JP2007177638A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料供給装置において、燃料の混合割合に基づいて可及的にリーン空燃比とすることができる技術を提供する。
【解決手段】複数の燃料を混合して用いる内燃機関の燃料供給装置であって、内燃機関へ燃料を供給する燃料供給手段と、内燃機関に供給される燃料の中で所定の種類の燃料の濃度を検出する燃料濃度検出手段と、燃料濃度検出手段により検出される濃度に基づいてリーン空燃比にて運転する領域を決定するリーン領域決定手段(S104、S105)と、リーン領域決定手段により決定された領域においてリーン空燃比で運転する場合には、前記燃料濃度検出手段により検出される濃度に応じたリーン度合いとする空燃比決定手段(S106)と、を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の燃料を混合して使用可能な内燃機関の燃料供給装置に関する。
ガソリンとアルコールとでは、希薄燃焼可能なリーンの限界が異なる。アルコールのほうがガソリンよりもリーンの度合いを高くして燃焼させることができる。そのため、複数の燃料を混合して使用可能な内燃機関では、燃料中のアルコールの濃度が高いほどリーンの限界が高くなる。そして、アルコール濃度によってリーン領域を拡大する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、アルコール濃度によって均質リーン燃焼可能な空燃比が変わるにも関わらず、従来ではリーン燃焼可能な運転領域内で一定のリーン空燃比としていた。そのため、よりリーン空燃比で運転することができる場合もある。
特開平5−272383号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の燃料供給装置において、燃料の混合割合に基づいて可及的にリーン空燃比とすることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の燃料供給装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の燃料供給装置は、
複数の燃料を混合して用いる内燃機関の燃料供給装置であって、
前記内燃機関へ燃料を供給する燃料供給手段と、
前記内燃機関に供給される燃料の中で所定の種類の燃料の濃度を検出する燃料濃度検出手段と、
前記燃料濃度検出手段により検出される濃度に基づいてリーン空燃比にて運転する領域を決定するリーン領域決定手段と、
前記リーン領域決定手段により決定された領域においてリーン空燃比で運転する場合には、前記燃料濃度検出手段により検出される濃度に応じたリーン度合いとする空燃比決定手段と、
を具備することを特徴とする。
前記内燃機関は、複数の燃料を混合したものを混合燃料として使用する。混合燃料においてリーン燃焼可能な運転領域は、該混合燃料に含まれる夫々の燃料におけるリーン燃焼可能な運転領域と、夫々の燃料の混合割合と、によって変化する。ここで、夫々の燃料のリーン燃焼可能な運転領域は、混合されると予想される燃料のリーン燃焼可能な運転領域として予め得ることができる。また、夫々の燃料の割合は、燃料濃度検出手段により検出することができる。そして、リーン領域決定手段は、所定の種類の燃料の濃度に基づいて、そのときのリーン燃焼可能な運転領域を決定する。
ここで、燃焼可能なリーン空燃比の限界(以下、リーン限界という。)は、燃料の種類によって異なる。例えば、リーン限界の高い燃料がより多く混合されるほど、混合燃料のリーン限界も高くなる。すなわち、燃料濃度検出手段により検出される濃度に応じてリーンの度合いを変更することで、そのときの混合燃料において運転可能なリーン限界を得ることができる。
このように、燃料の混合割合によりリーン燃焼可能な運転領域およびリーン燃焼可能なリーンの度合いが異なる。例えば、リーン限界が高い燃料の混合割合が高い場合には、リーン燃焼可能な運転領域がより広くなる。また、リーン限界が高い燃料の混合割合が高い場合には、リーン燃焼で運転するときにリーンの度合いをより高くすることができる。これらから、所定の種類の燃料の濃度に応じてリーン燃焼可能な運転領域の広さおよびリーンの度合いを決定することで、その燃料において、より広い範囲でリーン燃焼にて運転が可能となり且つリーンの度合いを高くすることが可能となる。
本発明によれば、燃料の混合割合に基づいて可及的にリーン空燃比とすることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の燃料供給装置を適用する内燃機関1、並びにその吸気系および排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクルエンジンである。内燃機関1は、ガソリンおよびアルコールを任意の割合で混合した混合燃料を用いることができる。そして、内燃機関1は均質リーン燃焼にて運転が可能である。均質リーンとは、燃焼室2内のどの部分においても空燃比が略一定で、且つ吸入空気量と供給燃料量との比が理論空燃比よりも高い場合をいう。
内燃機関1には、燃焼室2へ通じる吸気通路3が接続されている。この吸気通路3の途中には、内燃機関1の吸入空気量を測定するエアフローメータ4が取り付けられている。また、エアフローメータ4よりも内燃機関1側の吸気通路3には、スロットル5が設けられている。このスロットル5には、該スロットル5の開度に応じた信号を出力するスロットル開度センサ51が取り付けられている。このスロットル開度センサ51の出力信号により内燃機関1の負荷を検出することができる。このスロットル5は、アクチュエータ52により開閉駆動される。
スロットル5よりも内燃機関1側の吸気通路3には、該吸気通路3内に燃料を噴射する燃料噴射弁6が取り付けられている。なお、本実施例では燃料噴射弁6が、本発明における燃料供給手段に相当する。燃料噴射弁6には、燃料供給管61が接続され該燃料供給管61内には燃料が流れている。また、燃料供給管61には、該燃料供給管61内を流れる燃料のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ62が取り付けられている。なお、本実施例ではアルコール濃度センサ62が、本発明における燃料濃度検出手段に相当する。
一方、内燃機関1には、燃焼室2へ通じる排気通路7が接続されている。この排気通路7の途中には、該排気通路7を流通する排気の空燃比を検出する空燃比センサ8が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御する。ECU10には、前記センサのほか、運転者がアクセルペダル11を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ12が電気配線を介して接続され、これらセンサの出力信号が入力されるようになっている。一方、ECU10には、燃料噴射弁6およびスロットル5が電気配線を
介して接続され、燃料噴射弁6からの燃料噴射量およびスロットル5の開度はECU10により制御される。
そして、本実施例では、内燃機関1が部分負荷で運転されているときには、リーン空燃比を目標として燃料噴射量が決定される。ここで、均質リーン燃焼可能な運転領域の広さ、および均質リーン燃焼可能で限界となるリーンの度合いは、燃料中のアルコール濃度により異なる。そして、本実施例では可及的に空燃比を高くするために、均質リーン燃焼を行う運転領域および均質リーン燃焼を行うときの空燃比をアルコール濃度に基づいて決定している。すなわち、アルコール濃度センサ62により得られるアルコール濃度に基づいて目標となる空燃比を決定している。そして、この空燃比となるように燃料噴射量が決定される。
また、均質リーン燃焼を行うことができない領域では、理論空燃比を目標として燃料噴射量が決定される。理論空燃比は、アルコール濃度に基づいて求められる。
一方、全負荷およびその近傍では、内燃機関1の出力が最大となる空燃比(以下、出力空燃比という。)を目標として燃料噴射量が決定される。この出力空燃比は、理論空燃比よりもリッチ側である。
次に、本実施例に係る燃料供給量の算出フローについて説明する。図2は、本実施例に係る燃料供給量の算出フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、アルコール濃度が読み込まれる。本ステップでは、燃料のアルコール濃度がアルコール濃度センサ62により検出され、その値がECU10に記憶される。なお、アルコール濃度センサ62を用いずに、空燃比センサ8により検出される空燃比に基づいた燃料供給量のフィードバック制御時のフィードバック値からアルコール濃度を推定してもよい。
ステップS102では、アクセル開度が読み込まれる。本ステップでは、アクセル開度がアクセル開度センサ12により検出され、その値がECU10に記憶される。
ステップS103では、アルコール濃度を0としたときの基本噴射量Aを算出する。この基本噴射量Aとは、燃料がガソリンのみと仮定した場合に理論空燃比を得ることができる燃料噴射量である。アクセル開度と基本噴射量Aとの関係は、予め求めてマップ化しECU10に記憶させておく。そして、このマップにステップS102で記憶されたアクセル開度を代入して基本噴射量Aを算出する。
ステップS104では、アクセル開度が閾値よりも小さいか否か判定される。本ステップでは、燃料噴射量を増量する必要がないか否か判定している。閾値とは、内燃機関1が全負荷であるとすることのできるアクセル開度の下限値である。この閾値は、機関回転数により定まる値である。ここで、図3は、機関回転数とアクセル開度の閾値との関係を表した図である。アクセル開度の閾値は、アクセルペダル11をいっぱいまで踏み込んだ状態に対してどの程度の踏み込み量であるのかを示している。図3に示されるように機関回転数が高くなるほど、アクセル開度の閾値が小さくなる。すなわち、機関回転数が高くなるほど、より小さなアクセル開度で燃料の増量が必要となる。なお、本ステップでは、アクセル開度に代えて、吸入空気量が所定量以上であるか否か判定するようにしてもよい。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS108へ進む。
ステップS105では、均質リーン燃焼可能な運転領域であるか否か判定される。均質リーン燃焼可能な運転領域であるか否かは、予め設定されているマップに基づいて判定される。ここで、図4は、機関回転数と燃料噴射量と燃料中のアルコール濃度の閾値と関係を示した図である。燃料中のアルコール濃度の閾値とは、そのときの機関回転数および燃料噴射量において均質リーン燃焼可能なアルコール濃度の下限値を示している。また、燃料噴射量はガソリン100%のときに換算した値としている。そのため、アルコール濃度に関係なく図4に示したマップを使用することができる。図4に示されるように、機関回転数が高いほど、また燃料噴射量が多いほど、アルコール濃度がより高くなければ均質リーン燃焼を行うことができない。そして、アルコール濃度センサ62により検出される濃度が、図4に示される閾値よりも小さい場合には、均質リーン燃焼を行うことができないとする。なお、均質リーン燃焼を行うことができない運転領域では、アルコール濃度110%という有り得ない値を入れておく。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、一方否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS106では、燃料中のアルコール濃度に応じて目標となる吸入空気量(以下、目標吸入空気量とする。)を算出する。この目標吸入空気量は、目標となる空気過剰率(以下、目標空気過剰率とする。)に基づいて算出する。
ここで、図5は、機関回転数と燃料噴射量と目標空気過剰率との関係を示した図である。図5(A)はアルコール濃度が0%のとき、図5(B)はアルコール濃度が50%のとき、図5(C)は、アルコール濃度が100%のときを示している。なお、他のアルコール濃度においても同様のマップを備えている。例えばアルコール濃度の10%毎にマップを備えていてもよい。そして、アルコール濃度センサ62により検出されたアルコール濃度を切り上げ、または四捨五入等してどのマップを使用するのか選択する。図5の燃料噴射量はガソリン100%のときに換算した値としている。そのため、アルコール濃度に関係なく図5に示したマップを使用することができる。なお、図5において均質リーン燃焼が行われる運転領域以外では目標空気過剰率が1とされる。
図5に示したように、燃料中のアルコール濃度が高くなるほど、均質リーン燃焼可能な運転領域が、高回転側または燃料噴射量が多い側に広くなる。すなわち、アルコール濃度が高いほど、均質リーン燃焼可能な運転領域が広がる。さらに、機関回転数および燃料噴射量が同じであっても、アルコール濃度が高いほど空気過剰率が大きくなる。すなわち、アルコール濃度が高いほど、リーンの度合いをより大きくすることができる。
このようして得られた目標空気過剰率と、燃料噴射量とから、目標吸入空気量が算出される。なお、目標空気過剰率に代えて、目標となるリーン空燃比を用いてもよい。
ステップS107では、実際の吸入空気量が目標吸入空気量となるように、スロットル5の開度を調整する。すなわち、吸入空気量のフィードバック制御を行う。このときの燃料噴射量は、ステップS103で算出された値である。なお、目標空気過剰率となるように、燃料噴射量をフィードバック制御してもよい。
ステップS108では、内燃機関1の出力を大きくするためにリッチ空燃比とされる。最大出力が得られる空気過剰率は予め実験等により得ることができる。また、本ステップでは、触媒の過熱を抑制するために燃料噴射量の増量制御を行ってもよい。これらの制御は、従来の技術を用いることもできる。
ステップS109では、空燃比センサ8により得られる空燃比を目標空燃比とするために、燃料噴射量のフィードバック制御を行う。目標空燃比は、そのときのアルコール濃度に応じて決定される例えば理論空燃比であり、予め実験等により求めて設定される。この
フィードバック制御は従来の技術を用いることもできる。
なお、空燃比センサ8がリーンの空燃比を検出可能である場合には、空燃比センサ8による燃料噴射量または吸入空気量のフィードバック制御を行うようにしてもよい。図6は、空燃比センサ8により検出される空燃比に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御するときのフローを示したフローチャートである。図2に示したフローチャートに対して、ステップS201のみが異なる。
ステップS201では、空燃比センサ8により検出される空燃比が目標空燃比となるように、燃料噴射弁6から噴射させる燃料量をフィードバック制御する。このようにすることで、空燃比制御の精度を向上させて、よりリーン空燃比での運転が可能となる。
なお、本実施例ではステップS104およびステップS105の処理を行うECU10が、本発明におけるリーン領域決定手段に相当する。また、本実施例ではステップS106の処理を行うECU10が、本発明における空燃比決定手段に相当する。
以上説明したように、本実施例によれば、燃料中のアルコール濃度に基づいて均質リーン燃焼を行う領域を決定し、さらに均質リーン燃焼を行うときにはアルコール濃度に基づいてリーンの度合いを決定する。これにより、均質リーン燃焼で運転することのできる限界を広げ、さらにリーンの度合いの限界を高くすることができる。このように、運転状態およびアルコール濃度に応じて可及的にリーン度合いを高めることができるので、燃費を向上させることができる。
実施例に係る内燃機関の燃料供給装置を適用する内燃機関、並びにその吸気系および排気系の概略構成を示す図である。 実施例に係る燃料供給量の算出フローを示したフローチャートである。 機関回転数とアクセル開度の閾値との関係を表した図である。 機関回転数と燃料噴射量と燃料中のアルコール濃度の閾値と関係を示した図である。 機関回転数と燃料噴射量と目標空気過剰率との関係を示した図である。図5(A)はアルコール濃度が0%のとき、図5(B)はアルコール濃度が50%のとき、図5(C)は、アルコール濃度が100%のときを示している。 空燃比センサにより検出される空燃比に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御するときのフローを示したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 燃焼室
3 吸気通路
4 エアフローメータ
5 スロットル
51 スロットル開度センサ
52 アクチュエータ
6 燃料噴射弁
61 燃料供給管
62 アルコール濃度センサ
7 排気通路
8 空燃比センサ
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ

Claims (1)

  1. 複数の燃料を混合して用いる内燃機関の燃料供給装置であって、
    前記内燃機関へ燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記内燃機関に供給される燃料の中で所定の種類の燃料の濃度を検出する燃料濃度検出手段と、
    前記燃料濃度検出手段により検出される濃度に基づいてリーン空燃比にて運転する領域を決定するリーン領域決定手段と、
    前記リーン領域決定手段により決定された領域においてリーン空燃比で運転する場合には、前記燃料濃度検出手段により検出される濃度に応じたリーン度合いとする空燃比決定手段と、
    を具備することを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
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