性を損ねることなく排気清浄化を図ることができる。
【0040】
図13に示すように、リーン限界は点火時期によっても変化する。従って、アルコール濃度に応じて、点火時期の変更(リタード)と上述したKSTBTWの設定とを組み合わせて行うようにしてもよい。この場合、点火時期を極力リタード設定にしたほうが、触媒を早期に暖機できるため、HC排出量を抑制することができる。
【0041】
以上のように本発明を具体的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨・範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を含むものである。例えば、上記実施形態ではアルコール濃度センサ20によりアルコール濃度を直接的に検出しているが、これに限らず、空燃比センサの出力に基づいて推定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る当量比係数TFBYAの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図2】図1の未燃分補正率KUBの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図3】図2の温度平衡時の未燃補正率KUBSTの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図4】図3のKUBTWの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図5】図4のKUBTW0及びKUBTW85の算出テーブル。
【図6】図2の温度非平衡時の未燃補正率KUBTRの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図7】図6のKUBASの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図8】図7のKUBAS0及びKUBAS85の算出テーブル。
【図9】図1の安定性補正率KSTBの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図10】図9の増量補正率KSTBCの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図11】図10のKSTBTWの算出ルーチンを示すフローチャート。
【図12】図11のKSTBTW0及びKSTBTW85の算出テーブル。
【図13】増量補正率KSTBCと点火時期との関係を示す特性図。
【図14】本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示す構成図。
【符号の説明】
11…燃料噴射弁
13…空燃比センサ
14…三元触媒
20…アルコール濃度センサ

Claims (4)

  1. 所定の冷機状態ではリーン限界に対応する目標当量比となるように、当量比係数を用いて燃料噴射量を演算する手段と、
    燃料中のアルコール濃度を検出する手段と、
    少なくとも上記アルコール濃度に基づいて、上記所定の冷機状態での上記当量比係数を補正する当量比補正手段と、
    エンジン温度を検出する手段と、を有し、
    上記当量比補正手段は、
    燃料の気化特性を考慮した第1の補正係数と、燃料の燃焼速度を考慮した第2の補正係数と、を用いて上記当量比係数を算出するとともに、
    上記第1及び第2の補正係数のそれぞれについて、アルコール濃度が0%の燃料の中間補正値と、アルコールが大部分となる燃料の中間補正値と、をそれぞれテーブルとして具備し、上記エンジン温度に基づいて上記2種の燃料の中間補正値を上記テーブルを参照してそれぞれ求め、上記アルコール濃度に基づいて上記2種の中間補正値を補間して補正値を算出し、この補正値に基づいて上記第1及び第2の補正係数をそれぞれ算出する内燃機関の制御装置。
  2. 上記第2の補正係数は、上記当量比係数をリッチ側へ増量補正するもので、かつ、上記アルコール濃度が高いほど、上記当量比係数のリッチ側への増量分を常に小さくするものである請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 排気の空燃比を検出する手段と、
    上記排気の空燃比に基づいてフィードバック制御を行う手段と、を有し、
    上記所定の冷機状態では、上記フィードバック制御が行われていない請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 上記アルコール濃度に応じて点火時期の遅角量を変更する手段を有する請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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